JP4467924B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池発電システム、特に2種類の燃料電池セルスタックを組み合わせて発電を行なう燃料電池発電システムに関するものである。
図7は従来の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図7において、1は燃料である天然ガス、2は天然ガス1の水蒸気改質反応を行なわせる改質器、3は第1の燃料電池セルスタックである固体酸化物形燃料電池セルスタック(以下、SOFCスタックと略す)、4はSOFCスタック3の燃料極、5はSOFCスタック3の固体酸化物電解質、6はSOFCスタック3の空気極、7は燃焼器、8は燃料極排出ガス11(説明後述)と天然ガス39(説明後述)との混合ガス、9は改質器2により作られた水素リッチな改質ガス、10は燃料極4から排出される燃料極排出ガス、11は燃料極排出ガス10のうち改質器2に供給される燃料極排出ガス、12は空気極6から排出される空気極排出ガス、13は燃焼器7の燃焼ガス、14は天然ガス1の供給量を制御する流量制御弁、15は燃料極排出ガス11の改質器2への供給量を制御する流量制御弁、17は燃料極排出ガス10のうちCOシフトコンバータ20(説明後述)に供給される燃料極排出ガス、20は燃料極排出ガス17中の一酸化炭素濃度を1%以下まで低減させるCOシフトコンバータ、21は排出ガス28(説明後述)中の一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させるCO選択酸化器、22は凝縮器、23は第2の燃料電池セルスタックである固体高分子形燃料電池セルスタック(以下、PEFCスタックと略す)、24はPEFCスタック23の空気極、25はPEFCスタック23の固体高分子電解質、26はPEFCスタック23の燃料極、44は一酸化炭素濃度を1%以下まで低減させたCOシフトコンバータ20の排出ガス、28は排出ガス44のうちCO選択酸化器21に供給される排出ガス、29は一酸化炭素濃度をppmオーダーまで低減させたCO選択酸化器21の排出ガス、30はCO選択酸化器21の酸化用空気、31は排出ガス29から水蒸気を除去した凝縮器22の排出ガス、32はPEFCスタック23の発電用空気、33はPEFCスタック23の空気極排出ガス、34はPEFCスタック23の燃料極排出ガス、36はSOFCスタック3の発電用空気、37は脱硫器リサイクルガス45(説明後述)の供給量を制御する流量制御弁、38は脱硫器、39は昇温用熱交換器70(説明後述)により昇温されかつ脱硫器38により脱硫された天然ガス、40は発電用空気36の供給量を制御する流量制御弁、41は発電用空気32の供給量を制御する流量制御弁、42は酸化用空気30の供給量を制御する流量制御弁、45は排出ガス44のうち脱硫器38に供給される脱硫器リサイクルガス、46は凝縮器22から排出される凝縮水、70は天然ガス1を昇温するための昇温用熱交換器、71は発電用空気36を昇温するための昇温用熱交換器、72は昇温用熱交換器70により昇温された天然ガス、73は昇温用熱交換器71により昇温された発電用空気、74は燃焼ガス13のうち昇温用熱交換器70に供給される昇温用燃焼ガス、75は燃焼ガス13のうち昇温用熱交換器71に供給される昇温用燃焼ガス、76は昇温用熱交換器70から排出される昇温用熱交換器排出ガス、77は昇温用熱交換器71から排出される昇温用熱交換器排出ガス、78は昇温用燃焼ガス74の供給量を制御する流量制御弁、79は昇温用燃焼ガス75の供給量を制御する流量制御弁、80は燃焼ガス13のうちの燃焼排ガスである。
なお、上記「水素リッチ」は、電池反応によって発電に寄与するに足りる濃度の水素を含有することを意味する。
また、図7において、SOFCスタック3が一組の燃料極4、固体酸化物電解質5および空気極6からなるSOFC単セルによって構成されているように示されているが、実際にはSOFCスタック3は複数のSOFC単セルから構成されている。
また、図7において、PEFCスタック23も一組の燃料極24、固体高分子電解質25および空気極26からなるPEFC単セルによって構成されているように示されているが、実際にはPEFCスタック23は複数のPEFC単セルから構成されている。
つぎに、図7に示した燃料電池発電システムの作用について説明する。天然ガス1が昇温用熱交換器70に供給される。天然ガス1の供給量は、予め設定されたSOFCスタック3の発電電流およびPEFCスタック23の発電電流と流量制御弁14の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁14の開度を制御することによって、SOFCスタック3の発電電流およびPEFCスタック23の発電電流に見合った値に設定する。
