JP5084973B1 - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

モータ1に流れる1次電流をトルク電流値および励磁電流値に変換する座標変換部6と、励磁電流値idFBに基づいて磁束推定値ΦSを推定する磁束推定部8と、磁束偏差に基づいて励磁電流指令idcomを算出する磁束制御器13と、磁束制御器13が出力する励磁電流指令idcomの出力値を制限する励磁電流制限器23と、励磁電流制限器23の出力と励磁電流値idFBとにより生成された励磁電流偏差に基づき、インバータ回路3のスイッチング素子を制御するための励磁電圧指令Vdcomを生成する励磁電流制御器10と、励磁電流制御器10が出力する励磁電流指令idcomの出力制限値を変更するための許容最大電流値idmaxと、磁束制御器13のゲインの大きさを決定する応答帯域定数wとを生成可能に構成される制御パラメータ変更値算出部16と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば工作機械の主軸や車両の駆動用として好適な誘導モータを制御するモータ制御装置に関する。
誘導モータは、固定子に1次電流を流して回転磁界を発生させる。この回転磁界による磁束を回転子が横切るとき、回転子には電圧が誘導されて2次電流が流れる。この2次電流と回転磁界による磁束との相互作用により、回転子にはトルクが発生する。
このような誘導モータでは、一般的に、固定子に流す1次電流を、磁束を制御するための励磁電流と、2次電流(即ち、トルク電流)とに分けてそれぞれ個別に制御を行うベクトル制御が用いられる。なお、回転子に発生するトルクは、磁束とトルク電流の積に比例する。
一般的に、誘導モータにおけるベクトル制御では、トルク電流を一定にして磁束を変化させることによりモータのトルクを制御する。より具体的には、巻線抵抗やインダクタンス等のモータの電気的定数や、動力源となる電源電圧によって決まる上限電圧に達するまでの回転速度(基底回転速度)までは定トルク駆動領域として磁束を一定に保持し、トルク一定での駆動を行う(定トルク駆動制御)。一方、上限電圧に達する回転速度に到達すると、上昇させる回転速度に反比例して磁束を低減させる。この制御により、トルクも低減し、出力一定の駆動が行われる(定出力駆動制御)。
上記のように、一般的なベクトル制御により制御される誘導モータでは、定トルク駆動制御と定出力駆動制御とが併用される。このため、誘導モータでは、モータの起動時や、定トルク駆動制御から定出力駆動制御への切り替え時等において、磁束指令値に実際の磁束をすばやく追従させることが要求される。その一方で、磁束は、励磁電流の増減によって制御されるが、発生する磁束は、励磁電流に対し、モータの電気的定数から決まる時定数を持って立ち上がる。その結果、実際の制御では、磁束指令に対し、磁束の追従が遅れる。磁束の追従遅れが発生すると、所定のトルクへの到達時間も遅れ、モータの加速時間が長くなるという問題や、制御性能を上げられないといった問題も生ずる。
このような従来の問題点に対し、下記特許文献1には、磁束指令値と磁束推定値との偏差に係数を乗算し、更に磁束指令相当の励磁電流指令を乗算して磁束指令に対する磁束の遅れを補正する技術が開示されている。
また、非特許文献1には、励磁電流制御系(内部に励磁電流制御器を含み、励磁電流指令と励磁電流との偏差が小さくなるように励磁電流指令に対し、励磁電流を追従させる制御系)をマイナーループ、磁束制御系(内部に磁束制御器を含み、磁束指令と磁束推定値との偏差が小さくなるように磁束指令に対し、磁束推定値を追従させる制御系)をメジャーループとしてカスケード接続した制御系を構成し、磁束指令に対し、磁束の追従を速くする技術が開示されている。
特開2008−306798号公報(第4−5頁、第1図、第2図)
総合電気出版社 ACサーボシステムの理論と設計の実際 第5版(第111−112頁、図5.14)
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術は、非励磁状態から励磁状態に切り換えるようなステップ的な磁束指令の変化に対する磁束の立ち上がり時間短縮には有効であるが、誘導モータを定出力駆動領域で駆動する際の磁束指令の変化に対しては考慮がなされておらず、定出力駆動領域での磁束指令に対し、磁束の追従ができないか、もしくは磁束の追従が遅れるという問題があった。
