JP2007210844A - 水素生成器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、原料の流れを改質部の触媒全体に均一として、触媒全体の活用と過負荷を防止することにより、改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高い水素生成器とする。
【解決手段】改質部8は、壁面に弾性を有するシート22を介して触媒を充填して構成したことにより、改質部内を流れる原料と水蒸気とが混合したガスは触媒層12の各触媒に均一に接触し、触媒の各部で均一な反応を行えるため、十分な性能の確保が可能となり、触媒の部分過熱や局部的反応を防止でき、改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高い水素生成器となる。
【選択図】図1
【解決手段】改質部8は、壁面に弾性を有するシート22を介して触媒を充填して構成したことにより、改質部内を流れる原料と水蒸気とが混合したガスは触媒層12の各触媒に均一に接触し、触媒の各部で均一な反応を行えるため、十分な性能の確保が可能となり、触媒の部分過熱や局部的反応を防止でき、改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高い水素生成器となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体高分子形燃料電池の燃料として用いる水素を得る為に、原料は水蒸気を用いて改質し水素ガスを生成する水素生成器に関する。
水素生成器は、最近開発が進められている固体高分子形燃料電池の燃料として水素が用いられ、この水素の製造法としては炭化水素の水蒸気改質法が多く使用している。水蒸気改質法は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、都市ガス、LPガス、天然ガス、その他の炭化水素ガスを水蒸気により改質して水素リッチな改質ガスを生成させる方法である。水蒸気改質法では改質部中での接触反応によりそれら炭化水素が水素リッチな改質ガスへ変えられる。そして、得られた水素リッチな改質ガスはCO除去部でCOを低減して利用している。
図2は、水蒸気改質器を用いた原料、水蒸気の供給から水素ガスの出口に至るまでを示すブロック図である。燃焼部を配した加熱部と改質触媒を配置した改質部とにより構成される。高温となった改質部では炭化水素が水蒸気と反応して水素リッチな改質ガスが生成される。改質部は、炭化水素を原料とする場合には500〜700℃の温度に加温することが必要であり、改質触媒としては例えばNi系、Ru系等の触媒が用いられる。改質触媒は、原料ガス中の硫黄化合物により被毒し性能劣化を来たすので、それらの硫黄化合物を除去するために脱硫部へ導入される。次いで、別途設けられた水蒸気発生部からの水蒸気を添加、混合して水蒸気改質器の改質部へ導入される。原料ガスがメタンである場合の改質反応は
CH4+2H2O→CO2+4H2
で示される。生成する改質ガス中には未反応のメタン、未反応の水蒸気、生成炭酸ガスのほか、一酸化炭素(CO)が発生して8〜15%程度含まれている。このため改質ガスは、この一酸化炭素を二酸化炭素と水素へ変えて除去するためにCO変成部にかけられる。CO変成部では例えばFe−Cr系触媒、Cu−Zn系触媒、あるいはPt触媒が用いられる。CO変成部中での反応は
CO+H2O→CO2+H2
で必要な水蒸気は改質部の残留水蒸気を利用する。そして、CO変成部から出る改質ガスは、未反応のメタンと余剰水蒸気と、水素と、二酸化炭素とからなる。しかし、この改質ガスには、COは完全には除去されず、1%程度以下ではあるがCOが含まれている。燃料電池に供給する燃料水素中のCOの許容濃度は10ppm程度であり、これを越えると電池性能が著しく劣化するので、CO成分は燃料電池へ導入する前にできる限り除去する必要がある。このため、改質ガスはCO変成部によりCO濃度を1%前後まで低下させた後、CO除去部にかけられる。CO除去部では空気などの酸化剤が添加され、
2CO+O2→2CO2
とCO2に変えることでCOを除去し、改質ガスのCO濃度を10ppm以下に低減させる。
従来、この方式の水素生成器は性能向上のために、原料と水蒸気を均一に混合させることに注目していた。(例えば、特許文献1参照)。
