JP2011165523A - 周囲発光型ボタン装置及び電子機器 - Google Patents

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    • G02B6/4298Coupling light guides with opto-electronic elements coupling with non-coherent light sources and/or radiation detectors, e.g. lamps, incandescent bulbs, scintillation chambers

Abstract

【課題】周囲発光型ボタン装置において、ボタン周囲をムラなく綺麗に発光させることができるとともに、ボタンキャップとボタンベースを嵌合し易く、かつ、嵌合後に外れ難い構造を提供する。
【解決手段】透光性のボタンベースと、非透光性のボタンキャップとが嵌合した周囲発光型ボタン装置が提供される。前記ボタンキャップは、キャップ本体と、前記キャップ本体の背面から延設される一対の腕部の先端に形成された一対の係止爪を含む。前記ボタンベースは、ボタン前面側から背面側にかけて延びる筒形状を有し、前記ボタンベースの背面側に配置された発光素子からの光をボタン前面側の端部に導く導光部と、前記ボタンキャップの前記キャップ本体の外周を取り囲むようにして当該キャップ本体と嵌合する嵌合部と、前記導光部の内側に設けられ前記一対の係止爪が挿入される挿入孔を有する係合部と、前記挿入孔の内面に突出形成された三角錐状のリブを含む。
【選択図】図12

Description

本発明は、ボタンの周囲が発光する周囲発光型ボタン装置及び電子機器に関する。
各種の電子機器の操作パネルに設けられる操作ボタンは、例えば、電源ボタン、録画ボタン、再生ボタンなど、種々の操作用途で利用される。近年では、ユーザが操作ボタンを押下したときに、該ボタンの周囲が発光するタイプの操作ボタンも普及している。例えば、ユーザが録画機器に設けられた録画ボタンを押下したときに、該録画ボタンの周囲が特定色に発光することで、該録画機器が録画動作中であることをユーザに分かり易く提示できる。
かかる周囲発光型ボタンは、製造の容易さ及びコストの観点から、非透光性のボタンキャップと、該ボタンキャップの周囲を囲むように成形された透光性のボタンベースとを結合し、該ボタンベースの背面側に発光素子を設ける構造であることが好ましい。かかるボタン構造によれば、発光素子からの光がボタンベース内部を透過してボタン前面に到達し、ボタンキャップの周囲が発光する。
上記ボタンキャップとボタンベースのように、異種材料で形成された2つの部品を結合する方法としては、係止爪を用いた嵌合構造が知られている。例えば、特許文献1には、一方の部品に、先端に係止爪が形成された一対の腕部を設け、当該腕部を他方の部品に設けられた挿入孔に差し込むことによって、係止爪によって両部品を嵌合させる構造が開示されている。
特開2000−106059号公報
ところが、上記特許文献1に記載のように、単純に一方の部品の係止爪を他方の部品の挿入孔に挿入する嵌合構造では、一対の腕部が外力により相互に接近したときに挿入孔から抜けやすいため、両部品が外れてしまうことがあった。この係止爪の抜けを防止するために、腕部に対して垂直に張り出すような鋭角的な係止爪を用いる方法もあるが、該係止爪を具備するボタンキャップを成型するためには、スライド構造を有する複雑な金型が必要となってしまう。また、上記係止爪の抜けを防止するために、挿入孔に挿入された一対の腕部の間にスペーサを装着する方法も考えられるが、この方法では、追加部品であるスペーサの装着作業が別途必要となり、ボタンベースとボタンキャップの嵌合作業が複雑かつ煩雑となる。
さらに、上記特許文献1の嵌合構造では、大きな係止爪を具備した一対の腕部を、狭い挿入孔に挿通し難いため、ボタンキャップとボタンベースの嵌合が困難であった。従って、ボタンキャップの係止爪をボタンベースの挿入孔に容易に挿入でき、かつ、挿入後には係止爪が挿入孔から外れ難い嵌合構造が希求されていた。
ところで、上記周囲発光型ボタンでは、ボタン周囲の発光部が、ムラ無く綺麗に発光することが要求される。しかし、ボタンキャップとボタンベースの嵌合構造が不適切な構造であると、該構造によりボタンベース内部における光の透過が阻害され、ボタンキャップの周囲の発光部に発光ムラが生じ、綺麗な形状(例えばリング状)で発光しなくなる。従って、ボタン周囲の発光を阻害しないように、ボタンキャップとボタンベースを適切に嵌合することが可能な嵌合構造も希求されていた。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、周囲発光型ボタン装置において、ボタン周囲をムラなく綺麗に発光させることができるとともに、ボタンキャップとボタンベースを嵌合し易く、かつ、嵌合後に外れ難い嵌合構造を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、透光性材料で一体形成されたボタンベースと、非透光性材料で一体形成され、前記ボタンベースに嵌合するボタンキャップと、を備え、前記ボタンキャップは、キャップ本体と、前記キャップ本体の背面から相互に間隔を空けて延設される一対の腕部と、前記一対の腕部の先端に形成された一対の係止爪と、を含み、前記ボタンベースは、ボタン前面側からの押圧力に応じて、前記ボタンベースの背面側に配置されたスイッチを押圧する方向に移動可能な可動部と、前記可動部を前記方向に移動可能に支持する支持部と、を含み、前記ボタンベースの前記可動部は、前記ボタンベースの背面側に配置された発光素子からの光をボタン前面側の端部に導く導光部と、前記導光部のボタン前面側に形成され、前記ボタンキャップの前記キャップ本体の外周を取り囲むようにして当該キャップ本体と嵌合する嵌合部と、前記導光部の内側に設けられ、前記ボタンキャップの前記一対の係止爪が挿入される挿入孔を有し、前記挿入孔に挿入された前記一対の係止爪と係合する係合部と、前記挿入孔の内面に突出形成され、前記挿入孔に挿入される前記一対の係止爪にそれぞれ対応する位置に配置される一対の傾斜面を有する三角錐状のリブと、を含む、周囲発光型ボタン装置が提供される。
前記一対の係止爪を前記挿入孔に挿入するときには、当該一対の係止爪は、前記リブの前記一対の傾斜面にそれぞれ当接することによって、前記一対の傾斜面に沿って捻れ、前記挿入孔に挿入された前記一対の係止爪が前記係合部と係合したときには、前記一対の係止爪又は前記一対の腕部の間に前記リブが挟み込まれるようにしてもよい。
前記キャップ本体は円板状であり、前記導光部は、ボタン前面側から背面側にかけて延び、前記発光素子の光軸を中心軸とする筒形状であるようにしてもよい。
前記導光部の内周面に、前記発光素子と対向するテーパ状の入射面が形成されるようにしてもよい。
前記ボタンキャップは、前記係止爪に対応するアンダーカット部を備えた金型を用いて成型されるようにしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上述した周囲発光型ボタン装置と、前記周囲発光型ボタン装置が操作されることによって発せられる信号に基づいて、所定の動作を行う制御部と、を備える、電子機器が提供される。
上記構成により、ボタンキャップとボタンベースを嵌合させるときに、ボタンキャップのキャップ本体がボタンベースの嵌合部と嵌合して、該キャップ本体の周囲が嵌合部により囲まれ、また、ボタンキャップの一対の係止爪がボタンベースの挿入孔に挿入されて、挿入孔の周囲の係合部と係合する。この挿入時には、挿入孔内のリブに沿って一対の係止爪が変形するため、係止爪を挿入孔に容易に挿入することができる。また、係合後は、一対の係止爪の間に挟み込まれたリブは、該係止爪の内側への撓みを抑制するので、係止爪か挿入孔から抜け難くなる。さらに、発光素子が発した光は、ボタンベースの筒状の導光部内を透過して、該導光部のボタン前面側の端部にある発光部(キャップ本体の外周を囲む嵌合部)に導かれるので、該発光部に多くの光を均等に導光できる。
