JP2008239390A - 改質反応装置、燃料電池発電装置および水素製造装置 - Google Patents

改質反応装置、燃料電池発電装置および水素製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で、局所的な温度勾配を生ずることが防止された改質反応装置、燃料電池発電装置および水素製造装置を提供すること。
【解決手段】炭化水素系原燃料Rを所定の方向に流しつつ改質反応させ水素を含有するガスFを製造する改質反応装置110であって、改質反応を加速する触媒130・132を収容する容器120と、容器120に充填された第1の粒径の触媒130と、第1の粒径の触媒130より炭化水素系原燃料Rの流れる所定の方向からみて上流側に充填され、第1の粒径より大きな第2の粒径の触媒132とを備える改質反応装置110。また、上記に記載の改質反応装置110と、改質反応装置110で製造された水素を含有するガスFを導入し、発電を行う燃料電池とを備える燃料電池発電装置。
【選択図】図1

Description

本発明は改質反応装置、燃料電池発電装置および水素製造装置に関し、特に改質反応熱による局所的な温度勾配を防止する改質反応装置、燃料電池発電装置および水素製造装置に関する。
分散型発電システムとして開発が進められている燃料電池の多くは水素を燃料として発電するが、水素は炭化水素系原燃料を触媒を用いた改質反応により製造するのが一般的である。改質反応は高温で進行し、また吸熱反応であるため、触媒層に大きな温度分布が生じ易い。特に、改質反応装置における炭化水素系原燃料の流れの上流側では、濃度の高い炭化水素系原燃料が触媒に接触するため、改質反応が激しく起こり、温度が急激に低下する傾向がある。そのため、局所的な温度勾配を生じ、温度勾配による熱応力のために触媒が損耗を受けたり、あるいは、急激な温度低下のために改質反応に伴って炭素が析出し、改質反応の効率低下を招くなどの問題を生じることがあった。そこで、改質反応装置に導入されたガスが上流側では触媒に接触しない非接触通路を設けて改質反応器での改質反応を均一に行わせる方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2000−319006号公報
しかし、非接触通路を設けることは、改質反応装置の構造を複雑にし、製造を煩雑にしてしまう。そこで、本発明は、簡単な構造で、局所的な温度勾配を生ずることが防止された改質反応装置、燃料電池発電装置および水素製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る改質反応装置は、例えば図1に示すように、炭化水素系原燃料Rを所定の方向に流しつつ改質反応させ水素を含有するガスFを製造する改質反応装置110であって;改質反応を加速する触媒130・132を収容する容器120と;容器120に充填された第1の粒径の触媒130と;第1の粒径の触媒130より炭化水素系原燃料Rの流れる所定の方向からみて上流側に充填され、第1の粒径より大きな第2の粒径の触媒132とを備える。
このように構成すると、改質反応装置が炭化水素系原燃料の流れる方向の上流側に大きな第2の粒径の触媒を備えるので、上流側での単位体積あたりの触媒の表面積が小さくなり、そのために改質反応が緩やかになる。したがって、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されない。よって、局所的な温度勾配を生ずることが防止される。
また前記課題を解決するため、請求項2に記載の発明に係る改質反応装置は、例えば図2に示すように、炭化水素系原燃料Rを所定の方向に流しつつ改質反応させ水素を含有するガスFを製造する改質反応装置112であって;改質反応を加速する触媒140を収容する容器120と;容器120に充填された触媒140と;充填された触媒140より炭化水素系原燃料Rの流れる所定の方向からみて上流側に充填される、触媒140と不活性粒子142との混合物143とを備える。
このように構成すると、改質反応装置が炭化水素系原燃料の流れる方向の上流側に触媒と不活性粒子との混合物を備えるので、上流側での単位体積あたりの触媒の表面積が小さくなり、そのために改質反応が緩やかになる。したがって、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されない。よって、局所的な温度勾配を生ずることが防止される。
また前記課題を解決するため、請求項3に記載の発明に係る改質反応装置は、例えば図3に示すように、炭化水素系原燃料Rを所定の方向に流しつつ改質反応させ水素を含有するガスFを製造する改質反応装置114であって;改質反応を加速する触媒140を収容する容器120と;容器120に充填された触媒140と;充填された触媒140より炭化水素系原燃料Rの流れる所定の方向からみて上流側に充填される、触媒140と脱硫剤144との混合物145とを備える。
このように構成すると、改質反応装置が炭化水素系原燃料の流れる方向の上流側に触媒と脱硫剤との混合物を備えるので、上流側での単位体積あたりの触媒の表面積が小さくなり、そのために改質反応が緩やかになる。したがって、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されない。よって、局所的な温度勾配を生ずることが防止される。さらに、改質反応装置に脱硫剤を備えるので、炭化水素系原燃料にイオウが含まれていても脱硫され、イオウによる触媒の劣化を防ぐことができる。
また前記課題を解決するため、請求項4に記載の発明に係る改質反応装置は、例えば図4に示すように、炭化水素系原燃料Rを所定の方向に流しつつ改質反応させ水素を含有するガスFを製造する改質反応装置116であって;改質反応を加速する触媒146・148を収容する容器120と;容器120に充填された第1の有効面積比を有する触媒146と;第1の有効面積比を有する触媒146より炭化水素系原燃料Rの流れる所定の方向からみて上流側に充填される、第1の有効面積比より小さな第2の有効面積比を有する触媒148とを備える。
このように構成すると、改質反応装置が炭化水素系原燃料の流れる方向の上流側に有効面積比の小さな第2の有効面積比を有する触媒を備えるので、上流側での単位体積あたりの触媒作用を有する面積が小さくなり、そのために改質反応が緩やかになる。したがって、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されない。よって、局所的な温度勾配を生ずることが防止される。
また、前記課題を解決するため、請求項5に記載の発明に係る燃料電池発電装置は、例えば図11に示すように、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の改質反応装置110と;改質反応装置110で製造された水素を含有するガスFを導入し、発電を行う燃料電池70とを備える。
このように構成すると、改質反応装置が、局所的な温度勾配を生ずることが防止され、炭素が析出しにくく、改質反応の効率が低下しにくいので、安定的に水素を含有する燃料ガスが製造される。したがって、燃料ガスの供給量が変動せず、安定的に運転できる燃料電池発電装置となる。
また、前記課題を解決するため、請求項6に記載の発明に係る水素製造装置は、例えば図12に示すように、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の改質反応装置110と;改質反応装置110で製造された水素を含有するガスFを導入し、高温水蒸気電解を行う電解装置270とを備える。
このように構成すると、改質反応装置が、局所的な温度勾配を生ずることが防止され、炭素が析出しにくく、改質反応の効率が低下しにくいので、安定的に水素を含有する燃料ガスが製造される。したがって、燃料ガスの供給量が変動せず、安定的に運転できる電解装置となる。
本発明によれば、改質反応装置が炭化水素系原燃料の流れる方向の上流側に大きな第2の粒径の触媒を備え、もしくは、改質反応装置が炭化水素系原燃料の流れる方向の上流側に触媒と不活性粒子との混合物を備え、もしくは、改質反応装置が炭化水素系原燃料の流れる方向の上流側に触媒と脱硫剤との混合物を備えるので、上流側での単位体積あたりの触媒の表面積が小さくなり、または、改質反応装置が炭化水素系原燃料の流れる方向の上流側に有効面積比の小さな第2の有効面積比を有する触媒を備えるので、上流側での単位体積あたりの触媒作用を有する面積が小さくなり、そのために改質反応が緩やかになる。したがって、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されない。よって、簡単な構造で、局所的な温度勾配を生ずることが防止された改質反応装置が提供される。
また、本発明によれば、燃料電池発電装置が、上記いずれかの改質反応装置と、改質反応装置で製造された水素を含有するガスを導入し発電を行う燃料電池とを備えるので、改質反応装置が、局所的な温度勾配を生ずることが防止され、炭素が析出しにくく、改質反応の効率が低下しにくいので、安定的に水素を含有する燃料ガスが製造される。したがって、燃料ガスの供給量が変動せず、安定的に運転できる燃料電池発電装置が提供される。
また、本発明によれば、水素製造装置が、上記いずれかの改質反応装置と、改質反応装置で製造された水素を含有するガスを導入し高温水蒸気電解を行う電解装置とを備えるので、改質反応装置が、局所的な温度勾配を生ずることが防止され、炭素が析出しにくく、改質反応の効率が低下しにくいので、安定的に水素を含有する燃料ガスが製造される。したがって、燃料ガスの供給量が変動せず、安定的に運転できる水素製造装置が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号あるいは類似符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態としての改質反応装置110について説明する。図1は、異なる粒径の触媒が充填された改質反応装置110を示す模式的断面図である。改質反応装置110は、円筒形の容器120と、容器120に充填された触媒130・132.134を備える。容器120の一端には、入口ノズル122が形成され、他端には出口ノズル124が形成される。反応するガスである炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは、入口ノズル122から容器120内に導入され、円筒形の容器120を軸方向に流れつつ水素を含有する燃料ガスFに改質反応された後に、出口ノズル124から導出される。すなわち、入口ノズル122から出口ノズル124への方向(図1の上から下)が、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとが流れる所定の方向となる。改質反応は例えば600〜1000℃の高温で行われるので、容器120は、ステンレス鋼などの耐熱金属材料で形成される。なお、容器は円筒形でなくてもよく、例えば後述の図14を参照して説明するように、容器を二重円筒として、内筒の内側空間をバーナーの燃焼ガス等、熱媒体による加熱空間とし、内筒と外筒の間の空間に触媒を充填してもよく、あるいは、他の形状としてもよい。
