以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は本発明の第一の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図、図2は図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図、図3は図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図、図4は図2に示す遊技盤の正面図、図5は図1に示すパチンコ遊技機の部分断面図である。
(遊技機の構成)
図1に示すパチンコ遊技機1は、遊技場(ホール)の所定の設置枠に収容されて設置される外枠2を備えている。外枠2の正面側には、外枠2に対して回動可能に設けられたベースドア(内枠)3が配設され、ベースドア3内には、図2に示す遊技盤4が組み込まれている。また、外枠2の正面には、フロント扉5が設けられている。フロント扉5は、遊技盤4の正面を覆うとともに、ベースドア3の正面側に回動可能に設置されている。
また、パチンコ遊技機1には、プリペイドカードなどが挿入されると、当該プリペイドカードの残高に応じて、遊技球が貸し出されるように構成されたカードユニット84が隣接して併設されている。
フロント扉5は、その中央の略全域にガラス板5aを備え、その内側の遊技盤4が視認可能な構成とされている。フロント扉5の下部には、カードユニット84のカード返却操作や遊技球の貸し出し(玉貸し)操作等を行う玉貸し操作関連ボタンを有する玉貸し操作パネル28が設けられている。また、この玉貸し操作パネル28には、所定の操作を行う決定ボタン20aおよび選択ボタン20b,20cが設けられている。
また、フロント扉5の下側には、外枠2に対して開閉可能な皿パネル6が設置されている。この皿パネル6の正面側には、カードユニット84により貸し出された遊技球および後述する入賞口に入球した場合に払い出される遊技球を受け止める上皿6aと、この上皿6aの満杯時に球出口6dの内方で溢れた遊技球を受け止める下皿6bと、この下皿6bの右側に設けられた発射ハンドル6cと、が配置されている。
発射ハンドル6cは、上皿6aに受け止められている遊技球を発射するためのもので、皿パネル6に対して回動自在に設けられ、遊技者は発射ハンドル6cを操作することによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6cが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて、発射ハンドル6cの背面側に設けられた発射モータに電力が供給され、遊技球が遊技盤4に順次発射される。
発射された遊技球は、図4に示すように、遊技盤4の左側に設けられたガイドレールGにより案内され、遊技盤4の上部に移動し、その後、遊技釘8(図5参照)等との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤4の下方に向かって流下する。
遊技盤4には、遊技状態において遊技球が流下する領域となる遊技領域4a(図2参照)が形成されており、この遊技領域4a内に、遊技球の流下方向を変更させる多数の遊技釘が設けられている。また、図4に示すように、遊技領域4a上において、遊技盤面を左右に仕切る中心線上であって、高さ方向の中央部には始動入賞口9が設けられている。さらに、その中心線の左側であって高さ方向の中央部には、普通図柄作動ゲート10が設けられている。
さらに、始動入賞口9のやや下側位置に本発明の可変入賞装置である大入賞口11が設けられ、始動入賞口9の側方には、一般入賞口12a,12bが設けられている。また、遊技領域4aの中央部下端部には、アウト口14が設けられている。
始動入賞口9は、遊技球が入賞可能とされている。始動入賞口9には、始動入賞口スイッチ9S(図6)が設けられており、始動入賞口9に遊技球が入賞することにより、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球を検出する。始動入賞口スイッチ9Sが遊技球を検出すると、主制御回路30におけるメインCPU31では、大当り判定するための大当り乱数等の抽出を行う。
普通図柄作動ゲート10は、遊技球が通過可能とされており、遊技球が通過したことを条件として普通図柄当り判定用乱数を抽出するトリガーとなる通過ゲートとされている。この普通図柄当り判定用乱数の抽出により普通図柄の当り判定を行い、当り判定に当選した場合に、普通図柄Nに当り普通図柄を表示するとともに、始動入賞口9に具備されている1対の羽根が所定秒数の間開放する。
大入賞口11は、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、上述した大当り乱数に基づいて大当り判定を行い、特別図柄が大当りの表示結果となり、遊技状態が大当り状態となったときに、閉じているシャッタが所定の態様で開閉する。このシャッタが開いている状態が遊技球を受け入れやすい開状態となり、シャッタが閉じている状態が遊技球を受け入れ難い閉状態となる。大入賞口11は、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(たとえば15個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。また、大入賞口11は、開状態と閉状態との一回の開閉動作を1ラウンドとした開閉動作を行う。ここでの1ラウンド中における開状態としては、1ラウンド中大入賞口11が一定時間開放し続ける状態のほか、1ラウンド中に開閉を断続的または間欠的に継続して、結果として遊技球を受け入れやすくする状態も含むものである。
一般入賞口12a,12bは、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(たとえば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。これらの一般入賞口12a,12bは、透光性基板15に設けられている。
一般入賞口12a,12bは、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(たとえば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
アウト口14は、始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12a,12bなどの何れにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。
また、遊技盤4は、図5に示すように、透光性を有する透光性基板15からなっている。この透光性基板15は、たとえばポリカーボネートなどの合成樹脂あるいはその他の透明な部材(透光性部材)で形成された透明部を有している。ここで、「透明な部材」とは、その部材を通して対象を視認可能な程度に光透過率が高いものをいう。本実施形態の遊技領域4aはその大半が透明遊技領域となっている。この透光性基板15には、遊技釘8が少なくともその先端部を埋設されて固定され、この透光性基板15とフロント扉5のガラス板5aにより形成された領域が遊技領域4aとなっている。そして、図2および図5に示すように、この透光性基板15の背面側に各種の画像を表示する大画面の表示領域16aを備えた表示手段である液晶表示装置16が配置されている。液晶表示装置16に表示された画像は、透光性基板15の略中央の遊技釘8が設けられていない部分と、その周辺の遊技釘8が設けられている部分を通して、遊技者がパチンコ遊技機1の正面側から視認できるようになっている。
この表示領域16aには、図4に示すように、9つの図柄表示領域E1〜E9が設定され、各図柄表示領域には、本発明の識別図柄となる装飾図柄D1〜D9がそれぞれ可変表示および停止表示される。装飾図柄D1〜D9が停止表示された際には、それぞれ「7」の数字を模した図柄(以下「主図柄」という)、「軍配」「酒樽」「手形」「扇子」「小槌」を模した図柄(以下「副図柄」という)、およびその他の桜の花びらを模したブランク図柄がそれぞれ設定されている。この副図柄が組み合わされて発展図柄(発展図柄組み合わせ)が構成される。装飾図柄が変動表示される際には、図柄表示領域E1〜E9ごとにそれぞれ設定された図柄の配列の順番でそれぞれ表示される。各図柄表示領域E1〜E9の表示される各識別図柄の表示順序などについては、後に説明する。また、表示領域16aには、装飾図柄D(D1〜D9)の他にも、背景画像、キャラクタ画像等が表示される。
さらに、パチンコ遊技機1は、図2に示すように、液晶表示装置16の上方に、所定の遊技状態となったことを遊技者に報知する効果音や音声などを出力するスピーカ18L,18R、図4に示すように、遊技盤4の下部に、所定の遊技状態となったことを所定のパターンで点灯・消灯することによって報知する装飾ランプ19L,19R、上述したカードユニット84により貸し出された遊技球および始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dにより賞球された遊技球を上皿6aに払い出す払出装置81(図6参照)等を具備している。
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3に示すように、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行するか否かを判定する主制御回路30を備える主制御基板21、映像および音声等の演出を制御する副制御回路40を備える副制御基板22、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路80を備える払出・発射制御基板23、電源を供給する電源供給ユニット24、電源スイッチ25、およびバックアップクリアスイッチ26が、それぞれ配置されている。
さらに、図4に示すように、遊技領域4aの上部には、特別図柄を変動表示させる保留球数(特別図柄保留個数)を報知する4つの特別図柄保留ランプR1〜R4が設けられており、左側の2つの特別図柄保留ランプR1,R2と右側の2つの特別図柄保留ランプR3,R4との間には、特別図柄Jおよび普通図柄Nを表示する図柄表示装置16bが設けられている。特別図柄Jは、大当りか否の判定の結果を示す図柄であり、特別図柄Jとしては、「F」、「A」、「H」、「−」の4種類の図柄が表示される。また、普通図柄表示装置は、特別図柄Jの表示位置の側方に配置されたLEDランプからなり、普通図柄Nは、普通図柄表示装置の色によって表示される。さらに、図柄表示装置16bと表示領域16aの間には、普通図柄を変動表示させる保留球数(普通図柄保留個数)を報知する普通図柄保留ランプr1〜r4が設けられている。
これらの特別図柄Jのうち、「F」、「A」、「H」が大当り特別図柄となる。「F」は、16R継続確変大当り特別図柄、「A」は、2R継続確変大当り特別図柄、「H」は、16R継続通常大当り特別図柄となる。
さらに、「−」ははずれ特別図柄となる。他方、普通図柄Nとしては、LEDランプが赤く点灯したときにはずれ普通図柄となり、緑色に点灯したときに当り普通図柄となる。
表示領域16aに停止表示される装飾図柄Dは、特別図柄Jに対応しており、特別図柄Jが「F」、「A」のいずれかである場合には、図柄表示領域E1〜E9の組み合わせにより設定されている有効ラインL1〜L9の各図柄表示領域に「7」の主図柄が停止表示される。また、特別図柄Jが「−」「H」である場合には、その他の態様で各図柄表示領域E1〜E9に識別図柄が停止表示される。