図3は、水蒸気改質器の改質反応器の断面図である。改質反応器は、円筒状の容器1内の上部に、液体原料を気化しつつ別途供給される気体原料と均一混合した混合原料ガスとして改質反応部2に導く原料蒸発導入部3を備え、容器1内の下部には、改質触媒によって混合原料ガスを改質する改質反応部2と、改質反応部2に反応熱を供給する加熱部4とを備えている。そして、改質反応部2は、全体が円筒状に形成され、容器1の底部側に該容器1の底面との間に若干の空間を空けて、円筒状の容器1と同軸に配設されており、加熱部4は容器1の底面に設けられた燃焼器5と、この燃焼器5の燃焼ガスが容器1の軸に沿って上方に向けて通る燃焼ガス流路6と、この燃焼ガスを容器1の外に排気するために容器1の上面に設けた排気管7とで構成されている。
CH4+2H2O→CO2+4H2
で示される。生成する改質ガス中には未反応のメタン、未反応の水蒸気、生成炭酸ガスのほか、一酸化炭素(CO)が発生して8〜15%程度含まれている。このため改質ガスは、この一酸化炭素を二酸化炭素と水素へ変えて除去するためにCO変成部にかけられる。CO変成部では例えばFe−Cr系触媒、Cu−Zn系触媒、あるいはPt触媒が用いられる。CO変成部中での反応は
CO+H2O→CO2+H2
で必要な水蒸気は改質部の残留水蒸気を利用する。そして、CO変成部から出る改質ガスは、未反応のメタンと余剰水蒸気と、水素と、二酸化炭素とからなる。しかし、この改質ガスには、COは完全には除去されず、1%程度以下ではあるがCOが含まれている。燃料電池に供給する燃料水素中のCOの許容濃度は10ppm程度であり、これを越えると電池性能が著しく劣化するので、CO成分は燃料電池へ導入する前にできる限り除去する必要がある。このため、改質ガスはCO変成部によりCO濃度を1%前後まで低下させた後、CO除去部にかけられる。CO除去部では空気などの酸化剤が添加され、
2CO+O2→2CO2
とCO2に変えることでCOを除去し、改質ガスのCO濃度を10ppm以下に低減させる。
従来、この方式の水素生成器は性能向上のために、原料と水蒸気を均一に混合させることに注目していた。(例えば、特許文献1参照)。
図3は、水蒸気改質器の改質反応器の断面図である。改質反応器は、円筒状の容器1内の上部に、液体原料を気化しつつ別途供給される気体原料と均一混合した混合原料ガスとして改質反応部2に導く原料蒸発導入部3を備え、容器1内の下部には、改質触媒によって混合原料ガスを改質する改質反応部2と、改質反応部2に反応熱を供給する加熱部4とを備えている。そして、改質反応部2は、全体が円筒状に形成され、容器1の底部側に該容器1の底面との間に若干の空間を空けて、円筒状の容器1と同軸に配設されており、加熱部4は容器1の底面に設けられた燃焼器5と、この燃焼器5の燃焼ガスが容器1の軸に沿って上方に向けて通る燃焼ガス流路6と、この燃焼ガスを容器1の外に排気するために容器1の上面に設けた排気管7とで構成されている。
このため、改質反応器の改質原料即ち混合原料ガスは気体原料としてのメタンと液体原料としての水が気化されたスチーム(水)である。供給されたメタンに水が液滴化されて混入し、液滴下された水は細かい水滴となってメタンの流れに乗り、メタンと相俟って気液混相体となって、原料蒸発導入部3に供給される。この気液混相体は原料蒸発導入部3を流下して行く過程で、気液混相体中の水滴が気化(蒸発)して気液混相体は混合原料ガスとなって、反応部2に供給される。
即ち、原料蒸発導入部3での蒸発は、第2成分であるメタンの存在により原料の流れ方向に沸点を順次変化しながら、メタン気相中に水分が飽和蒸気圧まで加湿していく蒸発形態であり、常に、一定の蒸発速度で安定した蒸発を実現させることができる。
そのため、常に、均一混合された脈動の無い安定した混合原料ガスを供給することができる。又、脈動の無い安定した混合原料ガスが供給されるため、電池の電圧変動や改質反応部2の加熱部4の安定燃焼、即ちCOやNO等の発生が抑制されて、システムの運転を安定に行うことができる。又、改質反応部2に混合原料ガスとしての改質反応ガスが均一組成で供給されるため、従来のような、改質触媒への炭素析出や改質率の低下等が抑制される。
特開2003−119001号公報
しかしながら、前記従来の構成では、気体原料としてのメタンと液体原料としての水が気化されたスチーム(水)を均一混合された脈動の無い安定した混合原料ガスを改質部に供給することができる。そのため、、電池の電圧変動や改質反応部2の加熱部4の安定燃焼、システムの運転を安定に行うことができ、改質触媒への炭素析出や改質率の低下等が抑制できる。
