JP2011162492A - 白濁化粧料 - Google Patents

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正和 三岡
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Abstract

【課題】化粧料が接触する面がポリエチレンからなる容器に充填された場合にも白濁感が失われない白濁化粧料を提供する。
【解決手段】油性成分と水と界面活性剤を含有し、660nmにおける吸光度が0.01〜3.2である白濁化粧料において、前記油性成分として、オクタカプリル酸ポリグリセリル−6又はテトライソステアリン酸ジグリセリル−2など、1分子のポリグリセリンが有する全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05%以上、好ましくは1.0%以下を配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は白濁化粧料に関する。
基礎化粧料として、肌に水分を与え、肌をみずみずしく保つ化粧水と、肌のモイスチャーバランスを保つべく保湿成分や油性成分を配合した乳液とが広く知られている。これまで、化粧水と乳液はそれぞれ別個の製品として提供、使用されてきたところ、近年、化粧水が有するみずみずしさや清涼感と、乳液が有するクリーミ感の双方の性質を有する白濁化粧料が提案されている。このような白濁化粧料が、例えば、特開2007−254404号公報に開示されている。
この公報に開示された白濁化粧料は、常温で低粘度の液状油性成分と、水素添加リン脂質と、HLBが9〜16である特定の非イオン性界面活性剤と、1,3−ブチレングリコールと、水とからなり、平均粒子径が100〜500nmである安定な乳化滴が形成されたものである。
特開2007−254404号公報
ところで、このような白濁化粧料に限らず、広く化粧料においては一般消費者に対して試供品が配布されることが多い。この試供品の配布に際して、小容量のトライアル容器が使用される。このトライアル容器として、ポリエチレン製の内層に遮光性を有する外層が積層された積層フィルムからなる内容量が約1ml乃至10ml程度である不透明な小袋が使用される場合がある。このトライアル容器は遮光性を有するので、充填された化粧料の外観を認識できず、化粧料の白濁感を見て取ることができない。
特に白濁化粧料はその外観(白濁感)が重視されるので、白濁化粧料の多くはガラス製容器やポリエチレンテレフタレート製(PET製)容器など外部から視認できる透明ないし半透明容器に充填され、市場に置かれる。ところが、ガラス製やPET製の容器に充填された場合には経時的に白濁感の低下が観察されない白濁化粧料であったとしても、当該化粧料を内層がポリエチレン製からなる上述したトライアル容器に充填し保存すると、トライアル容器から取り出された化粧料の白濁感が充填時に比べて低下していることが目視でも感じ取られ、ひどい場合には白濁感がほとんど失われて透明な化粧料に変化している場合があった。
この結果、試供品と上市された製品との間で白濁感に相違が生じることとなり、消費者の期待を裏切るおそれがあった。
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであって、化粧料が接触する面(内面)がポリエチレンからなる容器に充填された場合にも経時的に白濁感が低下乃至白濁感が失われない白濁化粧料を提供することを目的とする。
本発明の白濁化粧料は、1分子のポリグリセリンが有する全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05%以上と、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分を0〜2.0%と、水と界面活性剤とを含むO/W乳化型の白濁化粧料である。なお、本発明において、%は特に示された場合を除き質量/質量%(w/w%)の意味で用いられる。
本発明によると、化粧料と接触する面がポリエチレンからなる容器に充填し、保存した場合でも白濁感の低下が少ない白濁化粧料が提供される。この結果、トライアル容器に充填された試供品と、製品として提供される白濁化粧料との間で白濁感の相違が少なくなり、製品における白濁感が消費者に正しく伝えられる。
本発明の白濁化粧料は、1分子のポリグリセリンが有する全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルと水と界面活性剤とから構成されるO/W乳化型の白濁化粧料であり、任意成分として必要に応じ、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分を2.0%以下で加えたものである。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、2分子以上のグリセリンが重合(縮合)したポリグリセリン誘導体であって、重合したポリグリセリンが有する水酸基残基に1以上の脂肪酸がエステル結合したものである。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、数多くの酸素原子と脂肪酸を有するので界面活性剤としての性質を有し、一般には界面活性剤として使用されることが多い。しかしながら、グリセリンの重合数(重合度)やそのエステル化度(1分子のポリグリセリンが有する水酸基残基がエステル化されている割合)、用いられる脂肪酸の種類によって、界面活性剤の性質を示す尺度であるHLBは広範囲にわたり、エステル化度が低く、構成脂肪酸の鎖長が短いものほど、また、グリセリン重合度が高いものほどHLBは高く、親水性を示す。これとは反対に、エステル化度が高く、構成脂肪酸の鎖長が長いものほど、また、グリセリン重合度が低いものほどHLBは低くなり、界面活性剤としての性質が失われ、油性成分としての性質が強くなると言われている。
