JP2008204783A - 燃料電池発電システムとその冷却方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体酸化物形燃料電池や溶融炭酸塩形燃料電池を有する燃料電池発電システムにおいて、燃料電池の冷却のための補機電力を削減し、燃料電池の冷却による発電効率低下を抑制する。
【解決手段】固体酸化物形燃料電池57の燃料極54には、燃料もしくは燃料を改質して生成される改質ガスが供給されるようにする。燃料極54から排出される燃料極排出ガス61が供給され、燃料極排出ガス61中の一酸化炭素及び/または二酸化炭素と水素とを反応させメタンに変換するメタネーション反応器4を設ける。メタネーション反応器4からメタンを含むメタネーション反応器排出ガス66を改質器3または燃料極54に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料と酸化剤とが供給されて燃料電池で発電を行う燃料電池発電システムとその冷却方法とに関し、特に、燃料電池の冷却のための補機動力の削減が可能であって、燃料電池の冷却に伴う燃料電池での発電効率低下が抑制できる燃料電池発電システムとその冷却方法とに関する。
燃料と酸化剤とが供給されて発電を行う燃料電池発電システムは、発電を行う燃料電池と、燃料電池の動作を補助する各種の補機類とが組み合わされて構成される。燃料電池発電システムに供給される燃料としては、例えば、水素、天然ガス、その他の炭化水素などが使用され、酸化剤としては、例えば、空気や酸素が使用される。
以下、燃料電池として固体酸化物形燃料電池を用いた燃料電池発電システムを例にして、従来の燃料電池発電システムを説明する。固体酸化物形燃料電池を用いた燃料電池発電システムは、例えば非特許文献1に記載されている。
図2に示す従来の燃料電池発電システムは、燃料として天然ガス1が供給され、酸化剤として空気18を使用するものである。天然ガス1は、一般に、メタン(CH4)を主成分とし、メタンのほかにプロパン(C38)、ブタン(C410)を含むものである。
図2に示す燃料電池発電システムは、主な構成要素として、天然ガス1中の硫黄分を吸着除去する脱硫器2と、脱硫器2から得られる脱硫天然ガス29に対して水蒸気が混合された水蒸気と脱硫天然ガスとの混合ガス28に対して水蒸気改質反応を行わせる改質器3と、固体酸化物形燃料電池57と、固体酸化物形燃料電池57に供給される空気を予熱する空気予熱器80と、空気予熱器80に備えられた空気予熱器バーナ81と、固体酸化物形燃料電池57の燃料電池直流出力88と負荷87との間に設けられる出力調整装置86と、を備えている。出力調整装置86の出力端は送電端交流出力89である。さらにこの燃料電池発電システムは、空気18を空気予熱器80に供給するブロア13と、流量制御弁37,59,62と、各種配管類を備えている。固体酸化物形燃料電池57は、改質器3から得られる水素リッチな改質ガス27が供給される燃料極54と、空気予熱器80で予熱された固体酸化物形燃料電池用空気58が供給される酸化剤極56と、燃料極54と酸化剤極56とによって挟持された固体酸化物電解質55を備えている。流量制御弁37は、脱硫器2に対する天然ガス1の供給量を制御するためのものである。流量制御弁62は、ブロア13と空気予熱器80との間の空気18の配管に設けられている。
固体酸化物形燃料電池57の動作に伴って、燃料極54からは燃料極排出ガス61が排出され、酸化剤極56からは酸化剤極排出ガス63が排出されるようになっている。燃料極排出ガス61は、水蒸気(H2O)と二酸化炭素(CO2)を主成分とし、その他に水素(H2)、メタン(CH4)、一酸化炭素(CO)を含んでいる。燃料極排出ガス61の一部は流量制御弁59を介して改質器リサイクル用燃料極排出ガス60となり、この改質器リサイクル用燃料極排出ガス60と脱硫天然ガス29とが混合されて水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28となるようになっている。燃料極排出ガス61の残りは、空気予熱器バーナ81の燃料となる空気予熱器バーナ用燃料極排出ガス64として、空気予熱器バーナ81に供給されている。空気予熱器バーナ81には、酸化剤極排出ガス63も供給され、空気予熱器バーナ81からは、空気予熱器バーナ排出ガス84が排出される。
以下、図2を用いて、この従来の燃料電池発電システムの動作について説明する。
燃料の天然ガス1は、脱硫器2に供給される。天然ガス1の供給量は、燃料電池直流出力88での電池電流と流量制御弁37との開度(すなわち天然ガス1の供給量)とについての予め設定されている関係に基づいて、流量制御弁37の開度を制御することによって、燃料電池直流出力88の電池電流に見合った値に設定される。
脱硫器2は、改質器3の改質触媒の劣化原因となり、また固体酸化物形燃料電池57の燃料極54での電極触媒の劣化原因となる、天然ガス1中に付臭剤として添加されているメルカプタン等の硫黄分を吸着除去する。脱硫器2で脱硫された脱硫天然ガス29は、固体酸化物形燃料電池57で電池反応により生成した水蒸気を含む改質器リサイクル用燃料極排出ガス60と混合された後に、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28として、改質器3に供給される。改質器リサイクル用燃料極排出ガス60の供給量は、流量制御弁37の開度(すなわち天然ガス1の供給量)と流量制御弁59の開度(すなわち改質器リサイクル用燃料極排出ガス60の供給量)とについての予め設定されている関係に基づいて、流量制御弁59の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量に合わせて予め設定された所定のスチームカーボン比となるように設定される。