図6は、図1〜図5に示すパチンコ遊技機1の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。パチンコ遊技機1は、上述した主制御回路30、副制御回路40、払出・発射制御回路80、電源供給ユニット24を中心に複数の構成要素を有し、この電源供給ユニット24は、主制御回路30、副制御回路40および払出・発射制御回路80にそれぞれ接続され各々への電力供給が可能とされている。主制御回路30は、1チップマイコンより構成されているメインCPU(Central Processing Unit)31、メインROM(Read Only Memory)32およびメインRAM(Random Access Memory)33を有し、他に初期リセット回路34とコマンド出力ポート35を有している。
メインCPU31は、後述するカウントスイッチ11CSなどから遊技球の検出信号を入力する一方、メインROM32に記憶されている制御プログラムにしたがい作動して、パチンコ遊技機1における大当り抽選や、賞球排出といったパチンコ遊技機1全体の動作制御を司り、コマンド出力ポート35を介して副制御回路40に各種のコマンドを送信する。メインCPU31は、大当り抽選の結果や遊技状態の消化などにより、通常遊技状態と通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態との間を移行制御している。
また、遊技状態としては、通常遊技状態および大当り遊技状態のほか、通常遊技状態よりも大当り遊技状態に移行しやすい確変遊技状態および時短遊技状態が設定されている。確変遊技状態では、通常遊技状態よりも、メインCPU31における大当り抽選の当選確率を高く設定して、大当り遊技状態に移行しやすくしている。また、時短遊技状態では、通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間を短縮する。こうして、始動入賞口9の羽根9aを開きやすくし、場合によっては普通図柄の当選確率を高く設定して、さらに始動入賞口9の羽根9aを開きやすくして始動入賞口9への入賞割合を高めている。こうして、短時間で多くの大当り抽選を行うことを可能とすることにより、結果として大当り遊技状態に移行しやすくしている。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態、確変遊技状態、および時短遊技状態のいずれにもなっていない遊技状態を意味する。また、通常遊技状態および大当り遊技状態以外の遊技状態では、確変遊技状態と時短遊技状態とが同時に進行する場合もあり、確変遊技状態または時短遊技状態のみが進行する場合もある。
メインCPU31は、確変大当り遊技状態が終了した後は遊技状態を確変遊技状態と時短遊技状態とに移行させ、通常大当り遊技状態が終了した後は遊技状態を時短遊技状態へと移行させる。確変遊技状態では、次に大当り抽選当選するまで確変遊技状態が継続し、時短遊技状態では、次に大当り抽選に当選するか、所定回数、たとえば100回の特別図柄の変動表示が終了するまで時短遊技状態が継続する。メインCPU31は、時短遊技状態で大当り抽選に当選した場合には、遊技状態を大当り遊技状態に移行させ、所定回数の特別図柄の変動が終了した場合には、遊技状態を通常遊技状態に移行させる。なお、確変遊技状態であっても、所定回数の特別図柄の変動表示が終了すると、確変遊技状態から通常遊技状態に移行させてもよい。このように、メインCPU31では、大当り遊技状態、通常遊技状態、確変遊技状態、および時短遊技状態のいずれに移行するかを制御している。メインCPU31は、大当り遊技状態移行判定手段を構成する。
また、メインROM32には、メインCPU31が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。具体的には、図7に示す特別図柄決定テーブル、図8に示す変動パターンテーブル等が記憶されている。さらに、メインRAM33は、メインCPU31が作動する際に用いるデータやプログラムが一時的に記憶されるようになっている。このメインRAM33に、図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドなどの各種コマンドを副制御回路40に送信するための送信バッファが設けられている。
メインCPU31は、図7に示す特別図柄決定テーブルから選択された特別図柄を図柄表示装置16bに表示させる。メインCPU31は、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに大当り抽選を行う。大当り抽選では、大当り判定用乱数カウンタを用いて、大当り乱数(0〜299)から1つの大当り乱数を抽出して大当り抽選を行う。通常遊技状態中、時短遊技状態中では、抽出した大当り乱数が「7」である場合には、大当りと判定し、その他の数である場合にははずれと判定する。また、確変遊技状態中では、抽出した大当り乱数が「3」「5」「7」「11」「13」のいずれかである場合には大当りと判定し、その他の数である場合にははずれと判定する。
また、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに行われる大当り抽選では、大当り特別図柄抽選も同時に行っている。大当り特別図柄抽選では、大当り特別図柄判定用カウンタを用いて大当り特別図柄乱数(0〜9)から1つを取得する。ここで取得された大当り特別図柄乱数値によって、特別図柄の種類、図柄指定コマンド、および大当り遊技状態の内容が決定される。大当り特別図柄抽選で取得された大当り特別図柄乱数は、大当り抽選で大当りと判定された場合に用いられ、大当り抽選ではずれと判定された場合には破棄される。
さらに、メインCPU31は、選択された図柄に基づいて、図柄指定コマンドを決定する。具体的に、選択された図柄が「−」である場合には、図柄指定コマンドをz3と決定する。また、選択された図柄が「F」である場合には、図柄指定コマンドをz0と決定する。さらに、選択された図柄が「A」である場合には、図柄指定コマンドをz1と決定する。そして、選択された図柄が「H」である場合には、図柄指定コマンドをz2と決定する。主制御回路30は、メインCPU31で決定した図柄指定コマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
また、メインCPU31は、図8に示す変動パターンテーブルを参照して、変動パターンコマンドを決定する。そのため、上記の大当り抽選および大当り特別図柄抽選とはさらに別個に変動パターン決定抽選を行う。変動パターン決定抽選では、複数、たとえば0〜99の乱数から1つの変動パターン決定乱数を取得する。ここで取得された変動パターン決定乱数のほか、大当り抽選の当落、現在の遊技状態を図8に示す変動パターンテーブルに参照して、変動パターンコマンドを決定するとともに、変動パターンコマンドに対応する変動時間および演出内容を決定する。主制御回路30は、メインCPU31で決定した変動パターンコマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
具体的に、通常遊技状態中に大当り抽選に落選し、取得した変動パターン決定乱数が0〜74である場合、変動パターンコマンド「h0」を決定するとともに、変動時間10秒、演出内容として「通常変動」を決定する。また、取得した変動パターン決定乱数が75〜94である場合、変動パターンコマンド「h2」を決定するとともに、変動時間20秒、演出内容として「ノーマルリーチ」を決定する。さらに、取得した変動パターン決定乱数が95〜99である場合、変動パターンコマンド「h3」を決定するとともに、変動時間30秒、演出内容として「スーパーリーチ」を決定する。
また、時短遊技状態中または確変遊技状態中に大当り抽選に落選し、取得した変動パターン決定乱数が0〜74である場合、変動パターンコマンド「h1」を決定するとともに、変動時間5秒、演出内容として「短縮変動」を決定する。また、取得した変動パターン決定乱数が75〜94である場合、変動パターンコマンド「h2」を決定するとともに、変動時間20秒、演出内容として「ノーマルリーチ」を決定する。さらに、取得した変動パターン決定乱数が95〜99である場合、変動パターンコマンド「h3」を決定するとともに、変動時間30秒、演出内容として「スーパーリーチ」を決定する。
さらに、大当り抽選に当選し、選択された特別図柄が「F」であり、取得した変動パターン決定乱数が0〜19である場合、変動パターンコマンド「h4」を選択するとともに、変動時間25秒、演出内容として「ノーマルリーチ」を選択する。また、取得した変動パターン決定乱数が20〜99である場合、変動パターンコマンド「h5」を選択するとともに、変動時間35秒、演出内容として「スーパーリーチ」を選択する。また、大当り抽選に当選し、選択された特別図柄が「A」または「H」である場合には、取得した変動パターン決定乱数を破棄し、変動パターンコマンド「h6」を選択するとともに、変動時間8秒、演出内容として「突然大当り演出」を選択する。
メインRAM33は、送信バッファにセットされている図柄指定コマンドや変動パターン指定コマンドなどの各種コマンドをコマンド出力ポート35より、副制御回路40に送信する。初期リセット回路34は、リセット信号をメインCPU31に定期的に出力する。このリセット信号により、メインCPU31は制御プログラムの先頭から処理を実行する。
また、主制御回路30には、カウントスイッチ11CSをはじめとする各スイッチ等が接続されている。カウントスイッチ11CSは大入賞口11に入賞した遊技球の個数を計測し、計測結果を示す検出信号を主制御回路30に出力する。一般入賞口スイッチ12Sは各一般入賞口12a〜12dに入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。作動ゲートスイッチ10Sは普通図柄作動ゲート10を通過する遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。始動入賞口スイッチ9Sは始動入賞口9に入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。
始動口ソレノイド9Lは始動入賞口9に設けられた一対の羽根9a,9aを開閉させ、大入賞口ソレノイド11Lは大入賞口11に設けられたシャッタを開閉させる。バックアップクリアスイッチ26は、電断時等におけるバックアップデータを操作者の操作に応じてクリアする。
また、パチンコ遊技機1では、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに、主制御回路30におけるメインCPU31は、上記の大当り抽選を行う。大当り抽選の結果、通常大当りまたは確変大当りが決定された場合には、遊技状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行する。このように、大当り遊技状態には通常大当り遊技状態と確変大当り遊技状態とがあり、このうちの確変大当り遊技状態が特別大当り遊技状態となる。また、検出信号に基づくの大当り抽選の結果を報知する識別図柄の変動表示が行われている最中には、検出信号を最大4つ保留し、その保留個数と同数の特別図柄保留ランプR1〜R4を点灯させる。
さらに、大当り抽選の結果の大当りが通常大当りである場合は、大当り遊技状態終了後に、時短遊技状態に移行する。また、大当りが確変大当りである場合は、大当り遊技状態終了後に、確変遊技状態に移行する。一方、大当り抽選の結果がはずれとなった場合には、大入賞口11の開閉制御を行うことはないが、大当りとなった場合には、大入賞口11を開閉制御する。大入賞口11の開閉制御では、大入賞口11の開状態と閉状態との1回の開閉動作を1ラウンドとして、大当り特別図柄乱数値に基づいて決定されたラウンド数まで大入賞口11開閉動作の駆動制御を行う。
