JP2004320847A - ステッピングモータ制御方法とステッピングモータ制御装置 - Google Patents

ステッピングモータ制御方法とステッピングモータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡単な構成で、且つ、小さな容量で所望の高速度制御ができるように工夫したステッピングモータ制御方法とステッピングモータ制御装置を提供する。
【解決手段】ステッピングモータの固有特性に応じた弱め界磁補償出力領域を予め設定しておき、トルク電流指令値Icから指令出力Id、Iqを算出し、上記指令出力が上記弱め界磁補償出力領域内の値であるか否かを判別して弱め界磁補償出力領域外であると判別した場合には通常通りの制御を行い、弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合には弱め界磁電流を算出して弱め界磁電流制御を実行させるようにしたもの。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えば、電動アクチュエータの駆動源としてその使用が検討されているステッピングモータを制御するステッピングモータ制御方法とステッピングモータ制御装置に係り、特に、簡単な構成で、且つ、小さな容量で所望のトルク・回転速度制御ができるように工夫したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電動アクチュエータの動力源として使用されている駆動モータは、多くの場合サーボモータである。しかしながら、近年、そのコストを低減させるためにステッピングモータを閉ループで使用することが提案されている。これは、まず、ステッピングモータ自体のコストがサーボモータに比べて廉価であり、又、ステッピングモータを使用する場合には、いわゆるU、V、W相信号に相当する出力を必要としないために、エンコーダのコストも低減されるからである。
【0003】
又、上記ステッピングモータの駆動方法には大きく分け「定電圧駆動方式」と「定電流駆動方式」の2種類が挙げられる。この内、「定電圧駆動方式」は回路構成が簡単で、安価に実現可能であるが、高速域においてトルク特性が得にくいという欠点がある。その為、一般的にその採用頻度は低くなっている。一方、「定電流駆動方式」は現在広く使用されている駆動方式で、高速領域のトルク特性に比較的優れ、電力も少なくできる特徴を持っている。
【0004】
しかし、「定電流駆動方式」を採用していても昨今のハイスピード化への要望はさらに厳しく、単にモータを高速回転させようとした場合、巻線インピーダンスの増加が伴い電流が減少するため所望の出力トルクが得られないことがあった。
【0005】
又、ステッピングモータは、パルス状の指令に追従しながらモータコイルへの電流通電を「ON」、「OFF」することで回転するため、その切換に伴う振動の発生及び脱調が問題となる。そこで、振動低減のためにPWM制御のインバータを用いて正弦波状に電流を滑らかに変化させる「マイクロステップ駆動」を採用することが一般的であり、更に脱調防止の為に回転角度を検出するエンコーダを搭載し脱調限界における適正な励磁条件を制御する方法が行われている。
【0006】
又、ステッピングモータをACサーボモータと同じモデルで扱えるものと捉えて、電流制御の構成として既にACサーボモータの分野では広く採用されているベクトル制御の概念を導入し、ステッピングモータにエンコーダを接続し、電流制御、速度制御、位置制御の各閉ループ制御系を構成し、マイクロステップ機能と脱調防止実現の具体的手法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、ACサーボモータの場合には極対数が1から5程度であるのに対してステッピングモータは極対数が50(100極)前後からそれ以上で構成されていることが大半である。このことはステッピングモータがACサーボモータに比べ10倍以上の電気角周波数を有することを意味する。このため、ステッピングモータをACサーボモータと同様の制御回路で単に構成すると、演算処理の高速化が要求され、高価なハードウェア構成になってしまうという問題があった。
又、回転速度に比例して強大な逆起電力が発生してしまい、トルク電流を制御することができない事態に陥ってしまうという問題もあった。
又、電流制御系の応答限界から速度上昇とともに電流制御系ゲインが低下し、トルク電流の制御誤差が大きくなるという課題もあった。
上記のACサーボモータと同様の制御回路とは、マイコンでソフトウェアサーボを構成することを指しております。
