JPH09199153A - 燃料電池発電装置およびその改質装置の劣化検出方法 - Google Patents

燃料電池発電装置およびその改質装置の劣化検出方法

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JPH09199153A
JPH09199153A JP8019272A JP1927296A JPH09199153A JP H09199153 A JPH09199153 A JP H09199153A JP 8019272 A JP8019272 A JP 8019272A JP 1927296 A JP1927296 A JP 1927296A JP H09199153 A JPH09199153 A JP H09199153A
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JP
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fuel cell
reformer
fuel
reforming
pressure loss
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JP8019272A
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Tetsuo Take
武  哲夫
Yasumitsu Hirayama
泰充 平山
Maki Ishizawa
真樹 石澤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改質装置の改質触媒上へのカーボン析出によ
る改質触媒の劣化を予め知ること。 【解決手段】 改質装置4に差圧計20を設けて、その
改質装置4における圧力損失を測定し、設定値と比較し
て改質触媒劣化情報を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロパンガス等の
燃料を供給して発電を行なう燃料電池発電装置に係り、
特に燃料と水蒸気を改質媒質上で反応させて水素リッチ
ガスを生成する改質装置の圧力損失を検出できるように
した燃料電池発電装置およびその改質装置の劣化を検出
する劣化検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2に従来の技術として、プロパンガス
を燃料とした燃料電池発電装置の構成の系統図を示す。
図2において、1は液化プロパンガスG1′を気化させ
てプロパンガスG1とするための気化器、2はプロパン
ガスG1に含まれる硫黄分を除去するための脱硫装置、
3はプロパンガスG1を改質用水蒸気と混合するエジェ
クタ、4はプロパンガスG1と水蒸気を改質触媒上で反
応させて水素リッチな改質ガスを得るための改質装置で
ある。この改質装置4は改質触媒が充填された改質部4
a、起動用バーナ4b、改質バーナ4cを有する。
【0003】また、5は水素リッチな改質ガス中の一酸
化炭素濃度を低減させるためのシフトコンバータ、6は
外気を取り込んで送り出す空気ブロア、7は燃料極7a
と酸化剤極7bとが電解質7cを挟んで配置されたセル
を複数組積層してなるリン酸型燃料電池本体、8は燃料
電池出力Poを電圧変換或いは直流/交流変換する変換
装置、9は燃焼排ガスや酸化剤極排ガスから凝縮水を得
るための凝縮器、10はヒータ10aにより水を加熱し
て水蒸気を発生させる気水分離器、11はそのヒータ1
0a用の電源、12は蒸発器、13は排熱利用システ
ム、14は液化プロパンガスG1′のポンプ、15は補
給水のポンプ、16は制御部16aや比較演算部16b
を有し燃料電池発電装置の全体を制御する制御装置、1
7はリサイクル配管、18は燃料極排ガス配管、19は
負荷である。
【0004】また、B1〜B3は遮断弁、C1〜C5は
流量制御弁、S1、S2は液面センサ、S3、S4は温
度センサ、S5は圧力センサ、S6は電圧センサ、S7
は電流センサである。
【0005】以下、図2を用いて従来の燃料電池発電装
置の発電作用について説明する。液化プロパンガスG
1′は遮断弁B1を介して気化器1に対してポンプ14
によって自動的に供給される。この気化器1の内部の液
化プロパンガスG1′の量は、液面センサS1で所定の
範囲に維持される。この気化器1の熱源には電気ヒータ
や燃料電池排熱等が利用される。
【0006】制御装置16の制御部16aから制御信号
aを送信することによって遮断弁B2を開くことによ
り、気化器1で得られたプロパンガスG1が脱硫装置2