以上説明したように本発明によれば、周囲発光型ボタン装置において、ボタン周囲をムラなく綺麗に発光させることができるとともに、ボタンキャップとボタンベースを嵌合し易く、かつ、嵌合後に外れ難い嵌合構造を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る周囲発光型ボタン装置を備えた電子機器を示す外観図である。 同実施形態にかかるボタンキャップを示す正面図A、底面図B及び背面図Cである。 同実施形態に係るボタンベースを示す上面図A、正面図B及びI−I線での縦断面図Cである。 同実施形態に係るボタンベースの可動部の可動状態を示す縦断面図である。 同実施形態に係るボタンベースを示す斜視図である。 同実施形態に係るボタンキャップと嵌合したボタンベースを示す斜視図である。 同実施形態に係る嵌合前のボタンキャップとボタンベースを示す水平断面図である。 同実施形態に係る嵌合後のボタンキャップとボタンベースを示す水平断面図である。 同実施形態に係る三角錐状のリブが形成された挿入孔と係止爪を示す斜視図である。 同実施形態に係る挿入孔に挿入される係止爪がリブにより捻れた状態を示す模式図である。 同実施形態に係る挿入孔に挿入される係止爪の変形状態を示す状態遷移図である。 同実施形態に係るボタンベースの導光部を示す水平断面図である。 同実施形態に係る導光部(図の右側の断面)と、比較例1に係る導光部(図の左側の断面)を示す水平断面図である。 比較例2に係るボタンベースの導光部の嵌合構造を示す水平断面図である。 比較例3に係るボタンベースの導光部の嵌合構造を示す水平断面図である。 比較例に係るスライド機構を有する金型を用いた成型方法(A)を示す説明図であり 同実施形態に係るスライド機構を有さない金型を用いた成型方法(B)を示す説明図である。 比較例に係る成型方法(A)により成型されたボタンキャップの嵌合構造を概略的に示す正面図Aと断面図Bであり 同実施形態に係る成型方法(B)により成型されたボタンキャップの嵌合構造を概略的に示す正面図Aと断面図Bである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.周囲発光型ボタンの概要
2.ボタンキャップとボタンベースの構成
3.ボタンキャップとボタンベースの嵌合構造
4.ボタン周囲の発光構造
5.ボタンキャップとボタンベースの成型方法
6.まとめ
[1.周囲発光型ボタンの概要]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る周囲発光型ボタン装置の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る周囲発光型ボタン装置を備えた電子機器を示す外観図である。
図1に示すように、本実施形態に係る周囲発光型ボタン装置は、電子機器1に設けられる操作ボタン2として使用される。操作ボタン2は、例えば、電子機器1の前面パネル3上に設けられており、ユーザは、操作ボタン2を押下することで、電子機器1に対して各種の指示を入力できる。なお、図1の電子機器1において、前面パネル3は操作パネルに相当する。電子機器1は、電子機器1内の各部を制御する制御部5を備えており、該制御部5は、配線6を介して操作ボタン2に接続されている。ユーザにより操作ボタン2が操作されると、操作ボタン2は、所定の入力信号を生成して制御部2に出力する。制御部5は、該入力信号に基づいて、所定の動作(例えば、電子機器1の各部を制御する動作)を実行する。
図示の例では、操作ボタン2が搭載される電子機器1は、映像/音声コンテンツデータを再生及び出力するホームシアター装置であり、操作ボタン2は、ユーザが記録媒体にコンテンツデータを記録する操作を行うための録音又は録画ボタンとして機能する。ユーザは、該録音又は録画ボタンとしての操作ボタン2を押下することで、ホームシアター装置に録音又は録画の開始/終了を指示することができる。かかる操作ボタン2に対する操作に応じて、制御部5は、ホームシアター装置内の記録部(図示せず。)を制御して、コンテンツデータを記録媒体に記録させる。図1の拡大図に示すように、ホームシアター装置による録画中には、該操作ボタン2の周囲に設けられたリング状の発光部4が発光する。かかるボタン周囲の発光部4が発光することにより、ホームシアター装置が録音又は録画動作中であることをユーザに分かり易く提示できる。
以上のように、本実施形態に係る操作ボタン2は、周囲発光型ボタン装置で構成されており、所定機能の操作スイッチとしてユーザ操作を受け付ける機能のみならず、ボタン周囲の発光部4の発光により、電子機器1の動作状態をユーザに提示する機能も有する。以下に、本実施形態に係る周囲発光型ボタン装置である操作ボタン2の構成について詳述する。
なお、周囲発光型ボタン装置が設けられる電子機器は、上記ホームシアター装置以外にも、例えば、映像又は音声等の記録再生装置(例えば、ブルーレイディスク/DVDレコーダ)、テレビジョン受像器、システムステレオ装置、撮像装置(例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ)、携帯端末(例えば、携帯端末、携帯型音楽/映像プレーヤ、系チア型ゲーム機、ICレコーダ)、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、カーナビゲーション装置、デジタルフォトフレーム、家庭電化製品、自動販売機、ATM、キオスク端末など、操作ボタンを備える任意の電子機器に適用できる。また、周囲発光型ボタン装置は、上記録音又は録画ボタンのみならず、例えば、電源ボタン、再生ボタン、巻き戻し/早送りボタン、ボリューム調整ボタン、入力切り替えボタン、シャッタボタンなど、各種の操作ボタンに適用できる。
[2.ボタンキャップとボタンベースの構成]
次に、図2〜図5を参照して、本実施形態に係る操作ボタン2(周囲発光型ボタン装置)を構成するボタンキャップ10とボタンベース20の構成について説明する。図2は、本実施形態に係るボタンキャップ10を示す正面図A、底面図B及び背面図Cである。図3は、本実施形態に係るボタンベース20を示す上面図A、正面図B及びI−I線での縦断面図Cである。図4は、本実施形態に係るボタンベース20の可動部21の可動状態を示す縦断面図である。図5は、本実施形態に係るボタンベース20を示す斜視図である。
上記操作ボタン2は、相互に嵌合されるボタンキャップ10及びボタンベース20と、ボタンベース20の背面側に配置されるスイッチ30及び発光素子40(図4参照。)とを備える。ボタンキャップ10とボタンベース20という2つの部品を相互に嵌合することで、操作ボタン2の操作部が構成される。このうち、ボタンキャップ10は、操作ボタン2の前面側に配置されて外部に露出し(図1参照。)、一方、ボタンベース20は、操作ボタン2の背面側に配置され、電子機器1内に埋設される。以下、ボタンキャップ10とボタンベース20の構成について詳述する。
なお、以下の説明において、ボタン前面とは、操作ボタン2の前面(電子機器1の前面パネル3上で外部に対して露出する面)を意味し、ボタン背面とは、操作ボタン2の背面(電子機器1の内部に埋没する側の面)を意味する。また、ボタン前後方向とは、ボタン前面及び背面に対して垂直な方向(つまり、ユーザがボタンを押圧する方向)を意味する。
まず、図2を参照してボタンキャップ10の構成について詳述する。図2に示すように、ボタンキャップ10は、操作ボタン2の前面側に配置されるキャップ部材であり、操作ボタン2の前面を覆う。ボタンキャップ10は、有色の非透光性材料(例えば、プラスチックなどの合成樹脂)で一体成形されている。このため、後述の発光素子40(図4参照。)が発した光は、非透光性のボタンキャップ10の内部を透過しない。該ボタンキャップ10は、キャップ本体11と、キャップ本体11の背面側に延設された一対の腕部12、12と、各腕部12の先端に形成された係止爪13と、キャップ本体11の背面側に突出形成された係止突起14とを備える。
キャップ本体11は、ボタン前面側に露出する部分であって、ユーザが指で操作ボタン2を押下するときに触れる部分である。キャップ本体11は、周囲発光型ボタン装置の意匠性を高めるために設けられる。キャップ本体11は、例えば円板状の部材からなり、キャップ本体11の直径は、ユーザが押下する操作ボタン2として適切な大きさに調整されている。図2Aに示すように、キャップ本体11の前面111(ボタン前面)は、鏡面加工された平坦面である。また、図2Bに示すように、キャップ本体11の外周面112は、前面111側から背面113側に向けて縮径するテーパ面となっている。キャップ本体11の背面113には、一対の腕部12、12及び係止突起14が突出形成されている。該キャップ本体11は、ボタンベース20のボタン前面側に陥没形成された嵌合部28(図3参照。)に嵌合する。
