JP2011179526A - ウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

ウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ウォーム減速機のウォームとウォームホイールとの歯打ち音を低減すること。
【解決手段】ケーシング4内に収装され軸中心に回転するウォーム1と、ウォーム1と噛合しウォーム1から伝達される回転力によって回転するウォームホイール3とを備えるウォーム減速機10であって、ウォーム1が形成されるウォーム軸2の一端を揺動可能にケーシング4に支持する第1軸受25と、ウォーム軸2の一端2aを支点として他端2bを傾動可能に支持する第2軸受26と、第2軸受26を介してウォーム軸2の他端2bを付勢してケーシング4に支持する付勢部材30と、ウォーム1の回転時に他端2bの傾動を規制可能なストッパ5とを備え、付勢部材30は、他端2bをウォームホイール3に向けて付勢する爪31と、ウォームホイール3に対するウォーム1の歯の進み角が大きくなるように他端2bを付勢する爪32とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ウォームギアを用いたウォーム減速機、及び当該ウォーム減速機を用いた電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来から、電動モータの回転力を利用してドライバのハンドル操作をアシストする電動パワーステアリング装置が用いられている。ウォームギアを用いたウォーム減速機を備える電動パワーステアリング装置では、電動モータの回転力がウォームに伝達され、ウォームホイールを回転させることでドライバのハンドル操作をアシストしている。
ところで、ウォームの歯とウォームホイールの歯との噛合部には、所定のバックラッシが存在する。そのため、例えば、路面から車輪への逆入力がウォームホイールに伝達された場合には、停止しているウォームに対してウォームホイールが回転し、各々の歯の間で歯打ち音(ラトル音)が発生するおそれがある。
特許文献1には、ウォームホイールの方向及びウォームホイールのアキシアル方向へ偏倚可能なウォームを備え、偏倚方向から板ばね及びコイルばねでウォームを付勢してバックラッシを低減した電動舵取装置が開示されている。
特開2001−108025号公報
しかしながら、特許文献1では、ウォームとウォームホイールとの軸間距離を小さくする方向に付勢するのみであるため、歯打ち音を更に低減させることが困難だった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ウォーム減速機において、ウォームとウォームホイールとの歯打ち音を更に低減することを目的とする。
本発明は、ケーシング内に収装され、軸中心に回転するウォームと、前記ウォームと噛合し、前記ウォームから伝達される回転力によって回転するウォームホイールと、を備え、前記ウォームの回転を減速して前記ウォームホイールに伝達するウォーム減速機であって、前記ウォームの一端を、前記ケーシングに支持する第1軸受と、前記ウォームの他端を、前記一端を支点として傾動可能に支持する第2軸受と、前記第2軸受を介して前記ウォームの他端を付勢しながら前記ケーシングに支持する軸受支持機構と、前記ウォームの回転時に前記ウォームの他端の傾動を規制可能なストッパと、を備え、前記軸受支持機構は、前記ウォームの他端を前記ウォームホイールに向けて付勢する第1付勢部と、前記ウォームホイールの歯に対する前記ウォームの歯の進み角が大きくなるように前記他端を付勢する第2付勢部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1付勢部によってウォームの他端をウォームホイールに向けて付勢し、また、第2付勢部によってウォームホイールの歯に対するウォームの歯の進み角が大きくなるようにウォームの他端を付勢することで、各々の歯の間に発生するバックラッシを低減できる。よって、ウォームとウォームホイールとの歯打ち音を低減できる。
また、ウォームからウォームホイールに駆動力が伝達され、第1付勢部及び第2付勢部の付勢力より大きな力がウォームに作用した場合には、ウォームの他端の傾動を規制可能なストッパが設けられているため、ウォームの他端の傾動は規制される。
