JP2011174517A - カラー部材の組付け構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構造体の軸受壁の軸受孔に回転軸20がジャーナル部a1で軸支され、円筒部25cの外周面に中心軸方向の一方に偏って拡径部25tが突出形成されたカラー部材25が回転軸20に嵌合されて組み込まれるカラー部材の組付け構造において、カラー部材25は円筒部25cの拡径部25tが偏った側の反拡径部側端面25iを軸受壁に向けて回転軸20に嵌入されて回転軸20の段差a2に当接して固定され、軸受孔端面11sに拡径部25tとの間で所定のクリアランス幅Cを存して突出部100が突出形成されるカラー部材の組付け構造。
【選択図】図6
Description
該駆動チェーンスプロケットは、クランク軸に嵌入する円筒部の外周に拡径部に相当するスプロケット歯が中心軸方向の一方に偏って形成されている。
このクランク軸の所定位置に固定された駆動チェーンスプロケットのスプロケット歯にチェーンが巻き掛けられる。
そのためには、駆動チェーンスプロケットをクランク軸に嵌入する際に、円筒部のスプロケット歯が偏った側の端部を先にしてクランク軸に嵌入する必要がある。
チェーンの巻き掛けは、クランク軸への駆動チェーンスプロケットの嵌入のほかその他の部材を組付けが全て終わった後に行われるので、駆動チェーンスプロケットが誤組されていることにチェーンを巻き掛けるときに気付くと、組付けを全て外して再度組付けなければならないので、大変な労力と時間を要することになる。
本実施の形態に係る内燃機関10は、同内燃機関10の後方に変速機40を一体に備えて自動二輪車にクランク軸20を車幅方向である左右方向に指向させて横置きに搭載される。
なお、本実施の形態において、前後左右は、車両を基準としたときの前後左右に一致するものとする。
クランクケース11の上に重ねられるシリンダブロック12,シリンダヘッド13,シリンダヘッドカバー14は、クランクケース11から若干前傾した姿勢で上方に延出している(図1,図2参照)。
したがって、左右クランクケース11L,11Rの互いに対向する軸受壁11Lw,11Rwの間のクランク室11Cにはクランクウエブ20Lw,20Lwおよびクランクピン21が収容され、左右軸受壁11Lw,11Rwの外側にクランク軸体20La,20Raが左右に突出している。
ピストン16のピストン頂部の裏面に突出された一対のピンボス間にピストンピン17が架設され、同ピストンピン17に小端部が軸支されクランク軸20のクランクピン21に大端部が軸支されたコンロッド18によりピストン16とクラン軸20が連接されてクランク機構が構成されている。
図2に示すように、シリンダヘッド13に一体に嵌着された弁ガイドにそれぞれ摺動可能に支持される吸気弁61および排気弁62は、内燃機関Eに備えられる動弁機構60により駆動されて、吸気ポート13iの吸気開口および排気ポート13eの排気開口を(クランク軸20の回転に同期して)開閉する。
カム軸65は、左軸端部に被動チェーンスプロケット68が嵌着されている(図3参照)。
テンションスリッパ69sは背後をテンショナリフタ69tにより押圧されている。
フライホイール30fを介してクランク軸20と一体に回転するアウタロータ30rの円筒部内周に設けられた磁石30rmの内側にインナステータ30sのコイル30scが巻回された固定子鉄心が相対している。
スタータ被動ギア27は、左クランク軸体20Laに針状のローラベアリング28を介して回転自在に軸支されており、前記フライホイール30fとの間に一方向クラッチ29が介装されている。
右クランクケース11Rの右側を覆う右ケースカバーは、右クランクケース11Rに右軸受壁11Rwを覆って当接される内側右ケースカバー52と同内側右ケースカバー52を部分的に覆う外側右ケースカバー53とからなり(図3参照)、右クランク軸体20Raのナット部材38より右方に突出した軸端部は、内側右ケースカバー52の円筒ボス部52aに挿入されている(図3,図4参照)。
出力スプロケット43に巻き掛けられる駆動チェーン44が、図示されない後輪側の被動スプロケットに架渡されてチェーン伝達機構が構成され後輪に動力が伝達される。
変速クラッチ46のクラッチアウタ46oは、メイン軸41に回転自在に軸支されたプライマリ被動ギア45に緩衝部材を介して支持されており、メイン軸41に一体に嵌合されたクラッチインナ46iとの間に複数のクラッチ板46cが介装され、圧縮部材46pの駆動により断接を行う。