触媒130・132.134は、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの改質反応を加速する改質触媒であり、典型的には、ニッケルNi、ルテニウムRu、白金Pt、ロジウムRh、パラジウムPdなどの金属触媒あるいはこれらの合金触媒を単独であるいは複合して、アルミナAl、ジルコニアZrO、シリカSiOなどの担体に担持したほぼ球形あるいは円柱形の粒子である。担体は、アルミナAl、ジルコニアZrO、シリカSiO以外のセラミックス等でもよい。
触媒130・132.134は、異なる粒径で構成される。すなわち、第1の粒径としての中間の粒径の触媒130と、第2の粒径としての第1の粒径より大きな粒径の触媒132と、第1の粒径より小さな粒径の触媒134とで構成される。例えば、中間の粒径の触媒130の粒径が5mmの場合に、大きな粒径の触媒132の粒径は15mm、小さな粒径の触媒134の粒径は2mmとする。触媒132の粒径は、典型的には、触媒130の粒径より少なくとも20%以上、好ましくは50%以上大きくする。同様に、触媒130の粒径は、典型的には、触媒134の粒径より少なくとも20%以上、好ましくは50%以上大きくする。
炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流側から、すなわち容器120の入口ノズル122側から、大きな粒径の触媒132、中間の粒径の触媒130、小さな粒径の触媒134、中間の粒径の触媒130を、円筒形の中心軸に垂直な面で仕切った形の領域133、131、135、137に配置する。ただし、各触媒130、132、134、130の領域133、131、135、137は、厳密に円筒形の中心軸に垂直な面で仕切られる必要はなく、実質的に、軸方向に大きな粒径の触媒132、中間の粒径の触媒130、小さな粒径の触媒134、中間の粒径の触媒130の順で配置されればよい。
改質反応装置110のように、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流側から順次、大きな粒径の触媒132の領域133、中間の粒径の触媒130の領域131、小さな粒径の触媒134の領域135、中間の粒径の触媒130の領域137を配置することにより、入口ノズル122から容器120内に導入された炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは、初めに大きな粒径の触媒132の下で改質反応をする。大きな粒径の触媒132の領域133では、単位体積当たりの触媒132の表面積が小さいので、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとが改質反応をする触媒132の表面積は少なく、改質反応が緩やかに起こる。したがって、改質反応による触媒層の単位体積当たりの吸熱も少なく、温度の低下も激しくなく、ゆっくりである。
次に、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは中間の粒径の触媒130の領域131に進む。中間の粒径の触媒130の領域131では、大きな粒径の触媒132より単位体積当たりの表面積が大きく、改質反応をする触媒130の表面積は大きくなる。しかし、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの一部は、触媒132の領域133での改質反応により、水素を含有した燃料ガスFに変換されているので、改質反応は、未反応の炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとが導入された場合に比べて緩やかに起こる。したがって、改質反応による触媒層の単位体積当たりの吸熱も少なく、温度の低下も激しくなく、ゆっくりである。
続いて、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは小さな粒径の触媒134の領域135に進む。小さな粒径の触媒134の領域135では、中間の粒径の触媒130よりさらに単位体積当たりの表面積が大きく、改質反応をする触媒134の表面積は大きくなる。しかし、下流になればなるほど改質反応が進んでいるので、全流量に対する炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの割合(濃度)が低くなり、改質反応は緩やかに起こる。したがって、改質反応による触媒層の単位体積当たりの吸熱も少なく、温度の低下も激しくなく、ゆっくりである。また、小さな粒径の触媒134の領域135では、単位体積当たりの触媒134の表面積は最も大きくなる。よって、改質反応が進み、改質ガス組成がほぼ化学的平衡組成に達する。
続いて、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは中間の粒径の触媒130の領域137に進む。中間の粒径の触媒130の領域137は、小さな粒径の触媒134が炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sあるいは燃料ガスFの流れに随伴して容器120から流出することがないように、小さな粒径の触媒134の領域135の下流側に形成されている。この中間の粒径の触媒130の領域137においては、小さな粒径の触媒134の領域135より単位体積当たりの触媒の表面積が小さく、また、全流量に対する炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの割合が低くなっているので、改質反応はさらに緩やかになる。中間の粒径の触媒130の領域137を経て、燃料ガスFは、出口ノズル124から流出する。中間の粒径の触媒130の領域137が形成されることにより、出口ノズル124から触媒130・132・134の流出を防止する仕切りメッシュ154を備える場合にも、メッシュ仕切り154の目を小さな粒径の触媒134より細かくするのではなく、中間の粒径の触媒130より細かくすれば足り、目を粗くすることができるので、目詰まりを起こしにくくなり、好適である。この領域137では、強度が強い触媒130を充填すると、各領域、すなわち触媒層131・133.135.137の自重による触媒130の破損を防止できるので、好適である。なお、触媒130が充填された領域137を形成しないで、出口ノズル124まで小さな粒径の触媒135を充填してもよい。
改質反応装置110では、入口ノズル122から導入した炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとを、先ず大きな粒径の触媒132の下で改質反応させ、順次、中間の粒径の触媒130、小さな粒径の触媒134の下で改質反応させることにより、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されない。よって、温度低下による炭素の析出が防止され、安定的に改質反応が行われる。また、局所的な温度勾配を生じないので、熱応力による、触媒130・132.134あるいは容器120の損耗が防止される。
上記の説明では、上流側から順番に、大きな粒径の触媒132の領域133、中間の粒径の触媒130の領域131、小さな粒径の触媒134の領域135、中間の粒径の触媒130の領域137が配置されるものとして説明したが、少なくとも、大きな粒径の触媒132の領域133と中間の粒径の触媒130の領域131とが配置されれば、入口ノズル122近傍での急激な改質反応と、それに伴う急激な温度低下をする部分が形成されない。特に、大きな粒径の触媒132を最上流に配置することで、局所的な温度勾配を防止する効果が大きい。
次に、図2を参照して、本発明の第2の実施の形態としての改質反応装置112について説明する。図2は、触媒140と不活性粒子142とが充填された改質反応装置112を示す模式的断面図である。改質反応装置112は、円筒形の容器120と、容器120に充填された触媒140と不活性粒子142とを備える。容器120の構成は、改質反応装置110の場合と同様であるので、説明は省略する。
触媒140は、触媒130・132.134と同様の改質触媒であり、典型的には粒径が1〜20mmで、好ましくは2〜5mmの球形の触媒である。本実施の形態では、触媒140の粒径は実質的に均一である。不活性粒子142は、アルミナAlを始め、セラミックス等の不活性な材料で形成された球形の粒子で、触媒140に近い粒径とするのが好ましい。不活性粒子142を触媒140に近い粒径とすると、両者を均等に混合し易い。特に、不活性粒子142を触媒140の担体と同じ材料で形成すると、比重もあまり変わらず、さらに均等に混合し易いので好適である。
容器120には、触媒140が主体として充填され、不活性粒子142は触媒140に混合された混合物143として充填される。触媒140と不活性粒子142との混合物143は、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流、すなわち、入口ノズル122の近傍の領域に充填され、その下流には触媒140だけが充填される。すなわち、混合物143は、容器120に充填された触媒140、つまり、触媒140だけが充填された領域141の上流側に充填される。混合物143において、触媒140に混合される不活性粒子142の割合は、炭化水素系原燃料Rの性状、容器120内の温度、触媒140や不活性粒子142の粒径等の改質反応装置112の運転条件によっても異なるが、典型的には、5〜80%とする。5%より少ないと不活性粒子142を混合したことの効果がほとんど得られず、80%以上混合すると改質反応がほとんど生じなくなるからである。好ましくは、上記の割合は、10〜50%とする。
