JP2011181463A - 高分子電解質、二次電池及び二次電池の製造方法 - Google Patents

高分子電解質、二次電池及び二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池の放電容量及びサイクル特性を向上できる高分子電解質を提供する。
【解決手段】式(1)の化合物の重合体と式(2)の化合物とトリメチルボレートとを含み、質量基準の配合割合が、式(1)の化合物の重合体、式(2)の化合物及びトリメチルボレートの合計に対して、式(1)の化合物の重合体が5.0〜60.0質量%であり、式(2)の化合物が39.0〜94.0質量%であり、トリメチルボレートが1.0〜40.0質量%である高分子電解質。
Figure 2011181463

[式(1)及び(2)中、Bはホウ素原子、Z、Z及びZはアクリロイル基又はメタクリロイル基、AO及びAOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基、h、i及びjは1〜10の数、kは4〜20の数]
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子電解質及びこれを備える二次電池に関する。本発明はまた、上記二次電池の製造方法に関する。
可搬型機器類の急速な普及に伴い、それに使用される電池への要求仕様は、年々厳しくなり、特に小型・薄型であり、高容量で高いエネルギー密度を有し、性能の安定したものが要求されている。可搬型機器類に使用される電池としては、例えば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池がある。
また、リチウムイオン二次電池は、現在のところ最も普及している携帯電話やノートパソコン等の可搬型機器に止まらず、より過酷な条件での使用となる電気自動車や電動工具等にも利用されつつある。これにより、安全性に関する要求も年々厳しくなっている。
したがって、サイクル特性が優れ、且つ安全性に優れるリチウムイオン二次電池が嘱望されており、様々な検討が為されている。
リチウムイオン二次電池の安全性を向上させるために、高分子電解質を用いたリチウムイオン二次電池が提案されている。化学的に安定な高分子電解質を用いることで、従来の液状電解質と比較して、電解質の揮発や劣化を大幅に抑制することが可能になることから、電池の筐体に軽量なアルミラミネートシートを用いることや、安全装置を簡素化することができると考えられている。このような試みとしては、例えば、重合性含ホウ素モノマーの重合物と高分子化合物からなる二次電池用高分子電解質とこれを用いた電池が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
一方、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させるために、様々なアノード用の炭素材料について活発な研究開発が行われている。その炭素材料としては、黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチ系炭素繊維、疑似等方性炭素等が挙げられ、負極材料として広範囲に利用されている。
特に、1000〜1500℃で熱処理したMCMB等の、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料は、他のアノード用炭素材料と比較してリチウムイオンをスムーズに吸蔵・放出でき、様々な分野に使用されるリチウムイオン二次電池の負極材料として用いられている。このような負極材料は、特に、充放電反応がスムーズに進行するために急速な充放電作動に有利であることと、放電電位の平坦性に乏しく放電に伴い電位が徐々に低下するために電池の残存容量推定が可能となることから、電気自動車や電力貯蔵用蓄電池等の大型のリチウムイオン二次電池用途に向いている。
特開2008−117762号公報
ところが、上述の二次電池用高分子電解質と、易黒鉛化炭素材料を用いたアノードとを使用し電池を作製した場合、易黒鉛化炭素材料と高分子電解質が接触すると分解反応を起こしてしまい、この分解物がイオンの脱離及び挿入を妨げるために、放電容量が低く、サイクル特性が悪くなるという問題があった。これにより、このような電池は実用化されていなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。本発明は、数あるアノード材料の中で、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を用いた電極を使用する場合において、二次電池の放電容量及びサイクル特性を向上できる高分子電解質を提供することを目的とする。本発明はまた、上記高分子電解質を備える二次電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
(第1の高分子電解質)
本発明は、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードを有するリチウムイオン二次電池に用いる高分子電解質であって、下記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体と、下記式(2)で表される高分子化合物と、トリメチルボレートと、を含み、上記高分子電解質中の配合割合が、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体、式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートの合計の質量に対して、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体の質量が、5.0〜60.0質量%であり、式(2)で表される高分子化合物の質量が、39.0〜94.0質量%であり、トリメチルボレートの質量が、1.0〜40.0質量%である高分子電解質を提供する。
Figure 2011181463
O−(AO)−R …(2)
式(1)中、Bはホウ素原子を示し、Z、Z、及びZはアクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。また、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、h、i及びjは1〜10の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。
式(2)中、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、kは4〜20の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。
上記第1の高分子電解質はこのような構成を有することにより、アノードとしてX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含有する材料を用いた場合において、二次電池の放電容量及びサイクル特性を向上できる。
(第2の高分子電解質)
本発明は、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードを有するリチウムイオン二次電池に用いる高分子電解質であって、上記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び上記式(2)で表される高分子化合物を含む電解質層と、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤を含む塗布液層と、を備え、上記電解質層中の配合割合が、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物の合計の質量に対して、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の質量が、5.0〜60.0質量%であり、式(2)で表される高分子化合物の質量が、40.0〜95.0質量%であり、上記塗布液層中の配合割合が、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤の合計の質量に対して、式(2)で表される高分子化合物の質量が、59.9〜98.9質量%であり、トリメチルボレートの質量が1.0〜40.0質量%であり、増粘剤の質量が、0.1〜20.0質量%である高分子電解質を提供する。
上記第2の高分子電解質はこのような構成を有することにより、アノードとしてX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料(以下、場合により「易黒鉛化炭素材料」という)を含有する材料を用いた場合において、二次電池の放電容量及びサイクル特性を向上できる。
上記第1及び第2の高分子電解質が上述の効果を発揮する理由を、本発明者らは以下のように推測する。