改質器3では、そこに充填されたニッケル系触媒、ルテニウム系触媒等の改質触媒の働きにより、天然ガス1に含まれる炭化水素の水蒸気改質反応が行われ、水素リッチな改質ガス27がつくられる。天然ガス1の主成分であるメタンの水蒸気改質反応は(1)式で表される。
(メタンの水蒸気改質反応)
CH4+H2O → CO+3H2 (1)
(1)式に示したメタンの水蒸気改質反応等の炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応であるので、効率的に水素を生成させるためには、必要な反応熱を改質器3に対して外部から供給し、改質器3の温度を700〜750℃に維持しなければならない。このため、改質器3の近傍に、800〜1000℃で発電を行う後述する固体酸化物形燃料電池57を設置し、固体酸化物形燃料電池57からの排熱を、炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として改質器3に供給する。
改質器3でつくられた水素リッチな改質ガス27は、固体酸化物形燃料電池57の燃料極54に供給される。水素リッチな改質ガス27は、一酸化炭素と水素を含むほかに、未反応のメタン、水蒸気、二酸化炭素を含んでいる。一方、固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56には、酸化剤として空気が供給される。すなわち、ブロア13を用いて取り込んだ空気18を後述する空気予熱器80で昇温し、固体酸化物形燃料電池用空気58として酸化剤極56に供給する。固体酸化物形燃料電池用空気58の供給量は、流量制御弁37の開度(すなわち天然ガス1の供給量)と流量制御弁62の開度(すなわち固体酸化物形燃料電池用空気58の供給量)とについての予め設定されている関係に基づいて、流量制御弁62の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量に見合った値に設定される。
次に、固体酸化物形燃料電池57での動作の詳細を説明する。図2では、固体酸化物形燃料電池57は、燃料極54、固体酸化物電解質55及び酸化剤極56からなる単セルとして描かれているが、単セルではその発生電圧が1V以下と低いので、所定の電力を取り出すために、実際には単セルを複数組み合わせてセルスタックを構成し、このセルスタックから固体酸化物形燃料電池57は構成されている。
固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56では、金属酸化物系電極触媒の働きで、固体酸化物形燃料電池用空気58中の酸素が、(2)式に示す酸化剤極反応により電子と反応し、酸化物イオン(O2-)に変わる。
(酸化剤極反応)
1/2O2+2e- → O2- (2)
酸化剤極56で生成した酸化物イオンは、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等からなる固体酸化物電解質55の内部を移動し、燃料極54に到達する。燃料極54では、ニッケル−YSZサーメット、ルテニウム−YSZサーメット等の金属系電極触媒の働きで、酸化剤極56から固体酸化物電解質55の内部を燃料極54に移動してきた酸化物イオンが、(3)式及び(4)式に示す燃料極反応により、燃料極54に供給された水素リッチな改質ガス27中の水素及び一酸化炭素と反応し、水蒸気または二酸化炭素と電子が生成する。
(燃料極反応)
2+O2- → H2O+2e- (3)
CO+O2- → CO2+2e- (4)
燃料極54で生成した電子は、外部回路を移動し、酸化剤極56に到達する。酸化剤極56に到達した電子は、前述した(2)式に示した酸化剤極反応により酸素と反応する。この電子が外部回路を移動する過程で、この固体酸化物形燃料電池57から電気エネルギーを燃料電池直流出力88として取り出すことができる。
(2)式と(3)式、及び(2)式と(4)式をまとめると、固体酸化物形燃料電池57の電池反応は、(5)式に示した水素と酸素から水蒸気ができる水の電気分解の逆反応と、(6)式に示す一酸化炭素と酸素から二酸化炭素が生成する反応として表すことができる。
(電池反応)
2+1/2O2 → H2O (5)
CO+1/2O2 → CO2 (6)
固体酸化物形燃料電池57の発電によって得られた燃料電池直流出力88は、出力調整装置86において、負荷87に合わせて電圧の変換と直流から交流への変換が行なわれた後に、送電端交流出力89として負荷87に供給される。なお、図2の例では、出力調整装置86において直流から交流への変換を行っているが、出力調整装置86では電圧変換のみを行い、送電端直流出力を負荷87に供給するようにしてもよい。
固体酸化物形燃料電池57の発電温度は、一般的に800〜1000℃であり、電池反応による発熱により、固体酸化物形燃料電池57が発電温度に維持されている。このため、固体酸化物形燃料電池57の排熱を改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応の反応熱として利用することができる。実際、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムでは、固体酸化物形燃料電池57での電池反応による発熱量は大きく、発電温度に維持するために必要なレベルを超えているので、固体酸化物形燃料電池57の温度を発電温度に維持するために、大量の固体酸化物形燃料電池用空気58を固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56に供給し、固体酸化物形燃料電池57の冷却を行っている。固体酸化物形燃料電池用空気58に関し、酸化剤極56での酸素利用率は20%程度である。
