JP2011166986A - 同期電動機のベクトル制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転速度に関わらず所定の電機子電流の範囲内で最大の出力または最大のトルクを得るようにした同期電動機のベクトル制御装置を提供する。
【解決手段】界磁巻線形同期電動機の磁束及び電流をベクトルとして扱い、電力変換装置によって電機子電流及び界磁電流を制御する同期電動機のベクトル制御装置において、磁束演算器1A内に、ベクトル演算器32、回転速度の絶対値演算器33及び第1,第2の切換器34,35を設け、電動機の低速回転時には、空隙磁束ベクトルに平行な電機子電流成分の定常値をゼロに制御し、電動機の高速回転時には、電機子鎖交磁束ベクトルに平行な電機子電流成分の定常値をゼロに制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、界磁巻線形同期電動機の磁束及び電流をベクトルとして扱い、電力変換装置によって前記電動機の電機子電流及び界磁電流を制御するためのベクトル制御装置に関するものである。
電力変換装置によって駆動される界磁巻線形同期電動機の従来のベクトル制御装置としては、非特許文献1、特許文献1、特許文献2等に記載されたものが知られている。
図6は非特許文献1の第6章に図6.5,図6.6として記載されたブロック図及び説明に基づき、本発明に関係する磁束演算、磁束制御及び電流制御の部分を書き改めたブロック図である。また、図7は、この従来技術における同期電動機の磁束、電流及び電圧の関係を示すベクトル図の例である。
始めに、座標軸の定義及び符号について説明する。すなわち、界磁巻線形同期電動機の磁極方向をd軸(磁極軸)とし、このd軸と電気的に直交する方向をq軸とする。また、電機子巻線に鎖交する電機子線鎖交磁束ベクトルの方向をM軸とし、このM軸と電気的に直交する方向をT軸とする。
例えば、電機子電流のd軸、q軸の各成分は、d軸電流I、q軸電流Iとし、これらの電流を合成した電機子電流ベクトルをI→と表記する。
図6のブロック図では、電機子巻線に鎖交する電機子鎖交磁束がベクトルとして演算され、この電機子鎖交磁束ベクトルΦ→に平行な電機子電流成分(以下、磁化電流という)Iの定常値をゼロに制御することで、同期電動機の力率を1に制御することを特徴としている。また、図7のベクトル図では、磁化電流Iがゼロのとき、換言すれば電機子電流ベクトルI→が図示するようにT軸上に存在すれば、電機子電圧ベクトルV→と電機子電流ベクトルI→との方向が一致し、同期電動機の力率が1になることが示されている。これらの点は特許文献1、特許文献2でも同様であり、上記原理に基づいた制御が行われる。
次に、図6及び図7の内容について詳細に説明する。
まず、図6において破線により囲んだ磁束演算器1の構成及び機能について説明する。
座標変換器10には、磁化電流目標値I と、この磁化電流目標値I に直交してトルク発生に作用する電流成分(以下、トルク電流という)の目標値I が入力されており、座標変換器10は、数式1に従って、後述するベクトル演算器18から入力されている角度δ(図7参照)だけ各目標値I ,I を座標回転し、d軸電流,q軸電流の各目標値I ,I を出力する。
Figure 2011166986
d軸電流目標値I と界磁電流目標値I とは加減算器11により加算されて関数器12の入力信号となり、一方、q軸電流目標値I はそのまま関数器13の入力信号となる。関数器12,13にそれぞれ設定されているのは、同期電動機の等価回路とその定義に基づいた数式2、数式3に示す関数であり、関数器12,13の出力はそれぞれ固定子鉄心と回転子鉄心との間の空隙磁束のd,q軸成分Φgd,Φgqとなる。
なお、数式2、数式3において、Lad,Laqは電機子漏れインダクタンスのd軸,q軸成分、LDd,LDqは制動巻線漏れインダクタンスのd軸,q軸成分、RDd,RDqは制動巻線抵抗のd軸,q軸成分、sはラプラス演算子である。
Figure 2011166986
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前記d軸電流目標値I 及び界磁電流目標値I は、電機子漏れインダクタンスに相当するゲインLを有する増幅器14,15に入力され、これらの増幅器14,15の出力には、加減算器16,17において空隙磁束Φgd,Φgqがそれぞれ加算される。これにより、空隙磁束Φgd,Φgqに電機子漏れインダクタンスによる磁束が加算されて電機子鎖交磁束Φad,Φaqがそれぞれ演算される。これらの電機子鎖交磁束Φad,Φaqはベクトル演算器18に入力され、数式4により電機子鎖交磁束の大きさΦが、また、数式5により角度δが演算される。
