JP2008230888A - 燃料改質装置及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】改質水の水滴の突沸が繰り返されることを防止でき、圧力変動を速やかに抑制することができるようにすること。
【解決手段】改質水と原燃料である炭化水素とを混合した混合物を螺旋状パイプ流路21,22経由で改質器2に導き、螺旋状パイプ流路21,22を通過中に改質水を蒸発させて水蒸気を生成し、この水蒸気を原燃料に添加して原燃料マニホールド15より改質器2に取り入れる燃料改質装置1である。原燃料マニホールド15における螺旋状パイプ流路22出口付近の温度を温度センサ31で検出してコントローラ30に取り込み、温度変化から圧力変動を検出した場合に、改質水流量を調整して改質水と原燃料中の炭素とのモル比を所定量だけ変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学反応により電気エネルギーを得る燃料電池発電装置において燃料ガスの生成に用いられる燃料改質装置及びその運転方法に関する。
燃料電池は、燃料の有する化学エネルギーを、機械エネルギーや熱エネルギーを経由することなく直接電気エネルギーに変換する装置であり、高いエネルギー効率が実現可能である。一般に知られた燃料電池としては、電解質層を挟んで一対の電極を配置し、一方の電極(アノード側)に水素を含有する燃料ガスを供給すると共に他方の電極(カソード側)に酸素を含有する酸化ガスを供給し、両極間で起きる電気化学反応を利用して起電力を得るものである。
以下に、燃料電池で起きる電気化学反応式を示す。(1)式はアノード側に於ける反応、(2)式はカソード側に於ける反応を表し、燃料電池全体では(3)式に表す反応が進行する。
H→2H+2e ………(1)
1/2O+2H+2e→HO ………(2)
H+1/2O→HO ………(3)
燃料電池発電装置は、使用する電解質の種類により分類されるが、これらの燃料電池の中で、固体高分子型燃料電池、りん酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池等では、その電解質の性質から、二酸化炭素を含んだ酸化ガスや炭酸ガスを使用することが可能である。そこで通常これらの燃料電池では、空気を酸化ガスとして用い、天然ガス等の炭化水素系の原燃料を水蒸気改質して生成した水素を含むガスを燃料ガスとして用いている。
そのため、上記形式の燃料電池を備える燃料電池システムには、改質装置として改質器および一酸化炭素変成器が設けられており、この改質器および一酸化炭素変成器において原燃料の改質により燃料ガスを生成している。
(4)式は、改質器におけるメタンの改質反応について示したものである。
CH+HO→CO+3H ΔH=+206.14 KJ/mol ………(4)
(4)式に示される通り、メタンの改質反応は吸熱反応であるため、メタンに水蒸気を添加したうえで、燃料電池のアノードから排出される燃料オフガスを燃焼させた燃焼排ガスにて粒状改質触媒を600〜800℃程度に保つことにより、水素リッチな改質ガスを生成している。
改質器を出た改質ガスは、改質ガス中の一酸化炭素を低減するために一酸化炭素変成器に供給され、ここで一酸化炭素は水性ガスシフト反応(発熱反応)により1%以下に低減される。また、りん酸形燃料電池(PAFC)であれば、このガスを燃料電池へと導入して発電を行なうことが出来る。一方、固体高分子形燃料電池(PEFC)は、その動作温度が60〜80℃と低いために、改質ガス中に一酸化炭素が存在すると、これが触媒毒となって性能が劣化することから、一酸化炭素をさらに低減するために改質ガスは一酸化炭素除去器に供給され、ここで一酸化炭素を選択酸化反応(発熱反応)により10ppm以下に低減させる。