に供給される。その脱硫装置2においては、改質装置4
およびリン酸型燃料電池本体7の燃料極7aの触媒の劣
化原因となるプロパンガスG1中の腐臭剤に含まれる硫
黄分を除去する。プロパンガスG1の供給量は、流量制
御弁C1の開度をリン酸型燃料電池本体7の燃料電池出
力Poに合わせて制御装置16の制御部16aからの制
御信号bで調整することにより、制御する。
【0007】遮断弁B3は、制御装置16の制御部16
aから送信された制御信号cにより、燃料電池発電装置
の起動時のみ開き、改質装置4の起動用バーナ4bに対
して改質装置4の昇温のためにそのプロパンガスG1を
供給して燃焼させ、それ以外は閉じておく。
【0008】プロパンガスG1の供給量は、電圧センサ
S6と電流センサS7で検出した燃料電池出力Poを検
出信号A、Bとして制御装置16の比較演算部16bに
送信し、また温度センサS3で検出した改質装置4の温
度を検出信号Cとして同比較演算部16bに送信し、予
め設定記憶された燃料電池出力Poおよび改質装置4の
温度と、流量制御弁C1の開度(すなわち、プロパンガ
ス供給量)の関係に基づき、制御装置16の制御部16
aから制御信号bを送信し、その流量制御弁C1の開度
を調節することにより、燃料電池出力Poに見合った値
に設定する。
【0009】脱硫装置2で硫黄分が除去されたプロパン
ガスは、エジェクタ3で気水分離器10から供給された
改質用水蒸気と混合され、改質装置4の改質触媒が充填
された改質部4aに供給される。エジェクタ3への改質
用水蒸気供給量は、予め設定記憶された流量制御弁C1
の開度(すなわち、プロパンガス供給量)とエジェクタ
3の開度の関係に基づいて、制御装置16の制御部16
aから制御信号dを送信してエジェクタ3の開度を調整
することで、予め設定記憶された所定のスチームカーボ
ン比(以下、「S/C」と呼ぶ)となるように設定され
る。
【0010】改質装置4では、燃料ガスであるプロパン
ガスG1の水蒸気改質が行なわれ、水素リッチな改質ガ
スがつくられる。プロパンの水蒸気改質反応は次の式
(1)で表される。 C38 + 3H2 O → 3CO + 7H2 ・・・・(1)
【0011】この水素リッチな改質ガスには、リン酸型
燃料電池本体7の燃料極7aの触媒の劣化原因となる一
酸化炭素が含まれているので、その改質ガスはシフト触
媒を充填したシフトコンバータ5に送られ、次の式
(2)に示すシフト反応により、改質ガス中の一酸化炭
素が二酸化炭素に変換される。 CO + H2 O → CO2 + H2 ・・・・(2)
【0012】改質ガス中の一酸化炭素含有量は、シフト
コンバータ5におけるこのような反応により1%以下ま
で低減される。シフトコンバータ5で一酸化炭素が下げ
られた水素リッチなシフトコンバータ5の出力ガスは、
リン酸型燃料電池本体7の燃料極7aに供給されるとと
もに、その一部はリサイクル配管17を経由することに
より脱硫装置2にリサイクルされ、そのリサイクルガス
中の水素が脱硫反応に使用される。
【0013】このリサイクルガスの供給量は、予め設定
記憶された流量制御弁C1の開度(すなわち、プロパン
ガス供給量)と流量制御弁C4の開度(すわなち、リサ
イクルガス供給量)の関係に基づき、制御装置16の制
御部16aから制御信号eをその流量制御弁C4に送信
し、開度を調整することによって、予め設定記憶された
所定の供給量に設定される。
【0014】一方、リン酸型燃料電池本体7の酸化剤極
7bには、空気ブロア6を用いて取り込んだ外気を発電
用エアとして供給する。この発電用エアの供給量は、電
圧センサS6と電流センサS7で検出した燃料電池出力
Poを検出信号A、Bとして制御装置16の比較演算部
16bに送信し、予め設定記憶された燃料電池出力Po
と空気ブロア6の回転数および流量制御弁C3の開度
(すなわち、発電用エアー供給量)の関係に基づいて、
制御装置16の制御部16aから制御信号fを送信して
空気ブロア6の回転数を調節し、また制御装置16の制
御部16aから制御信号gを送信して流量制御弁C3の
開度を調整し、燃料電池出力Poに見合った値に設定さ
れる。
【0015】リン酸型燃料電池本体7の燃料極7aで
は、次の式(3)により改質ガス中の水素が水素イオン
と電子に変る。水素イオンは電解質7cの内部を拡散し
て酸化剤極7bに到達し、電子は外部回路を流れ、燃料
電池出力Poとして取り出される。 H2 → 2H+ + 2e- ・・・・(3)
【0016】酸化剤極7bでは、次の式(4)に示す反
応により、燃料極7aから電解質7cの中を拡散してき
た水素イオン、燃料極7aから外部回路を通じて移動し
