JP2011164238A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、光学的な像振れ補正機能を有する光学機器に関する。
カメラや交換レンズ等の光学機器には、手振れ等の振れに起因する像振れを低減するために、角速度センサ等の振れ検出器によって検出した振れに応じて撮影レンズの一部を構成する光学ユニットをシフトさせる像振れ補正機能(防振機能)が搭載されている。
このような像振れ補正機能を使用しない場合は、光学ユニット(以下、シフトユニットという)が不用意にシフトして、周辺の部材と衝突したり撮影レンズの性能を低下させたりすることを防止するため、シフトユニットを所定位置に保持しておく必要がある。シフトユニットの保持には、光学機器の省電力を考慮して、シフトユニットのシフトを機械的に制限するロック機構が用いられることが多い。
ロック機構は、シフトユニットに係合又は当接することで該シフトユニットの所定位置からの変位を制限するロック部材と、該ロック部材をロック位置(ロック状態)とロック解除位置(アンロック状態)との間で動作させるアクチュエータとにより構成される。そして、光学機器に設けられた像振れ補正機能のON/OFFスイッチ、撮影開始スイッチ、電源ボタン等の操作部材の操作に応じてアクチュエータが駆動され、ロック機構がロック状態とアンロック状態との間で自動的に切り替えられる。
このようなロック機構には、製造誤差を吸収するとともに動作の信頼性を向上させるために、ある程度のガタが設けられている。このため、ロック機構がロック状態にあるときでも、そのガタの範囲内でのみシフトユニットの変位が許容される。
シフトユニットの光軸位置とロック機構のガタ範囲の中心位置とが一致するように設定するのが理想であるが、実際には、製造誤差等の理由によって、シフトユニットの光軸位置とロック機構のガタ範囲の中心位置とがずれることが多い。この場合のずれ量は個々の光学機器で異なるため、各光学機器の製造時に、ロック状態のシフトユニットの光軸位置をロック機構のガタ範囲の中心位置に一致させるような調整を行えばよい。
ところが、シフトユニットのシフト駆動には重力が影響する。つまり、シフトユニットの光軸位置をロック機構のガタ範囲の中心位置に一致させるようにアクチュエータへの通電を行っても、重力の影響によってシフトユニットの光軸位置がガタ範囲の中心位置からずれた位置までしかシフトユニットがシフトしないことがある。このときのずれ量は、ロック機構のガタ範囲を超える場合もある。この場合、シフトユニットの位置がロック状態とアンロック状態との間で動作するロック部材に干渉する位置となる。この結果、ロック部材の動作に伴ってシフトユニットが変位したり、ロック機構のロック状態やアンロック状態への動作が正常に行われなかったりする可能性がある。
これと同様の問題は、光学機器の状態変化に伴うアクチュエータへの通電電圧の低下や、温度変化によってロック部材が変形(膨張、収縮)することによるガタ範囲の変化によっても生じる。
特許文献1には、アクチュエータによりロック部材を動作させるロック機構において、ロック機構の動作が正常に行われなかった場合は、アクチュエータの駆動力を上げるようにその駆動条件を変えてアクチュエータを再駆動する光学機器が開示されている。
しかしながら、特許文献1にて開示されたようにアクチュエータの駆動力を上げて再駆動しても、ロック機構の正常動作が回復しない可能性がある。また、アクチュエータの駆動力を上げて強制的にロック機構を正常な状態に移行させようとすることで、シフトユニットの良好な動作特性が損なわれたり、アクチュエータへの通電量の増加によって消費電力が大きくなったりする。
本発明は、アクチュエータの駆動力を上げることなくロック機構の動作の信頼性を向上させることができるようにした光学機器を提供する。
本発明の一側面としての光学機器は、像振れを低減するためにシフト可能な光学ユニットと、該光学ユニットをシフトさせる第1のアクチュエータと、光学ユニットのシフトを制限するロック状態と該制限を解除するアンロック状態とに動作可能なロック機構と、該ロック機構をロック状態とアンロック状態との間で動作させる第2のアクチュエータと、ロック機構がロック状態にあるかアンロック状態にあるかを検出する状態検出器と、光学ユニットの位置が目標位置になるように第1のアクチュエータを駆動した後、第2のアクチュエータを駆動するコントローラとを有する。そして、コントローラは、ロック機構をロック状態およびアンロック状態のうち目標状態に動作させるように第2のアクチュエータを駆動した後、状態検出器による検出結果によってロック機構が目標状態にないと判別したときは、目標位置を変更して第1のアクチュエータを駆動した後、ロック機構を目標状態に動作させるように第2のアクチュエータを再駆動することを特徴とする。
