JP3886887B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献】
「電気学会・燃料電池発電次世代システム技術調査専門委員会編:燃料電池の技術,p.35, オーム社 (2002)」
図11は、上記非特許文献に記載の燃料電池発電システムの従来例として、天然ガスを燃料とした固体高分子形燃料電池システムの構成を示している。すなわち、この従来技術による燃料電池発電システムの主な構成要素は、脱硫器2、改質器3、改質器バーナ53、COシフトコンバータ4、CO選択酸化器5、凝縮器39、固体高分子形燃料電池セルスタック9、出力調整装置20、気化器14、気化器バーナ35、水タンク90、流量制御弁(10、11、12等)、補給水ポンプ42、空気供給用ブロワ13、及び配管類である。
【0003】
図11において、1は燃料である天然ガス、2は天然ガス1中の硫黄成分を除去する脱硫器、3は燃料の水蒸気改質反応を行わせる改質器、4は水蒸気改質反応によって生成する一酸化炭素(CO)を水性シフト反応によって二酸化炭素に変換し、水素を得るCOシフトコンバータ、5は水性シフト反応後に残存する一酸化炭素を酸化して二酸化炭素とするCO選択酸化器、9は固体高分子形燃料電池セルスタック、6は固高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極、7は固高分子形燃料電池セルスタック9の固体高分子電解質、8は固高分子形燃料電池セルスタック9の空気極、10、11、及び12は空気供給用ブロワ13からの空気18の流量を制御する流量制御弁、13は空気供給用ブロワ、14は水蒸気改質反応に使われる水蒸気を発生させる気化器、15は気化器用ポンプ、16は気化器14で発生する水蒸気、17は固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス、18は空気供給用ブロワ13からの空気、19は固体高分子形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス、20は出力調整装置、21は負荷、22は燃料電池直流出力、23は送電端交流出力、24は改質器バーナ燃焼排出ガス、25はCO選択酸化器5の排出ガスである、一酸化炭素の濃度をppmオーダーに低減させた改質ガス、26はCOシフトコンバータ4の排出ガスである、一酸化炭素の濃度を1%以下に低減させた改質ガス、27は改質器3の排出ガスである、水素豊富(水素リッチ)な改質ガス、28は水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス、29は脱硫器2の排出ガスである脱硫天然ガス、30は空気供給用ブロワ13からの空気18の流量を制御する流量制御弁、31は気化器バーナ用空気、32は固体高分子形燃料電池セルスタック用空気、33はCO選択酸化器用空気、34は改質器バーナ用空気、35は気化器バーナ、36は気化器バーナ燃焼排出ガス、37は天然ガス1の流量を制御する流量制御弁、39はCO選択酸化器5の排出ガスである改質ガス25中の水分を凝縮させる凝縮器、38は凝縮器39で未反応水蒸気を凝縮させた後の改質ガス、40は固体高分子形燃料電池セルスタック9での電池反応による生成水、41は凝縮器39で生じた凝縮水、42は補給水ポンプ、43は補給水、44は気化器14に供給される水、45は脱硫器2に供給される発電用天然ガス、46は気化器バーナ用天然ガス、47及び48は天然ガス1の流量を制御する流量制御弁、49は改質器バーナ用天然ガス、50は脱硫器リサイクル用改質ガス、51は脱硫器リサイクル用改質ガス50の流量を制御する流量制御弁、52はCO選択酸化器用改質ガス、53は改質器バーナ、90は水タンク、91は気化器14からの排出ガス、93は気化器14からの水蒸気16の流量を制御する流量制御弁である。
【0004】
上記「水素豊富(水素リッチ)」は、電池反応によって発電に寄与するに足りる濃度の水素を含有することを意味する。
【0005】
図11において、固体高分子形燃料電池セルスタック9が1組の燃料極6、固体高分子電解質7、及び空気極8からなる単セルによって構成されているように示されているが、実際には、燃料電池セルスタック9は前記単セルを複数積層することによって構成されている。
【0006】
以下、図11を用いて、この従来技術による燃料電池発電システムの作用について説明する。燃料の天然ガス1は、発電用天然ガス45、気化器バーナ用天然ガス46、及び改質器バーナ用天然ガス49として、それぞれ脱硫器2、気化器バーナ35、及び改質器バーナ53に供給する。発電用天然ガス45の供給量は、予め設定された燃料電池直流出力22の電池電流及び改質器3の温度(改質器温度)と流量制御弁37の開度(すなわち、発電用天然ガス45の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁37の開度を制御することによって、燃料電池直流出力22の電池電流と改質器温度に見合った値に設定する。
【0007】
脱硫器2では、充填された脱硫触媒のコバルト−モリブデン系触媒と酸化亜鉛吸着剤の働きにより、改質器3の改質触媒と固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6での電極触媒の劣化原因となる発電用天然ガス45中のメルカプタン等の腐臭剤に含まれる硫黄分を水添脱硫により除去する。すなわち、コバルト−モリブデン系触媒により最初に硫黄と水素を反応させて硫化水素を生成させ、次にこの硫化水素と酸化亜鉛を反応させて硫化亜鉛を生成させることによって、硫黄分を除去する。硫化水素の生成に必要な水素を供給するために、水素リッチな、一酸化炭素の濃度を1%以下に低減させた改質ガス26の一部を、脱硫器リサイクル用改質ガス50として脱硫器2にリサイクルする。脱硫器リサイクル用改質ガス50の供給量は、予め設定された流量制御弁37の開度(すなわち、発電用天然ガス45の供給量)と流量制御弁51の開度(すなわち、脱硫器リサクル用改質ガス50の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁51の開度を制御することによって、発電用天然ガス45の供給量と見合った値に設定する。水添脱硫反応と硫化亜鉛の生成反応は吸熱反応であり、反応に必要な反応熱は、後述する発熱反応であるCOシフトコンバータ4での水性シフト反応によって発生する熱をCOシフトコンバータ4から脱硫器2に供給することによってまかなう。
【0008】
脱硫器2で硫黄分が除去された脱硫天然ガス29は、気化器14から供給された水蒸気16と混合し、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28として、改質触媒であるニッケル系触媒やルテニウム系触媒が充填された改質器3に供給する。脱硫天然ガス29と混合する水蒸気16の供給量は、予め設定された流量制御弁37の開度(すなわち、発電用天然ガス45の供給量)と流量制御弁93の開度(すなわち、水蒸気16の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁93の開度を制御することによって、予め設定された所定のスチームカーボン比(水蒸気対天然ガス中炭素比)となるように設定する。
【0009】
気化器14では、水タンク90から気化器用ポンプ15で供給した水44を気化させる。水44の気化に必要な熱は、後述する高温の改質器バーナ燃焼排出ガス24を気化器14に供給し、水44と熱交換させることによって供給する。水44と気化器14で熱交換を行った改質器バーナ燃焼排出ガス24は、排出ガス91として排出する。気化器14での水44の気化に必要な熱の供給が、改質器バーナ燃焼排出ガス24との熱交換だけでは不足する場合には、天然ガス1を気化器バーナ用天然ガス46として気化器バーナ35に供給し、同様に空気供給用ブロア13で取り込んだ空気18の一部を気化器バーナ用空気31として気化器バーナ35に供給し、両者を燃焼反応させることによって、気化器14にさらに熱を供給する。気化器バーナ35に供給する気化器バーナ用天然ガス46の供給量は、予め設定された気化器14の温度と流量制御弁47の開度(すなわち、気化器バーナ用天然ガス46の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁47の開度を制御することによって設定する。また、気化器バーナ35に供給する気化器バーナ用空気31の供給量は、予め設定された流量制御弁47の開度(すなわち、気化器バーナ用天然ガス46の供給量)と流量制御弁30の開度(すなわち、気化器バーナ用空気31の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁30の開度を制御することによって、予め設定された所定の空燃比(空気対燃料比)となるように設定する。
【0010】
水タンク90には、後述する凝縮器39で凝縮させた凝縮水41と後述する固体高分子形燃料電池セルスタック9で電池反応により生成した生成水40を供給する。これだけでは水タンク90の水が不足する場合には、必要に応じて補給水ポンプ42を作動させ、補給水43を水タンク90に供給する。
【0011】
改質器3では、充填された改質触媒の働きにより天然ガス1に含まれる炭化水素の水蒸気改質反応が行われ、水素リッチな改質ガス27がつくられる。天然ガス1の主成分であるメタンの水蒸気改質反応は下記(1)式で表される。
【0012】
(メタンの水蒸気改質反応)
CH + HO → CO + 3H (1)
この(1)式に示したメタンの水蒸気改質反応等の炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応であるので、効率的に水素を生成させるためには、改質器3の外部から必要な反応熱を供給し、改質器3の温度を700〜750℃に維持しなければならない。このため、後述する約20%の未反応水素を含む固体高分子形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス19を改質器バーナ53に供給し、同様に空気供給用ブロワ13で取り込んだ空気18の一部を改質器バーナ53に供給した改質器バーナ用空気34と燃焼反応させることによって、改質器3に水蒸気改質反応に必要な反応熱を供給する。改質器バーナ53に供給する改質器バーナ用空気34の供給量は、予め設定された流量制御弁37の開度(すなわち、発電用天然ガス45の供給量)と流量制御弁12の開度(すなわち、改質器バーナ用空気34の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁12の開度を制御することによって、予め設定された所定の空燃比となるように設定する。
【0013】
改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱の供給が、改質器バーナ53での固体高分子形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス19の燃焼だけでは不足する場合には、天然ガス1を改質器バーナ用天然ガス49として改質器バーナ53に供給し、改質器バーナ用空気34と燃焼反応させることによって、改質器3にさらに熱を供給する。改質器バーナ53に供給する改質器バーナ用天然ガス49の供給量は、予め設定された改質器3の温度と流量制御弁48の開度(すなわち、改質器バーナ用天然ガス49の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁48の開度を制御することによって、改質器3の温度に見合った値に設定する。また、改質器バーナ53に供給する改質器バーナ用空気34の供給量は、予め設定された流量制御弁37の開度(すなわち、発電用天然ガス45の供給量)及び流量制御弁48の開度(すなわち、改質器バーナ用天然ガス49の供給量)と流量制御弁12の開度(すなわち、改質器バーナ用空気34の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁12の開度を制御することによって、予め設定された所定の空燃比となるように設定する。
【0014】
改質器3の排出ガスである水素リッチな改質ガス27中には、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6の電極触媒の劣化原因となる一酸化炭素が含まれているので、水素リッチな改質ガス27は、銅−亜鉛系触媒等のシフト触媒が充填されたCOシフトコンバータ4に供給し、シフト触媒の働きにより下記(2)式に示す水性シフト反応を行わせることによって、水素リッチな改質ガス27中に含まれる一酸化炭素の濃度を1%以下まで低減させる。