【0008】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、比較的簡単な構成で、且つ、小さな容量で所望のトルク・回転速度制御ができるように工夫したステッピングモータ制御方法とステッピングモータ制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるステッピングモータ制御方法は、 ステッピングモータの固有特性に応じた弱め界磁補償出力領域を予め設定しておき、 トルク電流指令値から指令出力を算出し、上記指令出力が上記弱め界磁補償領域内の値であるか否かを判別して弱め界磁補償出力領域外であると判別した場合には通常通りの制御を行い、弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合には弱め界磁電流を算出して弱め界磁電流制御を実行させるようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項2によるステッピングモータ制御方法は、請求項1記載のステッピングモータ制御方法において、弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合には、まず、弱め界磁電流を算出した後静止座標系電流に変換して所定の弱め界磁電流制御を実行させるようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項3によるステッピングモータ制御方法は、請求項1又は請求項2記載のステッピングモータ制御方法において、上記ステッピングモータの固有特性により決定される所定の設計出力(Pm)と指令出力(Pc)との間にPc>Pmの関係が成立する場合に上記弱め界磁補償領域内であるとすることを特徴とするものである。
又、請求項4によるステッピングモータ制御方法は、請求項1〜請求項3の何れかに記載のステッピングモータ制御方法において、ステッピングモータは電動アクチュエータの駆動源して使用されるものであることを特徴とするものである。
又、請求項5によるステッピングモータ制御装置は、ステッピングモータに対するトルク電流指令値から指令出力を算出する指令出力算出手段と、上記指令出力算出手段によって算出された指令出力がステッピングモータの固有特性に応じて予め設定された弱め界磁補償出力領域内に有るか否かを判別し、弱め界磁補償出力領域外であると判別した場合には通常通りの制御を行い、弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合には弱め界磁電流を算出して弱め界磁電流制御を実行させる制御手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項6によるステッピングモータ制御装置は、請求項5記載のステッピングモータ制御装置において、上記制御手段は、指令出力がステッピングモータの固有特性に応じて予め設定された弱め界磁補償出力領域内に有るか否かを判別する判別手段と、 該判別手段による判別の結果弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合に弱め界磁電流を算出する弱め界磁電流算出手段と、上記弱め界磁電流算出手段によって算出された弱め界磁電流を静止座標系電流に変換する静止座標系変換手段と、から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項7によるステッピングモータ制御装置は、請求項5又は請求項6記載のステッピングモータ制御装置において、上記制御手段はステッピングモータの固有特性により決定される所定の設計出力(Pm)と指令出力(Pc)との間にPc>Pmの関係が成立する場合に上記弱め界磁補償領域内であると判別することを特徴とするものである。
又、請求項8によるステッピングモータ制御装置は、請求項5〜請求項7の何れかに記載のステッピングモータ制御装置において、ステッピングモータは電動アクチュエータの駆動源して使用されるものであることを特徴とするものである。
【0010】
すなわち、本願発明によるステッピングモータ制御方法は、ステッピングモータの固有特性に応じた弱め界磁補償出力領域を予め設定しておき、トルク電流指令値から指令出力を算出し、上記指令出力が上記弱め界磁補償領域内の値であるか否かを判別し、弱め界磁補償出力領域外であると判別した場合には通常通りの制御を行い、弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合には弱め界磁電流を算出して弱め界磁電流制御を実行させるようにしたものであり、つまり、ステッピングモータ固有の特性より決定される弱め界磁補償出力領域の内側か外側かを判別して、内側である場合には、所定の弱め界磁電流制御を実行するものである。つまり、ステッピングモータの場合は、前述したように、回転速度に比例して強大な逆起電力が発生してしまい、該逆起電力が原因して所望のトルク・回転速度御ができないという事情があった。そこで、この逆起電力による作用を緩和させるために弱め界磁電流を流し、それによって、所望のトルク・回転速度制御を可能にしようとするものである。