本発明では、ロック機構が正常に動作しないと判別したときは、光学ユニットのシフト方向の位置を変更させるように第1のアクチュエータを駆動してから再度ロック機構を動作させるように第2のアクチュエータを駆動する。このため、本発明によれば、第2のアクチュエータの駆動力を上げることなくロック機構の動作の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図2および図3には、本発明の実施例である交換レンズ(光学機器)を含む一眼レフカメラシステムの構成を示している。これらの図において、202は一眼レフカメラ本体であり、201は該カメラ本体に着脱可能な交換レンズである。
203は交換レンズ201内に設けられたコントローラとしてのレンズ制御用CPU(以下、レンズマイコンという)であり、204はカメラ本体202内に設けられたカメラ制御用CPU(以下、カメラマイコンという)である。これらマイコン203,204は、マウント部を介して互いに通信を行う。
交換レンズ201において、205,206は交換レンズ201に加わったヨー方向およびピッチ方向の振れを検出するための振れ検出器としての角速度センサである。207は光学的に像振れを補正するために、光学ユニットを光軸に直交する方向にシフトさせる像振れ補正ユニットである。光学ユニットは、撮影光学系の一部を構成するシフトレンズと、該シフトレンズを保持するレンズ保持部材とを含む。像振れ補正ユニット207の具体的な構成については後述する。
215は光軸方向に移動して焦点調節を行うフォーカスレンズであり、216は光量調節を行う絞りユニットである。フォーカスレンズ215、シフトレンズ、絞りユニット216および図示しない他のレンズによって撮影光学系が構成される。
一方、カメラ本体202において、208はクイックリターンミラーであり、209はアップ動作したクイックリターンミラー208の動きを静止させるためのストッパである。210はシャッタ先幕であり、211はシャッタ後幕である。212は撮影光学系によって形成された被写体像を電気信号に変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子である。
213はクイックリターンミラー208で反射した光(被写体像)をファインダ214に導くためのペンタプリズムである。
また、図3において、217は撮影(オートフォーカス動作、測光動作および撮像動作)を開始させるためのレリーズスイッチ、218はカメラシステムの電源をON/OFFするための電源スイッチである。
このように構成されたカメラシステムにおいて、電源スイッチ218がONになると、カメラマイコン204およびレンズマイコン203が起動し、撮影可能状態に移行する。レリーズスイッチ217が半押し操作されると、不図示のAFセンサにより撮影光学系の焦点状態が検出され、該検出結果に応じてカメラマイコン204およびレンズマイコン203によるオートフォーカス動作が行われる。また、不図示の測光センサを用いた測光動作も行われ、カメラマイコン204は、測光結果に基づいてシャッタ速度や絞り値を演算する。さらに、レリーズスイッチ217が半押し操作されることに応じて、レンズマイコン203は、像振れ補正ユニット207の制御を開始する。像振れ補正ユニット207の制御については後述する。
続いてレリーズスイッチ217が全押し操作されると、カメラマイコン204は、レンズマイコン203を通じて絞りユニット216を演算した絞り値に駆動させ、クイックリターンミラー208をアップ動作させる。そして、シャッタ先幕210およびシャッタ後幕211を開閉動作させて撮像素子212を露光する。被写体像を光電変換した撮像素子212からの電気信号は、カメラマイコン204内の画像処理回路にて各種処理を受けることにより、撮影画像データが生成される。
図1には、像振れ補正ユニット207の構成を示している。この像振れ補正ユニット207では、シフトレンズ2を光軸に直交し、かつ互いに直交するピッチ方向(垂直方向)pおよびヨー方向(水平方向)yにシフトさせて像振れを低減(補正)する。
1はシフトレンズ2を保持するレンズ保持枠(レンズ保持部材)である。以下、シフトレンズ2とレンズ保持枠1とを合わせてシフトユニットともいう。
レンズ保持枠1の外周には3本のピン3が取り付けられている。3本のピン3がシフトベース7に形成された長穴部に挿入されることにより、シフトユニットは、シフトベース7によってピッチ方向pおよびヨー方向yにシフト可能に保持されるとともに、光軸方向への変位が阻止される。また、レンズ保持枠1がローリング止め部材4に形成されたピン部に係合することで、シフトユニットの光軸回りでの回転が阻止される。
