JP2009176659A - 燃料電池発電システムおよびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】補機動力の増加を伴うことなく、燃料電池発電システムにおける燃料利用率を向上させる。
【解決手段】燃料極排出ガス61中の一酸化炭素を水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素を生成するCOシフトコンバータ4と、COシフトコンバータ排出ガス15中の水素を選択的に貯蔵するとともに、酸化剤極排出ガス63が有する熱エネルギーが加えられることによって、貯蔵された水素を放出する水素分離貯蔵器7,8を設け、水素分離貯蔵器7,8から放出された水素を燃料電池で再利用する。水素分離貯蔵器7,8は、交互に水素貯蔵と水素放出とを繰り返す。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料と酸化剤を用いて燃料電池によって発電を行う燃料電池発電システムに関し、特に、燃料電池発電システム内の各所から排出されるガス中から有用成分を回収し燃料電池での発電に再利用することによって燃料利用率を向上させた、高効率発電が実現できる燃料電池発電システムと、この燃料電池発電システムの制御方法とに関する。
燃料と酸化剤を用いて燃料電池によって発電を行う燃料電池発電システムは、熱機関による発電システムよりも高い効率で発電や熱供給を行うことが可能な発電システムとして注目を浴びている。
固体酸化物形燃料電池を用いた燃料電池発電システムを例にして、従来の燃料電池発電システムを説明する。例えば非特許文献1には、電力のほかに高温蒸気あるいは温水なども供給するコジェネレーションシステムとして構成された燃料電池発電システムが開示されている。図3は、このような従来の燃料電池発電システムの構成を示している。
図3に示した従来の燃料電池発電システムは、燃料として天然ガス1が供給されるものであって、主な構成要素として、供給された天然ガス1から硫黄分を取り除く脱硫器2と、脱硫後の脱硫天然ガス29に対して水蒸気改質反応を行わせて水素を生成させる改質器3と、固体酸化物形燃料電池57と、固体酸化物形燃料電池57に対して供給される空気18を予熱する空気予熱器80と、固体酸化物形燃料電池57で発生する電力の出力を調整して負荷87に供給する出力調整装置86とを備えており、さらに、空気18を供給するブロワ13や、各種の流量制御弁37,59,62、配管類を備えている。空気予熱器80は、空気予熱器バーナ81によって加熱されるように構成されている。
固体酸化物形燃料電池57は、改質器3から水素リッチな改質ガス27が供給される燃料極54と、空気予熱器80で予熱された燃料電池用空気58が供給される酸化剤極56と、燃料極54と酸化剤極56とによって挟まれて設けられている固体酸化物電解質55とを備えるものであって、燃料極54、固体酸化物電解質55及び酸化剤極56からなる単セルを複数組み合わせたセルスタックによって構成されている。
以下、この燃料電池発電システムの動作について説明する。
燃料の天然ガス1は、その流量を調節する流量制御弁37を介して脱硫器2に供給される。天然ガス1の供給量は、燃料電池直流出力88の電池電流と天然ガス1の供給量との間での予め設定されている関係に基づいて、流量制御弁37を制御することによって、燃料電池直流出力88の電池電流に見合った値に設定される。天然ガス1はメタンを主成分とするものであるが、漏洩検出などのために、メルカプタン等が付臭剤として添加されている。付臭剤として添加されているメルカプタンなどの硫黄化合物は、改質器3内の改質触媒や、固体酸化物形燃料電池57の燃料極54内の電極触媒の劣化原因となる。そこで、脱硫器2によって、天然ガス1中の硫黄分を吸着除去する。
脱硫器2で脱硫された後の天然ガス(脱硫天然ガス29)は、固体酸化物形燃料電池57において電池反応により生成した水蒸気(H2O)を含む改質器リサイクル用燃料極排出ガス60と混合された後に、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28として、改質器3に供給される。ここでは、固体酸化物形燃料電池57の燃料極54から排出される燃料極排出ガス61の一部が、流量制御弁59を介して、改質器リサイクル用燃料極排出ガス60として、脱硫天然ガス29の配管に供給されるようになっている。改質器リサイクル用燃料極排出ガス60の供給量は、流量制御弁37によって調節される天然ガス1の供給量と流量制御弁59によって調節される改質器リサイクル用燃料極排出ガス60の供給量との間の予め設定されている関係に基づいて、流量制御弁59を制御することによって、天然ガス1の供給量に合わせて予め設定された所定のスチームカーボン比となるように設定される。
改質器3では、そこに充填されたニッケル系触媒、ルテニウム系触媒等の改質触媒の働きにより、天然ガス1に含まれる炭化水素の水蒸気改質反応が行われ、水素リッチな改質ガス27が生成する。天然ガス1の主成分であるメタン(CH4)の水蒸気改質反応は(1)式で表される。
(メタンの水蒸気改質反応)
CH4 + H2O → CO + 3H2 (1)
(1)式に示したメタンの水蒸気改質反応等の炭化水素の水蒸気改質反応は、一般に吸熱反応であるので、効率的に水素(H2)を生成させるためには、改質器3の外部から必要な反応熱を供給し、改質器3の温度を700〜750℃に維持しなければならない。このため、改質器3の近傍に固体酸化物形燃料電池57を設置し、固体酸化物形燃料電池57からの排熱を炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として改質器に供給する。固体酸化物形燃料電池57は、800〜1000℃の動作温度で発電を行う。
