JP2011156485A - 気化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水は、予熱層6内においてヒータ9からの加熱により昇温するが、容器2内面と予熱層6側面の間に空隙6cが存在するため、ヒータ9から直接ではなく、熱伝導率の比較的小さい原料ガスを介して間接的な加熱される。このため、予熱層6内で、水は70−100℃程度の昇温に止まり沸騰することがなく、開口部4c近傍での突沸も発生しない。予熱層6を出て気化促進層7に導かれる水と原料ガスは、気化促進層7においてヒータにより100℃以上に加熱される。これにより気化促進層7内で水は気化して水蒸気となり、原料ガスと混合しながら下方の混合促進層8に導かれる。混合促進層8は外側のヒータ9により加熱されて高温になっており、水蒸気と原料ガスとは、より加熱され、さらに混合が促進される。
【選択図】図1
Description
本発明は、以下の内容を要旨とする。すなわち、本発明に係る気化装置は、
(1)液体原料を含む原料を加熱して、液体原料を気化させる気化装置であって、筒形状の容器内中央に多孔質充填体から成るガス生成部と、容器の一端側に原料導入部と、他端側に生成ガス導出部と、容器外側に加熱部と、を備えて成り、該ガス生成部は、予熱層と、予熱層の下流側に加熱気化層と、を備え、該予熱層は、上流側端部が容器内面から離隔した錐体状に構成され、て成ることを特徴とする。
なお、本発明において「錐体状」とは、必ずしも断面形状が直線状である必要はなく、下流側端部から上流側端部に向かって徐々に容器内側面から離れる構成であれば足りる。
本発明において、「多孔質充填体」材料としては、容器に充填したときに通過抵抗の少ない材質を用いることが望ましい。例えば、金属の線状体や、金属繊維、金属フェルト、多孔質セラミックス等を用いることができる
また、本発明の気化装置に供給する「原料」としては、単一液体材料、複数の液体材料、気化すべき液体材料及びこれと混合する気体材料、等、種々の組み合わせがあり得る。
(3)上記各発明において、前記液体原料を、前記予熱層内部に導入可能に構成したことを特徴とする
(4)上記各発明において、前記加熱気化層は、気化促進層と、気化促進層の下流側の混合促進層と、を備えて成ることを特徴とする。
(5)上記発明において、前記予熱層及び前記気化促進層の材料として、多孔質金属フェルトを用いたことを特徴とする。
また、予熱層とこれ以外の層の加熱部を独立して設けた発明にあっては、予熱層部分の温度を個別に制御できるため、さらに突沸防止制御が容易となるという効果がある。
<第一の実施形態>
予熱層6及び気化促進層7の充填材としては、多孔質メタルファイバーの一種である高熱伝導性のNiフェルト材料が用いられている。また、混合促進層8の充填材料としては、小径(2−3mmφ)のアルミナボールが用いられている。
予熱層6及び気化促進層7は、一体のNiフェルト材料をロール状に巻き、上流側端部をワイヤー等で結束して狭めて構成されている。これにより、予熱層6の上流側端部6aが下流側端部6bより径の小さな円錐体形状に形成され、容器2の内面と予熱層6表面の間には隙間6cが形成されている。気化促進層7表面及び予熱層6下流側端部6bは、容器内面に密着している。
水導入口4aの先端開口部4cは、供給水が予熱層6内中央近傍に吐出されるように、予熱層6の中心軸に沿って内部に挿入されている。
容器2の外側には、加熱源であるバンドヒータ9が巻かれている。ヒータ9は不図示の制御部に接続しており、PID制御により混合ガス生成部3を後述する温度に制御可能に構成されている。
供給水は水導入口4aを介して予熱層6の内部中央に導入され、多孔質Niフェルトの毛管作用と重力作用により、外表面に向かって拡散しつつ気化促進層7に降下していく。一方、原料ガスは導入口4bを介して原料導入部4空間に導入され、予熱層6内に拡散していき、水との混合が行われる。
予熱層6を出て気化促進層7に導かれる水と原料ガスは、気化促進層7においてヒータにより100℃以上に加熱される。これにより気化促進層7内で水は気化して水蒸気となり、原料ガスと混合しながら下方の混合促進層8に導かれる。
混合促進層8は外側のヒータ9により加熱されて高温になっており、水蒸気と原料ガスは、さらに加熱・混合が促進される。