副制御回路40は、主制御回路30からコマンドを入力し、その入力したコマンドにしたがい、液晶表示装置16を用いた識別図柄の可変表示、リーチ演出、予告演出といった演出に必要な制御を行う一方、所定の画像を液晶表示装置16に表示させる。また、副制御回路40は、スピーカ18L、18Rを用いた音声出力による演出や装飾ランプ19L、19Rを用いた点滅表示による演出を行うのに必要な制御も行う。
この副制御回路40は、サブCPU41を中心に構成され、サブROM42と、サブRAM43およびコマンド入力ポート48を有し、画像制御回路50と、音声制御回路60、およびランプ制御回路70を有している。
サブCPU41は、主制御回路30から入力したコマンドにしたがいサブROM42に記憶されているプログラムに沿った処理を実行し、画像制御回路50、音声制御回路60およびランプ制御回路70を作動させる一方、選択ボタン20b,20c、決定ボタン20aからの信号等にしたがい電源供給ユニット24を制御する。
サブROM42にはサブCPU41が実行するプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。具体的には、図9に示す表示パターンテーブルや図10,図11に示す詳細表示パターン決定テーブル等が記憶されている。さらに、サブRAM43はサブCPU41が作動する際に用いるデータやプログラムおよび主制御回路30から送信される図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドなどの各種コマンドを格納するための受信バッファが設けられている。
サブCPU41は、図9に示す表示パターンテーブルから選択された表示パターンに沿って、所定の演出を液晶表示装置16の表示領域16aに表示させる。サブCPU41は、表示パターン決定抽選を行う。表示パターン決定抽選では、複数、たとえば0〜99の乱数から、1つの表示パターン決定乱数値を取得する。このときに取得された表示パターン決定乱数値と、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドを表示パターンテーブルに参照して、表示パターンおよび表示内容を決定する。
ここで、液晶表示装置16における表示領域16aに表示される装飾図柄の表示態様について説明する。図12(a)に模式的に示すように、液晶表示装置16における表示領域16aには、9つの図柄表示領域E1〜E9が3行3列のマトリクス状に配置されている。各図柄表示領域における装飾図柄の停止順序を図12(b)を用いて説明すると、これらの9つの図柄表示領域E1〜E9において、まず、第一,第九図柄表示領域E1,E9における装飾図柄(以下「第一停止図柄」ともいう)が停止表示され、次に、第二,第四,第六,第八図柄表示領域E2,E4,E6,E8における装飾図柄(以下「第二停止図柄」ともいう)が停止表示される。続いて、第三,第七図柄表示領域E3,E7における装飾図柄(以下「第三停止図柄」ともいう)が停止表示される。そして、最後に第五図柄表示領域E5における装飾図柄(以下「第四停止図柄」ともいう)が停止表示される。
また、有効ラインは、通常有効ラインと特別有効ラインとが設定されており、図12(c)に示すように、通常有効ラインとして、第一〜第八有効ラインL1〜L8が設定されている。第一有効ラインL1は、第一,第二,第三図柄表示領域E1,E2,E3からなり、第二有効ラインL2は、第四,第五,第六図柄表示領域E4,E5,E6からなる。また、第三有効ラインL3は、第七,第八,第九図柄表示領域E7,E8,E9からなり、第四有効ラインL4は、第一,第四,第七図柄表示領域E1,E4,E7からなる。さらに、第五有効ラインL5は、第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8からなり、第六有効ラインL6は、第三,第六,第九図柄表示領域E3,E6,E9からなる。そして、第七有効ラインL7は、第一,第五,第九図柄表示領域E1,E5,E9からなり、第八有効ラインL8は、第三,第五,第七図柄表示領域E3,E5,E7からなる。その他、図示はしないが、特別有効ラインとして、第一,第八,第三図柄表示領域E1,E8,E3からなるV型ライン、および第七,第二,第九図柄表示領域E7,E2,E9からなる山型ラインが設定されている。
さらに、各図柄表示領域E1〜E9では、それぞれ図柄の変動表示配列が設定されている。いま、図13(a)に示すように、第一,第二,第四,第六,第八,第九図柄表示領域E1,E2,E4,E6,E8,E9の表示配列をAパターン、第三,第七図柄表示領域E3,E7の表示配列をBパターン、第五図柄表示領域E5の表示配列をCパターンとする。ここで、Aパターンでは、図13(b)に示す7種10個の図柄が変動表示される。この変動表示では、表示番号が若い順に順次表示され、具体的に「小槌」→「扇子」→「ブランク」→「手形」→「ブランク」→「酒樽」→「ブランク」→「軍配」→「7」→「小槌」→…の順序で変動表示される。
また、Bパターンでは、図13(c)に示す7種21個の図柄が変動表示され、Cパターンでは、図13(d)に示す7種21個の図柄が変動表示される。
図9に示す表示パターンテーブルを用いた表示パターンおよび表示内容の決定は、以下の通りにして行われる。まず、変動パターンコマンドがh0である場合、表示パターン決定乱数を破棄し、表示パターンとしてhz0が決定され、通常変動はずれが決定される。また、変動パターンコマンドがh1である場合、表示パターン決定乱数を破棄し、表示パターンとしてhz1が決定され、短縮変動はずれが決定される。
次に、変動パターンコマンドがh2である場合、表示パターン決定乱数によって決定される表示パターンが異なる。表示パターン決定乱数が0〜74のいずれかである場合には、ノーマルリーチAパターンが決定され、表示パターンとしてhz2が決定される。また、表示パターン決定乱数が75〜99のいずれかである場合には、ノーマルリーチBパターンが決定され、表示パターンとしてhz3が決定される。
さらに、変動パターンコマンドがh4である場合、表示パターン決定乱数によって決定される表示パターンが異なる。表示パターン決定乱数が0〜49のいずれかである場合には、ノーマルリーチAパターンが決定され、表示パターンとしてhz14が決定される。また、表示パターン決定乱数が50〜99のいずれかである場合には、ノーマルリーチBパターンが決定され、表示パターンとしてhz15が決定される。
さらに、変動パターンコマンドがh3である場合には、表示パターン決定乱数により、以下のように表示パターンおよび表示内容が決定される。表示パターン決定乱数が0〜34のいずれかである場合には、スーパーリーチとして「小槌リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz4が決定される。「小槌リーチ」が表示される際には、通常変動はずれと同様の停止順によって各図柄表示領域における図柄を停止表示させてから、後に特定発展演出である「小槌リーチ」が表示される。また、表示パターン決定乱数が35〜64のいずれかである場合には、スーパーリーチとして「扇子リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz5が決定され、表示パターン決定乱数が65〜84のいずれかである場合には、スーパーリーチとして「手形リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz6が決定される。さらに、表示パターン決定乱数が85〜94のいずれかである場合には、スーパーリーチとして「酒樽リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz7が決定される。表示パターン決定乱数が95〜99のいずれかである場合には、スーパーリーチとして「軍配リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz8が決定される。これらの「扇子リーチ」、「手形リーチ」、「酒樽リーチ」、「軍配リーチ」についても「小槌リーチ」と同様に、通常変動はずれと同様の停止順によって各図柄表示領域における図柄を停止表示させてから、所定の演出表示がなされる。
また、変動パターンコマンドがh5である場合には、表示パターン決定乱数により、以下のように表示パターンおよび表示内容が決定される。表示パターン決定乱数が0〜4のいずれかである場合には、スーパーリーチとして「小槌リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz16が決定される。表示パターン決定乱数が5〜14のいずれかである場合には、スーパーリーチとして「扇子リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz17が決定される。表示パターン決定乱数が15〜34のいずれかである場合には、スーパーリーチとして「手形リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz18が決定される。表示パターン決定乱数が35〜64のいずれかである場合には、スーパーリーチとして「酒樽リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz19が決定される。表示パターン決定乱数が65〜99のいずれかである場合には、スーパーリーチとして「軍配リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz20が決定される。
さらに、変動パターンコマンドがh6である場合には、突然大当り演出が決定され、そのうち、表示パターン決定乱数が0〜49のいずれかである場合には、Aパターンが決定され、表示パターンとしてhz26が決定される。また、表示パターン決定乱数が50〜99場合にはBパターンが決定され、表示パターンとしてhz27が決定される。
また、サブCPU41は、詳細表示パターン決定抽選を行う。詳細表示パターン決定抽選では、複数、たとえば0〜8191の乱数から、1つの詳細表示パターン決定乱数を取得する。このときに取得された詳細表示パターン決定乱数と、表示パターンテーブルを参照して決定された表示パターンにより、図10および図11に示す詳細表示パターン決定テーブルを参照して、仮停止図柄の詳細表示パターンおよび詳細表示内容を決定する。なお、図10および図11に示す詳細表示パターン決定テーブルでは、選択確率が表示されているが、この選択確率は、詳細表示パターン決定乱数の振分け確率を示すものである。
詳細表示パターン決定テーブルを用いた詳細表示パターンおよび詳細表示内容の決定は、以下の通りにして行われる。まず、表示パターンがhz0〜hz3、hz14、hz15、hz26、hz27の場合には、仮停止図柄は表示されないので、これらの表示パターンが決定された場合、サブCPU41で取得した詳細表示パターン決定乱数を破棄し、詳細表示パターンおよび詳細表示内容の決定は行わない。
また、サブCPU41は、装飾図柄を決定するために、複数、たとえば10個の装飾図柄決定乱数の中から1つの乱数を決定し、この乱数と主制御回路30から送信された図柄指定コマンドと装飾図柄振分けテーブルを参照して、装飾図柄の表示態様を決定する。ここでは、8個のリーチ成立ラインのいずれかに表示される装飾図柄の態様が決定される。ここで、図柄指定コマンドがz0である場合、装飾図柄決定乱数が0〜8のいずれかである場合には、決定されたリーチ成立ラインに「777」が表示される装飾図柄の表示態様を決定する。また、リーチ成立ライン以外の装飾図柄については、ランダムに決定する。さらに、図柄指定コマンドがz1,z2である場合にも同様にいずれかのリーチ成立ラインに「777」が表示される装飾図柄の表示態様が決定される。
