JP2011166121A - ヒートスプレッダの縁部封止方法 - Google Patents

Abstract

【課題】ヒートスプレッダの周縁の封止縁の密封性を高め、製品の歩留まりを改善するとともに、製造コストを低減するヒートスプレッダの縁部封止方法を提供する。
【解決手段】まず、周辺が折曲げられて延在している第１の折曲げ縁を有する第１のカバープレートと、周辺が折曲げられて延在している第２の折曲げ縁を有する第２のカバープレートとを準備し、そして支持構造と毛細管構造とを準備して、支持構造と毛細管構造とを第１のカバープレートと第２のカバープレートとの間に設けて、続いて、第２のカバープレートを第１のカバープレートの上に覆合して、第２の折曲げ縁を第１の折曲げ縁に重ね、続いて、第１の折曲げ縁を折曲げて、前記第２の折曲げ縁を覆い、最後に、圧着工具を準備して、圧着工具で第１の折曲げ縁を圧着して、第１の折曲げ縁および第２の折曲げ縁を密着接合する。これにより、ヒートスプレッダの封止箇所が密封性を備え、ヒートスプレッダの製造工程の歩留まりを改善するとともにコストを低減する。
【選択図】図１

Description

本発明はヒートスプレッダに関し、特にヒートスプレッダの縁部封止方法に関する。

従来のヒートスプレッダは主に中空プレートと、前記プレート内に設けられている毛細管組織と、前記プレート内部に連通している封入パイプとを備えており、前記中空プレートは分割される二枚のカバープレートからなり、前記二枚のカバープレートの外周縁は封止縁となって、前記二枚のカバープレートを覆合するとともに、前記二枚のカバープレートの内壁面に毛細管組織を取り付けた後、さらにこれら封止縁を封止して、また別に封入パイプを前記二枚のカバープレートの注入口に挿入することで、前記封入パイプで作動液の注入およびエア抜きなどの作業を行うことができるようになる。

従来は、ヒートスプレッダの接合縁では溶接作業で接合箇所を封止する。まず前記二枚のカバープレートの封止縁の上、下を位置合わせした後、溶接封止する。また、ヒートスプレッダ内部には、プレートの内部で回流循環して作動するとともに、しかも相変化により熱を伝達する作動液が充填されており、ヒートスプレッダの内部は常に熱膨張、収縮の変化にさらされているので、ヒートスプレッダの封止縁の密封性は特に重要となってくる。このため、歩留まりを改善するためにも、前記封止縁の溶接作業における加工品質の要求も相対的に上がってくるわけであるが、上記のようなことがヒートスプレッダのコストが高止まりになっている主因となっている。

これに鑑みて、本発明者は上記不足を改善し解決すべく、特に学理の運用を潜心研究し組み合わせることで、設計的に合理的で、しかも上記した不足を改善できる本発明を発明した。

本発明の目的は、ヒートスプレッダの周縁の封止縁の密封性を高めるヒートスプレッダの縁部封止方法を提供するところにある。

本発明の他の目的は、製品の歩留まりを改善するとともに、製造コストを低減するヒートスプレッダの縁部封止方法を提供するところにある。

上記目的を達成するために、本発明はヒートスプレッダの縁部封止方法であって、ａ）周辺が折曲げられて延在している第１の折曲げ縁を有する第１のカバープレートと、周辺が折曲げられて延在している第２の折曲げ縁を有する第２のカバープレートとを準備する工程と、ｂ） 支持構造と毛細管構造とを準備して、当該支持構造と当該毛細管構造とを前記第１のカバープレートと第２のカバープレートとの間に設ける工程と、ｃ）前記工程ｄ）の後に、前記第２のカバープレートを前記第１のカバープレートの上に覆合して、前記第２の折曲げ縁を前記第１の折曲げ縁に重ねる工程と、ｄ）前記工程ｃ）の後に、前記第１の折曲げ縁を折曲げて、前記第２の折曲げ縁を覆う工程と、ｅ）前記工程ｄ）の後に、圧着工具を準備して、当該圧着工具で前記第１の折曲げ縁を圧着して、前記第１の折曲げ縁および前記第２の折曲げ縁を密着接合する工程と、を含む。