ところで、改質器における改質反応については、(4)式の化学反応式が示す通り、水(改質水)が必要となるが、この改質水は水蒸気の状態で供給されなければならないため、発熱源を持つ蒸発器により改質水から水蒸気を発生させる必要がある。蒸発器としては、改質水を効率的に蒸発させるものとして、例えば、改質装置の反応器内の触媒層外周あるいは内周に螺旋状パイプの冷却媒体通路を設け、冷却媒体に改質水を用いることで触媒層を冷却すると同時にその熱により水蒸気を生成する蒸発器の機能を改質装置に備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。あるいはバーナーの外周に輻射伝熱管と螺旋状パイプを設置し水蒸気を生成させるもの(例えば、特許文献2参照)、または発熱源の外周に二重円筒を設け、内筒と外筒の間隙に螺旋状の流路を形成し改質水を蒸発させるもの(例えば、特許文献3参照)がある。これらの蒸発器に共通することは、発熱源に対して螺旋状の改質水あるいは改質水と原燃料の混合物の流路を形成することである。
WO98/00361号公報 特開2004−14141号公報 特開2002−211905号公報
前述した螺旋状の流路を持つ蒸発器においては、発熱源の外周、内周、あるいは内部に設けられた螺旋状流路の内部を、原燃料である炭化水素と混合された状態の改質水が通過していくことになる。このとき、改質水は発熱源に接触した状態の螺旋状流路を通過していくにつれて、熱を回収し、徐々に蒸発していくことになる。つまり、改質水が完全に蒸発し得る熱量を得ることができるだけの螺旋状流路の行程を通過し終える位置が、最終的に改質水が蒸発する位置となる(以下、この位置を最終蒸発点と記述する)。この最終蒸発点は、改質水が螺旋状流路から得る熱量によって位置が変化する。最終蒸発点が螺旋状流路の出口近傍に位置する場合、螺旋状流路出口の外側の空間が十分に熱せられた状態であると、出口近傍に達するまでにまだ液滴の状態で十分に熱せられた水滴が螺旋状流路から排出された瞬間に蒸発し突沸する可能性がある。螺旋状流路出口において水滴が突沸することにより出口外側空間は一瞬冷却されるが、すぐに加熱され、再び突沸を起こす。これが繰り返されることにより、圧力変動が発生することになる。
螺旋状流路出口において突沸が繰り返されることにより圧力変動が発生すると、原燃料流量の脈動につながり、改質水と原燃料中の炭素とのモル比(S/C)や、原燃料と水蒸気の総流量が変化する。このために、生成される改質ガス組成が所定の値に安定せず、燃料電池の運転に影響を与える可能性がある。なお、圧力変動が発生したとしても過渡期の短時間で終息するならば問題ないが、改質装置の触媒層温度が安定した状態で発生してしまうと、改質水の最終蒸発点が移動する可能性は少なく、圧力変動が継続してしまうこととなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、改質水の最終蒸発点が螺旋状流路出口付近に位置して水滴の突沸が繰り返されることを防止でき、定常運転中の水滴の突沸による圧力変動を速やかに抑制することができ、生成される改質ガス組成を安定させることのできる燃料改質装置及びその運転方法を提供することを目的とする。
本発明の燃料改質装置は、炭化水素を水蒸気改質する改質プロセス系と、前記改質プロセス系に改質水と原燃料である炭化水素とを混合した混合物を導く過程で前記改質水を加熱して水蒸気を生成する燃料導入用流路と、前記改質プロセス系に圧力変動が発生した場合、改質水と原燃料中の炭素とのモル比を変化させる制御手段とを具備したことを特徴とする。
この構成によれば、改質プロセス系に圧力変動が発生した場合、改質水と原燃料中の炭素とのモル比を変化させることにより、改質水の最終蒸発点が移動して、圧力変動が収束されることとなる。
上記燃料改質装置において、前記燃料導入用流路を加熱するための発熱源は、前記改質プロセス系を構成する改質器、CO変成器、CO除去器のいずれか又はそれらの組み合わせで構成することができる。
また本発明は、上記燃料改質装置において、前記制御手段は、水蒸気を添加した原燃料を前記改質プロセス系に取り入れる原燃料マニホールドにおける前記燃料導入用流路の出口付近の温度変化に基づいて前記圧力変動の発生の有無を判断することを特徴とする。
この構成により、原燃料マニホールドにおける燃料導入用流路の出口付近の温度に基づいて圧力変動の有無を検知するので、改質プロセス系において繰り返される圧力変動を的確に検出することができる。