改質器3で生成した水素リッチな改質ガス27は、固体酸化物形燃料電池57の燃料極54に供給される。一方、固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56には、酸化剤である空気が供給される。すなわち、ブロワ13を用いて取り込んだ空気18を流量制御弁62を介して空気予熱器80に供給して昇温し、燃料電池用空気58として固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56に供給する。燃料電池用空気58の供給量は、流量制御弁37で調節される天然ガス1の供給量と流量制御弁62で調節される燃料電池用空気58の供給量との間の予め設定した関係に基づいて、流量制御弁62を制御することによって、天然ガス1の供給量に見合った値に設定される。
なお、図3では、固体酸化物形燃料電池57は、燃料極54、固体酸化物電解質55及び酸化剤極56からなる単セルとして示したが、単セル電圧は1V以下と低いので、所定の電力を取り出すために、前述したように固体酸化物形燃料電池57は、実際には、単セルを複数組み合わせたセルスタックから構成される。
固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56では、金属酸化物系電極触媒の働きで、燃料電池用空気58中の酸素(O2)が(2)式に示す酸化剤極反応により電子(e-)と反応し、酸化物イオン(02-)に変わる。
(酸化剤極反応)
1/2 O2 + 2e- → O2- (2)
酸化剤極56で生成した酸化物イオンは、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等からなる固体酸化物電解質55の内部を移動し、燃料極54に到達する。
燃料極54では、ニッケル−YSZサーメット、ルテニウム−YSZサーメット等の金属系電極触媒の働きで、酸化剤極56から固体酸化物電解質55の内部を燃料極54に移動してきた酸化物イオンが、(3)式及び(4)式に示す反応により、燃料極54に供給された水素リッチな改質ガス27中の水素及び一酸化炭素(CO)と反応し、水蒸気または二酸化炭素(CO2)と電子が生成する。
(燃料極反応)
2 + O2- → H2O + 2e- (3)
CO + O2- → CO2 + 2e- (4)
燃料極54で生成した電子は、外部回路を移動し、酸化剤極56に到達する。酸化剤極56に到達した電子は、前述した(2)式に示した酸化剤極反応により酸素と反応する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーを燃料電池直流出力88として取り出すことができる。
(2)式と(3)式、及び(2)式と(4)式をまとめると、固体酸化物形燃料電池57の電池反応は、(5)式に示した水素と酸素から水蒸気を生成する水の電気分解の逆反応と、(6)式に示す一酸化炭素と酸素から二酸化炭素が生成する反応として表すことができる。
(電池反応)
2 + 1/2 O2 → H2O (5)
CO + 1/2 O2 → CO2 (6)
固体酸化物形燃料電池57の発電によって得られた燃料電池直流出力88は、負荷87に合わせて出力調整装置86で電圧の変換と直流から交流への変換を行った後に、送電端交流出力89として負荷87に供給される。なお、図3の例では、出力調整装置86で直流から交流への変換を行っているが、出力調整装置86で電圧変換のみを行い、送電端直流出力を負荷87に供給してもよい。
固体酸化物燃料電池57の発電温度は、一般的に800〜1000℃であり、電池反応による発熱により発電温度が維持されている。このため、固体酸化物燃料電池57の排熱は、前述したように改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応の反応熱として利用することができる。実際、従来の固体酸化物形燃料電池発電システムでは、固体酸化物燃料電池57での電池反応による発熱量は多く、発電温度を維持するために、燃料電池用空気58を多量に固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56に供給し、固体酸化物形燃料電池の冷却を行っており、酸化剤極56での酸素利用率は20%程度である。
燃料極54で電池反応により生成した水蒸気を含む高温の燃料極排出ガス61の一部は、前述したように、改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な水蒸気を供給するために、改質器リサイクル用燃料極排出ガス60としてリサイクルされ、脱硫天然ガス29と混合される。燃料極排出ガス61の残りの部分は、高温の空気予熱器用燃料極排出ガス64として空気予熱器バーナ81に供給される。空気予熱器バーナ81には、固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56から排出される高温の酸化剤極排出ガス63も供給される。空気予熱器バーナ81では、空気予熱器用燃料極排出ガス64中の未反応燃料、未反応水素及び未反応一酸化炭素が酸化剤極排出ガス63中の未反応酸素によって燃焼し、この燃焼熱で空気予熱器80が加熱され、空気予熱器80に供給される空気18が熱交換によって昇温する。水素と一酸化炭素の燃焼反応をそれぞれ(7)式及び(8)式に示す。
(水素の燃焼反応)
2 + 1/2 O2 → H2O (7)
(一酸化炭素の燃焼反応)
CO + 1/2 O2 → CO2 (8)