燃料極54で電池反応により生成した水蒸気を含む燃料極排出ガス61の一部は、前述したように、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な水蒸気を供給するために、改質器リサイクル用燃料極排出ガス60としてリサイクルし、脱硫天然ガス29と混合される。空気予熱器バーナ用燃料極排出ガス64と酸化剤極排出ガス63は、空気予熱器バーナ81に供給され、空気予熱器バーナ用燃料極排出ガス64中の未反応燃料、未反応水素、及び未反応一酸化炭素を酸化剤極排出ガス63中の未反応酸素と燃焼させられる。この燃焼による熱を熱交換させ、空気18を昇温する。空気予熱器バーナ81における水素と一酸化炭素の燃焼反応を(7)式及び(8)式に示す。
(水素の燃焼反応)
2+1/2O2 → H2O (7)
(一酸化炭素の燃焼反応)
CO+1/2O2 → CO2 (8)
空気予熱器80で昇温した空気18は、固体酸化物形燃料電池用空気58として固体酸化物形燃料電池57に供給され、固体酸化物形燃料電池57の発電に用いられる。また、空気予熱器バーナ81からは、空気予熱器バーナ用燃料極排出ガス64と酸化剤極排出ガス63を燃焼させることによって生じた空気予熱器バーナ排出ガス84が排出される。
次に、図2に示した従来の燃料電池発電システムの問題点について述べる。
図2に示した従来の燃料電池発電システムでは、前述したように、固体酸化物形燃料電池57の発電温度は一般的に800〜1000℃であり、固体酸化物形燃料電池57での電池反応による発熱量は固体酸化物形燃料電池57をこの800〜1000℃の温度に昇温するために必要な量を超えるので、固体酸化物形燃料電池用空気58を多量に固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56に供給し、固体酸化物形燃料電池57の冷却を行っており、酸化剤極56での酸素利用率は20%程度である。特に、固体酸化物形燃料電池57の発電温度が低い場合、すなわち、ガドリア(Gd23)をベースとした酸化物を固体酸化物電解質55に用いて600〜800℃で発電する場合には、排熱の温度も低いので、発電温度が高い場合、すなわちイットリア安定化ジルコニア(YSZ)等を固体酸化物電解質55に用いて1000℃で発電する場合と比較して、固体酸化物形燃料電池57自体の発電効率が同じと仮定しても、多量の固体酸化物形燃料電池用空気58を供給しないと、同じ量の排熱を外部に放出し固体酸化物形燃料電池57を冷却することができない。このため、図2に示した従来の燃料電池発電システムでは、配管、空気予熱器80、空気予熱器バーナ81、ブロア13等が大きくなりシステムが大型化する、補機電力であるブロア13の消費電力が大きくシステムの発電効率が低下する、固体酸化物形燃料電池用空気58の予熱に多くのエネルギーを消費するという問題があった。
電気学会・燃料電池発電次世代システム技術調査専門委員会編:「燃料電池の技術」,オーム社,pp.203−208(2002)
本発明の目的は、燃料電池の冷却のための補機電力の削減が可能で、燃料電池の冷却による発電効率低下を抑制できる高効率な燃料電池発電システムとその冷却方法を提供することにある。
本発明の燃料電池発電システムは、燃料と酸化剤とが供給されて燃料電池で発電を行う燃料電池発電システムであって、燃料もしくは燃料を改質して生成される改質ガスが供給される燃料極と、陰イオンを透過させる電解質とを備える燃料電池と、燃料極から排出される燃料極排出ガスが供給され、燃料極排出ガス中の一酸化炭素及び/または二酸化炭素と水素とを反応させメタンに変換するメタン生成手段と、を有する。
本発明の燃料電池発電システムでは、メタン生成手段から排出されるメタン生成手段排出ガスが、燃料電池の燃料極及び/または燃料を改質して改質ガスを生成させる燃料改質手段に供給されるようにしてもよい。また燃料、酸化剤及び冷媒のうちの少なくとも1つとメタン生成手段との間で熱交換を行わせる熱交換手段をさらに設けてもよい。さらに、燃料極排出ガス中の水蒸気を分離する水蒸気分離手段を設けてもよい。
本発明の燃料電池発電システムの冷却方法は、燃料と酸化剤とが供給されて燃料電池で発電を行う燃料電池発電システムの冷却方法であって、陰イオンを透過させる電解質を備える燃料電池の燃料極に、燃料もしくは燃料を改質して生成される改質ガスを供給して発電を行わせる発電工程と、燃料極から排出される燃料極排出ガス中の一酸化炭素及び/または二酸化炭素と水素とを反応させてメタンに変換するメタン生成工程と、を有する。
本発明の燃料電池発電システムの冷却方法では、メタン生成工程の排出ガスを燃料電池の燃料極及び/もしくは燃料を改質して改質ガスを生成させる燃料改質手段に供給するメタン生成工程排出ガス供給工程をさらに設けてもよく、燃料電池の温度が上昇した場合に燃料の供給量を増加させ、燃料電池の温度が低下した場合に燃料の供給量を減少させる燃料供給量制御工程をさらに設けてもよく、燃料の供給量が増加した場合にメタン生成工程への燃料極排出ガスの供給量を増加させ、燃料の供給量が減少した場合にメタン生成工程への燃料極排出ガスの供給量を減少させる燃料極排出ガス供給量制御工程をさらに設けてもよい。
また、本発明の燃料電池発電システムの冷却方法では、メタン生成工程での生成熱と、燃料、酸化剤及び冷媒のうちの少なくとも1つとの間で熱交換を行わせる熱交換工程をさらに設けてもよい。あるいは、メタン生成工程での生成熱と冷媒との間で熱交換を行わせる熱交換工程と、メタン生成工程での反応温度が上昇した場合に熱交換工程での冷媒の供給量を増加させ、反応温度が低下した場合に熱交換工程での冷媒の供給量を減少させる冷媒供給量制御工程とをさらに設けてもよい。