腕部12は、係止爪13を支持する機能を有する。一対の腕部12、12は、キャップ本体11の背面113の中央部から、キャップ本体11の板面に対して略垂直な方向(即ち、ボタン背面方向)に延設されており、相互に略平行である。該一対の腕部12、12は、キャップ本体11の中心軸114を中心として左右対称な形状となっており、所定間隔を空けて相互に対向配置される。腕部12の基部側は、例えば矩形断面の帯状部材であり、一方、腕部12の先端には係止爪13が突出形成されている。腕部12は、その材質により、ある程度、弾性変形することが可能である。従って、一対の腕部12、12は、外力により相互に接近又は離隔可能である。
係止爪13は、ボタンベース20にボタンキャップ10を係合する機能を有する。上記一対の腕部12の先端から外側に向けて、一対の係止爪13、13が突出形成されている。係止爪13の垂直断面(中心軸114に対して平行な断面)は略三角形状であり、垂直断面(中心軸114に対して垂直な断面)は略矩形状である。該一対の係止爪13、13は、ボタンキャップ10をボタンベース20に嵌合したときに、ボタンベース20の挿入孔50(図3参照。)に挿入され、ボタンベース20を係止する。なお、図示の例の係止爪13は、腕部12の外側に向けて突出した三角状の突起であるが、その他にも、例えば、半円状、半楕円状、台形状等の突起であってもよい。
係止突起14は、ボタンキャップ10がボタンベース20に対して回転することを防止する機能と、ボタンキャップ10が上下反転してボタンベース20に装着されることを防止する機能を有する。係止突起14は、キャップ本体11の背面113の端部から、キャップ本体11の板面に対して略垂直な方向に突出形成されている。該係止突起14は、ボタンキャップ10をボタンベース20に嵌合したときに、ボタンベース20の凹部283(図3参照。)に嵌合する。これにより、ボタンキャップ10がボタンベース20に対して回転することを防止できる。
なお、図2には、本実施形態に係るボタンキャップ10の各部の寸法も示してある。例えば、腕部12の長さX=4mmとした。ボタンキャップ10は、後述する射出成形用金型で成型されるが、該金型は抜き勾配を設けなければならないので、腕部12は先端に向かうほど細くなる。腕部12の先端が細くなるほど、係止爪13の強度が低下するため、腕部12が図示の形状である場合には、X=4mmが適切であった。
また、例えば、キャップ本体11の厚みt=2.2mm、腕部12の根元の厚みY=0.8mmとした。腕部12の根元を太くすると、該腕部12の裏側のキャップ本体11の前面111(体裁面)にヒケ(成型不良症状)が発生するので、Y≦t/2であることが好ましい。本実施形態に係るボタンキャップ10の前面111は高光沢面であり、通常よりもヒケは目立ち易いため、Y=0.8mmとした。
次に、図3〜図5を参照してボタンベース20の構成について詳述する。図3〜図5に示すように、ボタンベース20は、操作ボタン2の基台として機能し、電子機器1の内部に埋設される。ボタンベース20は、透明又は半透明の透光性材料(例えば、プラスチックなどの合成樹脂)で一体成形されている。このため、後述の発光素子40(図4参照。)が発した光は、透光性のボタンベース20の内部を透過する。
ボタンベース20は、大別すると、上記ボタンキャップ10と嵌合する可動部21と、可動部21を移動可能に支持する支持フレーム22と、可動部21と支持フレーム22を連結する連結部23とから構成される。
可動部21は、ボタン押圧力に応じてボタン背面方向に移動して、ボタンベース20の背面側に配置されたスイッチ30(図4参照。)を押圧する機能を有する。可動部21は、矩形枠状の支持フレーム22の内側に配置されており、該支持フレーム22により、当該スイッチ30を押圧する方向(即ち、ボタン前面及び背面方向)に移動可能に支持されている。
支持フレーム22は、可動部21を移動可能に支持する支持部として機能する。支持フレーム22は、電子機器1の本体に固定され、連結部23を介して可動部21を支持する。支持フレーム22は、中空矩形のフレームであり、可動部21の周囲を取り囲むようにして配置される。連結部23は、可動部21の上端に例えば2箇所設けられ、可動部21と支持フレーム22とを連結する。上述したようにボタンベース20は、合成樹脂等の材料で一体形成されているため、連結部23はある程度は弾性変形可能である。従って、該連結部23の弾性変形によって、可動部21は支持フレーム22に対して相対移動する。
ここで、図4を参照して、可動部21によりスイッチ30を押下する動作について詳述する。図4に示すように、ボタンベース20の背面側の中央には、発光素子40が配置され、ボタンベース20の背面側の下部には、スイッチ30が配置される。ボタンベース20の可動部21の下端には、ボタン背面方向に突出する突出部24が設けられており、上記スイッチ30は、該突出部24に対向配置される。
図4Aに示すように、ユーザが指で操作ボタン2を押下すると、ボタンベース20の可動部21は、ユーザによる押圧力により、ボタン背面方向に押圧される。すると、図4Bに示すように、当該押圧力に応じて連結部23が弾性変形することにより、可動部21は、連結部23を支点としてボタン背面方向に所定角度だけ回動して、支持フレーム22に対してボタン背面方向に相対移動する。これにより、可動部21の下部の突出部24が、ボタン背面側に移動して、スイッチ30を押下する。この結果、スイッチ30が作動して、電子機器1の制御部に対して、操作ボタン2に対応する入力信号(例えば、録音又は録画開始指示信号)を送信する。
また、ユーザが操作ボタン2から指を離し、上記押圧力が開放されると、可動部21は、連結部23を支点としてボタン前面方向に回動して、図4Bの位置から図4Aの位置に戻る。以上のように、ボタンベース20の可動部21は、操作ボタン2の押下に応じて、ボタン背面方向に回動してスイッチ30を押下し、操作ボタン2の押下が停止されると、連結部23を支点としてボタン前面方向に回動してスイッチ30から離隔する。かかる可動部21の移動により、操作ボタン2のスイッチ30をオン/オフすることができる。
引き続き、図3〜図5を参照して、ボタンベース20の可動部21の各部について詳述する。図3〜図5に示すように、ボタンベース20の可動部21は、上記突出部24と、導光部25と、キャップ係合部26と、支持板27と、嵌合部28とを備える。
導光部25は、ボタン前面側から背面側にかけて延びる筒形状であって、後述する発光素子40の光軸41を中心として周方向に対称な筒形状を有する部材である。例えば、導光部25の筒形状は、発光素子40の光軸41を中心軸254とする略円筒形状である。しかし、導光部25の筒形状は、上記の円筒形状に限定されず、例えば、四角筒形状、三角筒形状、楕円筒形状、テーパ状の筒形状など、任意の断面形状の筒であってもよい。この導光部25は、矩形平板状の支持板27により支持されており、操作ボタン2が押下されないときは、導光部25の中心軸254は、ボタン前後方向に対して平行である。かかる導光部25は、ボタンベース20の背面側(ボタン背面側)に設けられた発光素子40が発光した光を、導光部25のボタン前面側の端部(図1の発光部4に相当する。)に導く機能を有する。発光部4は、導光部25のボタン前面側の端部である。この導光部25による導光及び発光機能の詳細は後述する。
また、導光部25は、上記ボタンキャップ10のキャップ本体11と嵌合する嵌合部28を備える。嵌合部28は、導光部25のボタン前面側の端部に陥没形成された凹部である。上記導光部25のボタン前面側の端部の内周面に段差を設けることで、嵌合部28が形成される。嵌合部28の内径は、キャップ本体11の外径と略同一である。かかる嵌合部28にキャップ本体11を嵌合したときには、嵌合部28の円筒状の外周壁282は、キャップ本体11の外周を取り囲む。かかる嵌合部28の外周壁282のボタン前面側の端部は、上記導光部25のボタン前面側の端部(発光部4)に相当する。また、嵌合部28の内周テーパ面281は、ボタン前面側からボタン背面側に向かって縮径するテーパ面となっている。このため、嵌合部28にキャップ本体11を嵌合したときには、嵌合部28の内周テーパ面281は、上記キャップ本体11の外周面112と隙間無く密着する。さらに、嵌合部28の一側には、ボタンキャップ10の係止突起14と嵌合する凹部283が陥没形成されている。