上記燃料改質装置において、所定時間内に3℃以上の温度変化が3回以上検出された場合に圧力変動の発生と判断することができる。また、前記改質プロセス系の圧力変動を検知した場合、当該圧力変動検知時における改質水と原燃料中の炭素とのモル比の±1〜10%の範囲で、当該モル比を変化させることが望ましい。
また本発明は、改質水と原燃料である炭化水素とを混合した混合物を燃料導入用流路経由で改質プロセス系に導き、前記改質プロセス系において炭化水素を水蒸気改質する燃料改質装置の運転方法であって、前記改質プロセス系の圧力変動を検出し、圧力変動を検出した場合に、改質水と原燃料中の炭素とのモル比を変化させることを特徴とする燃料改質装置の運転方法である。
本発明によれば、改質水の最終蒸発点が螺旋状流路出口付近に位置して水滴の突沸が繰り返されることを防止でき、定常運転中の水滴の突沸による圧力変動を速やかに抑制することができ、生成される改質ガス組成を安定させることができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る燃料電池発電装置用の燃料改質装置の構成図である。本実施の形態に係る燃料改質装置1は、改質触媒層を有する改質器2と、一酸化炭素変成反応によって水素濃度を高める触媒層を有するCO変成器3と、一酸化炭素選択酸化反応によって一酸化炭素を低減させる触媒層を有するCO除去器4とを一体化した構成をなしている。
燃料改質装置1の中心軸上には燃焼筒11が配置され、燃焼筒11の下端部付近に上向きに火炎を形成するバーナ12が備えられている。燃焼筒11の外周面との間に所定幅の隙間を形成して改質器2の円筒外壁13が形成されており、燃焼筒11の外周面と円筒外壁13との間の隙間に改質触媒を充填してなる改質触媒層が形成される。改質触媒層の下端面には仕切り板14が設けられており、改質触媒の落下を防ぐと共に燃料ガスを改質触媒層へ流入可能にしている。燃焼筒11及び円筒外壁13は、改質器2の内壁及び外壁を構成する一方、バーナ12の火炎形成位置よりも下方位置において水平外側へ折り曲げられてフランジ形状の原燃料マニホールド15が形成されている。
フランジ形状の原燃料マニホールド15と略同一径の外筒16が、原燃料マニホールド15の下端から燃焼筒11の上端に掛けて形成されている。さらに、外筒16と円筒外壁13との間に中間筒17が形成されている。中間筒17の上端は燃料改質装置1の天井面に当接しており、下端は原燃料マニホールド15との間に改質ガス流路となる隙間が形成されている。外筒16と中間筒17との間に形成される隙間には、CO変成器3とCO除去器4とが上下に配置されている。CO変成器3及びCO除去器4の下端面は仕切り板18,19にて触媒の落下を防止すると共に改質ガスを流通可能にしている。
外筒16の外周面には、CO除去器4の形成位置に螺旋状パイプ流路21が配設され、CO変成器3の形成位置に螺旋状パイプ流路22が配設されている。螺旋状パイプ流路21の一端部には原燃料及び改質水入口23が連結されている。また、螺旋状パイプ流路21の他端部と螺旋状パイプ流路22の一端部とは連結路24で連通されている。さらに、螺旋状パイプ流路22の他端部は連通路25を経由して原燃料マニホールド15に連通されている。
また、外筒16にはCO変成器3とCO除去器4との中間部に相当する位置に、CO除去器4へ選択酸化空気を供給するための選択酸化空気入口26が設けられている。CO除去器4の出口となる外筒側壁上端部には改質ガス出口27が設けられている。
本実施の形態では、原燃料及び改質水入口23から導入される改質水と原燃料中の炭素とのモル比(S/C)を、圧力変動を抑制するように増加又は減少させるコントローラ30を備えている。原燃料マニホールド15に温度センサ31が設置されている。圧力変動の発生源は螺旋状パイプ流路22の出口近傍に位置するため、圧力変動の検知手段たる温度センサ31は、原燃料マニホールド15内の螺旋状パイプ流路22出口周辺に設置することが望ましい。