本発明によれば、燃料電池の酸化剤極への酸化剤供給量を減少させても燃料電池の効率的な冷却が可能であり、燃料電池の冷却に使用する酸化剤の供給のための補機動力を削減することによってシステムの発電効率の低下を抑制することができ、高効率な燃料電池発電システムを実現することができる。また、燃料電池発電システムの小型化と酸化剤の予熱に必要なエネルギーの削減ができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の一形態の燃料電池発電システムの構成を示している。なお、図1において、図2におけるものと同じ構成要素には同じ参照符号が付与されており、重複する説明は省略する。
図1に示した燃料電池発電システムは、図2に示した燃料電池発電システムに対し、燃料極排出ガス61の一部がメタネーション反応器用燃料極排出ガス65として供給されるメタネーション反応器4と、メタネーション反応器4に付随してメタネーション反応器4に対して熱的に結合する熱交換器6,7,8を追加したものであり、脱硫器29からの脱硫天然ガス29は熱交換器7に供給されて昇温され、昇温された脱硫天然ガス70として改質器リサイクル用燃料極排出ガス60と混合されて改質器3に供給されるようになっている。メタネーション反応器4から排出されるメタネーション反応器排出ガス66も改質器3に供給される。ブロア13から流量制御弁62を経て送られてくる空気18は熱交換器6において昇温され、昇温された空気69として空気予熱器80に送られる。熱交換器8には冷媒である冷却水67が供給され、熱交換器8からは昇温された冷却水71が排出される。メタネーション反応器4へのメタネーション反応器用燃料極排出ガス65の供給量を制御するために、メタネーション反応器用燃料極排出ガス供給量制御手段である流量制御弁68が、燃料極排出ガス61の配管からメタネーション反応器65に至る配管に設けられている。すなわち図1に示す燃料電池発電システムは、主な構成要素として、脱硫器2、燃料改質手段である改質器3、燃料と酸化剤とが供給されて発電を行う燃料電池である固体酸化物形燃料電池57、空気予熱器80、メタン生成手段であるメタネーション反応器4、熱交換手段である熱交換器6,7,8、出力調整装置88、流量制御弁37,59,62,68、ブロア13及び配管類を備えている。
次に、図1に示した燃料電池発電システムの動作について説明する。
図1に示した燃料電池発電システムは、燃料の天然ガス1の供給量を制御することによって固体酸化物形燃料電池57の温度制御を行う点で、従来の燃料電池発電システムとは異なっている。固体酸化物形燃料電池57の発電に必要な量の天然ガス1を改質するのに必要な量以上の熱が固体酸化物形燃料電池57で発生するため、固体酸化物形燃料電池57の発電温度を所定温度、例えば800〜1000℃に維持するためには、従来は、前述したように酸化剤である固体酸化物形燃料電池用空気58を大過剰に固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56に供給し、固体酸化物形燃料電池57の冷却を行っていた。このため、ブロア13の消費電力が大きい、空気18の予熱に大きなエネルギーを必要とする、空気予熱器と配管が大きくなる等の欠点があり、システムの高効率化と装置の小型化の妨げとなっていた。
図1に示した燃料電池発電システムでは、固体酸化物形燃料電池57の冷却のために大過剰の固体酸化物形燃料電池用空気58を供給する代わりに、固体酸化物形燃料電池57の発電に必要な量以上の天然ガス1を、固体酸化物形燃料電池57の冷却のために供給する。すなわち、過剰量の天然ガス1を一種の冷媒として供給し、吸熱反応である天然ガス1の水蒸気改質反応を改質器3において行わせることによって、固体酸化物形燃料電池57の冷却を行う。なお、改質器3を用いずに固体酸化物形燃料電池57の燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合も、同様に過剰量の天然ガス1を供給し、吸熱反応である水蒸気改質反応を燃料極54において行わせることによって、固体酸化物形燃料電池57の冷却を行う。天然ガス1の水蒸気改質反応による冷却効果は、固体酸化物形燃料電池用空気58との熱交換による冷却効果より大きいので、固体酸化物形燃料電池57の冷却のための天然ガス1の供給量の増加は、同様の固体酸化物形燃料電池57の冷却効果を得るために必要な固体酸化物形燃料電池用空気58の供給量の増加に比べて極めて少ない。このため、天然ガスの元圧の範囲内で固体酸化物形燃料電池57の冷却のための天然ガス1の供給量の増加に対応可能であり、新たにブロア、圧縮機等の補機を設ける必要がなく、天然ガス1の供給による固体酸化物形燃料電池57の冷却を行っても、天然ガス1の供給のために補機動力が増加することはない。したがって、固体酸化物形燃料電池57の温度制御、すなわち冷却を天然ガス1の供給量を制御することによって行うことによって、固体酸化物形燃料電池用空気58の供給量を制御することによって固体酸化物形燃料電池57の冷却を行う場合と比較して、冷却に必要な固体酸化物形燃料電池用空気58の供給量を大幅に削減することができ、ブロア13の消費電力が大幅に減少するとともに、固体酸化物形燃料電池用空気58の予熱に必要なエネルギーも大幅に減少する。また、固体酸化物形燃料電池用空気58の供給のための配管も細くすることができ、燃料電池システムのコンパクト化も達成できる。