係合部26は、ボタンベース20に嵌合されたボタンキャップ10と係合して、該ボタンキャップ10をボタンベース20に固定する機能を有する。係合部26は、上記円筒状の導光部25内の中空部に設けられ、当該中空部内におけるボタン前後方向の中央付近に配置される。係合部26は、ボタン前面側に突出したカップ形状を有し、円形の底部262と、その周囲にある円筒状の外周壁263からなる。該係合部26の外周縁261は、外周壁263のボタン背面側の端部であり、該外周縁261は、導光部25の内周面に結合される。このように、可動部21は、円筒状の導光部25と係合部26の外周壁263とからなる二重円筒構造を具備している。
また、該カップ形状の係合部26の底部262には、上記ボタンキャップ10の2つの腕部12、12を挿入するための挿入孔50が形成されている。挿入孔50は、係合部26の底部262をボタン前後方向に貫通する矩形状の貫通孔である。該挿入孔50には上記ボタンキャップ10の腕部12、12が挿入される。係合部26は、該挿入孔50に挿入された腕部12、12の係止爪13、13と係合することによって、ボタンキャップ10をボタンベース20に固定する。
さらに、上記矩形状の挿入孔50の内面には、三角錐状のリブ60が突出形成されている。このリブ60は、挿入孔50への係止爪13、13の挿入を補助するとともに、挿入孔50からの係止爪13、13の離脱を防止する機能を有する。このリブ60の詳細については後述する。
[3.ボタンキャップとボタンベースの嵌合構造]
次に、図5〜図8を参照して、上述したボタンキャップ10とボタンベース20の嵌合構造について詳述する。なお、図6は、本実施形態に係るボタンキャップ10と嵌合したボタンベース20を示す斜視図である。図7、図8は、本実施形態に係る嵌合前後のボタンキャップ10とボタンベース20を示す水平断面図である。
図5及び図7は、ボタンキャップ10をボタンベース20に嵌合する前の状態を示し、図6及び図8は、ボタンキャップ10をボタンベース20に嵌合した後の状態を示す。これらの図5〜8に示すように、ボタンキャップ10は、ボタンベース20の前面側からボタンベース20に嵌合される。このとき、ボタンキャップ10のキャップ本体11は、ボタンベース20の円筒状の導光部25のボタン前面側の端部に形成された嵌合部28に嵌合し、ボタンキャップ10の腕部12、12は、ボタンベース20の係合部26に形成された挿入孔50に挿入される。
図6及び図8に示すように、キャップ本体11を嵌合部28に嵌合したときには、嵌合部28の円筒状の外周壁282が、キャップ本体11の周囲を取り囲むに配置される。そして、キャップ本体11の前面111と、ボタンベース20の導光部25のボタン前面側の端面(即ち、嵌合部28の外周壁282の端面)とは面一となる。このようにして、ボタンキャップ10のキャップ本体11の外周をボタンベース20の導光部25で囲むことにより、キャップ本体11の周囲にリング状の発光部4を配置できる。
また、図8に示すように、腕部12、12の先端の係止爪13、13が挿入孔50に挿入された後には、該係止爪13、13は、挿入孔50周辺の係合部26と係合する。このとき、双方の係止爪13、13の係止面131、131が、挿入孔50周辺にある係合部26の背面部分と当接し、該係止爪13、13が係合部26を係止する。これにより、腕部12、12が挿入孔50から抜けないようになる。このように、ボタンキャップ10をボタンベース20に嵌合したときには、挿入孔50に挿入された係止爪13、13がボタンベース20の係合部26を係止するので、ボタンキャップ10がボタンベース20に固定される。
次に、図7〜図10を参照して、本実施形態に係る挿入孔50に形成される三角錐状のリブ60を用いて、挿入孔50に係止爪13、13を挿入する方法について説明する。なお、図9は、本実施形態に係る三角錐状のリブ60が形成された挿入孔50と係止爪13、13を示す斜視図である。図10は、本実施形態に係る挿入孔50に挿入される係止爪13、13がリブ60により捻れた状態を示す模式図である。
図7〜図9に示すように、挿入孔50は、縦断面が矩形状の開口(幅W及び高さH)であり、上記一対の係止爪13、13を同時に挿入可能な幅Wと高さHを有する。挿入孔50の高さHは、係止爪13の高さh1よりも大きいので(例えば、H=2.2mm、h1=1.7mm)、挿入孔50に係止爪13を挿入できる。また、挿入孔50の幅Wは、一対の係止爪13、13を同時に挿入可能であり、かつ、挿入孔50に挿入された係止爪13、13が簡単に抜けないような幅に調整されている。具体的には、挿入孔50の幅Wは、係止爪13の最大厚みd1の2倍よりも若干大きく(W>2*d1)、かつ、係止爪13が係合部26を十分に係止できるように、該挿入孔50の幅Wは、一対の腕部12、12の外側面121、121間の幅d2と同程度若しくは若干大きい(W≧d2)。例えば、W=3.2mm、d1=1.2mm、d2=2.8mmである。これにより、挿入孔50に一対の係止爪13、13を同時に挿通可能となり、かつ、係止爪13、13が挿入孔50の幅方向の外側部位を好適に係止可能となるため、挿入孔50に挿入された一対の腕部12、12が抜けないようになる。
さらに、上記挿入孔50内の三角錐状のリブ60について説明する。図7〜図9に示すように、挿入孔50の一側の内面51の中央部に、三角錐状のリブ60が突出形成されている。この三角錐状のリブ60は、一対に係止爪13、13を挿入孔50に挿入するときに、該一対の係止爪13、13をハの字状に捻るように回動させて、挿入孔50内に挿入し易くする機能を有する。
上記三角錐状のリブ60は、挿入孔50の中心を通る垂線に対して左右対称な形状を有する。リブ60の最大幅wは、挿入孔50の幅Wの約半分程度であり、リブ60の高さhは、挿入孔50の高さHの約半分程度である。また、リブ60自身や係止爪13の破損を防ぐために、リブ60の各辺や頂点及び挿入孔50の縁部は、面取り加工されている。
かかる三角錐状のリブ60は、図9に示すように、ボタン前面側に向いた一対の傾斜面61、61を有する。一対の傾斜面61、61はそれぞれ、上記ボタンキャップ10の一対の係止爪13、13にそれぞれ対応する位置に配置される。該一対の傾斜面61、61は、左右対称に配置されており、各傾斜面61は、ボタン前面方向に対して外側に所定角度傾いた方向に傾斜している。このように、傾斜面61、61は、係止爪13、13の挿入方向(即ち、ボタン前後方向)に対して所定角度傾斜しており、挿入孔50の奥側(ボタン背面方向)に向かうほど、リブ60の幅が広くなっている。
図7及び図9に示すように、上記一対の係止爪13、13を挿入孔50に挿入するときには、該係止爪13、13の先端の外側面132が、挿入孔50の左右の側面52、52にそれぞれ当接する。このため、該係止爪13、13は、挿入孔50の幅方向に相互に接近するように内側に撓む。さらに、図10に示すように、一対の係止爪13、13は、挿入孔50内でリブ60の一対の傾斜面61、61にそれぞれ当接することによって、該一対の係止爪13、13の縦断面がハの字状となるように該傾斜面61、61に沿って捻れる。
即ち、ボタンキャップ10の腕部12、12をボタンベース20の挿入孔50に挿入する際、腕部12、12の先端は、根元に比べて撓み易い。従って、腕部12、12を挿入孔50に挿入するとき、腕部12、12の先端の係止爪13、13は、相互に接近するように内側に撓みつつ、三角錐状のリブ60によって、ハの字状に捻るように撓む。その後、図8に示したように、係止爪13、13が挿入孔50に完全に挿通された後には、該係止爪13の根元の腕部12、12の間に、リブ60が介在する。従って、該リブ60がスペーサとして機能して該腕部12、12と当接するため、外腕部12、12が内側に撓みにくくなる。よって、該リブ60により係止爪13、13が挿入孔50から外れることを防止できる。