【0015】
(水性シフト反応)
CO + HO → CO + H (2)
この水性シフト反応は発熱反応であり、発生した熱は脱硫器2に供給し、前述した吸熱反応である脱硫器2の水添脱硫反応と硫化亜鉛の生成反応の反応熱として利用する。
【0016】
COシフトコンバータ4でつくられた、一酸化炭素の濃度を1%以下に低減させた改質ガス26の一部は、前述したように脱硫器リサイクル用改質ガス50として脱硫器2に供給し、残りは、一酸化炭素の濃度が100ppm以上であると固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6に供給した場合に電極触媒の劣化原因となるので、一酸化炭素の濃度を数十ppmレベルまで低減させるために、CO選択酸化器用改質ガス52として、白金、ルテニウム等の貴金属系触媒がCO選択酸化触媒として充填されたCO選択酸化器5に供給する。また、空気供給用ブロワ13で取り込んだ空気18の一部を、CO選択酸化器用空気33としてCO選択酸化器5に供給する。CO選択酸化器5では、CO選択酸化器用改質ガス52に含まれる一酸化炭素を、発熱反応である下記(3)式に示すCO選択酸化反応によりCO選択酸化用空気33中の酸素と反応させることによって二酸化炭素に変換し、CO選択酸化器用改質ガス52中の一酸化炭素の濃度を数十ppmレベルまで低減させる。
【0017】
(一酸化炭素の酸化反応)
CO + 1/2O → CO (3)
CO選択酸化器用空気33の供給量は、予め設定された流量制御弁37の開度(すなわち、発電用天然ガス45の供給量)と流量制御弁11の開度(すなわち、CO選択酸化器用空気33の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁11の開度を制御することによって、発電用天然ガス45の供給量に見合った値に設定する。
【0018】
CO選択酸化器5でつくられた、一酸化炭素の濃度をppmオーダーに低減させた改質ガス25中に含まれる未反応水蒸気は、凝縮器39で100℃以下に冷却することによって、凝縮水41として回収する。この凝縮水41は、水タンク90に供給し、気化器14に供給する水44として再利用する。凝縮器39で未反応水蒸気を凝縮させた後の改質ガス38は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6に供給する。一方、空気供給用ブロワ13で取り込んだ空気18の一部を、高分子形燃料電池セルスタック用空気32として、固体高分子形燃料電池セルスタック9の空気極8に供給する。固体高分子形燃料電池セルスタック9の発電温度は、60〜80℃が一般的であり、電池反応による発熱により発電温度が維持される。固体高分子形燃料電池セルスタック用空気32の供給量は、予め設定された燃料電池直流出力22の電池電流と流量制御弁10の開度(すなわち、高分子形燃料電池セルスタック用空気32の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁10の開度を制御することによって、燃料電池直流出力22の電池電流に見合った値に設定する。
【0019】
固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6では、白金系電極触媒の働きで、未反応水蒸気を凝縮させた後の改質ガス38中に含まれる水素の約80%が、下記(4)式に示す燃料極反応により水素イオンと電子に変わる。
【0020】
(燃料極反応)
→ 2H + 2e (4)
燃料極6で生成した水素イオンは、ナフィオン等のスルフォン酸基を有するフッ素系高分子から構成される固体高分子電解質7の内部を移動し、空気極8に到達する。一方、燃料極6で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極8に到達する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーを燃料電池直流出力22として取り出すことができる。
【0021】
固体高分子形燃料電池セルスタック9の空気極8では、白金系電極触煤の働きで、燃料極6から固体高分子電解質7の内部を空気極8に移動してきた水素イオン、燃料極6から外部回路を空気極8に移動してきた電子、及び空気極8に供給された固体高分子形燃料電池セルスタック用空気32中の酸素が、下記(5)式に示す空気極反応により反応し、水が生成する。
【0022】
(空気極反応)
2H + 1/2O + 2e → HO (5)
(4)式と(5)式をまとめると、固体高分子形燃料電池セルスタック9の電池反応は、下記(6)式に示す水素と酸素から水ができる水の電気分解の逆反応として表すことができる。
【0023】
(電池反応)
+ 1/2O → HO (6)
固体高分子形燃料電池セルスタック9の発電によって得られた燃料電池直流出力22は、負荷21に合わせて出力調整装置20で電圧の変換と直流から交流への変換を行った後に、送電端交流出力23として負荷21に供給する。なお、図11の例では、出力調整装置20で直流から交流への変換を行っているが、出力調整装置20で電圧変換のみを行い、送電端直流出力を負荷21に供給してもよい。
【0024】
未反応水蒸気を凝縮させた後の改質ガス38は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6で水素の約80%を(4)式に示した燃料極反応により消費した後に、固体高分子形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス19として排出する。一方、固体高分子形燃料電池セルスタック用空気32は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の空気極8で酸素の一部を(5)式に示した空気極反応により消費した後に、固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス17として排出する。
【0025】
固体高分子形燃料電池セルスタック9で(6)式に示した電池反応により生成した生成水40は、凝縮水41と同様に水タンク90に供給し、気化器14に供給する水44として再利用する。固体高分子形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス19は、約20%の未反応水素を含んでいるので、前述したように改質器バーナ53の燃料として用いる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
次に、前述したような従来の技術による燃料電池発電システムの問題点について説明する。図11に示した従来の燃料電池発電システムでは、改質器3で発電用天然ガス45に含まれる炭化水素の水蒸気改質反応を行わせるのに、固体高分子形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス19を改質器バーナ53に供給し燃焼させるだけでなく、改質器バーナ用天然ガス49も改質器バーナ53に供給し燃焼させる必要があった。また、固体高分子形燃料電池セルスタック9の発電温度が60〜80℃と低いために、190℃の発電温度を有するりん酸形燃料電池セルスタックを用いた場合のようにセルスタックの冷却過程で水蒸気を発生させることができないので、気化器14を設け、改質器バーナ燃焼排出ガス24と熱交換を行わせるとともに、気化器バーナ35に供給した気化器バーナ用天然ガス46を燃焼させることによって、外部から気化器14に水44の気化に必要な熱を供給し、改質器3での炭化水素の水蒸気改質に必要な水蒸気16を発生させなければならなかった。このため、従来の燃料電池発電システムでは、送電端効率が低く、40%未満であった。また、送電端効率が低いために、送電端出力も小さかった。
【0027】
本発明の目的は、上記問題点を解決し、改質器と気化器でのエネルギー損失を低減することによってシステムの送電端効率を向上させるとともに、送電端出力を増加させた燃料電池発電システムを提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項1に記載のように、
料の水蒸気改質反応によって水素豊富な改質ガスをつくる改質器と、前記改質ガス中の水素、もしくは水素及び一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、前記改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素とに変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中に残存する一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記改質器への前記燃料の供給量が増加した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が減少するように制御され、前記改質器への前記燃料の供給量が減少した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が増加するように制御されることを特徴とする燃料電池発電システムを構成する。
【0029】
また、本発明においては、請求項2に記載のように、
料の水蒸気改質反応によって水素豊富な改質ガスをつくる改質器と、前記改質ガス中の水素、もしくは水素及び一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、前記改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素とに変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記改質器への前記燃料の供給量が増加した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が減少するように制御され、前記改質器への前記燃料の供給量が減少した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が増加するように制御されることを特徴とする燃料電池発電システムを構成する。
【0030】
また、本発明においては、請求項3に記載のように、
料の水蒸気改質反応によって水素豊富な改質ガスをつくる改質器と、前記改質ガス中の水素、もしくは水素及び一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、前記改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素とに変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記改質器への前記燃料の供給量が増加した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が減少するように制御され、前記改質器への前記燃料の供給量が減少した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が増加するように制御されることを特徴とする燃料電池発電システムを構成する。
【0031】
また、本発明においては、請求項4に記載のように、
前記第一の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の未反応燃料、未反応水素及び未反応一酸化炭素を酸素と燃焼反応させる燃焼器を有することを特徴とする請求項1、2または3記載の燃料電池発電システムを構成する。
【0032】
また、本発明においては、請求項5に記載のように、
前記第一の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の未反応燃料、未反応水素及び未反応一酸化炭素と、前記第二の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス中の未反応燃料及び未反応水素、もしくは、未反応燃料、未反応水素及び未反応一酸化炭素とを酸素と燃焼反応させる燃焼器を有することを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池発電システムを構成する。