なお、固体酸化物形燃料電池57の冷却のために固体酸化物形燃料電池57の発電に必要な量以上の水素及び一酸化炭素が改質器3(改質器3を用いずに燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合には燃料極54)で生成するので、燃料極排出ガス61中にも過剰量の水素及び一酸化炭素が含まれることになる。このため、改質器リサイクル用燃料極排出ガス60を除いた燃料極排出ガス61の全てを空気予熱器バーナ用燃料極排出ガス64として空気予熱器バーナ81に供給し、酸化剤極排出ガス63と燃焼させると、エネルギー損失となり、燃料電池発電システムの発電効率の低下をもたらす。そこで、本実施形態の燃料電池発電システムでは、メタネーション反応器4を設け、燃料極排出ガス61の一部を、メタネーション反応器用燃料極排出ガス65として流量制御弁68を介してメタネーション反応器4に供給する。
図1には示されていないが、メタネーション反応器用燃料極排出ガス65をメタネーション反応器4に供給するために、必要に応じてブロアを設けてもよい。メタネーション反応器用燃料極排出ガス65をメタネーション反応器4に供給するためブロアの消費電力は、メタネーション反応器用燃料極排出ガス65のメタネーション反応器4への供給量が固体酸化物形燃料電池57の冷却を固体酸化物形燃料電池用空気58で行う場合の冷却用の固体酸化物形燃料電池用空気58の供給量と比較してわずかであるために、固体酸化物形燃料電池用空気58の供給量の削減に伴うブロア13の消費電力の低減量と比べるとわずかである。したがって、メタネーション反応器用燃料極排出ガス65をメタネーション反応器4に供給するためのブロアを設けたとしても、本発明は、燃料電池発電システムの補機電力の低減に有効であるといえる。また図1には示されていないが、メタネーション反応器用燃料極排出ガス65中の水蒸気を除去するために、必要に応じて凝縮器、水蒸気分離膜、水蒸気透過性のイオン交換樹脂等からなる水蒸気分離手段を設けてもよい。
水蒸気分離手段として使用される水蒸気分離膜の材質は、燃料極排出ガス61の温度が200℃以上と比較的高温度であることから、これらの温度に耐え得るセラミック系の材質が好ましい。特に、アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)、あるいはジルコニア(ZrO2)は、耐食性や化学的安定性が高いので、水蒸気分離膜の素材として適している。また、これらのセラミックスを複合して用いることも可能である。水蒸気分離膜は、前記のセラミックスを微細な細孔を有する多孔質の薄膜にすることによって得られる。水蒸気分離膜の水蒸気分離機構については特に限定するものではないが、水蒸気が凝縮性であることから、細孔内での表面拡散、あるいは毛管凝縮機構が支配的になると考えられる。したがって、この分離機構を有効に作用させるために、水蒸気分離膜の平均細孔径は、10nm以下にすることが好ましく、さらに好ましくは5nm以下である。このような水蒸気分離膜を得る方法としては、前述した種類のセラミックスのゾルを多孔質支持体表面に塗布する方法が簡便で、かつ良好な多孔質薄膜を得る上で好ましい。また、この他にCVD、PVD、あるいはスパッタリングなどの方法を用いても、良好な水蒸気分離膜を得ることができる。
水蒸気透過性のイオン交換樹脂としては、例えば、ポリエステルポリエーテル無孔性樹脂等の樹脂を用いることができる。
メタネーション反応器4へのメタネーション反応器用燃料極排出ガス65の供給量は、流量制御弁37の開度(すなわち天然ガス1の供給量)及び固体酸化物形燃料電池57の燃料電池直流出力88の電池電流と流量制御弁68の開度(すなわちメタネーション反応器用燃料極排出ガス65の供給量)とについての予め設定された関係に基づいて、流量制御弁68の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量及び固体酸化物形燃料電池57の燃料電池直流出力88の電池電流に見合った値に設定される。
メタネーション反応器4では、そこに充填された触媒の働きにより、(9)式及び(10)式に示した発熱反応であるメタネーション反応が起こり、メタネーション反応器用燃料極排出ガス65中の一酸化炭素及び二酸化炭素が水素と反応し、メタンが生成する。
(メタネーション反応)
CO+3H2 → CH4+H2O (9)
CO2+4H2 → CH4+2H2O (10)
メタネーション反応器4に充填する触媒としては、ニッケル系触媒が一般的に用いられる。(9)式及び(10)式に示したメタネーション反応は平衡反応であって、400〜500℃の温度でメタネーション反応器用燃料極排出ガス65中の一酸化炭素及び二酸化炭素が水素とほぼ反応し、メタンに変換される。メタネーション反応の円滑な進行には熱バランスが重要であって、メタネーション反応器用燃料極排出ガス65の組成と温度により、メタネーション反応器4を断熱すべきなのか、冷却すべきなのかが決まる。
図1に示した例は、メターネーション反応器4に対して熱交換器6,7,8を熱的に結合させ、熱交換器6,7,8において、固体電解質形燃料電池57に供給される酸化剤である空気18、脱硫天然ガス29、及び冷媒である冷却水67とそれぞれ熱交換をさせることによって、メターネーション反応器4を冷却させるものである。しかしながら、必ずしも熱交換器によって冷却を行う必要はなく、また、冷却する場合であっても、必ずしも熱交換器6,7,8の全てを設ける冷却する必要はなく、熱交換器6,7,8のうちのいずれか1個以上を設けて冷却を行えばよい。