一方、改質部は、原料と水蒸気を触媒による反応を促進させる構成とするため、改質部に充填する触媒は、原料と水蒸気の接触する通路の確保と吸熱反応に応じた加熱構成が重要である。そのため、改質部は、多数の粒状の担体に触媒を担持させてあり、原料と水蒸気は改質部の触媒の入り口から入りこの触媒の粒の間を通って出口に至る。
しかし、改質部内部の触媒の間を流れる原料と水蒸気との混合ガスは、流量に差が生じて、十分な性能の確保ができなかった。すなわち、改質部内部の触媒部分は、触媒の粒の間を曲がって混合ガスが流れるため流れ抵抗が大きい。そのため混合ガスの流量は少なくなる。他方、改質部壁面の触媒部分を流れる混合ガスは、片面が平らな壁面でありこの壁面に接した触媒の粒との間の大きく開いた空間を混合ガスが流れるため、流れ抵抗が小さく混合ガスの流量は増大する。このように、混合ガスが改質部内の触媒にアンバランスな流れを生じたため、十分に反応性能を確保することができなかった。
すなわち、改質部の壁面では、混合ガスの流量の多いため、原料の触媒による水素改質反応が十分行われないガスを改質部から出て行くことになる。そのため、原料の触媒による水素改質反応が十分行われないガスを改質部から出て行くことになる。そのため、改質効率が低くなり、また、改質触媒への過度の負荷による劣化が生じ、長期信頼性を確保できなくシステム効率が低下するという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、触媒を充填した前記改質部は、壁面に弾性を有するシートを介して触媒を充填した構成とすることにより、壁面に接した触媒の粒との間の大きく開いた空間は弾性を有するシートにより空間を小さくすることにより、混
合ガスの流れ均一として改質部内の触媒に等分布な流れを可能とすることにより、改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高い水素生成器を提供することを目的とする。
合ガスの流れ均一として改質部内の触媒に等分布な流れを可能とすることにより、改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高い水素生成器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の水素生成器は、原料を供給する手段と、水を供給する手段と、加熱手段と、粒状の触媒を充填した改質部と、CO変成部と、CO除去部とを有し、前記触媒を充填した前記改質部は、少なくとも片面の壁面に弾性を有するシートを介して触媒を充填して構成している。このことにより、触媒容器の壁面に接した触媒の粒との間の大きく開いた空間は弾性を有するシートにより埋められて空間を小さくなる。このため、混合ガスは触媒容器の流れ均一として改質部内の触媒に等分布な流れを可能となり、改質部内を流れる原料と水蒸気とが混合したガスは触媒層の各触媒に均一に接触し、触媒の各部で均一な反応を行えるため、十分な性能の確保が可能となる。
また、触媒全体で均一に反応できることは、触媒の部分過熱や局部的反応を防止でき、耐久的に性能が維持できる。
また、触媒全体で均一に反応できることは、触媒の部分過熱や局部的反応を防止でき、耐久的に性能が維持できる。
本発明の水素生成器は、触媒容器の壁面に接した触媒の粒との間の大きく開いた空間は弾性を有するシートにより埋められて空間を小さくでき、混合ガスは触媒容器の流れ均一として、改質部内を流れる原料と水蒸気とが混合したガスは、触媒の各部で均一な反応を行えるため、改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高い水素生成器となる。
第1の発明は、原料を供給する手段と、水を供給する手段と、加熱手段と、粒状の触媒を充填した改質部と、CO変成部と、CO除去部とを有し、前記触媒を充填した前記改質部は、少なくとも片面の壁面に弾性を有するシートを介して触媒を充填して構成している。従来の構成では、円筒状の触媒容器に粒状の触媒を充填した場合、触媒容器の壁面に接した触媒の粒との間の空間は、触媒粒間の空間に比べて10倍以上も広く且つ混合ガスの入口から出口まで連続した形となっている。そのため、混合ガスはこの壁面近くを大量に流れていたが、このことにより、触媒容器の壁面に接した触媒の粒との間の大きく開いた空間は弾性を有するシートにより埋められて空間を小さくなる。このため、混合ガスは触媒容器の流れ均一として改質部内の触媒に等分布な流れを可能となり、改質部内を流れる原料と水蒸気とが混合したガスは触媒層の各触媒に均一に接触し、触媒の各部で均一な反応を行えるため、十分な性能の確保が可能となる。