Figure 2011166986
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磁束調節器20は、加減算器19により求めた電機子鎖交磁束の大きさの目標値Φ と演算値Φとの偏差を増幅して、磁化電流目標値Iμ を演算する。一方、前記角度δを余弦関数器21に入力して求めた関数cosδが除算器22に入力されており、この除算器22において磁化電流目標値Iμ をcosδにて除算することにより、界磁電流目標値I が演算される。この界磁電流目標値I は、前記加減算器11及び後述する加減算器23に入力されている。
磁化電流目標値I の演算手段は図示を省略してあるが、界磁電流Iがその目標値I に一致する定常時にI がゼロになるように制御系が構成されている。
一方、回転子位置θと前述の角度δとは加減算器25により加算されて角度φ(図7参照)が演算される。また、3相電機子電流を3相/2相変換して得たIα,Iβは、座標変換器26において、前記角度φに基づき磁化電流I及びトルク電流Iに変換される。
磁化電流目標値I と磁化電流Iとの偏差、及び、トルク電流目標値I とトルク電流Iとの偏差が加減算器27,28によりそれぞれ演算され、これらの偏差を電流調節器29によって増幅することにより、M軸電圧目標値V 及びT軸電圧目標値V が演算される。
これらの電圧目標値V ,V は、座標変換器30によりα,β軸上の電圧目標値Vα ,Vβ に変換され、更に2相/3相変換器31を介して3相電圧指令値V 〜V に変換される。これらの電圧指令値V 〜V に従い、図示されていないサイクロコンバータ等の電力変換装置の出力電圧が制御され、目標とする電機子電流が得られるようにフィードバック制御が実行される。
なお、界磁電流目標値I と界磁電流Iとの偏差が加減算器23により算出され、この偏差を電流調節器24により増幅することで界磁電圧指令値V が演算される。
特開平4−101691号公報(段落[0003],[0004]、図3,図4等) 特開平9−182499号公報(第2頁左上欄第4行〜第3頁左上欄第9行、図6,図7等)
中野孝良著、「交流モータのベクトル制御」、p.111〜p.126、第6章 同期モータのベクトル制御システム、日刊工業新聞社、1996年3月
前述した従来技術では、電力変換装置が出力可能な電圧・電流の範囲内で、あるいは同期電動機の許容入力電圧・電流の範囲内で同期電動機の出力を大きくしようとするものであり、そのために同期電動機の電機子巻線端子における力率を1に制御することを特徴としている。
しかしながら、このような方法では、運転条件によっては本来得られるはずの最大トルクが得られない場合がある。その理由を以下に説明する。
すなわち、電動機の磁気飽和現象は空隙磁束の大きさに依存した特性をもつので、空隙磁束を磁気飽和が許容できる限界に制御し、かつ空隙磁束ベクトルに平行な電機子電流成分をゼロに制御すること、換言すれば、空隙磁束による誘起電圧に対して力率を1に制御することが所定の電機子電流のもとで最大トルクを得る条件であるのに対し、従来技術ではこのような課題が解決されていない。
なお、誘起電圧に対する力率を1に制御すると、電機子巻線端子における力率を1に制御する従来の方法に比べて電機子電圧が上昇するが、例えば同期電動機の低速回転にはそもそも必要な電機子電圧が低下するので、低速時において電機子電圧が上昇することは特に問題にはならない。
そこで、本発明の解決課題は、回転速度に関わらず所定の電機子電流の範囲内で最大出力または最大トルクが得られるようにした同期電動機のベクトル制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、界磁巻線形同期電動機の磁束及び電流をベクトルとして扱い、電力変換装置によって電機子電流及び界磁電流を制御する同期電動機のベクトル制御装置において、
前記電動機の回転速度が所定値未満である低速時には、空隙磁束ベクトルに平行な電機子電流成分の定常値をゼロに制御し、
前記電動機の回転速度が所定値以上である高速時には、電機子鎖交磁束ベクトルに平行な電機子電流成分の定常値をゼロに制御するものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した同期電動機のベクトル制御装置において、
前記電動機の回転速度が所定値未満である低速時には、空隙磁束ベクトルの大きさが第1の目標値に一致するように空隙磁束を制御し、前記電動機の回転速度が所定値以上である高速時には、電機子鎖交磁束ベクトルの大きさが、前記第1の目標値よりも小さい第2の目標値に一致するように電機子鎖交磁束を制御するものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載した同期電動機のベクトル制御装置において、