本発明の実施の形態に係るウォーム減速機を備える電動パワーステアリング装置を示す断面図である。 (a)は、ウォーム減速機の断面図であり、(b)は、図2(a)におけるA−A線に沿う断面を示す断面図である。 (a)は、付勢部材の正面図であり、(b)は、図3(a)におけるB−B線に沿う断面を示した図であり、(c)は、図3(a)におけるC部の詳細を示した図である。 (a)は、付勢部材の変形例を示す正面図であり、(b)は、図4(a)におけるD−D線に沿う断面を示した図であり、(c)は、図4(a)におけるE−E線に沿う断面を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
まず、主に図1を参照して、本実施の形態に係るウォーム減速機10を備える電動パワーステアリング装置100の全体構成について説明する。電動パワーステアリング装置100は、車両に搭載され、ドライバーが行うハンドル操作をアシストするものである。
電動パワーステアリング装置100は、ドライバのハンドル操作によるトルクが入力される操舵入力軸11と、操舵入力軸11とトーションバー13を介して同軸に連結され、車輪に連係する操舵出力軸12と、トーションバー13に作用するトルクを検出するトルクセンサ16と、トルクセンサ16の出力に応じて作動する電動モータ9(図2参照)と、電動モータ9の駆動力を減速及び増幅して操舵出力軸12に伝達するウォーム減速機10と、を備える。
電動パワーステアリング装置100は、コントローラ(図示省略)によって制御される。このコントローラは、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは接続された機器との情報の入出力に使用される。CPUやRAMなどをROMに格納されたプログラムに従って動作させることによって、電動パワーステアリング装置100の制御が実現される。
電動パワーステアリング装置100では、ドライバのハンドル操作によるトルクが操舵入力軸11からトーションバー13を介して操舵出力軸12に伝達され、トーションバー13に作用するトルクをトルクセンサ16で検出する。トルクセンサ16は、検出されたトルクに対応する信号をコントローラに出力する。
コントローラは、トルクセンサ16で検出されたトルクに応じて電動モータ9の出力を制御する。電動モータ9の駆動力は、ウォーム減速機10を介して操舵出力軸12に伝達され、ドライバのハンドル操作をアシストする。
操舵入力軸11は、一端(図1では上端)が運転席のステアリングホイール(図示省略)に連結される筒状のシャフトである。操舵入力軸11の内周には、トルクを検出するためのトーションバー13が嵌挿される。
トーションバー13は、一端(図1では上端)をピン13bで操舵入力軸11に固定され、操舵入力軸11と同期回転する。トーションバー13の他端には、セレーション13aが形成され、操舵出力軸12に圧入される。このセレーション13aは、ローレットであってもよい。これにより、操舵出力軸12は、トーションバー13を介して操舵入力軸11と連結され、操舵入力軸11と操舵出力軸12とは、トーションバー13のねじれ分だけ相対回転する。ドライバのハンドル操作によるトルクは、操舵入力軸11に入力されると、トーションバー13を介して操舵出力軸12に伝達される。このとき、トルクセンサ16は、トーションバー13のねじり量からトーションバー13に作用しているトルクを検出する。
操舵出力軸12の中間部には、ラックシャフト14のラック14aに噛み合うステアリングピニオン12aが設けられている。これにより、操舵出力軸12が回転すると、ラックシャフト14が軸方向に移動し、ラックシャフト14にタイロッド(図示省略)を介して連結された車輪(図示省略)は操舵される。
操舵出力軸12のステアリングピニオン12aは、ケーシング15に収装される。ケーシング15は、ケーシング4に締結されて一体となる。
操舵出力軸12の外周には、ウォーム減速機10のウォームホイール3が固定される。操舵出力軸12とウォームホイール3とは、一体に回転する。
次に、図2を参照して、ウォーム減速機10について説明する。