また、非特許文献1に記載された技術は、前述のように、磁束指令と磁束推定値との偏差が小さくなるように、磁束指令に対し、磁束推定値を追従させる磁束制御系を構成している。そのため、磁束指令に対する磁束の追従の速さは、磁束制御系の応答性(以下「応答帯域」という)に依存する。しかしながら、磁束の増減を制御する励磁電流は、モータに電力供給を行うインバータ回路の許容最大電流値の制約から、制限する必要がある。このような場合、磁束制御系の応答帯域を大きくすると、磁束指令に対して磁束がオーバーシュートし、磁束指令に到達する時間が却って遅くなるという問題が生ずる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、磁束指令に対し、オーバーシュートすることなく磁束の追従を速くし、加速性能および制御性能の向上を可能とするモータ制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、インバータ回路によって駆動されるモータに流出入する1次電流をトルク電流と励磁電流に分けてそれぞれを個別に制御するモータ制御装置において、前記モータに流れる1次電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器で検出された1次電流をトルク電流値および励磁電流値に変換する変換手段と、前記励磁電流値に基づいて磁束推定値を推定する磁束推定部と、入力される磁束偏差に基づいて励磁電流指令を算出する磁束制御器と、前記磁束制御器が出力する前記励磁電流指令の出力値を制限する励磁電流制限器と、前記励磁電流制限器の出力と前記励磁電流値とにより生成された励磁電流偏差に基づき、前記インバータ回路のスイッチング素子を制御するための電圧指令を生成する励磁電流制御器と、前記励磁電流制限器が出力する励磁電流指令の出力制限値を変更する第1の制御信号と前記磁束制御器のゲインの大きさを決定する応答帯域定数を変更する第2の制御信号とを生成可能に構成される制御パラメータ変更値算出部と、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかるモータ制御装置によれば、磁束指令に対し、磁束がオーバーシュートすることなく追従を速くすることができ、加速性能および制御性能を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係る制御パラメータ変更値算出部の一構成例を示すブロック図である。 図3は、励磁電流制限器を内部に含んだ場合の磁束制御系の応答帯域に伴う磁束指令と磁束、励磁電流の挙動を説明する図である。 図4は、電流制限値と応答帯域定数の関係を示す図である。 図5は、実施の形態1に係るモータ制御装置によって制御されるモータの特性を示す図である。 図6は、実施の形態1に係るモータ制御装置の効果を説明する図である。 図7は、実施の形態2に係るモータ制御装置の一構成例を示すブロック図である。 図8は、実施の形態2に係る制御パラメータ変更値算出部の一構成例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかるモータ制御装置について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1に係るモータ制御装置50は、図1に示すように、座標変換部6,7、磁束推定部8、すべり速度算出部9、励磁電流制御器10、トルク電流制御器11、インバータ回路制御信号生成部12、磁束制御器13、速度制御器14、積分器15、制御パラメータ変更値算出部16、減算器17,18,20,21、加算器19、トルク電流制限器22および、励磁電流制限器23を備えて構成される。
また、図1において、スイッチング素子により構成されるインバータ回路3は、モータ制御装置50の直接的な制御対象である。キャパシタ4は、モータ1の動力源となる直流電力を蓄積する素子であり、検出器2は、モータ1の回転速度ωmFBを検出するセンサーであり、インバータ回路3とモータ1との間に設けられる電流検出部5は、モータ1に流れる1次電流を検出するセンサーである。なお、同図の構成では、U,V,W相のうちのU,V相にセンサーを設けるようにしているが、この構成には限定されず、何れかの2相に設ける構成であればよい。
つぎに、実施の形態1に係るモータ制御装置50の基本的な動作について説明する。まず、インバータ回路制御信号生成部12からの制御信号(スイッチング素子に対するオン/オフ信号)がインバータ回路3に入力されると、このインバータ回路3によってキャパシタ4に蓄積された直流電力が任意の周波数と電圧の交流電力に変換されてモータ1に供給される。このとき、モータ1では1次電流が流れ、モータ1は回転駆動される。モータ1に流れる1次電流は、電流検出部5によって検出され、検出された1次電流Iu,Ivは、モータ制御装置50(より詳細には、座標変換部6)に入力される。
座標変換部6は、電流検出部5によって検出された1次電流Iu,Ivと、モータ1の回転位置推定値θ1に基づき、励磁電流値idFBおよびトルク電流値iqFBを算出する。
励磁電流値idFBは、磁束推定部8に入力され、磁束推定部8は磁束推定値ΦSを算出する。トルク電流値iqFBおよび磁束推定値ΦSはすべり速度算出部9に入力され、すべり速度算出部9は、すべり速度ωSを算出する。このすべり速度ωSと、検出器2の出力値である回転速度ωmFBは、加算器19に入力され、加算器19は、モータ1の回転速度推定値ω1を算出する。回転速度推定値ω1は積分器15に入力され、積分器15は前述した回転位置推定値θ1を算出する。回転位置推定値θ1は、座標変換部6および座標変換部7に入力される。座標変換部6は、回転位置推定値θ1に基づき、1次電流Iu,Ivに対してUV−dq座標変換を行い、前述した励磁電流値idFBおよびトルク電流値iqFBを算出する。座標変換部7は、回転位置推定値θ1に基づき、励磁電圧指令Vdcomおよびトルク電圧指令Vqcomに対してdq−UVW座標変換を行い、U相電圧指令Vu、V相電圧指令Vv、W相電圧指令Vwを生成してインバータ回路制御信号生成部12に入力する。インバータ回路制御信号生成部12は、これらU相電圧指令Vu、V相電圧指令Vv、W相電圧指令Vwに基づき、所望の制御信号(オン/オフ信号)を生成してインバータ回路3の各スイッチング素子を制御する。この制御により、モータ1に対し所望の交流電力が供給され、モータ1が駆動される。