上記第1及び第2の高分子電解質は、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体に加え、式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートを含有する。分子量が大きく流動性の低い上記式(2)で表される高分子化合物に含まれた、分子量が小さく流動性の高いトリメチルボレートは易黒鉛化炭素材料表面近傍まで素早く浸透する。二次電池の充放電過程において、トリメチルボレートが電気分解し、易黒鉛化炭素材料の表面に薄膜(SEI:Solid Electrolyte Interface)を形成する。そして、この薄膜の存在により、易黒鉛化炭素材料表面における式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物の電気分解反応が抑制され、イオンの脱離及び挿入をスムーズに進行させることができる。
(二次電池)
また、本発明は、カソードと、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードと、上記カソード及び上記アノードの間に配置された上記第1又は第2の高分子電解質と、を備える二次電池を提供する。
本発明の二次電池は、上記第1及び第2の高分子電解質を備えることにより、放電容量及びサイクル特性が向上される。
(二次電池の製造方法)
本発明は、カソードと、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードと、上記カソード及び上記アノードの間に配置された高分子電解質と、を備える二次電池の製造方法であって、上記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物、上記式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートを含む組成物を硬化して高分子電解質を形成する形成工程と、上記高分子電解質を、上記カソード及び上記アノードで挟持する電極付与工程と、を備え、高分子電解質中の配合割合が、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体、式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートの合計の質量に対して、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体の質量が、5.0〜60.0質量%であり、式(2)で表される高分子化合物の質量が、39.0〜94.0質量%であり、トリメチルボレートの質量が、1.0〜40.0質量%である、製造方法を提供する。
このような製造方法によれば、カソードと、易黒鉛化炭素材料を含有するアノードと、カソード及びアノードの間に配置された上記第1の高分子電解質と、を備える、二次電池を容易に製造することができる。
また、本発明は、カソードと、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードと、上記カソード及び上記アノードの間に配置された高分子電解質と、を備える二次電池の製造方法であって、上記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物及び上記式(2)で表される高分子化合物を含む組成物を硬化して電解質層を形成する形成工程と、上記電解質層を、上記カソード及び上記アノードで挟持する電極付与工程と、を備え、上記電極付与工程の前に、上記電解質層における上記アノードと対向される面、及び、上記アノードにおける上記電解質層と対向される面の内の少なくとも一方の面にトリメチルボレート、上記式(2)で表される高分子化合物及び増粘剤を含む塗布液を塗布して塗布液層を形成する塗布工程を、更に備え、上記電解質層中の配合割合が、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物の合計の質量に対して、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の質量が、5.0〜60.0質量%であり、式(2)で表される高分子化合物の質量が、40.0〜95.0質量%であり、上記塗布液層中の配合割合が、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤の合計の質量に対して、式(2)で表される高分子化合物の質量が、59.9〜98.9質量%であり、トリメチルボレートの質量が1.0〜40.0質量%であり、増粘剤の質量が、0.1〜20.0質量%である、製造方法を提供する。
このような製造方法によれば、カソードと、易黒鉛化炭素材料を含有するアノードと、カソード及びアノードの間に配置された上記第2の高分子電解質と、を備える二次電池を容易に製造することができる。また、高分子電解質を薄くした場合、式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートのアノードへの拡散が抑制される傾向にある。しかしながら、このような製造方法によれば、アノード近傍にトリメチルボレートを選択的に拡散させることができ、これによりSEIが形成され、得られる二次電池の放電容量及びサイクル特性を向上させることができる。また、上記形成工程において、支持体に含浸させた組成物を硬化させると、高分子電解質を容易に薄くすることができ、電池内部の抵抗成分を低下させることが可能となる。したがって、形成工程をこのようなものとした場合には、当該製造方法が特に有効である。
本発明によれば、アノードとしてX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含有する材料を用いた場合において、二次電池の放電容量及びサイクル特性を向上できる高分子電解質を提供することができる。また、本発明によれば、このような高分子電解質を備える二次電池及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る高分子電解質を備える二次電池の模式断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(高分子電解質)
本実施形態の高分子電解質は、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードを有するリチウムイオン二次電池に用いる高分子電解質である。本実施形態の高分子電解質としては、例えば、後述の第1の高分子電解質及び第2の高分子電解質が挙げられる。以下、第1の高分子電解質及び第2の高分子電解質についてそれぞれ説明する。
(第1の高分子電解質)
本実施形態の高分子電解質は、下記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体と、下記式(2)で表される高分子化合物と、トリメチルボレートと、を含むものである。ここで、高分子電解質中の各成分の配合割合は、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体、式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートの合計の質量に対して、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体の質量が、5.0〜60.0質量%であり、式(2)で表される高分子化合物の質量が、39.0〜94.0質量%であり、トリメチルボレートの質量が、1.0〜40.0質量%である。このような高分子電解質は、アノードとして上記易黒鉛化炭素材料を含有する材料を用いた場合において、二次電池の放電容量及びサイクル特性を向上できる。
Figure 2011181463
O−(AO)−R …(2)
式(1)中、Bはホウ素原子を示し、Z、Z、及びZはアクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。また、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、h、i及びjは1〜10の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。
ここで、式(1)中のh、i、jはオキシアルキレン基の平均付加モル数である。h、i、jは、それぞれ、1〜3の数であることが好ましい。h、i、jがこの範囲内にあると、高温環境下での化学的安定性が向上し、二次電池に用いたときに実用上十分な出力を有する高分子電解質を得ることができる。
式(2)中、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、kは4〜20の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。