ここで、図11を参照して、係止爪13、13を挿入孔50に挿入するときの係止爪13、13の変形動作について詳述する。図11は、本実施形態に係る挿入孔50に挿入される係止爪13、13の変形状態を示す状態遷移図であり、図11Aは挿入開始時の状態、図11Bは係合開始時の状態、図11Cは係合完了時の状態を示す。なお、図11は、挿入孔50に挿入される係止爪13、13を、挿入孔50の背面側(ボタン背面側)から見た図である。
図11Aに示すように、ボタンキャップ10の係止爪13、13がボタンベース20の挿入孔50に挿入され始めるときには、係止爪13、13が、三角錐状のリブ60の傾斜面61、61及び挿入孔50の左右の側面52、52に沿って挿入され始める。このとき、係止爪13、13の先端の外側面132、132が挿入孔50の両側面52、52にそれぞれ当接するとともに、係止爪13、13の先端の内側面133、133がリブ60の傾斜面61、61にそれぞれ当接する。これにより、係止爪13、13は、内側及び上方向に撓みながら、挿入孔50内に進入してくる。当該進入が進むにつれて、係止爪13、13の下端がリブ60の傾斜面61、61により拡開される一方、係止爪13、13の上端は相互に近づくため、係止爪13、13が全体としてハの字状に捻れていく。
次いで、図11Bに示すように、係止爪13、13の最大厚み部分が挿入孔50を通過して、係止爪13、13が挿入孔50の周囲に係合され始めるときには、係止爪13、13は、最もハの字状に捻れて撓んだ状態になる。つまり、係止爪13、13の最大厚み部分の内側面133、133がリブ60の傾斜面61、61の最大幅部分に当接するため、係止爪13、13はハの字状に大きく捻れる。このように、係止爪13、13の最大厚み部分が、ハの字状に大きく捻れながら挿入孔50を通過すると、該係止爪13、13の係止面131、131が、挿入孔50の周辺部分(係合部26の底部262)に係合し始める。
その後、図11Cに示すように、係止爪13、13が挿入孔50を通過すると、一対の係止爪13、13は、捻れた状態から平行状態に復帰するとともに、挿入孔50内の上下方向の中央位置に戻る。この結果、挿入孔50の周辺部分(ボタンベース20の係合部26)と完全に係合し、係止爪13、13は完全にロックされる。このとき、2つの係止爪13、13の根元の間にリブ60が挟まった状態となるので、係止爪13、13は、該リブ60により内側に撓んで相互に接近することを規制される。従って、係止爪13、13が挿入孔50から外れに難くなり、ボタンキャップ10とボタンベース20を安定的に嵌合することができる。
なお、図11Cには、本実施形態に係る係止爪13及び腕部12と挿入孔50の各部の寸法を例示している。挿入孔50の幅W=3.2mm、挿入孔50の高さH=2.2mm、係止爪13の最大厚みd1=1.2mm、腕部12、12の外側面121、121間の幅d2=2.8mm、係止爪13の係止幅d3=0.6mmである。しかし、これら寸法はあくまでも例示であり、本発明は図示の寸法例に限定されるものではない。
以上説明したように、本実施形態に係るボタンキャップ10とボタンベース20の嵌合構造によれば、挿入孔50内に三角錐状のリブ60が設けられている。これにより、ボタンキャップ10の係止爪13、13をボタンベース20の挿入孔50に挿入するときには、リブ60により係止爪13、13をハの字状に捻るように撓ませることで、係止爪13、13を挿入孔50に容易かつ円滑に挿入できる。このように、挿入時には、リブ60による係止爪13、13の撓みを利用して、弱い挿入圧力で係止爪13、13を挿入孔50に挿入し易くなる。
さらに、係止爪13、13の係合後には、係止爪13、13間に介在するリブ60により、該係止爪13、13が内側に撓むことを規制できるので、係止爪13、13が挿入孔50から外れ難くなる。従って、係止爪13、13を挿入孔50から引き抜くような力が作用しても、リブ60により係止爪13、13と挿入孔50との係合を維持できるため、係止爪13、13が挿入孔50から離脱することを防止できる。
[4.ボタン周囲の発光構造]
次に、図12を参照して、上述した嵌合構造の操作ボタン2において、ボタン周囲を発光させる発光構造について詳述する。図12は、本実施形態に係るボタンベース20の導光部25を示す水平断面図である。
図12に示すように、ボタンベース20は、ボタン前後方向に延びる円筒状の導光部25を具備しており、この導光部25のボタン背面側には、発光ダイオード(LED)等の発光素子40が配置される。導光部25は、例えば乳白色の透光性材料で一体成形されており、導光部25の内部を光が透過する。また、導光部25のボタン前面側の嵌合部28には、ボタンキャップ10の円板状のキャップ本体11が嵌合される。キャップ本体11の外周は、嵌合部28の円筒状の外周壁282で囲まれており、この外周壁282のボタン前面側の端部が、リング状の発光部4を構成する。
キャップ本体11の中心及び導光部25の中心は、発光素子40の光軸41上に配置される。換言すると、キャップ本体11、導光部25及び発光素子40は、同一の中心軸上に配置されている。かかる配置により、発光素子40が発した光は、導光部25内部を周方向に均等に透過して、キャップ本体11周囲のリング状の発光部4に到達するので、発光部4における発光ムラを防止できる。
ここで、導光部25の導光機能について詳述する。図12に示すように、発光素子40は導光部25の背面側にボタン前面方向に向けて配置されており、該発光素子40が発光すると、該発光素子40からの光は、ボタン前面方向を中心として放射状に進行する。この光のうち一部は、導光部25のボタン背面の端面251や、導光部25の内周面253に形成された入射面252から導光部25内に入射し、直接光42又は間接光43として、導光部25の前面の発光部4に至る。ここで、直接光42は、発光素子40から発光部4までの経路で、反射せずに直線的に進行する光であり、間接光43は、当該経路の途中で反射する光である。直接光42は、間接光43よりも明るく、発光部4にて綺麗に発光する。
そこで、導光部25が発光素子40の光を直接的に受光できるように、導光部25の径R1をできるだけ小さい径にすることにより、導光部25は、より多くの直接光42を前面の発光部4に導光できるようになる。また、導光部25の内周面253にテーパ状の入射面252を形成することで、発光素子40からの光を適切に導光部25内に入射させ、多くの直接光42を発光部4に導くことができる(図12参照。)。
また、導光部25は、乳白色の透光性材料で形成されているので、発光素子40からの拡散光44の多くが導光部25内に入射されて発光部4に導かれる。以上のように、本実施形態に係る導光部25は、上記直接光42、間接光43及び拡散光44をそれぞれ、ボタン前面の発光部4に導く構造であるので、発光部4をリング状にムラ無く綺麗に発光させることができる。
さらに、ボタンベース20とボタンキャップ10の嵌合構造をできるだけ中央にコンパクトに配置することで、導光部25は、より多くの光を発光部4に導くことができる。そこで、本実施形態では、上述した係止爪13、13と挿入孔50とからなる嵌合構造を採用し、導光部25内の中央における狭い範囲でボタンキャップ10を固定している。従って、本実施形態に係る嵌合構造により導光部25の導光機能を妨げないので、発光素子40からの光を、導光部25を通じて発光部4に多く導くことができる。このように本実施形態に係る嵌合構造は、ボタンキャップ10の装着性及び発光部4の発光性などの観点から、最適な形状であるといえる。
次に、図13を参照して、本実施形態に係る導光部25の形状と導光特性についてより詳細に説明する。図13は、本実施形態に係る導光部25(図の右側の断面)と、比較例1に係る導光部25’(図の左側の断面)を示す水平断面図である。なお、本実施形態及び比較例1とも、上記ボタンキャップ10の係止爪と係合部26、26’の係合位置は、嵌合部28の底面からボタン背面側に距離Xであり、両者の係合位置は同一であるとする。
図13の左側の断面に示すように、比較例1に係る係合部26’は、導光部25’の内周面から垂直に張り出した平板状である。また、導光部25’の内周面253’は、係合部26’からボタン背面方向に真っ直ぐに延びる単純な円筒面であり、段差は形成されていない。このような比較例1に係る導光部25’及び係合部26’の構造では、発光素子40からの直接光45’は、導光部25’の内周面253’で反射するため、導光部25’内に入射しない。これは、当該内周面253’に対する光45’の入射角θ’が、臨界角α以上であるからである。なお、臨界角αは、入射面の材質や光の特性等により定まり、臨界角α以上の入射角θ’で入射した光は、入射面を透過せずに、該入射面で反射する。