つぎに、モータ制御装置50を構成する主要な制御系の一つである速度制御系について説明する。図1において、速度制御系(広義の意味の速度制御系、以下必要に応じ「広義の速度制御系」という)は、トルク電流制御器11を内部に含むトルク電流制御系をマイナーループ(より内側に入るフィードバックループ)とし、且つ、速度制御器14を内部に含む速度制御系(狭義の意味の速度制御系、以下必要に応じ「狭義の速度制御系」という)をメジャーループ(より外側に入るフィードバックループ)とし、これら狭義の速度制御系およびトルク電流制御系をこの順にカスケード接続した制御系で構成されている。
この広義の速度制御系では、モータ1の回転速度指令値ωmcomと、検出器2によって検出されるモータ1の回転速度ωmFBとが減算器21に入力される。減算器21の出力は、速度偏差として速度制御器14に入力される。速度制御器14は、速度偏差に基づき、トルク電流指令iqcomを算出する。ただし、本実施の形態では、トルク電流制御器11への入力信号を算出する減算器18と速度制御器14との間にトルク電流制限器22を設け、トルク電流制限器22の出力をトルク電流指令iqcomとしている。減算器18では、座標変換部6が算出したトルク電流値iqFBとトルク電流制限器22が算出したトルク電流指令iqcomとの偏差が算出される。この減算器18の出力は、トルク電流偏差としてトルク電流制御器11に入力される。トルク電流制御器11は、トルク電流偏差に基づき、トルク電圧指令Vqcomを算出して座標変換部7に入力する。その後の動作は、上述した通りである。
つぎに、モータ制御装置50を構成する主要な制御系の他の一つである磁束制御系について説明する。図1において、磁束制御系(広義の意味の磁束制御系、以下必要に応じ「広義の磁束制御系」という)は、励磁電流制御器10を内部に含む励磁電流制御系をマイナーループとし、且つ、磁束制御器13を内部に含む磁束制御系(狭義の意味の磁束制御系、以下必要に応じ「狭義の磁束制御系」という)をメジャーループとし、これら狭義の磁束制御系および励磁電流制御系をこの順にカスケード接続した制御系で構成されている。
この広義の磁束制御系では、モータ1の磁束指令値Φcomと、磁束推定部8の出力値である磁束推定値ΦSとが減算器20に入力される。減算器20の出力は、磁束偏差として磁束制御器13に入力される。磁束制御器13は、磁束偏差に基づき、励磁電流指令idcomを算出する。ただし、本実施の形態では、励磁電流制御器10への入力信号を算出する減算器17と磁束制御器13との間に励磁電流制限器23を設け、励磁電流制限器23の出力を励磁電流指令idcomとしている。減算器17では、座標変換部6が算出した励磁電流値idFBと励磁電流制限器23が算出した励磁電流指令idcomとの偏差が算出される。この減算器17の出力は、励磁電流偏差として励磁電流制御器10に入力される。励磁電流制御器10は、励磁電流偏差に基づき、励磁電圧指令Vdcomを算出して座標変換部7に入力する。その後の動作は、上述した通りである。
つぎに、磁束推定部8について説明する。磁束推定部8は、前述のように励磁電流値idFBから磁束推定値ΦSを算出する機能を備えている。磁束推定部8の伝達関数をGid_Φ(s)と表記すると、このGid_Φ(s)は、モータ1の回転子の2次抵抗Rr、モータ1の回転子の自己インダクタンスLr、モータ1の巻線間の相互インダクタンスM、ラプラス演算子sを用いて、次式で表すことができる。
Figure 0005084973
つぎに、磁束制御器13について説明する。磁束制御器13は、磁束制御系の応答帯域を決定する部分であり、磁束制御器13で設定されるゲインにより応答帯域が決定される。例えばPI制御系にて構成され、磁束制御器13の伝達関数をGΦ(s)と表記すると、このGΦ(s)は、比例ゲインKΦ、積分ゲインKΦiを用いて、次式で表すことができる。
Figure 0005084973
ここで、PI制御系における比例ゲインKΦ、積分ゲインKΦiに用いられている定数は、モータ1のインダクタンスや巻線抵抗に依存する固定値部分と、いわゆるゲインに依存する可変値部分とで構成されるので、その可変値部分を本明細書では、磁束制御器13の応答帯域定数wcと称しており、この応答帯域定数wcも用いて、比例ゲインKΦは下記(3)式のように設定され、また、積分ゲインKΦiは下記(4)式のように設定されている。
Figure 0005084973
Figure 0005084973
上記(2)、(3)、(4)式より、磁束制御器13は、応答帯域定数wcの設定値により、ゲインの増減を行うことができる。つまり、応答帯域定数wcを大きくすると、比例ゲインKΦ、積分ゲインKΦiが大きくなり、磁束制御系の応答帯域を大きくすることができる。
