JP4749941B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents

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本発明は、永久磁石界磁型の回転電動機の界磁制御を、回転軸の周囲に配置された二つのロータ間の位相差を変更することによって行う電動機の制御装置に関する。
従来より、永久磁石界磁型の回転電動機の回転軸の周囲に同心円状に設けた第1ロータ及び第2ロータを備え、回転速度の応じて第1ロータと第2ロータの位相差を変更することで、界磁弱め制御を行うようにした電動機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかる従来の電動機においては、第1ロータと第2ロータが、遠心力の作用により径方向に沿って変位する部材を介して接続されている。また、電動機が停止状態にあるときに、第1ロータに配置された永久磁石の磁極と第2ロータに配置された永久磁極の磁極の向きが同一となって界磁の磁束が最大となり、電動機の回転速度が高くなるに従って遠心力により第1ロータと第2ロータの位相差が拡大して、界磁の磁束が減少するように構成されている。
ここで、図12は縦軸を出力トルクTrとし横軸を回転数Nとして、電動機の界磁弱めが必要となる領域を示したものであり、図中uは電動機の直交ライン(界磁弱め制御を行わずに電動機を作動させたときに、回転数と出力トルクの組合わせにより電動機の相電圧が電源電圧と等しくなる点を結んだもの)である。図中Xは界磁弱めが不要な領域であり、Yは界磁弱めが必要な領域である。
図12に示したように、界磁弱めが必要となる領域Yは電動機の回転数Nと出力トルクTrにより決定されるため、従来の回転数のみによる界磁弱め制御では、界磁弱めの制御量が過大又は過小となるという不都合がある。また、電動機の回転数に依らずに、電動機の効率や運転状態の変化に対応したより柔軟な制御を行うことができないという不都合がある。
特開2002−204541号公報
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、電動機の回転数に依らずに、電動機の効率と運転状態の変化に対応した制御を行うことができる電動機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、永久磁石による界磁を複数個有する第1ロータ及び第2ロータを、回転軸の周囲に配置した永久磁石界磁型の回転電動機の作動を、該第1ロータと該第2ロータとの位相差であるロータ位相差を変更して該電動機の誘起電圧定数を変更する界磁制御を行って制御する電動機の制御装置に関する。
そして、所定の目標トルクと前記電動機の誘起電圧定数とに応じて、前記電動機の出力トルクが該目標トルクとなるように、前記電動機の電機子への通電量を制御する通電制御を実行する通電制御手段と、前記通電制御を実行する際の前記電動機の効率を推定する効率推定手段と、前記通電制御を実行する際に、前記効率推定手段により推定される前記電動機の効率が第1の制限効率よりも高くなる範囲内で、前記電動機の誘起電圧定数が小さくなるように前記ロータ位相差を変更する誘起電圧減少制御を行うロータ位相差制御手段とを備える
上記構成によれば、前記ロータ位相差制御手段は、前記通電制御手段により前記通電制御が実行される際に、前記電動機の効率が前記第1の基準効率よりも高くなる範囲内で、前記電動機の誘起電圧定数が小さくなるように前記ロータ位相差を変更する。このように、前記電動機の誘起電圧定数を小さくすることで、前記電動機の回転数が増加するほど高くなる電機子に生じる誘起電圧を低下させることができる。そのため、前記電動機の運転状況の変化や前記電動機の駆動回路の故障等により前記電動機の回転数が急増したときに、前記電動機の電機子に生じる誘起電圧の上昇を抑えて、前記電動機の電機子の端子間電圧が電源電圧を超えて前記電動機の制御が不能となることや駆動回路の破損が生じることを防止することができる。これにより、前記電動機の効率を前記第1の制限効率以上に維持した上で、前記電動機の運転状況の変化に対応し得る制御を行うことができる。
また、後述する本発明の第1の態様及び第2の態様において、前記電動機の回転数を検出する回転数検出手段を備え、前記効率推定手段は、前記目標トルクと、前記電動機の回転数と、前記電動機の駆動回路の電源電圧とに基づいて、前記通電制御を実行する際の前記電動機の効率を推定することを特徴とする。
かかる本発明において、前記電動機の出力トルクは、前記電動機に対する通電量と前記電動機の誘起電圧定数に比例する。そのため、前記電動機の誘起電圧定数が大きいほど前記電動機の効率は高くなる。また、前記電動機の回転数が高くなるほど前記電動機の電機子に生じる誘起電圧が上昇する。この場合、前記電動機の通電量を確保するために前記電動機に供給する電圧を高める必要があるが、これにより前記電動機の効率が低下する。このように、前記電動機の効率は、前記電動機の出力トルクと誘起電圧定数と回転数に依存するため、前記効率推定手段は、前記電動機の回転数と前記電動機の誘起電圧定数と前記目標トルクとに基いて、前記通電制御を実行する際の前記電動機の効率を推定することができる。