ここで、式(2)中のkはオキシアルキレン基の平均付加モル数である。kが4未満だと得られる高分子電解質の高温環境下での化学的安定性が低下する。一方、kが20より大きくなると高分子電解質のイオン伝導性が低下し、また柔軟性が低下し電極界面との接触性が悪化するため、電池に用いたときの出力が低下する傾向にある。すなわち、kがこの範囲内にあると、高温環境下での化学的安定性が向上し、二次電池に用いたときに実用上十分な出力を有する高分子電解質を得ることができる。同様の観点から、kは4〜12の数であることが好ましい。
式(1)中のAO及び式(2)中のAOにおける炭素数2〜6のオキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基が挙げられる。得られる高分子電解質のイオン伝導度の点からは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基が好ましく、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基がより好ましい。
式(2)中のR及びRにおける炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の脂肪族炭化水素基、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基が挙げられる。得られる高分子電解質のイオン伝導度の点からは、炭素数4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(1)で示される末端に重合性官能基を有する重合性含ホウ素化合物は公知の方法で製造できる。特に製造方法は限定されないが、得られる化合物の純度と水分含有量の観点から、特開2008−117762号公報に開示された方法で製造することが好ましい。
式(2)で示される両末端に炭化水素基を有する高分子化合物は、公知の方法によって製造することができる。製造方法は特に限定されないが、得られる化合物の純度と水分含有量の観点から、特開2008−117762号公報に開示された方法で製造することが好ましい。
本実施形態の高分子電解質において、トリメチルボレートとは、下記式(3)で示される化合物である。市販品としては、例えば大八化学製TMB−R、東横化学製TMB、ローム・アンド・ハース製TMB等が挙げられる。当該分野に於いては、水酸基や水の低減が必須であることから、用いるトリメチルボレートの純度は90%以上が好ましく、95%以上がさらに好ましい。
(CHO)−B …(3)
トリメチルボレートは高分子電解質の全域に含まれていてもよいが、例えば、高分子電解質の主面のうちの一方の面の近傍にのみ含まれていてもよい。ただし、一方の面の近傍にのみ含まれる高分子電解質を用いて二次電池を作製する場合には、トリメチルボレートを含有する面とアノードとが接するように配置することが好ましい。
本実施形態の高分子電解質において、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体の含有割合は、上述のとおり、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体、式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートの合計の質量に対して、5.0〜60.0質量%である。高分子電解質の機械的強度、柔軟性及びイオン伝導度を高める観点から、この含有割合は、10.0〜45.0質量%であることが好ましい。
本実施形態の高分子電解質において、式(2)で表される高分子化合物の含有割合は、上述のとおり、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体、式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートの合計の質量に対して、39.0〜94.0質量%である。高分子電解質の機械的強度、柔軟性及びイオン伝導度を高める観点から、この含有割合は、55.0〜85.0質量%であることが好ましい。
本実施形態の高分子電解質において、トリメチルボレートの含有割合は、上述のとおり、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体、式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートの合計の質量に対して、1.0〜40.0質量%である。トリメチルボレートを電極近傍に確実に行き渡らせる観点並びに高分子電解質の機械的強度及び柔軟性を高める観点からは、この含有割合は、5.0〜30.0質量%であることが好ましい。
本実施形態の高分子電解質は、用途に応じて任意の電解質塩を含有することができる。
上記電解質塩は、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物に対して相溶性を有するものであることが好ましい。このような電解質塩としては、例えば、金属陽イオンと、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルフォニドイミド酸イオン、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7,7,8,8−テトラシアノ−p−キノジメタンイオン、低級脂肪族カルボン酸イオンから選ばれた陰イオンと、からなる化合物が挙げられる。上記金属陽イオンとしては、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca及びBa金属イオンが挙げられる。リチウムイオン二次電池としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LISOCF)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(LiN(CFSO)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(SO)、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBC)等のリチウム塩を挙げることができる。
本実施形態の高分子電解質における電解質塩濃度、すなわち、電解質塩の含有量は、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体の質量、式(2)で表される高分子化合物の質量及びトリメチルボレートの質量の合計に対して、0.2〜50.0質量%であることが好ましく、0.5〜45.0質量%であることがより好ましい。電解質塩濃度をこのような範囲にすると、高分子電解質のイオン導電性及びこれを用いた電池の性能を向上させることができる。
本実施形態の高分子電解質は、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、高分子化合物(β)、非水溶媒及び添加剤のような任意の成分を含んでもよい。
上記高分子化合物(β)は、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物に対して相溶性を有するものであることが好ましい。高分子化合物(β)としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレン−アクリロニトリル共重合体(PHFP−AN)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ポリビニルアルコール(PVA)が挙げられる。
上記非水溶媒は、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物に対して相溶性を有するものであることが好ましい。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル化合物、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物が挙げられる。これらの非水溶媒は、1種単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
上記添加剤としては、例えば、ベンゼン、ビニレンカーボネートが挙げられる。
本実施形態の高分子電解質の厚みに特に制限はないが、0.1〜500μmであることが好ましく、50〜350μmであることがより好ましい。高分子電解質の厚みを薄くすることにより、電池の内部抵抗を低減させることができ、容量を大きくすることができる。なお、高分子電解質の厚みを薄くする場合には、支持体を用い高分子電解質を補強することが好ましい。支持体により補強された高分子電解質は、薄く、且つ引っ張り強さや曲げ強さに優れたものとなる。