シフトユニットのピッチ方向pへのシフト駆動に関する構成とヨー方向yへのシフト駆動に関する構成は同じであるので、以下ではピッチ方向pへのシフト駆動に関する構成を中心に説明する。なお、図1中の符号に付されたp,yはそれぞれ、その構成要素がピッチ方向およびヨー方向へのシフト駆動に関するものであることを示す。
レンズ保持枠1には、ヨーク5pと永久磁石6pにより構成される磁気回路が固定されている。一方、シフトベース7には、コイル8pが取り付けられている。コイル8pに通電することにより、コイル8pと永久磁石6pとの間に電磁力が発生し、該電磁力によってシフトユニットはピッチ方向pにシフト駆動される。コイル8p、永久磁石6pおよびヨーク5pにより、シフトアクチュエータとしてのボイスコイルモータ(第1のアクチュエータ)が構成される。
また、レンズ保持枠1には、ターゲット9pが設けられており、該ターゲット9pと対向したシフト基板10上にはフォトリフレクタ11pが設けられている。フォトリフレクタ11pから射出された近赤外光は、ターゲット9p上に形成されたパターン上に投射される。ターゲット9p上のパターンは、近赤外光の入射位置によって反射率が異なるように形成されているので、フォトリフレクタ11pはパターンからの反射光量に応じた信号を出力する。レンズマイコン203は、フォトリフレクタ11pからの信号によってシフトユニットの位置(シフト位置)を検出することができる。
レンズマイコン203は、フォトリフレクタ11pの出力を増幅して不図示の駆動回路を通じてコイル8pに入力する。これにより、シフトユニットがシフト駆動されてフォトリフレクタ11pの出力が変化する。これは閉じた系になり、フォトリフレクタ11pの出力がゼロになる中立点で安定する。中立点は、像振れ補正ユニット207におけるシフトユニットの中心位置である。
この後、レンズマイコン203は、前述した角速度センサ205からの信号を積分して得られる振れ量(および振れ方向)に対応するシフトユニットのシフト駆動量を演算する。そして、フォトリフレクタ11pによって得られるシフトユニットのシフト位置の変化量がシフト駆動量に一致するようにコイル8pに通電することにより、シフトユニットが振れ量に応じた位置にシフト駆動され、撮像素子212上での像振れを抑制する。
次に、像振れ補正ユニット207に設けられたロック機構について説明する。シフトベース7には、ロック/アンロック駆動用のステッピングモータ(第2のアクチュエータ)12が取り付けられている。
前述したようにコイル8pへの通電によってシフトユニットを中心位置(中立点)に位置させた状態でステッピングモータ12によりロックリング(ロック部材)13をロック位置に回転させる。これにより、レンズ保持枠1に設けられた凸部14がロックリング13に形成された凹部15に隣り合う部分に係合(当接)し、レンズ保持枠1のピッチ方向およびヨー方向のシフトが制限される。この状態を、ロック状態といい、ステッピングモータ12によってロックリング13を後述するアンロック位置からロック位置に回転(動作)させてロック状態にすることをロックリング13またはロック機構のロック駆動という。
ロック状態となった後は、コイル8pへの通電がカットされるため、シフトユニットは、ロックリング13とシフトユニットとの間に設けられたガタ(これについては後述する)の分だけ、重力によって下動した位置にて保持される。なお、このときの下動量はわずかであり、撮影光学系の光学性能には影響しない大きさである。
このようなロック状態を解除する際には、コイル8pへの通電によってシフトユニットを中心位置にシフトさせ、ステッピングモータ12によりロックリング13をロック駆動時とは逆の方向に回転させる。これにより、レンズ保持枠1に設けられた凸部14とロックリング13に形成された凹部15とが同じ位相となり、凸部14と凹部15との間に形成されるスペース内でのシフトユニットのシフトが可能となる。この状態を、アンロック状態といい、ステッピングモータ12によってロックリング13をロック位置からアンロック位置に回転(動作)させてアンロック状態にすることをロックリング13またはロック機構のアンロック駆動という。
図4には、図2および図3に示した一眼レフカメラシステムにおける像振れ補正ユニットの制御に関連する構成を示している。
像振れ補正ユニット207において、409は前述したシフトアクチュエータとしてのボイスコイルモータである。410は前述したように像振れ補正のためにシフト可能なシフトユニットである。403はステッピングモータ12およびロックリング13を含み、ロック状態とアンロック状態との間で動作可能なロック機構である。411はフォトリフレクタ11pとターゲット9pに形成されたパターンとにより構成されるシフト位置検出部である。404はロック機構403がロック状態にあるかアンロック状態にあるかを検出して信号を出力する状態検出器である。