なお、図1に示した構成では、熱交換器6においてメタネーション反応器4と熱交換することによって生成した昇温された空気69は、空気予熱器80に供給されてさらに昇温された後に、固体酸化物形燃料電池用空気58として固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56に供給される。熱交換器7においてメタネーション反応器4と熱交換することによって生成した昇温された脱硫天然ガス70は、改質器リサイクル用燃料極排出ガス60と混合され、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28として改質器3に供給される。改質器3を用いずに燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合には、熱交換器7でメタネーション反応器4と熱交換することによって生成した昇温された脱硫天然ガス70は、改質器リサイクル用燃料極排出ガス60と混合され、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28としてそのまま燃料極54に供給される。熱交換器8でメタネーション反応器4と熱交換することによって生成した昇温された冷却水71は、熱交換器8から排出される。
メタネーション反応器4において一酸化炭素及び二酸化炭素が水素と反応することによってメタンに変換されたメタネーション反応器用燃料極排出ガス65は、メタネーション反応器排出ガス66として、改質器3に直接供給される。なお、メタネーション反応器排出ガス66を、昇温された脱硫天然ガス70と混合して改質器3に供給してもよいし、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28と混合して改質器3に供給してもよい。改質器3を用いずに固体酸化物形燃料電池57の燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合には、メタネーション反応器排出ガス66は、燃料極54に直接供給してもよいし、昇温された脱硫天然ガス70と混合して燃料極54に供給してもよいし、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28と混合して燃料極54に供給してもよい。また、熱交換器7で脱硫天然ガス29を昇温しない場合には、メタネーション反応器排出ガス66は、脱硫天然ガス29と混合して改質器3もしくは固体酸化物形燃料電池57の燃料極54に供給してもよい。
改質器3に供給されたメタネーション反応器排出ガス66中のメタンは、改質器3で再び(1)式に示した吸熱反応である水蒸気改質反応により水素と一酸化炭素に変換され、その後、固体酸化物形燃料電池57の燃料極54での(3)及び(4)式に示した燃料極反応に利用される。また、改質器3を用いずに固体酸化物形燃料電池57の燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合には、燃料極54に供給されたメタネーション反応器排出ガス66中のメタンは、燃料極54において、再び(1)式に示した吸熱反応である水蒸気改質反応により水素と一酸化炭素に変換され、その後、(3)及び(4)式に示した燃料極反応に利用される。
改質器3での吸熱反応である(1)式に示したメタンの水蒸気改質反応(改質器3を用いずに固体酸化物形燃料電池57の燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合には、その燃料極54でのメタンの水蒸気改質反応)、燃料極54での(3)式及び(4)式に示した燃料極反応、及びメタネーション反応器4での発熱反応である(9)式及び(10)式に示したメタネーション反応を組み合わせることにより、メタンに一種の冷媒の役目を果たさせることができ、固体酸化物形燃料電池用空気58の供給量を増加させることなく固体酸化物形燃料電池57の効率的な冷却が可能になる。すなわち、改質器3(改質器3を用いずに固体酸化物形燃料電池57の燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合にはその燃料極54)において固体酸化物形燃料電池57での発電に使用する量以上のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって固体酸化物形燃料電池57の冷却を行い、メタネーション反応器4においてメタンの水蒸気改質反応と固体酸化物形燃料電池57の燃料極反応とにより生成した一酸化炭素、二酸化炭素及び水素を反応(メタネーション反応)させることにより、メタンを再生させる。メタネーション反応器4で再生させたメタンは、再び改質器3(改質器3を用いずに固体酸化物形燃料電池57の燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合にはその燃料極54)に供給され、吸熱反応であるメタンの水蒸気改質反応を行わせることにより、固体酸化物形燃料電池57の冷却に利用される。固体酸化物形燃料電池57の冷却用のメタンは、最初に、固体酸化物形燃料電池57の発電に使用する量以上の過剰の天然ガス1を燃料として改質器3(改質器3を用いずに固体酸化物形燃料電池57の燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合には燃料極54)に供給すれば、改質器3(改質器3を用いずに燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合には不要)、燃料極54、メタネーション反応器4を循環することになり、その後は、固体酸化物形燃料電池57での発電に必要な量だけの天然ガス1を改質器3(改質器3を用いずに燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合にはその燃料極54)に供給すればよい。