前記回転速度が、低速から高速に、または高速から低速に移行する場合に、
磁束ベクトルの大きさの目標値を、前記第1の目標値から前記第2の目標値へ、または前記第2の目標値から前記第1の目標値へ連続的に変化させ、かつ、磁束ベクトルの大きさの演算値を、空隙磁束ベクトルの大きさの演算値から電機子鎖交磁束ベクトルの大きさの演算値へ、または、電機子鎖交磁束ベクトルの大きさの演算値から空隙磁束ベクトルの大きさの演算値へ連続的に変化させるものである。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載した同期電動機のベクトル制御装置において、前記回転速度に代えて、電動機の電機子電圧を用いるものである。この場合には、回転速度に比例する電機子電圧の大きさに応じて、空隙磁束ベクトルの大きさが第1の目標値に一致するように空隙磁束を制御し、または、電機子鎖交磁束ベクトルの大きさが前記第2の目標値に一致するように電機子鎖交磁束を制御すれば良い。
本発明によれば、同期電動機の高速回転時には電機子巻線端子における力率を1に制御することにより、電力変換装置または同期電動機が許容可能な電圧・電流の限度内で最大の出力を得ることができる。また、電機子電圧が低下する低速回転時には同期電動機の誘起電圧に対する力率を1に制御することにより、電力変換装置または同期電動機が許容可能な電流の限度内で最大のトルクを得ることができる。
これにより、同期電動機の回転速度に関わらず、電圧・電流の許容限度内で常に最大出力または最大トルクを得ることができる。
特に、請求項2に係る発明によれば、同期電動機の空隙磁束を磁気飽和が許容できる限界に制御できるので、低速回転時における出力可能な最大トルクが増加し、請求項3に係る発明によれば、磁束演算値を滑らかに切換えることにより、トルクの擾乱を発生させない効果がある。
更に、本発明には次のような利点もある。
一般に、電力変換装置の出力周波数が低下するほど、電力用半導体デバイスの熱責務が厳しくなるので、電力変換装置が出力可能な最大電流が小さくなる。同期電動機について言えば、回転速度が低下するほど電機子電流の許容値は小さくなる。本発明によれば、この問題による影響を少なくできるため、低速時においても十分な電機子電流を通流可能としてトルクの低下を防止することができる。
本発明の第1実施形態の主要部を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態における同期電動機の磁束、電流及び電圧の関係を示すベクトル図である。 本発明の第2実施形態の主要部を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態の主要部を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態の主要部を示すブロック図である。 非特許文献1に記載された従来技術に基づくブロック図である。 図6における同期電動機の磁束、電流及び電圧の関係を示すベクトル図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は本発明の第1実施形態における磁束演算器1Aの構成を示すブロック図、図2はこの実施形態の原理を説明するための同期電動機の磁束、電流及び電圧の関係を示すベクトル図である。これらの図において、図6、図7と同じ符号を付したものは同じ機能、同じ信号を示している。
図1の磁束演算器1Aは、図6に示した磁束演算器1に座標回転器32、絶対値演算器33及び第1,第2の切換器34,35を付加したものであり、以下では図6と異なる部分を中心に説明する。
座標回転器32は、関数器12,13から出力される空隙磁束Φgd,Φgqから、空隙磁束ベクトルの大きさΦ及び角度δを演算する。
第1の切換器34には、電機子鎖交磁束ベクトルの大きさΦ及び空隙磁束ベクトルの大きさΦが入力され、第2の切換器35には、電機子鎖交磁束ベクトルの角度δ及び空隙磁束ベクトルの角度δが入力されている。また、ωは同期電動機の回転速度であり、絶対値演算器33により演算された速度絶対値ωrABSが第1,第2の切換器34,35に入力されている。
第1の切換器34は、速度絶対値ωrABSに応じ、回転速度が所定値未満である低速時には空隙磁束ベクトルの大きさΦを信号Φとして出力し、回転速度が上記所定値以上である高速時には電機子鎖交磁束ベクトルの大きさΦを信号Φとして出力するように切換動作する。ここで、信号Φは、図6と同様に磁束調節器20の入力側にフィードバックされて磁化電流目標値Iμ の演算に用いられる。