コントローラ30は、温度センサ31から温度検出信号を取り込んで圧力変動の有無を検知する。圧力変動が検出された場合、コントローラ30が改質水供給配管32に設けられた改質水供給ポンプ33を制御して改質水供給量を段階的に増加又は減少させる。改質水供給ポンプ33は原燃料供給配管34に連通しており、規定の原燃料流量に加える改質水量を調整することで、モル比(S/C)を変化させるように構成している。なお、改質水供給量を調整するために調整弁の開度制御するように構成してもよい。また、モル比(S/C)を変化させるために原燃料流量を調整するように構成しても良い。
次に、以上のように構成された燃料改質装置1の運転方法について説明する。
原燃料と改質水とを混ぜ合わせた混合物が、原燃料及び改質水入口23から螺旋状パイプ流路21の一端から導入される。螺旋状パイプ流路21及び22を通過する過程で改質水が蒸発して水蒸気となり、当該水蒸気と原燃料とが原燃料マニホールド15から改質器2へ導入される。改質器2の改質触媒はバーナ12の燃焼で600〜800℃程度に保たれており、水蒸気を添加した原燃料(メタン)が改質触媒を通過する過程で水素リッチな改質ガスが生成される。改質器2の上端部より排出された一酸化炭素を含む改質ガスは再び下方に導かれてCO変成器3に導入される。CO変成器3では改質ガス中の一酸化炭素が水性ガスシフト反応(発熱反応)により1%以下に低減され、さらにCO除去器4に導入され、改質ガス中の一酸化炭素を選択酸化反応(発熱反応)により10ppm以下に低減させる。そして、CO除去器4の上端部に連通した改質ガス出口27より燃料電池本体へ送られる。
本実施の形態の燃料改質装置1の運転方法では、定常運転時に、規定の原燃料流量に対し、モル比(S/C)が規定値になるように改質水量を調整している。ここでは、モル比(S/C)の規定値を3.0とする。CO変成器3内の触媒層温度は、触媒層入口側の温度が350℃前後、触媒層出口側の温度が200℃前後に維持される。このとき螺旋状パイプ流路21及び22には、原燃料及び改質水入口23より原燃料と改質水の混合物が供給されている。温度センサ31の温度測定値は、状態にもよるが約100〜250℃程度となる。つまり、改質水は螺旋状パイプ流路21及び22を通る過程で蒸発していくこととなる。
ところで、螺旋状パイプ流路21及び22を改質水と原燃料の混合物が通過していく過程で、改質水の受け取る熱量が想定よりも少ない場合、改質水は螺旋状パイプ流路22の内部では完全には蒸発せずに、螺旋状パイプ流路22の出口付近では沸騰寸前まで加熱された水滴を残した状態になる。この場合、温度センサ31の示す温度は概ね100〜140℃程度と低い値を示す。この状態で、螺旋状パイプ流路22の出口に拡がる原燃料マニホールド15が十分に熱せられていると、螺旋状パイプ流路22から排出された水滴は、十分に加熱された原燃料マニホールド15の壁面に触れた瞬間に一気に蒸発し、突沸することでプロセス系の圧力が増加する。この瞬間、出口空間の壁面は気化熱により一瞬冷却されるが、すぐに加熱される。その後、再び水滴が排出され、再度突沸し、これが繰り返される現象が生じる。
図2は、燃料改質装置1において圧力変動が発生している際の改質プロセス系の圧力変化と温度センサ31の温度変化とを示す図である。同図では、モル比(S/C)は規定値の3.0から変化させていない。同図に示すように、水滴の突沸による圧力変動が繰り返される場合、圧力が増加するのにわずかに遅れて温度センサ31の温度が低下し、圧力が戻るに連れ、温度も元に戻ることが見て取れる。CO除去器4及びCO変成器3の温度が安定した状態では、螺旋状パイプ流路21,22内で改質水が受け取る熱量は大きく変化しないため、最終蒸発点が螺旋状パイプ流路22出口付近から移動するとは考えにくく圧力変動が継続されてしまうこととなる。
図3は、圧力変動が継続的に発生している状態において、例えばモル比(S/C)=3.0の状態からモル比(S/C)=2.9に減少させた場合の圧力変動と温度変化とを示す図である。図3に示すように、モル比(S/C)変更後は次第に温度センサ31の検出温度が上昇し、それに伴い圧力変動の発生周期が長くなり最終的に変動がなくなっている。つまり、モル比(S/C)を減少させることにより、改質水が物質量あたりに受け取る熱量が増加するので、改質水の最終蒸発点を螺旋状パイプ流路22の内部に移動することができ、水滴が原燃料マニホールド15の内壁に接触して突沸することを防いで圧力変動を収束させることができている。