ここで、(1)式で表されるメタンの水蒸気改質反応における標準反応熱ΔHについての詳細を以下に説明する。
熱力学データより、標準状態(1atm、25℃すなわち101.32kPa、298.15K)における反応物質のエンタルピーに関し、メタン(気体)の標準生成エンタルピーは−74.5kJ/molであり、水蒸気の標準生成エンタルピーは−241.82kJ/molである。同様に生成物質については、一酸化炭素(気体)の標準生成エンタルピーは−110.57kJ/molであり、定義より水素(気体)の標準生成エンタルピーは0kJ/molである。したがって、
(反応熱)=(生成物質のエンタルピー)−(反応物質のエンタルピー)
より、
ΔH=(−110.57)+3×0−(−74.5)−(−241.82)
=205.75kJ/mol
となる。生成物質のエンタルピーが反応物質のそれより大きいためΔHは正となり、反応の進行に伴い系外から熱を吸収する。すなわちメタンの水蒸気改質反応は、吸熱反応である。
なお、固体酸化物形燃料電池57での発電に使用される天然ガス1の供給量が変化した場合、すなわち固体酸化物形燃料電池57の燃料電池直流出力88が変化した場合には、固体酸化物形燃料電池57の冷却に用いられるメタンの循環量も変化させる必要があるので、メタンの循環量が予め設定された所定の値となるまで、改質器3(改質器3を用いずに固体酸化物形燃料電池57の燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合にはその燃料極54)への燃料である天然ガスの供給量を、固体酸化物形燃料電池57での発電に使用する天然ガスの供給量から変化させる。すなわち、固体酸化物形燃料電池57の発電に使用する天然ガス1の供給量、すなわち固体酸化物形燃料電池57の燃料電池直流出力88が減少した場合には、固体酸化物形燃料電池57の冷却に用いられるメタンの循環量も減少させる必要があるので、メタンの循環量が予め設定された所定の値となるまで、改質器3(改質器3を用いずに燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合には燃料極54)への燃料の天然ガスの供給量を、固体酸化物形燃料電池57の発電に使用する天然ガスの供給量よりも減少させる。また、固体酸化物形燃料電池57の発電に使用する天然ガス1の供給量、すなわち固体酸化物形燃料電池57の燃料電池直流出力88が増加した場合には、固体酸化物形燃料電池57の冷却に用いられるメタンの循環量も増加させる必要があるので、メタンの循環量が予め設定された所定の値となるまで、改質器3(改質器3を用いずに燃料極54で天然ガス1の水蒸気改質反応を行わせる場合には燃料極54)への燃料の天然ガスの供給量を、固体酸化物形燃料電池57の発電に使用する天然ガスの供給量よりも増加させる。
本実施形態の燃料電池発電システムでは、吸熱反応であるメタンと水蒸気との水蒸気改質反応を用いることにより、固体酸化物形燃料電池57の温度を800〜1000℃に維持することができ、従来の燃料電池発電システムにおいて固体酸化物形燃料電池の冷却に用いられていた空気の供給量を大幅に低減できる。このような空気の供給量の大幅な低減により、空気を供給するためのブロワなどに必要な電力等を低減することができる。
以下、本発明に基づく燃料電池発電システムの冷却方法について、図1に示した燃料電池発電システムを用いて説明する。
本発明の燃料電池発電システムの冷却方法は、陰イオンを透過させる固体酸化物電解質55を備える固体酸化物形燃料電池57の燃料極54に、燃料である天然ガス1を改質器3で改質して生成される水素リッチな改質ガス27を供給して発電を行わせる発電工程と、固体酸化物形燃料電池57の燃料極54から排出される燃料極排出ガス61の一部であるメタネーション反応器用燃料極排出ガス65中の一酸化炭素及び/または二酸化炭素をメタネーション反応器4でメタンに変換するメタン生成工程からなっている。なお、天然ガス1を改質器3で改質して生成される水素リッチな改質ガス27を固体酸化物形燃料電池57の燃料極54に供給して発電を行わせる発電工程の代わりに、この燃料極54に対し、天然ガス1を脱硫器2で脱硫することによって得られた脱硫天然ガス29と水蒸気との混合ガスである水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28を供給して、天然ガス1の水蒸気改質と発電とを同時に行わせる発電工程を設けてもよい。
さらに、本発明の冷却方法では、メタン生成工程からの排出ガスを、燃料極54及び/または燃料改質手段である改質器3に供給するメタン生成工程排出ガス供給工程を設けてもよいし、固体酸化物形燃料電池57の温度が上昇した場合に天然ガス1の供給量を増加させ、固体酸化物形燃料電池57の温度が低下した場合に天然ガス1の供給量を減少させる燃料供給量制御工程を設けてもよい。ここで、燃料改質手段である改質器3は、天然ガス1を水蒸気改質して水素リッチな改質ガス27を生成させるものである。さらに、熱交換器7及び/または熱交換器6において、メタン生成手段であるメタネーション反応器4と、天然ガス1及び/または酸化剤である空気18とを熱交換させる熱交換工程を設けてもよい。さらに、メタン生成手段であるメタネーション反応器4と冷媒である冷却水67とを熱交換器8で熱交換させる熱交換工程を設けてもよい。熱交換器8での熱交換工程を設ける場合、メタネーション反応器4の温度が上昇した場合に熱交換器8への冷却水67の供給量を増加させ、メタネーション反応器4の温度が低下した場合に熱交換器8への冷却水67の供給量を減少させる冷却水供給量制御工程を設けてもよい。