本実施形態の高分子電解質は、例えば以下の方法によって製造できる。式(1)で表される重合性含ホウ素化合物、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び電解質塩等の所望の成分並びに重合開始剤等を各種の混練機や攪拌機を用いて混合・分散させた組成物を準備する。そして、当該組成物をシリコンシート型等の型に流し込んだ後、可視光、紫外線、電子線、熱等のエネルギーを使用し、重合を行うことにより上記組成物を硬化させ、上記高分子電解質を形成する。
重合形式としては、例えば、イオン重合、ラジカル重合が挙げられる。このいずれの重合形式によってもイオン伝導性高分子電解質を得ることができる。
また、ここでは重合開始剤を使用する方法を開示したが、上記組成物の硬化が可能であれば、重合開始剤は使用しなくてもよい。作業性や重合速度の観点からは、重合開始剤として、熱ラジカル重合開始剤を使用し、熱重合によって高分子電解質を形成する方法が好ましい。
上記熱ラジカル重合開始剤に特に制限はないが、通常、有機過酸化物やアゾ化合物が用いられる。熱ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、クミルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤は、所望の重合温度と重合体の組成により適宜選択して用いればよいが、電気化学デバイスに用いられる部材を損なわない目的から、分解温度及び分解速度の指標である10時間半減期温度の範囲が30〜90℃であるものが好ましい。
また、この場合の重合温度は、用いた熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度に対して±10℃程度の温度範囲とすることが好ましい。重合時間は、重合体中の重合性不飽和二重結合が実質的に無くなるまで適宜調整することが好ましい。
(第2の高分子電解質)
本実施形態の高分子電解質は、上記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び上記式(2)で表される高分子化合物を含む電解質層と、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤を含む塗布液層と、を備える多層構造の高分子電解質(多層高分子電解質)である。
ここで、上記電解質層中の成分の配合割合は、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物の合計の質量に対して、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の質量が、5.0〜60.0質量%であり、式(2)で表される高分子化合物の質量が、40.0〜95.0質量%である。
また、上記塗布液層中の成分の配合割合は、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤の合計の質量に対して、式(2)で表される高分子化合物の質量が、59.9〜98.9質量%であり、トリメチルボレートの質量が1.0〜40.0質量%であり、増粘剤の質量が、0.1〜20.0質量%である。
このような高分子電解質は、アノードとして上記易黒鉛化炭素材料を含有する材料を用いた場合において、二次電池の放電容量及びサイクル特性を向上できる。また、本実施形態の高分子電解質によれば、よりアノード近傍に式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートを配することができるため、トリメチルボレートのアノード側への拡散が容易であり、SEIを効果的に形成させることができる。
以下、電解質層及び塗布液層についてそれぞれ説明する。
上記電解質層は、上記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び上記式(2)で表される高分子化合物を含むものである。
上記電解質層において、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の含有割合は、上述のとおり、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物の合計の質量に対して、5.0〜60.0質量%である。電解質層の機械的強度、柔軟性及びイオン伝導度を高める観点からは、この含有割合は、10.0〜45.0質量%であることが好ましい。
上記電解質層において、式(2)で表される高分子化合物の含有割合は、上述のとおり、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物の合計の質量に対して、40.0〜95.0質量%である。電解質層の機械的強度、柔軟性及びイオン伝導度を高める観点からは、この含有割合は、55.0〜90.0質量%であることが好ましい。
なお、当該電解質層としては、例えば、上述の第1の高分子電解質や、当該第1の高分子電解質からトリメチルボレートを除いたもの等を用いることもできる。
上記電解質層の厚みに特に制限はないが、200μm以下であることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。電解質層の厚みを薄くすることにより、電池の内部抵抗を低減させることができ、容量を大きくすることができる。なお、電解質層の厚みを薄くする場合には、電解質層が支持体を含有することが好ましい。電解質層が支持体を含有すると、薄く、且つ引っ張り強さや曲げ強さに優れたものとなる。
上記支持体の材質に特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンの多孔質シートやこれらを多層ラミネート化した多孔質シート、ポリオレフィン繊維の不織布等のポリオレフィン成形体、ガラスクロス、ガラス不織布、ガラスマット、ガラスファイバー等のガラス成形体あるいはLiN単結晶、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO、LiI−LiS−P、LiI−LiS−BおよびLiI−LiS−SiS系のガラスやLi1.3Al0.3Ti1.7(PO、LiS・X、(XはSiS、GeS、P、Bの群より選択される一種以上の硫化物)系硫化物等の無機固体電解質の成形体、芳香族ポリアミド繊維及びその不織布などが挙げられる。支持体としては、リチウムイオン電池等に用いられるセパレータ等を用いてもよい。可とう性の観点からは、湾曲可能な支持体を用いることが好ましい。支持体の厚みは、100μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましい。
上記電解質層が、支持体を含有する場合、電解質層における支持体の含有割合は、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物の合計の質量に対して、1.0〜50.0質量%であることが好ましく、3.0〜30.0質量%であることがより好ましい。支持体の含有割合がこの範囲にあると、高分子電解質のイオン伝導度を損なうことなく、引っ張り強さや曲げ強さが向上する傾向にある。
上記電解質層は、用途に応じて任意の電解質塩を含有することができる。電解質塩としては、上述と同様のものを用いることができる。
上記電解質層における電解質塩濃度、すなわち、電解質塩の含有量は、式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体の質量及び式(2)で表される高分子化合物の質量の合計に対して、0.2〜50.0質量%であることが好ましく、0.5〜45.0質量%であることがより好ましい。電解質塩濃度をこのような範囲にすると、高分子電解質のイオン導電性及びこれを用いた電池の性能を向上させることができる。
上記電解質層は、例えば以下の方法により製造できる。式(1)で表される重合性含ホウ素化合物、式(2)で表される高分子化合物及び電解質塩等の所望の成分並びに重合開始剤等を各種の混練機や攪拌機を用いて混合・分散させた組成物を準備する。そして、当該組成物をシリコンシート型等の型に流し込んだ後、可視光、紫外線、電子線、熱等のエネルギーを使用し、重合を行うことにより上記組成物を硬化させ、上記電解質層を形成する。また、電解質層に支持体を含有させる場合には、上記配合物を支持体に含浸させてから重合させればよい。なお、重合形式は、イオン重合であっても、ラジカル重合であってもよい。
また、ここでは重合開始剤を使用する方法を開示したが、上記組成物の硬化が可能であれば、重合開始剤は使用しなくてもよい。なお、好ましい重合開始剤及び重合条件は、上記第1の高分子電解質の製造の場合と同様である。
次に、塗布液層について、説明する。
上述のとおり、塗布液層は、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤を含むものである。
