JP2011162761A - ポリオレフィン系樹脂シート - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されている、帯電防止性能の優れたポリオレフィン系樹脂シートの提供。
【解決手段】ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されているシートであって、該ポリオレフィン系樹脂組成物は前記ベース樹脂に非相溶性を示す高分子型帯電防止剤を含み、さらに前記ベース樹脂に非相溶性を示すポリスチレン系樹脂を含有することにより、前記ベース樹脂が含まれてなるマトリックス相中に前記高分子型帯電防止剤とともに前記ポリオレフィン系樹脂が分散されてなる分散相が少なくともシート表面に形成することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されているポリオレフィン系樹脂シートに関する。
従来、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる発泡シートや非発泡なフィルム、さらには、この発泡シートとフィルムとが積層一体化された積層シートなどの様々なポリオレフィン系樹脂シートが種々の用途において利用されており、例えば、ポリオレフィン系樹脂組成物からなるフィルム層を表面層として備え、さらに発泡層を備えた前記積層シートは、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂といった比較的安価な材料を用いて形成されているばかりでなく製造に要するコストも低いことから安価な商品として広く市販されている。
また、ポリオレフィン系樹脂シートは、耐熱性や機械的強度に優れていることから、従来、養生シート、組立箱、仕切り材、電気・電子部品容器、機械部品容器、及び食品容器等に広く用いられている。
しかし、ポリオレフィン系樹脂フィルムや発泡シートは、静電気によって帯電されやすく、保管中に挨等が付着して汚れを生じやすいという問題や、電気・電子部品に対して悪影響を及ぼすおそれが有り改善が求められている。
このようなポリオレフィン系樹脂シートの帯電による諸問題は、シート表面の表面抵抗率の値を低下させることで防止されることが知られており、例えば、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂では、樹脂単体のフィルムの表面抵抗率の値が、通常、1015(Ω/□)オーダーを超えるレベルであるのに対してこれを1013(Ω/□)オーダー以下(1×1014Ω/□未満)程度に低下させることで上述のような問題を低減させ得ることが知られている。
この表面抵抗率を低下させる手法として、ポリオレフィン系樹脂シートの形成に用いる樹脂組成物中に帯電防止剤と呼ばれる成分を含有させる方法が採用されており、従来、界面活性剤などの成分を原材料中に含有させることが行われている。
この界面活性剤などの分子量が1000程度、あるいは、それ以下のものは“低分子型帯電防止剤”とも呼ばれており、これらの低分子型帯電防止剤は、帯電防止に有効ではあるもののポリマー中における拡散速度が大きいため経時的にポリオレフィン系樹脂シート表面に滲出して、いわゆる“ブリードアウト”するという問題を発生させるおそれを有する。
近年、このようなことから、低分子型帯電防止剤に代えて分子量が1000を超え、数万に及ぶような高分子量の物質を主成分とする、いわゆる“高分子型帯電防止剤”の利用が検討されている(下記特許文献1参照)。
この高分子型帯電防止剤としては、エーテル結合やエステル結合を含んだ極性ブロックと、アルキルなどからなる非極性ブロックとを有する共重合体が知られており、このような共重合体は、ポリマー中における移行性が低いことから、この高分子型帯電防止剤を用いることでブリードアウトの問題を抑制させる効果を奏する。
一方で、高分子型帯電防止剤は、比較的、大量に配合しないと効果が発揮されず、しかも、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂に比べてはるかに高価であるためポリオレフィン系樹脂シートの材料コストを増大させてしまいやすくポリオレフィン系樹脂シートの汎用性を低下させるおそれを有する。
このようなことを防止すべく高分子型帯電防止剤を少ない量で有効に作用させるための検討が広く行われているが、その手法は確立されていない。
特開2008−274031号公報
本発明は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されているポリオレフィン系樹脂シートにおいて、高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図りつつ帯電防止を図ることを課題としている。
上記課題を解決するためのポリオレフィン系樹脂シートに係る本発明は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されているポリオレフィン系樹脂シートであって、前記高分子型帯電防止剤として、前記ベース樹脂に非相溶性を示す高分子型帯電防止剤が用いられているとともに前記ベース樹脂に非相溶性を示すポリスチレン系樹脂が前記ポリオレフィン系樹脂組成物にさらに含有されることにより、前記ベース樹脂が含まれてなるマトリックス相中に前記高分子型帯電防止剤とともに前記ポリオレフィン系樹脂が分散されてなる分散相が少なくともシート表面に形成されていることを特徴としている。
本発明のポリオレフィン系樹脂シートは、その形成に用いられるポリオレフィン系樹脂組成物に、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂とともにポリスチレン系樹脂が含有されている。
ポリスチレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂に対する相溶性が低いことから、ポリオレフィン系樹脂組成物でポリオレフィン系樹脂フィルムを形成させるのに際してポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのベース樹脂が含まれてなるマトリックス中に粒子状に分散して分散相を形成し、いわゆる“海島構造”を形成することとなる。