さらに、図柄指定コマンドがz3である場合には、サブCPU41における図柄表示領域E1〜E9のそれぞれに表示する装飾図柄を選択する乱数に基づいて、図柄表示領域E1〜E9のそれぞれにおける装飾図柄を決定する。このときに選択された装飾図柄が大当り図柄を表示する場合には、装飾図柄の選択をやり直す。
図8に示す表示パターンテーブルに戻り、表示パターンがhz4〜hz8のいずれかである場合(主制御回路30における大当り抽選の結果がはずれとなる場合の表示パターン)には、表示内容は互いに異なるが、互いに同様の選択確率で詳細表示パターンおよび詳細表示内容が決定される。そこで、ここでは、表示パターンがhz4の場合について説明する。図10に示すように、表示パターンがhz4の場合、7936/8192の確率で詳細表示パターンHza00が決定される。詳細表示パターンHza00の場合の詳細表示内容は、リーチからの発展となる。なお、ここでの「リーチからの発展」とは、1以上のリーチ成立ラインに主図柄リーチ状態が成立した状態をいう。
また、105/8192の確率で詳細表示パターンHza03が決定され、43/8192の確率で詳細表示パターンHza04が決定され、20/8192の確率で詳細表示パターンHza05が決定される。さらに、11/8192の確率で詳細表示パターンHza06が決定され、6/8192の確率で詳細表示パターンHza07が決定され、5/8192の確率で詳細表示パターンHza08が決定される。そして、1/8192の確率で詳細表示パターンHza09が決定され、65/8192の確率で詳細表示パターンHza10が決定される。
詳細表示パターンHza03の場合の詳細表示内容は、1ラインに停止表示された発展図柄からの発展であり、詳細表示パターンHza04の場合の詳細表示内容は、2ラインに停止表示された発展図柄からの発展であり、詳細表示パターンHza05の場合の詳細表示内容は、3ラインに停止表示された発展図柄からの発展である。また、詳細表示パターンHza06の場合の詳細表示内容は、4ラインに停止表示された発展図柄からの発展であり、詳細表示パターンHza07の場合の詳細表示内容は、5ラインに停止表示された発展図柄からの発展であり、詳細表示パターンHza08の場合の詳細表示内容は、6ラインに停止表示された発展図柄からの発展である。そして、詳細表示パターンHza09の場合の詳細表示内容は、8ラインに停止表示された発展図柄からの発展であり、詳細表示パターンHza10の場合の詳細表示内容は、特殊型に停止表示された発展図柄からの発展である。
さらに、表示パターンがhz16〜hz20のいずれかである場合(主制御回路30における大当り抽選の結果が大当りとなる場合の表示パターン)には、表示内容は互いに異なるが、互いに同様の選択確率で詳細表示パターンおよび詳細表示内容が決定される。そこで、ここでは、表示パターンがhz16の場合について説明する。図11に示すように、表示パターンがhz16の場合、4096/8192の確率で詳細表示パターンHza20が決定される。詳細表示パターンHza20の場合の詳細表示内容は、リーチからの発展となる。
また、128/8192の確率で詳細表示パターンHza23が決定され、256/8192の確率で詳細表示パターンHza24〜Hza27がそれぞれ決定され、512/8192の確率で詳細表示パターンHza28が決定される。さらに、2290/8192の確率で詳細表示パターンHza29が決定され、192/8192の確率で詳細表示パターンHza30が決定される。
詳細表示パターンHza23の場合の詳細表示内容は、1ラインに停止表示された発展図柄からの発展であり、詳細表示パターンHza24の場合の詳細表示内容は、2ラインに停止表示された発展図柄からの発展であり、詳細表示パターンHza25の場合の詳細表示内容は、3ラインに停止表示された発展図柄からの発展である。また、詳細表示パターンHza26の場合の詳細表示内容は、4ラインに停止表示された発展図柄からの発展であり、詳細表示パターンHza27の場合の詳細表示内容は、5ラインに停止表示された発展図柄からの発展であり、詳細表示パターンHza28の場合の詳細表示内容は、6ラインに停止表示された発展図柄からの発展である。そして、詳細表示パターンHza29の場合の詳細表示内容は、8ラインに停止表示された発展図柄からの発展であり、詳細表示パターンHza30の場合の詳細表示内容は、特殊型に停止表示された発展図柄からの発展である。
さらに、サブROM42は、図示しない大当り用装飾図柄決定テーブルおよびはずれ用装飾図柄決定テーブルを有している。サブCPU41は、主制御回路30から送信された図柄指定コマンドを解析し、大当りとなるか否かを判断する。その結果、大当りとなると判断した場合には、大当り用装飾図柄決定テーブルを参照して大当り用装飾図柄を決定し、はずれとなると判断した場合には、はずれ用装飾図柄決定テーブルを参照してはずれ用装飾図柄を決定する。また、サブROM42は、液晶表示装置16に表示する装飾図柄を複数記憶している。サブROM42は、装飾図柄として、上記の主図柄である「7」、副図柄である「軍配」「酒樽」「手形」「扇子」「小槌」、およびブランク図柄を記憶している。そして、サブCPU41は、装飾図柄決定抽選によって装飾図柄決定用乱数を取得し、この装飾図柄決定用乱数を装飾図柄用決定テーブルに参照して装飾図柄を決定する。ここで、発展図柄を表示する際には、発展図柄を決定する。サブCPU41は、発展図柄組み合わせ決定手段を構成し、サブROM42は、図柄記憶手段を構成する。
また、サブCPU41は、決定した表示パターンおよび装飾図柄に基づいて、各図柄表示領域における図柄を可変表示させ、変動表示から停止表示に至るまでの表示制御を行う。サブCPU41は、装飾図柄を停止表示させるにあたって、発展図柄を表示させるか否かを判定する。さらに、発展図柄を停止表示させる際には、発展図柄を構成する一部の副図柄について、この副図柄が停止表示される図柄表示領域に、一部の副図柄の全体を停止表示させるとともに、発展図柄を構成する副図柄について、他の副図柄が停止表示される図柄表示領域に他の副図柄の一部分を停止表示させる。具体的に、たとえば図12(c)に示す有効ラインL2の第四〜第六図柄表示領域E4〜E6にそれぞれ「小槌」表示させる際には、図27(c)に示すように、第四,第六図柄表示領域E4,E6に小槌図柄の全体を停止表示させ、第五図柄表示領域E5に「小槌」の一部を停止表示させる。サブCPU41は、表示制御手段および発展判定手段を構成する。
さらに、サブROM42には、装飾図柄と同時に表示領域16aに表示される各種の演出パターンが記憶されている。演出パターンとしては、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドに対応する変動内容に応じた各種のパターンが記憶されている。また、サブCPU41は、サブROM42に記憶された演出パターンの中から、主制御回路30から送信される変動パターンコマンドに応じた演出パターンを液晶表示装置16に表示させる。この演出パターンには、特定発展演出である発展リーチ演出が含まれる。発展リーチ演出としては、各発展図柄に対応する発展リーチ演出、具体的には、「小槌リーチ演出」、「扇子リーチ演出」、「手形リーチ演出」、「酒樽リーチ演出」、「軍配リーチ演出」が設定されている。サブCPU41は、演出決定手段を構成し、サブROM42は演出記憶手段を構成する。
また、有効ラインL1〜L8のいずれかの有効ラインに同一種類の発展図柄が停止表示されて発展する発展リーチ演出は、有効ラインに表示された発展図柄種類に対応する発展リーチ演出となるように設定されている。たとえば、第一有効ラインL1に「小槌」の発展図柄の組み合わせが停止表示されて発展する発展リーチ演出は、「小槌リーチ演出」となる。
また、これらの発展リーチ演出では、図28(b)に示すように、発展前における3行3列の装飾図柄に代えて、横1列の3つの図柄からなる発展リーチ演出用図柄が表示される。発展リーチ演出用図柄としては、数字の「0」〜「9」が設定されており、3つの図柄がすべて同種の数字として表示された場合が大当り図柄となる。さらに、サブCPU41は、複数の発展リーチ演出用図柄決定乱数の中から1つの決定乱数を取得し、発展リーチ演出が行われる際、すなわち停止図柄決定テーブルを参照し、発展図柄から発展に対応する詳細表示パターンが決定された際には、取得した乱数に応じた発展リーチ演出用図柄を決定する。
画像制御回路50は、VDP(Video Display Processor)51と、D/Aコンバータ52と、初期リセット回路53と、画像データROM(画像記憶手段)54a,54bとを有している。VDP51は、サブCPU41で決定された液晶表示装置16に表示させる内容に応じた画像を形成し、その形成された画像をD/Aコンバータ52に出力する。D/Aコンバータ52はVDP51から出力される画像データをD/A変換して、変換により得られたアナログ信号を液晶表示装置16に出力し、画像を表示させる。初期リセット回路53はサブCPU41からのリセット命令を受けて、VDP51を初期状態に戻す処理を実行する。画像データROM54aには、装飾図柄、特別図柄、キャラクタ、背景などを示す画像のデータ(画像データ)を記憶し、画像データROM54bには、各種画像データを液晶表示装置16に表示させるための画像データを記憶している。VDP51は、サブCPU41から出力される装飾図柄および特別図柄に対応する画像データを画像データROM54a,54bから読み出し、この画像データに基づく図柄等の画像を液晶表示装置16に表示させる。
音声制御回路60は、音源IC61と、アンプ(以下「AMP」という)62と、音声データROM63とを有している。音源IC61は、サブCPU41からの指示にしたがい、音声データROM63に記憶されている音声データを用いて音声信号を生成する。AMP62は、音源IC61により生成された音声信号を適切なレベルに増幅し、増幅した音声信号をスピーカ18L、18Rに供給して音声を出力させる。音声データROM63は予告演出、リーチ演出、大当り演出などに用いられる音楽、音声、効果音などのデータ(音声データ)を記憶している。
ランプ制御回路70は、装飾ランプ19L、19Rの点滅パターンを示す装飾データを記憶した装飾データROM71と、サブCPU41からの指示にしたがい、装飾データROM71に記憶されている装飾データを用いて装飾ランプ19L、19Rを点滅させるドライブ回路72とを有している。
払出・発射制御回路80は、主制御回路30の制御にしたがい払出装置81と、発射ハンドル6cおよび発射モータを有する発射装置82とを作動させて、所定数の遊技球を賞球として払出させるとともに、遊技球を遊技盤4上の遊技領域4aに向けて発射させる。
電源供給ユニット24は、副制御回路40の制御にしたがい副制御回路40、主制御回路30および払出・発射制御回路80への電力供給を行う。
(パチンコ遊技機の動作内容)
次に、パチンコ遊技機1の動作内容のうち、主制御回路30および副制御回路40による制御処理の手順について、図14〜図26までのフローチャートを参照して説明する。図14はパチンコ遊技機1において、電源を投入したあとに主制御回路30により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。
(メイン制御処理の動作手順)