図2(a)に示すように、ウォーム減速機10は、電動モータ9の駆動力で軸中心に回転するウォーム1と、ウォーム1から伝達される回転力によって回転するウォームホイール3とを備える。ウォーム減速機10は、ウォーム1のウォーム軸2に入力された電動モータ9の回転力を、ウォーム1と噛合するウォームホイール3に減速及び増幅して伝達するものである。
電動モータ9は、有底筒状に形成されたケーシング4の開口部を閉塞するように固定され、ウォーム1を回転駆動してドライバのハンドル操作をアシストする駆動力を発生する。電動モータ9の駆動力は、トルクセンサ16で検出されたトルクの大きさに基づいて調整される。電動モータ9は、回転して駆動力を伝達する出力軸9aを備える。出力軸9aは、カップリング20を介してウォーム軸2の一端2aに連結される。
カップリング20は、出力軸9aとウォーム軸2との軸ずれ及びウォーム軸2の傾動を吸収しながら結合するものである。カップリング20は、星形に形成された弾性体のカップリング本体21と、カップリング本体21の軸方向両端に設けられる一対のジョイント22とを備える。各々のジョイント22には、それぞれ出力軸9aとウォーム軸2とが連結される。
ジョイント22には、複数の爪22aが形成される。出力軸9aとウォーム軸2との軸ずれ及びウォーム軸2の傾動は、対向するジョイント22の爪22aどうしがカップリング本体21を介して係合することで、カップリング本体21の弾性によって吸収される。
ウォーム軸2は、電動モータ9の出力軸9aと同軸に配設される。ウォーム軸2の一端2aは、第1軸受25を介してケーシング4に支持され、他端2bは、一端2aを支点として傾動可能に第2軸受26を介してケーシング4に支持される。この一端2aは、具体的には、一端2aを支持する第1軸受25の中心である。ウォーム軸2の中間部の外周には、ウォーム1が形成される。
ウォーム1は、ウォーム軸2と一体に回転するネジ歯車である。ウォーム1には、当該ウォーム1と回転方向が90度相違するウォームホイール3が噛合する。
ウォームホイール3は、ウォーム1と中心軸が直交し、かつ所定の軸間距離になるように設けられるはす歯歯車である。ウォーム1に伝達された駆動力は、ウォームホイール3で回転方向が90度変換されて出力される。ウォームホイール3は、操舵出力軸12と一体に回転する。よって、電動モータ9の駆動力は、操舵出力軸12に伝達される。
第1軸受25は、ケーシング4の開口近傍に収装される玉軸受である。第1軸受25の外輪は、プラグ27を介してケーシング4に固定され、内輪は、ウォーム軸2の一端2aを保持する。第1軸受25は、外輪と玉との間、及び内輪と玉との間にそれぞれがたつき(内部すきま)があるため、内輪によって保持されるウォーム軸2は、これらのがたつきの分だけ一端2aを支点とした傾動が可能である。
第2軸受26は、ケーシング4の底部4aに、軸受支持機構としての付勢部材30を介して収装される玉軸受である。ケーシング4は有底筒状に形成されるため、第2軸受26の周辺の防水性に優れている。
第2軸受26は、第1軸受25より容量が小さくてよいため、第1軸受25より小径である。第2軸受26は、第1軸受25に支持される一端2aを支点としてウォーム軸2が傾動することに伴ってケーシング4に対して移動可能に支持される。
また、第2軸受26は、電動モータ9の駆動力によってウォーム1が回転しているときには、ケーシング4の内周4dに形成されるストッパ5(図2(b)参照)と当接する。このストッパ5については、後で詳細に説明する。
次に、主に図3を参照して、付勢部材30について説明する。
図2(a)に示すように、付勢部材30は、ケーシング4の底部4aに収装され、第2軸受26を介してウォーム軸2の他端2bを三方向に付勢しながらケーシング4に支持する。具体的には、付勢部材30は、ウォーム軸2とウォームホイール3との軸間方向と、ウォームホイール3との直交状態に対してウォーム軸2をねじる方向と、ウォーム軸2の軸方向とに第2軸受26を付勢する。
ウォーム1の停止時には、ウォームホイール3からの逆入力がなされた場合にウォーム1の歯とウォームホイール3の歯との間に歯打ち音(ラトル音)が発生するおそれがある。付勢部材30は、この歯打ち音を低減できる方向にウォーム軸2を付勢するものである。
付勢部材30は、略環状の板金部材を折り曲げて形成される。付勢部材30は、略円形に形成され第2軸受26と対峙する平坦部30aと、平坦部30aの略中央に形成される軸穴30bとを備える。