本発明の第1の態様は、前記電動機の温度を検知する温度検知手段を備え、前記ロータ位相差制御手段は、前記電動機の温度に応じて、前記誘起電圧減少制御と、前記電動機の効率が前記第1の制限効率よりも高い第2の制限効率以上となるように前記ロータ位相差を変更する効率向上制御とを切替えることを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記電動機の温度が低いほど、発熱により前記電動機の温度が前記電動機の動作補償温度範囲を超えるまでの余裕度が大きくなる。そのため、この場合は、効率低下による発熱の増加をある程度許容して、前記誘起電圧減少制御により前記電動機の誘起電圧定数を小さくすることによって、前記電動機の回転数が急増したときに前記電動機の制御が不能となることを抑制することができる。
一方、前記電動機の温度が高くなると、発熱により前記電動機の温度が前記電動機の動作保証温度範囲を超えるまでの余裕度が小さくなる。そのため、この場合には、前記効率向上制御により、前記電動機の効率を第1の制限効率よりも高い前記第2の制限効率以上とすることによって、前記電動機の発熱を減少させて温度上昇による前記電動機の性能低下を抑制することができる。
また、前記ロータ位相差を検出するロータ位相差検出手段を備え、前記通電制御手段は、前記ロータ位相差制御手段により前記ロータ位相差を変更するときに、前記ロータ位相差の目標値と前記ロータ位相差検出手段による前記ロータ位相差の検出値との差が減少するように、前記電動機の電子機の端子間電圧を減少させるための界磁弱め電流の通電量を制御することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記ロータ位相差を変更する際の応答遅れにより生じ得る、前記電機子の界磁弱めの過不足を減少させることができる。
次に、本発明の第2の態様は、前記ロータ位相差を検出するロータ位相差検出手段を備え、前記通電制御手段は、前記ロータ位相差制御手段により前記ロータ位相差を変更するときに、前記ロータ位相差の目標値と前記ロータ位相差検出手段による前記ロータ位相差の検出値との差が減少するように、前記電動機の電子機の端子間電圧を減少させるための界磁弱め電流の通電量を制御することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記ロータ位相差を変更する際の応答遅れにより生じ得る、前記電機子の界磁弱めの過不足を減少させることができる。
本発明の実施の形態について、図1〜図11を参照して説明する。図1は2重ロータを備えたDCブラシレスモータの構成図、図2は図1に示したDCブラシレスモータの外側ロータと内側ロータの位相差を変更する機構の構成図及び作動説明図、図3及び図4は外側ロータと内側ロータの位相差を変更することによる効果の説明図、図5は電動機の制御装置の制御ブロック図、図6は電流及び電圧の制限に対応した電流ベクトルの選択範囲の説明図、図7は誘起電圧定数の相違による電動機の出力範囲の変化の説明図、図8は電動機の損失が最小となる誘起電圧定数を算出する処理に関する説明図、図9は電動機の効率とフェイルに対する余裕度を考慮して誘起電圧定数を選択する処理の説明図、図10は誘起電圧定数を決定するためのマップ及び2重ロータの位相差を決定するためのマップの説明図、図11は電動機の温度に応じた効率条件により2重ロータの位相差を制御する処理のフローチャートである。
図1を参照して、本実施の形態における電動機1は、永久磁石11a,11bの界磁が周方向に沿って等間隔に配設された内側ロータ11(本発明の第2のロータに相当する)と、永久磁石12a,12bの界磁が周方向に沿って等間隔に配設された外側ロータ12(本発明の第1のロータに相当する)と、内側ロータ11及び外側ロータ12に対する回転磁界を発生させるための電機子10aを有するステータ10とを備えたDCブラシレスモータである。電動機1は、例えばハイブリッド車両や電動車両の駆動源として使用され、ハイブリッド車両に搭載されたときは、電動機及び発電機として動作する。
内側ロータ11と外側ロータ12は、共に回転軸が電動機1の回転軸2と同軸となるように同心円状に配置されている。そして、内側ロータ11においては、N極を回転軸2側とする永久磁石11aとS極を回転軸2側とする永久磁石11bが交互に配設されている。同様に、外側ロータ12においても、N極を回転軸2側とする永久磁石12aとS極を回転軸2側とする永久磁石12bが交互に配設されている。
次に、電動機1は、外側ロータ12と内側ロータ11の位相差であるロータ位相差を変更するために、図2(a)に示した遊星歯車機構30を備えている。図2(a)を参照して、遊星歯車機構30は、内側ロータ11の内周側の中空部に配置されたシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、外側ロータ12と同軸且つ一体に形成された第1リングギアR1、内側ロータ11と同軸且つ一体に形成された第2リングギアR2、第1リングギアR1と噛合する第1プラネタリギア31、第2リングギアR2に噛合する第2プラネタリギア32、第1プラネタリギア31及び第2プラネタリギア32と噛合するアイドルギアであるサンギアS、第1プラネタリギア31を回転自在に支持すると共に回転軸2に回転可能に軸支された第1プラネタリキャリアC1、及び第2プラネタリギア32を回転自在に支持すると共にステータ10に固定された第2プラネタリキャリアC2を備えている。