十分加熱された混合ガスは導出部5に集められ、さらに導出口5を出て改質装置(図示せず)に供給される。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図2を参照して、本実施形態に係る気化装置20が、上述の実施形態に係る気化装置1と異なる点は、加熱部の構成である。すなわち、気化装置20の加熱部21は、予熱層6を加熱するヒータ21aと、気化促進層7及び混合促進層8を加熱するヒータ21bと、を別個に備えている。また、各ヒータには、温度センサ22a,22bが配設されている。制御部22は、温度センサ22a,22bの検出温度に基づいて、ヒータ21aとヒータ21bに対して、それぞれ独立の温度制御を行うように構成されている。その他の構成については気化装置1と同様であるので、重複説明を省略する。
さらに、本発明の他の実施形態について説明する。図3を参照して、本実施形態に係る気化装置30が、上述の実施形態に係る気化装置20と異なる点は、気化促進層と混合促進層とが一体の加熱気化層31として構成されていることである。加熱気化層31の充填材としては、Niフェルト材料が用いられている。また、ヒータ21aに配設される温度センサ32を用いて制御するように構成されている。その他の構成については、加熱部、制御部の構成を含め、気化装置20と同様であるので重複説明を省略する。
次に、予熱層6における温度制御については、温度センサ22aの検出値に基づいて、予熱層内温度を個別に温度制御する点については、気化装置20と同様である。さらに、加熱気化層31における水の気化工程及び原料ガスとの混合工程に関しても、上述の実施形態の気化促進層及び混合促進層における工程と同様であるので重複説明を省略する。
なお、本実施形態では原料導入部4に液体原料と原料ガスとを導入する例を示したが、気化対象の液体のみを導入する形態とすることもできる。
図4に試験装置の概要を示す。また、各部寸法と水及び原料ガス(都市ガス)の供給量を表1に示す。
図5、6に、それぞれ本発明又は従来技術の気化装置を用いたときの、(a)気化装置導入部圧力、(b)スタック電圧、(c)電池排気温度の経時変化を示す。
図5を参照して、本発明の気化装置ではスタック電圧の最大変動幅(ΔV)=6mV(14V中)、導入部圧力の最大変動幅(ΔP)=0.022kPaであり、3日間の連続運転を続けても脈動は発生せず、安定して水蒸気混合ガスの供給が可能であった。
これに対して従来気化装置を用いたときは、図6を参照して、スタック電圧の最大変動幅(ΔV)=22.13mV(14V中)、導入部圧力の最大変動幅(ΔP)=5.33kPaであり、1時間の運転中に脈動が発生していることを示している。
以上の結果から、本発明による気化装置の供給安定性の高さが実証された。
2・・・・容器
3・・・・混合ガス生成部
4・・・・原料導入部
5・・・・混合ガス導出部
6・・・・予熱層
7・・・・気化促進層
8・・・・混合促進層
9、21a、21b・・・・ヒータ
21・・・加熱部
22・・・制御部
31・・・加熱気化層
32・・・温度センサ
Claims (5)
- 液体原料を含む原料を加熱して、液体原料を気化させる気化装置であって、
筒形状の容器内中央に多孔質充填体から成るガス生成部と、
容器の一端側に原料導入部と、他端側に生成ガス導出部と、
容器外側に加熱部と、を備えて成り、
該ガス生成部は、予熱層と、予熱層の下流側に加熱気化層と、を備え、
該予熱層は、上流側端部が容器内側面から離隔した錐体状に構成した、
ことを特徴とする気化装置。 - 前記加熱部は、前記予熱層を加熱する第一加熱部と、前記加熱気化層を加熱する第二加熱部と、を備えて成り、
該第一加熱部と該第二加熱部とは、それぞれ独立に加熱制御可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の気化装置。 - 前記液体原料を、前記予熱層内部に導入可能に構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の気化装置。
- 前記加熱気化層は、気化促進層と、気化促進層の下流側の混合促進層と、を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の気化装置。
- 前記予熱層及び前記気化促進層の材料として、多孔質金属フェルトを用いたことを特徴とする請求項3に記載の気化装置。
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