また、第2の切換器35は、同じく速度絶対値ωrABSに応じ、低速時には空隙磁束ベクトルの角度δを信号δとして出力し、高速時には電機子鎖交磁束ベクトルの角度δを信号δとして出力するように切換動作する。なお、信号δは、以下に述べるように座標変換器10に入力されるほか、図6における余弦関数器21及び除算器22を介して界磁電流目標値I の演算に用いられる。
ここで、信号δは、座標変換器10の座標回転角度を設定する入力信号になるため、座標変換器10により座標変換されるIM0 は、信号δの演算方法、つまり第2の切換器35により角度δを選択するか角度δを選択するかに応じて、低速時には空隙磁束ベクトルΦ→に平行な磁化電流の目標値に対応し、高速時には従来の電機子鎖交磁束ベクトルΦ→に平行な磁化電流の目標値に対応する。
従って、IM0 の定常値(言い換えると、低速回転時において空隙磁束ベクトルΦ→に平行な電機子電流成分の定常値であり、高速回転時において電機子鎖交磁束ベクトルΦ→に平行な電機子電流成分の定常値)をゼロに制御することにより、電機子電流成分をトルク電流のみとし、低速時には誘起電圧ベクトルE→と電機子電流ベクトルI→とを同相にして誘起電圧に対する力率を1にすることができ、高速時には図7の従来技術と同様に電機子電圧ベクトルV→と電機子電流ベクトルI→とを同相にして電機子巻線端子における力率を1にすることができる。
なお、座標変換器10により座標変換されるIT0 については、低速時には空隙磁束ベクトルΦ→に直交するトルク電流の目標値に対応し、高速時には電機子鎖交磁束ベクトルΦ→に直交するトルク電流の目標値に対応することになる。
その他の部分については、図6の従来技術におけるΦ,δ,I ,I を、図1ではそれぞれΦ,δ,IM0 ,IT0 に置き換えてあり、電流制御系の基本的な構成及び動作は従来技術と同様であるため、説明を省略する。
図2は、空隙磁束ベクトルΦ→に平行な磁化電流をゼロに制御したときの同期電動機のベクトル図である。図示するように、誘起電圧ベクトルE→及び電機子電流ベクトルI→の方向が同一であるため、誘起電圧に対する力率が1になる。
次に、図3は本発明の第2実施形態の主要部を示すブロック図である。
この第2実施形態の特徴は、第1実施形態の磁束演算器1Aにおいて演算した速度絶対値ωrABSを用いて、第3の切換器36により磁束目標値をΦ0H またはΦ0L (Φ0H >Φ0L )に切り換えて出力することにある。切換器36以降の構成は、図6における加減算器19以降の構成と同一である。
切換器36における切換原理としては、速度絶対値ωrABSに応じて、低速時には大きな磁束目標値Φ0H を選択し、高速時には小さな磁束目標値Φ0L を選択することにより、信号Φ として出力する。次段の加減算器19では、上記信号Φ と磁束演算値Φとの偏差が演算され、磁束調節器20によって所望の磁束に制御されることとなる。
次に、この第2実施形態のように磁束目標値を切り換える理由を、図7のベクトル図を用いて説明する。
図7のベクトル図は、電機子巻線端子における力率が1の状態を示しており、空隙磁束ベクトルΦ→にゲインLによる磁束を加算すると電機子鎖交磁束ベクトルΦ→になり、電機子電流ベクトルI→と空隙磁束ベクトルΦ→とが直交しているので、電機子鎖交磁束ベクトルΦ→に対して空隙磁束ベクトルΦ→の方が大きいことが分かる。
前述したように、磁束演算器1Aにより、低速時には空隙磁束ベクトルの大きさΦが磁束演算値Φとしてフィードバック制御されるので、切換器36に大きな磁束目標値Φ0H を選択することにより、磁束目標値Φ を電機子鎖交磁束の目標値より高めて、最大トルクの限界を高めるように構成されている。その他の部分の構成及び動作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次いで、本発明の第3実施形態を説明する。この実施形態は、図1、図3における第1〜第3の切換器34,35,36に関するものであり、これらの構成及び動作は入力信号を除けば全て同一であるため、代表例として第1の切換器34について図4を参照しつつ説明する。
図4において、関数器37に設定されている関数は横軸に示す入力信号が速度絶対値ωrABS、縦軸に示す出力信号Gが0〜1の範囲で変化する折れ線特性をもつ非線形関数である。加減算器40は、1から信号Gを差し引く演算を行うため、その出力信号Aは低速時の0から高速時の1まで変化する。
第1の乗算器38は空隙磁束ベクトルの大きさΦと信号Gとを乗算し、第2の乗算器39は電機子鎖交磁束ベクトルの大きさΦと信号Aとを乗算すると共に、これらの乗算器38,39の出力は加減算器41により加算されて磁束演算値Φとなる。