遊星歯車機構30において、第1リングギアR1と第2リングギアR2は略同等のギア形状とされ、第1プラネタリギア31と第2プラネタリギア32も略同等のギア形状とされている。また、サンギアSの回転軸33は電動機1の回転軸2と同軸に配置されると共に、軸受け34により回転可能に軸支されている。そして、これにより、第1プラネタリギア31と第2プラネタリギア32がサンギアSと噛合し、外側ロータ12と内側ロータ11が同期して回転するように構成されている。
さらに、第1プラネタリキャリアC1の回転軸35は、電動機1の回転軸2と同軸に配置されると共にアクチュエータ25に接続されており、第2プラネタリキャリアC2はステータ10に固定されている。
アクチュエータ25は、外部から入力される制御信号に応じて、油圧により第1プラネタリキャリアC1を正転方向又は逆転方向に回転させ、或いは回転軸2回りの第1プラネタリキャリアC1の回転を規制する。そして、アクチュエータ25によって第1プラネタリキャリアC1が回転すると、外側ロータ12と内側ロータ11間の相対的な位置関係(位相差)が変化する。
図2(b)は、遊星歯車機構30における第1リングギアR1と、第1プラネタリキャリアC1と、サンギアSと、第2プラネタリキャリアC2と、第2リングギアR2の回転速度の関係を示した図であり、縦軸が各ギアの回転速度Vrに設定されている。
図2(b)において、ステータ10に固定された第2プラネタリキャリアC2の速度はゼロである。そのため、第2リングギアR2及び内側ロータ11は、例えば逆転方向(Vr<0)に回動するサンギアSに対して、第2リングギアR2に対するサンギアSのギア比g2に応じた速度で正転方向(Vr>0)に回転することになる。
ここで、アクチュエータ25が非作動状態(アクチュエータ25による第1プラネタリキャリアC1の回動がなされていない状態)にあるときは、第1プラネタリキャリアC1の回転速度はゼロである。そのため、第1リングギアR1及び外側ロータ12は、回転するサンギヤSに対して、第1リングギアR1に対するサンギアSのギア比g1に応じた速度で逆方向に回転する。そして、ギヤ比g1とギヤ比g2は略同等(g1≒g2)に設定されているので、内側ロータ11と外側ロータ12は同期して回転し、内側ロータ11と外側ロータ12間の位相差が一定に維持される。
一方、アクチュエータ25が作動状態(アクチュエータ25により第1プラネタリキャリアC1が回動している状態)にあるときは、第1リングギアR1及び外側ロータ12は、回転するサンギアSに対して、第1リングギアR1に対するサンギアSのギア比g1に応じた速度に対して、第1プラネタリキャリアC1の回動分だけ増速又は減速されて、逆方向に回転する。そして、これにより、外側ロータ12と内側ロータ11の位相差が変化する。
また、アクチュエータ25は、第1リングギアR1に対するサンギアSのギア比g1と電動機1の極対数Pに対して、少なくとも、機械角度β(度)=(180/P)×g1/(1+g1)だけ、第1プラネタリキャリアC1を正転方向又は逆転方向に回動可能に構成されている。
そのため、外側ロータ12と内側ロータ11の位相差は、少なくとも電気角で180度の範囲で進角側又は遅角側に変更することができ、電動機1の状態は、外側ロータ12の永久磁石12a,12bと内側ロータ11の永久磁石11a,11bが同極同士を対向して配置された界磁弱め状態と、外側ロータ12の永久磁石12a,12bと内側ロータ11の永久磁石11a,11bが異極同士を対向して配置された界磁強め状態との間で、適宜設定可能である。
図3(a)は界磁強め状態を示しており、外側ロータ12の永久磁石12a,12bの磁束Q2と内側ロータ11の永久磁石11a,11bの磁束Q1の向きが同一であるため、合成された磁束Q3が大きくなる。一方、図3(b)は界磁弱め状態を示しており、外側ロータ12の永久磁石12a,12bの磁束Q2と内側ロータ11の永久磁石11a,11bの磁束Q1の向きが逆であるため、合成された磁束Q3が小さくなる。
図4は、図3(a)の状態と図3(b)の状態において、電動機1を所定回転数で作動させた場合にステータ10の電機子に生じる誘起電圧を比較したグラフであり、縦軸が誘起電圧(V)に設定され、横軸が電気角(度)に設定されている。図中aが図3(a)の状態(界磁強め状態)であり、bが図3(b)の状態(界磁弱め状態)である。図4から、外側ロータ12と内側ロータ11の位相差を変更することで、生じる誘起電圧のレベルが大幅に変化していることがわかる。