【0033】
また、本発明においては、請求項6に記載のように、
前記第一の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の未反応燃料、未反応水素及び未反応一酸化炭素と、前記水素分離器における水素分離後の排出ガス中の未反応燃料及び水素を酸素と燃焼反応させる燃焼器を有することを特徴とする請求項3記載の燃料電池発電システムを構成する。
【0034】
また、本発明においては、請求項7に記載のように、
前記燃焼器に供給される酸素含有ガスが前記第一の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスであることを特徴とする請求項4、5または6記載の燃料電池発電システムを構成する。
【0035】
また、本発明においては、請求項8に記載のように、
前記燃焼器に供給される酸素含有ガスが前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスであることを特徴とする請求項4、5または6記載の燃料電池発電システムを構成する。
【0036】
また、本発明においては、請求項9に記載のように、
前記燃焼器に供給される酸素含有ガスが前記第一の燃料電池セルスタックの空気極排出ガス及び前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスであることを特徴とする請求項4、5または6記載の燃料電池発電システムを構成する。
【0037】
また、本発明においては、請求項10に記載のように、
前記燃焼器の排出ガスと熱交換させることによって、前記第一の燃料電池セルスタックの空気極に供給される酸素含有ガスを昇温する酸素含有ガス予熱器を有することを特徴とする請求項4、5、6、7、8または9記載の燃料電池発電システムを構成する。
【0038】
また、本発明においては、請求項11に記載のように、
前記燃焼器の排出ガスと熱交換させることによって、前記燃料を昇温する燃料予熱器を有することを特徴とする請求項4、5、6、7、8、9または10記載の燃料電池発電システムを構成する。
【0039】
また、本発明においては、請求項12に記載のように、
前記第一の燃料電池セルスタックが固体酸化物形燃料電池セルスタックであり、前記第二の燃料電池セルスタックが固体高分子形燃料電池セルスタックであることを特徴とする請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の燃料電池発電システムを構成する。
【0040】
また、本発明においては、請求項13に記載のように、
前記第一の燃料電池セルスタックが固体酸化物形燃料電池セルスタックであり、前記第二の燃料電池セルスタックがりん酸形燃料電池セルスタックであることを特徴とする請求項2、3、4、5、7、8、9、10または11記載の燃料電池発電システムを構成する。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明による燃料電池発電システムの実施形態について説明する。以下に述べる実施形態では、固体酸化物形燃料電池セルスタックを第一の燃料電池セルスタックとし、固体高分子形燃料電池セルスタックを第二の燃料電池セルスタックとする。なお、りん酸形燃料電池セルスタックを第二の燃料電池セルスタックとすることも可能である。りん酸形燃料電池セルスタックを第二の燃料電池セルスタックとする場合には、下記実施形態におけるCO選択酸化器は不要となり、COシフトコンバータから排出される改質ガスをそのまま第二の燃料電池セルスタックに燃料ガスとして供給してよい。
【0042】
(実施形態1)
図1は、本発明による燃料電池発電システムの一実施形態(これを実施形態1とする)を表す構成図を示している。図1において、前述した図11と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図1において、57は第一の燃料電池セルスタックである固体酸化物形燃料電池セルスタック、54は固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極、55は固体酸化物形燃料電池セルスタック57の固体酸化物電解質、56は固体酸化物形燃料電池セルスタック57の空気極、58は固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気、60は改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス、59は改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60の流量を制御する流量制御弁、61は固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス、62は固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の流量を制御する流量制御弁、63は固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス、64は排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス、74及び75は改質器4が排出する水素豊富(水素リッチ)な改質ガス27の流量を制御する流量制御弁、86は出力調整装置、87は負荷、88は燃料電池直流出力、89は送電端交流出力である。
【0043】
図1において、第一の燃料電池セルスタックである固体酸化物形燃料電池セルスタック57が1組の燃料極54、固体酸化物電解質55、及び空気極56からなる単セルによって構成されているように示されているが、実際には、固体酸化物形燃料電池セルスタック57は前記単セルを複数積層することによって構成されている。なお、すでに述べたように、第二の燃料電池セルスタックである固体高分子形燃料電池セルスタック9も、同様に、単セルを複数積層することによって構成されている。
【0044】
図1を用いて実施形態1を説明する。本実施形態による燃料電池発電システムは、図11に示した従来の技術による燃料電池発電システムとは、図1に示したように、第二の燃料電池セルスタックである固体高分子形燃料電池セルスタック9以外に、第一の燃料電池セルスタックとして燃料極54、固体酸化物電解質55、及び空気極56からなる単セルを複数積層した固体酸化物形燃料電池セルスタック57を改質器3の近傍に設置し、固体酸化物形燃料電池セルスタック57で発電した燃料電池直流出力88を出力調整装置86で送電端交流出力89に変換した後に負荷87に供給する点が大きく異なる。
【0045】
次に、本実施形態による燃料電池発電システムの作用について、図1を参照して説明する。発電用天然ガス45の供給量は、予め設定された燃料電池直流出力22の電池電流及び燃料電池直流出力88の電池電流と流量制御弁37の開度(すなわち、発電用天然ガス45の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁37の開度を制御することによって、燃料電池直流出力22の電池電流及び燃料電池直流出力88の電池電流に見合った値に設定する。脱硫器2で脱硫された脱硫天然ガス29は、固体酸化物形燃料電池セルスタック57で電池反応により生成した水蒸気を含む改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60と混合した後に、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28として改質器3に供給する。改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60の供給量は、予め設定された流量制御弁37の開度(すなわち、発電用天然ガス45の供給量)と流量制御弁59の開度(すなわち、改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁59の開度を制御することによって、発電用天然ガス45の供給量に見合った値に設定する。
【0046】
改質器3では、充填された改質触媒の働きにより天然ガス1に含まれる炭化水素の水蒸気改質反応が行われ、水素豊富(水素リッチ)な改質ガス27がつくられる。炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応であるので、効率的に水素を生成させるためには、改質器3の外部から必要な反応熱を供給し、改質器3の温度を700〜750℃に維持しなければならない。このため、後述する800〜1000℃で発電を行う固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を、炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として改質器3に供給する。
【0047】
改質器3でつくられた水素リッチな改質ガス27の一部は、COシフトコンバータ4に供給され、残りは、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54に供給する。COシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス27の供給量は、予め設定された燃料電池直流出力22の直流電流と流量制御弁74の開度(すなわち、COシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス27の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁74の開度を制御することによって、燃料電池直流出力22の直流電流に見合った値に設定する。一方、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54への水素リッチな改質ガス27の供給量は、予め設定した燃料電池直流出力88の直流電流と流量制御弁75の開度(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54への水素リッチな改質ガス27の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁75の開度を制御することによって、燃料電池直流出力88の直流電流に見合った値に設定する。
【0048】
固体酸化物形燃料電池セルスタック57の空気極56には、空気供給用ブロワ13を用いて取り込んだ空気18の一部を固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58として供給する。固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量は、予め設定した流量制御弁75の開度(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54への水素リッチな改質ガス27の供給量)と流量制御弁62の開度(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁62の開度を制御することによって、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54への水素リッチな改質ガス27の供給量に見合った値に設定する。同様に、固体高分子形燃料電池セルスタック9の空気極8への固体高分子形燃料電池セルスタック用空気32の供給量は、予め設定した流量制御弁74の開度(すなわち、COシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス27の供給量)と流量制御弁10の開度(すなわち、固体高分子形燃料電池セルスタック用空気32の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁10の開度を制御することによって、COシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス27の供給量に見合った値に設定する。
【0049】
固体酸化物形燃料電池セルスタック57の空気極56では、金属酸化物系電極触煤の働きで、固体酸化物形燃料電池セルスタック発電用空気58中の酸素が下記(7)式に示す空気極反応により電子と反応し酸素イオンに変わる。