つぎに、励磁電流制限器23について説明する。励磁電流制限器23は、励磁電流指令idcomの出力値を制限する機能を有している。前述のように、磁束制御器13の出力値に対し、インバータ回路3の許容最大電流値Imaxに応じて励磁電流指令idcomを制限する必要がある。
つぎに、励磁電流制限器23を内部に含む磁束制御系の挙動について説明する。図3は、励磁電流制限器23を内部に含んだ場合の磁束制御系の応答帯域に伴う磁束指令Φcomと磁束Φ、励磁電流指令idcomの挙動を説明する図である。図3(a)、(b)は磁束制御系の応答帯域を小さくした場合の動作特性を示し、図3(c)、(d)は磁束制御系の応答帯域を大きくした場合の動作特性を示している。
図3(a)、(b)について説明する。磁束制御器13の応答帯域定数wcを小さくし、磁束制御系の応答帯域を小さくした場合、図3(b)に示すように、励磁電流指令idcomは制限値等にクランプされていない。これは、磁束制御器13の出力値が励磁電流制限器23の制限値よりも小さいため、磁束制御器13の出力値が、励磁電流指令idcomとして出力されていることを示している。このような場合、図3(a)に示すように、磁束指令Φcomに対し磁束Φはオーバーシュートしないが、磁束制御系の応答低域が小さいため、磁束指令Φcomに対し磁束Φの追従が遅くなる。
図3(c)、(d)について説明する。磁束制御器13の応答帯域定数wcを大きくし、磁束制御系の応答帯域を大きくした場合、図3(d)に示すように、励磁電流指令idcomが電流制限によってクランプされている。これは、磁束制御器13の出力値が励磁電流制御器23の制限値よりも大きいため、磁束制御器13の出力値が、励磁電流制限器23の制限値よりも大きいため、励磁電流指令idcomが電流制限にクランプされて出力されていることを示している。このような場合、図3(c)に示すように、磁束指令Φcomに対し磁束Φがオーバーシュートしていまい、結果として磁束指令Φcomに対し磁束Φの到達は遅くなる。
前述のように、磁束制御系は、磁束指令Φcomと磁束推定値ΦSとの偏差が小さくなるように、磁束指令Φcomに対し、磁束推定値ΦSを追従させるように構成しており、磁束指令Φcomの過渡的変化が大きい場合(例えば、非励磁状態から励磁状態に切り替える場合)、磁束指令Φcomと磁束推定値ΦSとの偏差が大きくなる。磁束指令磁束制御系の応答帯域を大きくすると、磁束制御器13の出力も大きくなる。磁束制御器13の出力が、励磁電流制限器23に設定された制限値よりも大きくなると、励磁電流指令idcomは励磁電流制限器23に設定された制限値にクランプされることになり、磁束指令Φcomに対し磁束Φを追従させるために必要となる励磁電流指令を出力することができなくなる。
以上から、磁束制御系に励磁電流制限器23を含む場合、磁束指令Φcomに対し磁束Φをオーバーシュートさせないようにするためには、励磁電流指令idmaxが、励磁電流制限器23の制限値にクランプされないように磁束制御器13の応答帯域定数wcを設定し、磁束制御系の応答帯域を設定する必要がある。これは、励磁電流制限器23の制限値を大きくすることができれば、磁束制御器13の応答帯域定数wcを大きくすることができ、磁束制御系の応答帯域を大きくすることができることを示している。
ここで、励磁電流値idFBと磁束Φは、上記(1)式を伝達関数とする関係がある。一方、励磁電流値idFBが一定で十分に時間が経過した場合、上記(1)式における時間変化の項(即ち、「ラプラス演算子s」の項)が効いてこないので、励磁電流値idFBと磁束Φは、次式のように表すことができる。
Figure 0005084973
よって、定常時の励磁電流値idFBは、上記(5)式から、磁束Φを用いて次式ように表すことができる。
Figure 0005084973
つぎに、制御パラメータ変更値算出部16の細部について説明する。図2は、実施の形態1に係る制御パラメータ変更値算出部16の一構成例を示すブロック図であり、電流制限値算出部24と、応答帯域定数算出部25とを備えて構成される。この制御パラメータ変更値算出部16において、電流制限値算出部24には、トルク電流指令iqcomと、インバータ回路3がモータ1に対し供給可能な許容最大電流値Imaxとが入力され、電流制限値算出部24は、励磁電流指令idcomの大きさを制限するために励磁電流制限器23に付与する電流制限値idmaxを算出して出力する。この電流制限値idmaxは、次段の応答帯域定数算出部25にも入力される。応答帯域定数算出部25は、モータ1を駆動する際に必要となる磁束Φ(ここでは、モータ1を駆動する際に必要となる最大磁束ΦmaxをΦとし、以下最大磁束Φmaxと示す)と、電流制限値idmaxとに基づき、磁束制御系の応答帯域を変更するために、磁束制御器13の応答帯域定数wを算出して出力する。なお、電流制限値算出部24の処理において、電流制限値算出部24に入力されるトルク電流指令iqcomに代えて、トルク電流値iqFBを入力する構成であっても構わない。また、応答帯域定数算出部25の処理において、応答帯域定数算出部25に入力される最大磁束Φmaxに代えて、磁束指令値Φcomを入力する構成であっても構わない。
