JP2008109719A - 電力変換器の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機電流を理論上、制限し得ない状況においても、確実に制限可能として電力変換器の電流定格を必要以上に増加させず、その小形化、低コスト化を可能にする。
【解決手段】回転座標系の出力電圧指令値に従って電力変換器10の半導体スイッチング素子に対する駆動信号を生成する制御装置において、交流電動機20の電流検出値、電動機20の電流制限値及び電動機定数等を用いて、出力電圧指令値の回転座標系の各軸成分に対する電圧補正値を演算する電圧調整手段50を備え、この電圧調整手段50は、電動機20の電流検出値が電流制限値を超えた場合に、電力変換器10の出力電圧ベクトルが電動機20の誘導電圧ベクトルに近付くように各軸成分に対する電圧補正値を演算し、この電圧補正値を用いて元の出力電圧指令値を補正することにより、電動機電流を電流制限値以下に制限する。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電動機を可変速駆動するための電力変換器の制御装置に関し、詳しくは、電動機電流を所定値以下に抑制するための制御装置に関するものである。
一般に電力変換器を用いて電動機を可変速駆動する場合、いかなる状況が生じたとしても、電力変換器は極力運転を継続することがユーザーから望まれている。ところが、電動機を急加減速させる場合や負荷の急変時には、電力変換器に過大な電流が流れることとなるため、これを見込んで電力変換器の電流定格を増加させる必要が生じ、装置の高コスト化、高体積化を招くという問題が生じる。
この問題を解決するため、従来では、例えば特許文献1に記載されている方法を用いて電動機電流の増加を抑制している。
以下に、特許文献1に記載された従来技術を説明する。
図8は、上記文献に記載されている電圧形PWMインバータの電流制限を行うためのブロック図である。図において、301は直流電源、302はトランジスタTr〜Tr及び環流ダイオードD〜Dからなる三相電圧形PWMインバータ、IMは負荷としての三相誘導電動機を示している。
上記インバータ302では、周知のV/f(電圧/周波数)一定制御が行われている。すなわち、周波数設定器307により設定された周波数設定値に基づいて、電圧指令値演算回路308によりインバータ302の出力電圧指令値が生成される。この電圧指令値は各相(U,V,W相)のPWMパターン発生回路309〜311に入力され、加減算器309b及びコンパレータ309cによりキャリア波形312と比較されて各相の上下アームのトランジスタに対するPWM信号が生成される。なお、309dは符号反転器である。
上記PWM信号に従ってトランジスタTr〜Trを駆動することにより、インバータ302の出力電圧がその指令値に一致するような制御が行われている。
ここで、インバータ302の出力電流は以下のようにして制限される。
インバータ302の各相出力電流は電流検出器303により検出され、電流制限値に相当する不感帯を持つ係数器304〜306によって前記電流制限値を超える偏差分がその極性と共に検出される。この偏差分は、各相のPWMパターン発生回路309〜311内の加減算器309aに入力され、出力電圧指令値に対するオフセットとして作用することにより、出力電圧指令値が補正される。
例えば、各相の電流が正(インバータ302から電動機IMの方向へ流れる向きとする)の制限値を超えた場合には、係数器304〜306を介した負のオフセットにより出力電圧指令値が補正され、正の電流を減少させる方向に制御が働いて当該相の上アームのトランジスタをオフさせることにより電流を減少させる。逆に、各相の電流が負の制限値を超えた場合には、係数器304〜306を介した正のオフセットにより出力電圧指令値が補正され、負の電流を減少させる方向に制御が働いて当該相の下アームのトランジスタをオフさせることにより電流を減少させる。
従来では、このようにして電動機電流を制限する方法が採られていた。
特開昭62−123965号公報(第2頁右下欄第19行〜第3頁右下欄第10行、第1図〜第3図等)
しかしながら、上述した方法によると、電動機IMの誘起電圧ベクトルの属する領域によっては電流を制限できない場合が生じる。以下、このことを図9〜図11を参照しつつ説明する。