上記増粘剤としては、式(2)で表される高分子化合物を増粘させるものであれば特に制限はないが、分散性が良く、粘度の経時安定性に優れるものであることが好ましい。上記増粘剤としては、例えば、ベントナイトやシリカ粉末等の無機系増粘剤、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート化合物、ポリウレタン化合物等の有機系増粘剤が挙げられる。
高分子電解質においては、水酸基や水は低減されることが好ましいことから、上記増粘剤は、乾式シリカ、湿式シリカ、ゾル−ゲル法シリカ等の粉末シリカであることが好ましく、四塩化珪素等の珪素化合物を酸水素炎中で燃焼させて得られるフュームドシリカがより好ましい。
なお、上述の増粘剤を含ませることにより、塗布液にチキソ性を持たせることが可能となり、アノードに効率良くトリメチルボレートを拡散させることができる。
上記塗布液層において、式(2)で表される高分子化合物の含有割合は、上述のとおり、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤の合計の質量に対して、59.9〜98.9質量%である。当該含有割合がこの範囲外であると、得られる塗布液層のチキソ性が乏しくなり、カソードにトリメチルボレートを効率良く含浸させることが難しくなる場合や、塗布液層の流動性が低下しイオン伝導度が低下する場合がある。同様の観点から、この含有割合は、90.0〜94.9質量%であることが好ましい。
上記塗布液層において、トリメチルボレートの含有割合は、上述のとおり、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤の合計の質量に対して、1.0〜40.0質量%である。トリメチルボレートを電極近傍に行き渡らせる観点並びに塗布後の高分子電解質の引っ張り強さ及び曲げ強さの観点からは、この含有割合は、5.0〜30.0質量%であることが好ましい。
上記塗布液層において、増粘剤の含有割合は、上述のとおり、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤の合計の質量に対して、0.1〜20.0質量%である。当該含有割合がこの範囲外であると、得られる塗布液層のチキソ性が乏しくなり、カソードにトリメチルボレートを効率良く含浸させることが難しくなる場合や、塗布液層の流動性が低下しイオン伝導度が低下する場合がある。同様の観点から、この含有割合は、0.1〜10質量%であることが好ましい。
上記塗布液層は、用途に応じて任意の電解質塩を含有することができる。電解質塩としては、上述と同様のものを用いることができる。
上記塗布液層における電解質塩濃度、すなわち、電解質塩の含有量は、式(2)で表される高分子化合物の質量、トリメチルボレート及び増粘剤の質量の合計に対して、0.2〜50.0質量%であることが好ましく、0.5〜45.0質量%であることがより好ましい。電解質塩濃度をこのような範囲にすると、高分子電解質のイオン導電性及びこれを用いた電池の性能を向上させることができる。
上記塗布液層の厚みに特に制限はないが、高分子電解質層の厚みを薄くする観点からは、1〜200μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。なお、上述のとおり、高分子電解質層の厚みを薄くすることにより、電池の内部抵抗を低減させることができ、容量を大きくすることができる。
塗布液層は、例えば、式(2)で示される高分子化合物、トリメチルボレート、増粘剤及び電解質塩等の所望の成分を、ロールミル、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を用いて剪断を加えながら撹拌して塗布液を作製し、当該塗布液を上記電解質層表面に塗布することによって形成できる。なお、当該塗布液層は、アノード上に形成した後、上記電解質層上に積層してもよい。
なお、上記電解質層及び上記塗布液層は、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、上述の高分子化合物(β)、非水溶媒及び添加剤などの任意の成分を含んでもよい。
上記第2の高分子電解質(多層高分子電解質)においては、電解質層と塗布液層との質量比が、(電解質層の質量)/(塗布液層の質量)=10/90〜90/10であることが好ましい。当該質量比が、この範囲であると、高分子電解質の機械的強度、柔軟性及びイオン伝導度がより向上する。また、同様の観点から、当該質量比は10/90〜50/50であることがより好ましい。
(二次電池)
図1は、本実施形態の高分子電解質を備える二次電池の模式断面図である。図1に示す二次電池1は、カソード3と、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含有するアノード2と、カソード3及びアノード2の間に配置された高分子電解質4とを備えるものである。ここで、高分子電解質4は、上記第1又は第2の高分子電解質である。なお、アノード2及びカソード3は説明の便宜上、二次電池の放電時の極性を基準に決定したものである。したがって、充電時には、アノード2が「カソード」となり、カソード3が「アノード」となる。また、アノード2及びカソード3の形状は特に限定されず、例えば、図示するように薄膜状(層状)であってもよい。
また、二次電池1において、アノード2の高分子電解質4とは反対側の面上には膜状(板状、層状)の集電体(アノード集電体)5が設けられており、カソード3の高分子電解質4とは反対側の面上には膜状(板状、層状)の集電体(カソード集電体)6が設けられている。なお、本実施形態においては、アノード集電体5及びカソード集電体6を備える二次電池を例示したが、必要に応じ、アノード集電体5及びカソード集電体6は省略することもできる。
カソード3としては、二次電池用の電極として公知のものなどを用いることができる。カソードとしては、例えば、正極活物質、導電助剤及び結着剤(バインダー)を含む電極が挙げられる。なお、導電助剤及び結着剤は必要に応じて含有させる成分であり、含有してもしなくてもよい。
上記正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、層状マンガン酸リチウム(LiMnO)又は複数の遷移金属を配合した複合酸化物であるLiMnxNiyCozO(x、y及びzは、x+y+z=1、0≦y<1、0≦z<1、0≦x<1の式を満たす)などの層状化合物、これらの化合物において1種以上の遷移金属元素を置換したもの、マンガン酸リチウム(Li1+xMn2−x(ただし、xは0〜0.33の数を示す))、Li1+xMn2−x−y(ただし、MはNi、Co、Cr、Cu、Fe、Al、Mgからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含み、xは0〜0.33の数を示し、yは0〜1.0の数を示し、かつ、x及びyは、2−x−y>0の式を満たす)、LiMnO、LiMn、LiMnO、LiMn2−x(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn、Taからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含み、xは、0.01〜0.1の数を示す)、LiMnMO(ただし、MはFe、Co、Ni、Cu、Znからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を示す)、銅−リチウム酸化物(LiCuO)、鉄−リチウム酸化物(LiFe)、LiFePO、LiV、V、Cu等のバナジウム酸化物、ジスルフィド化合物、Fe(MoOが挙げられる。
二次電池がリチウムイオン二次電池である場合には、正極活物質として、リチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物を用いる。このような酸化物としては、リチウムを含む複合酸化物が好ましく、例えば、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiVが挙げられる。また、この酸化物は平均粒子径1〜40μm程度の粉末であることが好ましい。
上記導電助剤としては、例えば、ニッケル、アルミ、銅、銀等の金属及び導電性炭素材料が挙げられる。上記導電性炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノファイバー等の炭素繊維が挙げられる。導電助剤としては、特にカーボンブラック、黒鉛が好ましい。なお、導電助剤は含有しなくてもよい。
上記結着剤は、正極活物質及び導電助剤を結着可能な化合物であれば特に制限はないが、例えば、上記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体、上記式(2)で表される高分子化合物、上記高分子化合物(β)等の高分子化合物などが挙げられる。