図14に示すように、パチンコ遊技機1は、電源投入に伴い主制御回路30のメインCPU31がメイン制御処理を開始し、初期設定処理を行い(S1)、次に、特別図柄制御処理(S2)を行う。この特別図柄制御処理については、後に説明する。その後、普通図柄制御処理を行い(S3)、さらに図柄表示装置制御処理(S4)を行った後、乱数更新処理を行う(S5)。以後、このステップS2〜ステップS5の工程を順次実行する繰返ルーチンに進む。なお、このメイン制御処理には、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、割込許可フラグの設定を条件に定期的(たとえば2msごと)にシステムタイマ割込み処理が割込んで実行される。このシステムタイマ割込処理のコマンド出力処理により、図柄指定コマンド等の各種コマンドが主制御回路30から副制御回路40に出力される。
特別図柄制御処理(S2)は、図15に示すフローチャートのようにして行われる。特別図柄制御処理を開始すると、まず、制御状態フラグをロードする(S11)。この制御状態フラグは、液晶表示装置16における図柄の可変表示画像を用いた特別図柄ゲームの状態を示すフラグであって、メインCPU31が後続の各ステップいずれを実行するかを判定するためのデータが設定されている。
次に、特別図柄記憶チェック処理(S12)が図16に示すフローチャートの手順に沿って行われる。この特別図柄記憶チェック処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示すデータ“00”か否かを判断する(S21)。その結果、 “00”でなければ処理を終了する。また、“00”である場合には、保留個数が“0”か否かを判定する(S22)。その結果、保留個数が“0”であればデモ表示処理を行い(S23)、その後、処理を終了する。一方、保留個数が“0”でなければ、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”をセットする(S24)。
制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”をセットしたら、大当り判定用前処理を行う(S25)。このとき、メインCPU31は高確率フラグを読み出して大当り判定テーブルを選択し、大当り乱数を用いて選択された大当り判定テーブルをサーチする。
それから、大当り判定用前処理において大当り判定テーブルをサーチした結果に基づいて、大当り判定として、大当りであるか否かの判断を行う(S26)。その結果、大当りである場合には、大当り図柄の決定処理を行い(S27)、大当りでなければはずれ図柄の決定処理を行う(S28)。
大当り図柄の決定処理では、遊技球が始動入賞口9に入賞するときに行われる大当り特別図柄抽選で抽出される大当り特別図柄乱数値に基づいて大当りの種別を決定する。大当り乱数値が「0〜5」である場合には、特別図柄として「F」が選択される。また、大当り乱数値が「6」「7」である場合には、特別図柄として「A」が選択され、大当り乱数値が「8」「9」である場合には、特別図柄として「H」が選択される。さらに、大当り乱数値「0」〜「9」の場合において、それぞれ図柄指定コマンド「z0」〜「z3」を選択し、選択した図柄指定コマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
また、はずれ図柄の決定処理では、特別図柄として「−」を選択するとともに図柄指定コマンドz3を選択し、選択した図柄指定コマンドz3をRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
その後、メインCPU31は変動パターンの決定を行う(S29)。変動パターンの決定では、図示しない変動パターンテーブルを用い、複数、たとえば0〜99の乱数のうちから1つの乱数を取得し、ステップS26における大当り判定の結果を図8に示す変動パターンテーブルに参照して変動パターンコマンドを選択して決定する。メインCPU31は、決定した変動パターンコマンドをRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
その後、決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマ(t)にセットする(S30)。それから、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアし(S31)、特別図柄記憶チェック処理が終了する。
図15に示すフローに戻り、特別図柄記憶チェック処理が済んだら、特別図柄変動時間管理処理を行う(S13)。特別図柄変動時間管理処理では、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す“01”である場合に、ステップS30で決定された変動時間の待ち時間タイマ(t)が0となったら制御状態フラグに特別図柄表示時間管理を示すデータ“02”をセットし、さらに特別図柄変動時間が確定した後の時間に対応する確定後待ち時間(たとえば1秒)を待ち時間タイマ(t)にセットするこうして、特別図柄変動時間管理処理を終了する。
特別図柄変動時間管理処理が済んだら、特別図柄表示時間管理処理を行う(S14)。特別図柄表示時間管理処理では、制御状態フラグが特別図柄確定停止時間管理を示す値“02”である場合に特別図柄変動時間管理処理で決定された確定後待ち時間タイマ(t)が0となったら、ステップS26大当り判定の結果に基づく制御フラグをセットする。具体的に、大当り判定の結果が大当りであった場合には、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理を示すデータ“03”をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。一方、大当り判定の結果がはずれであった場合には、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示すデータ“04”をセットし、処理を終了する。
特別図柄表示時間管理処理が済んだら、大当り開始インターバル管理処理を行う(S15)。大当り開始インターバル管理処理では、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示すデータ“03”であるときは、ステップS13でセットされた大当り開始対応時間だけ待機し、大当り開始対応時間が経過したのち、大入賞口の開放させるため、メインROM32から読み出されたデータに基づいてメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。さらに、メインCPU31は大入賞口開放中を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間を大入賞口時間タイマにセットする。開放上限時間は、ステップS27で決定された特別図柄が「F」「H」である場合には29秒とし、ステップS27で決定された特別図柄が「A」である場合には0.5秒とする。
さらに、大入賞口開放中処理を行う(S16)。大入賞口開放中処理では、制御状態フラグが大入賞口開放中を示すデータ“04”であるときに以下の処理を行い、“04”でなければ行わないようになっている。すなわち、メインCPU31は、大入賞口入賞カウンタがステップS55またはステップS57でセットされた最大入賞個数以上であるか、開放上限時間を経過した(大入賞口時間タイマが“0”)のいずれかを満たすときに、大入賞口を閉鎖させるためメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。また、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示すデータ“05”をセットして、大入賞口内残留球監視時間(たとえば1秒)を待ち時間タイマにセットし、大入賞口内残留球監視時間を経過したのち、次のステップに進むように設定する。いずれかも満たしたと判定されないときは、上述の処理を実行することなく次のステップに進む。
続いて、大入賞口内残留球監視処理を行う(S17)。大入賞口内残留球監視処理では制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示すデータ“05”であるときに以下の処理を行い、“05”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視時間が経過したときに、大入賞口開放回数カウンタが最終ラウンドを示す数値となっているか否かを判定する。最終ラウンドを示す数値は、ステップS52で設定された開放ラウンド数となる。この判定の結果、最終ラウンドであるときは大当り終了インターバルを示すデータ“07”を制御状態フラグにセットして大当り終了インターバルに対応する時間(以下「大当り終了対応時間」という)を待ち時間タイマにセットする。これにより、大当り終了対応時間を経過したのち、大当りインターバル処理を実行するように設定する。いすれも満たされない場合は大入賞口再開放待ち時間管理を示すデータ“06”を制御状態フラグにセットする。また、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットし、その待ち時間を経過したのち、ステップS16における大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行するように設定する。
続いて、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S18)。大入賞口再開放前待ち時間管理処理では、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示すデータ“06”であるときは、ラウンド間インターバルに対応する時間だけ待機する。メインCPU31はラウンド間インターバルに対応する時間を経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”加算して更新し、大入賞口開放中を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間を大入賞口時間タイマにセットする。開放上限時間は、ステップS27で決定された特別図柄が「F」「H」である場合には29秒とし、ステップS27で決定された特別図柄が「A」である場合には0.5秒とする。また、この大入賞口再開放前待ち時間管理処理において、主制御回路30から副制御回路40の大入賞口開放コマンドを送信する。
それから、大当り終了インターバル処理を行う(S19)。大当り終了インターバル処理では、図17に示すように、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す“07”か否かが判定され(S32)、“07”でなければ大当り終了インターバル処理が終了する。また、制御フラグが“07”であれば大当り終了インターバルに対応する待ち時間タイマ(t)が“0”か否かを判定し(S33)、“0”でなければ大当り終了インターバル処理が終了する。また、待ち時間タイマ(t)が“0”であれば、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す“08”がセットされる(S34)。