また、本発明においては、前記ベース樹脂に非相溶性を示す高分子型帯電防止剤が用いられている。
したがって、該高分子型帯電防止剤が前記ポリスチレン系樹脂とともに分散相を形成することになる。
その際に、例えば、分散相を形成している前記ポリスチレン系樹脂粒子とマトリックス樹脂との界面に沿って高分子型帯電防止剤を集合させるなどして高分子型帯電防止剤の機能向上を図ることができる。
すなわち、高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図りつつ帯電防止を図り得る。
第二実施形態に係る積層シートの構造を示す断面図。 他態様の積層シートの構造を示す断面図。 ポリオレフィン系樹脂フィルムにおけるポリスチレン(PS)系樹脂と高分子型帯電防止剤(ペレスタット230)の分散状態を観察したTEM像。 配合26のポリオレフィン系樹脂フィルムにおけるポリスチレン(PS)系樹脂と高分子型帯電防止剤(SD100)の分散状態を観察したTEM像。
(第一実施形態)
本発明のポリオレフィン系樹脂シートについて、第一の実施形態としてポリオレフィン系樹脂フィルムを例示しつつ以下に説明する。
まず、前記ポリオレフィン系樹脂フィルムを形成するためのポリオレフィン系樹脂組成物について説明する。
本実施形態における前記ポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるポリオレフィン系のベース樹脂と、該ベース樹脂に非相溶性を示す高分子型帯電防止剤とを含有し、さらに、前記ベース樹脂に対して非相溶性を示すポリスチレン系樹脂を含有している。
そして、本実施形態においては、このことによって少なくとも前記ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面に前記ベース樹脂を含んでなるマトリックス相と、該マトリックス相中に分散された分散相を形成させ、しかも、該分散相と前記ポリスチレン系樹脂と前記高分子型帯電防止剤とによって形成させることが前記高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図りつつ当該ポリオレフィン系樹脂フィルムの帯電防止を図る上で重要な要件となる。
しかも、前記高分子型帯電防止剤として、前記ベース樹脂と前記ポリスチレン系樹脂とのいずれにも非相溶性を示す高分子型帯電防止剤を用いて該高分子型帯電防止剤を外殻としたコアシェル状粒子となる前記分散相を形成させることが高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図りつつポリオレフィン系樹脂フィルムの帯電防止を図る上で好適である。
前記ポリエチレン(PE)系樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂、高圧法によって得られる長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン樹脂などが挙げられる。
前記ポリプロピレン(PP)系樹脂としては、プロピレン成分のみからなるホモポリプロピレン樹脂、プロピレン成分以外にエチレンなどのオレフィン成分を含有するランダム共重合体やブロック共重合体が挙げられる。
なお、ポリプロピレン(PP)系樹脂として共重合体を採用する場合には、プロピレン以外のオレフィンを共重合体中に0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜10重量%の割合で含有させたものを用いることが望ましい。この場合のオレフィン成分としては、エチレン、あるいは、炭素数4〜10のα−オレフィンを挙げることができる。
特に、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂が好ましく、例えば、特許第2521388号公報に記載されているものが好適に使用されうる。
また、本実施形態のポリオレフィン系樹脂組成物には、これら以外に、ポリブテン樹脂や、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂などのポリオレフィン系樹脂を前記ベース樹脂の一部として含有させうる。
前記分散相を形成させるためのポリスチレン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられる。
また、ポリスチレン系樹脂としては、上記スチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体と上記スチレン系単量体との共重合体であってもよく、このようなビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性単量体などが挙げられる。
これらの成分は、単独で、または複数を混合して使用することができる。
すなわち、本発明で用いられるポリスチレン系樹脂は、上記に例示の各種のモノマー成分の内のいずれかのみから構成されるホモポリマーであっても、上記に例示する各種モノマー成分を複数組み合わせてなるコポリマー(共重合体)であってもよい。
さらに、本実施形態においては、上記モノマー成分以外のモノマー成分を含有するコポリマーを、分散相を形成させるためのポリスチレン系樹脂として用い得る。
また、本実施形態におけるポリスチレン系樹脂としては、上記のようなホモポリマーやコポリマーが複数種類混合されたものも採用可能である。
本発明で用いられるポリスチレン系樹脂としては、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(以下「HIPS」ともいう)か、又は、汎用ポリスチレン樹脂(以下、「GPPS」ともいう)のいずれかが好適である。