上記結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−塩化3フッ化エチレン(CTFE)共重合体〔P(VDF−CTFE)〕、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴム、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴム〔P(VDF−TFE−HFP)〕、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルフッ素ゴム等のフッ素系高分子などが好ましい。フッ化ビニリデン系ポリマーとしては、フッ化ビニリデンが50質量%以上、特に70質量%以上であるものが好ましく、特に、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体、フッ化ビニリデンと塩化3フッ化エチレンとの共重合体〔P(VDF−CTFE)〕が好ましい。
カソード3における、正極活物質と導電助剤と結着剤との含有比率は、活物質:導電助剤:結着剤=70〜96:2〜20:2〜15質量%の範囲であることが好ましい。
アノード2は、上述のとおり、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含有するものである。なお、当該易黒鉛化炭素材料は負極活物質として用いられるものである。アノード2としては、例えば、当該易黒鉛化炭素材料、導電助剤及び結着剤を含む電極が挙げられる。なお、導電助剤及び結着剤は必要に応じて含有させる成分であり、含有してもしなくてもよい。
なお、易黒鉛化炭素材料とは、熱処理を施すことによってその構造を容易に代え得る炭素材料で、高温度で焼成することにより容易に黒鉛化する炭素材料を意味する。例えば、石炭系ピッチ、石油系ピッチ等のピッチ類、ポリ塩化ビニル樹脂、3,5−ジメチル−ブェノール樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラート等の高分子化合物、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン等の縮合多環式炭化水素化合物及びその誘導体、アセナフチレン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、フェナントリジン等の縮合複素環式化合物及びその誘導体、を焼成炭素化して得られる炭素材料である。
アノード2における導電助剤及び結着剤としては、カソード3において例示した成分と同様のものを用いることができる。
アノード2における、負極活物質と導電助剤と結着剤との含有比率は、活物質:導電助剤:結着剤=30〜90:5〜10:5〜10質量%の範囲であることが好ましい。
アノード集電体5及びカソード集電体6は、電池を使用するデバイスの形状やケース内への集電体の配置方法などに応じて、集電体として一般的に用いられる材料から選択すればよい。
アノード集電体5の構成材料としては、電子伝導性を有するものであれば特に制限されないが、例えば、ニッケル、銅等が用いられ、好ましくはニッケルが用いられる。さらに、カソード集電体6の構成材料としては、電子伝導性を有するものであれば特に制限されないが、例えば、ニッケル、アルミニウム、タンタル、鉄、チタニウム等が用いられ、好ましくはニッケル、アルミニウム、タンタルが用いられ、好ましくはアルミニウムが用いられる。なお、これらの集電体には、通常、金属箔、金属メッシュなどが使用される。金属箔よりも金属メッシュの方が電極との接触抵抗が小さくなるが、本実施形態の二次電池においては金属箔でも十分小さい接触抵抗が得られる。
本実施形態の二次電池は、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ポータブルオーディオプレイヤー、携帯液晶テレビ等の携帯AV機器、ノート型パソコン、携帯電話、通信機能付き電子手帳等の携帯情報端末、携帯ゲーム機器、電動工具、電動式自転車、ハイブリット自動車、電気自動車、電力貯蔵システム等の幅広い分野において使用することができる。
(二次電池の製造方法)
次に、本実施形態の二次電池1の好適な製造方法について、上記第1の高分子電解質を備える場合及び上記第2の高分子電解質を備える場合にわけて説明する。
(第1の高分子電解質を備える二次電池の好適な製造方法)
第1の高分子電解質を備える二次電池は、例えば、上記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物、上記式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートを含む組成物を硬化して高分子電解質を形成する形成工程と、上記高分子電解質を、カソード及びアノードで挟持する電極付与工程と、を備える方法によって製造できる。
形成工程においては、例えば、第1の高分子電解質の製造方法として上述した方法によって、第1の高分子電解質を形成する。
電極付与工程においては、上述のように作製した第1の高分子電解質を、カソード3及びX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含有するアノード2で挟持する。
カソード3及びアノード2は、例えば、活物質、導電助剤及び結着剤を溶媒に混合又は分散させてスラリを調製した後、当該スラリを銅箔、アルミ箔などの集電体(カソード集電体6及びアノード集電体5)上に塗布し、溶媒を蒸発させた後、ロールプレス等により加圧することにより作製できる。また、スラリには、結着剤の前駆体として、上記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物のように重合性官能基有する化合物を含有させてもよい。この場合、上記加圧の際に、同時に加熱して、重合性官能基の重合を促進させることが好ましい。これにより得られた電極におけるカチオンの移動を円滑にすることができる。
このような製造方法によれば、カソードと、上記易黒鉛化炭素材料を含有するアノードと、カソード及びアノードの間に配置された第1の高分子電解質と、を備える、二次電池を容易に製造することができる。このように製造した二次電池は、上記高分子電解質を備えることにより、放電容量及びサイクル特性が向上される。
(第2の高分子電解質を備える二次電池の好適な製造方法)
第2の高分子電解質を備える二次電池は、例えば、上記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物及び上記式(2)で表される高分子化合物を含む組成物を硬化して電解質層を形成する形成工程と、前記電解質層を、前記カソード及び前記アノードで挟持する電極付与工程と、を備え、前記電極付与工程の前に、前記電解質層における前記アノードと対向される面、及び、前記アノードにおける前記電解質層と対向される面の内の少なくとも一方の面にトリメチルボレート、上記式(2)で表される高分子化合物及び増粘剤を含む塗布液を塗布して塗布液層を形成する塗布工程を、更に備える方法によって製造できる。
高分子電解質を薄くすると電池の内部抵抗を低減させることができるが、この薄膜化にともない電解質量自体が減り、高分子化合物及びトリメチルボレートのアノードへの拡散しにくくなる。しかしながら、この製造方法によれば、高分子電解質のうちアノードと対向される面に、トリメチルボレート、上記式(2)で表される高分子化合物及び増粘剤を含む塗布液層を形成することができるため、トリメチルボレートのアノードへの拡散を促進することができ、SEIを効果的に形成することができる。したがって、得られる二次電池の放電容量及びサイクル特性を向上させることができる。
形成工程においては、例えば、第2の高分子電解質における電解質層の製造方法として上述した方法によって、電解質層を形成する。
電極付与工程においては、上記電解質層を、カソード及びX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含有するアノードで挟持する。
また、塗布工程は上記電極付与工程の前に施される。当該塗布工程においては、まず、式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート、増粘剤及び電解質塩等の所望の成分を、各種の混練機や攪拌機を用いて混合・分散して塗布液を準備する。そして、当該塗布液を、形成工程において作製した電解質層のアノードと対向される面及びアノードにおける上記電解質層と対向される面の内の少なくとも一方の面に塗布する。当該塗布工程を施すことにより、二次電池としたときに、高分子電解質層のアノードと対向される面に式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートを含む層を形成することができる。
ここで、当該塗布液を塗布する方法に特に制限はないが、例えば、スクリーン印刷による塗布、あるいは、スプレー噴霧による塗布が好ましい。