上記構成により、磁束演算値Φは、信号G=1となる極く低速時にΦとなり、信号G=0となる極く高速時にΦとなると共に、信号Gが1〜0の間の値をとる中速領域では、ΦとΦとの間の中間的な値となる。本実施形態では、このように速度絶対値ωrABSに応じて滑らかに変化する磁束演算値Φを得るものである。
これにより、同期電動機の速度変化に伴って磁束演算値Φが滑らかに連続することになり、磁束演算の切換え時にトルク制御や速度制御の擾乱が生じるおそれがない。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。この実施形態は、第1〜第3実施形態における速度絶対値ωrABSに応じた磁束演算値Φの切換えに代えて、例えば電機子電圧の大きさによって磁束演算値Φを切り換えることを特徴とする。
図5は、この第4実施形態の主要部を示すブロック図であり、第3実施形態と同様に、磁束演算値Φを得るための第1の切換器44(図1、図4の第1の切換器34に相当)に適用した場合のものであるが、同様な構成によって第2,第3の切換器(図1の第2の切換器35、図3の第3の切換器36に相当)にも適用可能である。
図5において、M軸電圧目標値V 及びT軸電圧目標値V が絶対値演算器42に入力されており、この絶対値演算器42により演算された電機子電圧の目標値の大きさ(電機子電圧絶対値VaABS)が関数器43の入力信号となっている。なお、上記M軸電圧目標値V 及びT軸電圧目標値V は、例えば図6における電流調節器29の出力から取得される。
関数器43に設定される関数は、入力信号を除けば図4の第3実施形態における関数器37と同様であり、以降の構成及び動作も第3実施形態と同様である。
本実施形態によれば、電機子電圧絶対値VaABSに応じて滑らかに変化する磁束演算値Φを得ることができる。
なお、電機子電圧は回転速度と電機子鎖交磁束との積にほぼ比例するので、この積の信号によって磁束演算値Φを切換える動作を行っても良い。
図示されていないが、第3実施形態における速度絶対値ωrABSや第4実施形態における電機子電圧絶対値VaABSに代えて、電力変換装置の出力周波数によって磁束演算値Φを切換えることも可能である。
また、前述したように、これらの切換動作は、磁束演算値Φばかりでなく、角度δや磁束演算値目標値Φ の切換えにも適用することができる。
1,1A 磁束演算器
10,26,30 座標変換器
12,13,37,43 関数器
14,15 増幅器
18,32 ベクトル演算器
11,16,17,19,23,25,27,28,40,41 加減算器
20 磁束調節器
21 余弦関数器
22 除算器
24 界磁電流調節器
29 電流調節器
31 2相/3相変換器
33,42 絶対値演算器
34,35,36,44 切換器
38,39 乗算器

Claims (4)

  1. 界磁巻線形同期電動機の磁束及び電流をベクトルとして扱い、電力変換装置によって電機子電流及び界磁電流を制御する同期電動機のベクトル制御装置において、
    前記電動機の回転速度が所定値未満である低速時には、空隙磁束ベクトルに平行な電機子電流成分の定常値をゼロに制御し、
    前記電動機の回転速度が所定値以上である高速時には、電機子鎖交磁束ベクトルに平行な電機子電流成分の定常値をゼロに制御することを特徴とする同期電動機のベクトル制御装置。
  2. 請求項1に記載した同期電動機のベクトル制御装置において、
    前記電動機の回転速度が所定値未満である低速時には、空隙磁束ベクトルの大きさが第1の目標値に一致するように空隙磁束を制御し、
    前記電動機の回転速度が所定値以上である高速時には、電機子鎖交磁束ベクトルの大きさが、前記第1の目標値よりも小さい第2の目標値に一致するように電機子鎖交磁束を制御することを特徴とする同期電動機のベクトル制御装置。
  3. 請求項2に記載した同期電動機のベクトル制御装置において、
    前記回転速度が、低速から高速に、または高速から低速に移行する場合に、
    磁束ベクトルの大きさの目標値を、前記第1の目標値から前記第2の目標値へ、または前記第2の目標値から前記第1の目標値へ連続的に変化させ、かつ、
    磁束ベクトルの大きさの演算値を、空隙磁束ベクトルの大きさの演算値から電機子鎖交磁束ベクトルの大きさの演算値へ、または、電機子鎖交磁束ベクトルの大きさの演算値から空隙磁束ベクトルの大きさの演算値へ連続的に変化させることを特徴とする同期電動機のベクトル制御装置。
  4. 請求項1に記載した同期電動機のベクトル制御装置において、
    前記回転速度に代えて前記電動機の電機子電圧を用いることを特徴とする同期電動機のベクトル制御装置。
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