まず、図9は三相電圧形インバータの等価回路であり、出力側のU,V,W各相の上アームのスイッチング素子がオンしている状態を“1”、下アームのスイッチング素子がオンしている状態を“0”として、これらのスイッチングパターンS,S,Sの選択をスイッチにより表してある。
例えば、U相の上アームのスイッチング素子がオン、V相、W相の下アームのスイッチング素子がオンである場合、スイッチングパターン(S)は(100)となる。なお、図9において、C,Cは図8における直流電源301としての分圧用コンデンサである。
図10は、インバータによる電動機の駆動回路を等価的に示したものであり、Vはインバータの出力電圧ベクトル、eは電動機の誘起電圧ベクトル、Lは電動機の漏れインダクタンス、iはインバータの出力電流ベクトルである。この図10から、電流ベクトルiの時間変化率di/dt(ベクトル量である)は数式1により表すことができる。
[数式1]
di/dt=(V−e)/L
いま、インバータのスイッチングパターン(S)は、(000),(001),(010),(011),(100),(101),(110),(111)というように8通りあり、各パターンに応じた出力電圧ベクトルV〜Vは図11のようになる。この図11には、誘起電圧ベクトルe、出力電流ベクトルi、電流ベクトルiの時間変化率ベクトルdi/dtの一例も図示してある。
なお、図11においてI,II,III,IVは出力電圧ベクトルVが属する座標上の領域である。
出力電圧ベクトルVがV(スイッチングパターン(100))であるとき、図11に示すように誘起電圧ベクトルeがIIIの領域にある場合を考えてみる。この状態でu相電流iが電流制限値を超えたとすると、従来ではu相の上アームのトランジスタをオフ、下アームのトランジスタをオンにするべく、出力電圧ベクトルVをスイッチングパターン(000)による零電圧ベクトルVとするため、電流ベクトルiの時間変化率ベクトルdi/dtは、前述した数式1によって誘起電圧ベクトルeに対し逆向きとなる。
しかし、上記時間変化率ベクトルdi/dtは、図11のようにu相電流iの正方向成分を有しているので、出力電流ベクトルiはu相電流方向に増加することになり、結果として電流制限がかからず、インバータの電流定格を増加せざるを得ないといった問題が生じる。
そこで、本発明の解決課題は、電動機電流を理論上、制限し得ない状況においても、電流を確実に制限として電力変換器の電流定格を必要以上に増加させることを不要とし、電力変換器の小形化、低コスト化を可能にした電力変換器の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、交流電動機を可変速駆動するための電力変換器の制御装置であって、回転座標系の出力電圧指令値に従って前記電力変換器の半導体スイッチング素子に対する駆動信号を生成する制御装置において、
前記電動機の電流検出値、前記電動機の電流制限値、及び電動機定数等を用いて、前記出力電圧指令値の各軸成分に対する電圧補正値を演算する電圧調整手段を備え、
前記電圧調整手段は、前記電流検出値が前記電流制限値を超えた場合に、前記電力変換器の出力電圧ベクトルが前記電動機の誘起電圧ベクトルに近付くように各軸成分に対する前記電圧補正値を演算し、
これらの電圧補正値を用いて元の出力電圧指令値の各軸成分を補正することにより、前記電動機の電流を前記電流制限値以下に制限するものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、前記電圧調整手段は、前記電流制限値と前記電流検出値との偏差から、補正する電圧ベクトルの大きさを決定する手段と、前記電流検出値の回転座標系の各軸成分及び電動機定数等を用いた演算により、前記出力電圧ベクトルが前記誘起電圧ベクトルに近付くように、補正する電圧ベクトルの角度を決定する手段と、前記補正する電圧ベクトルの大きさ及び角度を用いて、元の出力電圧指令値の各軸成分に加算される電圧補正値の各軸成分を求める手段と、を備えたものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載した電力変換器の制御装置において、前記補正する電圧ベクトルの角度を決定する手段として、更に、前記電流検出値の回転座標系の各軸成分が入力される微分演算手段またはハイパスフィルタを備え、前記微分演算手段またはハイパスフィルタの出力を前記角度の調整に用いるものである。