このような製造方法によれば、カソードと、上記易黒鉛化炭素材料を含有するアノードと、カソード及びアノードの間に配置された第2の高分子電解質と、を備える、二次電池を容易に製造することができる。このように製造した二次電池は、上記高分子電解質を備えることにより、放電容量及びサイクル特性が向上される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(高分子電解質製造例1)
アルゴン置換したグローブボックス内で、表1に示した構造を有する高分子化合物B8.5gと、電解質塩としてリチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(3M社製、商品名フロラードL−13858、LiBETIと記載)と、重合開始剤として2,2’−α,α’‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBNと記載)0.050gと、トリメチルボレート0.170g(大八化学製、商品名TMB−R、TMBと記載)とを混合し、自公転ミキサーで5分間攪拌した後、30分間放置し、さらに5分間攪拌した。LiBETI、AIBNが溶解したのを目視で確認した後、表1に示した構造を有する重合性含ホウ素化合物Aを添加し、さらに5分間攪拌し高分子電解質形成用組成物を得た。得られた高分子電解質形成用組成物を20×20×0.3mmのシリコンシート型に溶液を流し込み、100℃、3時間加熱することにより、高分子電解質形成用組成物を硬化させ、高分子電解質を得た。得られた高分子電解質の厚みは、320μmであった。なお、各成分の配合量は表2に示す。
Figure 2011181463
(高分子電解質製造例2〜32)
重合性化合物A、高分子化合物B、電解質塩、重合開始剤、トリメチルボレートの配合量を表2に示した量に変更した以外は、高分子電解質製造例1と同様にして、高分子電解質を得た。
(電解質層製造例1)
アルゴン置換したグローブボックス内で、高分子化合物B8.5gと、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)1.097gと、2,2’−α,α’‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.014gと、重合性含ホウ素化合物A1.5gを混合させた混合液を調製した。得られた混合液を支持体である50μmの厚みのガラス繊維シートに含浸させ、80℃で2時間加熱し硬化させることにより、厚み60μmの電解質層を得た。
高分子電解質製造例1〜32で得られた高分子電解質(シート)及び電解質層製造例1で得られた電解質層(シート)の膜強度を、動的粘弾性試験(株式会社エー・アンド・デイ製、レオバイブロン動的粘弾性自動測定器DDV−01−FP−W)により測定した。これにより、電池評価可能な高分子電解質であることを確認した。
(高分子電解質製造比較例1〜24)
重合性化合物A、高分子化合物B、電解質塩、重合開始剤、トリメチルボレートを表2に示した量に変更した以外は、高分子電解質製造例1と同様にして、高分子電解質を得た。
Figure 2011181463
(塗布液製造例1)
高分子化合物B5.000gに、電解質塩としてのLiBETI0.440gとトリメチルボレート0.295gとを加え、均一になるまで攪拌し、塗布液前駆体を得た。次いで、塗布液前駆体と、増粘剤としてのシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名R805)0.272gを三本ロールミルにより30分間、配合、攪拌して塗布液を調整した。なお、各成分の配合量は表3に示す。
(塗布液製造例2、3)
電解質塩及び増粘剤の量を表3に示した量に変更した以外は、塗布液製造例1と同様にして、塗布液を得た。
(塗布液製造例4〜6)
電解質塩をLiBOBに変更し、高分子化合物B、電解質塩、トリメチルボレート、増粘剤の量を表3に示した量に変更した以外は、塗布液製造例1と同様にして塗布液を得た。
(塗布液製造比較例1〜6)
トリメチルボレートを含有させなかったこと以外は、塗布液製造例1〜6と同様にして塗布液を得た。なお、各成分の配合量は表3に示す。
Figure 2011181463
(カソード)
正極活物質としてLiMn、導電助剤としてカーボンブラック、結着剤としてP(VDF−CTFE)を準備した。これらを、質量比で正極活物質:導電助剤:結着剤=90:5:5となるように混合した。得られた混合物とNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶媒を、質量比で1:1.3となるように混合して、室温下で分散させカソード用スラリを調製した。得られたカソード用スラリをドクターブレード法により塗膜化して乾燥し、カソードを作製した。
(アノード)
負極活物質としてX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.475オングストロ−ムで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が38オングストロ−ムである易黒鉛化炭素材料を、導電助剤としてカーボンブラックを、結着剤としてP(VDF−CTFE)を準備した。これらを、質量比で負極活物質:導電助剤:結着剤=90:5:5となるように混合した。得られた混合物とNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶媒を、質量比で1:1となるように混合して、室温下で分散させアノード用スラリを調製した。得られたアノード用スラリをドクターブレード法により塗膜化して乾燥し、アノードを作製した。
(二次電池)
(実施例1〜32)
上記高分子電解質製造例1〜32で得られた高分子電解質の両面にそれぞれカソードとアノードとを貼り合わせた後、ラミネートフィルムにより真空下でシールし、二次電池を作製した。
(実施例33〜38)
形成したアノードの主面のうちの一方の面に、塗布液製造例1〜6を塗布した。塗布はスクリーン印刷(HP−320型スクリーン印刷機、ニューロング精密工業(株)製)により行った。その後、アノードの主面のうち塗布液を塗布した面と電解質層製造例1の電解質層とが対向するように、当該電解質層をカソード及びアノードで挟持して、二次電池を作製した。なお塗布液の塗布厚みは、40μmであった。
(比較例1〜24)
上記高分子電解質製造比較例1〜24で得られた高分子電解質の両面にそれぞれカソードとアノードとを貼り合わせた後、ラミネートフィルムにより真空下でシールし、二次電池を作製した。
(比較例25〜30)
形成したアノードの主面のうちの一方の面に、上述の塗布液製造比較例1〜6の塗布液を塗布した。塗布はスクリーン印刷(HP−320型スクリーン印刷機、ニューロング精密工業(株)製)により行った。その後、アノードの主面のうち塗布液を塗布した面と電解質層製造例1の電解質層が対向するように、当該電解質層をカソード及びアノードで挟持して、二次電池を作製した。なお塗布液の塗布厚みは、40μmであった。
(二次電池の評価)
実施例1〜38、比較例1〜30の二次電池の電池放電容量を評価した。評価結果を表4に示す。電池放電容量(mAh)は、室温下(25°C)にて、電池を0.2Cで4.2Vになるまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で2.5時間充電してから、0.2Cで2.5Vまで放電するサイクルを1サイクルとして測定した。なお、初期放電容量は1サイクル目の放電容量である。また、25サイクル目あるいは50サイクル目の放電容量維持率は、(25サイクルあるいは50サイクル目の容量)/(1サイクル目の容量)とした。
Figure 2011181463
以上により、本願発明の構成を有する高分子電解質を備える二次電池は、放電容量及び放電容量維持率(サイクル特性)に優れることを確認した。
1…二次電池、2…アノード、3…カソード、4…高分子電解質、5…アノード集電体、6…カソード集電体。

Claims (5)

  1. X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードを有するリチウムイオン二次電池に用いる高分子電解質であって、
    下記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体と、
    下記式(2)で表される高分子化合物と、
    トリメチルボレートと、を含み、
    前記高分子電解質中の配合割合が、
    式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体、式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートの合計の質量に対して、