次に、確変に当選しているか否か(ステップS27で選択された大当り図柄が確変大当り図柄か通常大当り図柄か)を判定する(S35)。その結果、確変に当選している場合には、大当り終了後に確変遊技状態に移行する確変遊技状態コマンドを送信バッファにセットし、高確率フラグをセットする(S36)。その後、確変回数カウンタを所定数、たとえば50にセットする(S37)。それから、大当り終了後に時短遊技状態にも移行する時短遊技状態フラグを送信バッファにセットし、時短フラグをセットする(S38)。一方、確変に当選していない場合には、大当り終了後に時短遊技状態に移行する時短遊技状態コマンドを送信バッファにセットし、時短フラグをセットする(S39)。その後、時短回数カウンタを所定数、たとえば100にセットする(S40)。こうして、大当り終了インターバル処理が終了する。なお、本実施形態では、確変に当選している場合に、確変遊技状態時における大当り図柄の変動回数を規定する確変回数カウンタを設けているが、次回の大当り遊技状態に移行するまで確変遊技状態が継続するように、確変回数カウンタを設けないようにしてもよいし、確変回数カウンタを10000回などに設定してもよい。
図15に戻り、大当り終了インターバル処理が済んだら、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S20)。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示すデータ“08”であるときに以下の処理を行い、“08”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、保留個数を示すデータを“1”減らすように更新し、時短フラグがセットされていれば、時短回数カウンタから1を減算するとともに、高確率フラグがセットされていれば、確変回数カウンタから1減算する。そして、大当り判定用乱数カウンタ、大当り停止態様選択用乱数カウンタの各カウント値を順次シフトさせる。そして、時短回数カウンタが0となれば時短フラグをクリアし、確変回数カウンタが0になれば高確率フラグをクリアする。ステップS20が終了すると、ステップS2の特別図柄制御処理が終了する。
こうして特別図柄制御処理が終了すると、図14に戻り、普通図柄制御処理を行う(S3)。普通図柄制御処理では、図柄表示装置16bに表示される普通図柄に関する制御を行う。普通図柄制御処理を開始すると、普通図柄制御状態フラグを読出し、そのフラグに応じて普通図柄の変動時間、停止表示された普通図柄の態様を監視する。そして、その普通図柄の態様が所定の態様であるときは羽根9aの開放、閉鎖を示す変数をメインRAM33に記憶して、普通図柄制御処理が終了する。
それから、図柄表示装置制御処理を行う(S4)。図柄表示装置制御処理では、ステップS2における特別図柄制御処理およびステップS3における普通図柄制御処理の結果に基づいて、図4に示す特別図柄J、普通図柄Nなどの可変表示の表示制御を行う。
その後、乱数更新処理を行う(S5)。ここでは、はずれ図柄用乱数、リーチ判定用乱数、演出条件選択用乱数などを所定の演算方法により更新する乱数更新処理を行って処理を終了する。そして、ステップS2に戻り繰返しルーチンが繰り返し行われる。
(システムタイマ割込処理の動作手順)
主制御回路30では、上述したメイン制御処理とともに、割込許可フラグが設定されていることを条件に、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、定期的(たとえば2msごと)にメイン制御処理に割込むシステムタイマ割込処理を図20に示すフローチャートに沿って実行している。以下、システムタイマ割込処理の手順を図18に示すフローチャートを参照して説明する。
図18に示すように、パチンコ遊技機1は、システムタイマ割込処理を開始すると、メモリ内の記憶領域(レジスタ)に記憶された、メイン制御処理における実行中のプログラムアドレスデータ等を一旦退避させ(S41)、乱数更新処理を行う(S42)。乱数更新処理では、メインCPU31が、大当り判定用の乱数や大当り図柄決定用の乱数を更新する処理を行う。乱数更新処理が済んだら、スイッチ入力検出処理を行う(S43)。
スイッチ入力検出処理では、賞球関連スイッチの入力チェック、特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェック、普通図柄関連のスイッチ入力チェックを行う。特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェックでは、カウントスイッチ11CS、始動入賞口スイッチ9Sそれぞれの検出信号の出力チェックを行い、始動入賞口スイッチ9Sからの出力があると、始動記憶数カウンタが4未満のときに以下の処理を行う。また、始動記憶数カウンタが4以上の場合には、可変表示中や大当り中に始動入賞口9に遊技球が入賞した場合は最大4つまで始動記憶として乱数を記憶するため、以下の処理を行わない。
そして、大当り判定用乱数カウンタから大当り判定乱数を抽出し、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄用乱数を抽出する。また、抽出した大当り判定用乱数および大当り図柄用乱数をメインRAM33に記憶させ、これらの乱数がステップS26〜ステップS27における大当り判定および大当り図柄の決定処理に用いられる。これをもってスイッチ入力検出処理を終了する。
スイッチ入力検出処理が済んだら、タイマ更新処理を行う(S44)。タイマ更新処理では、待ち時間タイマなどを更新する。タイマ更新処理の後は、遊技情報データ生成処理を行う(S45)。遊技情報データ生成処理では、パチンコ遊技機1から図示しないホールコンピュータへの出力信号を生成する。それから、メインRAM33に記憶されているデータに基づき各ソレノイド、モータのON,OFFを制御するなどして出力処理を行い(S46)、続いて、各種コマンドを出力するコマンド出力を行う(S47)。コマンド出力では、送信バッファにセットされている図柄指定コマンドや変動パターンコマンドなどの各種コマンドをコマンド出力ポート35より、副制御回路40に送信する。
続いて、ランプ制御処理(S48)および払出処理(S49)を行う。ランプ制御処理では、ランプ点滅コマンドを副制御回路40に出力する。また、払出処理では、賞球数を示すデータを含む賞球コマンドを払出装置81に出力する。なお、払出装置81は賞球コマンドに対応する賞球の払出しを行う。払出処理が済んだら、退避させたメイン制御処理のプログラムアドレスデータ等のレジスタを復帰させ(S50)、メイン制御処理を中断した(退避させた)時点から再開する。その後、メインRAM33の変数、フラグ等を更新して割込許可を行い(S51)、システムタイマ割込処理が終了する。
(副制御回路の動作手順)
次に、副制御回路40の動作について説明する。副制御回路40では、主制御回路30から送信されたコマンドを受信することにより、図柄制御、音制御、およびランプ制御等を行う。図19は、副制御回路40により繰返し実行されるサブ制御処理の手順を示すフローチャートである。
図19に示すように、サブCPU41では、最初に所定の初期化処理を行い(S61)、次に乱数更新処理を行う(S62)。続いて、主制御回路30から送信され、受信バッファに格納されている各種コマンドのコマンド解析制御処理を行う(S63)。それから、このコマンド解析制御処理の結果に基づいて表示制御処理を行う(S64)。表示制御処理では、コマンド解析処理で決定された装飾図柄および表示パターンなどに基づいて、図柄表示制御を行い、続いて背景表示制御処理を行う。これらのコマンド解析制御処理および表示制御処理については、後に詳しく説明する。
その後、音制御処理を行う(S65)。音制御処理では、主制御回路30からのコマンドに基づいてスピーカ18L,18Rから発生させる音声に関する音声制御処理を行う。この音声制御処理では、音源IC61は、音声データROM63から音声データを読み出し、音声データを所定の音声信号に変換して、その音声信号をAMP62に供給する。このAMP62は、音声信号を増幅して、スピーカ18L,18Rから音声を発生させる。
続いて、ランプ制御処理を行う(S66)。ランプ制御処理では、主制御回路30からのコマンドに基づいて装飾ランプ19L,19Rの点滅に関するランプ制御処理を実行する。このランプ制御処理では、サブCPU41は、装飾データROM71からランプ装飾パターンを読み出し、ドライブ回路72を介して、装飾ランプ19L,19Rを点滅させる。以降ステップS62〜ステップS66を繰り返し実行する。
次に、主制御回路30から送信されたコマンドを受信した際の処理について説明する。図20に示すように、主制御回路30から送信されたコマンドを副制御回路40が受信したら、まず保護レジスタを退避する(S71)。次に、主制御回路30からの送信で入力されたコマンドをサブRAM43における受信バッファに格納する(S72)。続いて、レジスタを復帰させる(S73)。こうしてコマンドを受信した際の処理は終了する。
続いて、図19のステップS63に示すコマンド解析制御処理について説明する。図21は、コマンド解析制御処理の手順を示すフローチャートである。図21に示すように、コマンド解析制御処理では、まず副制御回路40が主制御回路30から送信される変動パターンコマンドを受信したか否かを判断する(S81)。具体的には、受信バッファに変動パターンコマンドが格納されているかを確認する。その結果、変動パターンコマンドを受信していれば、表示パターン決定処理を行う(S82)。
図22は、表示パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。図2に示すように、表示パターンを選択して決定する(S91)。表示パターンの決定は、表示パターン決定抽選によって表示パターン決定乱数を取得し、取得された表示パターン決定乱数と、主制御回路30から送信される変動パターンコマンドとを、図9に示す表示パターンテーブルに参照することによって行われる。
表示パターンを決定したら、リーチであるか否かを判断する(S92)。リーチであるか否かの判断は、受信した変動パターンコマンドがリーチに対応する変動パターンコマンド(h2〜h5)に該当するか否かによって行われる。なお、ここでの「リーチ」とは、発展リーチ演出用図柄Hが表示される前の主図柄リーチ状態のほか、発展図柄からスーパーリーチに発展する態様も含むものである。
その結果、リーチであると判断した場合には、後の詳細表示パターン決定処理を行うので、そのまま表示パターン決定処理を終了する。一方、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドがh0、h1、h6であり、リーチでないと判断した場合には、非リーチパターン決定処理を行う(S93)。非リーチパターン決定処理では、装飾図柄の表示パターンと、各図柄表示領域に装飾図柄を停止表示させる停止タイミングを決定する。非リーチパターン決定処理での表示パターンは、ステップS91で選択された表示パターンがそのまま決定される。また、非リーチパターン決定処理での停止タイミングは、第一停止図柄が停止表示されてから第二停止図柄が停止表示されるまでの時間、第二停止図柄が停止表示されてから第三停止図柄が停止表示されるまでの時間、および第三停止図柄が停止表示されてから第四停止図柄が停止表示されるまでの時間がほぼ同一に設定される。また、各図柄表示領域に表示される装飾図柄は、後のステップS129で決定する。非リーチパターン決定処理が済んだら、非リーチパターンデータをセットする(S94)。こうして、表示パターン決定処理を終了する。
図21に示すフローに戻り、表示パターン決定処理が済んだら、詳細表示パターン決定処理を行う(S83)。詳細表示パターン決定処理では、詳細表示パターン決定抽選を行って詳細表示パターン決定乱数を取得する。次に、表示パターンがhz2〜hz8、hz14〜hz26のいずれかである場合に、ステップS91で選択された表示パターンと詳細表示パターン決定抽選で取得された詳細表示パターン決定乱数とを図10および図11に示す詳細表示パターン決定テーブルに参照し、詳細表示内容として、リーチから発展または発展図柄から発展のいずれとするかを決定し、決定した詳細表示パターンをサブRAM43にセットする。また、変動パターンコマンドがh2〜h5のいずれでもないh0、h1、h6の場合には、取得した詳細表示パターン決定乱数を廃棄し、詳細表示パターンの決定を行うことなく次のステップに進む。