また、レンズマイコン203において、401はカメラマイコン204と通信を行うための通信制御部である。402はステッピングモータ12を制御してロック機構403のロック駆動およびアンロック駆動を行わせるロック駆動制御部である。
407は補正量演算部であり、角速度センサ206からの信号を増幅および積分して振れ量を算出し、さらに該振れ量に対応するシフトユニットのシフト駆動量(補正量)を演算する。408は振れ補正制御部であり、シフト位置検出部411から得られるシフトユニットのシフト位置の変化量が、補正量演算部407で演算されたシフト駆動量に一致するようにボイスコイルモータ409のコイル8pに通電する。
405は状態検出器404からの出力がロック状態とアンロック状態のうちいずれを示すかを判別する判別部である。406は判別部405での判別結果に応じて、ロック駆動およびアンロック駆動におけるシフトユニット410の目標位置(制御上の中心位置)を変更する補正駆動量変更部である。
次に、図5のフローチャートを用いて像振れ補正に関する処理を説明する。像振れ補正制御は、レンズマイコン203がコンピュータプログラムに従って実行する。
ステップS501では、レンズマイコン203は、レリーズスイッチ217が半押し操作(SW1 ON)されたか否かを判別する。この時点では、ロック機構403はロック状態にある。レリーズスイッチ217が半押し操作されたときはステップS502に進み、半押し操作されていないときはステップS501を繰り返す。
ステップS502では、レンズマイコン203は、像振れ補正ユニットの動作に用いる電圧(振れ補正用電圧)をチェックする。
そして、ステップS503では、レンズマイコン203は、チェックした振れ補正用電圧が所定レベル以上であるか否かを判定し、所定レベル以上であるときはステップS504に進む。振れ補正用電圧が所定レベルより低いときは、像振れ補正ユニットを動作させることなく本制御を終了する。
ステップS504では、レンズマイコン203は、ロック機構403のアンロック駆動のための処理を行う。ここでの詳細な処理の内容は、図6を用いて後述する。
そして、ステップS505では、レンズマイコン203は、状態検出器404からの信号に基づいてロック機構403がアンロック状態になったか否かを判別する。ロック機構403がアンロック状態になっていればステップS506に進み、アンロック状態になっていなければロック状態を解除できないとみなして像振れ補正ユニットを動作させることなく本制御を終了する。
ステップS506では、レンズマイコン203(振れ補正制御部408)は、補正量演算部407で演算されたシフト駆動量とシフト位置検出部411により検出されたシフトユニット410のシフト位置の情報とを用いてボイスコイルモータ409を制御する。こうして、像振れ補正制御を行う。
その後、ステップS507で、レンズマイコン203は、レリーズスイッチ217の半押し操作が解除(SW1 OFF)されたか否かを判別する。該半押し操作が解除されたときはステップS508に進み、半押し操作が解除されていないときはステップS507の判別を繰り返す。
ステップS508では、レンズマイコン203は、振れ補正制御を終了する。そして、ステップS509において、ロック機構403をロック駆動させるための処理を行わせる。
次に、図6のフローチャートおよび図7を用いて、図5のステップS504でレンズマイコン203が行うロック機構403のアンロック駆動処理について説明する。
図7(a)には、通常のロック状態におけるロックリング13とシフトユニット410との間のガタを模式的に示している。実線の枠がガタの範囲を示す。P0(X0,Y0)は、シフト位置検出部411によって検出されるシフトユニット410の中立点であり、通常の状態でのガタ範囲の中心位置にも相当する。なお、座標(X0,Y0)において、X0はピッチ方向(ここではx)での位置を、Y0はヨー方向yでの位置をそれぞれ示す。他の座標も同じである。
ここでは、図の下向きに重力が作用している状態を想定しており、ロック状態(かつボイスコイルモータ409への通電がカットされた状態)では、シフトユニット410は重力によってガタ範囲の下端位置P1(X,Y)に位置する。
このロック状態からアンロック駆動する際には、前述したように、まずシフトユニット410を中心位置P0にセンタリングするようにボイスコイルモータ409に通電する。ここでは、重力の影響を打ち消すために、シフトユニット410の目標センタリング位置(目標位置)をP2に設定する。これにより、シフトユニットは、重力にかかわらず中心位置P0にシフトされる。この場合、ロックリング13をスムーズにロック位置からアンロック位置に回転させることができ、ロック機構をアンロック状態とすることができる。