請求項4に係る発明は、請求項2に記載した電力変換器の制御装置において、前記補正する電圧ベクトルの角度を決定する手段として、更に、前記電流制限値と前記電流検出値との偏差が入力される微分演算手段またはハイパスフィルタを備え、前記微分演算手段またはハイパスフィルタの出力を前記角度の調整に用いるものである。
請求項5に係る発明は、請求項2,3または4に記載した電力変換器の制御装置において、前記電流制限値と前記電流検出値との偏差、前記微分演算手段の出力またはハイパスフィルタの出力のうち少なくとも一つの上限値を制限する手段を備えたものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載した電力変換器の制御装置において、前記電流検出値の回転座標系の各軸成分を電流検出値の大きさで規格化する手段を備え、この手段の出力を用いて前記補正する電圧ベクトルの各軸成分を求めるものである。
本発明によれば、電動機の電流検出値、電流制限値、及び電動機定数等を用いて、電力変換器の出力電圧ベクトルが電動機の誘起電圧ベクトルに近付くように各軸成分に対する電圧補正値を演算し、これらの電圧補正値を用いて元の出力電圧指令値の各軸成分を補正することにより、電動機電流を理論上、制限し得ない状況においても、電動機電流を確実に電流制限値以下に制限することができる。
このため、電力変換器の電流定格を必要以上に増加させることがなくなり、電力変換器の小型化、低コスト化を図ることができる。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は本発明の実施形態を示すブロック図であり、請求項1に係る発明に相当する。なお、この図ではインバータ等の電力変換器10と誘導電動機等の交流電動機20を含むシステム全体の構成を示している。また、電動機20の制御方法としては、出力電圧とその周波数との比を一定に保つことにより、電動機20の主磁束の大きさを一定にして可変速駆動する一般的なV/f一定制御を用いている。
図1において、一次周波数指令値(電動機20の速度指令値)f に応じて、F/V変換手段30により、一次周波数に応じた回転座標系のq軸電圧指令値v が生成される。ここで、q軸は一次磁束に平行なd軸に直交しており、d軸,q軸はd−q回転座標を構成するものである。なお、d軸電圧指令値v は常に0となっている。
F/V変換手段30により得られたq軸電圧指令値v は、一次周波数指令値f を積分手段40により積分して得た角度指令値θ を用いて、座標変換手段80により静止座標系の三相交流電圧指令値v ,v ,v に座標変換される。
上記電圧指令値v ,v ,v は、PWMパルス発生手段90により、電力変換器10を構成する電力用半導体スイッチング素子のオンオフ指令に変換される。電力変換器10は、上記オンオフ指令に基づいて所定のスイッチング素子をオンオフすることにより、直流入力端子P,Nの直流電圧を三相交流電圧に変換して電動機20に供給する。
このとき、回転座標上の電圧方程式は、電動機20の各軸の誘起電圧をe,eとすれば、数式2によって表される。
Figure 2008109719
なお、数式2において、pは微分演算子、Rは電動機20の固定子巻線抵抗、また、電動機20が誘導電動機であれば、ωは一次角周波数であり、Lσ=L−M/L,L=M+l,L=M+l、Mは固定子,回転子(一次二次巻線間)の相互インダクタンス、l,lはそれぞれ固定子、回転子(一次、二次巻線)の漏れインダクタンスを示している。
ここで、定常状態における回転座標上の電圧,電流ベクトル図は、図2のようになる。
さて、これまで説明したようなV/f一定制御により電力変換器10が電動機20を運転している定常状態において、例えば、電動機20の負荷が変化して過負荷電流が流れようとする場合を想定する。
この時、電動機電流の大きさを制限するためには、電力変換器10の出力電圧ベクトルVが電動機20の誘起電圧ベクトルeに近付くようにその大きさ及び位相を調整すれば、図2から明らかなようにi,iを減少させることができ、電動機電流の増加を抑制することができる。
ここで、数式2や図2のベクトル図からわかるように、電動機の回転数や磁束が判っていなくとも、電力変換器10が出力した電圧v,vと電動機20に流入した電流i,iから誘起電圧e,eを推測することができる。