また、触媒全体で均一に反応できることは、触媒の改質反応性能を確保するために改質部の設定温度を高くしても壁面近くの触媒温度を過熱によるシンタリング等の劣化を生じる事が無く耐久的に性能が維持できる。
よって、改質部の触媒全体に混合ガスを均一に流して、触媒全体の活用と過負荷を防止することにより、改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高い水素生成器となる。
また、弾性を有するシートを介して触媒容器内に触媒粒を充填したことにより、触媒粒はシートを変形させて一部が埋め込んだ状態となり、シートに面した触媒粒は上下方向に、常に保持できる。このため、運転停止を繰り返したときに、触媒容器の熱膨張収縮によって触媒に過大な応力が加わり、触媒粒の割れによる触媒性能の劣化や、粉化した触媒が下部に堆積して混合ガスの流れ抵抗の増加による流量低減が生じることを防止でき、さらに耐久信頼性の高い水素生成器となる。
請求項2記載の発明は、特に請求項1の水素生成器における弾性を有するシートは、非通気性を有する構成としてある。そのために、混合ガスがシート内を通過することが防止できる。すなわち、触媒を担持していないシート内の混合ガス通過を完全に防止して、混合ガスは、触媒間の空間を均一に流れる。このため、混合ガスは、触媒反応により十分に、水素ガスに変換でき、改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高くできる。
請求項3記載の発明は、特に請求項1または2の水素生成器における弾性を有するシートは、触媒を担持して構成したことにより、さらに混合ガスの改質反応性能を向上できる。すなわち、シートと触媒容器の間隙等、シート近傍を流れる混合ガスは、シートに担持した触媒により改質反応が可能となり、水素ガスとして改質器から出て、燃料電池にて利用される。このため、改質部の入口から出口までの間で原料の水素への改質がより進み、改質効率の向上により効率的なシステムとできる。
請求項4記載の発明は、特に請求項1〜3いずれかの水素生成器における弾性を有するシートは、ガスの流れる方向に沿って触媒内に構成したことにより、混合ガスの触媒容器内での流れ抵抗を増加させることなく、触媒容器の壁面をスリップする混合ガスの流れを防止できる。すなわち、弾性を有するシートは、ガスの流れる方向に沿って触媒内に構成したため、混合ガスの触媒容器を流れる通路断面積は同じに維持でき、かつ、触媒間の空間通路もガスの入口から出口まで均一とできる。このため、より改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高くできる。
請求項5記載の発明は、特に請求項1〜4いずれかの水素生成器における弾性を有するシートは、発泡金属体で構成したことにより、シートの熱伝導性を向上して、加熱部から伝導した熱を触媒により熱伝導を促進でき、触媒反応に必要な熱を十分に供給して、より改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高くできる。また、発泡金属体は、シート状に加工が容易であり、かつ、触媒の担持も簡単にでき、構成の簡略化による低コストが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態における水素生成器における改質部の断面図を示すものである。水素生成器全体は、図2に示した様に原料を供給する手段と、水を供給する手段と、加熱手段を有する改質部と、CO変成部と、CO除去部を順次接続した構成として、生成した水素ガスを燃料電池に接続して利用する。
図1は、本発明の第1の実施形態における水素生成器における改質部の断面図を示すものである。水素生成器全体は、図2に示した様に原料を供給する手段と、水を供給する手段と、加熱手段を有する改質部と、CO変成部と、CO除去部を順次接続した構成として、生成した水素ガスを燃料電池に接続して利用する。
図1において、8は都市ガスを原料として燃料電池発電装置に供給する水素を生成する改質部であり、9は都市ガスに連結した原料を供給する手段、10は水蒸気として水を供給する手段であり、触媒容器11に連結して設けてある。
12は例えば、鉄板やセラミックス等の支持体の担体にニッケルもしくはルテニウムを主成分とする触媒を表面に担持させた多数の触媒粒で充填した触媒層で、この触媒層12で原料ガス2を反応させることにより、水素と二酸化炭素および一酸化炭素からなる生成ガスを反応生成する。この生成反応は500〜700℃程度の高温で生じる吸熱反応である。このため、加熱手段として燃焼器5により高温の燃焼ガスを供給して水蒸気を含む原料ガスと触媒層12を加熱している。燃焼器5は、都市ガス(天然ガス)や燃料電池から排出されるオフガス(未反応水素ガス)、または都市ガスとオフガスを混合して燃料とし