なお、図1に示した本発明の実施の一形態の燃料電池発電システムでは、燃料電池として固体酸化物形燃料電池57を用いているが、固体酸化物形燃料電池57の代わりに、同様に電解質中を陰イオンが移動することとなる溶融炭酸塩形燃料電池を用いてもよい。
本発明は、前述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることはもちろんである。
本発明の実施の一形態の燃料電池発電システムの構成を示す図である。 従来の燃料電池発電システムの構成を示す図である。
符号の説明
1 天然ガス
2 脱硫器
3 改質器
4 メタネーション反応器
6,7,8 熱交換器
13 ブロア
18 空気
27 水素リッチな改質ガス
28 水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス
29 脱硫天然ガス
37,59,62,68 流量制御弁
54 燃料極
55 固体酸化物電解質
56 酸化剤極
57 固体酸化物形燃料電池
58 固体酸化物形燃料電池用空気
60 改質器リサイクル用燃料極排出ガス
61 燃料極排出ガス
63 酸化剤極排出ガス
64 空気予熱器バーナ用燃料極排出ガス
65 メタネーション反応器用燃料極排出ガス
66 メタネーション反応器排出ガス
67 冷却水
69 昇温された空気
70 昇温された脱硫天然ガス
71 昇温された冷却水
80 空気予熱器
81 空気予熱器バーナ
84 空気予熱器バーナ排出ガス
86 出力調整装置
87 負荷
88 燃料電池直流出力
89 送電端交流出力

Claims (10)

  1. 燃料と酸化剤とが供給されて燃料電池で発電を行う燃料電池発電システムであって、
    前記燃料もしくは前記燃料を改質して生成される改質ガスが供給される燃料極と、陰イオンを透過させる電解質とを備える燃料電池と、
    前記燃料極から排出される燃料極排出ガスが供給され、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素及び/または二酸化炭素と水素とを反応させメタンに変換するメタン生成手段と、
    を有する燃料電池発電システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池発電システムであって、前記メタン生成手段から排出されるメタン生成手段排出ガスが、前記燃料電池の前記燃料極及び/または前記燃料を改質して前記改質ガスを生成させる燃料改質手段に供給される、燃料電池発電システム。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池発電システムであって、前記燃料、前記酸化剤及び冷媒のうちの少なくとも1つと前記メタン生成手段との間で熱交換を行わせる熱交換手段をさらに有する、燃料電池発電システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、前記燃料極排出ガス中の水蒸気を分離する水蒸気分離手段を有する燃料電池発電システム。
  5. 燃料と酸化剤とが供給されて燃料電池で発電を行う燃料電池発電システムの冷却方法であって、
    陰イオンを透過させる電解質を備える前記燃料電池の燃料極に、前記燃料もしくは前記燃料を改質して生成される改質ガスを供給して発電を行わせる発電工程と、
    前記燃料極から排出される燃料極排出ガス中の一酸化炭素及び/または二酸化炭素と水素とを反応させてメタンに変換するメタン生成工程と、
    を有する燃料電池発電システムの冷却方法。
  6. 請求項5に記載の燃料電池発電システムの冷却方法であって、前記メタン生成工程の排出ガスを前記燃料電池の前記燃料極及び/もしくは前記燃料を改質して前記改質ガスを生成させる燃料改質手段に供給するメタン生成工程排出ガス供給工程をさらに有する、燃料電池発電システムの冷却方法。
  7. 請求項5または6に記載の燃料電池発電システムの冷却方法であって、前記燃料電池の温度が上昇した場合に前記燃料の供給量を増加させ、前記燃料電池の温度が低下した場合に前記燃料の供給量を減少させる燃料供給量制御工程をさらに有する、燃料電池発電システムの冷却方法。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の燃料電池発電システムの冷却方法であって、前記燃料の供給量が増加した場合に前記メタン生成工程への前記燃料極排出ガスの供給量を増加させ、前記燃料の供給量が減少した場合に前記メタン生成工程への前記燃料極排出ガスの供給量を減少させる燃料極排出ガス供給量制御工程をさらに有する、燃料電池発電システムの冷却方法。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の燃料電池発電システムの冷却方法であって、前記メタン生成工程での生成熱と、前記燃料、前記酸化剤及び冷媒のうちの少なくとも1つとの間で熱交換を行わせる熱交換工程をさらに有する、燃料電池発電システムの冷却方法。
  10. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の燃料電池発電システムの冷却方法であって、
    前記メタン生成工程での生成熱と冷媒との間で熱交換を行わせる熱交換工程と、
    前記メタン生成工程での反応温度が上昇した場合に前記熱交換工程での前記冷媒の供給量を増加させ、前記反応温度が低下した場合に前記熱交換工程での前記冷媒の供給量を減少させる冷媒供給量制御工程をさらに有する、燃料電池発電システムの冷却方法。
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