空気予熱器80で昇温した空気18は、燃料電池用空気58として固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56に供給され、固体酸化物形燃料電池57での発電に用いられる。また、空気予熱器バーナ81からは、空気予熱器用燃料極排出ガス64と酸化剤極排出ガス63を燃焼させることによって生じた空気予熱器排出ガス84が排出される。
次に、図3に示した従来の燃料電池発電システムの問題点について述べる。図3に示した従来の燃料電池発電システムでは、固体酸化物形燃料電池57の燃料極54での燃料利用率は、固体酸化物形燃料電池57の構造上の制約により、大きな温度分布の発生を抑えるためにできるだけ均一に電池反応をさせるようにしていることから、現在のところ、最大で80%程度であり、残りの20%の燃料は、固体酸化物形燃料電池57での発電には用いられず、空気予熱器バーナ81で燃焼させて空気予熱器80によって空気18を予熱するために用いられている。このことが、固体酸化物形燃料電池を用いた従来の燃料電池発電システムにおいて、発電効率の向上を阻む大きな要因となっている。
電気学会・燃料電池発電次世代システム技術調査専門委員会編:「燃料電池の技術」,オーム社,pp. 203-208,2002年
上述したように、従来の燃料電池発電システムでは、燃料利用率が十分に高いとは言えず、発電効率の向上の余地が残されている。発電に用いられなかった燃料を回収して燃料電池に再度供給する構成も検討されているが、その場合には、従来は、燃料の回収や燃料電池への供給のためにポンプなどの補機を動作させる必要があり、補機の動作のための動力が必要となって、全体としての発電効率が意図したほどには向上しない。
そこで本発明の目的は、燃料の回収等に必要とされる補機動力の増加を伴うことなく、燃料電池発電システムにおける各排出ガス中から水素を回収及び生成し、この水素を燃料電池の発電に再利用することによって燃料利用率を向上させた、高効率発電が可能な燃料電池発電システムと、そのような燃料電池発電システムの制御方法とを提供することにある。
本発明の燃料電池発電システムは、燃料と酸化剤とが供給され燃料電池で発電を行う燃料電池発電システムにおいて、燃料電池発電システム内で発生する排出ガス中から水素を回収するとともに排出ガスに含まれる一酸化炭素を水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素を生成し、回収された水素及び生成された水素を燃料電池において再利用する排出ガス循環生成手段を有することを特徴とする。
本発明の燃料電池発電システムでは、排出ガス循環生成手段は、燃料電池発電システム内で発生する排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素に変換することによって水素を生成する一酸化炭素変換手段を少なくとも備えていてよい。
排出ガス循環生成手段は、回収された水素及び生成された水素を選択的に分離して貯蔵するとともに、貯蔵している水素を放出する水素分離貯蔵手段を少なくとも備えるようにし、放出された水素が少なくとも燃料電池に供給されるようにしてもよい。このような水素分離貯蔵手段は、例えば、燃料電池からの排熱と熱交換させることによって、貯蔵している水素を放出するものであり、燃料電池発電システム内で発生する排出ガスは、例えば、燃料電池の燃料極から排出される燃料極排出ガスであり、燃料電池からの排熱は、例えば、燃料電池の酸化剤極から排出される酸化剤極排出ガスによって水素分離貯蔵手段にもたらされる。また、水素分離貯蔵手段で水素を貯蔵する際または水素を貯蔵する前に、水素分離貯蔵手段が空気で冷却され、水素分離貯蔵手段の冷却に用いられた空気が、その後、燃料電池の酸化剤極に供給されるようにしてもよい。
さらに本発明の燃料電池発電システムでは、水素分離貯蔵手段の前段に、水素分離貯蔵手段に供給されるガスに含まれる水蒸気を凝縮させる水蒸気凝縮手段と、水素分離貯蔵手段に供給されるガスに含まれる一酸化炭素を選択的に除去する一酸化炭素除去手段との少なくとも一方をさらに設けてもよい。また、複数の水素分離貯蔵手段を設け、個々の水素分離貯蔵手段では水素の吸蔵と放出とを交互に行いながら、複数の水素貯蔵分離手段の全体として水素の吸蔵と放出とを連続的に実行するようにしてもよい。
本発明の第1の燃料電池発電システムの制御方法は、複数の水素分離貯蔵手段を有する上述した燃料電池発電システムの制御方法であって、第1の水素分離貯蔵手段で水素吸蔵を行い第2の水素分離貯蔵手段で水素放出を行う第1の段階と、第1の水素分離貯蔵手段で水素放出を行い第2の水素分離貯蔵手段で水素吸蔵を行う第2の段階とを交互に実施することを特徴とする。
本発明の第2のの燃料電池発電システムの制御方法は、3個以上の水素分離貯蔵手段を有する上述した燃料電池発電システムの制御方法であって、同時には少なくとも1つの水素分離貯蔵手段が水素吸蔵を行って少なくとも1つの水素分離貯蔵手段が水素放出を行うようにして、各水素分離貯蔵手段ごとにその水素分離貯蔵手段が水素吸蔵と水素放出と水素吸蔵でも水素放出でもない待機とを繰り返して実行するように制御することを特徴とする。
本発明は、燃料電池発電システム内で発生する排出ガス中から水素を回収するとともに排出ガスに含まれる一酸化炭素を水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素を生成し、回収された水素及び生成された水素を燃料電池において再利用する排出ガス循環生成手段を設けることにより、補機動力を増加させることなく燃料電池の燃料利用率を向上させることができ、高効率な発電を可能にするという効果を有する。
また本発明では、水素を選択的に吸蔵するとともに例えば燃料電池からの排熱によって水素を放出する水素分離貯蔵手段を設けることによって、外部エネルギー等を用いることなく水素の再利用を図れる、という効果を有する。また、複数の水素分離貯蔵手段を用い、これらにおける水素吸蔵と水素放出のタイミングを制御することによって、水素貯蔵及び水素放出とを連続的かつ効率的に行えるようなる。