改質反応装置112のように、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流側から、触媒140と不活性粒子142との混合物143、続いて触媒140を充填することにより、入口ノズル122から容器120内に導入された炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは、初めに混合物143の下で改質反応をする。混合物143では、単位体積当たりの触媒140の表面積が小さいので、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとが改質反応をする触媒140の表面は少なく、改質反応が緩やかに起きる。したがって、改質反応による触媒層の単位体積当たりの吸熱も少なく、温度の低下も激しくなく、ゆっくりである。続いて、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは触媒140だけが充填された領域141に進み、領域141では単位体積当たりの触媒140の表面積が大きくなるが、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの一部は、混合物143での改質反応により、水素を含有した燃料ガスFに変換されているので、改質反応は、未反応の炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとが導入された場合に比べて緩やかに起こる。なお、混合物143において、不活性粒子142を混合する割合を、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流側を大きく、下流側になるにつれ徐々に小さくすると、上流側での改質反応を緩やかにしつつ、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとに燃料ガスFが生成されるにつれ触媒140の表面積が増え、改質反応を活発化させようとするので、より均一な改質反応を生ぜしめるようになり、好適である。
改質反応装置112では、入口ノズル122から導入した炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとを、先ず混合物143の下で改質反応させ、次に、触媒140の下で改質反応させることにより、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されない。よって、温度低下による炭素の析出が防止され、安定的に改質反応が行われる。また、局所的な温度勾配を生じないので、熱応力による、触媒140あるいは容器120の損耗が防止される。特に、混合物143を最上流に配置することで、局所的な温度勾配を防止する効果が大きい。特に、不活性粒子142として、アルミナAlなどの熱伝導性のよい材質のものを使用すれば、容器120内の半径方向における触媒140および不活性粒子142の、すなわち触媒層の半径方向の、温度勾配が緩和され、好適である。
次に、図3を参照して、本発明の第3の実施の形態としての改質反応装置114について説明する。図3は、触媒140と脱硫剤144とが充填された改質反応装置114を示す模式的断面図である。改質反応装置114は、円筒形の容器120と、容器120に充填された触媒140と脱硫剤144とを備える。容器120の構成は、改質反応装置110の場合と同様であるので、説明は省略する。
触媒140は、触媒130・132.134と同様の改質触媒であり、典型的には粒径が1〜20mmで、好ましくは2〜5mmの球形の触媒である。本実施の形態では、触媒140の粒径は実質的に均一である。脱硫剤144は、酸化第二鉄Fe、酸化カルシウムCaO、炭酸カルシウムCaCO、酸化亜鉛ZnO、酸化マンガンMn等の金属酸化物脱硫剤が典型的に用いられるが、他の脱硫剤でもよい。脱硫剤144は、触媒140に近い粒径とするのが好ましい。脱硫剤144を触媒140に近い粒径とすると、両者を均等に混合し易い。
容器120には、触媒140が主体として充填され、脱硫剤144は触媒140に混合されるた混合物145として充填される。触媒140と脱硫剤144との混合物145は、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流、すなわち、入口ノズル122の近傍の領域に充填され、その下流には触媒140だけが充填される。すなわち、混合物145は、容器120に充填された触媒140、つまり、触媒140だけが充填された領域141の上流側に充填される。混合物145において、触媒140に混合される脱硫剤144の割合は、炭化水素系原燃料Rの性状、容器120内の温度、触媒140や脱硫剤144の粒径等の改質反応装置114の運転条件によっても異なるが、典型的には、5〜80%とする。5%より少ないと脱硫剤144を混合したことの効果がほとんど得られず、80%以上混合すると改質反応がほとんど生じなくなるからである。好ましくは、上記の割合は、10〜50%とする。
改質反応装置114のように、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流側から、触媒140と脱硫剤144との混合物145、続いて触媒140を充填することにより、入口ノズル122から容器120内に導入された炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは、初めに混合物145の下で改質反応をする。混合物145では、単位体積当たりの触媒140の表面積が小さいので、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとが改質反応をする触媒140の表面は少なく、改質反応が緩やかに起きる。したがって、改質反応による触媒層の単位体積当たりの吸熱も少なく、温度の低下も激しくなく、ゆっくりである。続いて、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは触媒140だけが充填された領域141に進み、領域141では単位体積当たりの触媒140の表面積が大きくなるが、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの一部は、混合物145での改質反応により、水素を含有した燃料ガスFに変換されているので、改質反応は、未反応の炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとが導入された場合に比べて緩やかに起こる。なお、混合物145において、脱硫剤144を混合する割合を、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流側を大きく、下流側になるにつれ徐々に小さくすると、上流側での改質反応を緩やかにしつつ、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとに燃料ガスFが生成されるにつれ触媒140の表面積が増え、改質反応を活発化させようとするので、より均一な改質反応を生ぜしめるようになり、好適である。
改質反応装置114では、入口ノズル122から導入した炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとを、先ず混合物145の下で改質反応させ、次に、触媒140の下で改質反応させることにより、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されない。よって、温度低下による炭素の析出が防止され、安定的に改質反応が行われる。また、局所的な温度勾配を生じないので、熱応力による、触媒140あるいは容器120の損耗が防止される。特に、混合物145を最上流に配置することで、局所的な温度勾配を防止する効果が大きい。
また、改質反応装置114では、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流側に脱硫剤144が混合された混合物145が充填される。炭化水素系原燃料Rは、改質反応装置114に導入される前に脱硫処理されイオウを取り除くのが一般的であるが、イオウが残留していることもある。そこで、改質反応装置114の上流側に脱硫剤144が充填されることにより、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとに含まれるイオウを取り除くことができる。したがって、イオウによる改質触媒140の劣化を防止し、また、容器120の腐食を防止し、さらに、改質反応装置114の後段の装置のイオウによる腐食や劣化を防止することができる。したがって、装置全体の長寿命化が図れ、加えて、イオウによる人体や環境への悪影響の恐れを低減できる。すなわち、脱硫剤144は、改質反応を緩やかにしつつ、残留したイオウを取り除くという、2つの機能を果たす。
次に、図4を参照して、本発明の第4の実施の形態としての改質反応装置116について説明する。図4は、第1の有効面積比を有する触媒146と、第1の有効面積比より小さな第2の有効面積比を有する触媒148とが充填された改質反応装置116を示す模式的断面図である。改質反応装置116は、円筒形の容器120と、容器120に充填された第1の有効面積比を有する触媒146と第2の有効面積比を有する触媒148とを備える。容器120の構成は、改質反応装置110の場合と同様であるので、説明は省略する。
第1の有効面積比を有する触媒146と第2の有効面積比を有する触媒148とは、触媒130・132.134と同様の改質触媒であり、典型的には粒径が1〜20mmで、好ましくは2〜5mmの球形の触媒である。本実施の形態では、第1の有効面積比を有する触媒146の粒径と第2の有効面積比を有する触媒148の粒径とはほぼ等しい。ただし、触媒146・148の有効面積比が調整されている。ここで、触媒146・148の有効面積比とは、単位体積当たりの触媒146・148の触媒作用を持つ原子あるいは分子の面積の割合をいう。すなわち、触媒146・148では、典型的にはニッケルNi、ルテニウムRu、プラチナPt等の触媒作用を有する金属原子をアルミナAlを始め、セラミックス等の担体に担持した触媒を用いるが、触媒作用を有する金属原子を囲んで固定するので、全表面を金属原子で覆うことはできないのが一般的である。触媒作用を有する金属原子で全表面を覆うことができるとしても、特に、第2の有効面積比を有する触媒148では、触媒148の表面に固定される触媒作用を有する金属原子の量を制限して、有効面積比を調整する。第2の有効面積比を有する触媒148の有効面積比は、炭化水素系原燃料Rの性状、容器120内の温度、触媒146・148の粒径等の改質反応装置116の運転条件によっても異なるが、典型的には、第1の有効面積比である触媒146の有効面積比の10〜80%とする。10%より少ないと改質反応がほとんど生じなくなり、80%以上とすると第2の触媒148を充填したことの効果がほとんど得られなくなるからである。好ましくは、上記の割合は、20〜60%とする。なお、有効面積比の調整は、多孔質の担体を用いるときには、担体の単位体積当たりの表面積を調整することにより行うこともできる。
容器120には、第2の有効面積比を有する触媒148は、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流、すなわち、入口ノズル122の近傍の領域に充填され、その下流には第1の有効面積比を有する触媒146が充填される。すなわち、第2の有効面積比を有する触媒148は、容器120に充填された第1の有効面積比を有する触媒146の上流側に充填される。