なお、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)とは、前記スチレン系単量体など以外にブタジエンなどのゴム成分を含有するものであり、例えば、該ゴム成分がスチレン系単量体と共重合しているコポリマーや、該コポリマーと他のホモポリマーあるいはコポリマーとのブレンド樹脂などが挙げられる。
また、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)とは、添加剤等を除いた樹脂成分が実質上スチレンモノマーのみで構成されたものである。
これらのポリスチレン系樹脂は、いずれも、多くの種類が市販されており、求める特性のものが入手容易であるばかりでなく比較的安価である点においても好適である。
一般に、極性等を近似させており、Fedorsの式によって求められる溶解度パラメータ(SP値)の値の差が0.5〜1.0以下のポリマーどうしは相溶性を示し、これ以上SP値が離れると非相溶性を示すようになるといわれている。
したがって、例えば、SP値の近いポリオレフィン系樹脂を複数用いてマトリックス相を形成させ、これらのポリオレフィン系樹脂とはSP値が大きく離れるポリスチレン系樹脂を複数用いて分散相を形成させることができる。
そして、これらに対して非相溶性を示す高分子型帯電防止剤としては、例えば、マトリックス相を形成しているポリオレフィン系樹脂よりも溶解度パラメーターが高く、分散相を形成しているポリスチレン系樹脂よりも低い溶解度パラメーターを有するポリマーを主成分とする高分子型帯電防止剤を用いることで、該高分子型帯電防止剤を、より確実に、ポリスチレン系樹脂からなるコア粒子を取り巻く状態とすることができ、コアシェル型の分散相をより確実に形成させ得る。
このような分散相の外殻部を形成させるための前記高分子型帯電防止剤としては、オレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体を含有するものが好ましく、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体(ポリエーテル系ブロックとポリオレフィン系ブロックのブロック共重合体)を主成分とする高分子型帯電防止剤が好適に使用されうる。
また、上記のような高分子型帯電防止剤としては、プロピレンを70モル%以上含むオレフィン系ブロックとポリエーテル系ブロックとのブロック共重合体を主成分とするものがより好ましい。
ここで、「主成分」とは、高分子型帯電防止剤中に占める割合が50重量%以上であることをいう。
なお、上記のようなポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体が高分子型帯電防止剤中に70重量%以上含有されていることがより好ましく、80重量%以上含有されていることが特に好ましい。
また、その他の高分子型帯電防止剤としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、エチレン−メタクリル酸共重合体などのアイオノマー(アイオノマー樹脂)やポリエチレングリコールメタクリレート系共重合体等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
なお、一般に高分子型帯電防止剤として用いられるアイオノマー樹脂は、前記ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体などに比べて同じ配合量でも得られる帯電防止効果が低く、帯電防止剤としての利用はあまりなされていないのが実情である。
しかし、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂にポリスチレン系樹脂を分散させたポリオレフィン系樹脂組成物においては、その帯電防止性能がより顕著に発揮される。
すなわち、アイオノマー樹脂は、ポリスチレン系樹脂との併用によって帯電防止剤としての効果が向上されるものである。
本実施形態において前記高分子型帯電防止剤として用いられるアイオノマー樹脂は、例えば、三井デュポンポリケミカル社から、商品名「エンティラMK400」、商品名「エンティラSD100」などとして市販のカリウムアイオノマー樹脂が挙げられる。
また、帯電防止性能の更なる向上を目的として、ポリアミド系樹脂をポリオレフィン系樹脂組成物に添加したり、ポリアミド系ブロックをさらに共重合させた高分子型帯電防止剤を本実施形態のポリオレフィン系樹脂組成物に含有させたりすることができる。
さらに、帯電防止効果を高めるために、アルキルベンゼンスルホン酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアニオン性界面活性剤や、その他の界面活性剤又はアルカリ金属塩などの低分子型帯電防止剤を併用してもよい。
ただし、これらの添加によって、溶出イオン量が増加することがあるので、使用量は、ポリオレフィン系樹脂組成物に含有される帯電防止剤(高分子型帯電防止剤+低分子型帯電防止剤)の合計量に占める割合が0.5重量%未満となるように含有させることが好ましい。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂組成物における前記ベース樹脂と前記ポリスチレン系樹脂との配合割合や、高分子型帯電防止剤の含有量などは特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面抵抗率は、1×108Ω/□〜1×1013Ω/□のいずれかであることが好ましいことから、このような表面抵抗率をポリオレフィン系樹脂フィルムに付与させ得るものの中で、より高分子型帯電防止剤の含有量の低減が可能な配合割合を選択することが好ましい。
なお、ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面抵抗率は、1×109Ω/□〜1×1012Ω/□のいずれかとさせることがより好ましく、1×109Ω/□〜1×1011Ω/□のいずれかとさせることが最も好ましい。