てきた電子、および空気中の酸素が反応し、水が生成す
る。 2H+ + 1/2 O2 + 2e- → H2 O ・・・・(4)
【0017】以上の式(3)と(4)をまとめると、リ
ン酸型燃料電池本体7の全電池反応は、次の式(5)に
示す水素と酸素から水ができる単純な反応として表すこ
とができる。 H2 + 1/2 O2 → H2 O ・・・・(5) 発電によって得られた燃料電池出力Poは、変換装置8
で電圧変換あるいは直流/交流変換が行なわれた後、負
荷19に供給される。
【0018】燃料極7aでは、改質ガス中の水素がすべ
て式(4)に示した電極反応で消費されるわけではな
く、全体の80%程度の水素が使われるだけである。残
りの約20%の水素が未反応水素として、燃料極排ガス
中に残存する。これは、燃料極7aで改質ガス中の水素
をすべて電極反応で消費しようとすると、ガスの出口付
近で局所的に水素が不足し、水素の代わりに燃料極基板
のカーボンが反応することによってリン酸型燃料電池本
体7が劣化することを防止するためである。未反応水素
を含む燃料極排ガスは、燃料極排ガス配管18を経由し
て改質装置4の改質バーナ4cに供給され、バーナ燃料
として使用される。
【0019】前記式(1)に示したプロパンの水蒸気改
質反応は、吸熱反応であるので、外部から熱を改質装置
4の改質部4aに与える必要がある。このために、改質
バーナ4cにおいて燃料極排ガス中の水素を燃焼用エア
ーとともに燃焼させることにより、改質装置4の改質部
4aの触媒充填層温度を摂氏で最大700度程度まで昇
温する。
【0020】このとき、空気ブロア6からの燃焼用エア
ーの供給量は、流量制御弁C2の開度を一定にすること
によって一定値に設定しても良いし、また温度センサS
3で検出した改質装置4の温度の検出信号Cを制御装置
16の比較演算部16bに送信し、予め設定記憶された
改質装置温度と空気ブロア6の回転数および流量制御弁
C2の開度(すなわち、燃焼用エアー供給量)の関係に
基づいて、制御装置16の制御部16aから制御信号f
とhを送信することによって、空気ブロア6の回転数と
流量制御弁C2の開度を調整し設定しても良い。
【0021】燃料極排ガス中の未反応水素の燃焼反応に
より生成した水蒸気を含む改質バーナ4cでの燃焼排ガ
スと、前記式(5)に示した電池反応により生成した水
蒸気を含む酸化剤極排ガスは、凝縮器9に送られ、水蒸
気が凝縮水として除去された後に、排ガスとして大気中
に放出される。凝縮水は気水分離器10に戻され、電池
冷却水、改質用水蒸気、排熱回収用水蒸気等に利用され
る。
【0022】前記の式(5)に示した電池反応は発熱反
応であるので、リン酸型燃料電池本体7の温度は、発電
により時間とともに上昇する。リン酸型燃料電池本体7
の温度上昇が起こると、電解質の水素イオン伝導率が上
がるために出力特性が一時的に向上するが、劣化が起こ
り易くなり、寿命低下が生じる。そこで、気水分離器1
0から電池冷却水を循環させてリン酸型燃料電池本体7
の冷却を行なう。
【0023】このリン酸型燃料電池本体7の温度は、寿
命と電池性能の両方を勘案して、摂氏190度前後に設
定されるのが一般的である。電池冷却水のリン酸型燃料
電池本体7の出口温度は温度センサS4で検出し、その
検出信号Dを制御装置16の比較演算部16bに送信す
る。
【0024】電池冷却水の供給量は、温度センサS4で
検出したリン酸型燃料電池本体7の出口温度が予め設定
記憶された所定の温度範囲となるように、制御信号iを
制御装置16の制御部16aから流量制御弁C5に送信
し、その流量制御弁C5の開度を調整することによって
設定する。リン酸型燃料電池本体7を出た電池冷却水
は、水と水蒸気の混合物の形で気水気分離器10に戻さ
れる。
【0025】気水分離器10では、圧力センサS5で検
出した圧力検出信号Eおよび液面センサS2で検出した
水位検出信号Fが制御装置16の比較演算部16bに送
信される。起動時および圧力センサS5が気水分離器1
0の圧力が予め設定記憶された所定の圧力より低下した
ことを検出した場合には、制御装置16の制御部16a
から制御信号jをヒータ電源11に対して、圧力センサ
S5による検出圧力が予め設定記憶された所定の圧力を
超えることを検出するまで供給し、予め設定記憶された
所定の電力を供給して、水蒸気を発生させる。
【0026】また、液面センサS2により、気水分離器
10の水位が予め設定記憶された所定の水位より低下し
たことを検出した場合には、制御装置16の制御部16
aから制御信号kを補給水ポンプ15に送信し、液面セ