従来技術に比べて、本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法は、その第１のカバープレートの第１の折曲げ縁の長さが第２のカバープレートの第２の折曲げ縁の長さよりも長く、第２のカバープレートが第１のカバープレートに覆合した後、第１の折曲げ縁を折曲げて第１の折曲げ縁が第２の折曲げ縁の上面を覆うことができ、さらには圧着工具で第１の折曲げ縁および第２の折曲げ縁とを圧着して両者を密着結合するものであり、第１のカバープレートと第２のカバープレートとの接合箇所が優れた密封性を備えるため、ヒートスプレッダ内に収容されたガスまたは液体は第１の折曲げ縁および第２の折曲げ縁の接合箇所から漏れにくくなるため、封止縁部の溶接品質が特に要求されることはなくなり、製品の製造工程の歩留まりを改善するとともに、相対的に製造コストを低減して、本発明の実用性および経済性を高めることができる。

本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の工程フローチャートである。 本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の立体分解図である。 本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の組み立て概略図である。 本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の組み立て断面図である。 図４におけるＡ部分の拡大図である。 本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の接合概略図一である。 本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の接合概略図二である。 本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の接合概略図三である。 本発明のヒートスプレッダの立体外観概略図である。 図７における８−８線の断面図である。 本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の第２の実施例である。 本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の第３の実施例である。

本発明の詳細な説明および技術内容に関して、図面を合わせて以下のとおり説明するが、別紙の図面は単に参考および説明用に止まり、本発明を限定するためのものではない。

それぞれ本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法のフローチャートおよび立体分解図である図１および図２を参照されたい。まず、周辺が折曲げられて延在している第１の折曲げ縁１１を有する第１のカバープレート１０と、周辺がまた折曲げられて延在している第２の折曲げ縁２１を有する第２のカバープレート２０とを準備する（工程Ｓ１）。このうち、前記第１の折曲げ縁１１の長さが前記第２の折曲げ縁２１の長さよりも長く、しかも前記第２のカバープレート２０は封入パイプ２２を備えているものであって、本実施例において、前記第１のカバープレート１０および第２のカバープレート２０は四角形板であるが、実際の実施時には、円形などのその他の形態として設計してもよい。

さらに、支持構造３０および毛細管構造４０を準備して、当該支持構造３０および当該毛細管構造４０を前記第１のカバープレート１０と前記第２のカバープレート２０との間に設ける（工程Ｓ２）。前記毛細管構造４０は前記第１のカバープレート１０および前記第２のカバープレート２０の内部に配設されており、前記支持構造３０は前記毛細管構造４０を前記第１のカバープレート１０および第２のカバープレート２０の内壁に当接するように支持している。本実施例において、前記支持構造３０はプレートであって、前記プレートの上には複数の凹凸部３１が成型され、そして複数の貫通穴３２が設けられており、当該複数の貫通穴３２は前記複数の凹凸部３１の間にそれぞれ形成されるとともに、前記複数の凹凸部３１は一部分が前記プレートの一方の板面に向かって突出し、他方の部分は前記プレートの他方の板面に向かって突出している。

それぞれ本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の組み立て概略図、組み立て断面図および一部拡大図である図３ないし図５を同時に参照されたい。前記第２のカバープレート２０を前記第１のカバープレート１０の上に覆合して（工程Ｓ３）、前記第１のカバープレート１０および前記第２のカバープレート２０を互いに覆合して中空プレートを形成するものであり、前記第２のカバープレート２０上の封入パイプ２２は前記中空プレートの内部に連通すると同時に、前記第２のカバープレート２０の第２の折曲げ縁２１は前記第２のカバープレート２０は前記第２のカバープレート２０の第１の折曲げ縁１１上に重ねられて、第１の折曲げ縁１１の一部が折曲げられて前記第２の折曲げ縁２１の外側に密着する。

それぞれ本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の接合概略である図６Ａないし図６Ｃを参照されたい。続いて、前記第１の折曲げ縁１１を折曲げて、前記第２の折曲げ縁２１を覆う（工程Ｓ４）。さらに、圧着工具（図示しない）を準備して、当該圧着工具で、折曲げた後の第１の折曲げ縁１１を圧着して、前記第１の折曲げ縁１１および前記第２の折曲げ縁２１を密着接合する（工程Ｓ５）。また、前記第１の折曲げ縁１１と前記第２の折曲げ縁２１との接合箇所の密着性を強化するために、前記第１の折曲げ縁１１と前記第２の折曲げ縁２１との接合箇所に溶接材料５０を設けて、溶接作業を施して当該溶接材料５０が溶融した後には、当該溶接材料５０が前記第１の折曲げ縁１１と前記第２の折曲げ縁２１とを密着接合するようにしてもよい。