本発明においては、このようなポリグリセリン脂肪酸エステルのうち、油性成分としての性質が強くなったもの、すなわち、重合したポリグリセリン1分子が有するすべての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを油性成分として用いたものであり、当該成分と界面活性剤によってO/W型の乳濁液を形成させたものである。
本発明では前記全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルの重合度やエステル化に用いられる脂肪酸の種類は特に限定されるものではない。グリセリンの重合度は2以上であればよく、例えば重合度が2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルが例示される。また、脂肪酸も直鎖・分岐鎖や飽和・不飽和を問わず、炭素数4以上、好ましくは炭素数8以上の脂肪酸が用いられる。
本発明で用いられる前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを具体的に例示すると、ジグリセリンテトライソステアリン酸エステル、ジグリセリンテトラオレイン酸エステル、トリグリセリンペンタリシノレイン酸エステル、トリグリセリンペンタオレイン酸エステル、トリグリセリンペンタイソステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンオクタカプリル酸エステルが挙げられ、実際には、重合度が6であるポリグリセリンに8個のカプリル酸がエステル結合したオクタカプリル酸ポリグリセリル−6、重合度が3であるトリグリセリンに5個のリシノレイン酸がエステル結合したペンタリシノレイン酸ポリグリセリル−3、重合度が2であるジグリセリンに4個のイソステアリン酸がエステル結合したテトライソステアリン酸ポリグリセリル−2、同じく重合度が2であるジグリセリンに4個のオレイン酸がエステル結合したテトラオレイン酸ポリグリセリル−2などの各種市販品がそのまま用いられる。
本発明においては、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの1種又は2種以上が用いられる。このポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量は、化粧料中に0.05%以上あればよく、その上限は特に制約されるものではないが、好ましくは2.0%以下、望ましくは1.0%以下である。2.0%を超えて配合した場合、2.0%を超える量の油分を他の油性成分に置き換えて調製した白濁化粧料と比べても、保存後の白濁度の差異を目視で認識できないことが多くなる。つまり、2.0%を超える前記ポリグリセリン脂肪酸エステルと他の油性成分を用いて調製された白濁化粧料(例えば総量が3%の油性成分、そのうちポリグリセリン脂肪酸エステルが2.1%である場合)と、油性成分の全てが、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのみで調製された白濁化粧料(3%のポリグリセリン脂肪酸エステルを含む場合)とでは、保存後の白濁感の低下に違いを感じることが少なくなる。また、製造コストが高くなるだけで、2.0%を超えるポリグリセリン脂肪酸エステルを用いるメリットが少ない。一方、0.05%未満の配合量では白濁液が得られても製造時に所望する白濁感が得られなかったり、他の油性成分で白濁感を増したならば、経時的に白濁感の低下が感じられ、上市される製品との相違が感じられるようになるおそれが強くなる。
本発明においては、白濁感を得るために界面活性剤が用いられる。前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのみでは乳化をほとんど形成できず、白濁感を得ることができない。本発明において用いられる界面活性剤は、O/W型の乳濁液を形成することができれば特に限定されるものではない。この界面活性剤として非イオン型界面活性剤、両性型界面活性剤、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤などが例示される。これらの界面活性剤は1種のみならず、必要に応じて2種以上が混合して使用される。
本発明に用いられる界面活性剤を具体的に例示すると、前記非イオン型界面活性剤としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(1分子のポリグリセリンが有する全ての水酸基残基がエステル化されたものを除く)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体などが挙げられる。また、前記両性界面活性剤としては、例えば酢酸ベタイン、レシチンなどが例示される。前記アニオン型界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸石鹸などが例示される。前記カチオン型界面活性剤としては、例えばアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩などが例示される。
これらの界面活性剤の配合量は、用いられる前記全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルその他の油性成分の配合量によっても異なるが、概ね化粧料中に0.01%以上2.0%以下、好ましくは1.0%以下である。