【0050】
(空気極反応)
1/2O + 2e → O2− (7)
空気極56で生成した酸素イオンは、安定化ジルコニア(YSZ)等の固体酸化物電解質55の内部を移動し、燃料極54に到達する。燃料極54では、ニッケル−YSZサーメット、ルテニウム−YSZサーメット等の金属系電極触媒の働きで、空気極56から固体酸化物電解質55の内部を燃料極54に移動してきた酸素イオンが、下記(8)式及び(9)式に示す燃料極反応により、燃料極54に供給された水素リッチな改質ガス27中の水素または一酸化炭素と反応し、水蒸気または二酸化炭素と電子とが生成する。
【0051】
(燃料極反応)
+ O2− → HO + 2e (8)
CO + O2− → CO + 2e (9)
燃料極54で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極56に到達する。空気極56に到達した電子は、(7)式に示した空気極反応により酸素と反応する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーを燃料電池直流出力88として取り出すことができる。
【0052】
(7)式と(8)式、及び(7)式と(9)式をまとめると、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の電池反応は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の電池反応と同じ(6)式に示した水素と酸素から水蒸気ができる水の電気分解の逆反応と、下記(10)式に示す一酸化炭素と酸素から二酸化炭素が生成する電池反応として表すことができる。
【0053】
(電池反応)
CO + 1/2O → CO (10)
固体酸化物形燃料電池セルスタック57の発電によって得られた燃料電池直流出力88は、負荷87に合わせて出力調整装置86で電圧の変換と直流から交流への変換を行った後に、送電端交流出力89として負荷87に供給する。なお、図1の例では、出力調整装置86で直流から交流への変換を行っているが、出力調整装置86で電圧変換のみを行い、送電端直流出力を負荷87に供給してもよい。
【0054】
固体酸化物燃料電池セルスタック57の発電温度は、一般的に800〜1000℃であり、電池反応による発熱により発電温度が維持される。このため、固体酸化物燃料電池セルスタック57の排熱は、前述したように改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応の反応熱として利用することができる。実際、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムでは、固体酸化物燃料電池セルスタック57での電池反応による発熱量は多く、発電温度を維持するために、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58を多量に固体酸化物形燃料電池セルスタック57の空気極56に供給し、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の冷却を行っており、空気極56での酸素利用率は20%程度である。従って、発電用天然ガス45の供給量に合わせて、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を変化させ、固体酸化物形燃料電池セルスタック57から改質器3に供給する排熱量を制御することによって、改質器3で効率的に炭化水素の水蒸気改質反応を行わせることが可能である。すなわち、予め設定した流量制御弁37の開度(すなわち、発電用天然ガス45の供給量)と流量制御弁62の開度の補正(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量の補正量)の関係に基づいて、発電用天然ガス45の供給量が増加した場合には、流量制御弁62の開度を小さくすることによって固体酸化物酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させる制御を行い、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の発電温度を800〜1000℃に維持しながら、空気極56での酸素利用率を上昇させるとともに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57から改質器3に供給する排熱量を増やす。一方、発電用天然ガス45の供給量が減少した場合には、流量制御弁62の開度を大きくすることによって固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を増加させる制御を行い、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の発電温度を800〜1000℃に維持しながら、空気極56での酸素利用率を低下させるとともに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57から改質器3に供給する排熱量を減らす。
【0055】
燃料極54で電池反応により生成した水蒸気を含む固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61の一部は、前述したように改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な水蒸気を供給するために、改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60としてリサイクルし、脱硫天然ガス29と混合した水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28として改質器3に供給する。残りは、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64として排出する。この排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64を、給湯、暖房、及び吸収式冷凍機による冷房の熱源として利用することにより、システムの電気出力と熱利用を合わせた総合熱効率を向上させることが可能である。また、固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63も、給湯、暖房、及び吸収式冷凍機の熱源として利用することにより、システムの電気出力と熱利用を合わせた総合熱効率を向上させることが可能である。
【0056】
図1に示した本発明の一実施形態では、図11に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61中の水蒸気を炭化水素の水蒸気改質反応に利用するために、従来技術においては必要であった、水蒸気をつくる気化器14(図11に示す)が不要で水の気化に必要なエネルギーを削減することができ、また、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を利用するために、炭化水素の水蒸気改質反応のために外部から新たに供給するエネルギーを削減することができるので、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させることが可能である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用するために、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムと比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させることが可能で、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温に必要なエネルギーを削減することができるので、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の送電端効率を向上させることが可能である。このため、システム全体の送電端効率が向上するとともに、システム全体の送電端出力も増加する。
【0057】
(実施形態2)
図2は、本発明による燃料電池発電システムの他の一実施形態(これを実施形態2とする)を表す構成図を示している。図2において、前述した図11及び図1と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図2において、68は水素分離器、65は水素分離器68によって分離された水素、66は水素分離器68における水素分離後の水素分離器排出ガス、67は水素分離器排出ガス66中の水分を凝縮させる凝縮器、69は凝縮器67によって水分含有量を低減された水素分離器乾燥排出ガス、70はパージ弁、71はパージガス、72は燃料極水素排出ガス、73は凝縮器67から排出される凝縮水、92は水素分離器用改質ガスである。
【0058】
図2を用いて実施形態2を説明する。本実施形態による燃料電池発電システムは、図1に示した実施形態1とは、図2に示したように、CO選択酸化器5と凝縮器39の代わりに水素分離器68と凝縮器67を設けた点が大きく異なる。
【0059】
次に、本実施形態による燃料電池発電システムの作用について、図2を参照して説明する。COシフトコンバータ4の排出ガスである、水素分離器用改質ガス92は、パラジウム膜等の水素分離膜を有する水素分離器68に供給され、水素65が分離される。その際、効率的な水素分離を行うために、必要に応じて水素分離器用改質ガス92の加圧を行う。水素65は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6に供給され、空気32中の酸素と電気化学的に反応することによって固体高分子形燃料電池セルスタック9の発電が行われる。未反応水素を含有する燃料極水素排出ガス72は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させるために、すべて燃料極9にリサイクルして発電に利用する。しかし、燃料極水素排出ガス72中には、水素以外の不純物が若干含まれるので、パージ弁70を間欠的に開け、パージガス71を放出する。水素分離器排出ガス66は、凝縮器67で凝縮水73を凝縮させた後に、水素分離器乾燥排出ガス69として排出する。
【0060】
本実施形態においても、図1に示した実施形態1と同様に、図11に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61中の水蒸気を炭化水素の水蒸気改質反応に利用するために、水蒸気をつくる気化器14(図11に示す)が不要で水の気化に必要なエネルギーを削減することができ、また、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を利用するために、炭化水素の水蒸気改質反応のために外部から新たに供給するエネルギーを削減することができるので、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させることが可能である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用するために、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムと比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させることが可能で、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温に必要なエネルギーを削減することができるので、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の送電端効率を向上させることが可能である。このため、システム全体の送電端効率が向上するとともに、システム全体の送電端出力も増加する。
【0061】
(実施形態3)
図3は、本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態(これを実施形態3とする)を表す構成図を示している。図3において、前述した図11、図1、及び図2と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図3において、76は燃焼器、79は燃焼器用空気、78は燃焼器排出ガス、77は燃焼器用空気79の流量を制御する流量制御弁である。