したがって、クランク軸20の動力を変速クラッチ46の駆動により変速機40のメイン軸41に伝達したり遮断したりする。
バランサ47は、図4に示すように、クランクウエブ20Lw,20Lw間を旋回するバランスウエイト47wを有するバランサ軸48が左右軸受壁11Lw,11Rw間にベアリング48bを介して回転自在に架設されている。
噛合するバランサ駆動ギア35とバランサ被動ギヤ49は、同径同歯数のギアであり、バランスウエイト47wはクランク軸20と等速で逆方向に回転駆動されて、ピストン16の往復運動により発生する1次振動を低減する。
シフトドラム73の右軸受壁11Rwを貫通した右軸端にはピンプレート78が嵌着され、同ピンプレート78に突設されたピン78pにチェンジアーム76に取付けられたシフタプレート77の送り爪が作用する。
変速駆動機構74は、シフトスピンドル75の回動操作があると、チェンジアーム76を揺動し、シフタプレート77を介してピンプレート78をシフトドラム73とともに所定角度回動してシフトフォーク71a、72a,72bを移動し変速段を切り換える。
図2および図5に示すように、この変速駆動機構74は、メイン軸41の右端に取り付けられた変速クラッチ46の下方近傍に配設されている。
スタータモータ80は、左クランクケース11Lの上方に膨出した側壁に右方から駆動軸81を嵌入するようにして取り付けられており、駆動軸81が嵌入した側壁は左方から左ケースカバー50によって覆われる(図5参照)。
図3に示すように、オイルポンプ90は共通のポンプ駆動軸93により駆動されるスカベンジポンプ91とフィードポンプ92からなる。
したがって、クランク軸20の回転がプライマリ駆動ギア36とポンプ被動ギア97との噛合いを介してギア軸96およびポンプ駆動軸93に伝達されてスカベンジポンプ91およびフィードポンプ92が駆動される。
図6は、駆動チェーンスプロケット25やスタータ被動ギア27等の左クランク軸半体20Lのクランク軸体20Laへの組付構造を示す要部断面図であり、図7はその分解断面図である。
したがって、クランク軸体20Laに駆動チェーンスプロケット25、スタータ被動ギア27およびACGロータ30Rなどの回転体を組付けるのが容易にでき組付性が良い。
なお、クランク軸体20Laのテーパ部a6には、一部にキー溝v1が掘削されている。
左軸受壁11Lwの軸受孔端面11sに開口した軸受孔の内径を軸受孔内径Dcとする。
突出部100は、クランク軸20(クランク軸体20La)とは反対側の面が傾斜面100sをなして楔状に突出量Pで突出している(図6,図7参照)。
突出部100の突出量Pは、軸受孔端面11sから先端までの軸方向幅である。
そのため、図6に示すように、軸受孔端面11sの突出部100は、駆動チェーンスプロケット25のスプロケット歯25tに対向して突出しており、スプロケット歯25tとの間にクリアランス幅Cを存する。
クリアランス幅Cは、反拡径部側端面25iからスプロケット歯25tまでの軸方向幅Wiから突出部100の突出量Pを差し引いた長さに相当する。
したがって、駆動チェーンスプロケット25をクランク軸体20Laに嵌入して組付けたときに、スプロケット歯25tと突出部100との間のクリアランス幅Cを見れば、クリアランス幅Cがスプロケット歯25tにカムチェーン69を巻き掛ければカムチェーン69が突出部100に近接する程度の幅である所定のクリアランス幅であるか否かが容易に分かり、所定のクリアランス幅と明らかに異なるようであると組付け順序を間違えるなどして誤組されていると容易に判断できる。
ナット部材26は、図12および図13に示すように、駆動チェーンスプロケット25に接する端面側(右側)に最大外径の六角外周面を有する被操作部26aが形成され、反対の端面側(左側)に同被操作部26aから外径を縮径した外径Dnの突出円筒部26bが形成されており、被操作部26aと突出円筒部26bの双方の共通の内周面に雌ねじ26sが形成されている。
図6,図7および図14を参照して、スタータ被動ギア27は、円筒ボス部27bの駆動チェーンスプロケット25側(右側)の端面に沿って遠心方向に延出してギア部27gが形成されている。
円筒ボス部27bのギア部27g側のベアリング収容孔27dの開口端面は縁取りされて浅く凹んだ内径Dhの環状凹部27hが形成されている。
環状凹部27hの内径Dhは、ベアリング収容孔27dの内径Dgより大きいので、当然駆動チェーンスプロケット25の突出円筒部26bの外径Dnより大きい。