そして、このように、外側ロータ12と内側ロータ11の位相差を変更して、界磁の磁束を増減させることにより、電動機1の誘起電圧定数Keを変化させることができる。これにより、誘起電圧定数Keが一定である場合に比べて、電動機1の出力トルク及び回転数に対する運転可能領域を拡大することができる。また、電動機の制御として一般的なdq座標変換により、d軸(界磁軸)側の電機子に通電して界磁弱め制御を行う場合に比べて、電動機1の銅損が減少するため、電動機1を作動させるときの効率を高めることができる。
次に、図5〜図11を参照して、本発明の電動機の制御装置について説明する。図5に示した電動機の制御装置(以下、単に制御装置という)は、電動機1を界磁方向をd軸としてd軸と直交する方向をq軸とした2相直流の回転座標系による等価回路に変換して扱い、外部から与えられる目標トルクTr_cが電動機1から出力されるように、電動機1に対する通電量を制御するものである。
制御装置はCPU、メモリ等により構成される電子ユニットであり、トルク指令Tr_cと、電動機1の回転数Nmと、外側ロータ12と内側ロータ11の位相差θd(以下、ロータ位相差という)の検出値θd_sに応じた電動機1の誘起電圧定数Keの算出値Ke_sとに基いて、d軸側の電機子(以下、d軸電機子という)の通電量(以下、d軸電流という)の指令値Id_cとq軸側の電機子(以下、q軸電機子という)の通電量(以下、q軸電流という)の指令値Iq_cとを算出する電流指令算出部50、電流センサ61,62により検出されてバンドパスフィルタ57により不要成分が除去された電流検出信号Iu,Iwと、レゾルバ70により検出される外側ロータ12のロータ角度θmとに基づいて、3相/dq変換によりd軸電流の検出値Id_sとq軸電流の検出値Iq_sとを算出する3相/dq変換部56、減算器51により算出されるd軸電流の指令値Id_cと検出値Id_sの偏差ΔId及び減算器52で算出されるq軸電流の指令値Iq_cと検出値Iq_sの偏差ΔIqが減少するように、d軸電機子に印加する電圧(以下、d軸電圧という)の指令値Vd_cとq軸電機子に印加する電圧(以下、q軸電圧という)の指令値Vq_cとを決定する電流フィードバック制御部53、d軸電圧の指令値Vd_cとq軸電圧の指令値Vq_cを大きさrと角度θの成分に変換するrθ変換部54、及び該大きさrと角度θの成分をPWM制御により3相(U,V,W)の交流電圧に変換するPWM演算部55を備えている。なお、電流指令算出部50と電流フィードバック制御部53とにより、本発明の通電制御手段が構成される。
さらに、制御装置は、レゾルバ70により検出される外側ロータ12のロータ角度θmを微分して電動機1の単位時間あたりの回転数Nmを算出する回転数算出部71、トルク指令値Tr_cと電動機1の回転数Nmと電動機1の駆動回路(PWM演算部55に含まれる)に電力供給する電源(図示しない)の電圧Vdcと温度センサ72(本発明の温度検知手段に相当する)により検出される電動機1の巻線の温度Th1及びロータ磁石の温度Th2とに基いて、誘起電圧定数Keの指令値Ke_cを算出するKe指令算出部90、ロータ位相差θdを検出する位相差検出器26、ロータ位相差θdを誘起電圧定数Keに変換するKe算出部92、誘起電圧定数の指令値Ke_cと検出値Ke_sとの偏差ΔKeを算出する減算器91、及び該偏差ΔKeとKe_sとにより位相差の指令値θd_cを決定してアクチュエータ25に出力する位相差制御部80を備えている。なお、Ke指令算出部90、位相差制御部80、Ke算出部92、及び減算器91により、本発明のロータ位相差制御手段が構成される。
次に、Ke指令算出部90は、電動機1の効率を考慮して誘起電圧定数の指令値Ke_cを算出するが、その前提となる電動機1の効率の考え方、及び電動機1の効率に応じた誘起電圧定数の指令値Ke_cの算出方法について図6〜図10を参照して説明する。
先ず、電動機1に供給することができる電流の上限値をIam、電圧の上限値をVamとおくと、以下の式(1)、式(2)が成り立つ。
Figure 0004749941
但し、Ia:相電流、Id:d軸電流、Iq:q軸電流、Iam:電流の上限値。
Figure 0004749941
但し、Va:相電圧、Vd:d軸電圧、Vq:q軸電圧、ω:角速度、Ld:d軸電機子のインダクタンス、Ke:誘起電圧定数、Ra:d軸電機子及びq軸電機子の抵抗、Vam:電圧の上限値。
ここで、Vom=Vam−Ra・Iam とおき、誘起電圧Voの制限を以下の式(3)のようにおく。
Figure 0004749941
但し、Vo:誘起電圧、Vom:誘起電圧の制限値。
ここで、誘起電圧定数Keを(すなわち磁束密度φaを)最大、中間、最小という3段階に可変する場合に、上記式(1)及び式(3)について図示したのが図6(a)〜図6(c)である。
図6(a)〜図6(c)は、縦軸をq軸電流(Iq)に設定し、横軸をd軸電流(Id)に設定して、上記式(1)をIa=Ia1,Ia2(Ia2<Ia1)について図示し、上記式(3)をω=ω1,ω2,ω3(ω1<ω2<ω3)について図示したものである。また、図6(a)は誘起電圧定数Keが最大であるとき、図6(b)は誘起電圧定数Keが中間であるとき、図6(c)は誘起電圧定数Keが最小であるときを示している。