水素分離貯蔵手段には、例えば、低温時に発熱反応によって水素を吸蔵し、昇温することによって吸熱反応で水素を放出する水素吸蔵合金などが用いられる。そこで、燃料電池からの排熱を水素分離貯蔵手段に加えることによって水素分離貯蔵手段から水素を放出させ、また、水素の吸蔵時またはその前に水素分離貯蔵手段の冷却に用いられて昇温した空気を、その後、燃料電池での発電に用いるようにすることによって、水素分離貯蔵手段での水素の吸蔵と放出のサイクル、あるいは水素の吸蔵と放出と待機とのサイクルをさらに効率的に進めることができるようになる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施の一形態の燃料電池発電システムの構成を示す図である。
図1に示した燃料電池発電システムは、前述の従来の燃料電池発電システムと同様に、主な構成要素として、脱硫器2と、燃料改質手段である改質器3と、燃料と酸化剤とが供給されて発電を行う燃料電池である固体酸化物形燃料電池57と、空気予熱手段である空気予熱器80と、出力調整装置86とを備えている。ここでは空気予熱器80は、後述するように、空気予熱器用熱交換器82による熱交換によって、酸化剤極排出ガス63の熱エネルギーにより加熱されるようになっている。この燃料電池発電システムは、さらに、固体酸化物形燃料電池57からのCOシフトコンバータ用燃料極排出ガス65中の一酸化炭素を水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素に変換する一酸化炭素変換手段であるCOシフトコンバータ4と、COシフトコンバータ排出ガス11中の水蒸気を凝縮させる水蒸気凝縮手段である凝縮器5と、凝縮器排出ガス14中の一酸化炭素を選択的に除去する一酸化炭素除去手段であるCO吸着器6と、CO吸着器排出ガス15中の水素を選択的に分離し貯蔵する水素分離貯蔵手段である水素分離貯蔵器7,8と、水素分離貯蔵器7,8に対してそれぞれ熱的に結合した水素分離貯蔵器用熱交換器9,10とを主な構成要素として備えている。また、この燃料電池発電システムには、流量制御弁31,37,59,62、遮断弁21〜24,26,30,92,93、ブロワ13、冷却用熱交換器90及び配管類も設けられている。冷却用熱交換器90は、COシフトコンバータ用燃料極排出ガス65を冷却してCOシフトコンバータ4に供給するために用いられている。凝縮器5及び冷却用熱交換器90には、それぞれ、冷媒25,91が供給されている。図1において、前述した図3におけるものと同一の構成要素については同一の参照符号で表すものとし、これらのものについてはその説明を省略する。
本実施形態の燃料電池発電システムにおいて、水素分離貯蔵器7,8は、CO吸着器排出ガス15中の水素を選択的に分離し貯蔵するものであるが、水素分離貯蔵器用熱交換器9,10からの熱交換によって加熱/冷却の熱サイクルを加えられ、この熱サイクルにおいて低い方の温度にあるときには吸蔵により水素を貯蔵し、高い方の温度にあるときには、吸蔵されていた水素を放出するように構成されている。このような水素分離貯蔵器7,8については後述する。
次に、図1に示す燃料電池発電システムの動作について説明する。
図1に示す燃料電池発電システムにおいても図3に示した従来のシステムと同様に、固体酸化物形燃料電池57において、燃料極54には改質器3から水素リッチな改質ガス27が供給され、酸化剤極56には空気予熱器80から予熱された燃料電池用空気58が供給され、前述の(5)式及び(6)式にしたがって電池反応が進行し、燃料電池直流出力88が得られるとともに、燃料極54から高温の燃料極排出ガス61が排出され、酸化剤極56から高温の酸化剤極排出ガス63が排出される。高温の酸化剤極排出ガス63は空気予熱器用熱交換器82に供給され、これによって空気予熱器80が加熱されて熱交換による空気18の昇温に利用される。空気予熱器80で昇温された空気18は、燃料電池用空気58として固体酸化物形燃料電池57の酸化剤極56に供給され、固体酸化物形燃料電池57の発電に利用される。なお、高温の酸化剤極排出ガス63は、空気予熱器熱交換器82を経ることによって温度が低下し、空気予熱器排出ガス84として排出されるが、この空気予熱器排出ガス84は、なお、環境温度すなわち常温よりは高温であり、例えば、水素吸蔵合金における吸蔵水素の脱離を促進する程度の温度は有している。
燃料極排出ガス61の一部は、改質器リサイクル用燃料極排出ガス60として流量制御弁59を介して改質器3にリサイクルされるとともに、残りの燃料極排出ガスは、COシフトコンバータ用燃料極排出ガス65として冷却用熱交換器90に供給される。COシフトコンバータ用燃料極排出ガス65は、未反応の燃料ガスのほかに、固体酸化物形燃料電池57の電池反応で生成した水蒸気及び二酸化炭素と、改質器3での燃料(天然ガス)の水蒸気改質反応により生成したが電池反応では消費されなかった未反応水素及び未反応一酸化炭素を含んでいる。このような高温のCOシフトコンバータ用燃料極排出ガス65は、冷却用熱交換器90において、冷却水あるいは冷却用空気などの冷媒91と熱交換させることによって、200℃程度まで温度を下げられる。200℃程度まで温度を下げたCOシフトコンバータ用燃料極排出ガス、すなわち熱交換器排出ガス66は、銅−亜鉛系触媒等のシフト触媒が充填されたCOシフトコンバータ4に供給される。シフトコンバータ4では、シフト触媒の働きにより、(9)式に示す水性シフト反応が起こる。
(水性シフト反応)
CO + H2O → CO2 + H2 (9)
