JP4467924B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents
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Description
(1)式に示したメタンの水蒸気改質反応等の炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応であり、効率的に水素を生成させるためには、外部から改質器2に必要な反応熱を供給し、改質器2の温度を700〜750℃に維持することが必要である。このため、改質器2の近傍に設置されかつ800〜1000℃で発電を行なうSOFCスタック3の排熱を、改質反応に必要な反応熱として改質器2に供給する。改質器2で作られた水素リッチな改質ガス9は燃料極4に供給される。
空気極6で生成した酸素イオンは、安定化ジルコニア(YSZ)等の固体酸化物電解質5の内部を移動し、燃料極4に到達する。燃料極4では、ニッケル−YSZサーメット、ルテニウム−YSZサーメット等の金属系電極触媒の働きで、空気極6から固体酸化物電解質5の内部を移動してきた酸素イオンが、(3)式および(4)式に示す反応により燃料極4に供給された水素リッチな改質ガス9中の水素および一酸化炭素と反応し、水蒸気または二酸化炭素と電子とが生成される。
CO+O2−→CO2+2e− (4)
燃料極4で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極6に到達する。空気極6に到達した電子は、(2)式に示した反応により酸素と反応する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーをSOFCスタック3の発電出力として取り出すことができる。
CO+1/2O2→CO2 (6)
SOFCスタック3の発電温度は、一般的に800〜1000℃であり、電池反応による発熱により発電温度が維持されている。SOFCスタック3の排熱は、前述したように改質器2での天然ガス39(天然ガス1)中の炭化水素の水蒸気改質反応の反応熱として利用する。燃料極4で電池反応により生成した水蒸気を含む燃料極排出ガス10の一部は、前述したように、改質器2での炭化水索の水蒸気改質反応に必要な水蒸気を供給するために、燃料極排出ガス11として天然ガス39と混合されて改質器2に供給される。燃料極排出ガス11の供給量は、予め設定された流量制御弁14の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)と流量制御弁15の開度(すなわち、燃料極排出ガス11の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁15の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量に見合った値に設定する。燃料極排出ガス10の残りは、燃料極排出ガス17としてCOシフトコンバータ20に供給される。
水性シフト反応は発熱反応であり、発生した熱は脱硫器38に供給され、前述した吸熱反応である硫化水素と硫化亜鉛との生成反応の反応熱として利用する。
酸化用空気30の供給量は、予め設定された流量制御弁14の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)および流量制御弁15の開度(すなわち、排出ガス28(燃料極排出ガス11)の供給量)と流量制御弁42の開度(すなわち、酸化用空気30の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁42の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量および排出ガス28(燃料極排出ガス11)の供給量に見合った値に設定する。
燃料極26で生成した水素イオンは、ナフィオン等のスルフォン酸基を有するフッ素系高分子から構成される固体高分子電解質25の内部を移動し、空気極24に到達する。一方、燃料極26で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極24に到達する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーを直流電力として取り出すことができる。空気極24では、白金系電極触媒の働きで、燃料極26から固体高分子電解質25の内部を空気極24まで移動してきた水素イオン、燃料極26から外部回路を空気極24まで移動してきた電子および空気極24に供給された発電用空気32中の酸素が、(10)式に示す空気極反応により反応し、水が生成される。
(9)式と(10)式をまとめると、PEFCスタック23の電池反応は、(11)式に示す水素の電気化学的酸化反応として表すことができる。
発電用空気32は、空気極24で酸素の一部を(10)式に示した空気極反応により消費された後に、空気極排出ガス33として排出される。一方、排出ガス31は、燃料極26で水素の約80%を(9)式に示した燃料極反応により消費された後に、燃料極排出ガス34として排出され、燃料極排出ガス34は燃焼器7に供給される。
A. L. Dicks, R. G. Felloes, C. M. Mesca1, and C. Seymour: "A study of SOFC-PEM hybrid systems", Jouma1 of Power Source, 86, pp.442〜448, 2000.
2…改質器
3…固体酸化物形燃料電池セルスタック
4…燃料極
7…燃焼器
9…改質ガス
11…燃料極排出ガス
12…空気極排出ガス
17…燃料極排出ガス
20…COシフトコンバータ
21…CO選択酸化器
23…個体高分子形燃料電池セルスタック
27…燃料極排出ガス
28…排出ガス
29…排出ガス
34…燃料極排出ガス
36…発電用空気
48…水素分離器
50…排出ガス
51…水素
52…排出ガス
55…排出ガス
56…りん酸形燃料電池スタック
63…燃料極排出ガス
70…昇温用熱交換器
71…昇温用熱交換器
74…昇温用燃焼ガス
75…昇温用燃焼ガス
Claims (6)
- 燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガス中の水素または水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることにより発電を行ない、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素と反応させて二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
- 燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガス中の水素または水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることにより発電を行ない、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記水素分離器の排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
- 燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガス中の水素または水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることにより発電を行ない、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
- 燃料極における燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素とを生成させるとともに、前記水素または前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行ない、前記発電に伴って発生した熱を前記水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素と反応させて二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
- 燃料極における燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素とを生成させるとともに、前記水素または前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行ない、前記発電に伴って発生した熱を前記水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記水素分離器の排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
- 燃料極における燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素とを生成させるとともに、前記水素または前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行ない、前記発電に伴って発生した熱を前記水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素と変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
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