これに対し、図13の左側の断面に示すように、本実施形態に係る導光部25の内周面253には、テーパ状の入射面252(ボタン前面方向に縮径するテーパ状の段差に相当する。)が形成されている。この入射面252は、ボタン背面側から前面側に向けて縮径するテーパ面であり、導光部25の端面251と係合部26の間の略中央部分に形成されている。該入射面252と発光素子40は対向しており、発光素子40から入射面252に向かう直接光45は、該入射面252に対して入射角θで入射する。該入射面252における入射角θが上記臨界角α未満となるように、発光素子40と導光部25との位置関係や、入射面252の配置(向き、大きさ等)が調整されている。これにより、発光素子40からの直接光45は、臨界角α未満の入射角θで入射面252に入射するため、入射面252を透過して導光部25内部に進入し、導光部25のボタン前面側の発光部4に向かう。よって、導光部25の内周面253に上記テーパ状の入射面252を形成することによって、発光素子40からの直接光45が導光部25内に入射することを促進させ、該直接光45を発光部4に導くことができる。
さらに、導光部25の入射面252から係合部26までの部分(図13の距離Zで示す範囲)は、導光部25内に入射した入射光がボタン前面の発光部4に向けて入射及び反射するような形状を有している。具体的には、導光部25の内側に形成される係合部26は、ボタン前面側に突出したカップ形状を有しており、この係合部26の外周壁263と、導光部25との間には環状の隙間264が存在する。このように、係合部26の外周壁263と導光部25は、二重円筒構造を成している。
上述した比較例1の構造であると、導光部25’内に入射した入射光が、係合部26’内に進入して反射し、発光部4’に向かわない場合も多くなる。これに対し、本実施形態によれば、上記導光部25及び係合部26の二重円筒構造により、導光部25内に入射した入射光を、極力、係合部26に向かわせずに、ボタン前面の発光部4に向けて誘導することができる。従って、導光部25内に入射した入射光の大部分が、ボタン前面の発光部4に向かうので、発光部4に到達する光量を増大させて、発光部4を綺麗に発光させることができる。
以上、図12及び図13を参照して、本実施形態に係るボタンベース20の嵌合構造及び発光構造について説明した。本実施形態によれば、ボタン背面側に設けられた発光素子40から多くの光を、入射面252から円筒状の導光部25内に入射させ、さらに、当該入射光を、導光部25を介して発光部4に導くことができる。これにより、ボタンキャップ10周囲の発光部4を、リング状にムラ無く、綺麗に発光させることができる。さらに、導光部25及び係合部26の二重円筒構造により、係止爪13、13の固定と発光部4への導光の双方を満足させる構造を提供できる。
ここで、上述した本実施形態に係るボタンベース20の嵌合構造と比較すべく、比較例2、3に係る嵌合構造とその問題点について説明する。
図14は、比較例2に係るボタンベースの導光部125の嵌合構造を示す水平断面図である。図14に示すように、比較例2は、筒状の導光部125内に、円板状のボタンキャップ100をボタン背面側から挿入し、走行部125のボタン前面側で爪126によりボタンキャップ100の外周部を係止する構造である。該導光部125には、周方向に4つの爪126が形成され、各爪126の両側には、該爪126を撓ませるためのスリット127が形成されている。これにより、ボタンキャップ100を導光部125内に嵌合するときに、係止爪126が径方向に撓むことが可能となっている。
しかし、上記比較例2の構造では、導光部125背面からボタンキャップ100を挿入可能とするために、導光部125背面側の端部の径R2を大きくする必要がある。従って、発光素子40からの光が導光部125内に入射し難く、光が導光部125内をあまり透過しないので、ボタン前面側の発光部128が綺麗に発光せず、発光量も少ない。また、導光部125に形成されたスリット127が、導光部125内の導光に対する障害となるため、発光部128に発光ムラが生じ、発光部128が綺麗に発光しなくなる。
また、図15は、比較例3に係るボタンベースの導光部225の嵌合構造を示す水平断面図である。図15に示すように、比較例3は、筒状の導光部225の前面側からボタンキャップ101を装着して、背面側から熱溶着する構造である。導光部225の前面側に設けられた装着部226にボタンキャップ101が装着され、該ボタンキャップ101の溶着部102を、該装着部226に形成された孔227を貫通して背面側に突出させ、該溶着部102が導光部225内で熱溶着される。
しかし、上記比較例3の構造では、導光部125の背面側から溶着コテを挿入するために、導光部225背面側の端部の径R3を大きくする必要があり、また、当該径R3は、溶着部102の溶着カサの径よりも大きくする必要がある。従って、発光素子40からの光が導光部225内に入射し難くなり、発光部228の発光量が不足する。また、導光部225内の溶着スペースが狭いので、溶着作業により導光部225の内周面229を溶かしたり、溶着物の糸引きなどが原因で導光部225の内周面229が汚れたりすることもある。このような導光部225の内周面229の破損や汚れは、導光部225内の導光に対する障害となるため、発光部228に発光ムラが生じ、発光部228が綺麗に発光しなくなる。
以上、図14及び図15を参照して比較例2、3の構造の問題点について説明した。比較例2、3の構造では、導光部125、225が導光機能を十分に発揮できないので、発光部128、228を綺麗に発光させることができない。これに対し、本実施形態は、図12に示したように、導光部25の径R1を十分に小さくできるため、導光部25への入射量及び発光部4での発光量を確保できるとともに、導光部25の導光に影響を及ぼす障害もないので、発光部4が発光ムラなく綺麗に発光できる。
[5.ボタンキャップとボタンベースの成型方法]
次に、本実施形態に係るボタンキャップ10とボタンベース20の成型方法について説明する。
上述したように、本実施形態に係る操作ボタン2を構成するボタンキャップ10及びボタンベース20は、異種材料(即ち、非透光性材料と透光性材料)を用いて形成されるため、何らかの方法で両者を結合する必要がある。異種材料からなる複数部品を結合する方法としては、例えば、以下の方法(1)〜(4)が考えられる。
(1)射出成型により得た2つの部品の嵌合
(2)二色成型
(3)接着剤を用いた結合
(4)溶着による結合
このうち、(2)〜(4)の方法は以下の短所がある。(2)の二色成型(ダブルモールド)は、体裁の優れた部品を製造できるという利点がある。しかし、ダブルモールド成型機という特殊な成型機を使用する必要があり、設備面で問題があるだけでなく、金型及び部品等のコストが高価であるという問題がある。
また、(3)の接着剤を用いて2部品を接着する方法は、不定型作業となり作業性が悪いだけでなく、接着剤の塗布量がバラつく恐れがあり、接着剤のはみ出し、糸引き等の2次不良が発生しやすいという問題がある。また、接着剤で接着した後の2部品の分解は、困難である。さらに、(4)の2部品を溶着する方法は、熱溶着、超音波溶着などの溶着設備が必要であるだけでなく、溶着に伴う糸引き等の2次不良が発生するという問題がある。また、要着後の2部品の分解は、ほぼ不可能となる。
そこで、上記(2)〜(4)の方法の短所を回避するために、本実施形態では、上記(1)の方法を採用し、ボタンキャップ10とボタンベース20のそれぞれを、射出成型用金型を用いて独立的に射出成型し、成形された両部品を嵌合させる構造とした。かかる嵌合構造を具備する部品の成型方法としては、以下の2種類の成型方法(A)及び(B)がある。
(A)スライド機構を有する金型を用いた成型方法
(B)スライド機構を有さない金型を用いた成型方法