このような表面抵抗率の値をポリオレフィン系樹脂フィルムに付与しうるポリスチレン系樹脂のポリオレフィン系樹脂組成物に占める含有量としては、通常、5〜20重量%のいずれかであり、5〜15重量%のいずれかであることが好ましい。
また、前記高分子型帯電防止剤は、通常、ポリオレフィン系樹脂組成物全体に占める割合が2〜30重量%の内のいずれかとなる割合で含有される。
この、高分子型帯電防止剤の下限値が、2重量%とされているのは、これよりも少ない含有量の場合には、ポリオレフィン系樹脂フィルムに十分な帯電防止効果が発揮されないおそれを有するためであり、上限値が30重量%とされているのは、これを超えて高分子型帯電防止剤を含有させても、その含有量に見合う帯電防止効果が得られにくいばかりでなくポリオレフィン系樹脂フィルムの材料コストを増大させてしまうおそれがあるためである。
なお、このような観点からは、前記高分子型帯電防止剤は、ポリオレフィン系樹脂組成物全体に占める割合が3〜20重量%の内のいずれかとなる割合で含有されることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂組成物全体に占める割合が5〜10重量%の内のいずれかとなる割合で含有されることが特に好ましい。
なお、高分子型帯電防止剤とポリスチレン系樹脂とは、その溶融特性を近似させていることが好ましく、特に、メルトフローレート(MFR)に代表される流れ特性を近似させていることが好ましい。
例えば、高分子型帯電防止剤をJIS K 7210の条件M(試験温度:230℃、公称荷重2.16kg)に基づいて測定したメルトフローレートが30g/10min以上となるような高フローのものである場合には、この高分子型帯電防止剤とともにポリオレフィン系樹脂組成物に含有させるポリスチレン系樹脂のメルトフローレートもJIS K 7210の条件H(試験温度:200℃、公称荷重5.00kg)に基づいて測定した場合に7.0g/10min以上であることが好ましい。
このように高分子型帯電防止剤とポリスチレン系樹脂との流れ特性を近似させることにより、後述する押出し成形時においてこれらの分散状態を帯電防止に好適な態様とさせることができる。
なお、ここでは詳述しないが、本実施形態のポリオレフィン系樹脂フィルムの形成に用いられるポリオレフィン系樹脂組成物には、一般的なポリマーフィルムの形成に用いられる配合剤を含有させることができ、例えば、耐候剤や老化防止剤といった各種安定剤、滑剤などの加工助剤、スリップ剤、防曇剤、顔料、充填剤などを添加剤として適宜含有させることができる。
次いで、このようなポリオレフィン系樹脂組成物を用いてポリオレフィン系樹脂フィルムを製造する製造方法について説明する。
本実施形態においては、一般的なフィルム製造方法に用いられる方法を採用することができ、例えば、前記ベース樹脂、前記ポリスチレン系樹脂、及び、前記高分子型帯電防止剤などを含有するポリオレフィン系樹脂組成物を作製する樹脂混練工程を実施した後に、得られたポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状に押出し加工する押出し工程を実施する方法などを採用しうる。
以下に、それぞれの工程に関して、より具体的に説明する。
(樹脂混練工程)
まず、ベース樹脂、ポリスチレン系樹脂、高分子型帯電防止剤、及び、必要に応じてスリップ剤、防曇剤等の添加剤を計量してタンブラーブレンダー、へンシェルミキサーなどでドライブレンドした後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどなどで各配合材料が略均一に混合された状態となるように溶融混練する。
その後、混練物をストランド状に押出してペレタイズするか、ホットカットしてペレット化するなどしてポリオレフィン系樹脂組成物からなるペレットを作製する。
(押出し工程)
上記樹脂混練工程で得られたペレットを熱溶融状態でフィルム状に押出し加工する方法としては、例えば、サーキュラーダイなどから押出してインフレーション法によってフィルム化したり、T−ダイなどから押出してキャスト法によってフィルム化したりする方法があげられる。
この内、T−ダイなどのフラットダイでは、押出し方向への延伸が容易である一方で幅方向への延伸のためにはテンターなどの設備を要することから、幅方向への延伸も容易なサーキュラーダイを用いた押出し工程を実施することが好ましい。
この混練工程、及び、押出し工程における加熱溶融状態での混合に際して、例えば、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂としたポリオレフィン系樹脂組成物を作製させたとすると極性の低いポリエチレン系樹脂に対してポリスチレン系樹脂が非相溶性を示し、該ポリスチレン系樹脂による分散相が前記ポリエチレン系樹脂を含むマトリックス相に分散された状態となる。
すなわち、ポリスチレン系樹脂による分散相の形成された海島構造が溶融状態の樹脂組成物中に形成される。
このとき、ポリエチレン系樹脂に対して親和性の高いポリオレフィンブロックと、ポリスチレン系樹脂に対して親和性の高いポリエーテルブロックとを有するポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体(高分子型帯電防止剤)がこの分散相とマトリックス相との界面に集合して、この界面に沿っての電気抵抗の低い領域を形成させる。
すなわち、高分子型帯電防止剤によって覆われた状態でポリスチレン系樹脂がベース樹脂であるポリエチレン系樹脂中に分散されることになる。
しかも、このポリスチレン系樹脂粒子をコアにし、外殻部が高分子型帯電防止剤によって形成されたコアシェル状の粒子は、押出し工程において溶融状態の樹脂組成物に作用するせん断力によって樹脂の流れ方向(押出し方向)に沿って長く延び、比較的アスペクト比の高い状態となって分散相を形成する。
そして、溶融状態の樹脂組成物が流動しつつ冷却されることによって、この分散相が長く延びた状態が、得られる樹脂フィルムにおいても維持されることになる。