本発明においては660nmにおける吸光度が白濁度の指標として用いられる。本発明の白濁化粧料は、660nmにおける吸光度を測定したときに0.01以上3.2以下の吸光度を示すように、前記全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルと界面活性剤、その他の油性成分、他の任意成分であるアルコールやグリセリン類などの配合量が調整される。本発明においては、前記全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを唯一の油性成分として用いて、所望する白濁感及び上記トライアル容器において安定性のある白濁化粧料が得られることに特徴がある。しかしながら、油性成分として前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを唯一の油性成分として用いた場合には、製造時に所望する白濁感を得ることができないことがある。この場合に、他の油性成分を加えて製造時の白濁度を高く調整すればよい。また、製造コストの側面からできるだけ少ない量の前記ポリグリセリン脂肪酸エステルで所望する白濁感を得たい場合がある。このような場合には、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分を併用し、白濁度を上げて所望する白濁感に調整することができる。
当該油性成分として、乳液やクリームなどの乳濁状の化粧料に用いられる油性成分が例示される。例えば、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、パーシック油、ひまし油、ぶどう種子油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、卵黄油、パーム油、パーム核油、トリイソオクタン酸グリセリル、コレステロール脂肪酸エステル等の油脂類、鯨ロウ、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン等およびその誘導体等のロウ類、液状ラノリン、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン、プリスタン、スクアレン等の炭化水素類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン等のシリコーン油、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸が挙げられ、油性成分として必要に応じて1種又は2種以上が用いられる。
前記全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分を併用する場合、その配合量は0.00001%以上、多くとも2.0%、好ましくは1.0%以下、より望ましくは0.5%以下である。2.0%以上を超えて配合すると、白濁化粧料中における前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分の占める割合が多くなり、化粧料と接触する面がポリエチレン製フィルムからなる袋状容器から取り出した際に視認される白濁感の低下が大きくなりすぎる傾向にある。また、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分の配合量は、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量に対して好ましくは質量比で2以下、好ましくは1以下、さらに望ましくは2/3以下となるのが望ましい。前記ポリグリセリン脂肪酸エステルに対して他の油性成分の量が多くなると、他の油性成分が白濁化粧料の有する白濁度に寄与する度合いが大きくなる。このために、上記袋状容器から取り出した場合に白濁度が大きく低下して試供品と製品との白濁感の相違がはっきりと認識されるようになる。
本発明では他の油性成分を配合できるので、本発明の白濁化粧料は、白濁度の経時における低下を防ぐために、白濁化粧料に必須とされる油性成分の全部若しくはその一部を、1分子のポリグリセリンが有する全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルに置き換えた化粧料であるとも言える。すなわち、上記したように、置き換える量が少ないと他の油性成分の量が大きくなって経時的な白濁度が低下する傾向にある。従って、他の油性成分を配合する場合には、試供品と上市される製品との白濁感の相違が認識されないように、その他の油性成分の配合量が調整される。
本発明の白濁化粧料は常法によりO/W型の乳濁液に調製され、ガラス製の容器やPET製の容器など公知である各種の化粧料用容器に充填される。特に化粧料と接触する面(内層)がポリエチレンフィルムからなる袋状容器が好適であり、このような容器に充填した場合であっても白濁感の経時における低下が抑えられる。この袋状容器は、化粧料と接触する面がポリエチレンフィルム製であればよく、単層のポリエチレンフィルムからなる袋状容器だけでなく、ポリエチレンフィルムに材質の如何を問わずその他膜状物、例えばアルミニウム箔や各種樹脂製フィルムなどを積層した積層フィルムからなる袋状容器が用いられる。また、ポリエチレンフィルムとしても、製造時に高い圧力を加えて得られる低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレン、中〜低圧力を加えて得られる高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの中間の中密度ポリエチレン、これら特殊な製法と異なり通常の製造工程で得られるポリエチレンなどその材質が問われるものでない。もっとも、ポリエチレンフィルムからなる袋状容器以外にも、ポリエチレンから作製されたボトル状容器など、化粧料と接触する面がポリエチレンからなる容器を用いることができるのは言うまでもない。