    式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体の質量が、5.0〜60.0質量%であり、
    式(2)で表される高分子化合物の質量が、39.0〜94.0質量%であり、
    トリメチルボレートの質量が、1.0〜40.0質量%である高分子電解質。
    Figure 2011181463

    O−(AO)−R …(2)
    [式(1)中、Bはホウ素原子を示し、Z、Z、及びZはアクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。また、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、h、i及びjは1〜10の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。]
    [式(2)中、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、kは4〜20の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。]
  2. X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードを有するリチウムイオン二次電池に用いる高分子電解質であって、
    下記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び下記式(2)で表される高分子化合物を含む電解質層と、
    式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤を含む塗布液層と、を備え、
    前記電解質層中の配合割合が、
    式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物の合計の質量に対して、
    式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の質量が、5.0〜60.0質量%であり、
    式(2)で表される高分子化合物の質量が、40.0〜95.0質量%であり、
    前記塗布液層中の配合割合が、
    式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤の合計の質量に対して、
    式(2)で表される高分子化合物の質量が、59.9〜98.9質量%であり、
    トリメチルボレートの質量が1.0〜40.0質量%であり、
    増粘剤の質量が、0.1〜20.0質量%である高分子電解質。
    Figure 2011181463

    O−(AO)−R …(2)
    [式(1)中、Bはホウ素原子を示し、Z、Z、及びZはアクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。また、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、h、i及びjは1〜10の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。]
    [式(2)中、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、kは4〜20の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。]
  3. カソードと、
    X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードと、
    前記カソード及び前記アノードの間に配置された請求項1又は2に記載の高分子電解質と、を備える二次電池。
  4. カソードと、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードと、前記カソード及び前記アノードの間に配置された高分子電解質と、を備える二次電池の製造方法であって、
    下記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物、下記式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートを含む組成物を硬化して高分子電解質を形成する形成工程と、
    前記高分子電解質を、前記カソード及び前記アノードで挟持する電極付与工程と、を備え、
    前記高分子電解質中の配合割合が、
    式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体、式(2)で表される高分子化合物及びトリメチルボレートの合計の質量に対して、
    式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体の質量が、5.0〜60.0質量%であり、
    式(2)で表される高分子化合物の質量が、39.0〜94.0質量%であり、
    トリメチルボレートの質量が、1.0〜40.0質量%である、製造方法。
    Figure 2011181463

    O−(AO)−R ・・・(2)
    [式(1)中、Bはホウ素原子を示し、Z、Z、及びZはアクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。また、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、h、i及びjは1〜10の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。]
    [式(2)中、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、kは4〜20の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。]
  5. カソードと、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.40〜3.70オングストロームで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が10〜500オングストロームである易黒鉛化炭素材料を含むアノードと、前記カソード及び前記アノードの間に配置された高分子電解質と、を備える二次電池の製造方法であって、
    下記式(1)で表される重合性含ホウ素化合物及び下記式(2)で表される高分子化合物を含む組成物を硬化して電解質層を形成する形成工程と、
    前記電解質層を、前記カソード及び前記アノードで挟持する電極付与工程と、を備え、
    前記電極付与工程の前に、前記電解質層における前記アノードと対向される面、及び、前記アノードにおける前記電解質層と対向される面の内の少なくとも一方の面にトリメチルボレート、下記式(2)で表される高分子化合物及び増粘剤を含む塗布液を塗布して塗布液層を形成する塗布工程を、更に備え、
    前記電解質層中の配合割合が、
    式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の重合体及び式(2)で表される高分子化合物の合計の質量に対して、
    式(1)で表される重合性含ホウ素化合物の質量が、5.0〜60.0質量%であり、
    式(2)で表される高分子化合物の質量が、40.0〜95.0質量%であり、
    前記塗布液層中の配合割合が、
    式(2)で表される高分子化合物、トリメチルボレート及び増粘剤の合計の質量に対して、
    式(2)で表される高分子化合物の質量が、59.9〜98.9質量%であり、
    トリメチルボレートの質量が1.0〜40.0質量%であり、
    増粘剤の質量が、0.1〜20.0質量%である、製造方法。
    Figure 2011181463

    O−(AO)−R ・・・(2)
    [式(1)中、Bはホウ素原子を示し、Z、Z、及びZはアクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。また、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、h、i及びjは1〜10の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。]
    [式(2)中、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜6のオキシアルキレン基を示し、kは4〜20の数を示す。複数のAOは互いに異なっていてもよい。]
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