改質反応装置116のように、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流側から、第2の有効面積比を有する触媒148、続いて第1の有効面積比を有する触媒146を充填することにより、入口ノズル122から容器120内に導入された炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは、初めに第2の有効面積比を有する触媒148の下で改質反応をする。第2の有効面積比を有する触媒148では、単位体積当たりの触媒作用を有する有効な表面積が小さいので、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとが改質反応をする触媒148の面積は少なく、改質反応が緩やかに起きる。したがって、改質反応による触媒層の単位体積当たりの吸熱も少なく、温度の低下も激しくなく、ゆっくりである。続いて、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとは第1の有効面積比を有する触媒146が充填された領域に進み、単位体積当たりの触媒作用を有する有効な表面積が大きくなるが、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの一部は、第2の有効面積比を有する触媒148での改質反応により、水素を含有した燃料ガスFに変換されているので、改質反応は、未反応の炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとが導入された場合に比べて緩やかに起こる。なお、第2の有効面積比を有する触媒148において、触媒作用を有する面積の割合を、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流側で小さく、下流側になるにつれ徐々に大きくすると、上流側での改質反応を緩やかにしつつ、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとに燃料ガスFが生成されるにつれ触媒作用を有する面積が増え、改質反応を活発化させようとするので、より均一な改質反応を生ぜしめるようになり、好適である。
改質反応装置116では、入口ノズル122から導入した炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとを、先ず第2の有効面積比を有する触媒148の下で改質反応させ、次に、第1の有効面積比を有する触媒146の下で改質反応させることにより、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されない。よって、温度低下による炭素の析出が防止され、安定的に改質反応が行われる。また、局所的な温度勾配を生じないので、熱応力による、触媒146・148あるいは容器120の損耗が防止される。特に、第2の有効面積比を有する触媒148を最上流に配置することで、局所的な温度勾配を防止する効果が大きい。なお、第1の有効面積比を有する触媒146の粒径と第2の有効面積比を有する触媒148の粒径とはほぼ等しいものとして説明したが、第1の有効面積比を有する触媒146の粒径と第2の有効面積比を有する触媒148の粒径とが異なっていても、単位体積当たりの触媒作用を有する面積が、第1の有効面積比を有する触媒146の領域より、第2の有効面積比を有する触媒148の領域の方が小さければよく、触媒146・148の粒径の差があったとしてもその差は通常は小さく、有効面積比の小さな触媒148を上流側に配置すればよい。
これまで説明した改質反応装置110、112、114、116での触媒構成を組み合わせて用いてもよい。例えば、容器120に、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sとの流れる所定の方向からみて上流側に、第1の粒径の触媒130より大きな第2の粒径の触媒132を、不活性粒子142と混合して充填してもよい。あるいは、他の組合せでもよい。
図5に、従来の同一粒径、同一性状の触媒を充填した場合の改質反応装置と、改質反応装置110、112、114、116のような触媒構成とした場合の容器120の温度分布を例示する。図5は、横軸に容器内120の入口ノズル122からの距離を、縦軸に容器内120の温度を模式的に示したグラフである。容器120内の温度分布は、従来の改質反応装置に比べ、上記の触媒構成とすることにより均一となる。
ここで、これまで説明した改質反応装置110、112、114、116において、触媒130・132・134、140、146・148あるいは触媒140と不活性粒子142の混合物143もしくは脱硫剤144との混合物145の容器120への充填方法について説明する。
図6は、図2に示す改質反応装置112についての触媒140並びに触媒140および不活性粒子142の混合物143の容器120への充填方法の一例を示す模式的断面図で、(a)は触媒140と混合物143との間に仕切りメッシュ150を挿入した例、(b)は触媒140と混合物143とをそれぞれ袋156、158に詰めた上で容器120に充填した例を示す。
図6(a)に示すように、触媒140だけが充填される領域141と、触媒140と不活性粒子142の混合物143が充填される領域との間に、境界板としての仕切りメッシュ150を挿入する。仕切りメッシュ150は、容器120の軸に垂直な面を覆う細孔が形成されたメッシュで、細孔は、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sおよび燃料ガスFなどの流体は流れるが、触媒140や不活性粒子142は通過できない大きさに形成される。仕切りメッシュ150は、改質反応に適する例えば600〜1000℃の温度に対する耐熱性を有するステンレス鋼などを用いたメッシュである。境界板としては、メッシュ構造に代えて、ステンレス鋼製やセラミックス製のパンチングメタルやハニカム構造などの多孔板等、流体が通過する境界板であればよい。仕切りメッシュ150を挿入することにより、触媒140だけが充填される領域141と、触媒140と不活性粒子142の混合物143が充填される領域との間を、改質反応装置112の運転中に触媒140あるいは不活性粒子142が移動することがない。したがって、安定した状態で改質反応装置112を運転することができる。
また、触媒140、および、触媒140と不活性粒子142の混合物143をそれぞれ充填するときにも、仕切りメッシュ150を用いると充填しやすい。触媒140および混合物143を充填するときには、例えば図6(a)に図示するように、入口ノズル122を鉛直下方となるように容器120を配置し、入口ノズル122に仕切メッシュ152を設置する。仕切メッシュ152は触媒140および不活性粒子142が入口ノズル122から流出しないように配置するが、触媒140および不活性粒子142が入口ノズル122の内径より大きな粒径を有し、入口ノズル122から触媒140および不活性粒子142が流出しないのであれば、仕切メッシュ152を配置しなくてもよい。
触媒140と不活性粒子142の混合物143を例えば布袋(不図示)に入れた上で、出口ノズル124から容器120内に搬入し、仕切りメッシュ152の上に置き、布袋を徐々に引き上げ、布袋内から混合物143を仕切りメッシュ152上に堆積させる。このときに、特に触媒140を高所(例えば、数10cmの高さ)から落下させないようにする。高所から触媒140を落下させると、触媒140が損傷を受けることがある。所定量の混合物143を充填したならば、充填した混合物143上に仕切りメッシュ150を載置し、仕切りメッシュ150上に、同様に触媒140を堆積させる。所定量の触媒140を充填したならば、仕切りメッシュ154を載置する。仕切りメッシュ150、152、154がステンレス鋼製のメッシュであると、弾性的に変形し易いので、出口ノズル124を通して容器120内に挿入できるので、好適である。パンチングメタルやハニカム構造などの多孔板とすると、境界板として強度が高いという利点がある。ただし、出口ノズル124を通して挿入できないので、例えば出口ノズル124側の円筒形の容器120の端部126を取り外し式として、混合物143や触媒140および仕切りメッシュ150、152、154を容器120内に入れた後に、端部126で封をする。なお、仕切りメッシュ150を備えず、充填した混合物143の上に、直接触媒140を充填してもよい。特に改質反応装置112が小型の場合には、容器120内のスペースが小さく、仕切りメッシュ150を挿入するのが困難な場合が多い。また、容器120が出口ノズル124を鉛直上方に向けて配置されるときには、出口ノズル124側の仕切りメッシュ154を備えなくてもよく、容器120が入口ノズル122を鉛直上方に向けて配置されるときには、入口ノズル122側の仕切りメッシュ152を備えなくてもよい。
図6(b)に示すように、触媒140、および、触媒140と不活性粒子142の混合物143を、それぞれ通気性のある触媒容器としての袋156、158内に収容してもよい。袋156、158内に収容した触媒140および混合物143を容器120内に充填するには、入口ノズル122を鉛直下方となるように容器120を配置し、出口ノズル124から袋158に収容した混合物143を容器120内の入口ノズル122側に搬入する。所定量の混合物143を充填したら、袋156に収容した触媒140を搬入する。袋156、158は、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sおよび燃料ガスFなどの流体は流れるが、触媒140や不活性粒子142は通過できない大きさの細孔(不図示)を有する袋で、改質反応に適する例えば600〜1000℃の温度に対する耐熱性を有する金属線などで形成された袋である。触媒容器としては袋156に代えて、細孔の形成された箱あるいは籠でもよい。
触媒140、および、触媒140と不活性粒子142の混合物143を、それぞれ袋156、158内に収容することにより、触媒140だけが充填される領域141と、触媒140と不活性粒子142の混合物143が充填される領域との間を、改質反応装置112の運転中に触媒140あるいは不活性粒子142が移動することがない。したがって、安定した状態で改質反応装置112を運転することができる。
これまでの説明では、改質反応装置112の容器120に、触媒140および触媒140と不活性粒子142の混合物143を充填するものとして説明したが、上記の充填方法は、改質反応装置110、114、116の容器120に、触媒130・132・134、140、146・148あるいは触媒140と脱硫剤144との混合物145を充填する場合においても、同様に適用できる。
これまで説明した改質反応装置110、112、114、116においては、局所的な温度勾配を生じないので、熱応力による触媒130・132・134、140、146・148あるいは容器120の損耗が防止されるが、加えて、次のような構成と組み合わせることにより、熱応力を低減して、触媒130・132・134、140、146・148あるいは容器120の損耗がさらに起こりにくくすると好適である。