【0062】
図3を用いて実施形態3を説明する。本実施形態による燃料電池発電システムは、図1に示した実施形態1とは、図3に示したように、排出用固体酸化物燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64と燃焼器用空気79を供給して燃焼反応を行わせる燃焼器76を設けた点が大きく異なる。
【0063】
次に、本実施形態による燃料電池発電システムの作用について、図3を参照して説明する。排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64を燃焼器76に供給するとともに、空気供給用ブロワ13で取り込んだ空気18の一部を燃焼器用空気79として燃焼器76に供給し、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64中の未反応燃料、未反応水素、及び未反応一酸化炭素を、燃焼器用空気79中の酸素と燃焼反応させることによって、高温の燃焼器排出ガス78を生成させる。水素及び一酸化炭素の燃焼反応を、それぞれ、下記(11)式及び(12)式に示す。
【0064】
(水素の燃焼反応)
+ 1/2O → HO (11)
(一酸化炭素の燃焼反応)
CO + 1/2O → CO (12)
この高温の燃焼器排出ガス78を給湯、暖房、及び吸収式冷凍機による冷房の熱源に利用することによって、システムの電気出力と熱利用を合わせた総合熱効率を向上させることが可能である。燃焼器用空気79の供給量は、予め設定された流量制御弁75の開度(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54への水素リッチな改質ガス27の供給量)及び流量樹御弁59の開度(すなわち、改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60の供給量)と流量制御弁77の開度(すなわち、燃焼器用空気79の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁77の開度を制御することによって、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54への水素リッチな改質ガス27の供給量と改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60の供給量に見合った値に設定する。
【0065】
本実施形態においても、図1に示した実施形態1と同様に、図11に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61中の水蒸気を炭化水素の水蒸気改質反応に利用するために、水蒸気をつくる気化器14が不要で水の気化に必要なエネルギーを削減することができ、また、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を利用するために、炭化水素の水蒸気改質反応のために外部から新たに供給するエネルギーを削減することができるので、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させることが可能である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用するために、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムと比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させることが可能で、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温に必要なエネルギーを削減することができるので、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の送電端効率を向上させることが可能である。このため、システム全体の送電端効率が向上するとともに、システム全体の送電端出力も増加する。
【0066】
(実施形態4)
図4は、本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態(これを実施形態4とする)を表す構成図を示している。図4において、前述した図11、図1、図2、及び図3と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
【0067】
図4を用いて実施形態4を説明する。本実施形態による燃料電池発電システムは、図1に示した実施形態1とは、図4に示したように、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64、固体高分子形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス19、及び燃焼器用空気79を供給して燃焼反応を行わせる燃焼器76を設けた点が大きく異なる。
【0068】
次に、本実施形態による燃料電池発電システムの作用について、図4を参照して説明する。排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64、固体高分子形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス19、及び燃焼用空気79を燃焼器76に供給し、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64中の未反応燃料、未反応水素、及び未反応一酸化炭素と、固体高分子形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス19中の未反応燃料及び未反応水素を、燃焼器用空気79中の酸素と燃焼反応させることによって、高温の燃焼器排出ガス78を生成させる。
【0069】
この高温の燃焼器排出ガス78を給湯、暖房、及び吸収式冷凍機による冷房の熱源に利用することによって、システムの電気出力と熱利用を合わせた総合熱効率を向上させることが可能である。燃焼器用空気79の供給量は、予め設定された流量制御弁75の開度(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54への水素リッチな改質ガス27の供給量)、流量制御弁59の開度(すなわち、改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60の供給量)、及び流量制御弁74の開度(すなわち、COシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス27の供給量)と流量制御弁77の開度(すなわち、燃焼器用空気79の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁77の開度を制御することによって、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54への水素リッチな改質ガス27の供給量、改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60の供給量、及びCOシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス27の供給量に見合った値に設定する。
【0070】
本実施形態においても、図1に示した実施形態1と同様に、図11に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61中の水蒸気を炭化水素の水蒸気改質反応に利用するために、水蒸気をつくる気化器14が不要で水の気化に必要なエネルギーを削減することができ、また、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を利用するために、炭化水素の水蒸気改質反応のために外部から新たに供給するエネルギーを削減することができるので、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させることが可能である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用するために、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムと比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させることが可能で、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温に必要なエネルギーを削減することができるので、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の送電端効率を向上させることが可能である。このため、システム全体の送電端効率が向上するとともに、システム全体の送電端出力も増加する。
【0071】
(実施形態5)
図5は、本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態(これを実施形態5とする)を表す構成図を示している。図5において、前述した図11、図1、図2、図3、及び図4と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
【0072】
図5を用いて実施形態5を説明する。本実施形態による燃料電池発電システムは、図2に示した実施形態2とは、図5に示したように、凝縮器67を削除し、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64、水素分離器68において水素を分離された後の水素分離器排出ガス66、及び燃焼器用空気79を供給して燃焼反応を行わせる燃焼器76を設けた点が大きく異なる。
【0073】
次に、本実施形態による燃料電池発電システムの作用について、図5を参照して説明する。排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64、水素分離器排出ガス66、及び燃焼器用空気79を燃焼器76に供給し、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64中の未反応燃料、未反応水素、及び未反応一酸化炭素と、水素分離器排出ガス66中の未反応燃料及び水素を、燃焼器用空気79中の酸素と燃焼反応させることによって、高温の燃焼器排出ガス78を生成させる。
【0074】
この高温の燃焼器排出ガス78を給湯、暖房、及び吸収式冷凍機による冷房の熱源に利用することによって、システムの電気出力と熱利用を合わせた総合熱効率を向上させることが可能である。燃焼器用空気79の供給量は、予め設定された流量制御弁75の開度(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54への水素リッチな改質ガス27の供給量)、流量制御弁59の開度(すなわち、改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60の供給量)、及び流量制御弁74の開度(すなわち、COシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス27の供給量)と流量制御弁77の開度(すなわち、燃焼器用空気79の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁77の開度を制御することによって、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の燃料極54への水素リッチな改質ガス27の供給量、改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60の供給量、及びCOシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス27の供給量に見合った値に設定する。
【0075】