その際、弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合には、まず、弱め界磁電流を算出し、次いで、静止座標系電流に変換して所定の弱め界磁電流制御を実行させるようにすることが考えられる。
又、上記ステッピングモータの固有特性により決定される所定の設計出力(Pm)と指令出力(Pc)との間にPc>Pmの関係が成立する場合に上記弱め界磁補償領域内であると判別することが考えられる。
又、ステッピングモータの用途についてこれを特に限定するものではないが、例えば、電動アクチュエータの駆動源として使用される場合が想定される。
又、請求項5〜請求項8は本願発明を装置としてクレームしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図4を参照して本発明の一実施の形態を説明する。まず、図1を参照して本発明によるステッピングモータ制御方法を採用した一軸タイプの電動アクチュエータの概略の構成を説明する。まず、ハウジング1があり、該ハウジング1にはモーターカバ3が連結されている。上記モーターカバ3内にはステッピングモータ5が収容・配置されている。
【0012】
上記ステッピングモータ5の回転軸5aには、ジョイント部材7を介してボールネジ9が連結されている。上記ボールネジ9にはボールナット11が螺合していて、このボールナット11には中空ロッド13が固着されている。また、上記中空ロッド13の先端にはロッド15が連結されている。又、上記ジョイント部材7は軸受部材8、10によって回転可能に支持されている。
【0013】
そして、上記ステッピングモータ5が回転・駆動されることによりボールネジ9が回転し、このボールネジ9の回転によってその回転を規制されているボールナット11が軸方向に移動する。このボールナット11の移動によって、中空ロッド13ひいてはロッド15が軸方向に移動することになる。
【0014】
上記構成をなす電動アクチュエータには磁気式エンコーダ21が取り付けられている。この磁気式エンコーダ21は、円板型マグネットの外周面又はスラスト方向面に多極着磁が施されていると共に、該多極着磁部に対して微細なギャップを介して磁気抵抗素子等の磁気検出素子が対向・配置されている。そして、上記マグネットが回転することにより微細磁束の変化を磁気検出素子によって検出して多パルス信号として出力するものである。
尚、エンコーダとしては磁気式エンコーダ以外にも光学式エンコーダの使用も考えられる。
【0015】
又、上記ステッピングモータ5は、制御手段23によって制御されるように構成されている。すなわち、制御手段23は、上記磁気式エンコーダ21からの検出信号及び別途入力される指令信号に基づいて、ステッピングモータ5を制御するものである。
【0016】
次に、上記制御手段23の構成を図2を参照して説明する。まず、第1減算器25があり、この第1減算器25には位置指令情報を意味する角度指令信号(θc)が入力されると共に、磁気式エンコーダ23より実際の位置情報を意味する角度検出信号(θ)が入力される。第1減算器25はこれら角度指令信号(θc)と角度検出信号(θ)とを減算してその差(目標値に対する差)を算出する。第1減算器25によって算出された差は位置制御器27に入力される。
【0017】
上記位置制御器27は、第1減算器25より入力した差信号に基づいて、指令回転速度(ωc)を算出する。位置制御器27によって算出された指令回転速度(ωc)は第2減算器29に入力される。上記第2減算器29は、入力した指令回転速度(ωc)と、エンコーダ23より入力される回転速度検出信号(ω)を減算してその差を算出する。この第2減算器29によって算出された差は速度制御器31に入力される。
【0018】
上記速度制御器31は、第2減算器29より入力した差信号に基づいて、トルク電流指令値(Ic)を算出し、そのトルク電流指令値(Ic)を弱め界磁補償器33に入力する。上記弱め界磁補償器33は、入力したトルク電流指令値(Ic)に基づいて、弱め界磁電流制御の必要性の有無を判別し、夫々の場合に応じた回転座標系の電流値信号(Iq)、(Id)を座標変換器35に出力する。
【0019】
上記座標変換器35は、弱め界磁補償器33より出力した回転座標系の電流値信号(Iq)、(Id)に基づいて、静止座標系に対応した電流値信号(α)、(β)を算出する。そして、算出した電流値信号(α)、(β)を電流制御器37、39に出力する。電流制御器37、39は、入力した電流値信号α、βに基づいて、PWMインバータ41に制御信号を出力する。そして、PWMインバータ41によってステッピングモータ5が制御されることになる。