しかし、図7(b)に示すように、製造誤差や温度変化によって部材が変形(膨張、収縮)することで、シフト位置検出部411によって検出される中心位置P0が、ガタ範囲の外側(下端位置P1よりも下側)に位置する場合がある。この場合、シフトユニット410を中心位置P0にセンタリングするようにボイスコイルモータ409に通電しても、シフトユニット410をガタ範囲の下端位置P1より下方にシフトさせることができない。しかも、シフトユニット410がロックリング13に強く干渉する(押圧される)結果、ロックリング13のアンロック位置への回転を妨げ、アンロック駆動を正常に行えない。
このような状況を回避するために、本実施例では、シフトユニット410の目標センタリング位置をP0からP3に変更する。
図6のステップS601において、レンズマイコン203は、シフト位置検出部411からの信号を通じてシフトユニット410の位置を検出する。なお、以下の説明では、図7中のy方向についてのみ説明する。x方向についてはy方向と同様である。
次に、ステップS602では、レンズマイコン203は、ステップS601で検出したシフトユニット410の位置の目標センタリング位置からのずれ量を算出する。具体的には図7(a)に示す中心位置P0(Yt)とシフトユニット410の位置P1(Y)との差であるΔYを求める。
次にステップS603において、レンズマイコン203は、ΔYが所定値αより小さいか否かを判別する。所定値αは、図7(a)中に点線で示した範囲を示す値であり、ΔYが所定値αより小さければ、シフトユニット410がガタ範囲のほぼ中心位置に存在するとみなすことができる。ΔY<±αの場合はステップS604に進み、ΔY≧±αの場合はステップS605に進む。なお、±は中心位置P0とシフトユニット410の位置P1とのずれの方向に対応している。
ステップS604では、レンズマイコン203は、シフトユニットのセンタリングが重力の影響を受けていないとして、目標センタリング位置YtをYt=Y0と設定する。そして、ステップS606に進む。
一方、ステップS605では、レンズマイコン203は、シフトユニットのセンタリングが重力の影響を受けているとして、該重力を打ち消すために、目標センタリング位置YtをYt=Y0±Aに設定する。Aは目標センタリング位置の補正量(補正駆動量)である。Y0に対してAを足すか引くかは中心位置P0に対する位置P1の方向による。位置P1が中心位置P0から負の方向にある図7(a)の例では、Yt=Y0+Aとする。この位置はP2の位置に相当する。そして、ステップS606に進む。
ステップS606では、レンズマイコン203は、シフトユニット410を設定した目標センタリング位置にシフトさせる。
そして、ステップS607では、レンズマイコン203(ロック駆動制御部402)は、ステッピングモータ12を駆動してロック機構403のアンロック駆動を行わせる。
その後、ステップS608では、レンズマイコン203(判別部405)は、状態検出器404を通じてロック機構403がアンロック状態になったか否かを判別する。アンロック状態と判別した場合は、アンロック駆動が正常に行われたので、本処理を終了する。
一方、アンロック状態になっていないと判別した場合は、アンロック駆動が正常に行われていないとして、ステップS609に進む。
ステップS609では、レンズマイコン203(補正駆動量変更部406)は、目標センタリング位置を変更するための処理を行う。具体的には、補正駆動量Aをより大きくするために、Aに所定値ΔAを加算する。
そして、ステップS605に戻ったレンズマイコン203は、目標センタリング位置(Yt=Y0+A)を再設定する。再設定された目標センタリング位置は、補正駆動量Aがもとの補正駆動量Aに所定値ΔAが加算された値であるので、もとの目標センタリング位置に対して変更されたものとなる。具体的には、図7(a)に示した位置P2から図7(b)に示した位置P3に変更される。
こうして目標センタリング位置を再設定(変更)した後、ステップS606に進んだレンズマイコン203は、シフトユニット410を新たな目標センタリング位置にシフトさせ、ステップS607でロック機構403のアンロック再駆動を行わせる。ステップS608でロック機構403がアンロック状態になったと判別した場合は本処理を終了する。アンロック状態になっていないと判別した場合は、再びステップS609,S605での目標センタリング位置の変更およびステップS606,607でのセンタリング再駆動およびアンロック再駆動を繰り返す。