したがって、スタータ被動ギア27とナット部材26との間には環状の空隙が形成され、同空隙はベアリング収容孔27dに収容されたローラベアリング28と外部とを連通する。
フライホイール30fの円筒ボス部30fbの内周がテーパ内周面30tをなし、このフライホイール30fの円筒ボス部30fbがクランク軸体20Laのテーパ部a6にテーパ嵌合されてACGロータ30Rが支持される。
そして、図6に示すように、突出部100は、クランク軸体20La(クランク軸20)とは反対側の面(下面)が傾斜面100sをなして楔状に突出している。
このとき、カムチェーン69のリンクの幅Eはクリアランス幅Cより大きいので、カムチェーン69がスプロケット歯25tと突出部100との間に挟まれたりするようなことはなく、カムチェーン69は駆動チェーンスプロケット25に確実に巻き掛けられる。
そのため、次にカム軸65側にカムチェーン69を延ばして被動チェーンスプロケット68に巻き掛ける作業に速やかに入ることができ、組付け作業性が極めて良好である。
同上側突出部101は、上面が傾斜面101sをなして楔状に突出している。
したがって、左クランクケース11Lの軸受壁11Lwの左側面を伝わって流れたオイルが上側突出部101に至ると、上側突出部101の上面の傾斜面101sに案内されて流れ、先端から駆動チェーンスプロケット25のスプロケット歯25tに滴下してスプロケット歯25tとチェーンの噛み合いを効率良く潤滑することができ、摩耗を抑えることができる。
本内燃機関200は、SOHC型の単気筒4ストローク内燃機関であり、クランクケース211の上に重ねられるシリンダブロック212,シリンダヘッド213,シリンダヘッドカバー214は、クランクケース211から水平近くまで大きく前傾した姿勢で前方に延出している。
したがって、シリンダヘッド213に軸支されるカム軸230は、クランクケース211に軸支されるクランク軸220より若干高い位置にある。
駆動チェーンスプロケット221は、前記実施の形態における駆動チェーンスプロケット25と同様に、円筒部上にスプロケット歯が軸方向左側に偏って突出形成されている。
すなわち、前後の被動チェーンスプロケット231と駆動チェーンスプロケット221とに架け渡されたカムチェーン235の下側チェーン部分が駆動チェーンスプロケット221により引き込まれ、上側チェーン部分が駆動チェーンスプロケット221から送り出される方向に回動する。
また、の中間部にガイドホイール245が軸支されており、同ガイドホイール245は、上側チェーン部分と下側チェーン部分の双方に係合してカムチェーン235の揺れを防止している。
突出部250は、クランク軸220とは反対側の面が傾斜面250sをなして楔状に突出している。
駆動チェーンスプロケット221は、円筒部上にスプロケット歯が軸方向左側に偏って突出形成されているので、クランク軸220への嵌入する姿勢が間違っていると、突出部250にスプロケット歯に当たって組付けできず誤組であることが容易に分かる。
カム軸側突出部260は、上面が傾斜面260sをなして楔状に突出している。
カム軸側突出部260は、カムチェーン235の上側チェーン部分と下側チェーン部分の間にあって、カムチェーン235が駆動チェーンスプロケット221により引き込まれ直前の下側チェーン部分の上方に位置する。
20…クランク軸、20L,20R…クランク軸半体、20La,20Ra…クランク軸体、20Lw,20Rw…クランクウエブ、a1…ジャーナル部、a2…段差、a3…スプライン溝部、a4…雄ねじ部、a5…円柱部、a6…テーパ部、a7…段差、a8…雄ねじ部、a9…支持円柱部、21…クランクピン、22…軸受ブッシュ、23…メタルベアリング、25…駆動チェーンスプロケット、25c…円筒部、25t…スプロケット歯、26…ナット部材、27…スタータ被動ギア、28…ローラベアリング、29…一方向クラッチ、30…ACジェネレータ、30R…ACGロータ、30r…アウタロータ、30f…フライホイール、30s…インナステータ、31…ワッシャ、32…ナット部材、33…ローラベアリング、34…キー部材、35…バランサ駆動ギア、36…プライマリ駆動ギア、37…ワッシャ、38…ナット部材、
40…変速機、41…メイン軸、42…カウンタ軸、43…出力スプロケット、44…駆動チェーン、45…プライマリ被動ギア、46…変速クラッチ、47…バランサ、47w…バランスウエイト、48…バランサ軸、
50…左ケースカバー、52…内側右ケースカバー、53…外側右ケースカバー、