尚、図2中符号43、45は電流検出器である。
【0020】
ここで、上記弱め界磁電流による弱め界磁電流制御について説明する。図3(a)は、横軸にトルク(τ)をとり、縦軸に回転速度(ω)をとり、両者の関係を示した特性図である。図中一点鎖線で示す特性図aは、本実施の形態による弱め界磁電流制御を実施しない場合の一例を示す特性図であり、具体的には、2相(A相、B相)モータを定格電流通電によってフルステップ駆動した場合の特性を示すものである。
因みに、フルステップ駆動とは、回転子の位置情報が得られない状態で、2相(A相、B相)のモータコイルに定格電流を通電し、位置指令パルスにしたがって通電電流の向きを交番させることにより、ステッピングモータを回転させる駆動法である。
そして、特性図aに示すように、この種のフルステップ駆動の場合には、トルク(τ)及び回転速度(ω)に限界があり、特に、回転速度(ω)に対する限界は顕著である。
そして、このような現象は、前述したように、回転速度に比例して発生する強大な逆起電力が大きく原因しているものと考えられる。
【0021】
これを改善するために上記弱め界磁電流制御を実行するものである。以下詳細に説明する。まず、弱め界磁補償出力領域を設定しておく。この弱め界磁補償出力領域とは、図3(a)において実線で示した反比例曲線(線図c)の図中右側の領域である{図3(a)中右上がり斜線で示す}。
尚、上記線図cは機械出力が一定となる線図である。
そして、指令された出力値がこの弱め界磁補償出力領域内であれば、弱め界磁電流制御を実行することになり、一方、指令された出力値がこの弱め界磁補償出力領域外{図3(a)中線図cの左側の白抜の部分}であれば、弱め界磁電流制御を施す必要はなく、ステッピングモータ5が元々備えている特性に沿って駆動させることにより、必要な制御は可能である。これに対して、弱め界磁補償出力領域内{図3(a)中右上がり斜線で示す部分}である場合には、ステッピングモータ5が元々備えている特性によっては駆動不可能であり、そこで、その範囲については弱め界磁電流制御を実行するものである。
【0022】
ここで、上記界磁補償領域内であるか否かを判別する手法を説明する。まず、上記弱め界磁補償出力領域を規定する値は次のようにして算出される。すなわち、弱め界磁補償出力領域を規定する設計出力(Pm)は次の式(I)によって算出される。
Pm=ωs×Kt×I―――(I)
但し、
ωs:境界回転速度(rad/sec)
Kt:トルク定数(Nm/A)
I :定格電流(A)
上記ωs:境界回転速度(rad/sec)、Kt :トルク定数(Nm/A)、I定格電流(A)は、ステッピングモータ5が備えている固有の値であり、つまり、上記弱め界磁補償出力領域を規定する設計出力(Pm)は、ステッピングモータ5の夫々が固有に備えている値によって決定されるものである。
【0023】
一方、このような上記弱め界磁補償出力領域を規定する設計出力(Pm)と比較されるのが実際の指令に基づいて算出される指令出力(Pc)である。この指令出力(Pc)は次の式(II)によって算出される。
Pc=ω×Kt×Ic―――(II)
但し、
ω :回転速度(rad/sec)
Kt:トルク定数(Nm/A)
Ic:指令電流値(A)
【0024】
そして、指令出力(Pc)と設計出力(Pm)とを対比して、Pm<Pcとなるとき、すなわち、図3(a)において線図cの右側の領域にあるときに弱め界磁電流制御を実行することになる。つまり、回転座標系のd軸電流(Id)及びq軸電流(Iq)を次の式(III)乃至(V)に基づいて算出するものである。
θ=cos−1(Pm/Pc)―――(III)
Iq=Ic×cosθ―――(IV)
Id=Ic×sinθ―――(V)
【0025】
ここで、理解を容易にするために、具体例を挙げて説明する。例えば、図3(a)に示すb点の指令出力(Pc)が出た場合を想定する。この場合には、線図cの図中右側の領域、すなわち、弱め界磁補償出力領域の内側であるから、弱め界磁電流制御が必要になる。そして、そのときのトルク電流指令値(Ic)は、図3(a)の下部の図に示すようなものとなり、そのときの、d軸電流(Id)及びq軸電流(Iq)も図示するような値となる。この場合d軸電流(Id)がいわゆる「弱め界磁電流」であり、図示するように、(−)方向に発生していて、回転速度に比例して発生する逆起電力による作用を打ち消すような方向に作用するものである。
そして、それらを静止座標系(α−β)に座標変換すると、図3(b)に示すようなものとなる。
又、このような弱め界磁電流制御を実行することにより、所望のトルク・回転速度制御が可能になる。
【0026】