こうして、詳細表示パターン決定処理が済んだら、リーチ対応決定処理を行う(S84)。リーチ対応決定処理は、図23に示すフローに沿って行われる。リーチ対応決定処理では、まず、リーチであるか否かを判断する(S101)。リーチであるか否かの判断は、ステップS92と同様にして行われる。その結果、リーチでないと判断した場合には、ステップS93において、すでに非リーチパターンが決定されているので、リーチ対応決定処理を終了する。
一方、リーチであると判断した場合には、スーパーリーチに発展するか否かを判断する(S102)。スーパーリーチへ発展するか否かの判断は、受信した変動パターンコマンドがスーパーリーチに対応する変動パターンコマンド(h3、h5)に該当するか否かによって行われる。その結果、スーパーリーチに発展すると判断しないと判断した場合には、ステップS107に進み、スーパーリーチに発展すると判断した場合には、リーチから発展か否かを判断する(S103)。リーチから発展か否かの判断は、ステップS83の詳細表示パターン決定処理によって決定されている。
その結果、リーチからの発展でないと判断した場合には、リーチ対応決定処理を終了する。一方、リーチからの発展であると判断した場合には、リーチ成立ライン決定処理を行う(S104)。リーチ成立ラインを決定したら、リーチ成立ラインデータをセットし(S105)、リーチ対応決定処理を終了する。
図21に戻り、リーチ対応決定処理が済んだら、仮停止図柄成立パターン決定処理を行う(S85)。仮停止図柄成立パターン決定処理は、図24に示すフローに沿って行われる。仮停止図柄成立パターン決定処理では、発展図柄からの発展であるか否かを判断する(S111)。発展図柄からの発展であるか否かは、詳細表示パターン決定テーブルを参照して決定される詳細表示パターンに基づいて判断される。発展図柄からの発展であるか否かの判断の結果、発展図柄からの発展ではないと判断された場合には、仮停止図柄成立パターン決定処理をそのまま終了する。
一方、発展図柄からの発展であると判断した場合には、発展図柄の成立ラインパターン決定処理を行う(S112)。発展図柄の成立ラインパターン決定処理では、発展図柄の成立ラインパターンを決定する。発展図柄の成立ラインパターンの決定は、リーチ発展図柄決定テーブルを参照して行われる。こうして決定した発展図柄の成立ラインパターンをデータにセットする(S113)。
成立ラインパターンをセットしたら、セットした成立ラインパターンを参照する(S114)とともに、ステップS91で決定した表示パターンを参照する(S115)。それから、その参照結果に基づいて、ステップS112で決定した成立ライン上の各図柄表示領域に仮停止表示する副図柄の種類を決定する(S116)。仮停止図柄を決定する際には、ステップS114で参照した成立ラインデータに対応する有効ラインにおける各図柄表示領域に停止表示する副図柄を、ステップS91で決定された表示パターンを参照して決定する。また、有効ライン以外の図柄表示領域に停止表示する識別図柄として、ブランク図柄を決定する。たとえば、ステップS112で決定された成立ラインが第一有効ラインL1であり、表示パターンが「酒樽リーチ」に対応する「hz19」である場合には、第一有効ラインL1における各図柄表示領域E1〜E3に、それぞれ仮停止表示される副図柄として「酒樽」を決定する。なお、副図柄の仮停止表示とは、スーパーリーチの発展表示演出が行われる前に各図柄表示領域に副図柄が仮に停止表示される状態を意味する。そして、成立ライン上の各図柄表示領域に仮停止表示する副図柄の種類を決定した(S116)後、仮停止図柄成立パターン決定処理を終了する。
図21に示すフローに戻り、仮停止図柄成立パターン決定処理が済んだら、図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する(S86)。その結果、図柄指定コマンドを受信していないと判断した場合には、その他受信したコマンドに対応する処理を実行して、コマンド解析処理を終了する。一方、図柄指定コマンドを受信している場合には、8ライン停止図柄決定処理を行う(S87)。
8ライン停止図柄決定処理は、図25に示すフローに沿って行われる。8ライン停止図柄決定処理では、まず、リーチであるか否かを判断する(S121)。リーチであるか否かの判断は、図8に示す表示パターンテーブルを参照して決定される表示パターンによって判断される。その結果、リーチでないと判断した場合には、ステップS94でセットした非リーチパターンデータを参照する(S122)。
また、リーチであると判断した場合には、発展図柄から発展するか否かを判断する(S123)。発展図柄から発展するか否かは、詳細表示パターン決定テーブルを参照して決定される詳細表示パターンに基づいて判断される。その結果、発展図柄からの発展であると判断した場合には、ステップS113でセットした発展図柄の成立ラインパターンデータを参照する(S124)。一方、発展図柄からの発展ではないと判断された場合には、ステップS105でセットしたリーチ成立ラインデータを参照する(S125)。
こうして、ステップS122、S124、S125において各データを参照したら、ステップS91で決定した表示パターンを参照する(S126)。それから、主制御回路30から送信された図柄指定コマンドを参照する(S127)。その後、各データおよび図柄指定コマンドに基づいて、停止図柄を決定する(S128)。停止図柄を決定する際には、それぞれ参照するデータに対応する、図10、図11に示すテーブルに図柄指定コマンドや表示パターンなどを参照し、所定の乱数を取得して、それぞれの停止図柄を決定する。
たとえば、図柄指定コマンドとしてz0〜z2のいずれかを受信した場合には、有効ラインL1〜L8の1ライン以上の各図柄表示領域における停止図柄が主図柄となるように停止図柄を決定する。また、図柄指定コマンドとしてz3を受信した場合には、有効ラインL1〜L8の各図柄表示領域における停止図柄として主図柄の「7」を決定されないように停止図柄を決定する。仮に、有効ラインL1〜L8の各図柄表示領域における停止図柄として主図柄の「7」が選択された場合には、停止図柄の選択をやり直す。さらに、図9に示す表示パターンを参照してリーチでないと判定された場合には、各図柄表示領域に主図柄の「7」が主図柄リーチ状態にならないように停止図柄を決定する。仮に、各図柄表示領域に主図柄の「7」が主図柄リーチ状態になるように停止図柄が選択された場合には、停止図柄の選択をやり直す。
こうして、停止図柄を決定し、図柄データをセットしたら、図柄指定コマンドをクリアし(S129)、8ライン停止図柄決定処理が終了する。
8ライン停止図柄決定処理(S87)が済んだら、発展リーチ演出用図柄決定処理を行う(S88)。発展リーチ演出用図柄決定処理では、詳細表示パターンを参照し、発展リーチ演出が行われる際、発展リーチ演出用図柄決定乱数の中から取得された1つの決定乱数を採用し、取得した乱数に応じた発展リーチ演出用図柄を決定する。また、発展リーチ演出が行われない場合には、発展リーチ演出用図柄決定乱数の中から取得された1つの決定乱数は破棄する。さらに、発展リーチ演出用図柄決定処理では、主制御回路30から送信された図柄指定コマンドを参照し、発展リーチ演出用図柄Hを決定する。サブCPU41は、発展リーチ演出用図柄決定抽選を行っており、発展リーチ演出用図柄決定抽選では、複数、たとえば0〜9の乱数から、1つの発展リーチ演出用図柄決定乱数を取得する。このときに取得された発展リーチ演出用図柄決定乱数に基づいて、発展リーチ演出用図柄Hを決定する。こうして、コマンド解析処理が終了する。
また、ステップS86で図柄指定コマンドを受信していないと判断した場合には、他の受信コマンドに対応する処理を実行し(S89)、その後、コマンド解析制御処理を終了する。
次に、表示制御処理の手順について説明する。図26は、表示制御処理の手順を示すフローチャートである。図26に示すように、表示制御処理においては、まず、ステップS94でセットされる表示データもしくはステップS83で決定された詳細表示パターンでセットされる表示データがサブRAM43にセットされているか否かを判断する(S131)。その結果、表示データがセットされていないと判断した場合には、表示制御処理を終了する。
一方、表示データがセットされていると判断した場合には、セットされている表示データが発展図柄表示パターンであるか否かを判断する(S132)。発展図柄表示パターンであるか否かは、ステップS113でセットされる成立ラインパターンデータがセットされているか否かによって判断する。その結果、発展図柄表示パターンでない場合には、各表示パターンに応じた図柄、背景、キャラクタの表示制御を行い、処理を終了する(S139)。
また、発展図柄表示パターンである場合には、発展図柄表示パターンに応じた背景やキャラクタの表示制御を行う(S133)。その後、発展図柄の停止タイミングとなっているか否かを判断する(S134)。その結果、発展図柄の停止タイミングとなっていない場合には、発展図柄表示パターンに応じた装飾図柄の表示制御を行う(S135)。
一方、発展図柄の停止タイミングとなっている場合には、停止する発展図柄が最終図柄であるか否かを判断する(S136)。ここでの最終図柄とは、発展図柄を表示する有効ラインに表示される副図柄のうち、最後に停止表示される副図柄を意味する。その結果、最終図柄であると判断した場合には、図柄表示領域に副図柄をずらして停止表示させ、図柄表示領域に副図柄の一部を停止表示させる(S137)。また、最終図柄でないと判断した場合には、図柄表示領域に副図柄を停止表示させ、図柄表示領域に副図柄の全体を停止表示させる(S138)。
その後、変動表示時間が終了したか否かを判断する(S140)。その結果、変動表示時間が経過していると判断した場合には、表示パターンをクリアして(S141)、表示制御処理を終了する。一方、変動表示時間が経過していないと判断した場合には、表示パターンをクリアすることなく、そのまま表示制御処理を終了する。なお、上記実施形態では、最終図柄をずらして停止表示させるようにしているが、最終図柄以外の図柄をずらして停止表示させる態様とすることもできる。
次に、特別図柄ゲームの流れについて説明する。特別図柄ゲームでは、始動入賞口9に遊技球が入賞し、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の検出信号を主制御回路30に出力すると、主制御回路30では大当り抽選を行う。主制御回路30は、その抽選結果に基づいて、図7に示す特別図柄決定テーブルから図柄指定コマンドを選択して決定するとともに、図8に示す変動パターンテーブルから変動パターンコマンドを選択して決定選択する。主制御回路30は、選択した図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドをそれぞれ副制御回路40に送信する。副制御回路40では、受信した図柄指定コマンドに基づいて、装飾図柄を決定するとともに、受信した変動パターンテーブルから変動演出パターンを決定する。
表示領域16aにおいては、始動入賞口9に遊技球が入賞する前は、9つの図柄表示領域において、各装飾図柄は停止表示されている。また、図4に示す図柄表示装置16bでは、特別図柄Jが停止表示されている。この状態から、始動入賞口9に遊技球が入賞すると、図27(a)に示すように、各図柄表示領域E1〜E9における装飾図柄および図4に示す特別図柄Jが変動表示を開始する。なお、図中の下向きの矢印は装飾図柄が変動表示中であることを意味しており、変動表示される装飾図柄は、いわゆる縦スクロールで上から下に向けて変動表示されている。