図6(a)の誘起電圧定数Keを最大としたときは、相電流Iaの上限値IamをIam2に設定すると、ωがω2,ω3となったときに選択可能なd軸電流Idとq軸電流Iqの範囲がなくなってしまう。それに対して、図6(b)の誘起電圧定数Keを中間にしたときには、相電流Iaの上限値IamをIam2に設定しても、ωがω3まで上昇したときに図中Sa1の範囲内でd軸電流Idとq軸電流Iqの選択が可能である。
また、図6(c)の誘起電圧定数Keを最小にしたときには、相電流Iaの制限値IamをIam2に設定して、ωがω3まで上昇したときに選択可能なq軸電流Iqとd軸電流の範囲が、図中Sa2の範囲に拡大する。
このように、誘起電圧定数Keが小さいほど、図6(a)〜図6(c)における上記式(3)による楕円グラフの中心が原点(Id=0,Iq=0)に近づいて、電動機1を高回転で作動させるときのd軸電流Idとq軸電流Iqの選択範囲が広くなる。そのため、電動機1の高回転域における制御可能範囲を拡大することができる。しかしながら、誘起電圧定数Keが小さいほど磁束密度φaが小さくなるため、同一のq軸電流Iqを供給したときに電動機1に生じるトルクが低くなって電動機1の効率が低下する。
次に、図7(a)〜図7(c)は、仕様が異なるで電動機において、誘起電圧定数Keを三段階(最大,中間,最小)に切り替えて、電動機1の界磁制御を行う場合の電動機1の出力範囲(トルクと回転数の選択可能範囲)を例示したものであり、縦軸が電動機1の出力トルク(Tr)に設定され、横軸が電動機1の回転数(Nm)に設定されている。
図7(a)〜図7(c)において、gaは電動機1の出力保証範囲の境界ラインであり、gaとTr軸及びNm軸とにより囲まれる領域Gが電動機の出力保証範囲となる。また、Klは誘起電圧定数Keを最大としたときの電動機1の出力範囲の境界ライン、Kmは誘起電圧定数Keを中間としたときの電動機1の出力範囲の境界ライン、Ksは誘起電圧定数Keを最小としたきの電動機1の出力範囲の境界ラインである。
図7(a)の例では、誘起電圧定数Keを最大、中間、最小のいずれに設定しても、電動機を出力保証範囲G内で作動させることができる。それに対して、図7(b)の例では、誘起電圧定数Keを最大に設定したときは電動機を出力保証範囲Gを維持して電動機を作動させることができるが、誘起電圧定数Keを中間及び最小に設定したときには、トルクの不足により出力保証範囲Gを維持して電動機を作動させることができない。
また、図7(c)の例では、誘起電圧定数Keを最大に設定したときに、高回転域で出力保証範囲Gを維持して電動機を作動させることができない。また、誘起電圧定数Keを中間に設定したときに、低回転域でトルクが不足すると共に高回転域でもトルクが不足して、出力保証範囲Gを維持して電動機を作動させることができない。さらに、誘起電圧定数Keを最小に設定したときに、低回転域でトルクが不足して、出力保証範囲Gを維持して電動機を作動させることができない。
以上、図7(a)〜図7(c)を参照して説明したように、誘起電圧定数Keの設定に応じて電動機の出力範囲が変化するため、誘起電圧定数Keの設定可能範囲は、電動機の出力保証範囲が維持されるように決定する必要がある。
次に、図8(a)〜図8(c)を参照して、上記式(1),式(3)による相電流Iaと相電圧Vaの制限条件を満たす誘起電圧定数Keの範囲で、電動機の損失が最小となるd軸電流Idとq軸電流Iqを決定する処理について説明する。
図8(a)はd軸の等価回路であり、図中Ra,Rcはd軸電機子の抵抗、Ldはd軸電機子のインダクタンス、ωLqIoqはq軸電流Iqの通電によりd軸電機子に生じる誘起電圧を示している。また、図8(b)はq軸の等価回路であり、図中Ra,Rcはq軸電機子の抵抗、Lqはq軸電機子のインダクタンス、ωLdIodはd軸電流Idの通電によりq軸電機子に生じる誘起電圧を示している。
図8(a)、図8(b)の等価回路において、先ず、電動機のトルクTr、出力P、銅損Wc、鉄損Wiは、以下の式(4)〜式(7)により算出することができる。
Figure 0004749941
但し、Tr:トルク、Ld:d軸電機子のインダクタンス、Lq:q軸電機子のインダクタンス。
Figure 0004749941
但し、P:電動機の出力。
Figure 0004749941
但し、Wc:電動機の銅損。
Figure 0004749941
但し、Wi:電動機の鉄損。
そして、以下の式(8)に示したように、電動機の損失Wlossを上記式(6)の銅損Wcと上記式(7)の鉄損Wiで代表させて示すと、角速度ωとトルクTrが与えられたときに、Wlossが最小となるIodを、以下の式(9)によって算出することができる。
Figure 0004749941
但し、Wloss:電動機の損失、Wc:電動機の銅損、Wi:電動機の鉄損。
Figure 0004749941
また、上記式(9)により算出したIodと誘起電圧定数Keの設定値を上記式(4)に代入して、Ioqを算出することができる。そして、図8(a)の等価回路から以下の式(10)によりIdを算出することができ、図8(b)の等価回路から以下の式(11)によりIqを算出することができる。
Figure 0004749941
Figure 0004749941