本実施形態においても、図1に示した実施形態1と同様に、図11に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61中の水蒸気を炭化水素の水蒸気改質反応に利用するために、水蒸気をつくる気化器14が不要で水の気化に必要なエネルギーを削減することができ、また、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を利用するために、炭化水素の水蒸気改質反応のために外部から新たに供給するエネルギーを削減することができるので、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させることが可能である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用するために、従来の固体酸化物形燃料電池セルスタックを用いた燃料電池システムと比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させることが可能で、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温に必要なエネルギーを削減することができるので、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の送電端効率を向上させることが可能である。このため、システム全体の送電端効率が向上するとともに、システム全体の送電端出力も増加する。
【0076】
(実施形態6)
図6は、本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態(これを実施形態6とする)を表す構成図を示している。図6において、前述した図11、図1、図2、図3、図4、及び図5と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
【0077】
図6を用いて実施形態6を説明する。本実施形態による燃料電池発電システムは、図1に示した実施形態1とは、図6に示したように、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64と、酸素含有ガスとして固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63とを供給して燃焼反応を行わせる燃焼器76を設けた点が大きく異なる。
【0078】
次に、本実施形態による燃料電池発電システムの作用について、図6を参照して説明する。排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64と固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63を燃焼器76に供給し、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64中の未反応燃料、未反応水素、及び未反応一酸化炭素を、固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63中の未反応酸素と燃焼反応させることによって、高温の燃焼器排出ガス78を生成させる。この高温の燃焼器排出ガス78を給湯、暖房、及び吸収式冷凍機による冷房の熱源に利用することによって、システムの電気出力と熱利用を合わせた総合熱効率を向上させることが可能である。
【0079】
本実施形態においても、図1に示した実施形態1と同様に、図11に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61中の水蒸気を炭化水素の水蒸気改質反応に利用するために、水蒸気をつくる気化器14が不要で水の気化に必要なエネルギーを削減することができ、また、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を利用するために、炭化水素の水蒸気改質反応のために外部から新たに供給するエネルギーを削減することができるので、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させることが可能である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用するために、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムと比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させることが可能で、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温に必要なエネルギーを削減することができるので、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の送電端効率を向上させることが可能である。このため、システム全体の送電端効率が向上するとともに、システム全体の送電端出力も増加する。
【0080】
本実施形態は、燃焼器用空気79に代えて固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63を用いるという変更を実施形態3に施したものであるが、これと同じ変更を実施形態4及び実施形態5に施しても、本実施形態と同様の効果が現われる。
【0081】
(実施形態7)
図7は、本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態(これを実施形態7とする)を表す構成図を示している。図7において、前述した図11、図1、図2、図3、図4、図5、及び図6と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
【0082】
図7を用いて実施形態7を説明する。本実施形態による燃料電池発電システムは、図1に示した実施形態1とは、図7に示したように、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64と、酸素含有ガスとして固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス17とを供給して燃焼反応を行わせる燃焼器76を設けた点が大きく異なる。
【0083】
次に、本実施形態による燃料電池発電システムの作用について、図7を参照して説明する。排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64と固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス17を燃焼器76に供給し、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64中の未反応燃料、未反応水素、及び未反応一酸化炭素を、固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス17中の未反応酸素と燃焼反応させることによって、高温の燃焼器排出ガス78を生成させる。この高温の燃焼器排出ガス78を給湯、暖房、及び吸収式冷凍機による冷房の熱源に利用することによって、システムの電気出力と熱利用を合わせた総合熱効率を向上させることが可能である。
【0084】
本実施形態においても、図1に示した実施形態1と同様に、図11に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61中の水蒸気を炭化水素の水蒸気改質反応に利用するために、水蒸気をつくる気化器14が不要で水の気化に必要なエネルギーを削減することができ、また、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を利用するために、炭化水素の水蒸気改質反応のために外部から供給するエネルギーを削減することができるので、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させることが可能である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用するために、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムと比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させることが可能で、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温に必要なエネルギーを削減することができるので、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の送電端効率を向上させることが可能である。このため、システム全体の送電端効率が向上するとともに、システム全体の送電端出力も増加する。
【0085】
本実施形態は、燃焼器用空気79に代えて固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス17を用いるという変更を実施形態3に施したものであるが、これと同じ変更を実施形態4及び実施形態5に施しても、本実施形態と同様の効果が現われる。
【0086】
(実施形態8)
図8は、本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態(これを実施形態8とする)を表す構成図を示している。図8において、前述した図11、図1、図2、図3、図4、図5、図6、及び図7と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
【0087】
図8を用いて実施形態8を説明する。本実施形態による燃料電池発電システムは、図1に示した実施形態1とは、図8に示したように、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64と、酸素含有ガスとして固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63及び固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス17とを供給して燃焼反応を行わせる燃焼器76を設けた点が大きく異なる。
【0088】
次に、本実施形態による燃料電池発電システムの作用について、図8を参照して説明する。排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64、固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63、及び固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス17を燃焼器76に供給し、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64中の未反応燃料、未反応水素、及び未反応一酸化炭素を、固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63中及び固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス17中の未反応酸素と燃焼反応させることによって、高温の燃焼器排出ガス78を生成させる。この高温の燃焼器排出ガス78を給湯、暖房、及び吸収式冷凍機による冷房の熱源に利用することによって、システムの電気出力と熱利用を合わせた総合熱効率を向上させることが可能である。
【0089】
本実施形態においても、図1に示した実施形態1と同様に、図11に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61中の水蒸気を炭化水素の水蒸気改質反応に利用するために、水蒸気をつくる気化器14が不要で水の気化に必要なエネルギーを削減することができ、また、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を利用するために、炭化水素の水蒸気改質反応のために外部から新たに供給するエネルギーを削減することができるので、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させることが可能である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用するために、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムと比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させることが可能で、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温に必要なエネルギーを削減することができるので、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の送電端効率を向上させることが可能である。このため、システム全体の送電端効率が向上するとともに、システム全体の送電端出力も増加する。