また、電流制限値idmaxは、例えば、以下の算出式を用いて算出することができる。
まず、モータ1の1次電流I1は、励磁電流値idFBと、トルク電流値iqFBとにより、次式のように表すことができる。
Figure 0005084973
なお、トルク電流値iqFBは、トルク電流制御系によりトルク電流指令iqcomと同じ値になるように制御されるため、トルク電流値iqFBとトルク電流指令iqcomは同じ値になる。また、励磁電流値idFBも、励磁電流制御系により励磁電流指令idcomと同じ値になるように制御されるため、励磁電流値idFBと励磁電流指令idcomは同じ値になる。以上から上記(7)式を以下のように表すことができる。
Figure 0005084973
一方、モータ1の1次電流I1は、インバータ回路3からモータ1に供給される電流でもあるため、インバータ回路3がモータ1に供給可能な許容最大電流値Imaxにより、その値が決定される。結果として、電流制限値idmaxは、トルク電流指令iqcomと、インバータ回路3の許容最大電流値Imaxとにより、次式を用いて求めることができる。
Figure 0005084973
つぎに、応答帯域定数wの算出式について説明する。図4は、電流制限値idmaxと応答帯域定数wの関係を示す図である。この図4は、励磁電流制限器23に付与する電流制限値idmaxを設定した場合に、磁束Φがオーバーシュートしない磁束制御器13の応答帯域定数wをシミュレーションにて求めた値を示している。前述のように、電流制限値idmaxを大きくすれば、応答帯域定数wを大きくしても、磁束Φがオーバーシュートすることなく、磁束指令Φcomに対する磁束Φの追従を速くすることができる。
図4に示す関係から、応答帯域定数wは、励磁電流値idFBと、電流制限値idmaxとを用いて次式のように表すことができる。
Figure 0005084973
上記(10)式において、Aは傾き(電流制限値idmaxに対する応答帯域定数wの変化率)であり、Bは切片(励磁電流値idFBが電流制限値idmaxに一致するときの応答帯域定数wの値)である。
また、上記(5)式を用いると、上記(10)式は、次式のように表すことができる。
Figure 0005084973
応答帯域定数算出部25は、電流制限値idmaxと、モータ1を駆動の際に必要となる磁束Φ(ここでは、最大磁束Φmaxとする)とに基づき、(11)式に従って応答帯域定数wを算出し、算出した応答帯域定数wを出力する。
以上の説明のように、制御パラメータ変更値算出部16は、インバータ回路3の許容最大電流値Imaxと、トルク電流指令iqcomと、最大磁束Φmaxに基づいて、電流制限値idmaxと、応答帯域定数wを算出し、電流制限値算出部24の出力である電流制限値idmaxを含む制御信号を第1の制御信号として励磁電流制限器23に出力すると共に、応答帯域定数算出部25の出力である応答帯域定数wを含む制御信号を第2の制御信号として磁束制御器13に出力する。第1の制御信号に含まれる電流制限値idmaxは、励磁電流制限器23に入力され、励磁電流指令の出力制限値が電流制限値idmaxに設定される。また、第2の制御信号に含まれる応答帯域定数wは、磁束制御器13に入力され、磁束制御器13の応答帯域定数wcが応答帯域定数wとして設定される。
図5は、実施の形態1に係るモータ制御装置によって制御されるモータ1の特性を示す図であり、(a)は横軸を回転速度、縦軸を出力とした回転速度−出力特性であり、(b)は横軸を回転速度、縦軸をトルクとした回転速度−トルク特性を示している。誘導モータであるモータ1をベクトル制御する場合、一般的には、巻線抵抗やインダクタンス等のモータの電気的定数や、動力源となる電源電圧によって決まる上限電圧に達するまでの回転速度(モータ基底回転速度:ωb)までは定トルク駆動領域としてトルク一定で駆動を行う。一方、モータ1の回転速度が、上限電圧に達する回転速度、即ちモータ基底回転速度ωbを超えると、回転速度に反比例してトルクTを低減させ、出力一定での駆動を行う。なお、図5の図中に一部を示しているが、モータ1の特性を決めるパラメータは以下の通りである。
・モータの上限電圧によって決まるモータ基底回転速度:ωb
・モータ最高回転速度:ωmax
・モータ最大トルク:Tmax
・モータ最大出力:Pout
・負荷イナーシャ:Jm
また、モータ1の運転条件は、以下の通りとする。
・0〜ωmaxまでの加速運転とする。
・モータ駆動前は非励磁状態であり、初期磁束は0である。
・モータ駆動時直後に非励磁状態から励磁状態となるステップ状の磁束指令が入力される。
・摩擦負荷等の負荷トルクは0とする。
図6は、実施の形態1に係るモータ制御装置の効果を説明する図であり、実施の形態1のモータ制御装置において設けた磁束遅れ補償器として機能する制御パラメータ変更値算出部16を有する場合と有さない場合とを比較して示した図である。より詳細に説明すると、図6(a)は、横軸を時間、縦軸を回転速度とし、回転速度−時間特性を示す図であり(実線部:磁束遅れ補償器あり、破線部:磁束遅れ補償器なし)、図6(b)は、制御パラメータ変更値算出部16を付加していない場合の磁束指令Φcomに対する磁束Φの追従の速さを示す図であり、図6(c)は、制御パラメータ変更値算出部16を付加した場合の磁束指令Φcomに対する磁束Φの追従の速さを示す図である。