また、ロータ位相差を変更して誘起電圧定数Keを可変する場合、Keの最大値をKe_maxとして、可変範囲内の誘起電圧定数をKe=k・Ke_maxと表すと、以下の式(12)により電動機の損失が最小となるkを算出することができる。
Figure 0004749941
上記式(12)により、電動機の角速度ωとトルクTrが与えられたときの誘起電圧定数Keの指令値Ke_cを求めることができる。図8(c)は、上記式(8)を縦軸を損失Wlossに設定し、横軸を誘起電圧定数Keに設定して示したものであり、Wl1の例ではKeの可変範囲(Ke_1〜Ke_3)の下限であるKe_1でWlossが最小となる。また、Wl2の例ではKe_2でWlossが最小となり、Wl3の例ではKe_3でWlossが最小となる。このようにして、電動機の損失が最小となる誘起電圧定数Keを算出することができる。
次に、電動機の損失を最小にして効率が最高となるように誘起電圧定数Keを大きく設定すると、例えば電動機に接続された変速機の故障や駆動回路の故障により、電動機の回転数が急激に上昇したときに、電動機の相電圧Vaが制限電圧Vamを超えて制御不能となるまでの余裕度が小さくなる。
そこで、制御装置は、電動機に接続された変速機の故障や駆動回路の故障等のフェイル(異常)に対する余裕度を確保するための制御を行う。
図9は、電動機の効率を重視して誘起電圧定数Keを選択する「効率向上制御」と、フェイルに対する電動機の余裕度を重視して誘起電圧定数Keを選択する「誘起電圧減少制御」とを、切替えて実行する場合の誘起電圧定数Keの選択範囲の設定手順を示しており、(i)〜(v)において、縦軸がトルクTrに設定され、横軸が回転数Nmに設定されている。また、gaは電動機の動作保証範囲の境界ラインである。
(i)は誘起電圧定数Keを最大に設定したときの電動機の出力特性を示しており、Klは電動機の出力範囲の境界ライン、La1は効率90%の境界ライン、Lb1は効率85%の境界ライン、Lc1は効率80%の境界ラインである。また、(ii)は誘起電圧定数Keを中間に設定したときの電動機の出力特性を示しており、Kmは電動機の出力範囲の境界ライン、La2は効率90%の境界ライン、Lb2は効率85%の境界ライン、Lc2は効率80%の境界ラインである。また、(iii)は誘起電圧定数Keを最小に設定したときの電動機の出力特性を示しており、Ksは電動機の出力範囲の境界ライン、La3は効率90%の境界ライン、Lb3は効率85%の境界ライン、Lc3は効率80%の境界ラインである。
(i)〜(iii)により、誘起電圧定数Keを小さくするに従って、低回転域における電動機の効率が低下し、また、高回転域における電動機の出力トルクが減少することが分かる。
次に、(iv)は、(i)〜(iii)を合成して、電動機の効率を90%(本発明の第1の制限範囲に相当する)以上に維持するための誘起電圧定数Keの選択パターンを示したものである。
(iv)において、Ba1は動作保証範囲の境界ラインgaと誘起電圧定数Keの最大時と中間時の境界ラインd1とTr軸及びNm軸とにより囲まれた範囲であり、Ba1においては最大の誘起電圧定数Keが選択される。また、Ba2はd1と誘起電圧定数Keの中間時と最小時の境界ラインe1とKmとKsとNm軸とにより囲まれた範囲であり、Ba2においては中間の誘起電圧定数Keが選択される。また、Ba3はe1とKsとgaとNm軸とにより囲まれた範囲であり、Ba3においては最小の誘起電圧定数Keが選択される。
一方、(v)は(i)〜(iii)を合成して、電動機の効率が85%(本発明の第1の制限効率に相当する)まで低下することを許容して、誘起電圧定数Keをできる限り小さくするための選択パターンを示したものである。図中Fa1は動作保証範囲の境界ラインgaと誘起電圧定数Keの最大時と中間時の境界ラインd2とTr軸及びNm軸とにより囲まれた範囲であり、Fa1においては最大の誘起電圧定数Keが選択される。
また、Fa2はd2と誘起電圧定数Keの中間時と最小時の境界ラインe2とKmとKsとgaとNm軸とにより囲まれる範囲であり、Fa2においては中間の誘起電圧定数Keが選択される。また、Fa3はe2とKsとgaとNm軸とのより囲まれた範囲であり、Fa3においては最小の誘起電圧定数Keが選択される。
そして、制御装置は、図10(a)に示したように、電源電圧Vdc=V1,V2,V3,…に対応した図9の(iv)の選択図をそれぞれマップ化した基本KeマップBm,Bm2,Bm3,…と、電源電圧Vdc=V1,V2,V3,…に対応した図9の(v)の選択図をそれぞれマップ化したフェイル対応KeマップFm1,Fm2,Fm3,…のデータをメモリ(図示しない)に記憶している。
次に、図11に示したフローチャートに従って、制御装置によるロータ位相差θdの制御処理の実行手順について説明する。
STEP1〜STEP5及びSTEP10は、Ke指令算出部90による処理であり、Ke指令算出部90は、STEP1でトルク指令Tr_cと電動機1の回転数Nmと電源電圧Vdcを取得する。また、続くSTEP2で、Ke指令算出部90は、電動機1の巻線温度Th1とロータ磁石の温度Th2とを取得する。