【0090】
本実施形態は、燃焼器用空気79に代えて固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63及び固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス17を用いるという変更を実施形態3に施したものであるが、これと同じ変更を実施形態4及び実施形態5に施しても、本実施形態と同様の効果が現われる。
【0091】
(実施形態9)
図9は、本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態(これを実施形態9とする)を表す構成図を示している。図9において、前述した図11、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、及び図8と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図9において、80は固体酸化物燃料電池セルスタック用空気予熱器、82は固体酸化物形燃料電池セルスタック空気予熱器80によって昇温された固体酸化物燃料電池セルスタック用空気、84は固体酸化物形燃料電池セルスタック空気予熱器80の排出ガスである。
【0092】
図9を用いて実施形態9を説明する。本実施形態による燃料電池発電システムは、図1に示した実施形態1とは、図9に示したように、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64と固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63を供給して燃焼反応を行わせる燃焼器76と、燃焼器排出ガス78と固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58を供給し、熱交換させることにより固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温を行う固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気予熱器80を設けた点が大きく異なる。
【0093】
次に、本実施形態による燃料電池発電システムの作用について、図9を参照して説明する。固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気予熱器80で、高温の燃焼器排出ガス78と固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58を熱交換させることによって、第一の燃料電池セルスタックの空気極に供給される酸素含有ガスである固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58を昇温する。昇温された固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気82は、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の空気極56に供給し、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の発電に用いる。固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気予熱器80で固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58と熱交換を行った燃焼器排出ガス78は排出ガス84として排出する。
【0094】
本実施形態においても、図1に示した実施形態1と同様に、図11に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61中の水蒸気を炭化水素の水蒸気改質反応に利用するために、水蒸気をつくる気化器14が不要で水の気化に必要なエネルギーを削減することができ、また、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を利用するために、炭化水素の水蒸気改質反応のために外部から新たに供給するエネルギーを削減することができるので、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させることが可能である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用するために、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムと比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させることが可能であり、また、燃焼器排出ガス78を用いて固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温を行うために、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温に必要なエネルギーを削減することができるので、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の送電端効率を向上させることが可能である。このため、システム全体の送電端効率が向上するとともに、システム全体の送電端出力も増加する。
【0095】
本実施形態は、燃焼器排出ガス78と、第一の燃料電池セルスタックの空気極に供給される酸素含有ガスである固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58とを熱交換させる固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気予熱器80を新たに設けるという変更を実施形態6に施したものであるが、これと同じ変更を実施形態3、実施形態4、実施形態5、実施形態7、及び実施形態8に施しても、本実施形態と同様の効果が現われる。
【0096】
(実施形態10)
図10は、本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態(これを実施形態10とする)を表す構成図を示している。図10において、前述した図11、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、及び図9と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図10において、81は燃料予熱器、83は燃料予熱器81によって昇温された脱硫天然ガス、85は燃料予熱器81の排出ガスである。
【0097】
図10を用いて、実施形態10を説明する。本実施形態による燃料電池発電システムは、図1に示した実施形態1とは、図10に示したように、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス64と固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス63を供給して燃焼反応を行わせる燃焼器76と、燃焼器排出ガス78と、第一の燃料電池セルスタックの空気極に供給される酸素含有ガスである固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58とを供給し、熱交換させることにより固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温を行う固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気予熱器80と、燃焼器排出ガス78と燃料である脱硫天然ガス29を供給し、熱交換させることによって燃料である脱硫天然ガス29の昇温を行う燃料予熱器81を設けた点が大きく異なる。
【0098】
次に、本実施形態による燃料電池発電システムの作用について、図10を参照して説明する。固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気予熱器80で、高温の燃焼器排出ガス78の一部と固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58を熱交換させることによって、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58を昇温する。昇温された固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気82は、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の空気極56に供給し、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の発電に用いる。固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気予熱器80で固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58と熱交換を行った燃焼器排出ガス78は、排出ガス84として排出する。
【0099】
また、燃料予熱器81で、高温の燃焼器排出ガス78の残りと脱硫天然ガス29を熱交換させることによって、脱硫天然ガス29を昇温する。昇温された脱硫天然ガス83は、改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス60と混合し、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28として改質器3に供給する。燃料予熱器81で脱硫天然ガス29と熱交換を行った燃焼器排出ガス78は、排出ガス85として排出する。
【0100】
本実施形態においても、図1に示した実施形態1と同様に、図11に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス61中の水蒸気を炭化水素の水蒸気改質反応に利用するために、水蒸気をつくる気化器14が不要で水の気化に必要なエネルギーを削減することができ、また、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を利用するために、炭化水素の水蒸気改質反応のために外部から新たに供給するエネルギーを削減することができるので、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させることが可能である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用するために、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムと比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の供給量を減少させることが可能であり、また、燃焼器排出ガス78を用いて固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温を行うために、固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58の昇温に必要なエネルギーを削減することができるので、固体酸化物形燃料電池セルスタック57の送電端効率を向上させることが可能である。この他に、燃焼器排出ガス78を用いて燃料である脱硫天然ガス29の昇温を行うので、燃料である脱硫天然ガス29の昇温に必要なエネルギーも削減することができ、システム全体の送電端効率をさらに向上させることが可能である。このため、システム全体の送電端効率が向上するとともに、システム全体の送電端出力も増加する。
【0101】