図4は、圧力変動が継続的に発生している状態において、例えばモル比(S/C)=3.0の状態からモル比(S/C)=3.1に増加させた場合の圧力変動と温度変化とを示す図である。図4に示すように、温度センサ31の温度は140℃付近から120℃付近まで低下しながら、同様に圧力変動も収束していくことがわかる。こちらは、モル比(S/C)を増加させることで改質水が物質量あたりに受け取る熱量が減少するので、最終蒸発点が原燃料マニホールド15の内部に移動することができ、原燃料マニホールド15の内壁の一部領域は常に濡れた状態になる。このため、水滴が原燃料マニホールド15の内壁へ排出されても突沸を起こさず圧力変動は収束していくことになる。
検証の結果、圧力変動が継続的に発生している状態において、モル比(S/C)を規定値から減少させる場合、モル比(S/C)を規定値に対して−1%から−10%の範囲で変化させることが望ましい。また、モル比(S/C)を規定値から増加させる場合、モル比(S/C)を規定値に対して+1%から+10%の範囲で変化させることが望ましい。
モル比(S/C)を規定値から減少又は増加させる場合、その下限値は使用するポンプの流量精度に依存している。高性能ポンプで誤差は約1%であることから、下限値を±1%としている。
また、モル比(S/C)が低下すると、改質触媒において原燃料である炭化水素が熱分解を起こし、触媒表面にカーボンが析出し改質性能に悪影響を及ぼす。S/C=3.0を基準とすると、おおよそS/C=2.7が下限となるので、10%をモル比(S/C)変化の上限とした。一方、モル比(S/C)を増加させる場合についても、モル比(S/C)を過剰に増加させていった際に最終蒸発点(図1では温度センサ31の計測領域)の温度が最終的に100℃を下回り、蒸発が促進されなくなる可能性がある。モル比(S/C)を増加させる場合の上限については、改質装置の構成や運転条件により変わってくるが、S/C=3.0を基準として、S/C=3.3〜3.4程度を上限とすれば、100℃を下回る可能性は少ない。以上の観点から、上限値を±10%とした。
次に、コントローラ30において圧力変動を検出して改質水流量を調整することでモル比(S/C)を変化させる具体的な制御内容について説明する。
コントローラ30には温度センサ31の検出温度から圧力変動を検出するための条件が設定されている。図2に示す実験例では、水滴の突沸による圧力変動の繰り返しに伴い、10分間の間に15℃程度の温度差が6回検出されている。水滴の突沸による圧力変動が生じていない場合の温度変化は概ね3℃未満であるので、10分間の間に3℃以上の温度差(最大値と最小値)が3回以上検出された場合は、水滴の突沸による圧力変動が発生していると判断することができる。本実施の形態では、コントローラ30が温度センサ31の検出温度をモニタして、10分間の間に3℃以上の温度差(最大値と最小値)が3回以上検出されたならば、モル比(S/C)を変化させる制御を実施する。
図5はコントローラ30がモル比(S/C)を変化させるためのフロー図である。
コントローラ30が温度センサ31の検出温度を定期的に取り込んで所定時間前よりも温度が変化しているか否か判断する(ステップS1)、温度変化が検出された場合、さらに温度変化幅を計算して3℃以上であるか否か判断する(ステップS2)。温度変化幅が3℃以上であれば、変化検知数を計数するカウンタをインクリメントし(ステップS3)、所定時間内の変化検知数が規定回数以上か否か判断する(ステップS4)。例えば、10分間の間に3℃以上の温度変化幅が3回以上検出されたか否か判断する。所定時間内の変化検知数が規定回数以上であった場合は、モル比(S/C)を1%変化させるように指令を出す(ステップS5)。この指令を受けてモル比(S/C)を1%変化するように、改質水供給ポンプ33が制御される。さらに、モル比(S/C)の変化回数を計数するカウンタをインクリメントし(ステップS6)、S/C変化回数が10回未満であれば、上記ステップS1へ戻り、S/C変化回数が10回に到達していれば、ステップS8へ移行して運転を継続する。