磁束遅れ補償器(制御パラメータ変更値算出部16)がある場合とない場合とを比較すると、図6(a)に示すように、磁束遅れ補償器を設けた場合では、モータ最高回転速度ωmaxに達する時間が短縮されていることが分かる。また、磁束遅れ補償器を設けない場合、図6(b)に示すように、磁束指令Φcomに対する磁束Φの追従性が低下しているのに対し、磁束遅れ補償器を設けた場合では、図6(c)に示すように、磁束指令Φcomに対する磁束Φの追従性は改善されている。定量的に見ると、例えば、ステップ状に変化する磁束指令Φcomが定常値になる所定時間t0において、磁束遅れ補償器を設けない場合の磁束偏差Φ1(図6(b))に対し、磁束遅れ補償器を設けた場合の磁束偏差Φ2(図6(c))は小さく(概略1/2以下)なっており、磁束Φの追従が速くなっていることが分かる。
このように、実施の形態1のモータ制御装置によれば、磁束遅れ補償器としての制御パラメータ変更値算出部16を設けることにより、磁束指令Φcomに対し、磁束Φがオーバーシュートすることなく、速やかに追従することができる。例えば定トルク駆動領域では、所定のトルクに速やかに到達させることができ、定出力駆動領域では、磁束指令通りに磁束を追従させることができている。また、定トルク駆動領域および定出力駆動領域の双方において、磁束指令Φcomに対する追従が速くなるので、回転速度の上昇が速やかに行われ、モータ最高回転速度ωmaxまでの加速時間も短縮することが可能となる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係るモータ制御装置の一構成例を示すブロック図である。図7において、制御パラメータ変更値算出部16の出力に、インバータ回路3のスイッチング素子を制御する際のスイッチング周波数を変更するための制御信号(第3の制御信号)SWが付加されていることを除き、実施の形態1に示すモータ制御装置と同一の構成である。なお、図1と図7の同一部分については、同一符号を付して示し、重複する内容は適宜省略した説明とする。
つぎに、実施の形態2に係る制御パラメータ変更値算出部16の細部について説明する。図8は、実施の形態2に係る制御パラメータ変更値算出部16の一構成例を示すブロック図である。実施の形態2に係る制御パラメータ変更値算出部16は、図2に示した実施の形態1の制御パラメータ変更値算出部16の構成において、許容最大電流値算出部26が追加され、この許容最大電流値算出部26から許容最大電流値Imaxが生成されて電流制限値算出部24に入力される構成であるのと共に、許容最大電流値算出部26から上述した第3の制御信号が生成されて外部に出力される構成である。なお、これらの構成以外は、実施の形態1に示す制御パラメータ変更値算出部16と同一の構成であり、図2と図8の同一部分については、同一符号を付して示し、重複する内容は適宜省略した説明とする。
つぎに、許容最大電流値算出部26について説明する。許容最大電流値算出部26は、インバータ回路3がモータ1に対し供給可能な許容最大電流値Imaxを算出して出力する機能を有する構成部である。
インバータ回路3のスイッチング素子は、スイッチング損失と導通損失があり、この2つの損失により、許容最大電流値Imaxを算出することができる。具体的に、インバータ回路3の総損失をWall、導通損失をWon、スイッチング損失をWswとするとき、総損失Wallは、導通損失Wonと、スイッチング損失Wswとにより次式のように表すことができる。
Figure 0005084973
ここで、導通損失Wonは、スイッチング素子がオンしているときに流れる電流値で決定される。いま、スイッチング素子がオンしているときのスイッチング素子コレクタ−エミッタ間電圧をVonとするとき、スイッチング素子に許容最大電流値Imaxが流れた場合の導通損失Wonは、次式のように表される。
Figure 0005084973
また、スイッチング損失Wswは、スイッチング素子がスイッチングオン動作やスイッチングオフ動作する際に発生する損失であり、1秒間あたりのスイッチング損失は、インバータ回路3のスイッチング周波数によって決定される。
スイッチング周波数がfswのときの1秒間あたりのスイッチング損失をWsw1とするとき、例えば、スイッチング周波数を1/2にしたときの1秒間あたりのスイッチング損失Wsw2は、次式で表される。
Figure 0005084973
上記(14)式の意味するところは、スイッチング周波数を1/2にすれば、スイッチング損失Wswを1/2にできるということである。スイッチング損失Wswが小さくなれば、上記(12)式から明らかなように、総損失Wallが小さくなる。一方、総損失Wallを一定とすれば、スイッチング損失Wswを低減させた分、導通損失Wonを大きくできるので、インバータ回路3に流す電流を大きくすることができる。