改質反応装置12として、例えば図7に示すように、触媒等60を収容し、長手方向に伸縮する伸縮管26と、伸縮管26を内部に有する容器20とを備えてもよい。ここで、触媒等60とは、改質反応装置110、112、114、116で説明したところの、触媒130・132・134、140、146・148あるいは触媒140と不活性粒子142の混合物143もしくは脱硫剤144との混合物145の総称であり、改質反応装置110、112、114、116で説明したように充填されたものである。
このように構成すると、触媒等60が長手方向に伸縮する伸縮管26に収容されているので、熱伸縮に差があっても、容器20と触媒等60との体積の差は伸縮管26が長手方向に伸縮することで吸収される。よって、触媒等60と容器20とに生ずる熱応力は低減される。
また、改質反応装置14として、例えば図8に示すように、触媒等60を収容する容器30と、容器30に開口し、炭化水素系原燃料Rを導入する入口ノズル32と、容器30に開口し、改質反応した燃料ガスFが導出する出口ノズル34とを備え、入口ノズル32と出口ノズル34とは触媒等60を鉛直方向で挟む位置に配置され、容器30の内部空間38は、鉛直方向上方に向って断面が大きくなるテーパ形状に形成され、触媒等60の鉛直上方に触媒等60のない空間を有してもよい。なおここで、「鉛直」とは厳密な意味での鉛直方向でなくてもよく、実質的に鉛直方向であればよい。
このように構成すると、容器30の内部空間が上方に向って断面が大きくなるテーパ形状に形成されているので、熱伸縮に差があっても、容器30と触媒等60との体積の差は触媒等60が上下に移動することにより吸収される。特に触媒等60が圧縮され触媒等60と容器30に熱応力が生ずるときには、触媒等60が上方の空間に逃げることにより体積の差が吸収される。よって、触媒等60と容器30とに生ずる熱応力は低減される。
また、改質反応装置16として、例えば図9に示すように、触媒等60を収容する容器20と、体積が変化し、触媒等60あるいは容器20の熱伸縮による体積変化を吸収する応力緩和材62を触媒等60と共に備えてもよい。
このように構成すると、触媒等60あるいは容器20の熱伸縮による体積変化を吸収する応力緩和材62を触媒等60と共に備えるので、熱伸縮に差があっても、容器20と触媒等60との体積の差は応力緩和材62にて吸収される。よって、触媒等60と容器20とに生ずる熱応力は低減される。
また、改質反応装置18として、例えば図10に示すように、触媒等60を収容する容器40と、容器40に開口し、炭化水素系原燃料Rを導入する入口ノズル32と、容器40に開口し、改質反応した燃料ガスFが導出する出口ノズル34とを備え、入口ノズル32と出口ノズル34とは触媒等60を水平方向で挟む位置に配置され、触媒等60は、鉛直断面において深さの最大値hより幅の最大値vを大きくし、触媒等60の鉛直上方に触媒等60のない空間44を有して収容してもよい。なおここで、「鉛直」あるいは「水平」とは厳密な意味での鉛直あるいは水平方向でなくてもよく、実質的に鉛直あるいは水平方向であればよい。「深さ」とは鉛直方向に測定し、「幅」とは水平方向に測定した値とする。
このように構成すると、触媒等60あるいは容器40の熱伸縮による体積変化を生じても、容器40は水平面での最大断面積が鉛直面での最大断面積より大きく形成されているので、容器40と触媒等60との体積変化の差は触媒等60が上下に移動することで吸収される。特に触媒等60が圧縮され触媒等60と容器40に熱応力が生ずるときには、触媒等60が上方の空間に逃げることにより体積の差が吸収される。よって、触媒等60と容器40とに生ずる熱応力は低減される。
さらに改質反応装置18では、例えば図10に示すように、容器40の上部に炭化水素系原燃料Rの水平方向流れを妨害するバッフルプレート42を有するとよい。
このように構成すると、容器40の上部に炭化水素系原燃料Rの水平方向流れを妨害するバッフルプレート42を有するので、炭化水素系原燃料Rが容器40内で触媒等60のない空間を流れることが防止され、確実に改質反応することになる。
まず図7を参照して、伸縮管26を備える改質反応装置12について説明する。図7は、改質反応装置12を説明する模式的断面図である。改質反応装置12は、改質反応を促進する触媒等60と、触媒等60を収容する伸縮管26と、触媒等60を収容した伸縮管26を内部に有する容器20とを備える。容器20には、容器20内に炭化水素系原燃料Rを導入する入口ノズル32と改質反応した後の水素を含有する燃料ガスFを導出する出口ノズル34とを有する。容器20は、典型的には、円筒形の胴部と、胴部とフランジ接続する2つの蓋部とで構成され、入口ノズル32および出口ノズル34は蓋部に形成される。胴部と蓋部とをフランジ接続することにより、触媒等60の充填・取替え等を行いやすくなる。容器20は、前述の容器120と同じものでよい。
伸縮管26は、いわゆるエクスパンション・ジョイントと類似の構造の管であり、典型的には薄肉の蛇腹により長手方向に伸縮する管である。管全体が蛇腹になっておらず、その一部が蛇腹になり、あるいは、長手方向のところどころの断面がU字型に成形され、長手方向に変形し易い構造とされてもよい。伸縮管26は、高温での強度が大きく、かつ、疲労強度の大きな材料で形成され、例えばステンレス鋼あるいはチタン合金などが用いられる。伸縮管26は、容器20の内部空間24に容器20と同軸に配置され、一端は、容器20の蓋部あるいは円筒形の端面に固着される。伸縮管26が固着された蓋部あるいは端面に入口ノズル32が形成され、入口ノズル32は伸縮管26の内側に開口する。典型的には、図7に示す方向と同様に、容器20が中心軸を鉛直に向け、その下端面に伸縮管26の端部が固着される。伸縮管26の外径は、容器20の内径より僅かに小さく、容器20の内面22にほとんど接することはないが、伸縮管26の傾斜は、容器20の内面22により抑えられる。したがって、伸縮管26は一端を固着されただけではあるが、傾斜することなく長手方向に伸縮する。
触媒等60は伸縮管26内に充填される。図7では、伸縮管26の固着された端部から他端まで触媒等60が満杯に充填されているように示されているが、伸縮管26の他端には触媒等60が充填されていない空間が保たれていることが好ましい。伸縮管26の他端に空間があることで、触媒等60が伸縮管26からあふれ出ることが防止される。したがって、容器20と触媒等60とが直に接することがない。
入口ノズル32から容器20の内部空間24に導入された炭化水素系原燃料Rは、入口ノズル32が伸縮管26の内側に開口しているので、伸縮管26に充填された触媒等60中に導かれる。炭化水素系原燃料Rは、粒子状の触媒等60の間を通過し、その間に改質反応して、燃料ガスFとなり、さらに容器20の内部空間24を進み、出口ノズル34から容器20の外へ導出される。図7では、伸縮管26が容器20の長さの半分以下であるように示されているが、伸縮管26は容器20の長さより僅かに短く、容器20、触媒等60等の熱伸縮により相対的に長くなっても、容器20の内面上端に当たらない程度の長さであればよい。
続いて、図7を参照して改質反応装置12の作用について説明する。改質反応は600〜1000℃の高温で行われるので、触媒等60も容器20も高温になり、熱膨張する。また、運転を停止すると常温に温度が低下するので、熱収縮する。容器20と触媒等60とは、材質が異なるので、線膨張係数が異なるのが一般的で、同じ温度差で熱膨張・収縮したとしても熱伸縮に差を生ずる。例えば、触媒等60の主たる原材料であるアルミナAlの線膨張係数は7×10−6(1/K)程度であり、容器20の主たる原材料であるオーステナイト系ステンレス鋼(例えばJIS SUS304材)の線膨張係数は、17×10−6(1/K)程度である。そのため、従来の容器20に触媒等60を直接充填しただけの改質反応装置では容器20がより収縮した場合に、あるいは触媒等60がより膨張した場合に、容器20の内面22の直径より、充填された触媒等60の占める領域の直径が大きくなる。すると、触媒等60は径方向に圧縮され、容器20は径方向に押し拡げられ、触媒等60と容器20に熱応力が生ずる。特に、触媒等60が充填された表面から離れた場所(充填された触媒等60の底付近)では、上方(長手方向)に触媒等60が移動して逃げることができないので、大きな応力を生じやすい。
そこで、改質反応装置12では、伸縮管26内に触媒等60を充填している。伸縮管26も容器20と同等のあるいは類似の材質で形成されるのが一般的であるが、伸縮管26は容易に長手方向に伸縮するので、径方向に触媒等60が圧縮されても、伸縮管26の長手方向の伸びにつれて上方(長手方向)に広がる(逃げる)ことができ、熱応力が低減される。逆に、容器20がより膨張した場合、あるいは触媒等60がより収縮した場合には、触媒等60だけが沈下するのではなく、伸縮管26が触媒等60につれて長手方向に縮むことにより、伸縮管26と触媒等60との間に隙間が形成されにくくなり、触媒等60の沈下も防止される。したがって、熱応力が低減され、触媒等60や容器20の損傷が防止される。なお、伸縮管26が薄肉であるので、その弾性により径方向に伸縮することで熱応力を低減する効果を有することは好適である。
また、容器20がオーステナイト系ステンレス鋼製の場合、高温水蒸気含有雰囲気で使用されるため、水蒸気酸化を生ずる。オーステナイト系ステンレス鋼の場合、表面に形成された酸化皮膜が酸化の進行を防止する。しかし、例えば触媒等60と摩擦を生ずる場合には、酸化皮膜が損傷を受け、酸化被膜による防食効果が失われて酸化が進行する恐れがある。改質反応装置12では、触媒等60が伸縮管26内に充填され、容器20の内面22と接していないので、容器20の酸化皮膜を損傷することがない。一方、伸縮管26がオーステナイト系ステンレス鋼製の場合、伸縮管26は酸化により損傷することがある。伸縮管26が損傷しても、中を流れる高温の炭化水素系原燃料Rあるいは燃料ガスFは容器20内に留まるため、事故を招くことはなく、安全である。また、伸縮管26が損傷した場合には、伸縮管26だけを交換すればよく、容器20を交換する場合に比べ、容易で安価である。あるいは、伸縮管26をチタン合金製とすれば、水蒸気酸化も防止でき、かかる懸念がなくなる。上述のように、改質反応装置12では温度変化による触媒等60と容器20との熱応力が低減され、触媒等60や容器20の損傷が防止されると共に、容器20の内面22の摩擦も防止され、容器20の酸化被膜の損傷が防止され、より容器20の損傷を防止する効果が高まる。