このことによって、例えば、1μm長さを超える細長い粒子を分散相に形成させることで表面抵抗率を顕著に低下させることができる。
このことについてさらに説明すると、高分子型帯電防止剤は、通常、主たる成分が前述のようにイオン伝動性に優れたポリマーであり樹脂フィルムの表面にイオン伝動性を付与することで表面抵抗率を低下させて帯電防止を行うものであるが、単独で高分子型帯電防止剤を、例えば、ポリエチレン系樹脂に分散させた場合には、系内に微小な点状粒子となって分散されてしまい、その粒子間の距離をある程度接近させ得るような量で含有させなければ効果が発揮されない。
ここで、本実施形態においては、コア部がポリスチレン系樹脂粒子で形成され、外殻部(シェル部)が高分子型帯電防止剤で形成された粒子が形成される。
このとから、このコア部の分だけ高分子型帯電防止剤の使用量を抑制しつつ、この分散相の粒子間距離を縮めることができる。
しかも、分散相を形成している粒子が樹脂の流れ方向(押出し方向)に沿って長く延び、フィルム平面方向の長さが1μmを超えるような細長い形状となることで高分子型帯電防止剤による導電路がこの粒子表面に形成されることとなる。
すなわち、本実施形態のポリオレフィン系樹脂フィルムにおいては、樹脂の流れ方向に沿って上記のような長細い粒状に分散相が形成されることから、この粒子の長手方向に沿った電気抵抗値の低減が図られることとなる。
また、通常、分散相を形成しているコアシェル状の粒子と、この粒子に隣接する別の粒子との間の電気抵抗値は、主として、粒子間の距離によって決定されることになる。
つまり、樹脂の流れ方向と直交する方向に電圧を印加した場合においては、コアシェル状粒子どうしが隣り合せとなる区間における最も電気抵抗値の低い箇所(通常、粒子どうしが最も接近している箇所)を通って流れる電荷の量によって電気抵抗値が左右されることになる。
そして、本実施形態のポリオレフィン系樹脂フィルムにおいては、樹脂の流れ方向に沿って長細い粒状に分散相が形成されることから、粒子どうしが隣り合わせとなる区間が長く形成され、その間に電気抵抗値の低い箇所が形成される可能性が高くなる。
したがって、イオン伝導に有利な樹脂の流れ方向以外の方向においても電気抵抗値の低減が図られることとなり、高分子型帯電防止剤の配合量を30質量%以下、例えば、5〜10質量%にまで低減したとしてもポリオレフィン系樹脂フィルムの表面抵抗率の値を、一般的に求められる1013(Ω/□)オーダー以下(1×1014未満)の値となるように低下させうる。
なお、上記のような効果は、高分子型帯電防止剤を構成しているポリマーがマトリックス相を形成しているベース樹脂に対して非相溶性を示すことによって発現されるものであり、ポリスチレン系樹脂に対しても非相溶性を示すことによって顕著に発現されるものである。
これらに対して非相溶性を示すかどうかは、先にも示したようにマトリックス相を形成させる樹脂と、分散相を形成させる樹脂との溶解度パラメーターを予め求めることで判断することができ、これらの樹脂に対してSP値を0.5以上、好ましくは1.0以上異ならせた高分子型帯電防止剤を選択すればよい。
なお、前記溶解度パラメーターは、Fedorsの式に基づいて、その分子構造によって求められるが、例えば、市販の高分子型帯電防止剤を利用する場合で、構造を十分特定できないことから溶解度パラメーターの値を計算することが困難な場合であれば、実際に、ベース樹脂やポリスチレン系樹脂と、高分子型帯電防止剤とを加熱溶融させて混合し、冷却して得られた試料についてその分散状態を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)によって直接観察して判断することができる。
また、このような高分子型帯電防止剤によって外殻を形成させたコアシェル状粒子を前述のような1μmよりも細長く形成させる具体的な手法としては、押出し時のせん断の加わり方を調整する方法が挙げられる。
この分散相の大きさについても、SEMやTEMで直接確認することができ、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面部から採取した試料に対して数千倍から数万倍の倍率で無作為に10視野程度の観察を行い、その半数以上の視野において1μm以上の長さの粒子が確認できれば、ポリオレフィン系樹脂フィルムに1μm以上の分散相が形成されていると判断することができる。
なお、フィルム内部における分散相の形状や大きさについては、帯電防止性能に大きな影響は与えないためこのような分散相は、少なくともポリオレフィン系樹脂フィルムの表面に形成されていれば良い。
以上のようにコアシェル状粒子の形状と、その外殻部を構成させる高分子型帯電防止剤の選択によって、ポリオレフィン系樹脂フィルムにおける高分子型帯電防止剤の使用量をより一層抑制させつつ表面抵抗率の低減を図ることができる。
なお、上記に示したように、本実施形態のポリオレフィン系樹脂フィルムにおいては、特に、ポリスチレン系樹脂粒子の長手方向となる方向に対して電気抵抗値の低減を図ることができるため、ポリオレフィン系樹脂フィルムを連続的な押出し成形によって長尺状とし、ロール状に巻き取った場合においてより顕著な効果が発揮されることとなる。
すなわち、通常、ロール状に巻き取られた樹脂フィルムは、外側のフィルムが引き出されて使用され、引き出されるフィルムがその内側で接しているフィルムの背面から離れる際に静電気を発生させやすいが、本実施形態のポリオレフィン系樹脂フィルムは、ロール巻取り方向にポリスチレン系樹脂粒子が長く延びる状態となっており、この方向に向けての電気抵抗値が低減されていることから、フィルムの引き出しによって静電気が発生されたとしてもその電荷を引き出される方向とは逆の、フィルムどうしが接触している箇所に向けて移動させることが容易で、電気的な中和を図ることが容易である。
このように本実施形態のポリオレフィン系樹脂フィルムは、容器などの製品に加工された際においても優れた帯電防止性が発揮されるのみならず、フィルムロールなどの中間製品の状態においてもその優れた効果が発揮されるものである。
(第二実施形態)