COシフトコンバータ4では、(9)式に示した水性シフト反応により熱交換器排出ガス66(温度を下げられたCOシフトコンバータ用燃料極排出ガス)中の一酸化炭素が水蒸気と反応し、二酸化炭素と水素が生成する。その結果、COシフトコンバータ排出ガス11中の一酸化炭素濃度は、1%以下まで低減される。水性シフト反応は発熱反応であり、外部からの反応熱の供給は不要である。なお、もともとCOシフトコンバータ用燃料極排出ガス65に含まれていた水素もCOシフトコンバータ排出ガス中に含まれている。
一酸化炭素濃度を1%以下に低減させたCOシフトコンバータ排出ガス11は、凝縮器5に供給され、冷却水あるいは冷却用空気などの冷媒25によって冷却され、これによってCOシフトコンバータ排出ガス11中の水蒸気が凝縮水12として回収される。凝縮器5で水蒸気が除去された凝縮器排出ガス14は、必要に応じてCuCl/Al23等のCO選択性吸着剤が充填されたCO吸着器6に供給され、ここで、水素分離貯蔵器7,8に充填された水素分離貯蔵剤の劣化原因となる一酸化炭素(CO)が吸着除去される。その結果、CO吸着器6は、主成分が水素と二酸化炭素であるCO吸着器排出ガス15を排出する。なお、水素分離貯蔵出器7,8に充填された水素分離貯蔵剤がCO耐性を有している場合には、CO吸着器6を設置して一酸化炭素を吸着除去する必要はない。
主成分が水素と二酸化酸素であるCO吸着器排出ガス15は、水素分離貯蔵器7及び水素分離貯蔵器8に対し、それぞれ遮断弁21,22を介して交互に供給される。すなわち、遮断弁21を開け遮断弁22を閉じることによって、水素分離貯蔵器7にCO吸着器排出ガス15を供給し、遮断弁21を閉じ遮断弁22を開けることによって、水素分離貯蔵器8にCO吸着器排出ガス15を供給する。その際、水素分離貯蔵器7にCO吸着器排出ガス15を供給している場合には、遮断弁23を開け遮断弁26を閉じることによって、CO吸着器排出ガス15中の水素が水素分離貯蔵器7内に吸蔵されたことによって主成分が二酸化炭素となった水素分離貯蔵器排出ガス19を水素分離貯蔵器7から外部に放出する。逆に、水素分離貯蔵器8にCO吸着器排出ガス15を供給しているときには、遮断弁24を開け遮断弁30を閉じることによって、同じく主成分が二酸化炭素である水素分離貯蔵器排出ガス20を水素分離貯蔵器8から外部に放出する。
水素分離貯蔵器7,8は、供給されたCO吸着器排出ガス15中の水素を、その水素分離貯蔵器7,8に充填された水素分離貯蔵剤である例えば水素吸蔵合金やカーボンなのチューブに吸蔵することによって分離貯蔵するものである。水素分離貯蔵剤の水素吸蔵合金としては、例えばフッ化処理を施したLaNi系水素吸蔵合金が使われる。このフッ化処理されたLaNi系水素吸蔵合金は、水蒸気や二酸化炭素による被毒を受けず、100ppm程度の一酸化炭素を含むガスを用いても水素貯蔵が可能であるという長所を有しており、水素分離貯蔵器7,8の水素分離貯蔵剤として適している。水素吸蔵合金への水素吸蔵は発熱を伴うので、効率的にCO吸着器排出ガス15中の水素を水素分離貯蔵器7,8に分離貯蔵するためには、必須ではないが、必要に応じて、水素吸蔵合金への水素の吸蔵時に水素分離貯蔵器用熱交換器9,10に冷却水あるいは冷却用空気など冷媒を供給し(図1には示されていない)、水素分離貯蔵器7,8の冷却を行うことが望ましい。あるいは、水素分離貯蔵器7,8の冷却用空気として、空気予熱器80に供給する前の空気18を水素分離貯蔵器用熱交換器9,10に供給してもよい。その場合には、水素分離貯蔵器用熱交換器9、10で水素分離貯蔵器7,8と熱交換することによって昇温された空気が空気予熱器80に供給される。
水素分離貯蔵器7,8において水素吸蔵合金などの水素分離貯蔵材に吸蔵させることによって分離貯蔵された水素16,17は、交互に水素分離貯蔵器7,8の水素分離貯蔵材から放出させて固体酸化物燃料電池57に供給することによって、固体酸化物形燃料電池57の発電に利用される。水素分離貯蔵器7に分離貯蔵した水素16を固体酸化物形燃料電池57に供給する場合には、遮断弁21を閉じ遮断弁22を開けることによって水素分離貯蔵器8にCO吸着器排出ガス15を供給しつつ、遮断弁23,30を閉じ遮断弁26を開けることによって水素16を固体酸化物形燃料電池57に供給する。一方、水素分離貯蔵器8に分離貯蔵した水素17を固体酸化物形燃料電池57に供給する場合には、遮断弁22を閉じ遮断弁21を開けることによって水素分離貯蔵器7にCO吸着器排出ガス15を供給しつつ、遮断弁24,26を閉じ遮断弁30を開けることによって水素17を固体酸化物形燃料電池57に供給する。水素吸蔵合金などの水素分離貯蔵材からの水素放出は吸熱を伴うので、効率的に水素を水素分離貯蔵器7,8から放出させるために、本実施形態では、遮断弁92,93を介して、固体酸化物形燃料電池57からの排熱の熱エネルギーを有する空気予熱器排出ガス84を水素分離貯蔵器用熱交換器9,10にそれぞれ供給し、水素分離貯蔵器7,8の加熱を行うようにしている。空気予熱器排出ガス84の代わりに、空気予熱器用熱交換器82を通過する前の酸化剤極排出ガス63を水素分離貯蔵器用熱交換器9,10に供給するようにしてもよい。
水素分離貯蔵器7,8から水素を放出させるための熱源として空気予熱器排出ガス84を用いることとすると、水素分離貯蔵器7から水素16を放出させる場合には、遮断弁92を開け、遮断弁93を閉めることによって空気予熱器排出ガス84を水素分離貯蔵器用熱交換器9に供給し、空気予熱器排出ガス84を水素分離貯蔵器7と熱交換させることによって、水素分離貯蔵器7内の水素吸蔵合金などの水素分離貯蔵材からの水素16の発生に必要な熱を供給する。同様に、水素分離貯蔵器8から水素17を放出させる場合には、遮断弁92を閉め、遮断弁93を開けることによって空気予熱器排出ガス84を水素分離貯蔵器用熱交換器10に供給し、空気予熱器排出ガス84を水素分離貯蔵器8と熱交換させることによって、水素分離貯蔵器8の水素分離貯蔵材からの水素17の発生に必要な熱を供給する。