以上の構成を基に図4のフローチャートを参照しながらその作用を説明する。まず、第1減算器25において、位置指令情報を意味する角度指令信号(θc)と実際の位置情報を意味する角度検出信号(θ)が入力され、それら角度指令信号(θc)と角度検出信号(θ)との減算が実行されてその差が算出される(ステップS1)。次いで、第1減算器25によって算出された差は位置制御器27に入力され指令回転速度(ωc)が算出される(ステップS2)。
【0027】
次に、位置制御器27によって算出された指令回転速度(ωc)は第2減算器29に入力される。上記第2減算器29は、入力した指令回転速度(ωc)と、エンコーダ23より入力される回転速度検出信号(ω)を減算してその差を算出する(ステップS3)。この第2減算器29によって算出された差は速度制御器31に入力され、上記速度制御器31は、、第2減算器29より入力した差信号に基づいて、トルク電流指令値(Ic)を算出する(ステップS4)。そして、そのトルク電流指令値(Ic)とエンコーダ23からの回転速度(ω)を弱め界磁補償器33に入力する(ステップS5)。
【0028】
上記弱め界磁補償器33は、入力したトルク電流指令値(Ic)とエンコーダ23から入力した回転速度(ω)とに基づいて、指令出力量(Pc)を算出する(ステップS6)。次に、算出された指令出力量(Pc)と予め設定されている設計出力(Pm)とを対比して、弱め界磁電流制御の必要性の有無を判別する(ステップS7)。そして、弱め界磁電流制御が必要であると判別された場合には、ステップS8に移行して、回転座標系の弱め界磁電流(Iq)、(Id)を算出する。次いで、ステップS9に移行して、回転直交座標系の電流として出力する。次いで、ステップS10に移行して、座標変換器35によって静止座標系に座標変換して、電流制御器37、39に出力し、PMWインバータ41を介して所望の弱め界磁電流制御を実行するものである。
又、弱め界磁電流制御の必要なしと判別された場合は、ステップS11、ステップS9、ステップS10に順次移行して、特に、弱め界磁電流を算出することなく通常の制御を実行する。
【0029】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
すなわち、回転速度に比例して発生する逆起電力の影響を緩和して、所望のトルク・回転速度制御を実行することが可能になった。これは、ステッピングモータ5固有の特性により決定される弱め界磁補償領域を予め設定して、該弱め界磁補償領域の内側に指令出力がある場合に、所定の弱め界磁電流制御を実行するようにしたからである。それによって、例えば、図3(a)中の線図aに示すような場合に比べると、より大トルク、高速度制御が可能になり、特に、高速化に関しては顕著な効果を得ることができる。
又、このような制御を実行するために、複雑な制御装置を要することはなく、簡単な構成によって所望の制御を実行することができる。
そして、このような制御を採用することにより、ステッピングモータの電動アクチュエータへの適用も促進され、電動アクチュエータの構成の簡略化、コストの低減を図ることが可能になる。
【0030】
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
前記一実施の形態では、ステッピングモータを電動アクチュエータの駆動源として使用する場合を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、様々な用途が想定される。
又、前記一実施の形態の場合にはエンコーダとして磁気式エンコーダを例に挙げて説明したが、光学式エンコーダの使用も考えられる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によるステッピングモータ制御方法とステッピングモータ制御装置によると、回転速度に比例して発生する逆起電力の影響を緩和して、所望のトルク・回転速度制御を実行することが可能になった。特に、高速化に関しては顕著な効果を得ることができるものである。これは、ステッピングモータ固有の特性により決定される弱め界磁補償出力領域を設定して、該弱め界磁補償出力領域の内側に指令出力がある場合に、所定の弱め界磁電流制御を実行するようにしたからである。
又、このような制御を実行するために、複雑な制御装置を要することはなく、簡単な構成によって所望の制御を実行することができる。