そして、STEP3で、Ke指令算出部90は、電動機1の巻線温度Th1とロータ磁石の温度Th2を予め設定された基準温度と比較することで、電動機1の発熱に対する余裕度を認識する。そして、電動機1の巻線温度Th1とロータ磁石の温度Th2が基準温度よりも低いときには、電動機1の効率を落として運転することが可能であると判断して、STEP10に分岐する。一方、電動機1の巻線温度Th1とロータ磁石の温度Th2が基準温度よりも低いときには、電動機1の効率を落として運転することが不能であると判断してSTEP4に進む。
STEP10は上述した「誘起電圧減少制御」を実行するための処理であり、Ke指令算出部90は、図10(a)に示したフェイル対応KeマップFm1,Fm2,Fm3,…の中から、STEP1で取得した電源電圧Vdcに対応したフェイル対応Keマップを選択し、該マップにトルク指令Tr_cと回転数Nmを適用して誘起電圧定数Keを求める。
また、STEP4は上述した「効率向上制御」を実行するための処理であり、Ke指令算出部90は、図10(a)に示した基本KeマップBm1,Bm2,Bm3,…の中から、STEP1で取得した電源電圧Vdcに対応した基本Keマップを選択し、該マップにトルク指令Tr_cと回転数Nmを適用して誘起電圧定数Keを求める。
なお、フェイル対応Keマップ及び基本Keマップにより、誘起電圧定数Keを設定する際には、上述した図9の選択パターンにより電動機1の効率が推定されるが、この推定を行う構成が本発明の効率推定手段に相当する。
次に、STEP5で、Ke指令算出部90は、STEP4又はSTEP10で求めたKeを誘起電圧定数の指令値Ke_cとして出力する。
次のSTEP6は、位相差制御部80による処理であり、図5を参照して、位相差制御部80は、減算器91で算出される誘起電圧定数Keの指令値Ke_cと検出値Ke_sとの偏差ΔKeをKe_sに加算して、図10(b)のロータ位相差θdと誘起電圧定数Keの変換マップに適用する。そして、位相差制御部80は、該変換マップにより求めたロータ位相差θdを、ロータ位相差の指令値θd_cとしてアクチュエータ25に出力する。これにより、電動機1のロータ位相差θdが変更される。
この場合、STEP10,STEP5,STEP6の処理により「誘起電圧減少制御」が実行され、STEP4,STEP5,STEP6の処理により「効率向上制御」が実行される。
また、STEP6でロータ位相差の指令値θd_cがアクチュエータ25に出力されてから、実際に内側ロータがθd_cに対応した位置に移動するまでにはある程度時間遅れが生じる。そこで、界磁制御部60は、ロータ位相差の指令値θd_c(本発明のロータ位相差の目標値に相当する)と検出値θd_sとの偏差を減少させるように、加算器51にd軸電流の補正値Id_eを加算する。これにより、アクチュエータ25の応答遅れによる界磁の過不足を減少させることができる。
以上説明した図11の処理により、電動機1の温度が低く発熱に対する余裕度が大きいときは、「フェイル対応Keマップ」により電動機1の誘起電圧定数Keを小さくする「誘起電圧減少制御」が実行される。そして、これにより、電動機1に連結された変速機の故障や電動機1の駆動回路の故障等のフェイルが生じて電動機1の回転数が急増したときに、電動機1の電機子に生じる誘起電圧の上昇度合が小さくなるため、誘起電圧の増加により電動機1の相電圧が電源電圧以上となって電動機1の通電制御が不能となることを防止することができる。
また、電動機1の温度が高く発熱に対する余裕度が低いときには、「基本Keマップ」により電動機1の誘起電圧定数Keを大きして、電動機1の効率を向上させる「効率向上制御」が実行される。そして、これにより、熱損失による電動機1の発熱が抑制されるため、温度上昇による電動機1の性能低下を防止することができる。
なお、本実施の形態では、電動機1のロータ位相差θdを最大、中間、最小の3段階に切替えて選択する例を示したが、2段階や4段階以上に切替え、或いは段階的ではなく連続的にロータ位相差θdを変更するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、電動機1の温度を温度センサにより検知したが、電動機1に対する供給電力の積算値により電動機1の温度を推定して検知するようにしてもよい。この場合には、電動機1の温度変化を応答性良く検知することができる。
また、電動機1の温度変化の履歴から電動機1の将来の温度変化を予測し、予測結果に基いて「効率向上制御」と「誘起電圧減少制御」を切替えるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、電動機1の温度に応じて、「誘起電圧減少制御」と「効率向上制御」とを切替えたが、かかる切替を行わずに「誘起電圧減少制御」のみを実行する場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、本発明の電動機の制御装置として、電動機1を2相直流の回転座標であるdq座標系による等価回路に変換して扱うものを示したが、2相交流の固定座標系であるαβ座標系による等価回路に変換して扱う場合においても、本発明の適用が可能である。