なお、フローチャートとしては示していないが、図5のステップS509で行うロック駆動処理においても、シフトユニット410をセンタリングしてからロック機構403にロック駆動を行わせる。このとき、目標センタリング位置にシフトされた状態のシフトユニット410とロックリング13との干渉によって正常にロック状態(目標状態)にならない場合は、補正駆動量Aを変更することで目標センタリング位置を変更し、ロック再駆動を行う。このようにして正常なロック駆動を確保する。
図8には、図7(b)とは異なる方向に製造誤差や温度変化による部材の変形が生じた場合を模式的に示している。この例では、重力は−y方向(図の下方)に作用している。また、シフト位置検出部411により検出されるシフトユニット410の中立点P0はガタ範囲のx方向の外側に位置する。
このような場合、シフトユニット410の目標センタリング位置をy方向(第1の方向)に補正すると、シフトユニット410をガタ範囲の中心位置付近にシフトさせることができず、シフトユニット410はロックリング13に干渉する。この結果、アンロック駆動を正常に行えない。
これを回避するためには、シフトユニット410の目標センタリング位置をP4にx方向(第2の方向)に補正する。すなわち、重力の作用方向とは異なる(直交する)方向に目標センタリング位置を補正すればよい。
具体的には、図6での目標センタリング位置の変更とアンロック再駆動を所定回数行ってもロック機構403がアンロック状態にならない場合等に、ステップS605において目標センタリング位置の補正方向をy方向からx方向に変更すればよい。
以上説明したように、本実施例では、ロック機構が正常に駆動できない場合には、シフトユニットの目標センタリング位置を変更し、該目標センタリング位置にシフトユニットをシフトさせた後に、ロック機構の再駆動を行う。これにより、ロック機構を駆動するアクチュエータの駆動力を増加させることなく、ロック機構の動作の信頼性を向上させることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
像振れ補正ユニットのロック機構の動作の信頼性が高い光学機器を提供できる。
1 レンズ保持枠
2 シフトレンズ
8p,8y コイル
12 ステッピングモータ
13 ロックリング
2 シフトレンズ
8p,8y コイル
12 ステッピングモータ
13 ロックリング
Claims (5)
- 像振れを低減するためにシフト可能な光学ユニットと、
該光学ユニットをシフトさせる第1のアクチュエータと、
前記光学ユニットのシフトを制限するロック状態と該制限を解除するアンロック状態とに動作可能なロック機構と、
該ロック機構を前記ロック状態と前記アンロック状態との間で動作させる第2のアクチュエータと、
前記ロック機構が前記ロック状態にあるか前記アンロック状態にあるかを検出する状態検出器と、
前記光学ユニットの位置が目標位置になるように前記第1のアクチュエータを駆動した後、前記第2のアクチュエータを駆動するコントローラとを有し、
前記コントローラは、
前記ロック機構を前記ロック状態および前記アンロック状態のうち目標状態に動作させるように前記第2のアクチュエータを駆動した後、前記状態検出器による検出結果によって前記ロック機構が前記目標状態にないと判別したときは、前記目標位置を変更して前記第1のアクチュエータを駆動した後、前記ロック機構を前記目標状態に動作させるように前記第2のアクチュエータを再駆動することを特徴とする光学機器。 - 前記コントローラは、前記光学ユニットを第1の方向へ駆動するように前記第1のアクチュエータを駆動してから、前記第2のアクチュエータの再駆動を行っても、前記ロック機構が前記目標状態にならないときは、前記光学ユニットを前記第1の方向にさらに駆動するように前記第1のアクチュエータを駆動してから前記第2のアクチュエータを再駆動することを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
- 前記コントローラは、前記光学ユニットを第1の方向へ駆動する前記第1のアクチュエータの駆動と、前記第2のアクチュエータの再駆動を所定回数行っても、前記ロック機構が前記目標状態にならないときは、前記光学ユニットを前記第1の方向とは異なる第2の方向に駆動するように前記第1のアクチュエータを駆動してから前記第2のアクチュエータを再駆動することを特徴とする請求項1または2に記載の光学機器。
- 前記第1の方向が重力方向であることを特徴とする請求項2または3に記載の光学機器。
- 前記光学ユニットの位置を検出する位置検出部をさらに有し、該位置検出部によって検出された前記光学ユニットの位置が、前記光学ユニットの可動範囲外にあるときは、前記目標位置を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学機器。
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