て燃料管13から供給してディストリビュータ14から噴出し、燃焼用空気は空気管15から供給して空気噴出部16から噴出することにより燃焼を行っている。18は燃焼器5によって生じる火炎19が触媒容器11に直接触れることを避け、さらに燃焼ガス20の流路を規定するための燃焼筒である。燃焼ガス20は、触媒容器11の周囲に沿って流れ、排気管7より改質部8の外部に排出される。
て燃料管13から供給してディストリビュータ14から噴出し、燃焼用空気は空気管15から供給して空気噴出部16から噴出することにより燃焼を行っている。18は燃焼器5によって生じる火炎19が触媒容器11に直接触れることを避け、さらに燃焼ガス20の流路を規定するための燃焼筒である。燃焼ガス20は、触媒容器11の周囲に沿って流れ、排気管7より改質部8の外部に排出される。
水蒸気改質部8の中で、都市ガスに連結した原料を供給する手段9と水蒸気として水を供給する手段10により供給された原料ガスは、触媒容器11に流入し、触媒容器11内の触媒層12で原料ガスは水素と二酸化炭素および一酸化炭素に反応生成して、生成ガス出口21からCO変成部、CO除去部、燃料電池(図示せず)へと順次接続してある。
そして、改質部8は、触媒粒の触媒層12を充填した改質部8の触媒容器11は、この触媒容器11の壁面に弾性を有するシート22設け、この弾性を有するシート22を介して触媒層12を充填した構成としている。弾性を有するシート22は、改質反応温度に耐える有機、無機材料のポリマー、セラミック、金属をファイバー、多孔発泡等に加工して構成し、触媒粒を充填した時その圧力で形状を変形する弾性を有する。また、本実施例では、弾性を有するシート22は、触媒容器11の両壁面に設けているが、状況に応じては、片面のみや、さらに触媒層12の内部にも設けても良い。
以上のように構成された水素生成器について、以下その動作、作用を説明する。
CO変成部は、生成する改質ガス中には未反応のメタン、未反応の水蒸気、生成炭酸ガスのほか、一酸化炭素(CO)が発生して8〜15%程度含まれている。このため改質ガスは、この一酸化炭素を二酸化炭素と水素へ変えて除去するためにCO変成部を設ける。CO変成部では例えばFe−Cr系触媒、Cu−Zn系触媒、あるいはPt触媒が用いられ、約300℃程度で反応が行われる。
CO変成部中での反応は、
CO+H2O→CO2+H2
で必要な水蒸気は改質部8の残留水蒸気を利用する。そして、CO変成部から出る改質ガスは、未反応のメタンと余剰水蒸気と、水素と、二酸化炭素とからなる。しかし、この改質ガスには、COは完全には除去されず、1%程度以下ではあるがCOが含まれている。燃料電池に供給する燃料水素中のCOの許容濃度は10ppm程度であり、これを越えると電池性能が著しく劣化するので、CO成分は燃料電池へ導入する前にできる限り除去する必要がある。このため、改質ガスはCO変成部によりCO濃度を1%前後まで低下させた後、CO除去部を設ける。CO除去部は、一酸化炭素を選択的に酸化する触媒が担持されており、空気などの酸化剤が添加され、
2CO+O2→2CO2
とCO2に変えることでCOを除去し、改質ガスのCO濃度を10ppm以下に低減させる。このような構成と動作で、定常時は原料ガスから水素に改質して燃料電池を運転し発電を継続する。
CO+H2O→CO2+H2
で必要な水蒸気は改質部8の残留水蒸気を利用する。そして、CO変成部から出る改質ガスは、未反応のメタンと余剰水蒸気と、水素と、二酸化炭素とからなる。しかし、この改質ガスには、COは完全には除去されず、1%程度以下ではあるがCOが含まれている。燃料電池に供給する燃料水素中のCOの許容濃度は10ppm程度であり、これを越えると電池性能が著しく劣化するので、CO成分は燃料電池へ導入する前にできる限り除去する必要がある。このため、改質ガスはCO変成部によりCO濃度を1%前後まで低下させた後、CO除去部を設ける。CO除去部は、一酸化炭素を選択的に酸化する触媒が担持されており、空気などの酸化剤が添加され、
2CO+O2→2CO2
とCO2に変えることでCOを除去し、改質ガスのCO濃度を10ppm以下に低減させる。このような構成と動作で、定常時は原料ガスから水素に改質して燃料電池を運転し発電を継続する。