図2(a)に示すように、平坦部30aは、ケーシング4の底部4aと当接する。
軸穴30bは、回転するウォーム軸2に対応する位置に形成される。軸穴30bの内径は、ウォーム軸2の外径より大きく形成されるため、付勢部材30とウォーム軸2とは当接しない。
図3(a)に示すように、付勢部材30は、ウォーム軸2をウォームホイール3との軸間方向に付勢する第1付勢部としての爪31と、ウォームホイール3との直交状態に対してウォーム軸2をねじる方向に付勢する第2付勢部としての爪32と、ウォーム軸2を軸方向に付勢する第3付勢部としての爪33とを備える。
図3(b)に示すように、爪31は、平坦部30aから板金の一部をコの字状に折り曲げて突設された板ばねである。爪31の先端近傍には、第2軸受26と当接する突起部31aが形成される。
図2(b)に示すように、付勢部材30がケーシング4の底部4aに収装されると、爪31は、ケーシング4の底部内周に形成された凹部4bに嵌入される。爪31は、第2軸受26の外輪を介してウォーム軸2を付勢する。爪31は、ウォーム1とウォームホイール3との軸間距離を小さくする方向にウォーム軸2を付勢する。つまり、爪31は、ウォーム軸2をウォームホイール3に向けて付勢する。
ここで、ウォーム1の回転時には、ウォーム1からウォームホイール3に駆動力が伝達され、ウォーム1とウォームホイール3との間には、ウォーム1とウォームホイール3との噛合によるウォームホイール3の回転方向の分力と、各々の歯の進み角によるウォームホイール3の軸方向の分力と、各々の歯が山形に形成されることによるウォームホイール3の径方向の分力とが作用する。即ち、ウォーム1の回転時には、ウォームホイール3とウォーム1とを離間させる方向に駆動力の分力が作用する。
これに対して、爪31の付勢力は、ウォームホイール3の径方向にウォーム1を離間させる方向に作用する分力より小さく設定される。よって、爪31は、ウォーム1の停止時には、ウォーム1を付勢してウォームホイール3との軸間距離を小さくするが、ウォーム1の回転時には、ウォームホイール3からウォーム1に作用する力に押し負け、押しつぶされるようになっている。
また、ウォーム軸2は一端2aを支点として他端2bが傾動可能であるため、ウォーム1は、ウォームホイール3の径方向に移動可能である。ウォーム1がウォームホイール3の径方向に移動し、ウォームホイール3との軸間距離が大きくなると、ウォーム1の歯とウォームホイール3の歯との隙間が大きくなり、バックラッシが大きくなる。
ウォーム1の停止時には、爪31の付勢力によってウォーム1が付勢され、ウォーム1とウォームホイール3との軸間距離は小さくされる。よって、ウォーム1の歯とウォームホイール3の歯とのバックラッシは小さくなり、ウォームホイール3からウォーム1に逆入力があった場合にも、歯打ち音の発生が低減され、作動フリクションを安定させることができる。
一方、ウォーム1の回転時には、ウォームホイール3とウォーム1とを離間させる方向に作用する分力によって、ウォーム1がウォームホイール3から離間する方向に移動しようとする。よって、ウォーム1には、爪31の付勢力と反対方向の大きな力が作用し、爪31は押しつぶされる。爪31が押しつぶされた状態では、ストッパ5が第2軸受26を支持する。
図3(a)に示すように、爪32は、爪31と同様の形状に形成される板ばねである。
図2(b)に示すように、付勢部材30がケーシング4の底部4aに収装されると、爪32は、ケーシング4の底部内周に形成された凹部4cに嵌入される。爪32は、第2軸受26の外輪を介してウォーム軸2を付勢する。爪32は、爪31と直交する方向に設けられ、ウォームホイール3の歯に対するウォーム1の歯の進み角を大きくする方向、即ちウォームホイール3との直交状態に対してウォーム軸2をねじる方向に第2軸受26を付勢する。
ここで、進み角とは、ウォーム1とウォームホイール3との噛合部分の歯が斜めに形成される角度のことである。ウォーム1とウォームホイール3との歯の進み角が同一の状態からウォーム軸2がウォームホイール3に対してねじられると、ウォーム1の進み角が変化する。具体的には、ウォーム軸2が一方にねじられた場合、ウォーム1の歯の進み角がウォームホイール3の歯に対して小さくなり、他方にねじられた場合、ウォーム1の歯の進み角がウォームホイール3の歯に対して大きくなる。