また、それぞれ本発明のヒートスプレッダの立体外観概略図およびその断面図である図７および図８を参照されたい。上記工程が順次完了した後には、作動液６０を準備して、当該作動液６０を前記封入パイプ２２から前記中空プレート内部に注入して、続けてエア抜き、パイプの封止などの作業を行うことで、本発明のヒートスプレッダ１の組付けが完成する。

それぞれ本発明のヒートスプレッダの縁部封止方法の他の二つの実施例である図９および図１０を参照されたい。この二つの実施例は第１の実施例と概ね同じであるが、以下のような相違点がある。図９において、前記第２の折曲げ縁２１の一方の側には凹部２１０が設けられており、工程Ｓ５において、前記圧着工具で前記第１の折曲げ縁１１を圧着した後、前記第１の折曲げ縁１１における前記第２の折曲げ縁２１の凹部２１０に対応する位置に凸部１１０が形成されて、互いに係合固定することで、前記第１の折曲げ縁１１および前記第２の折曲げ縁２１に優れた接合性をもたらしている。また、図１０において、前記第２の折曲げ縁２１の対向する二つの側には凹部２１０、２１１がそれぞれ設けられ、工程Ｓ５において、前記圧着工具で圧着した後、同様に、前記第１の折曲げ縁１１の二つの側において第２の折曲げ縁２１の凹部２１０、２１１に対応する位置に凸部１１０、１１１がそれぞれ形成されて、互いに係合固定する。

以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の特許範囲を限定するためのものではなく、本発明の技術的思想を運用したその他の等価的な変化は、いずれも本発明の特許の範囲に含まれるものである。

１ ヒートスプレッダ
１０ 第１のカバープレート
１１ 第１の折曲げ縁
１１０、１１１ 凸部
２０ 第２のカバープレート
２１ 第２の折曲げ縁
２１０、２１１ 凹部
２２ 封入パイプ
３０ 支持構造
３１ 凹凸部
３２ 貫通穴
４０ 毛細管構造
５０ 溶接材料
６０ 作動液
Ｓ１〜Ｓ５ 工程

Claims (5)

1. ヒートスプレッダの縁部封止方法であって、
   ａ）周辺が折曲げられて延在している第１の折曲げ縁を有する第１のカバープレートと、周辺が折曲げられて延在している第２の折曲げ縁を有する第２のカバープレートとを準備する工程と、
   ｂ） 支持構造と毛細管構造とを準備して、当該支持構造と当該毛細管構造とを前記第１のカバープレートと第２のカバープレートとの間に設ける工程と、
   ｃ）前記工程ｄ）の後に、前記第２のカバープレートを前記第１のカバープレートの上に覆合して、前記第２の折曲げ縁を前記第１の折曲げ縁に重ねる工程と、
   ｄ）前記工程ｃ）の後に、前記第１の折曲げ縁を折曲げて、前記第２の折曲げ縁を覆う工程と、
   ｅ）前記工程ｄ）の後に、圧着工具を準備して、当該圧着工具で前記第１の折曲げ縁を圧着して、前記第１の折曲げ縁および前記第２の折曲げ縁を密着接合する工程と、を含むことを特徴とするヒートスプレッダの縁部封止方法。
2. 前記工程ａ）において、前記第１の折曲げ縁の長さが前記第２の折曲げ縁の長さよりも長いことを特徴とする請求項１に記載のヒートスプレッダの縁部封止方法。
3. 前記工程ｅ）の後に、前記第１の折曲げ縁と前記第２の折曲げ縁との接合箇所に溶接作業を施す工程ｆ）を更に含むことを特徴とする請求項１に記載のヒートスプレッダの縁部封止方法。
4. 前記第２の折曲げ縁の一方の側には凹部が設けられており、前記工程ｅ）において、前記圧着工具で圧着した後、前記第１の折曲げ縁における前記第２の折曲げ縁の凹部に対応する位置に凸部が形成されて、互いに係合固定することを特徴とする請求項１に記載のヒートスプレッダの縁部封止方法。
5. 前記第２の折曲げ縁の対向する二つの側には凹部がそれぞれ設けられ、前記工程ｅ）において、前記圧着工具で圧着した後、前記第１の折曲げ縁の二つの側において第２の折曲げ縁の凹部に対応する位置に凸部がそれぞれ形成されて、互いに係合固定することを特徴とする請求項１に記載のヒートスプレッダの縁部封止方法。