次に図8を参照して、容器30の内部空間38が鉛直方向上方に向って断面が大きくなるテーパ形状に形成されている改質反応装置14について説明する。図8は、改質反応装置14を説明する模式的断面図である。図8での上下方向は、実際に改質反応装置14が設置される方向と一致している。改質反応装置14も、基本的構成は改質反応装置12(図7参照)と同様であるので、共通する説明は省略し、相違点について説明する。改質反応装置14では、伸縮管26を備えておらず、容器30の内部空間38が、下部がすぼまり、上方に向って断面が大きくなるテーパ状に形成されている。入口ノズル32は容器30の下端(下側の蓋部)に接続し、出口ノズル34は容器30の上端(上側の蓋部)に接続する。すなわち、容器30の内部空間38は、円錐形を倒立したような形状となり、その下端にある頂点で入口ノズル32が連接し、上端の底面で出口ノズル34が連接する。触媒等60は入口ノズル32と出口ノズル34との間で鉛直方向に挟まれ、炭化水素系原燃料Rは容器30の下端から導入され、触媒等60内を通過して、上端から導出される。
改質反応装置14においては、熱伸縮の差により触媒等60と容器30とに熱応力が生ずる状態になると、触媒等60はテーパのついた容器30の内面36で押されることになる。ここで、内面36が触媒等60を押す力pは、図8中に矢印で示したように、径方向(水平方向)の力rと長手方向(鉛直方向)の力gとに分けられる。すなわち、触媒等60を径方向に圧縮する力rだけではなく、触媒等60を上方へ持ち上げようとする力gが生ずることになる。そのため、触媒等60は上方へ逃げようとする。上方の断面は広がっており、かつ、上方に触媒等60のない空間があるので、触媒等60は容易に上方へ移動し、その結果、圧縮する力は低減される。よって、触媒等60および容器30に生ずる熱応力は低減される。そのために、触媒の損傷が防止される。また、熱応力の減少は触媒等60と容器30との間の面圧を低減し、ひいては摩擦損傷を軽減する。よって、容器30の表面被膜の損傷も軽減される。さらに、容器30は外形が円筒形で、内部空間38がテーパ形状に形成されており、肉厚が下部になるほど厚く形成されている。特に熱応力、すなわち摩擦が大きくなりやすい下部の肉厚が厚いので、容器30が水蒸気酸化を受けたとしても、腐食代が大きく長寿命となる。なお、上方に向って断面が大きくなるテーパは、容器30の内面36が触媒等60を押す力pを、径方向(水平方向)の力rと長手方向(鉛直方向)の力gとに分けたときに、長手方向(鉛直方向)の力gが鉛直上方を向いたベクトルとなるような形状であること、すなわち、内面36がいずれにおいても水平方向より上方を向いていることが好ましい。また、触媒等60を鉛直方向で挟む入口ノズル32と出口ノズル34は、入口ノズル32については内部空間38が最もすぼまった下部に配置され、出口ノズル34については上方の触媒等60のない空間に配置されるのが好ましい。
次に図9を参照して、触媒等60と共に応力緩和材62が容器20に充填されている改質反応装置16について説明する。図9は、改質反応装置16を説明する模式的断面図である。改質反応装置16も、基本的構成は改質反応装置12(図7参照)と同様であるので、共通する説明は省略し、相違点について説明する。改質反応装置16では、伸縮管26を備えておらず、触媒等60中に応力緩和材62が分散混入されている。応力緩和材62とは、触媒等60や容器20より弾性変形あるいは塑性変形しやすい物体で、例えばグラスウールの様な繊維状化合物や、金属金網を球状に丸めた金属金網などでよい。さらに金属銅など容器20のステンレス鋼よりも軟らかい金属の塊を用いてもよい。容器20と触媒等60との熱伸縮の差により熱応力が生じた場合に、応力緩和材62が優先的に変形して熱伸縮の差を吸収することにより、熱応力を低減する。応力緩和材62は、触媒等60と同程度の粒径を有する粒子状、あるいは、より大きい粒子状であることが好適であり、形状は球形でなくてもよい。応力緩和材62は触媒等60中にほぼ均一に分散させるのがよい。このように構成することにより、熱応力を触媒等60全体で低減することができる。なお、後述の改質反応装置18(図10参照)を含む他の改質反応装置12、14、18において、応力緩和材62を触媒等60に混入しても熱応力を低減する効果を有するので、好適である。
改質反応装置16においては、熱伸縮の差により触媒等60と容器20とに熱応力が生ずる状態になると、応力緩和材62が変形して熱伸縮の差を吸収し、熱応力を低減することになる。そのために、触媒等60の損傷が防止される。また、熱応力の減少は触媒等60と容器20の内面22との間の面圧を低減し、ひいては摩擦損傷を軽減する。よって、容器20の損傷も防止される。
次に図10を参照して、触媒等60が収容された層を鉛直断面において深さの最大値hより幅の最大値vを大きくし、触媒等60の鉛直上方に触媒のない空間44を有して収容した改質反応装置18について説明する。なお、触媒等60が収容された層の鉛直断面における深さの最大値hあるいは幅の最大値vを、簡単に、触媒等60の鉛直断面における深さの最大値hあるいは幅の最大値vともいう。図10において、(a)は改質反応装置18を説明する模式的断面図、(b)は(a)のX−X矢視図(中心軸に垂直な面での断面図)である。図10での上下方向は、実際に改質反応装置18が設置される方向と一致している。すなわち、図10(a)も(b)も鉛直断面図となる。改質反応装置18も、基本的構成は改質反応装置12(図7参照)と同様であるので、共通する説明は省略し、相違点について説明する。改質反応装置18では、容器40が横置きされ、すなわち、入口ノズル32と出口ノズル34とが水平方向に離間して開口し、その間で触媒等60が容器40の内部に充填されている。触媒等60は、入口ノズル32および出口ノズル34が開口している位置よりも上方まで充填されている。容器40は円筒形で、径よりも長手方向が長く形成されている。よって、図10(a)に示す鉛直断面においても、(b)に示す鉛直断面においても、収容された触媒等60の層の鉛直断面での幅の最大値v1、v2(総称してvとする。)は深さの最大値hよりも大きくなる。前述のように触媒等60と容器40との熱伸縮の差により生ずる熱応力は、水平方向に生じる。鉛直方向では、触媒等60の上部に空間44が生じており、いわば自由表面となっており、そのため鉛直方向には変形できるが、水平方向においては触媒等60が容器40に囲まれて変形が拘束されるからである。そこで、触媒等60の層の水平方向の長さである、幅の最大値vを垂直方向の長さである、深さの最大値hより大きくすることにより、触媒等60と容器40との熱伸縮の差により生ずる体積の差は、触媒が鉛直上方に変位する(逃げる)ことにより容易に吸収される。よって、水平方向の熱応力が低減される。すなわち、深さhが相対的に浅いので、自由表面である触媒等60の表面までの距離が近くなり、触媒等60が変位しやすく、熱応力が低減される。したがって、触媒等60の損傷が防止される。また、熱応力の減少は触媒等60と容器40の内面との間の面圧を低減し、ひいては摩擦損傷を軽減する。よって、容器40の損傷も防止される。なお、入口ノズル32と出口ノズル34とは極力長く離間して触媒等60を挟む位置に配置されるのが、好ましい。例えば、改質反応装置18では、図10(a)および(b)に示すような代表的な鉛直断面において、最長の水平距離となるように配置するのが好適である。入口ノズル32と出口ノズル34との距離が長ければよく、同一の水平面上に配置される必要はない。
入口ノズル32から触媒等60中に入った炭化水素系原燃料Rは、触媒等60中を流れることにより触媒等60により促進され改質反応をすることになるが、その炭化水素系原燃料Rの流れ方向と平行に上部に空間44を有している。すなわち、空間44に流出した炭化水素系原燃料Rは、触媒等60に触れず、改質反応せずに容器40内を流れることができる。出口ノズル34から容器40外に流出するためには再度触媒等60内を通過することにはなるが、触媒等60中を流れる時間が短く、十分に改質されない可能性がある。そこで、空間44の上記炭化水素系原燃料Rの流れを防止するために、バッフルプレート42を設置することが好ましい。図10(b)でも明らかなように、バッフルプレート42は容器40の内面に密着固定され、少なくとも空間44の軸直角面を覆う板である。バッフルプレート42は、触媒等60の中に深く挿入される方が、触媒等60の表面付近を流れ僅かな時間しか触媒等60中に入らない炭化水素系原燃料Rの流れを防止できて好ましい。しかし、深く挿入しすぎると、その断面での炭化水素系原燃料Rの流路が狭められ、流体抵抗が増大し、圧力損失が増加してしまう。そこで、容器40の軸直角面の半分以下の面積とするのが好適である。図10(a)では3枚のバッフルプレート42を示しているが、3枚には限られず、1枚だけ設置してもよい。ただし、複数枚のバッフルプレート42を設置した方が、より確実に炭化水素系原燃料Rの空間44の流れを阻止できるので好ましい。なお、入口ノズル32および出口ノズル34を中心軸上ではなく、より下部に形成すれば、空間44を主として流れ、触媒等60中を流れない炭化水素系原燃料Rの流れを防止できるので好ましい。あるいは、入口ノズル32および出口ノズル34を蓋部あるいは円筒形の端面ではなく、円筒形の胴部の下部に形成してもよい。このときにも、入口ノズル32と出口ノズル34とは長手方向(軸方向)に離間した位置に形成されるので、入口ノズル32と出口ノズル34は触媒等60を挟む位置に配置されているという。
改質反応装置18においては、熱伸縮の差により触媒等60と容器40とに熱応力が生ずる状態になると、触媒等60が鉛直上方に移動して、熱伸縮の差により生ずる体積の差を吸収し熱応力を低減することになる。そのために、触媒等60の損傷が防止される。また、熱応力の減少は触媒等60と容器40の内面との間の面圧を低減し、ひいては摩擦損傷を軽減する。よって、容器40の損傷も防止される。なお、これまでは容器40の形状は円筒形を横置きした形状として説明したが、容器40の形状は円筒形を横置きした形状には限られず、径が長手方向より大きな円筒形を縦置きしてもよいし、直方体形状でもよく、任意の形状でよい。ただし、円筒形であれば成形しやすく、強度的にも優れているので好適である。
続いて、図11を参照して、これまで説明した改質反応装置110で製造された燃料ガスFを用いて発電を行う燃料電池発電装置7について説明する。図11は、燃料電池発電装置7の構成を説明するブロック図である。燃料電池発電装置7は、原料燃料を炭化水素を含む炭化水素系原燃料Rにガス化するガス化装置80と、炭化水素系原燃料Rを水素を含有する燃料ガスFに改質する改質反応装置110と、改質反応装置110から排出された燃料ガスFを冷却する熱交換器78と、燃料ガスFと酸化剤としての空気Oを用いて発電を行う燃料電池70とを備える。なお、改質反応装置110については、既に説明しているので、重複する説明は省略する。ガス化装置80は、例えば廃材などのバイオマスを熱分解して炭化水素系原燃料Rを製造する装置である。燃料電池発電装置7はガス化装置80を備えずに、系外から例えば天然ガス、都市ガス、ケロシンなどを炭化水素系原燃料Rとして導入してもよい。炭化水素系原燃料Rは、水蒸気Sが混入された後に改質反応装置110に送られ、改質反応され、水素を含有する燃料ガスFとなる。炭化水素系原燃料Rに硫黄化合物が含まれる場合には、改質触媒130・132・134(図1参照)の活性を低下させるため、脱硫装置(不図示)を前処理として備えることが好ましい。