ンサS2による検出水位が予め設定記憶された所定の水
位を超えるまで、その補給水ポンプ15を動作させて気
水分離器10に補給水を供給する。
【0027】リン酸型燃料電池本体7から気水分離器1
0に供給された水蒸気あるいは気水分離器10で発生さ
せた水蒸気のうち、改質用水蒸気として使用する以外の
水蒸気は、排熱回収用水蒸気として蒸発器12に供給さ
れ、排熱利用システム13の冷媒の蒸発に使用される。
蒸発器12で凝縮した排熱回収用水蒸気の凝縮水は気水
分離器10に戻される。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】次に、従来の燃料電池
発電装置の問題点について説明する。従来の燃料電池発
電装置では、改質装置4の改質部4aにおけるS/Cが
小さい場合には、都市ガス等の燃料改質過程で改質部4
aに充填された改質触媒上にカーボンが析出するという
問題があった。改質触媒上にカーボンが析出すると、体
積膨張により改質触媒の微粉化も起こり、この結果、析
出カーボンと微粉化した触媒とにより改質部4aにおけ
る圧力損失が増加し、改質部4aへの所定量の燃料供給
が困難となる。
【0029】改質部4aへの燃料供給が困難になると、
改質装置4においてリン酸型燃料電池本体7の発電に必
要な水素を作ることができなくなって、そのリン酸型燃
料電池本体7の発電を維持することが不可能となり、燃
料電池発電装置の運転が停止してしまう。これまでの燃
料電池発電装置では、改質装置4の改質部4aの改質触
媒上へのカーボン析出により燃料電池発電装置が停止す
る前に、改質触媒の交換時期を知ることは困難であっ
た。
【0030】本発明の目的は、改質装置における圧力損
失を監視できるようにして、改質装置の劣化を検出でき
るようにし、前記した問題を解決することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、燃料極と酸化剤極とが電解質を挟んで
配置されたセルを複数組積層してなる燃料電池本体と、
燃料と水蒸気を改質触媒上で反応させて水素リッチガス
を生成し前記燃料電池本体に反応ガスとして供給する改
質装置と、前記改質装置に燃料を供給する燃料供給手段
と、全体を制御する制御手段とを有する燃料電池発電装
置において、前記改質装置における圧力損失を検出する
差圧計を設けたことを特徴とする燃料電池発電装置とし
て構成した。
【0032】第2の発明は、燃料極と酸化剤極とが電解
質を挟んで配置されたセルを複数組積層してなる燃料電
池本体と、燃料と水蒸気を改質触媒上で反応させて水素
リッチガスを生成し前記燃料電池本体に反応ガスとして
供給する改質装置と、前記改質装置に燃料を供給する燃
料供給手段と、全体を制御する制御手段とを有する燃料
電池発電装置における前記改質装置の劣化検出方法であ
って、前記改質装置における圧力損失を検出し、該検出
結果と予め設定された設定値とを比較することにより、
前記改質装置の劣化判定を行なうことを特徴とする改質
装置の劣化検出方法として構成した。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明の燃料電池発電装置
の実施の形態を示す系統図である。図2で説明したもの
と同一のものには同一の符号を付してその詳しい説明は
省略する。本実施の形態では、図2に示したものとは、
差圧計20を設け、改質装置4の改質部4aの改質触媒
上へのカーボン析出による改質装置4の圧力損失の増大
を検出することにより、改質触媒の劣化を判定し、改質
装置4の圧力損失の増大により燃料供給が困難となって
燃料電池発電装置が停止する前に、改質触媒の交換時期
を知ることを可能とした点が異なる。
【0034】次に、作用を説明する。図1に示した燃料
電池発電装置では、改質装置4に設けられた差圧計20
で改質装置4における圧力損失を測定し、その差圧計2
0で得られる検出信号Gが制御装置16の比較制御部1
6bに送信される。
【0035】制御装置16の比較制御部16bでは、予
め設定記憶された改質装置4の圧力損失の絶対値又は圧
力損失の増加速度(設定値)と検出信号Gとを比較演算
し、差圧計20で測定した圧力損失の絶対値または増加
速度が設定値を超えた場合には、改質装置4の改質部4
aの改質触媒が劣化したと判定する。そして、このとき
その改質触媒の交換を行なう。
【0036】S/C比が小さい、つまり改質用水蒸気供
給量が少ない等の理由により改質触媒上にカーボン析出
が起こった場合には、改質装置4の水素製造能力が低下
し水素生成量が減少する前に、図3に一例を示したよう
に、改質装置4の圧力損失の増大が起こる。改質装置4