以上のようにして、所定時間内の温度変化幅が3℃以上であればモル比(S/C)を1%変化させていき、圧力変動を収束させていく。
このように本実施の形態によれば、原燃料マニホールド15における螺旋状パイプ流路22出口付近の温度を温度センサ31で検出してコントローラ30に取り込み、温度変化から圧力変動を検出した場合に、改質水流量を調整して改質水と原燃料中の炭素とのモル比を所定量だけ変化させるようにしたので、改質水の水滴の突沸が繰り返されることを防止でき、圧力変動を速やかに抑制することができる。
本発明は、改質器、CO変成器及びCO除去器が一体化された改質装置に限定されるものではなく、改質水を蒸発経路において水蒸気にしてから改質器に供給する構成であれば適用可能であり、上記一体化の構造に限定されない。また、蒸発流路はパイプで形成されるものに限定されない。
本発明は、燃料電池発電装置において燃料ガスの生成に用いられる燃料改質装置に適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る燃料電池発電装置用の燃料改質装置の構成図 燃料改質装置で圧力変動が発生している際の圧力変化と温度変化とを示す図 圧力変動が継続的に発生している状態でモル比を減少させた場合の圧力変動と温度変化とを示す図 圧力変動が継続的に発生している状態でモル比を増加させた場合の圧力変動と温度変化とを示す図 上記一実施の形態においてモル比を変化させるためのフロー図
符号の説明
1…燃料改質装置
2…改質器
3…CO変成器
4…CO除去器
11…燃焼筒
12…バーナ
13…円筒外壁
14…仕切り板(改質器)
15…原燃料マニホールド
16…外筒
17…中間筒
18…仕切り板(CO変成器)
19…仕切り板(CO除去器)
21…螺旋状パイプ流路(CO除去器側)
22…螺旋状パイプ流路(CO変成器側)
23…原燃料及び改質水入口
24、25…連結路
27…改質ガス出口
30…コントローラ
31…温度センサ
32…改質水供給配管
33…改質水供給ポンプ
34…原燃料供給配管

Claims (6)

  1. 炭化水素を水蒸気改質する改質プロセス系と、
    前記改質プロセス系に改質水と原燃料である炭化水素とを混合した混合物を導く過程で前記改質水を加熱して水蒸気を生成する燃料導入用流路と、
    前記改質プロセス系に圧力変動が発生した場合、改質水と原燃料中の炭素とのモル比を変化させる制御手段と、
    を具備したことを特徴とする燃料改質装置。
  2. 前記燃料導入用流路を加熱するための発熱源は、前記改質プロセス系を構成する改質器、CO変成器、CO除去器のいずれか又はそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1記載の燃料改質装置。
  3. 前記制御手段は、水蒸気を添加した原燃料を前記改質プロセス系に取り入れる原燃料マニホールドにおける前記燃料導入用流路の出口付近の温度変化に基づいて前記圧力変動の発生の有無を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料改質装置。
  4. 前記制御手段は、所定時間内に3℃以上の温度変化が3回以上検出された場合に圧力変動の発生と判断することを特徴とする請求項3記載の燃料改質装置。
  5. 前記制御手段は、前記改質プロセス系の圧力変動を検知した場合、当該圧力変動検知時における改質水と原燃料中の炭素とのモル比の±1〜10%の範囲で、当該モル比を変化させることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の燃料改質装置。
  6. 改質水と原燃料である炭化水素とを混合した混合物を燃料導入用流路経由で改質プロセス系に導き、前記改質プロセス系において炭化水素を水蒸気改質する燃料改質装置の運転方法であって、
    前記改質プロセス系の圧力変動を検出し、圧力変動を検出した場合に、改質水と原燃料中の炭素とのモル比を変化させることを特徴とする燃料改質装置の運転方法。
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