運転時、都市ガスに連結した原料を供給する手段9と水蒸気として水を供給する手段10により触媒容器11に原料ガスとして供給する。触媒容器11に入った原料ガスは、充填された多数の触媒層12によって水素の多い改質ガスになる反応を行い生成ガス出口21に至る。
従来の構成では、円筒状の触媒容器11に粒状の触媒粒を充填した場合、触媒容器11の壁面に接した触媒の粒との間の空間は、触媒粒間の空間に比べて10倍以上も広く且つ混合ガスの入口から出口まで連続した形となっている。そのため、混合ガスはこの壁面近
くを大量に流れていた。このため、壁面近くでは、触媒の表面積当りの混合ガスが大量に流れるため、十分に改質反応が終わらない内に触媒層12から混合ガスが出て行くことがあり、改質効率が低くなる原因であった。そのため、改質部8の温度をより高く設定して触媒の活性度を上げる操作を行っていたが、水蒸気改質は吸熱反応でありこの触媒容器近くの混合ガスが多く流れる触媒温度は反応量が多く温度が十分に上がらなかった、他方混合ガスの少ない部分の触媒は過熱となり、耐久劣化に課題となっていた。
くを大量に流れていた。このため、壁面近くでは、触媒の表面積当りの混合ガスが大量に流れるため、十分に改質反応が終わらない内に触媒層12から混合ガスが出て行くことがあり、改質効率が低くなる原因であった。そのため、改質部8の温度をより高く設定して触媒の活性度を上げる操作を行っていたが、水蒸気改質は吸熱反応でありこの触媒容器近くの混合ガスが多く流れる触媒温度は反応量が多く温度が十分に上がらなかった、他方混合ガスの少ない部分の触媒は過熱となり、耐久劣化に課題となっていた。
そこで、触媒粒の触媒層12を充填した改質部8の触媒容器11は、この触媒容器11の壁面に弾性を有するシート22設け、この弾性を有するシート22を介して触媒層12を充填した構成としている。このことにより、触媒容器11の壁面に接した触媒の粒との間の大きく開いた空間は弾性を有するシート22により埋められて空間を小さくなる。このため、混合ガスは触媒容器11の流れ均一として改質部8内の触媒に等分布な流れを可能となり、改質部8内を流れる原料と水蒸気とが混合したガスは触媒層12の各触媒に均一に接触し、触媒の各部で均一な反応を行えるため、十分な性能の確保が可能となる。
また、触媒全体で均一に反応できることは、触媒の改質反応性能を確保するために改質部8の設定温度を高くしても壁面近くの触媒温度を過熱によるシンタリング等の劣化を生じる事が無く耐久的に性能が維持できる。
よって、改質部8の触媒全体に混合ガスを均一に流して、触媒全体の活用と過負荷を防止することにより、改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高い水素生成器となる。
また、弾性を有するシート22を介して触媒容器11内に触媒粒を充填したことにより、触媒粒はシート22を変形させて一部が埋め込んだ状態となり、シート22に面した触媒粒は上下方向に、常に保持できる。このため、運転停止を繰り返したときに、触媒容器11の熱膨張収縮によって触媒に過大な応力が加わり、触媒粒の割れによる触媒性能の劣化や、粉化した触媒が下部に堆積して混合ガスの流れ抵抗の増加による流量低減が生じることを防止でき、さらに耐久信頼性の高い水素生成器となる。
また、弾性を有するシート22は、非通気性を有する構成としてある。そのために、混合ガスがシート22内を通過することが防止できる。
すなわち、触媒を担持していないシート22内の混合ガス通過を完全に防止して、混合ガスは、触媒層12の触媒間の空間を均一に流れる。このため、混合ガスは、触媒反応により十分に、水素ガスに変換でき、改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高くできる。
また、弾性を有するシート22は、触媒を担持して構成したことにより、さらに混合ガスの改質反応性能を向上できる。
すなわち、シート22と触媒容器11の間隙等、シート22近傍を流れる混合ガスは、シート22に担持した触媒により改質反応が可能となり、水素ガスとして改質器8から出て、燃料電池にて利用される。このため、改質部8の入口から出口までの間で原料の水素への改質がより進み、改質効率の向上により効率的なシステムとできる。
また、弾性を有するシート22は、ガスの流れる方向に沿って触媒内に構成したことにより、混合ガスの触媒容器11内での流れ抵抗を増加させることなく、触媒容器11の壁面をスリップする混合ガスの流れを防止できる。すなわち、弾性を有するシート22は、ガスの流れる方向に沿って触媒内に構成したため、混合ガスの触媒容器11を流れる通路