本発明の白濁化粧料は、内層がポリエチレンフィルム製の袋状容器であるトライアル容器に充填された場合(試供品)であっても、経時的な白濁感の低下が少なく、ガラス製容器などに充填された上市品との相違感が少なくなる。より具体的に言うと、660nmにおける吸光度を指標とした場合に、その材質を問わず容器から取り出した化粧料の吸光度が充填時における吸光度の50%以上、好ましくは70%以上、つまり白濁度の低下が30%未満に維持される。また、白濁感の低下が少ないとされるガラス製容器に保存した場合と比較しても、約80%以上、好ましくは90%以上の白濁度が維持され、ガラス製容器に充填し保存した場合との対比において、両者の白濁感の相違が感じられなくなる。なお、このときの白濁度及び白濁度の低下度は、下記実施例の記載に基づく方法によるものとする。もっとも、袋状容器ではなく、化粧料と接触する面がポリエチレンからなる容器に充填された場合であっても同様な効果が期待される。
本発明の化粧料には、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、各種化粧水や乳液に用いられるその他の添加剤、例えば、pH調整剤や保湿剤、アルコール類やグリコール類、着色料、ビタミン類、防腐剤等を配合できる。これらの各成分を配合する場合の配合量は、保湿剤やアルコール類、グリコール類ではそれぞれその下限は0.001%、好ましくは0.01%、望ましくは0.1%、その上限は20.0%、好ましくは15.0%、望ましくは10.0%であり、その他の成分ではそれぞれ、その下限は0.0001%、好ましくは0.001%、望ましくは0.01%、その上限は5%、好ましくは1%、望ましくは0.5%である。
以下、下記の実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されないのは言うまでもない。
表1に示す成分表に基づき、1分子のポリグリセリンが有する全ての水酸基残基がエステル化された各種のポリグリセリン脂肪酸エステルと界面活性剤を用いて、各種の白濁化粧料を調製した。調製した白濁化粧料5mlを、内層がポリエチレン製フィルム(膜厚12μm)、中層がアルミニウム膜(膜厚13μm)、外層が直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(膜厚40μm)からなる遮光性を有する3層構造の積層フィルムからなる小袋(6.5cm×12cm:朝日印刷株式会社製)に充填した。この小袋を60℃の環境下で3日放置し、小袋から取り出した化粧料の吸光度(660nm)を分光光度計(SHIMADZU UV-2450 UV-VISIBLE SPECTROPHOTOMETER:ガラスセル)を用いて測定し、吸光度の変化を調べた。また、同じ化粧料をガラス瓶に充填した上で、遮光下室温で3日間保存した後、ガラス瓶保存時との比較を行い、ガラス瓶保存場合との白濁度比及び目視確認における評価を示した。目視確認では、両者に明確な相違が認められなかった場合には「○」で、わずかに相違が見られるが試供品の配布には問題がないと判断できる場合には「△」で、相違が見られ試供品の配布として問題であると判断できる場合には「×」で示した。なお、用いたポリグリセリン脂肪酸エステルは、オクタカプリル酸ポリグリセリル−6(日清オイリオグループ株式会社製 サラコスHG−8)、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2(日清オイリオグループ株式会社製 コスモール44V)である。
Figure 2011162492
表1に示されたように、1分子のポリグリセリンが有する全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルのみを油性成分として用いたところ、3日間の高温保存をした場合でも製造時(充填時)からの白濁度(吸光度)の低下が抑えられ、80%以上の残存率があった。また、ガラス製容器で3日間保存したものと比べても、ガラス製容器での保存における白濁度の約80%以上、良好な場合では約90%以上の白濁度が維持され、保存容器の材質の違いに起因する白濁感の相違を感じることはなかった。なお、表1に示す各実施品は、ガラス製の容器保存では3ヶ月間の常温保存では白濁度がごくわずかに低下する傾向が見られたが、実製品としては安定であると評価できたものである。また、1分子のグリセリンが有する全ての水酸基残基がエステル化されたモノグリセリン脂肪酸エステル(トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル)を用いた化粧料(比較品2)では袋状容器に充填した場合、白濁度が著しく低下してガラス製容器に充填した場合との相違が明確に認められた。
表2に示す成分表に基づき、1分子のポリグリセリンが有する全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルのみを油性成分として使用し、白濁度の異なる各種の白濁化粧料を調製し、実施例1と同様にしてその安定性等を評価した。
Figure 2011162492
表2に示されたように、油分として前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのみを0.05〜1.0%の範囲で用いることによって、白濁度0.01〜3.2程度の良好な白濁感が得られ、各化粧料の安定性も保たれていた。
次に前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしてオクタカプリル酸ポリグリセリル−6を用いて、表3に示す成分表に基づき、油性成分としてジフェニルジメチコンを添加した場合の影響を調べた。その結果を表3に示す。
Figure 2011162492