の圧力損失が起こると、燃料ガスの改質装置4への供給
が困難となり、結果として燃料不足により水素生成量が
減少し、リン酸型燃料電池本体7での一定出力での発電
が困難となる。最悪の場合には、燃料電池発電装置の緊
急停止が起こる恐れもある。
【0037】図3に示した特性では、1500mmAq
まで改質装置4の圧力損失が増大しても一定出力での発
電が可能であるが、それ以上圧力損失が増大すると発電
が困難となる。燃料電池発電装置の発電を開始してから
約1000時間強で、改質装置4の圧力損失が異常領域
に到達し、一定出力での発電が困難となる。この許容圧
力損失の値は、改質装置4の設計により異なる。
【0038】そこで、差圧計20により改質装置4の圧
力損失の絶対値または増加速度を、当該改質装置4の設
計内容に応じて監視すれば、改質装置4の圧力損失増大
による燃料不足が原因で燃料電池発電装置の出力低下あ
るいは緊急停止が起こる前に、改質装置4のカーボン析
出による劣化を検出することが可能となり、改質触媒交
換時期を予め知ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上から、第1の本発明によれば差圧計
により改質装置の圧力損失を監視することが可能であ
り、また第2の発明によれば改質装置の圧力損失の検出
結果と予め設定された設定値とを比較することにより改
質装置の劣化判定を行なうので、改質装置の改質触媒上
へのカーボン析出による改質装置劣化を圧力損失の増大
として速やかに検出することが可能となる。したがっ
て、改質触媒上に万がいちカーボン析出が起こっても、
改質装置の圧力損失の増大により燃料供給が困難となり
燃料電池発電装置が停止する前に、改質触媒の交換時期
を知り、改質触媒を交換できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1つの実施の形態の燃料電池発電装
置の構成を示す系統図である。
【図2】 従来の燃料電池発電装置の構成を示す系統図
である。
【図3】 改質装置の改質触媒上にカーボン析出が起こ
った場合の改質装置の圧力損失の経時変化の一例を示す
特性図である。
【符号の説明】
1:気化器、2:脱硫装置、3:エジェクタ、4:改質
装置、5:シフトコンバータ、6:空気ブロア、7:リ
ン酸型燃料電池本体、8:変換装置、9:凝縮器、1
0:気水分離器、11:ヒータ用電源、12:蒸発器、
13:排熱利用システム、14:液化プロパンガスのポ
ンプ、15:補給水のポンプ、16:制御装置、17:
リサイクル配管、18:燃料極排ガス配管、19:負
荷、20:差圧計、S1、S2:液面センサ、S3、S
4:温度センサ、S5:圧力センサ、S6:電圧セン
サ、S7:電流センサ、B1〜B3:遮断弁、C1〜C
5:流量制御弁、G1′:液化プロパンガス、G1:プ
ロパンガス。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料極と酸化剤極とが電解質を挟んで配置
    されたセルを複数組積層してなる燃料電池本体と、燃料
    と水蒸気を改質触媒上で反応させて水素リッチガスを生
    成し前記燃料電池本体に反応ガスとして供給する改質装
    置と、前記改質装置に燃料を供給する燃料供給手段と、
    全体を制御する制御手段とを有する燃料電池発電装置に
    おいて、 前記改質装置における圧力損失を検出する差圧計を設け
    たことを特徴とする燃料電池発電装置。
  2. 【請求項2】燃料極と酸化剤極とが電解質を挟んで配置
    されたセルを複数組積層してなる燃料電池本体と、燃料
    と水蒸気を改質触媒上で反応させて水素リッチガスを生
    成し前記燃料電池本体に反応ガスとして供給する改質装
    置と、前記改質装置に燃料を供給する燃料供給手段と、
    全体を制御する制御手段とを有する燃料電池発電装置に
    おける前記改質装置の劣化検出方法であって、 前記改質装置における圧力損失を検出し、該検出結果と
    予め設定された設定値とを比較することにより、前記改
    質装置の劣化判定を行なうことを特徴とする改質装置の
    劣化検出方法。
JP8019272A 1996-01-11 1996-01-11 燃料電池発電装置およびその改質装置の劣化検出方法 Pending JPH09199153A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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