本発明は、この点に着目してなされたものであり、図1の電圧調整手段50において、電流検出手段60及び座標変換手段70を介して検出した各軸電流i,iのベクトル和である電流iの大きさが予め設定した電流制限値Ilim を超えた場合には、上記電流i,iや電流制限値Ilim 等に応じて生成した電圧補正値により回転座標系の各軸電圧指令値v ,v を操作し、電力変換器10の出力電圧ベクトルVの大きさ及び位相を調整することにより、電動機電流iを制限値Ilim 以下の所望の値となるように調整するものである。
次に、図3は前記電圧調整手段50の第1実施例であり、図1における破線部分(電流を制限するための制御ブロック)に相当する。なお、図3では、電圧調整手段を符号50Aとして示してある。この実施例は、請求項2に係る発明に相当する。
この実施例では、電動機電流iが制限値Ilim を超えた場合に、元の出力電圧指令値v ,v に電圧補正値(ベクトル)Δv,Δvをそれぞれ加算することにより、電力変換器10の出力電圧の大きさと位相を調整して電流を制限値Ilim 以下に制御する。
すなわち、まず、電流iの大きさIを数式3によって計算する。この計算は、図3における乗算手段501,502、加減算手段503、平方根演算手段504により行う。
[数式3]
I=√(i +i
一方、前述した数式2の微分項を無視して定常状態のみを考慮し、検出電流i,iそれぞれに、Rに相当するゲインKとωσに相当するゲインKとを乗じ、それらを加減算手段506,508によって加減算する。
また、電流制限値Ilim と数式3によって求めた電流の大きさIとの差ΔIを加減算手段505により求め、この差ΔIに電流制御系の調節要素となるゲインKを乗じたKΔIと、加減算手段506,508の出力とを乗算手段507,509により乗算し、各軸成分の電圧補正値Δv,Δvをそれぞれ求める。
これらの電圧補正値Δv,Δvを加減算手段51d,51qにおいて元の出力電圧指令値v ,v に加算することにより、電流を制限するための出力電圧指令値v **,v **を得る。
以上のような動作により、電力変換器10の出力電圧ベクトルVを電動機20の誘起電圧ベクトルeに近付けることができる理由は以下の通りである。
図3において、加減算手段506の出力は(R−ωσ)であり、これは、数式2によれば(v−e)に等しい。また、加減算手段508の出力は(R+ωσ)であり、これは、数式2によれば(v−e)に等しい。これらの(v−e),(v−e)は電圧補正値のd軸成分、q軸成分であるから、電圧補正値の位相(方向)を決定する要素となる。更に、乗算手段507,509においてKΔIを(v−e),(v−e)に乗算することにより、電圧補正値の大きさが決定される。
電流の大きさIが制限値Ilim よりも大きくなるとKΔIが負の値になり、乗算手段507,509から出力される電圧補正値Δv(=KΔI(v−e)),同Δv(=KΔI(v−e))におけるv成分、v成分は負に、e成分、e成分は正になる。これらの電圧補正値Δv,Δvが加減算手段51d,51qにおいて電圧指令値v ,v に加算されるので、その加算結果は、前述した電流の差ΔIが大きいほどe成分、e成分が支配的になり、最終的な出力電圧指令値v **,v **に追従する出力電圧ベクトルVは誘起電圧ベクトルeの方向に近付いていくこととなる。
このようにして、電圧調整手段50Aによって電力変換器10の出力電圧ベクトルVを誘起電圧ベクトルeの方向に近付ける制御を行うことにより、結果的に電流の大きさIが制限値Ilim を超えないように調整することが可能となる。
次に、図4は第2実施例に係る電圧調整手段50Bのブロック図であり、請求項3に係る発明に相当する。
この実施例が第1実施例(図3)と異なるのは、各軸電流i,iに対して関数G(s)による演算を行った結果も加減算手段510,511を介して電圧補正値Δv,Δvの算出に用いている点であり、これ以外の基本的な構成及び動作は第1実施例と同様である。
上記関数G(s)は数式2の微分項に相当するものであり、数式4のごとく純粋に微分を行ってもよいし、数式5のごとくハイパスフィルタで代用してもよい。なお、数式4,5において、sはラプラス演算子、K数式2のLσに相当するゲイン、Tは積分定数である。
[数式4]
G(s)=sK
Figure 2008109719