2重ロータを備えたDCブラシレスモータの構成図。 図1に示したDCブラシレスモータの外側ロータと内側ロータの位相差を変更する機構の構成図及び作動説明図。 外側ロータと内側ロータの位相差を変更することによる効果の説明図。 外側ロータと内側ロータの位相差を変更することによる効果の説明図。 電動機の制御装置の制御ブロック図。 電流及び電圧の制限に対応した電流ベクトルの選択範囲の説明図。 誘起電圧定数の相違による電動機の出力範囲の変化の説明図。 電動機の損失が最小となる誘起電圧定数を算出する処理に関する説明図。 電動機の効率とフェイルに対する余裕度を考慮して誘起電圧定数を選択する処理の説明図。 誘起電圧定数を決定するためのマップ及び2重ロータの位相差を決定するためのマップの説明図。 電動機の温度に応じた効率条件により2重ロータの位相差を制御する処理のフローチャート。 駆動側と回生側における界磁弱め制御の必要性の説明図。
符号の説明
1…電動機、2…電動機の回転軸、10…ステータ、11…内側ロータ、11a,11b…永久磁石、12…外側ロータ、12a,12b…永久磁石、25…アクチュエータ、30…遊星歯車機構、C1…第1プラネタリキャリア、C2…第2プラネタリキャリア、R1…第1リングギア、R2…第2リングギア、S…サンギア、31…第1プラネタリギア、32…第2プラネタリギア、33…サンギアの回転軸、34…軸受け、35…第1プラネタリキャリアの回転軸、50…電流指令算出部、60…界磁制御部、72…温度センサ、80…位相差制御部、90…Ke指令算出部、92…Ke算出部

Claims (4)

  1. 永久磁石による界磁を複数個有する第1ロータ及び第2ロータを、回転軸の周囲に配置した永久磁石界磁型の回転電動機の作動を、該第1ロータと該第2ロータとの位相差であるロータ位相差を変更して該電動機の誘起電圧定数を変更する界磁制御を行って制御する電動機の制御装置であって、
    所定の目標トルクと前記電動機の誘起電圧定数とに応じて、前記電動機の出力トルクが該目標トルクとなるように、前記電動機の電機子への通電量を制御する通電制御を実行する通電制御手段と、
    前記通電制御を実行する際の前記電動機の効率を推定する効率推定手段と、
    前記通電制御を実行する際に、前記効率推定手段により推定される前記電動機の効率が第1の制限効率よりも高くなる範囲内で、前記電動機の誘起電圧定数が小さくなるように前記ロータ位相差を変更する誘起電圧減少制御を行うロータ位相差制御手段と
    前記電動機の温度を検知する温度検知手段とを備え、
    前記ロータ位相差制御手段は、前記電動機の温度に応じて、前記誘起電圧減少制御と、前記電動機の効率が前記第1の制限効率よりも高い第2の制限効率以上となるように前記ロータ位相差を変更する効率向上制御とを切替えることを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 前記ロータ位相差を検出するロータ位相差検出手段を備え、
    前記通電制御手段は、前記ロータ位相差制御手段により前記ロータ位相差を変更するときに、前記ロータ位相差の目標値と前記ロータ位相差検出手段による前記ロータ位相差の検出値との差が減少するように、前記電動機の電子機の端子間電圧を減少させるための界磁弱め電流の通電量を制御することを特徴とする請求項1記載の電動機の制御装置。
  3. 永久磁石による界磁を複数個有する第1ロータ及び第2ロータを、回転軸の周囲に配置した永久磁石界磁型の回転電動機の作動を、該第1ロータと該第2ロータとの位相差であるロータ位相差を変更して該電動機の誘起電圧定数を変更する界磁制御を行って制御する電動機の制御装置であって、
    所定の目標トルクと前記電動機の誘起電圧定数とに応じて、前記電動機の出力トルクが該目標トルクとなるように、前記電動機の電機子への通電量を制御する通電制御を実行する通電制御手段と、
    前記通電制御を実行する際の前記電動機の効率を推定する効率推定手段と、
    前記通電制御を実行する際に、前記効率推定手段により推定される前記電動機の効率が第1の制限効率よりも高くなる範囲内で、前記電動機の誘起電圧定数が小さくなるように前記ロータ位相差を変更する誘起電圧減少制御を行うロータ位相差制御手段と、
    前記ロータ位相差を検出するロータ位相差検出手段とを備え、
    前記通電制御手段は、前記ロータ位相差制御手段により前記ロータ位相差を変更するときに、前記ロータ位相差の目標値と前記ロータ位相差検出手段による前記ロータ位相差の検出値との差が減少するように、前記電動機の電子機の端子間電圧を減少させるための界磁弱め電流の通電量を制御することを特徴とする電動機の制御装置。
  4. 前記電動機の回転数を検出する回転数検出手段を備え、
    前記効率推定手段は、前記目標トルクと、前記電動機の回転数と、前記電動機の駆動回路の電源電圧とに基づいて、前記通電制御を実行する際の前記電動機の効率を推定することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項記載の電動機の制御装置。
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