このうち、(A)のスライド機構を有する金型を用いた成型方法では、スライドラインに沿った痕が成型部品の体裁面に現れることがあり、意匠的に劣った部品が成型される恐れがある。当該スライド痕が体裁面に現れないようにするためには、スライドする金型の合わせ込みが重要であるが、当該合わせ込みも困難である。そこで、本実施形態では、(B)のスライド機構を有さない金型を用いた成型方法を採用し、成型品(例えばボタンキャップ10)の体裁面におけるスライド痕の発生を防止することとした。
以下に、図16及び図17を参照して、上記2種類の成型方法(A)及び(B)を対比説明する。図16は、比較例に係るスライド機構を有する金型300を用いた成型方法(A)を示す説明図であり、図17は、本実施形態に係るスライド機構を有さない金型310を用いた成型方法(B)を示す説明図である。図16、図17はそれぞれ、成型品であるボタンキャップの正面図A、射出成型用の金型の断面図B、ボタンキャップの背面図Cを示している。
図16に示すように、スライド機構を有する金型300は、雌型(固定側)であるキャビティ301と、雄型(可動側)であるコア302と、一対のスライドコア303とからなる。該金型300は、キャビティ301に対してコア302及びスライドコア303をパーティングライン(PL)304で合わせる構造である。スライドコア303は、成型品のアンダーカット部分を成型するためにスライド可能な構造を有しており、金型300からの成型品の突き出し前に、スライドコア303043は、キャビティ301及びコア302に対して水平方向にスライドし、当該突き出しを邪魔しないように退避する。
かかるスライド機構を有する金型300により、比較例に係るボタンキャップ1010が成型される。図16に示すように、ボタンキャップ1010は、円板状のキャップ本体1011と、一対の腕部1012、1012と、該腕部1012、1012の先端にそれぞれ形成された一対の係止爪1013、1013とからなる。キャップ本体1011はキャビティ301内の空間で成型されるが、キャビティ301の抜き勾配を設けるために、キャップ本体1011の外周面1112は、前面1111側から背面1113側にかけて拡径するテーパ面となっている。また、係止爪1013は、腕部1012の延長方向に対して略垂直な係止面1014を有している。該係止爪1013は、ボタンベース1020の挿入孔1050に挿入されたときに、係止面1014により挿入孔1050の周辺を安定的に係止できるという長所がある(図18参照。)。該係止爪1013の係止面1014はアンダーカット部分であるため、該係止爪1013の係止面1014は上記スライドコア303を用いて成型される。
しかし、上記のスライド機構を有する金型300では、キャビティ301、コア302とスライドコア303とを隙間なく高精度で合わせ込むことは非常に困難である。従って、当該金型300によりボタンキャップ1010を成型した場合、ボタンキャップ1010の外縁部分(図16Aの×印で示す部分)に、コア302とスライドコア303との合わせ部分においてスライド痕1114が発生し易いという問題がある。ボタンキャップ1010は外部に露出する体裁面であるため、意匠性の観点からは、ボタンキャップ1010におけるスライド痕1114の発生を極力回避することが要求される。
そこで、本実施形態では、上記スライド機構による弊害を回避すべく、図17に示すように、スライド機構を有さない通常の金型310を用いた成型方法(B)を用いて、上述したボタンキャップ10を成型する。
図17に示すように、スライド機構を有さない通常の金型310は、雌型(固定側)であるキャビティ311と、雄型(可動側)であるコア312とからなり、スライドコアは具備していない。当該金型310のキャビティ311は、パーティングライン314に沿った平坦面を有し、一方、コア312には、ボタンキャップ10の全体を成型するための空間が形成されている。かかる金型310により、本実施形態に係るボタンキャップ10が射出成型される。
かかる構造の金型310により、ボタンキャップ10の腕部12及び係止爪13のみならず、キャップ本体11もコア312内の空間で成型される。コア312の抜き勾配を設けるために、キャップ本体11の外周面112は、前面111側から背面113側にかけて縮径するテーパ面となる。また、係止爪13の係止面131は、腕部12の延長方向に対する角度が鈍角となるような傾斜面となっている。この係止爪13の係止面131はアンダーカット部分であるので、金型310のコア312には、該係止爪13の係止面131に対応するアンダーカット部315が形成されている。
該アンダーカット部315を備えた金型310で、ボタンキャップ10を成型する場合、係止爪13の突出量は図16の係止爪1013よりも小さく、かつ、アンダーカットである係止面131が傾斜面であるので、係止爪13をコア312から無理抜きすることが可能である。この無理抜きにより、係止爪13はある程度は弾性変形して、破損することなくコア312から脱離する。
このように、本実施形態では、スライド機構を有さない金型310を用いてボタンキャップ10を成型し、アンダーカットとなる係止爪13を無理抜きしている。これにより、成型品であるボタンキャップ10の体裁面において、スライド痕の発生を防止できるので、外部に露出するボタンキャップ10の体裁面の成型品質及び意匠性を向上することができる。
ここで、図18及び図19を参照して、上記2種類の成型方法(A)及び(B)でそれぞれ成型されたボタンキャップの嵌合構造を対比説明する。図18は、比較例に係る成型方法(A)により成型されたボタンキャップの嵌合構造を概略的に示す正面図Aと断面図Bであり、図19は、本実施形態に係る成型方法(B)により成型されたボタンキャップの嵌合構造を概略的に示す正面図Aと断面図Bである。
図18に示すように、比較例に係る嵌合構造では、上記スライド機構を有する金型300(図16参照。)を用いて成型されたボタンキャップ1010が、ボタンベース1020の筒状の導光部1025の中心にある挿入孔1050に嵌合される。このとき、ボタンキャップ1010の一対の係止爪1013、1013は、挿入孔1050に挿入され、垂直な係止面1014、1014により挿入孔1050の周辺部位を係止する。かかる嵌合構造により、係止爪1013が外れにくいという利点がある。
しかしながら、図18の嵌合構造では、ボタンキャップ1010を成型する金型300の構造上、ボタンキャップ1010の外周面1112の抜き勾配が、ボタンベース1020のボタン前面側の内周テーパ面1026の抜き勾配とは逆になる。従って、ボタン前面側においてボタンキャップ1010とボタンベース20との間に隙間1030が生じてしまうので、該隙間1030によってボタン前面の体裁が悪化するという問題がある。
さらに、比較例に係る導光部1025のボタン前面側の端部は、リング状の発光部1004として機能するが、図18の嵌合構造では、当該発光部1004の幅D1がどうしても狭くなってしまう。従って、導光部1025の内部を透過する光がボタン前面に到達し難いので、発光部1004が十分に発光せず、ボタン周囲をリング状に綺麗に発光させることができないという問題がある。
これに対して、図19に示すように、本実施形態に係る嵌合構造によれば、上記スライド機構を有さない金型310(図17参照。)を用いて成型されたボタンキャップ10が、ボタンベース20の筒状の導光部25の中心にある挿入孔50に嵌合される。このとき、ボタンキャップ10の一対の係止爪13、13は、挿入孔1050に挿入され、傾斜した係止面131、131により挿入孔50の周辺の係合部26を係止する。
かかる係止爪13は、上記図18の比較例に係る係止爪1013と比べて、挿入孔50から外れ易いという短所がある。そこで、本実施形態では、上記三角錐状のリブ60を挿入孔50内に突設し、挿入孔50に挿入された係止爪13、13の間にリブ60を挟み込むようにしている。該リブ60によって、係止爪13、13が内側に撓まないように規制できるので、挿入孔50からの係止爪13、13の離脱を防止できる。