表3に示されたように、本発明においては、前記全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分を加えることもできた。このとき、油性成分の添加量を多くすると安定性が悪くなり、白濁感が経時的に失われる傾向にあるが、高温保存後の吸光度は一定値に近づく傾向にあることがうかがえる。この結果から、白濁感が経時的に失われるのは前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分が影響しているものと考えられる。このとき、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分を、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの2倍量加えた場合(実施品17)では、ガラス製容器で保存した場合との吸光度差が約0.7程度、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルと同量加えた場合(実施品16)では、ガラス製容器で保存した場合との吸光度差が約0.5程度であり、それぞれ吸光度が50%近く低下しているものの、ガラス製容器で保存した場合との相違をかろうじて感じる程度であった。これらの実施品は白濁感の低下が使用感に与える影響はなく、実用上製品として問題のないものであった。
(実施品18)
テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2 2.0%
ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油 1.0%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 1.0%
ヒアルロン酸ナトリウム(2)0.5%、1,3−BG5%溶液 3.0%
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0%
1,3ブチレングリコール 6.0%
濃グリセリン 5.0%
水 81.0%
上記処方に基づき吸光度1.50の白濁化粧料を作成した。
(実施品19)
テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2 1.0%
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0%
ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油 1.0%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 1.0%
ヒアルロン酸ナトリウム(2)0.5%、1,3−BG5%溶液 3.0%
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0%
1,3ブチレングリコール 6.0%
濃グリセリン 2.0%
水 84.0%
上記処方に基づき吸光度2.53の白濁化粧料を作製した。
(実施品20)
テトラオレイン酸ポリグリセリル−2 0.2%
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 0.2%
ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油 0.2%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 0.2%
ヒアルロン酸ナトリウム(2)0.5%、1,3−BG5%溶液 3.0%
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0%
1,3ブチレングリコール 6.0%
濃グリセリン 5.0%
水 84.2%
上記処方に基づき吸光度0.05の白濁化粧料を作製した。
実施品18〜20の白濁化粧料は、いずれもポリエチレン製の小容量容器(10ml)に充填し、60℃で3日間保存した場合でも、良好な白濁度が得られ、ガラス製容器に3日間常温保存したものとの間で保存後の白濁感に相違は感じられなかった。
以上のように、本発明によると、白濁化粧料と接触する面がポリエチレンからなる容器に充填された場合にも白濁感の低下を抑えることができ、上市予定の製品との間で白濁感の違いを感じなくさせる。

Claims (7)

  1. 1分子のポリグリセリンが有する全ての水酸基残基がエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05%以上と、
    当該ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分を0%以上2.0%以下と、
    水と界面活性剤とを含むO/W乳化型の白濁化粧料。
  2. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを1.0%以下で含む請求項1に記載の白濁化粧料。
  3. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、オクタカプリル酸ポリグリセリル−6、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2、テトラオレイン酸ポリグリセリル−2からなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の白濁化粧料。
  4. 660nmにおける吸光度が0.01以上3.2以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の白濁化粧料。
  5. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の油性成分の使用量が、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの使用量に対して2倍量以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の白濁化粧料。
  6. 化粧料が触れる面がポリエチレンからなる容器に充填された請求項1〜5の何れか1項に記載の白濁化粧料。
  7. 前記容器は、化粧料が触れる面がポリエチレン製フィルムからなる袋状容器である請求項6に記載の白濁化粧料。
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