ここで、ウォーム1の回転時には、ウォーム1の歯とウォームホイール3の歯との進み角により、ウォーム1をウォームホイール3の軸方向に移動させる方向に駆動力の分力が作用する。ウォーム軸2は、一端2aがケーシング4に固定されているため、この分力は、ウォーム軸2の一端2aを支点として他端2bが傾動する方向に作用する。即ち、ウォームホイール3の歯に対してウォーム1の歯の進み角を変化させる方向に作用する。
これに対して、爪32の付勢力は、ウォームホイール3の歯に対してウォーム1の歯の進み角を変化させる方向に作用する分力より小さく設定される。よって、爪31は、ウォーム1の停止時には、ウォーム1を付勢してウォームホイール3の歯に対するウォーム1の歯の進み角を大きくするが、ウォーム1の回転時に進み角を小さくする力がウォームホイール3からウォーム1に作用すると、その力に押し負けて押しつぶされるようになっている。
また、ウォームホイール3の歯に対するウォーム1の歯の進み角が大きくなっても小さくなってもバックラッシを小さくすることは可能であるが、ウォーム1の歯の進み角が小さくなると、ウォームホイール3の歯との間の噛み合いが不安定になって摩擦損失が大きくなるため、駆動力の伝達効率が低くなる。
ウォーム1の停止時には、爪32の付勢力によってウォーム1が付勢され、ウォームホイール3の歯に対するウォーム1の歯の進み角が大きくなる。よって、ウォーム1の歯とウォームホイール3の歯とのバックラッシは小さくなり、歯打ち音の発生を低減でき、作動フリクションを安定させることができる。また、ウォームホイール3の歯に対するウォーム1の歯の進み角が大きいため、ウォームホイール3の歯との間の噛み合いが安定して摩擦損失が小さくなり、高い効率で駆動力を伝達できる。
一方、ウォーム1の回転時には、伝達される力の分力によってウォーム1の歯の進み角が小さくなる方向にウォーム軸2が傾動しようとする。よって、ウォーム1には、爪32の付勢力と反対方向の大きな力が作用し、爪32は押しつぶされる。爪32が押しつぶされた状態では、ストッパ5が第2軸受26を支持する。
図3(a)及び(c)に示すように、爪33は、平坦部30aから第2軸受26に向けて山状に突設された板金の突起である。爪33は、周方向に等間隔で複数個(ここでは120度間隔で3個)形成される。爪33は、平坦部30aがケーシング4の底部4aに当接するため、第2軸受26を介してウォーム軸2の他端2bを、一端2aに向けて軸方向に付勢することができる。
ここで、ウォーム軸2は、固定された一端2aを支点として他端2bが傾動可能である。そのため、一端2aを支持する第1軸受25の外輪は、ケーシング4にプラグ27で固定されているが、内輪は外輪に対してがたつきを有する。また、他端2bを支持する第2軸受26の外輪は、固定されていない。この状態でウォームホイール3からウォーム1へ逆入力がされると、第1軸受25及び第2軸受26において、外輪と内輪とのがたつきに起因する音が発生するおそれがある。
これに対して、第2軸受26の外輪は、爪33の付勢力によって第1軸受25に向けて軸方向に付勢される。これにより、第1軸受25及び第2軸受26には、予圧が付与され、外輪と内輪とのがたつきが抑制される。よって、第1軸受25及び第2軸受26のがたつきに起因して発生する音を低減させることができる。
以上の爪31,爪32,及び爪33は、実際には第2軸受26を付勢しているが、第2軸受26及びウォーム軸2を介してウォーム1を付勢するものである。なお、爪31,爪32,及び爪33は、付勢部材30に一体に形成されるが、それぞれ別個の部材として形成してもよく、また爪31,爪32,及び爪33を形成するのではなく、ゴムや軟質系樹脂などの弾性体を貼り付けてもよい。また、平坦部30aが第2軸受26に当接し、爪33がケーシング4に当接するような向きで付勢部材30を配設してもよい。
次に、主に図2(b)を参照して、ストッパ5について説明する。
ストッパ5は、ケーシング4の内周4dの一部に、第2軸受26の外輪の外周に対応する形状に形成される円弧状の面である。ストッパ5は、ウォーム1の回転時に第2軸受26を介してウォーム軸2を支持する。ストッパ5は、第2軸受26の外輪と当接して、ウォーム軸2の他端2bの傾動を規制するものである。