流量制御弁31を制御することによって、固体酸化物形燃料電池57への水素16または水素17の供給量を調節できる。なお、水素分離貯蔵器用熱交換器9,10からは、それぞれ水素分離貯蔵器7,8と熱交換することによって温度が低下した空気予熱器排出ガス84である水素分離貯蔵器用熱交換器排出ガス94,95が排出される。図1に示したものでは、水素分離貯蔵器7,8からの水素16,17を脱硫天然ガス29と混合して燃料極54に供給しているが、水素16,17を水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス28に対して混合して燃料極54に供給してもよいし、水素16,水素17を水素リッチな改質ガス27と混合して燃料極54に供給してもよい。
水素分離貯蔵器7,8を用いて、燃料極排出ガス61を処理することによって得られたCO吸着器排出ガス15に含まれる未反応水素を回収し、固体酸化物形燃料電池57の発電に再利用することによって、燃料電池発電システムの燃料利用率が向上し、発電効率が上昇する。図2は、本実施形態に基づく燃料電池発電システムでの直流発電端効率ηDCGROSSと交流送電端効率ηACNETと燃料利用率UFとの関係の一例を示している。直流発電端効率ηDCGROSSは、直流発電端出力を燃料流入量と発熱量との積で割った商であり、(10)式より求めることができる。
ηDCGROSS=ηRSS×UF×ηFCTHE×ηFCCUR×ηFCVOL (10)
ここで、ηRSSは、改質系効率であり、改質器3を含む改質系での水素の発生量と水素の発熱量との積を燃料流入量と発熱量との積で割ったものである。燃料利用率UFは、燃料電池本体での水素消費量を改質系での水素の生成量で割った商である。ηFCTHEは、燃料電池の電池理論効率であり、燃料電池の電池反応の自由エネルギー変化を水素の発熱量で割った商である。ηFCCURは、燃料電池の電池電流効率であり、燃料電池での発生電流を電池での水素消費量に対応する理論電流で割った商である。ηFCVOLは、燃料電池の電池電圧効率であり、燃料電池での実発生電圧を理論開回路電圧で割った商である。
また、交流送電端効率ηACNETは、交流送電端出力を燃料流入量と発熱量の積で割った商であり、(11)式より求めることができる。
ηACNET=ηDCGROSS×ηDCCABLE×ηPCS×(1−ηPSP) (11)
ここで、ηDCCABLEは、直流ケーブル効率であり、直流送電端出力を直流発電端出力で割った商である。ηPCSは、直交変換効率であり、交流発電端出力を直流送電端出力で割った商である。ηPSPは、所内補機率であり、この燃料電池発電システム内に設けられている補機で必要とされる電力を交流発電端出力で割った商である。
ここでは、既存の常圧100kW級の固体酸化物形燃料電池を用いた燃料電池発電システムをベースとして本実施形態の燃料電池発電システムを構築したものとし、図2に示す直流発電端効率ηDCGROSSと交流送電端効率ηACNETは、ηRSS=1.2、ηFCTHE=0.8、ηFCCUR=1.0、ηFCVOL=0.7、ηDCCABLE=1.0、ηPCS=0.93及びηPSP=0.07を仮定して求めたものである。ここでの既存の固体酸化物形燃料電池を用いた燃料電池発電システムのUFは0.80であり、図2からηDCGROSSとηACNETはそれぞれ0.54と0.46である。しかし、本実施形態のように水素分離貯蔵器7,8を用い、燃料極排出ガス61を処理することによって得られたCO吸着器排出ガス15に含まれる未反応水素を85%回収し固体酸化物形燃料電池の発電に再利用するものとすると、燃料利用率UFは0.80から0.97に上昇する。その結果、直流発電端効率ηDCGROSSは0.11向上して0.65となり、交流送電端効率ηACNETは0.10向上して0.56になる。したがって本実施形態の燃料電池発電システムは、従来のものと比べて大幅に発電効率が向上している。本発明は、燃料電池発電システムの発電効率の向上に大幅に寄与するといえる。
図1に示した燃料電池発電システムでは、CO吸着器6を凝縮器5の下流側に設置し、CO吸着器6によって凝縮器排出ガス12中の一酸化炭素を吸着除去しているが、CO吸着器6を凝縮器5の上流側(COシフトコンバータ4と凝縮器5の間)に設置し、このCO吸着器6によってCOシフトコンバータ排出ガス11中の一酸化炭素を吸着除去してもよい。この場合には、一酸化炭素を吸着除去したCO吸着器排出ガス15を凝縮器5に供給し、凝縮器5でCO吸着器排出ガス15中の水蒸気を凝縮水12として回収する。
また、凝縮器5の上流側もしくは下流側に第2の一酸化炭素変換手段として、白金、ルテニウム等の貴金属系触媒がCO選択酸化触媒として充填されたCO選択酸化器を設置し(CO吸着器6を設置する場合には、CO選択酸化器はCO吸着器6の上流側に設置する)、COシフトコンバータ排出ガス11もしくは凝縮器排出ガス14をCO選択酸化器に供給し、COシフトコンバータ排出ガス11中もしくは凝縮器排出ガス14中の一酸化炭素を空気中の酸素で酸化して二酸化炭素に変換してもよい。ただし、この場合には、CO選択酸化器排出ガス中には、選択酸化に用いた空気に由来する若干の窒素が含まれることになる。
図1に示した燃料電池発電システムでは、2組の水素分離貯蔵器7,8から交互に放出される水素16,17は、固体酸化物形燃料電池57に直接供給されているが、水素貯蔵手段である水素貯蔵器を設けてそこに水素16,17を供給して貯蔵し、固体酸化物形燃料電池57の燃料電池直流出力88に合わせて、この水素貯蔵器に貯蔵した水素を固体酸化物形燃料電池57の燃料極54に供給するようにしてもよい。この場合には、水素貯蔵器が固体酸化物形燃料電池57の出力変動に対するバッファ機能を果たし、固体酸化物形燃料電池の出力変動に対する追従性が向上するというメリットが生じる。