次いで、本発明の第二の実施形態として、積層シートについて説明する。
図1は、本実施形態に係る積層シートの断面図であり、この図1にも示されているように、本実施形態に係る積層シート1は、該積層シート1の表面層を構成するポリオレフィン系樹脂フィルム層10と、該ポリオレフィン系樹脂フィルム層10に接着する状態で積層された発泡層20とを有している。
このポリオレフィン系樹脂フィルム層10の形成には、第一実施形態において述べたポリオレフィン系樹脂組成物が用いられており、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種と、高分子型帯電防止剤と、ポリスチレン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂組成物が用いられている。
すなわち、積層シート1は、その表面層が、表面抵抗率の低いポリオレフィン系樹脂フィルム層10によって形成されることで帯電防止が図られている。
一方で、発泡層20の形成に用いる樹脂組成物としては、特に限定されるものではなく、ポリオレフィン系樹脂フィルム層10と同じように帯電防止の処方がなされた樹脂組成物であっても、このような処方がなされていない樹脂組成物であってもよい。
例えば、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種を含有するベース樹脂に対して、気泡を発生させるための成分として、加熱分解型の発泡剤を含有させるか、ガス発泡のための核剤を含有させるかしたものなどが挙げられる。
なかでも、ポリプロピレン系樹脂として共重合体を採用する場合には、共重合体中に0.5〜30重量%、特に、1〜10重量%の割合でプロピレン以外のオレフィン成分が含有されているものが好ましい。
この場合のオレフィンとしては、エチレン、あるいは、炭素数4〜10のα−オレフィンを挙げることができる。
特に、発泡性に優れた高溶融張力ポリプロピレン系樹脂が好ましく、例えば、特許第2521388号公報に記載されているものが好適に使用されうる。
前記加熱分解型の発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物などが挙げられる。
また、前記核剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物、ポリテトラフルオロエチレン、などの有機化合物などが挙げられる。
これらは、単独、または、複数組み合わせて発泡層20の形成に用いることができる。
また、その他の成分として、シート状の発泡体を形成させるための樹脂組成物に関して従来公知の成分をこの発泡層20の形成に用いる樹脂組成物にも含有させうる。
なお、“ポリオレフィン系樹脂フィルム層”との用語は、上記のように発泡層20が発泡状態であるのに対してフィルム状に非発泡な状態に形成されていることをもってこのような用語を用いているもので、一旦、発泡層を形成させるためのシートとは別に作製されたポリオレフィン系樹脂フィルムによって形成される場合に限定しているものではない。
したがって、本実施形態の積層シートとしては、ポリオレフィン系樹脂フィルム層10を形成させるためのポリオレフィン系樹脂フィルムと、発泡層20を形成させるための発泡シートとを、一旦、別々に作製した後に、これらをヒートラミネートして一体化させたものが挙げられるが、このようなものに代えて共押出し成形法によってポリオレフィン系樹脂フィルム層と発泡層とを一度に形成させたものも採用が可能である。
しかも、共押出し成形法では、帯電防止性を有するポリオレフィン系樹脂フィルム層10を均一、且つ、薄肉に形成させることが容易である点においてヒートラミネートなどの方法に比べて優れている。
特には、本実施形態に係る積層シート1を作製する方法として、フィードブロック法による共押出し成形法を採用することが好ましい。
このような共押出し成形法としては、例えば、特開平6−238788号公報に記載の方法を採用することができる。
すなわち、帯電防止性能を有するポリオレフィン系樹脂フィルム層10の押出しと発泡層20の押出しに異なる押出し機を用いて、これらから押出される溶融状態の樹脂組成物を一つのダイに合流させた後、これを、例えば、サーキュラーダイの内側に沿って発泡層形成用の樹脂組成物を押出させるとともに外側に沿ってポリオレフィン系樹脂フィルム層形成用の樹脂組成物を押出させ、内外二層となる状態での押出しを実施することで外側にポリオレフィン系樹脂フィルム層10が形成され内側に発泡層20の形成された筒状の積層シート1を形成させることができる。
この積層シート1においても、ポリオレフィン系樹脂フィルム層10に第一実施形態のポリオレフィン系樹脂フィルムと同様のポリスチレン系樹脂の分散状態が形成され、このポリスチレン系樹脂とベース樹脂との界面に高分子型帯電防止剤が集合されることから少ない高分子型帯電防止剤の使用量でありながらも帯電防止性が発揮されることとなる。
なお、この第二実施形態においては、ポリオレフィン系樹脂フィルム層10と発泡層20との2層構造の積層シートを例示しているが、例えば、図2に示すような複数のフィルム層を有する場合や、複数の発泡層を有する場合も本発明の意図する範囲である。
例えば、発泡層20の両面にポリオレフィン系樹脂フィルム層10,10’を設けたり(図2(a))、両表面を構成する2層のポリオレフィン系樹脂フィルム層10,10’の間に、複数の発泡層20,20’を設けたり(図2(b))する場合も本発明の積層シートとして意図する範囲のものである。
さらには、発泡層20の片面に2層のポリオレフィン系樹脂フィルム層10,10”を設ける(図2(c))場合も本発明の意図する範囲である。
また、2層又はそれ以上のポリオレフィン系樹脂フィルム層は、発泡層の片面側のみならず両面に形成させることもでき、これらに限らず種々の積層構造を積層シートに形成させ得る。