本実施形態は、燃焼器排出ガス78と固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気58を熱交換させる固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気予熱器80及び燃焼器排出ガス78と脱硫天然ガス29を熱交換させる燃料予熱器81を新たに設けるという変更を実施形態6に施したものであるが、これと同じ変更を実施形態3、実施形態4、実施形態5、実施形態7、及び実施形態8に施しても、本実施形態と同様の効果が現われる。
【0102】
なお、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、及び図10に示した本発明の実施形態では、改質器3は1個であるが、天然ガス中の炭素数が2個以上の比較的低温で熱分解が起こり易い炭化水素の水蒸気改質反応を主に行わせる第一段目のプレ改質器と、熱分解が起こりにくいメタンの水蒸気改質反応を主に行わせる第二段目のスタック改質器の2個の改質器を用いることも可能である。
【0103】
以上説明したように本発明によれば、第一の燃料電池セルスタックからの排熱と第一の燃料電池セルスタックでの電池反応により生成した水蒸気を利用して改質器で燃料の水蒸気改質を行い、得られた水素リッチな改質ガスを第一の燃料電池セルスタックと第二の燃料電池セルスタックに供給し発電を行うことが可能で、システムの送電端効率が向上するとともに、システムの送電端出力も増加した燃料電池発電システムを提供できる。
【0104】
【発明の効果】
本発明の実施によって、改質器と気化器でのエネルギー損失を低減することによってシステムの送電端効率を向上させるとともに、送電端出力を増加させた燃料電池発電システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料電池発電システムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明による燃料電池発電システムの他の一実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態を示す構成図である。
【図5】本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態を示す構成図である。
【図6】本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態を示す構成図である。
【図7】本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態を示す構成図である。
【図8】本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態を示す構成図である。
【図9】本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態を示す構成図である。
【図10】本発明による燃料電池発電システムのさらに他の一実施形態を示す構成図である。
【図11】従来の技術による燃料電池発電システムを示す構成図である。
【符号の説明】
1…天然ガス、2…脱硫器、3…改質器、4…COシフトコンバータ、5…CO選択酸化器、6…燃料極、7…固体高分子電解質、8…空気極、9…固体高分子形燃料電池セルスタック、10、11、12…流量制御弁、13…空気供給用ブロワ、14…気化器、15…気化器用ポンプ、16…水蒸気、17…固体高分子形燃料電池セルスタック空気極排出ガス、18…空気、19…固体高分子形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス、20…出力調整装置、21…負荷、22…燃料電池直流出力、23…送電端交流出力、24…改質器バーナ燃焼排出ガス、25…一酸化炭素の濃度をppmオーダーに低減させた改質ガス、26…一酸化炭素の濃度を1%以下に低減させた改質ガス、27…水素リッチな改質ガス、28…水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス、29…脱硫天然ガス、30…流量制御弁、31…気化器バーナ用空気、32…固体高分子形燃料電池セルスタック用空気、33…CO選択酸化器用空気、34…改質器バーナ用空気、35…気化器バーナ、36…気化器バーナ燃焼排出ガス、37…流量制御弁、38…未反応水蒸気を凝縮させた後の改質ガス、39…凝縮器、40…電池反応による生成水、41…凝縮水、42…補給水ポンプ、43…補給水、44…水、45…発電用天然ガス、46…気化器バーナ用天然ガス、47、48…流量制御弁、49…改質器バーナ用天然ガス、50…脱硫器リサイクル用改質ガス、51…流量制御弁、52…CO選択酸化器用改質ガス、53…改質器バーナ、54…燃料極、55…固体酸化物電解質、56…空気極、57…固体酸化物形燃料電池セルスタック、58…固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気、59…流量制御弁、60…改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス、61…固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス、62…流量制御弁、63…固体酸化物形燃料電池セルスタック空気極排出ガス、64…排出用固体酸化物形燃料電池セルスタック燃料極排出ガス、65…水素、66…水素分離器排出ガス、67…凝縮器、68…水素分離器、69…水素分離器乾燥排出ガス、70…パージ弁、71…パージガス、72…燃料極水素排出ガス、73…凝縮水、74、75…流量制御弁、76…燃焼器、77…流量制御弁、78…燃焼器排出ガス、79…燃焼器用空気、80…固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気予熱器、81…燃料予熱器、82…昇温された固体酸化物形燃料電池セルスタック用空気、83…昇温された脱硫天然ガス、84、85…排出ガス、86…出力調整装置、87…負荷、88…燃料電池直流出力、89…送電端交流出力、90…水タンク、91…排出ガス、92…水素分離器用改質ガス、93…流量制御弁。

Claims (13)

  1. 料の水蒸気改質反応によって水素豊富な改質ガスをつくる改質器と、前記改質ガス中の水素、もしくは水素及び一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、前記改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素とに変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中に残存する一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記改質器への前記燃料の供給量が増加した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が減少するように制御され、前記改質器への前記燃料の供給量が減少した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が増加するように制御されることを特徴とする燃料電池発電システム
  2. 料の水蒸気改質反応によって水素豊富な改質ガスをつくる改質器と、前記改質ガス中の水素、もしくは水素及び一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、前記改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素とに変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記改質器への前記燃料の供給量が増加した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が減少するように制御され、前記改質器への前記燃料の供給量が減少した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が増加するように制御されることを特徴とする燃料電池発電システム
  3. 料の水蒸気改質反応によって水素豊富な改質ガスをつくる改質器と、前記改質ガス中の水素、もしくは水素及び一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、前記改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素とに変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記改質器への前記燃料の供給量が増加した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が減少するように制御され、前記改質器への前記燃料の供給量が減少した場合に前記第一の燃料電池セルスタックへの空気の供給量が増加するように制御されることを特徴とする燃料電池発電システム
  4. 前記第一の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の未反応燃料、未反応水素及び未反応一酸化炭素を酸素と燃焼反応させる燃焼器を有することを特徴とする請求項1、2または3記載の燃料電池発電システム。
  5. 前記第一の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の未反応燃料、未反応水素及び未反応一酸化炭素と、前記第二の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス中の未反応燃料及び未反応水素、もしくは、未反応燃料、未反応水素及び未反応一酸化炭素とを酸素と燃焼反応させる燃焼器を有することを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池発電システム。
  6. 前記第一の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の未反応燃料、未反応水素及び未反応一酸化炭素と、前記水素分離器における水素分離後の排出ガス中の未反応燃料及び水素を酸素と燃焼反応させる燃焼器を有することを特徴とする請求項3記載の燃料電池発電システム。
  7. 前記燃焼器に供給される酸素含有ガスが前記第一の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスであることを特徴とする請求項4、5または6記載の燃料電池発電システム。
  8. 前記燃焼器に供給される酸素含有ガスが前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスであることを特徴とする請求項4、5または6記載の燃料電池発電システム。
  9. 前記燃焼器に供給される酸素含有ガスが前記第一の燃料電池セルスタックの空気極排出ガス及び前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスであることを特徴とする請求項4、5または6記載の燃料電池発電システム。
  10. 前記燃焼器の排出ガスと熱交換させることによって、前記第一の燃料電池セルスタックの空気極に供給される酸素含有ガスを昇温する酸素含有ガス予熱器を有することを特徴とする請求項4、5、6、7、8または9記載の燃料電池発電システム。
  11. 前記燃焼器の排出ガスと熱交換させることによって、前記燃料を昇温する燃料予熱器を有することを特徴とする請求項4、5、6、7、8、9または10記載の燃料電池発電システム。
  12. 前記第一の燃料電池セルスタックが固体酸化物形燃料電池セルスタックであり、前記第二の燃料電池セルスタックが固体高分子形燃料電池セルスタックであることを特徴とする請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の燃料電池発電システム。
  13. 前記第一の燃料電池セルスタックが固体酸化物形燃料電池セルスタックであり、前記第二の燃料電池セルスタックがりん酸形燃料電池セルスタックであることを特徴とする請求項2、3、4、5、7、8、9、10または11記載の燃料電池発電システム。
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