特に、電流制限の開始時点は、電流の時間に対する変化が大きいことが多く、図3の第1実施例では数式2の微分項を無視して定常状態のみを考慮しているため、電流制限開始時に電流の大きさIが制限値Ilim を超過するおそれがある。
このような問題に対し、第2実施例のように関数G(s)を用いて数式2の微分項も考慮することで、電流変化の過渡状態にも対応できるようになり、電流が急峻に変化する場合にも出力電圧ベクトルVを誘起電圧ベクトルeに高速に接近させる結果、電流の大きさIを制限値Ilim に抑制することが可能となる。
次に、図5は第3実施例に係る電圧調整手段50Cのブロック図であり、請求項4に係る発明に相当する。
この第3実施例では、制限値Ilim と電流の大きさIとの差ΔIに対して関数G(s)による演算を行った結果を乗算手段512,513により各軸電流i,iに乗算し、その結果も加減算手段510,511を介して電圧補正値Δv,Δvの算出に用いており、これ以外の基本的な構成及び動作は前述した各実施例と同様である。
なお、上記関数G(s)は、前記同様に数式4のように純粋に微分を行ってもよいし、数式5のようにハイパスフィルタで代用してもよい。
上記のようにこの第3実施例は、電流の差ΔIに着目してこれが急峻に変化した場合にも、出力電圧ベクトルを誘起電圧ベクトルに高速に接近させる結果、電流制限を可能にするものである。
次いで、図6は第4実施例に係る電圧調整手段50Dのブロック図であり、請求項5に係る発明に相当する。
この実施例は、図5の第3実施例における関数G(s)の後段とゲインKの前段にリミッタ514,515をそれぞれ設けたものであり、その他の構成は第3実施例と同様である。なお、上記リミッタ514,515は、その出力の上限値が0に制限される上限リミッタとしての機能を有している。
前述した第1実施例〜第3実施例では、電流の大きさIが制限値Ilim を超過した場合に電流の大きさIを制限するものであるが、一旦、電流の大きさIが制限値Ilim を超過して電流制限が行われると、その後に電流の大きさIが制限値Ilim を下回ったとしても、電流の大きさIが永続的に制限値Ilim に制御されることになる。
すなわち、無駄な電流制限動作を回避して定常状態に復帰させるためには、電流の大きさIが制限値Ilim を超えたか否かの判断や、その判断結果に応じた電流制限制御の必要性の判断等を常に行わなくてはならない。
そこで、図6に示す第4実施例は上記の問題を解決するためのものであり、リミッタ514によって関数G(s)の出力の上限値を0で制限すると共に、リミッタ515によって制限値Ilim と電流の大きさIとの差ΔIの上限値を0で制限することとしている。
これにより、電流の大きさIが制限値Ilim を下回った場合には電圧補正値Δv,Δvが0になるため、元の電圧指令値v ,v は補正されなくなり、自動的に定常状態に復帰する。換言すれば、電流制限値Ilim と電流の大きさIとの差ΔIの上限値、及び、関数G(s)の出力の上限値を0で制限することにより、電流の大きさIが制限値Ilim を超えたか否かの判断や電流制限制御の必要性の判断が不要となり、電流の大きさIが制限値Ilim を上回れば自動的に電流を抑制し、下回れば自動的に電流抑制を停止することができる。
なお、上記リミッタ514,515は、何れか一方だけ設けても良い。これは、次の第5実施例についても同様である。
次に、図7は第5実施例に係る電圧調整手段50Eのブロック図であり、請求項6に係る発明に相当する。
この実施例は、図6の第4実施例における各軸電流i,iの入力経路に除算手段516,517を設け、i,iを電流の大きさIにより除算した値を用いて電圧補正値Δv,Δvを計算するようにしたものであり、その他の構成は第4実施例と同様である。
電力変換器の電流制限値Ilim は、用途によって変更される場合があるが、この場合、前述した第1実施例〜第4実施例の電圧調整手段50A〜50Dでは、制限値Ilim が変更されるとゲインKもそれに伴って変更しなくてはならず、ゲインKを設定し直す必要が生じる。
この点に鑑み、第5実施例では、各軸電流i,iをそれぞれ電流の大きさIにより除算して規格化し、その値を用いて電圧補正値Δv,Δvを計算するようにしている。これにより、各軸電流i,iの大きさは制限値Ilim の大きさに依存することなく規格化されるため、ゲインKの再設定を行う必要がなくなるという利点がある。