許容最大電流値算出部26は、インバータ回路3のスイッチング周波数fswに基づき、インバータ回路3の総損失Wallを算出後、インバータ回路3の許容最大電流値Imaxを算出して、電流制限値算出部24に入力する。
また、許容最大電流値算出部26は、磁束指令Φcomに対し、磁束Φが立ち上がるまでは、スイッチング周波数を、本来のスイッチング周波数よりも低値のスイッチング周波数(例えば1/2)に変更する制御信号SWを生成する。この制御信号SWは、インバータ回路制御信号生成部12に入力され、スイッチング周波数fswが、より低値のスイッチング周波数fsw1に変更される。スイッチング周波数fswを小さくすると、インバータ回路3の総損失Wallは小さくなるので、インバータ回路3の許容最大電流値Imaxを大きくすることが可能となる。磁束指令Φcomに磁束Φが追従できたならば、変更したスイッチング周波数fsw1を本来のスイッチング周波数fswに戻す制御を行う。
図3からも理解できるように、励磁電流値idFBが最も必要となるのは、磁束立ち上がり時である。このため、追従後に、励磁電流値idFBが極度に大きくなることはない。よって、励磁電流制限器23の電流制限値は、本来のスイッチング周波数に基づく電流制限値idmaxに戻す制御を行う。ただし、磁束制御器13の応答帯域定数は戻す必要はなく、応答性は高いままに維持することができる。
また、実施の形態2のモータ制御装置において、図8に示す制御パラメータ変更値算出部16を付加した場合、実施の形態1のモータ制御装置に比して、励磁電流制限器23の電流制限値をさらに大きく設定することができるため、応答帯域定数wをさらに大きく設定することが可能となる。これにより、磁束指令Φcomに対する磁束Φの追従をさらに速くすることが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3では、インバータ回路3に具備されるスイッチング素子について説明する。インバータ回路3に用いられるスイッチング素子としては、珪素(Si)を素材とする半導体スイッチング素子(IGBT、MOSFETなど、以下「Si−SW」と略記)が一般的である。上記実施の形態1,2で説明した技術は、この一般的なSi−SWを用いて構成することができる。
一方、上記実施の形態1の技術は、このSi−SWに限定されるものではない。この珪素(Si)に代え、近年注目されている炭化珪素(SiC)を素材とする半導体スイッチング素子(以下「SiC−SW」と略記)を上述したインバータ回路3のスイッチング素子として用いることも無論可能である。
前述したように、インバータ回路3の損失は、スイッチング損失と導通損失が主となるが、スイッチング素子としてSiC−SWを用いれば、スイッチング損失を大幅に低減することが可能となる。このため、スイッチング損失の低減分を導通損失の増加分に振り向けることができ、インバータ回路3に流す電流を大きくすることができる。また、インバータ回路3に流す電流を大きくできるので、励磁電流制限器23に付与する電流制限値idmaxを更に増加させることができ、磁束制御器13に付与する応答帯域定数wを大きく設定することができる。このように、インバータ回路3のスイッチング素子としてSiC−SWを用いることにより、磁束制御系の応答帯域を大きくすることができ、磁束指令Φcomに対する磁束Φの追従をさらに速くすることが可能となる。
なお、SiCは、Siよりもバンドギャップが大きいという特性を捉えて、ワイドバンドギャップ半導体と称される半導体の一例である(これに対し、Siは、ナローバンドギャップ半導体と称される)。このSiC以外にも、例えば窒化ガリウム系材料または、ダイヤモンドを用いて形成される半導体もワイドバンドギャップ半導体に属しており、それらの特性も炭化珪素に類似した点が多い。したがって、炭化珪素以外の他のワイドバンドギャップ半導体を用いる構成も、本発明の要旨を成すものである。
また、このようなワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、スイッチング素子の小型化が可能であり、これら小型化されたスイッチング素子を用いることにより、これらの素子を組み込んだ半導体モジュールの小型化が可能となる。
また、ワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子は、耐熱性も高いため、ヒートシンク等の冷却機構を必要とするスイッチング素子の場合、冷却機構の小型化が可能となり、スイッチング素子モジュールの更なる小型化が可能になる。
以上のように、本発明は、磁束指令に対する磁束の追従を速くし、加速性能および制御性能の向上を可能とするモータ制御装置として有用である。
1 モータ
2 検出器
3 インバータ回路
4 キャパシタ
5 電流検出部
6,7 座標変換部
8 磁束推定部
9 すべり速度算出部
10 励磁電流制御器
11 トルク電流制御器
12 インバータ回路制御信号生成部
13 磁束制御器
14 速度制御器
15 積分器
16 制御パラメータ変更値算出部
17,18,20,21 減算器
19 加算器
22 トルク電流制限器
23 励磁電流制限器
24 電流制限値算出部
25 応答帯域定数算出部
26 許容最大電流値算出部
50 モータ制御装置

Claims (10)