断面積は同じに維持でき、かつ、触媒間の空間通路もガスの入口から出口まで均一とできる。このため、より改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高くできる。
断面積は同じに維持でき、かつ、触媒間の空間通路もガスの入口から出口まで均一とできる。このため、より改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高くできる。
また、弾性を有するシート22は、発泡金属体で構成したことにより、シートの熱伝導性を向上して、加熱部である火炎19から伝導した熱を触媒容器11から触媒により熱伝導を促進でき、触媒反応に必要な熱を十分に供給して、より改質効率の向上による効率的なシステムと触媒の劣化を防止して耐久信頼性の高くできる。また、発泡金属体は、シート状に加工が容易であり、かつ、触媒の担持も簡単にでき、部品点数の低減、組み立て工数の低減等、構成の簡略化による低コストが可能となる。
以上のように、本発明にかかる水素生成器は、改質部内を流れる原料と水蒸気とが混合したガスは触媒層の各触媒に均一に接触し、触媒の各部で均一な反応を行えるため、十分な性能の確保が可能となり、触媒の部分過熱や局部的反応を防止して耐久信頼性の高い水素生成器を提供でき、燃料電池の水素源等の用途に適応できる。
5 燃焼器
8 改質部
9 原料を供給する手段
10 水を供給する手段
11 触媒容器
12 触媒層
21 生成ガス出口
22 弾性を有するシート
8 改質部
9 原料を供給する手段
10 水を供給する手段
11 触媒容器
12 触媒層
21 生成ガス出口
22 弾性を有するシート
Claims (5)
- 原料を供給する手段と、水を供給する手段と、加熱手段と、粒状の触媒を充填した改質部と、CO変成部と、CO除去部とを有し、前記触媒を充填した前記改質部は、少なくとも片面の壁面に弾性を有するシートを介して触媒を充填して構成したことを特徴とする水素生成器。
- 弾性を有するシートは、非通気性を有する構成とした請求項1に記載の水素生成器。
- 弾性を有するシートは、触媒を担持して構成した請求項1または2に記載の水素生成器。
- 弾性を有するシートは、ガスの流れる方向に沿って触媒内に構成した請求項1〜3いずれか1項に記載の水素生成器。
- 弾性を有するシートは、発泡金属体で構成した請求項1〜4いずれか1項に記載の水素生成器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006033364A JP2007210844A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 水素生成器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006033364A JP2007210844A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 水素生成器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007210844A true JP2007210844A (ja) | 2007-08-23 |
Family
ID=38489610
Family Applications (1)
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JP2006033364A Pending JP2007210844A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 水素生成器 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007210844A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016072057A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | アイシン精機株式会社 | 燃料電池用吸着装置および燃料電池システム |
-
2006
- 2006-02-10 JP JP2006033364A patent/JP2007210844A/ja active Pending
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