60…動弁機構、61…吸気弁、62…排気弁、65…カム軸、66e,66i…ロッカアームシャフト、67i…吸気ロッカアーム、67e…排気ロッカアーム、68…被動チェーンスプロケット、69…カムチェーン、
71,72…シフトフォーク軸、71a、72a,72b…シフトフォーク、73…シフトドラム、74…変速駆動機構、75…シフトスピンドル、76…チェンジアーム、77…シフタプレート、78…ピンプレート、
80…スタータモータ、81…駆動軸、81a…スタータ駆動ギア、82…減速ギア軸、83a…大径ギア、83b…小径ギア、
90…オイルポンプ、91…スカベンジポンプ、92…フィードポンプ、93…ポンプ駆動軸、94…、95…軸受蓋部材、96…ギア軸、97…ポンプ被動ギア、
100…突出部、100s…傾斜面、
200…内燃機関、211…クランクケース、211s…軸受端面、212…シリンダブロック、213…シリンダヘッド、214…シリンダヘッドカバー、
220…クランク軸、221…駆動チェーンスプロケット、230…カム軸、231…被動チェーンスプロケット、235…カムチェーン、240…チェーンリフタ、241…テンショナアーム、242…テンションスプロケット、245…ガイドホイール、
250…突出部、250s…傾斜面、260…カム軸側突出部、260s…傾斜面。
Claims (9)
- 構造体の軸受壁の軸受孔にベアリングを介して回転自在に回転軸がジャーナル部で軸支され、
円筒部の外周面に中心軸方向の一方に偏って拡径部が突出形成されたカラー部材が前記回転軸に嵌合されて組み込まれるカラー部材の組付け構造において、
前記カラー部材は前記円筒部の前記拡径部が偏った側の拡径部側端面とは反対の反拡径部側端面を前記軸受壁に向けて前記回転軸に嵌入されて前記反拡径部側端面が前記回転軸の段差に当接されて固定され、
前記軸受孔端面に前記拡径部との間で所定のクリアランス幅を存して突出部が突出形成されることを特徴とするカラー部材の組付け構造。 - 前記突出部の前記軸受孔端面からの突出量が、前記カラー部材の前記円筒部の前記拡径部側端面から前記拡径部までの軸方向幅より大きいことを特徴とする請求項2記載のカラー部材の組付け構造。
- 前記カラー部材は、前記拡径部がスプロケット歯をなす駆動チェーンスプロケットであり、
前記クリアランス幅は前記スプロケット歯に巻き掛けられたチェーンが前記突出部に近接する程度の幅であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のカラー部材の組付け構造。 - 前記回転軸は、駆動回転軸であり、
前記チェーンは、前記駆動回転軸と被動回転軸の間に架け渡され、
前記軸受孔端面に突出される前記突出部は、前記軸受孔の周りの環状の前記軸受孔端面のうち前記駆動回転軸に関して前記被動回転軸と反対側部位に突出形成され、
前記突出部は前記駆動回転軸とは反対側の面が傾斜面をなして楔状に突出していることを特徴とする請求項3記載のカラー部材の組付け構造。 - 前記構造体は内燃機関のクランクケースであり、
前記クランクケースの軸受壁に軸支される前記駆動回転軸はクランク軸であり、
前記被動回転軸は動弁系のカム軸であることを特徴とする請求項4記載のカラー部材の組付け構造。 - 前記ベアリングはメタルベアリングであり、
前記軸受孔の内径は前記駆動チェーンスプロケットのスプロケット歯の歯先円の直径より小さいことを特徴とする請求項5記載のカラー部材の組付け構造。 - 前記カム軸は前記クランク軸の上方に位置し、
前記軸受孔の周りの前記軸受孔端面には前記クランク軸に関してカム軸と反対側の下側となる前記突出部のほかに前記カム軸側となる上側に上側突出部が突出形成され、
前記上側突出部は上面が傾斜面をなして楔状に突出していることを特徴とする請求項5または請求項6記載のカラー部材の組付け構造。 - 前記カム軸は前記クランク軸と同じか若干高い位置に配置され、
前記軸受孔の周りの前記軸受孔端面には前記クランク軸に関してカム軸と反対側部位に突出形成される前記突出部のほかに前記カム軸側部位にカム軸側突出部が突出形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6記載のカラー部材の組付け構造。 - 前記クランク軸と前記カム軸との間に架け渡されるチェーンは、下側チェーン部分が前記駆動チェーンスプロケットにより引き込まれ、上側チェーン部分が前記駆動チェーンスプロケットから送り出される方向に回動することを特徴とする請求項8記載のカラー部材の組付け構造。
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