なお、この図2(a)、図2(b)に示すように両面にポリオレフィン系樹脂フィルム層を設けている場合には、必要な側にのみ帯電防止性能を付与させればよく、いずれか一方、又は両方のポリオレフィン系樹脂フィルム層を高分子型帯電防止剤とポリスチレン系樹脂とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成させることができる。
また、図2(c)に示すように発泡層20の片面に2層のポリオレフィン系樹脂フィルム層を設ける場合は、外側のポリオレフィン系樹脂フィルム層10のみ、又は、外側のポリオレフィン系樹脂フィルム層10と内側のポリオレフィン系樹脂フィルム層10”の両方を高分子型帯電防止剤とポリスチレン系樹脂とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成させることができる。
なお、本発明のポリオレフィン系樹脂シートとして、発泡シートを形成させるには、上記積層シートの発泡層と同様にして製造することができる。
すなわち、高分子型帯電防止剤をポリスチレン系樹脂とともに含有し、気泡を形成させるための成分をさらに含有するポリオレフィン系樹脂組成物を押出し機で押出し発泡させてシート状に成形する方法が採用可能である。
この場合も、前記ポリスチレン系樹脂とともに高分子型帯電防止剤が分散されてなる分散相を発泡シートの表面に形成させることで、第一実施形態のポリオレフィン系樹脂フィルムや、第二実施形態の積層シートと同様に帯電防止性能に優れた発泡シートを、高分子型帯電防止剤の使用量を抑制しつつ作製し得る。
第一実施形態のポリオレフィン系樹脂フィルムや第二実施形態の積層シート、上記発泡シートは、高分子型帯電防止剤の使用量が抑制されており、材料コストの低減が図られることから、一般消費材用途において好適となり、特に、ホコリの付着など、保管時の汚損が抑制されることから食品用途などに好適なものとなる。
例えば、第二実施形態の積層シートや発泡シートは、軽量で強度が高く、しかも、断熱性能に優れるとともに保管中の汚損などが抑制されることから食品トレーなどの原材料シートとして好適に用いられ得る。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(配合剤)
以下に、各実施例、比較例のポリオレフィン系樹脂フィルムの作製に用いる配合剤の略称と、その詳細とを記載する。
(配合1〜4)
下記表1に示す配合にて、表1に示す厚みのポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。
また、得られたポリオレフィン系樹脂フィルムに対して、JIS K 6911:1995「熱硬化性プラスチックー般試験方法」記載の方法により表面抵抗率の値を測定した。
具体的には、一辺が10cmの平面正方形状の試験片を温度22℃、湿度60%の雰囲気下に24時間放置した後、温度22℃、湿度60%の環境下、試験装置(アドバンテスト社製、デジタル超高抵抗/微少電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試験片に、約30Nの荷重にて電極を圧着させ500Vの電圧を印加して1分経過後の抵抗値を測定し、次式により算出した。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ただし、
ρs:表面抵抗率(Ω/□)
D:表面の環状電極の内径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、7cm)
d:表面電極の内円の外径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、5cm)
Rs:表面抵抗(Ω)
また、測定は3回実施し、それぞれの算術平均値を求めた。
結果を、表1に併せて示す。
(配合5〜11)
上記配合1〜4の事例と同様に下記表2に示す配合にて、表2に示す厚みのポリオレフィン系樹脂フィルムを作製し、表面抵抗率の値を測定した。
結果を、表2に示す。
これらの表から、高分子型帯電防止剤は、ある程度の量を添加するまでは帯電防止に機能を発揮しないことがわかる。
そして、単に高分子型帯電防止剤を基準配合(配合1)に比べて減量した配合2では、大きく表面抵抗率の値を増大させている一方で、配合5〜9に示すように、ポリスチレン(PS)系樹脂を併用している場合には、高分子型帯電防止剤を減量しても表面抵抗率の値を低下させうることがわかる。
さらに、用いるポリスチレン(PS)系樹脂をMFRの値が高いものへと変更することで、より表面固有抵抗率の値を低下させうることが上記の表からもわかる。
例えば、MFRが7.0g/min以上である「HF77」、「679」、「AGI02」を用いた場合(配合7〜9)、MFRが1.5g/minの「G9305」や、MFRが2.7g/minの「E641N」を用いた場合(配合5、6)よりも良好なる結果が得られていることが上記の表2からわかる。
また、参考例としてポリスチレン(PS)系樹脂の代わりに、アクリル系樹脂(PMMA)及び、ポリ乳酸系樹脂(PLA)を配合した結果(配合10、11)も記載した。
(TEM観察)
ポリスチレン(PS)系樹脂を10重量%、ペレスタット230を7重量%含有させたポリオレフィン系樹脂組成物を加熱溶融させた状態でシート状に押出したものを用いて作製した薄片試料を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した様子を図3に示す。
この図3からも、PSがアスペクト比の高い分散相を形成し、その周囲に高分子型帯電防止剤であるペレスタットが集合されて外殻を形成していることがわかる。
このことからも、本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂フィルムや積層シートにおいて高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図りつつ帯電防止を図り得ることがわかる。
なお、上記TEM観察における試験片は、ポリオレフィン系樹脂フィルムを押出し方向に沿ってスライスしたものであり、図3のTEM像は、ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面に相当する側においてこのスライスされた試験片を観察したものである。