それから、所定の変動時間が経過した後、第一,第九図柄表示領域E1,E9における装飾図柄(第一停止図柄)が停止表示(仮停止表示)される。続いて、第二,第四,第六,第八図柄表示領域E2,E4,E6,E8における装飾図柄(第二停止図柄)が停止表示される。
その後、図27(b)に示すように、第三,第七図柄表示領域E3,E7における装飾図柄(第三停止図柄)が停止表示され、最後に図27(c)に示すように、第五図柄表示領域E5における装飾図柄(最終図柄)が停止表示される。第三停止図柄E3が停止表示された時点で、有効ラインL1〜L9のいずれかにおける2箇所の図柄表示領域に主図柄「7」が表示され、その有効ラインの他の図柄表示領域が変動表示されているときに、主図柄リーチ状態となり、なお、リーチとなる場合としては、第一停止図柄が停止表示された直後にリーチとなる場合や、第二停止図柄が停止表示された直後にリーチとなる場合もある。
その後、2箇所に主図柄が停止表示された有効ラインにおける変動表示が行われている図柄表示領域に主図柄「7」が停止表示されると、有効ライン上に大当り図柄が停止表示され、大当りであることが遊技者に報知される。大当り図柄として主図柄「7」が停止表示される場合には、各図柄表示領域に主図柄「7」の全体がそれぞれ停止表示される。
こうしてリーチとなった場合には、大当りか否かが報知されることがあるが、そのほかに、発展リーチ演出が発展表示されることがある。発展リーチ演出が発展表示される場合には、有効ラインにおける変動表示が行われている図柄表示領域に装飾図柄を停止表示させることなく、発展リーチ演出へと発展表示される。また、他の態様としては、有効ラインにおける変動表示が行われている図柄表示領域に主図柄「7」以外の図柄を一旦仮停止表示させてから、発展リーチ演出へと発展表示させる態様とすることもできる。
このように、主図柄「7」が有効ラインの2箇所に停止表示されることによって発展リーチ演出に発展する態様のほか、有効ラインL1〜L8のいずれかに副図柄が停止表示されて発展リーチ演出が発展表示される場合がある。有効ラインL1〜L8のいずれかに副図柄が停止表示されて発展リーチ演出に発展する場合の例として、図27(b)に示す例では、第四,第六図柄表示領域E4,E6に副図柄である「小槌」が停止表示され、第五図柄表示領域E5は変動表示されている。
その後、第五図柄表示領域E5に「小槌」が停止表示されることにより、発展リーチ演出が発展表示される。第五図柄表示領域E5に「小槌」が停止表示される際には、図27(c)に示すように、図柄表示領域E5の中央位置から上側にずらして停止表示され、「小槌」の一部(下側の半分部分である一部)が停止表示された状態となる。このように、有効ラインL1〜L8のすべての図柄表示領域に副図柄が停止表示された発展図柄が停止表示されることにより、発展リーチ演出の表示が行われることが予告され、その後発展リーチ演出が発展表示される。このため、発展図柄がいわゆるチャンス目として機能する。
発展リーチ演出が発展表示される場合には、まず、「小槌」の副図柄が回転するように表示され、図28(a)に示すように、「小槌リーチ」の文字が表示される。その後、画面が白くフェードアウトされ、続いて発展図柄が発展リーチ演出用図柄Hに切り替わるとともに、発展リーチ演出が表示される。図28(b)に示す発展リーチ演出の例は小槌リーチである。
なお、ここで示した例では、第二有効ラインL2に発展図柄を停止表示させるものであるが、他の有効ラインに発展図柄を停止表示させるものもある。図29(a)に示す例は、第一有効ラインL1に発展図柄を停止表示させるものである。この場合には、最終図柄は第三図柄表示領域E3に停止表示される副図柄となる。また、複数の有効ラインに発展図柄を停止表示することもできる。図29(b)に示す例は、第三、第四、第七有効ラインL3、L4、L7に発展図柄を停止表示させるものである。この場合には、各有効ラインにおいて、最終的に停止表示される副図柄が最終図柄となり、具体的に、第四、第四有効ラインL4に対しては、第七図柄表示領域に停止される副図柄が最終図柄となり、第七有効ラインに対しては、第五図柄表示領域に停止表示される副図柄が最終図柄となる。
また、ここで説明した例は、発展図柄として「小槌」の副図柄が停止表示されたために小槌リーチへと発展した例であるが、他の副図柄である「軍配」「酒樽」「手形」「扇子」が停止された場合には、それぞれ軍配リーチ、酒樽リーチ、手形リーチ、扇子リーチが発展表示される。これらの副図柄「軍配」「酒樽」「手形」「扇子」が最終図柄となる際には、それぞれ図30に示す態様で停止表示される。図30における(a)は、「小槌」、(b)は「扇子」、(c)は「手形」、(d)は「酒樽」、(e)は「軍配」の各副図柄の全体が図柄表示領域に表示された状態であり、(f)は、「小槌」、(g)は「扇子」、(h)は「手形」、(i)は「酒樽」、(j)は「軍配」の各図柄の一部(下側半分)が図柄表示領域に表示された状態である。
このように、発展リーチ演出が発展表示される前には副図柄である「小槌」が有効ラインL2上に停止表示されて発展図柄が停止表示される。このとき、発展図柄を構成する「小槌」のうち、最後に停止される図柄表示領域E5に停止表示される「小槌」は、図柄表示領域E5の中央位置からずらして停止表示され、「小槌」の一部が停止表示された状態となる。また、有効ラインL5における他の図柄表示領域E4,E6に停止表示される副図柄である「小槌」は、その全体がそれぞれ図柄表示領域E4,E6に停止表示されている。このため、主図柄「7」の全体がそれぞれの図柄表示領域に停止表示される大当り図柄と明確に区別される。したがって、所定のリーチ演出に発展するチャンス目図柄の機能を用いながらも、チャンス目図柄を大当り図柄と誤解することを防止することができ、もって遊技の興趣向上を図ることができる。
また、発展図柄を構成する「小槌」「軍配」などの副図柄は、主図柄である「7」とは異なるものである。このため、大当り図柄組み合わせとチャンス目図柄の区別をさらに明確にすることができる。さらに、発展表示される発展リーチ演出は、発展図柄として停止表示された副図柄に対応したものとされている。このため、発展図柄に対して高い興味を遊技者に与えることができ、さらに遊技の興趣向上を図ることができる。
(遊技用プログラムの実施形態)
パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)等の情報処理装置を用いて上述の実施形態におけるパチンコ遊技機1で実現されるパチンコ遊技を行うための遊技用プログラムの実施形態について、図31を参照して説明する。図31は、遊技用プログラムを実行するパソコン100を示す正面図である。
図31に示されるように、パソコン100は、コンピュータ本体101と、表示領域102に画像を表示する表示装置103と、遊技者や操作者が操作入力を行うキーボード、マウス等を含み、パチンコ遊技機1における発射ハンドル6cやテンキー等と同様の機能を実現し得る操作入力装置104とを有している。なお、パソコン100では、パチンコ遊技機1に備えられている遊技釘8や遊技球を画像として表示装置103に表示して、あたかも遊技釘を備えた遊技領域を遊技球が通過するような画像により、パチンコ遊技機1で実現されるパチンコ遊技を擬似的に行えるようになっている。
コンピュータ本体101は、少なくともCPU、ROM、RAMを有し、そのCPUがRAMに記憶されているデータを用い、ROMに記憶されている遊技用プログラムを含む制御プログラムに従い作動する。
そして、この遊技用プログラムは、上述したメイン制御処理、サブ制御処理及びシステムタイマ割込処理を実行するためのプログラムが含まれていて、パソコン100に対し、以下の(1)〜(7)の各機能を実現させることができるようになっている。すなわち、
(1)図柄表示領域のそれぞれに識別図柄の全体を停止表示させて構成された識別図柄の特定の組み合わせを表示することにより、遊技者によって有利な大当り遊技状態に移行させることを報知する表示手段に表示する識別図柄を変動表示および停止表示させる表示制御を行う表示制御機能と、
(2)表示手段に表示する所定の表示態様として、所定の演出から発展表示される特定発展演出を含む演出表示態様を複数種類記憶する演出記憶機能と、
(3)演出記憶機能に記憶された複数種類の演出表示態様から、表示手段に表示する演出表示態様を決定する演出決定機能と、
(4)表示手段に表示する識別図柄を複数記憶する図柄記憶機能と、
(5)特定発展演出の表示が行われる前に停止表示され、特定発展演出が行われることを予告する識別図柄の組み合わせである発展図柄を表示手段に表示させるか否かを判定する発展判定機能と、
(6)発展判定機能によって発展図柄を表示させると判定された場合に、図柄記憶機能に記憶された複数種類の識別図柄から、発展図柄を決定する発展図柄組み合わせ決定機能と、を備え、
(7)表示制御機能は、発展図柄組み合わせ決定機能によって決定された発展図柄を停止表示させるにあたり、発展図柄を構成する識別図柄の一部の識別図柄について、該識別図柄が停止表示される図柄表示領域に、一部の識別図柄の全体を停止表示させるとともに、発展図柄を構成する他の識別図柄について、他の識別図柄が停止表示される図柄表示領域に他の識別図柄の一部分を停止表示させることをコンピュータに実現させることができるようになっている。
これらの遊技用プログラムをCPUがROMから読み出し実行することによって、パソコン100において、上述したパチンコ遊技機1におけるパチンコ遊技を擬似的に行えることとなる。
パソコン100において、遊技用プログラムは、ROMに記憶されているが、CD−ROM等の記憶媒体に記憶させておいてもよい。また、図32に示されるように、ネットワーク200を介して、遊技用プログラムを記憶しているサーバ201にパソコン100が接続され、サーバ201から遊技用プログラムをダウンロードするようにしてもよい。パソコン100の代わりに、携帯電話等の携帯端末で遊技用プログラムを実行するようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、副図柄の一部を図柄表示領域に停止表示させる際に、下側半分を停止表示させるようにしているが、上側半分を停止表示させたり、左右いずれかの半分を停止表示させたりする態様とすることもできる。このように、縦スクロールで変動表示される装飾図柄について、下側半分を停止表示させる態様とすると、遊技者は、副図柄が一旦通り過ぎて発展図柄にはならないかと感じた後に、発展図柄が停止表示されることになるので、遊技者に驚きを与えることができる。また左右いずれかの半分を停止表示させる場合には、スクロール時間を一定とした場合に、装飾図柄の全体を停止表示させるタイミングと同一のタイミングで装飾図柄の一部を停止表示させることができる。
また、上記実施形態では、発展図柄として同一の副図柄を設定しているが、副図柄が混在する態様や、副図柄以外の主図柄およびブランク図柄を合わせて発展図柄とする態様とすることもできる。他方、上記実施形態では、遊技機として、パチンコ遊技機を対象としているが、たとえばスロットマシン、特に、液晶表示画面を有するスロットマシンを対象とすることもできる。
1…パチンコ遊技機、4…遊技盤、11…大入賞口、16…液晶表示装置、16a…表示領域、21…主制御基板、22…副制御基板、30…主制御回路、31…メインCPU、40…副制御回路、41…サブCPU、50…画像制御回路、60…音声制御回路、70…ランプ制御回路、80…払出・発射制御回路、100…パソコン、101…コンピュータ本体、102…表示領域、103…表示装置、104…操作入力装置。