また、本実施形態に係る嵌合構造によれば、ボタンキャップ10を成型する金型310(図17参照。)の構造上、ボタンキャップ10の外周面112の抜き勾配が、ボタンベース20の嵌合部28の内周テーパ面281の抜き勾配と同一である。このため、嵌合部28にキャップ本体11を嵌合したときには、嵌合部28の内周テーパ面281は、上記キャップ本体11の外周面112と密着して、隙間が生じない。従って、ボタン前面の体裁面を面一にして、意匠性を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る導光部25のボタン前面側の端部も、リング状の発光部4として機能する。ここで、本実施形態に係る嵌合構造(図19参照。)によれば、発光部4の幅D2は、比較例に係る発光部1004の幅D1(図18参照。)と比較して、大きくすることができ、発光部4の面積を増大可能である。従って、導光部25により、発光素子40からの光を、ボタン前面側の発光部4に大量に導くことができるので、ボタンキャップ10の周囲の発光部4をリング状に綺麗に発光させることができる。
[6.まとめ]
以上、本実施形態に係る周囲発光型ボタン装置におけるボタンキャップ10とボタンベース20の嵌合構造について詳述した。本実施形態に係る嵌合構造によれば、ボタンキャップ10の一対の係止爪13、13が挿入される挿入孔50内に、該係止爪13、13にそれぞれ対応する一対の傾斜面61、61を有する三角錐のリブ60が突設されている。このリブ60は、挿入孔50に対する係止爪13、13の挿抜力や、挿入作業性を考慮した形状及び配置となっている。
かかるリブ60を設けることにより、リブ60の傾斜面61、61により係止爪13、13を案内して、ハの字状に捻るように撓ませることで、当該係止爪13、13を挿入孔50に円滑かつ容易に挿入できる。さらに、挿入孔50に挿入された係止爪13、13の間にリブ60が介在することで、該係止爪13、13が挿入孔50から抜けることを防止できる。このように、本実施形態によれば、ボタンキャップ10とボタンベース20を嵌合し易く、かつ、嵌合後に外れ難い構造を提供できる。
また、本実施形態によれば、ボタンベース20の挿入孔50にリブ60を形成するだけで、嵌合部品の離脱防止機能を好適に実現でき、スペーサ等の追加部品が不要であるので、部品点数も増加しない。従って、製造コストが安価でシンプルな嵌合構造を提供できるとともに、ボタンキャップ10とボタンベース20の嵌合作業を簡易化できる。
また、本実施形態によれば、嵌合後にボタンベース20からボタンキャップ10が外れにくいので、外れ防止のための溶着や接着剤による固定は不要となる。また、溶着や接着剤を用いて固定する場合のような糸引き、部材の溶融などといった2次不良が発生しないという利点がある。さらに、溶着や接着剤により固定されたボタンキャップ10とボタンベース20を分離することは非常に困難であるのに対し、本実施形態に係る嵌合構造によれば、嵌合されたボタンキャップ10とボタンベース20を、工具等を用いて分離して、リワークすることは可能である。
また、本実施形態に係るボタンキャップ10及びボタンベース20はそれぞれ、スライド機構を有さない金型310を用いて、一体的に射出成型される。上述したように、スライド機構を有する金型300を採用した場合、スライド痕が体裁面に現れる恐れがあり、意匠形状的に劣ってしまうという問題があった(図16参照。)。そこで、本実施形態では、ボタンキャップ10側にアンダーカット構造の係止爪13、13を設け、ボタンベース20側に上記リブ60を設けた構造を採用し、上記スライド痕の問題を解決している。このように本実施形態によれば、スライド機構を使用しないことで、スライド痕などの成型不良が発生しないので、成型品の品質及び意匠性を向上することができる。さらに、金型にスライド機構を設ける必要がないので、金型コストも抑制できる。
さらに、本実施形態に係る嵌合構造によれば、ボタン前面側の体裁面において、ボタンキャップ10とボタンベース20の間に隙間が生じないので、二色成型されたボタンと同程度の優れた体裁を実現可能である。
また、ボタンベース20を乳白色の透光性材料で製造することで、該ボタンベース20は、ボタン背面側の発光素子40からの光をボタン前面側に導く導光部25としても機能する。この導光部25は、発光素子40からの直接光42、間接光43を、ボタン前面の発光部4に好適に導く構造であるので、リング状の発光部4をムラ無く綺麗に発光させることができる。特に、導光部25の内周面に、発光素子40と対向するテーパ状の入射面252を形成することによって、該入射面252から導光部25内に光を大量に取り込んで、発光部4に導くことができる。
さらに、本実施形態に係る嵌合構造は、係止爪13、13及び挿入孔50及びリブ60等からなり、導光部25の中心にコンパクトに配置されており、導光部25内の中央における狭い範囲でボタンキャップ10を固定する。従って、本実施形態に係る嵌合構造によって、導光部25の導光機能を妨げないので、導光部25は発光素子40からの多くの光を発光部4に導くことができる。このように本実施形態に係る嵌合構造は、ボタンキャップ10の装着性、導光部25の導光性、発光部4の発光性などの観点から、最適な形状であるといえる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 電子機器
2 操作ボタン
3 前面パネル
4 発光部
5 制御部
10 ボタンキャップ
11 キャップ本体
12 腕部
13 係止爪
14 係止突起
20 ボタンベース
21 可動部
22 支持フレーム
23 連結部
24 突出部
25 導光部
26 係合部
27 支持板
28 嵌合部
30 スイッチ
40 発光素子
41 光軸
42 直接光
43 間接光
44 拡散光
45 直接光
50 挿入孔
60 リブ
61 傾斜面
121 外側面
131 係止面
132 外側面
133 内側面
251 端面
252 入射面
253 内周面
281 内周テーパ面
282 外周壁
283 凹部
310 金型
311 キャビティ
312 コア
314 パーティングライン
315 アンダーカット部

Claims (6)

  1. 透光性材料で一体形成されたボタンベースと、
    非透光性材料で一体形成され、前記ボタンベースに嵌合するボタンキャップと、
    を備え、
    前記ボタンキャップは、
    キャップ本体と、
    前記キャップ本体の背面から相互に間隔を空けて延設される一対の腕部と、
    前記一対の腕部の先端に形成された一対の係止爪と、
    を含み、
    前記ボタンベースは、
    ボタン前面側からの押圧力に応じて、前記ボタンベースの背面側に配置されたスイッチを押圧する方向に移動可能な可動部と、
    前記可動部を前記方向に移動可能に支持する支持部と、
    を含み、
    前記ボタンベースの前記可動部は、
    前記ボタンベースの背面側に配置された発光素子からの光をボタン前面側の端部に導く導光部と、
    前記導光部のボタン前面側に形成され、前記ボタンキャップの前記キャップ本体の外周を取り囲むようにして当該キャップ本体と嵌合する嵌合部と、
    前記導光部の内側に設けられ、前記ボタンキャップの前記一対の係止爪が挿入される挿入孔を有し、前記挿入孔に挿入された前記一対の係止爪と係合する係合部と、
    前記挿入孔の内面に突出形成され、前記挿入孔に挿入される前記一対の係止爪にそれぞれ対応する位置に配置される一対の傾斜面を有する三角錐状のリブと、
    を含む、周囲発光型ボタン装置。
  2. 前記一対の係止爪を前記挿入孔に挿入するときには、当該一対の係止爪は、前記リブの前記一対の傾斜面にそれぞれ当接することによって、前記一対の傾斜面に沿って捻れ、
    前記挿入孔に挿入された前記一対の係止爪が前記係合部と係合したときには、前記一対の係止爪又は前記一対の腕部の間に前記リブが挟み込まれる、請求項1に記載の周囲発光型ボタン装置。
  3. 前記キャップ本体は円板状であり、
    前記導光部は、ボタン前面側から背面側にかけて延び、前記発光素子の光軸を中心軸とする筒形状である、請求項1に記載の周囲発光型ボタン装置。
  4. 前記導光部の内周面に、前記発光素子と対向するテーパ状の入射面が形成された、請求項3に記載の周囲発光型ボタン装置。
  5. 前記ボタンキャップは、前記係止爪に対応するアンダーカット部を備えた金型を用いて成型される、請求項1に記載の周囲発光型ボタン装置。
  6. 請求項1に記載の周囲発光型ボタン装置と、
    前記周囲発光型ボタン装置が操作されることによって発せられる信号に基づいて、所定の動作を行う制御部と、
    を備える、電子機器。

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