ここで、上述したように、ウォーム1からウォームホイール3に駆動力が伝達されると、爪31及び爪32には、それらの付勢力を打ち消す方向の大きな力が作用する。電動モータ9から駆動力が出力されているときには、駆動力の分力に押し負けて、爪31及び爪32は押しつぶされる。
これに対して、ウォーム減速機10では、ストッパ5が設けられるため、爪31及び爪32が押しつぶされても、第2軸受26がストッパ5によってケーシング4に支持される。
なお、電動モータ9の回転が遅く駆動力が小さいうちは、爪31及び爪32の付勢力を打ち消すほどの大きな力が作用しないため、第2軸受26はストッパ5に当接しない。電動モータ9の回転がある程度速くなり駆動力が大きくなると、爪31及び爪32の付勢力を打ち消す大きな力が作用し、第2軸受26はストッパ5に当接して支持されることとなる。
ストッパ5は、第2軸受26を支持した状態で、ウォーム1の歯とウォームホイール3の歯との進み角が同一、即ちウォーム1とウォームホイール3との軸角が垂直になるか、若しくはウォーム1の歯の進み角がウォームホイール3の歯の進み角より若干大きくなるように設けられる。また、ストッパ5は、第2軸受26を支持した状態で、ウォーム1とウォームホイール3との軸間距離が適正になるように設けられる。第2軸受26がストッパ5に当接したとき、ウォーム軸2の中心軸と電動モータ9の出力軸9aの中心軸とは一直線上に位置する。
ここで、適正な軸間距離とは、ウォーム1とウォームホイール3との噛合状態が理想的(設計寸法どおり)になる状態である。具体的には、両者の軸間距離が、ウォーム1とウォームホイール3との各々の基準円の半径の和になる状態である。
したがって、電動モータ9の駆動力がウォーム1から入力されたときには、第2軸受26はストッパ5に当接し、ウォーム1とウォームホイール3との軸角及び軸間距離が最適になり、最適な軸角及び軸間距離で噛合するウォームホイール3に駆動力を伝達することができる。
以上の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
爪31によってウォーム軸2の他端2bをウォームホイール3の径方向に両者の軸間距離が小さくなる方向に付勢し、また、爪32によってウォームホイール3の歯に対するウォーム1の歯の進み角が大きくなるようにウォーム軸2の他端2bを付勢することで、各々の歯の間に発生するバックラッシを低減できる。よって、ウォーム1の歯とウォームホイール3の歯との歯打ち音を低減できる。
また、ウォーム1からウォームホイール3に駆動力が伝達され、爪31及び爪32の付勢力を打ち消す大きな力がウォーム1に作用した場合には、第2軸受26の外輪と当接してウォーム軸2の他端2bの傾動を規制可能なストッパ5が設けられているため、ウォーム1の歯とウォームホイール3の歯との進み角が同一になり、かつ軸間距離が適正になった状態でウォーム軸2の他端2bの傾動は規制される。よって、ウォーム1の回転時には、ウォーム1とウォームホイール3との噛み合いを最適にすることができる。
次に、図4を参照して、付勢部材40の変形例について説明する。なお、この変形例では、前述したものと同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
付勢部材40は、第3付勢機構がより簡易な形状である点、及び第2軸受26の外輪に係合する係合鍔48が形成される点で、付勢部材30と相違する。
付勢部材40は、他端2bを一端2aに向けて軸方向に付勢する第3付勢機構としての突起43を備える。突起43は、120度間隔で3個形成される。突起43は、平坦部30aから第2軸受26に向けて山状に突起して形成される。突起43は、平坦部30aがケーシング4の底部4aに当接するため、ケーシング4に対して第2軸受26を付勢することができる。なお、突起43を形成するのではなく、ゴムや軟質系樹脂などの弾性体を平坦部30aに貼り付けてもよい。
突起43が設けられることによって、第1軸受25及び第2軸受26には、予圧が付与され、外輪と内輪とのがたつきが抑制される。よって、第1軸受25及び第2軸受26のがたつきに起因して発生する音を低減させることができる。