また、水素分離貯蔵器7,8から交互に放出される水素16,17は、固体酸化物形燃料電池57とは別個に設けられた、水素を燃料とする固体高分子形燃料電池、りん酸形燃料電池、アルカリ電解質形燃料電池等の一以上の第二の燃料電池に供給するようにしてもよい。この場合、第二の燃料電池と固体酸化物形燃料電池57の両方に供給し、燃料極に供給された水素と酸化剤極に供給された酸化剤との燃料電池反応による発電に利用してもよい。
さらに、空気予熱器用熱交換器82に供給される酸化剤極排出ガス83だけでは空気予熱器80での空気18の予熱に必要な熱量が不足する場合には、空気予熱器用熱交換器82に燃焼バーナを設け、2組の水素分離貯蔵器7,8から交互に放出される水素16,17の一部を空気予熱器用熱交換器82に設けられたこの燃焼バーナに供給し、空気中の酸素もしくは燃料電池空気排出ガス63中の未反応酸素と燃焼させることによって空気18の予熱に利用してもよい。
図1に示した燃料電池発電システムでは、水素の吸蔵と放出を交互に行わせるために、水素分離貯蔵手段として2組の水素分離貯蔵器7,8を用いているが、水素分離貯蔵器の数は、1組以上あればいくつでもよい。ただし、単一の水素分離貯蔵器しか設けられない場合には、水素の吸蔵と放出とを同時に行うことができないので、燃料電池燃料排出ガスからの水素の吸蔵と放出のそれぞれを連続的に行うことができない。
水素分離貯蔵器が3組以上設けられる場合には、少なくとも1つの水素分離貯蔵器での水素の吸蔵と少なくとも1つの水素分離貯蔵器での水素の放出を交互に行わせることによって、全体としては吸蔵と放出のそれぞれを連続的に行うことができる。例えば、水素分離貯蔵器の数が3以上であるとすると、少なくとも1つの水素分離貯蔵器で水素の吸蔵を行い、少なくとも1つの水素貯蔵分離器で水素の吸蔵を行い、残った少なくとも1つの水素分離貯蔵器を待機状態に置くことができる。次に、各水素分離貯蔵器での水素の吸蔵と放出が終了すると、水素を放出した水素分離貯蔵器は燃料電池の排出ガスで加熱されたために温度が上昇しているので待機状態に保持して冷却し、待機状態にあった水素分離貯蔵器で水素の吸蔵を行い、水素の吸蔵を行った水素分離貯蔵器を燃料電池の排出ガスで加熱し水素を放出させる。すなわち、個々の水素分離貯蔵器レベルで見れば、吸蔵→放出→待機→吸蔵→…といったサイクルを繰り返すことになる。以降は、このサイクルを繰り返すことによって、燃料電池燃料排出ガスからの水素の分離回収と回収した水素の燃料電池による発電への効率的な再利用が実現できる。なお、水素を放出した後に待機状態に置かれた水素分離貯蔵器の冷却を効率的に行うために、待機状態に置かれた水素分離貯蔵器の水素貯蔵器用熱交換器に、冷却用空気として、燃料電池での発電に利用するために酸化剤極に供給されることとなる空気を空気予熱器に供給する前に供給してもよい。
また、水素分離貯蔵器が4組以上設けられると、少なくとも1つの水素分離貯蔵器で水素の吸蔵を行い、少なくとも1つの水素貯蔵分離器で水素の吸蔵を行い、残った少なくとも2以上の水素分離貯蔵器を待機状態に置くことができる。次に、各水素分離貯蔵器での水素の吸蔵と放出が終了すると、水素を放出した水素分離貯蔵器は水素の放出時に燃料電池の排出ガスで加熱されたために温度が上昇しているので待機状態に保持して冷却させ、水素の吸蔵を行った水素分離貯蔵器も安定させるために待機状態に置き、待機状態にあった水素分離貯蔵器の少なくとも1つで水素の吸蔵を行う。さらにその後、各水素分離貯蔵器での水素の吸蔵と放出が終了すると、水素の吸蔵と放出とをそれぞれ終えたばかりの水素分離貯蔵器については上述と同様に待機状態に置き、水素の放出後にいったん待機状態に置いて温度を下げた少なくとも1つの水素分離貯蔵器で水素の吸蔵を行うとともに、水素の吸蔵後にいったん待機状態に置いた少なくとも1つの水素分離貯蔵器を酸化剤極排出ガスで加熱して水素を放出させる。すなわち、個々の水素分離貯蔵器レベルで見れば、吸蔵→待機→放出→待機→吸蔵→…といったサイクルを繰り返すことになる。以降は、このサイクルを繰り返すことによって、燃料極排出ガスからの水素の分離回収と回収した水素の燃料電池による発電への効率的な再利用が実現できる。
このように本発明に基づく燃料電池発電システムの制御方法は、例えば、複数の水素分離貯蔵器が設けられる場合に、一方の群の水素分離貯蔵器で水素吸蔵を行い他方の群の水素分離貯蔵器で水素放出を行う第1の段階と、一方の群の水素分離貯蔵器で水素放出を行い他方の群の水素分離貯蔵器で水素吸蔵を行う第2の段階とを交互に実施することを特徴とする。
あるいは本発明に基づく燃料電池発電システムの制御方法は、例えば、3個以上の水素分離貯蔵器が設けられる場合に、同時には少なくとも1つの水素分離貯蔵器が水素吸蔵を行って少なくとも1つの水素分離貯蔵器が水素放出を行うようにして、各水素分離貯蔵器ごとにその水素分離貯蔵器が水素吸蔵と水素放出と水素吸蔵でも水素放出でもない待機とを繰り返して実行するように制御することを特徴とする。
また、図1に示した燃料電池発電システムで、固体酸化物形燃料電池57の代わり溶融炭酸塩形燃料電池を用いてもよいし、改質器3を用いずに燃料の水蒸気改質反応を、直接、固体酸化物形燃料電池57(もしくは溶融炭酸塩形燃料電池)の燃料極54で行わせて、固体酸化物形燃料電池57(もしくは溶融炭酸塩形燃料電池)の電池反応に必要な水素と一酸化炭素を生成させてもよい。