改質反応装置110から燃料ガスFが燃料電池70の燃料極74に送られる。燃料電池70の空気極76には、酸化剤ガスとしての空気Oが送られる。燃料電池70は、燃料極74と空気極76との間に固体高分子電解質膜72を備えており、燃料極74の燃料ガスFの水素Hと、空気極76の空気O中の酸素Oとの間の電気化学的反応により、発電が行われる。固体高分子電解質膜72を用いた、いわゆる固体高分子型燃料電池は、典型的には80℃〜100℃で運転されるので、たとえば700〜900℃で反応する改質反応装置110から排出される燃料ガスFを熱交換器78で、80℃〜100℃に冷却する。さらに、熱交換器78では、空気Oを80℃〜100℃に加温するため、燃料ガスFと空気Oとの熱交換を行ってもよい。燃料ガスFは一酸化炭素COを含むのが一般的であり、一酸化炭素COは固体高分子型燃料電池に対して有害なガスであるので、改質反応装置110と熱交換器78との間に、一酸化炭素COを変成反応させて二酸化炭素COに変成する変成装置(不図示)、および変成反応によっても残留する一酸化炭素COを酸化する選択酸化装置(不図示)を備えてもよい。
燃料電池発電装置7では、改質反応装置110を備えている。改質反応装置110では、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されず、よって、局所的な温度勾配を生ずることが防止され、炭素が析出しにくく、改質反応の効率が低下しにくい。よって、安定的に水素を含有する燃料ガスFが製造される。したがって、燃料ガスFの供給量が変動せず、安定的に運転できる燃料電池発電装置7となる。なお、上記の説明では、燃料電池発電装置7は、改質反応装置110を備えるものとして説明したが、断るまでもなく上述の他の改質反応装置112、114、116等、他の改質反応装置を供えてもよい。また、改質反応装置110で改質された燃料ガスFを燃料電池70に供給しているが、後述の高温水蒸気電解層を備え、高温水蒸気電解層に燃料ガスFと水蒸気とを供給して水蒸気を電気分解することにより製造した水素を燃料電池70に供給してもよい。また、酸化剤ガスとして空気Oを用いるものとして説明したが、酸化剤ガスは空気Oに限られず、燃料ガスF中の水素Hを酸化する酸素Oを含有するガスであればよく、酸素ガス等も好適に用いられる。さらに、上記の説明では、燃料電池70は、固体高分子型燃料電池として説明したが、燃料電池は他のいかなるタイプの燃料電池であってもよい。
次に、図12を参照して、これまで説明した改質反応装置110で製造された燃料ガスFを用いて水蒸気電気分解(電解反応ともいう)を行う水素製造装置200について説明する。図12は、水素製造装置200の構成を説明する模式的断面図である。水素製造装置200は、炭化水素系原燃料Rと水蒸気Sを、水素を含有する燃料ガスFに改質する改質反応装置110と、改質反応装置110を収容し、電解反応が行われる電解部を画定する容器である電解槽230と、電解部をアノード側気室272とカソード側気室276とに隔離する、電解装置としての固体酸化物電解セル270とを備える。また、水素製造装置200は、水蒸気Sをカソード側気室276に導入する水蒸気ノズル232と、水蒸気Sの電解反応により製造された水素Hを排出する水素ノズル234と、燃料ガスFの電解反応で使用された残りの排気Wを排出する排気ノズル236とを、電解槽230の図12での上側から順に備える。なお、電解槽230の上側とは、水素製造装置200では、改質反応装置110に送られる炭化水素系原燃料Rが送られてくる方向である。さらに、水素製造装置200は、水蒸気ノズル232から導入された水蒸気Sをカソード側気室276に広く分散させる整流板240と、固体酸化物電解セル270と共にアノード側気室272とカソード側気室276とを区画し、固体酸化物電解セル270を電解槽230内の所定の位置に支持する仕切板244と、アノード側気室272において電解反応に使用された残りの排気Wを固体酸化物電解セル270の周辺から取り除くための排気管242と、排気管242にて導かれた排気Wを排気ノズル236へ導くための仕切板246とを備える。
改質反応装置110については、既に説明しているので、重複する説明は省略する。固体酸化物電解セル270は、アノード側(アノード側気室272)に水素を含む燃料ガスFが、カソード側(カソード側気室276)に高温の水蒸気Sが供給され、カソード側では、高温の水蒸気Sが水素と酸素に電気分解され、アノード側では、燃料ガスF中の還元性ガスである水素H、一酸化炭素COおよびメタンCHなどが固体酸化物電解セル270を通して移動してきた酸素と反応して水HOと二酸化炭素COとなる高温水蒸気電解反応を生ずる電解セルである。固体酸化物電解セル270は、固体電解質隔膜と膜の両面に形成されるアノード電極およびカソード電極を備える。固体酸化物電解質としては、酸化物イオンを伝導する、イットリウムY、カルシウムCaあるいはスカンジウムScなどを添加した酸化ジルコニウム(YSZ,CSZ、ScSZ)などが代表的に用いられる。電極材料としては、高温・還元雰囲気に曝されるため、ニッケルNi、ルテニウムRuなどの金属と耐熱性の高いセラミックスを焼結させたサーメットと称される多孔体が用いられることが多い。いずれの電極もガスの拡散性を保つため、多孔質になっていることが望ましい。このように還元性ガスを利用した高温水蒸気電解では、両電極とも還元雰囲気になるため、金属サーメットを用いることができ、構造を単純化することができる。
固体酸化物電解セル270としては、隔膜材料からなる管状構造の電解セルが好適に用いられる。図12に示す水素製造装置200では、改質反応装置110に隣接して、円管形、より厳密には一端が閉じた円管形で釣鐘形とも称せられる、固体酸化物電解セル270が二つ配置されているように示されているが、固体酸化物電解セル270は、電解槽230内で例えば四つ、六つと配置されてもよく、特に数には限定はない。改質反応装置110に隣接して、その周囲で等距離に配置されると、固体酸化物電解セル270で発熱した熱を、均等に改質反応装置110の触媒層に伝えることができて好ましい。高温水蒸気電解反応の結果、カソード側気室276では、水素Hに富んだガスが製造される。なお水素Hには、未反応の水蒸気Sが混入するのが一般的である。このように、燃料ガスFを還元ガスとして用いた高温水蒸気電解反応により水素Hを製造することで、高純度な水素ガスを簡略化した構造で製造することができる。固体酸化物電解セル270は、改質反応装置110の出口側の仕切メッシュ154と面一の仕切板244に支持され、仕切板244上に改質反応装置110に隣接して設置される。仕切板244には、固体酸化物電解セル270の下部に当たる部分に貫通孔が形成される。仕切板244を挟んで固体酸化物電解セル270が形成されたのと反対側に、仕切板246が配置され、仕切板244と仕切板246との間に空間が形成される。円管形の固体酸化物電解セル270内部には、上方に開口した排気管242が配置され、排気管242の下端は仕切板244を超え、仕切板246を貫通し、仕切板246の下部の空間で開口する。
次に、水素製造装置200の作用について説明する。炭化水素系原燃料Rは、水蒸気Sと共に入口ノズル122から改質反応装置110に送られ、改質反応され、水素を含有する燃料ガスFとなる。燃料ガスFは、出口側の仕切りメッシュ154を超えて、仕切板244と仕切板246との間の空間に流れ、仕切板244と仕切板246との間の空間から円管形の固体酸化物電解セル270内部に流入する。すなわち、燃料ガスFは、固体酸化物電解セル270の内側を上方に向って流れる。
一方、水蒸気ノズル232から高温の水蒸気Sが電解槽230内に導入される。カソード側気室276に導入された水蒸気Sは、整流板240にて分散されつつ下方に流れ、カソード側気室276にて、ほぼ均一に円管形の固体酸化物電解セル270の外側に至る。よって、固体酸化物電解セル270のアノード側では燃料ガスFが上方に向って流れ、カソード側では高温の水蒸気Sが下方に向って流れることになる。このように燃料ガスFと水蒸気Sとを固体酸化物電解セル270を挟んで対向する方向に流すことにより、燃料ガスFあるいは水蒸気Sの上流側で反応が盛んになり、一方下流側では反応が活発ではなくなるというような偏りが防止され、均一に反応が生ずるので好適である。前述の通りに高温水蒸気電解反応が起こり、燃料ガスF中の水素、一酸化炭素、メタンは、酸化されて水と二酸化炭素となり、燃料ガスFは排気Wとなる。排気Wは、円管形の固体酸化物電解セル270の頂部近くで、排気管242に流入し、排気管242内を下方に流れて、排気ノズル236から排出される。また、水蒸気Sは水素と酸素に電気分解され、酸素は固体酸化物電解セル270を透過してアノード側に移動するので、水素Hと未反応の水蒸気Sとの混合ガスとなり、水素ノズル234から排出され、下流で水素Hに富んだガスとして利用される。下流側に凝縮器や吸着乾燥機等を備え、水蒸気Sを除去して、高純度の水素ガスとして用いてもよい。
なお、高温水蒸気電解反応は、典型的には500〜1000℃で行われる発熱反応である。一方、改質反応は、吸熱反応である。そこで、水素製造装置200は、改質反応装置110を内蔵し、電解反応で発熱した熱を、改質反応に用いることができ、すなわち、改質反応装置110により電解反応での発熱分が除去され、改質反応および電解反応の双方の反応で、温度が一定に保たれるので、好適である。特に、改質反応が行われる改質反応装置110と、電解反応が行われる固体酸化物電解セル270とを一つの容器である電解槽230内に収納し、隣接して配置するので、改質反応装置110と固体酸化物電解セル270との間の熱伝導性が高まり、好適である。また、改質反応装置110を備えるので、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されず、よって、局所的な温度勾配を生ずることが防止され、炭素が析出しにくく、改質反応の効率が低下しにくい。よって、安定的に水素を含有する燃料ガスFが製造される。したがって、燃料ガスFの供給量が変動せず、安定的に運転できる水素製造装置200となる。