そして、このような制御を採用することにより、ステッピングモータの電動アクチュエータへの適用も促進され、電動アクチュエータの構成の簡略化、コストの低減を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図で、電動アクチュエータの全体の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す図で、制御手段の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す図で、図3(a)は弱め界磁補償領域を説明するための特性図であり、図3(b)は座標変換を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施の形態を示す図で、作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
5 ステッピングモータ
21 磁気式エンコーダ
23 制御装置
33 弱め界磁補償器
35 座標変換器

Claims (8)

  1. ステッピングモータの固有特性に応じた弱め界磁補償出力領域を予め設定しておき、
    トルク電流指令値から指令出力を算出し、
    上記指令出力が上記弱め界磁補償出力領域内の値であるか否かを判別して弱め界磁補償出力領域外であると判別した場合には通常通りの制御を行い、
    弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合には弱め界磁電流を算出して弱め界磁電流制御を実行させるようにしたことを特徴とするステッピングモータ制御方法。
  2. 請求項1記載のステッピングモータ制御方法において、
    弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合には、
    まず、弱め界磁電流を算出した後静止座標系電流に変換して所定の弱め界磁電流制御を実行させるようにしたことを特徴とするステッピングモータ制御方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載のステッピングモータ制御方法において、
    上記ステッピングモータの固有特性により決定される所定の設計出力(Pm)と指令出力(Pc)との間にPc>Pmの関係が成立する場合に上記弱め界磁補償出力領域内であると判別することを特徴とするステッピングモータ制御方法。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載のステッピングモータ制御方法において、
    ステッピングモータは電動アクチュエータの駆動源として使用されるものであることを特徴とするステッピングモータ制御方法。
  5. ステッピングモータに対するトルク電流指令値から指令出力を算出する指令出力算出手段と、
    上記指令出力算出手段によって算出された指令出力がステッピングモータの固有特性に応じて予め設定された弱め界磁補償出力領域内に有るか否かを判別し、弱め界磁補償出力領域外であると判別した場合には通常通りの制御を行い、弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合には弱め界磁電流を算出して弱め界磁電流制御を実行させる制御手段と、
    を具備したことを特徴とするステッピングモータ制御装置。
  6. 請求項5記載のステッピングモータ制御装置において、
    上記制御手段は、
    指令出力がステッピングモータの固有特性に応じて予め設定された弱め界磁補償出力領域内に有るか否かを判別する判別手段と、
    該判別手段による判別の結果弱め界磁補償出力領域内であると判別した場合に弱め界磁電流を算出する弱め界磁電流算出手段と、
    上記弱め界磁電流算出手段によって算出された弱め界磁電流を静止座標系電流に変換する静止座標系変換手段と、
    から構成されていることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
  7. 請求項5又は請求項6記載のステッピングモータ制御装置において、
    上記制御手段はステッピングモータの固有特性により決定される所定の設計出力(Pm)と指令出力(Pc)との間にPc>Pmの関係が成立する場合に上記弱め界磁補償領域内であると判別することを特徴とするステッピングモータ制御装置。
  8. 請求項5〜請求項7の何れかに記載のステッピングモータ制御装置において、
    ステッピングモータは電動アクチュエータの駆動源として使用されるものであることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
JP2003108502A 2003-04-14 2003-04-14 ステッピングモータ制御方法とステッピングモータ制御装置 Expired - Fee Related JP4205473B2 (ja)

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