係合鍔48は、付勢部材40を第2軸受26に係合させるものである。ケーシング4は有底筒状に形成されるため、付勢部材40は、第2軸受26と一体としてケーシング4内に挿入されるが、係合鍔48が形成されているため、挿入時に付勢部材40が第2軸受26から脱落することを防止できる。なお、この係合鍔48を、第1の実施の形態における付勢部材30に形成してもよい。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、電動パワーステアリング装置100は、ハンドル操作の入力と補助力の入力とが単一のピニオンからラックシャフトになされるワンピニオン式であるが、ハンドル操作の入力と操舵補助力の入力とがそれぞれ別々のピニオンから単一のラックシャフトになされるツーピニオン式、又は操舵入力軸11に補助力を入力するコラム式であってもよい。
本発明は、車両に搭載される電動パワーステアリング装置をはじめ、あらゆる機械におけるウォーム減速機に適用することができる。
100 電動パワーステアリング装置
1 ウォーム
2 ウォーム軸
3 ウォームホイール
4 ケーシング
5 ストッパ
9 電動モータ
10 ウォーム減速機
14 ラックシャフト
25 第1軸受
26 第2軸受
30 付勢部材
31 爪
32 爪
33 爪

Claims (8)

  1. ケーシング内に収装され、軸中心に回転するウォームと、
    前記ウォームと噛合し、前記ウォームから伝達される回転力によって回転するウォームホイールと、を備え、前記ウォームの回転を減速して前記ウォームホイールに伝達するウォーム減速機であって、
    前記ウォームの一端を、前記ケーシングに支持する第1軸受と、
    前記ウォームの他端を、前記一端を支点として傾動可能に支持する第2軸受と、
    前記第2軸受を介して前記ウォームの他端を付勢しながら前記ケーシングに支持する軸受支持機構と、
    前記ウォームの回転時に前記ウォームの他端の傾動を規制可能なストッパと、を備え、
    前記軸受支持機構は、
    前記ウォームの他端を前記ウォームホイールに向けて付勢する第1付勢部と、
    前記ウォームホイールの歯に対する前記ウォームの歯の進み角が大きくなるように前記他端を付勢する第2付勢部と、を備えることを特徴とするウォーム減速機。
  2. 前記ストッパは、前記ウォームの歯の進み角が前記ウォームホイールの歯の進み角と同一若しくは前記ウォームホイールの歯の進み角より大きくなり、かつ軸間距離が前記ウォームの基準円半径と前記ウォームホイールの基準円半径との和になるように前記他端の傾動を規制することを特徴とする請求項1に記載のウォーム減速機。
  3. 前記軸受支持機構は、前記ウォームの他端を前記一端に向けて軸方向に付勢する第3付勢部を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のウォーム減速機。
  4. 前記ケーシングは有底筒状に形成され、
    前記軸受支持機構は、環状に形成され、前記第2軸受と対峙して前記ケーシングの底部に収装される板金部材であり、
    前記第1付勢部及び前記第2付勢部は、前記板金部材の一部を折り曲げて形成された板ばねであることを特徴とする請求項3に記載のウォーム減速機。
  5. 前記第3付勢部は、前記板金部材の周方向に複数突設されることを特徴とする請求項4に記載のウォーム減速機。
  6. 前記ストッパは、前記第2軸受の外周形状に対応して前記ケーシングの内周に形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のウォーム減速機。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載のウォーム減速機を用いた電動パワーステアリング装置であって、
    前記ウォームを回転させる回転力を発生する電動モータと、
    前記電動モータの回転力が前記ウォーム減速機を介して伝達され、軸方向へ移動することによって車輪が操舵されるラックシャフトと、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 前記電動モータは、前記第2軸受が前記ストッパに支持された状態で、その出力軸が前記ウォームの回転軸と一直線上に位置するように配設されることを特徴とする請求項7に記載の電動パワーステアリング装置。
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