次に、図13を参照して、水素製造装置200の変形例としての水素製造装置202について説明する。図13は、水素製造装置202の構成を説明する模式的断面図である。水素製造装置202では、円管形の固体酸化物電解セル270の内側がカソード側気室278と、外側がアノード側気室274となり、改質反応装置210から排出された燃料ガスFは、円管形の固体酸化物電解セル270の外側を流れる。そのために、改質反応装置210の下端は仕切板244で封止され、燃料ガスFは、改質反応装置210の下流側側面に設けられた境界板としての仕切りメッシュ250を通って、アノード側気室274に流入する。そこで、排気ノズル236が電解槽230の上側に配置され、燃料ガスFは、円管形の固体酸化物電解セル270の外側を上方に向って流れ、電解反応を終えた排気Wは排気ノズル236から排出される。なお、改質反応装置210は、改質反応装置110と基本的に同じ構成を有するが、下流側が容器120(図1参照)の側板に配置された仕切りメッシュ250を通って、排出される点で異なる。また、水蒸気ノズル232を電解槽230の下側に配置し、すなわち、仕切板246の下部の空間と連通し、水素ノズル234を排気ノズル236と水蒸気ノズル232との間に配置し、仕切板244と仕切板246との間の空間と連通する。水蒸気管248が、仕切板246の下部の空間に連通して配置され、円管形の固体酸化物電解セル270の内側の頂部付近で開口する。
水素製造装置202では、改質反応装置210から排出された燃料ガスFが円管形の固体酸化物電解セル270の外側を上方に向って流れ、固体酸化物電解セル270内部の水蒸気管248から流出する水蒸気Sが固体酸化物電解セル270の内側を下方に向って流れる。そこで、前述の通りに、高温水蒸気電解反応が起こり、燃料ガスF中の水素、一酸化炭素、メタンは酸化されて水と二酸化炭素となり、燃料ガスFは排気Wとなる。排気Wは、整流板240を通って、排気ノズル236から排出される。排気Wが整流板240を通ることにより、偏った流れが防止され、円管形の固体酸化物電解セル270の全周からの排気Wがほぼ均等に排気ノズル236に流れる。また、水蒸気ノズル232から導入された高温の水蒸気Sは、水蒸気管248を通って、円管形の固体酸化物電解セル270の上部から下方に向って流れ、高温水蒸気電解反応をして、水素Hとして未反応の水蒸気Sと一緒に水素ノズル234から排出され、下流側で利用される。水素製造装置202は、改質反応装置210を内蔵し、電解反応で発熱した熱を、改質反応に用いることができ、すなわち、改質反応装置210により電解反応での発熱分が除去され、改質反応および電解反応の双方の反応で、温度が一定に保たれるので、好適である。また、改質反応装置210を備えるので、改質反応が激しく起こらず、温度が急激に低下する部分が形成されず、よって、局所的な温度勾配を生ずることが防止され、炭素が析出しにくく、改質反応の効率が低下しにくい。よって、安定的に水素を含有する燃料ガスFが製造される。したがって、燃料ガスFの供給量が変動せず、安定的に運転できる水素製造装置202となる。
図14に示す水素製造装置204は、基本的に水素製造装置200と同様であるが、改質反応装置212に加熱手段としてのバーナー282を備える点で異なる。図14は、加熱手段282を備える水素製造装置204の構成を説明する模式的断面図である。水素製造装置204は、バーナー282を有する改質反応装置212を備える。改質反応は、前述の通りに高温で進行する吸熱反応であり、電解負荷が低い場合や、配置上の制限で改質反応装置212の近傍の固体酸化物電解セル270が少ない場合には、高温水蒸気電解反応からの熱だけでは改質反応に必要な熱を総てまかなうことができない。また、装置起動時に触媒層を予熱する予熱手段を備えていると、操作性が向上するので好ましい。そこで、水素製造装置204においては、改質反応装置212にバーナー282を備え、改質反応に必要な熱を補う。改質反応装置212内の炭化水素系原燃料Rや燃料ガスFが直接バーナー282に接すると発火するので、バーナー282をシーズ280内に収納し、バーナー282の炎が炭化水素系原燃料Rや燃料ガスFと接するのを防止する。加熱手段としては、バーナー282に限られず、例えばシーズ280内に高温空気を導入しても、電熱線を配設してもよく、前述のように固体酸化物型燃料電池セルや固体酸化物型高温水蒸気電解装置の電解セルの発熱を利用してもよく、その他の周知の加熱手段であってもよい。
改質反応装置212では、バーナー282およびシーズ280を備えるために、入口ノズル222は、改質反応装置212の円筒形の容器120(図1参照)の軸方向に対し直交する方向に配置される。なお、入口ノズル222とシーズ282を、シーズ282を内管とする二重管構造として、容器120(図1参照)の軸方向に一致して配置し、バーナー280およびシーズ282を曲げて入口ノズル222から取り出してもよい。水素製造装置204のようにバーナー282を備えることにより、改質反応熱が十分に供給され、改質反応装置212では安定して改質反応が行われて燃料ガスFが生成され、水素製造装置204の運転効率が向上する。
これまでの説明では、水素製造装置200、202、204は、一つの改質反応装置110、210、212と二つの電解装置としての固体酸化物電解セル270を備えているものとしたが、改質反応装置と電解装置とを交互に配置しても、あるいは、積層させてもよい。改質反応装置と電解装置とを交互に配置し、あるいは、積層させることにより、電解装置で発熱した熱を改質反応装置での改質反応熱として効率よく利用できる。すなわち、熱効率を高く、かつ、速やかに熱移動を行うことができる。
異なる粒径の触媒が充填された改質反応装置を示す模式的断面図である。 触媒と不活性粒子とが充填された改質反応装置を示す模式的断面図である。 触媒と脱硫剤とが充填された改質反応装置を示す模式的断面図である。 第1の有効面積比を有する触媒と、第1の有効面積比より小さな第2の有効面積比を有する触媒とが充填された改質反応装置を示す模式的断面図である。 横軸に容器内の入口ノズルからの距離を、縦軸に容器内の温度を模式的に示したグラフである。 図2に示す改質反応装置についての触媒並びに触媒および不活性粒子の混合物の容器への充填方法の一例を示す模式的断面図で、(a)は触媒と混合物との間に仕切りメッシュを挿入した例、(b)は触媒と混合物とをそれぞれ袋に詰めた上で容器に充填した例を示す図である。 伸縮管を備える改質反応装置を説明する模式的断面図である。 容器の内部空間が鉛直方向上方に向って断面が大きくなるテーパ形状に形成されている改質反応装置を説明する模式的断面図である。 触媒と共に応力緩和材が充填されている改質反応装置を説明する模式的断面図である。 容器の水平面での最大断面積を鉛直面での最大断面積より大きく形成した改質反応装置を説明する図で、(a)は模式的断面図、(b)は(a)のX−X矢視図である。 燃料電池発電装置の構成を説明するブロック図である。 水素製造装置の構成を説明する模式的断面図である。 水素製造装置の構成を説明する模式的断面図である。 加熱手段を備える水素製造装置の構成を説明する模式的断面図である。
符号の説明
7 燃料発電装置
12、14、16、18 改質反応装置
20、30、40 容器
22、36 容器内面
24、38 内部空間
26 伸縮管
32 入口ノズル
34 出口ノズル
42 バッフルプレート
44 空間
60 触媒等
62 応力緩和材
70 燃料電池
72 固体高分子電解質膜
74 燃料極
76 空気極
78 熱交換器
80 ガス化装置
110、112、114、116 改質反応装置
120 容器
122 入口ノズル
124 出口ノズル
126 容器の端部
130 第1の粒径の触媒(中間の粒径の触媒)
131 中間の粒径の触媒の領域
132 第2の粒径の触媒(大きな粒径の触媒)
133 大きな粒径の触媒の領域
134 小さな粒径の触媒
135 小さな粒径の触媒の領域
137 中間の粒径の触媒の領域
140 触媒
141 触媒だけが充填された領域
142 不活性粒子
143 触媒と不活性粒子との混合物
144 脱硫剤
145 触媒と脱硫剤との混合物
146 第1の有効面積比を有する触媒
148 第2の有効面積比を有する触媒
150、152、154 仕切りメッシュ(境界板)
156、158 袋(触媒容器)
200、202、204 水素製造装置
210、212 改質反応装置
222 入口ノズル
230 電解槽
232 水蒸気ノズル
234 水素ノズル
236 排気ノズル
240 整流板
242 排気管
244、246 仕切板
248 水蒸気管
250 仕切りメッシュ(境界板)
270 固体酸化物電解セル(電解装置)
272、274 アノード側気室
276、278 カソード側気室
280 シーズ
282 バーナー(加熱手段)
F 水素を含有するガス(燃料ガス)
H 水素
O 空気(酸化剤)
R 炭化水素系原燃料
S 水蒸気
W 排気
h 触媒層の深さの最大値
v 触媒層の幅の最大値

Claims (6)

  1. 炭化水素系原燃料を所定の方向に流しつつ改質反応させ水素を含有するガスを製造する改質反応装置であって;
    前記改質反応を加速する触媒を収容する容器と;
    前記容器に充填された第1の粒径の前記触媒と;
    前記第1の粒径の触媒より前記炭化水素系原燃料の流れる前記所定の方向からみて上流側に充填され、前記第1の粒径より大きな第2の粒径の前記触媒とを備える;
    改質反応装置。
  2. 炭化水素系原燃料を所定の方向に流しつつ改質反応させ水素を含有するガスを製造する改質反応装置であって;
    前記改質反応を加速する触媒を収容する容器と;
    前記容器に充填された前記触媒と;
    前記充填された触媒より前記炭化水素系原燃料の流れる前記所定の方向からみて上流側に充填される、前記触媒と不活性粒子との混合物とを備える;
    改質反応装置。
  3. 炭化水素系原燃料を所定の方向に流しつつ改質反応させ水素を含有するガスを製造する改質反応装置であって;
    前記改質反応を加速する触媒を収容する容器と;
    前記容器に充填された前記触媒と;
    前記充填された触媒より前記炭化水素系原燃料の流れる前記所定の方向からみて上流側に充填される、前記触媒と脱硫剤との混合物とを備える;
    改質反応装置。
  4. 炭化水素系原燃料を所定の方向に流しつつ改質反応させ水素を含有するガスを製造する改質反応装置であって;
    前記改質反応を加速する触媒を収容する容器と;
    前記容器に充填された第1の有効面積比を有する前記触媒と;
    前記第1の有効面積比を有する触媒より前記炭化水素系原燃料の流れる前記所定の方向からみて上流側に充填される、前記第1の有効面積比より小さな第2の有効面積比を有する前記触媒とを備える;
    改質反応装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の改質反応装置と;
    前記改質反応装置で製造された水素を含有するガスを導入し、発電を行う燃料電池とを備える;
    燃料電池発電装置。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の改質反応装置と;
    前記改質反応装置で製造された水素を含有するガスを導入し、高温水蒸気電解を行う電解装置とを備える;
    水素製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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