すなわち、ポリオレフィン系樹脂フィルムの厚み方向の断面における表面側近傍の様子を押出し方向に直交する方向から観察したものである。
(配合12〜17)
上記と同様に下記表3に示す配合にて、ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製し、表面抵抗率の値を測定した。
結果を、表3に示す。
この表からも、高分子型帯電防止剤が、ある程度の量を添加するまでは帯電防止に十分な機能を発揮しないことがわかる。
そして、単に高分子型帯電防止剤を基準配合(配合13)に比べて減量したことで大きく表面抵抗率の値を増大させている配合14に比べて、高分子型帯電防止剤の配合量を同じにしつつもポリスチレン(PS)系樹脂を併用している場合には、表面抵抗率の値の増大が抑制されていることがこの表からもわかる。
(配合18、19)
上記と同様に下記表4に示す配合にて、表4に示す厚みのポリオレフィン系樹脂フィルムを作製し、表面抵抗率の値を測定した。
結果を、表4に示す。
この表からも、高分子型帯電防止剤とポリスチレン(PS)系樹脂を併用している場合には、基準配合(配合18)に比べて、表面抵抗率の値が低下され良好なる帯電防止性能が発揮されていることがわかる。
(配合20〜25)
上記と同様に下記表5に示す配合にて、ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製し、表面抵抗率の値を測定した。
結果を、表5に示す。
この表からも、高分子型帯電防止剤とポリスチレン(PS)系樹脂を併用している場合には、表面抵抗率の値が低下され良好なる帯電防止性能が発揮されていることがわかる。
(配合26、27)
上記と同様に下記表6に示す配合にて、ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製し、先の図3と同様に、配合26のポリオレフィン系樹脂フィルムの表面近傍の様子をTEM観察した。
結果を、図4に示す。
この図4でも図3と同様にPSがアスペクト比の高い分散相を形成している。
一方で、このPS粒子とベース樹脂(マトリックス相)との界面に存在しているSD100(アイオノマー樹脂)は、ペレスタット230(ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体)に比べて僅かで、単独で粒子を形成している割合が多く観察される。
なお、ポリスチレン系樹脂との併用によって、その使用量の抑制を図りつつ帯電防止性能の向上を図り得る点においては、アイオノマー樹脂を含む高分子型帯電防止剤もポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を含む高分子型帯電防止剤も同じであることが上記結果からわかる。
1:積層シート、10:ポリオレフィン系樹脂フィルム層、20:発泡層

Claims (8)

  1. ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されているポリオレフィン系樹脂シートであって、
    前記高分子型帯電防止剤として、前記ベース樹脂に非相溶性を示す高分子型帯電防止剤が用いられているとともに前記ベース樹脂に非相溶性を示すポリスチレン系樹脂が前記ポリオレフィン系樹脂組成物にさらに含有されることにより、前記ベース樹脂が含まれてなるマトリックス相中に前記高分子型帯電防止剤とともに前記ポリオレフィン系樹脂が分散されてなる分散相が少なくともシート表面に形成されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂シート。
  2. 前記ポリスチレン系樹脂として、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)、又は、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)の少なくとも一方が前記ポリオレフィン系樹脂組成物に含有されている請求項1記載のポリオレフィン系樹脂シート。
  3. 前記高分子型帯電防止剤が、分子内にポリエーテルブロックとポリオレフィンブロックとを有するブロック共重合体を含み、前記ポリスチレン系樹脂をコアとし、前記高分子型帯電防止剤を外殻とする、コアシェル状粒子となって前記分散相が形成されている請求項1又は2記載のポリオレフィン系樹脂シート。
  4. 前記高分子型帯電防止剤のJIS K 7210の条件M(試験温度:230℃、公称荷重2.16kg)によるメルトフローレートが30g/10min以上であり、且つ、前記ポリスチレン系樹脂のJIS K 7210の条件H(試験温度:200℃、公称荷重5.00kg)によるメルトフローレートが、7.0g/10min以上である請求項3記載のポリオレフィン系樹脂シート。
  5. 前記高分子型帯電防止剤として、アイオノマー樹脂を含有する高分子型帯電防止剤が用いられている請求項1又は2記載のポリオレフィン系樹脂シート。
  6. 前記ポリオレフィン系樹脂組成物が用いられてなるフィルムである請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂シート。
  7. 前記ポリオレフィン系樹脂組成物が押出し発泡されてなる発泡シートである請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂シート。
  8. 前記ポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されたポリオレフィン系樹脂フィルム層を表面層として備えており、さらに発泡層を備えた積層シートである請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂シート。
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