本発明の実施形態を示すブロック図である。 実施形態の定常状態における回転座標上の電圧,電流ベクトル図である。 電圧調整手段の第1実施例を示す構成図である。 電圧調整手段の第2実施例を示す構成図である。 電圧調整手段の第3実施例を示す構成図である。 電圧調整手段の第4実施例を示す構成図である。 電圧調整手段の第5実施例を示す構成図である。 従来技術を示すブロック図である。 三相電圧形インバータの等価回路図である。 インバータによる電動機駆動回路の等価回路図である。 インバータのスイッチングパターンに応じた出力電圧のベクトル図である。
符号の説明
10:電力変換器
20:交流電動機
30:F/V変換手段
40:積分手段
50,50A〜50E:電圧調整手段
51d,51q:加減算手段
501,502:乗算手段
503,505,506,508,510,511:加減算手段
504:平方根演算手段
507,509,512,513:乗算手段
514,515:リミッタ
516,517:除算手段
60:電流検出手段
70,80:座標変換手段
90:PWMパルス発生手段

Claims (6)

  1. 交流電動機を可変速駆動するための電力変換器の制御装置であって、回転座標系の出力電圧指令値に従って前記電力変換器の半導体スイッチング素子に対する駆動信号を生成する制御装置において、
    前記電動機の電流検出値、前記電動機の電流制限値、及び電動機定数等を用いて、前記出力電圧指令値の各軸成分に対する電圧補正値を演算する電圧調整手段を備え、
    前記電圧調整手段は、
    前記電流検出値が前記電流制限値を超えた場合に、前記電力変換器の出力電圧ベクトルが前記電動機の誘起電圧ベクトルに近付くように各軸成分に対する前記電圧補正値を演算し、
    これらの電圧補正値を用いて元の出力電圧指令値の各軸成分を補正することにより、前記電動機の電流を前記電流制限値以下に制限することを特徴とする電力変換器の制御装置。
  2. 請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、
    前記電圧調整手段は、
    前記電流制限値と前記電流検出値との偏差から、補正する電圧ベクトルの大きさを決定する手段と、
    前記電流検出値の回転座標系の各軸成分及び電動機定数等を用いた演算により、前記出力電圧ベクトルが前記誘起電圧ベクトルに近付くように、補正する電圧ベクトルの角度を決定する手段と、
    前記補正する電圧ベクトルの大きさ及び角度を用いて、元の出力電圧指令値の各軸成分に加算される電圧補正値の各軸成分を求める手段と、
    を備えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  3. 請求項2に記載した電力変換器の制御装置において、
    前記補正する電圧ベクトルの角度を決定する手段として、更に、前記電流検出値の回転座標系の各軸成分が入力される微分演算手段またはハイパスフィルタを備え、
    前記微分演算手段またはハイパスフィルタの出力を前記角度の調整に用いることを特徴とする電力変換器の制御装置。
  4. 請求項2に記載した電力変換器の制御装置において、
    前記補正する電圧ベクトルの角度を決定する手段として、更に、前記電流制限値と前記電流検出値との偏差が入力される微分演算手段またはハイパスフィルタを備え、
    前記微分演算手段またはハイパスフィルタの出力を前記角度の調整に用いることを特徴とする電力変換器の制御装置。
  5. 請求項2,3または4に記載した電力変換器の制御装置において、
    前記電流制限値と前記電流検出値との偏差、前記微分演算手段の出力またはハイパスフィルタの出力のうち少なくとも一つの上限値を制限する手段を備えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載した電力変換器の制御装置において、
    前記電流検出値の回転座標系の各軸成分を電流検出値の大きさで規格化する手段を備え、この手段の出力を用いて前記補正する電圧ベクトルの各軸成分を求めることを特徴とする電力変換器の制御装置。
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