  1. インバータ回路によって駆動されるモータに流出入する1次電流をトルク電流と励磁電流に分けてそれぞれを個別に制御するモータ制御装置において、
    前記モータに流れる1次電流を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器で検出された1次電流をトルク電流値および励磁電流値に変換する変換手段と、
    前記励磁電流値に基づいて磁束推定値を推定する磁束推定部と、
    入力される磁束偏差に基づいて励磁電流指令を算出する磁束制御器と、
    前記磁束制御器が出力する前記励磁電流指令の出力値を制限する励磁電流制限器と、
    前記励磁電流制限器の出力と前記励磁電流値とにより生成された励磁電流偏差に基づき、前記インバータ回路のスイッチング素子を制御するための電圧指令を生成する励磁電流制御器と、
    前記励磁電流制限器が出力する励磁電流指令の出力制限値を変更する第1の制御信号と、前記第1の制御信号の大きさに応じて前記磁束制御器のゲインの大きさを決める応答帯域定数を変更する第2の制御信号とを生成可能に構成される制御パラメータ変更値算出部と、
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記制御パラメータ変更値算出部は、
    前記インバータ回路の許容最大電流値と、トルク電流値またはトルク電流指令に基づいて、前記励磁電流制限器の電流制限値を算出する電流制限値算出部と、
    前記電流制限値と、前記モータで必要となる所定の磁束または磁束指令に基づいて、前記磁束制御器のゲインの大きさを決定する応答帯域定数を算出する応答帯域定数算出部と、
    を備え、
    前記算出した電流制限値を前記第1の制御信号として前記励磁電流制限器に出力すると共に、前記算出した応答帯域定数を前記第2の制御信号として前記磁束制御器に出力することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御パラメータ変更値算出部は、前記第1および第2の制御信号に加え、前記インバータ回路のスイッチング素子を制御するスイッチング周波数を変更する第3の制御信号を生成可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御パラメータ変更値算出部は、
    入力されたスイッチング周波数をより低値のスイッチング周波数に変更し、変更後のスイッチング周波数に基づいて前記インバータ回路の許容最大電流値を算出する許容最大電流値算出部と、
    前記許容最大電流値と、トルク電流値またはトルク電流指令に基づいて、前記励磁電流制限器の電流制限値を算出する電流制限値算出部と、
    前記電流制限値と、前記モータを駆動するために必要となる磁束または磁束指令値に基づいて、前記磁束制御器のゲインの大きさを決定する応答帯域定数を算出する応答帯域定数算出部と、
    を備え、
    前記算出した電流制限値を前記第1の制御信号として前記励磁電流制限器に出力し、前記算出した応答帯域定数を前記第2の制御信号として前記磁束制御器に出力すると共に、前記変更後のスイッチング周波数を前記第3の制御信号として出力することを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記応答帯域定数算出部は、磁束指令に追従する磁束がオーバーシュートしないように前記応答帯域定数を算出することを特徴とする請求項2または4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記許容最大電流値算出部は、前記スイッチング周波数に基づいて前記インバータ回路の総損失を算出すると共に、算出した総損失に基づいて前記許容最大電流値を算出することを特徴とする請求項4に記載のモータ制御装置。
  7. 前記制御パラメータ変更値算出部は、前記磁束指令に対し、磁束の立ち上がり時には前記スイッチング周波数を本来のスイッチング周波数よりも低値に設定し、前記磁束の立ち上がり後においては、前記スイッチング周波数を、前記本来のスイッチング周波数に戻すことを特徴とする請求項3、4または6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記制御パラメータ変更値算出部は、前記磁束指令に対し、前記磁束が追従した後は、前記スイッチング周波数を前記本来のスイッチング周波数に戻す一方で、前記応答帯域定数は前記スイッチング周波数を低値に設定した状態で算出したときの応答帯域定数を維持することを特徴する請求項4または7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体にて形成されることを特徴とする請求項1または3に記載のモータ制御装置。
  10. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料または、ダイヤモンドを用いた半導体であることを特徴とする請求項9に記載のモータ制御装置。
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