本発明は、前述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることは勿論である。
図1は、本発明の燃料電池発電システムの一実施形態(実施形態1)の構成を示す図である。 本発明の燃料電池発電システムの直流発電端効率と交流送電端効率と燃料利用率の関係の一例を示す図である。 図3は、従来の燃料電池発電システムの構成を示す図である。
符号の説明
1 天然ガス
2 脱硫器
3 改質器
4 COシフトコンバータ
5 凝縮器
6 CO吸着器
7,8 水素分離貯蔵器
9,10 水素分離貯蔵器用熱交換器
11 COシフトコンバータ排出ガス
12 凝縮水
13 ブロワ
14 凝縮器排出ガス
15 CO吸着器排出ガス
16,17 水素
18 空気
19,20 水素分離貯蔵器排出ガス
21〜24,26,30,92,93 遮断弁
25,91 冷媒
27 水素リッチな改質ガス
28 水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス
29 脱硫天然ガス
31,37,59,62 流量制御弁
54 燃料極
55 固体酸化物電解質
56 酸化剤極
57 固体酸化物形燃料電池
58 燃料電池用空気
60 改質器リサイクル用燃料極排出ガス
61 燃料極排出ガス
63 酸化剤極排出ガス
64 空気予熱器用燃料極排出ガス
65 COシフトコンバータ用燃料極排出ガス
66 熱交換器排出ガス
80 空気予熱器
81 空気予熱器バーナ
82 空気予熱器用熱交換器
84 空気予熱器排出ガス
86 出力調整装置
87 負荷
88 燃料電池直流出力
89 送電端交流出力
90 冷却用熱交換器
94,95 水素分離貯蔵器用熱交換器排出ガス

Claims (10)

  1. 燃料と酸化剤とが供給され燃料電池で発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料電池発電システム内で発生する排出ガス中から水素を回収するとともに前記排出ガスに含まれる一酸化炭素を水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素を生成し、前記回収された水素及び前記生成された水素を前記燃料電池において再利用する排出ガス循環生成手段を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 前記排出ガス循環生成手段は、前記燃料電池発電システム内で発生する排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素に変換することによって前記水素を生成する一酸化炭素変換手段を少なくとも備える、請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記排出ガス循環生成手段は、前記回収された水素及び前記生成された水素を選択的に分離して貯蔵するとともに、貯蔵している前記水素を放出する水素分離貯蔵手段を少なくとも備え、前記放出された水素が少なくとも前記燃料電池に供給される、請求項1または2に記載の燃料電池発電システム。
  4. 前記水素分離貯蔵手段は、前記燃料電池からの排熱と熱交換させることによって、前記貯蔵している水素を放出するものである、請求項3に記載の燃料電池発電システム。
  5. 前記燃料電池発電システム内で発生する排出ガスは前記燃料電池の燃料極から排出される燃料極排出ガスであり、前記燃料電池からの排熱は、前記燃料電池の酸化剤極から排出される酸化剤極排出ガスによって前記水素分離貯蔵手段にもたらされる、請求項4に記載の燃料電池発電システム。
  6. 前記水素分離貯蔵手段で前記水素を貯蔵する際または前記水素を貯蔵する前に、前記水素分離貯蔵手段が空気で冷却され、前記水素分離貯蔵手段の冷却に用いられた前記空気が、その後、前記燃料電池の酸化剤極に供給される、請求項3または4に記載の燃料電池発電システム。
  7. 前記水素分離貯蔵手段の前段に、前記水素分離貯蔵手段に供給されるガスに含まれる水蒸気を凝縮させる水蒸気凝縮手段と、前記水素分離貯蔵手段に供給されるガスに含まれる一酸化炭素を選択的に除去する一酸化炭素除去手段との少なくとも一方をさらに有する、請求項3乃至6のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  8. 複数の前記水素分離貯蔵手段を有し、個々の水素分離貯蔵手段では前記水素の吸蔵と放出とを交互に行いながら、前記複数の水素貯蔵分離手段の全体として前記水素の吸蔵と放出とを連続的に実行する、請求項3乃至7のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  9. 請求項3乃至7のいずれか1項に記載の燃料電池発電システムの制御方法において、
    前記燃料電池発電システムは、複数の前記水素分離貯蔵手段を有し、
    第1の水素分離貯蔵手段で水素吸蔵を行い第2の水素分離貯蔵手段で水素放出を行う第1の段階と、前記第1の水素分離貯蔵手段で水素放出を行い第2の水素分離貯蔵手段で水素吸蔵を行う第2の段階とを交互に実施することを特徴とする、制御方法。
  10. 請求項3乃至7のいずれか1項に記載の燃料電池発電システムの制御方法において、
    前記燃料電池発電システムは、3個以上の前記水素分離貯蔵手段を有し、
    同時には少なくとも1つの水素分離貯蔵手段が水素吸蔵を行って少なくとも1つの水素分離貯蔵手段が水素放出を行うようにして、各水素分離貯蔵手段ごとに当該水素分離貯蔵手段が水素吸蔵と水素放出と水素吸蔵でも水素放出でもない待機とを繰り返して実行するように制御することを特徴とする制御方法。
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