昇温用熱交換器70では、高温の昇温用燃焼ガス74から天然ガス1に熱が供給され、天然ガス1の温度を予め設定した温度まで昇温する。昇温用熱交換器70への昇温用燃焼ガス74の供給量は、予め設定された流量制御弁14の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)と流量制御弁78の開度(すなわち、昇温用燃焼ガス74の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁78の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量に見合った値に設定する。天然ガス1に熱を供給し温度が低下した昇温用燃焼ガス74は、昇温用熱交換器排出ガス76として昇温用熱交換器70から排出される。昇温用熱交換器70により昇温された天然ガス72は脱硫器38に供給される。
脱硫器38では、充填された脱硫触媒のコバルト−モリブデン系触媒と酸化亜鉛吸着剤の働きにより、改質器2の改質触媒、PEFCスタック23の燃料極26の電極触媒およびSOFCスタック3の燃料極4の電極触媒の劣化の原因となる天然ガス72中のメルカプタン等の腐臭剤に含まれる硫黄分を水素添加脱硫することにより吸着除去する。すなわち、コバルト−モリブデン系触媒により最初に硫黄と水素とを反応させて硫化水素を生成させ、つぎにこの硫化水素と酸化亜鉛とを反応させることによって硫化亜鉛を生成させて、硫黄分を除去する。脱硫器38における硫化水素の生成に必要な水素を供給するために、COシフトコンバータ20により一酸化炭素濃度を1%以下に低減された排出ガス44の一部を、脱硫器リサイクルガス45として脱硫器38にリサイクルする。脱硫器リサイクルガス45の供給量は、予め設定された流量制御弁14の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)と流量制御弁37の開度(すなわち、脱硫器リサイクルガス45の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁37の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量に見合った値に設定する。硫化水素と硫化亜鉛との生成反応は吸熱反応であり、反応に必要な反応熱は、後述する発熱反応であるCOシフトコンバータ20での水性シフト反応によって発生する熱をCOシフトコンバータ20から脱硫器38に供給することによってまかなう。
昇温用熱交換器70により昇温されかつ脱硫器38により脱硫された天然ガス39は、水蒸気を含む燃料極排出ガス11と混合され、燃料極排出ガス11と天然ガス39との混合ガス8は改質器2に供給される。燃料極排出ガス11の供給量は、予め設定された流量制御弁14の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)と流量制御弁15の開度(すなわち、SOFCスタック3の燃料極排出ガス11の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁15の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量に見合った値に設定する。改質器2では、充填された改質触媒の働きにより天然ガス39(天然ガス1)中の炭化水素の水蒸気改質反応が行なわれ、水素リッチな改質ガスが作られる。天然ガス1の主成分であるメタンの水蒸気改質反応は(1)式で表される。
CH+HO→CO+3H (1)
(1)式に示したメタンの水蒸気改質反応等の炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応であり、効率的に水素を生成させるためには、外部から改質器2に必要な反応熱を供給し、改質器2の温度を700〜750℃に維持することが必要である。このため、改質器2の近傍に設置されかつ800〜1000℃で発電を行なうSOFCスタック3の排熱を、改質反応に必要な反応熱として改質器2に供給する。改質器2で作られた水素リッチな改質ガス9は燃料極4に供給される。
また、発電用空気36が昇温用熱交換器71に供給される。発電用空気36の供給量は、SOFCスタック3の発電電流量と流量制御弁40の開度(すなわち、発電用空気36の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁40の開度を制御することによって、SOFCスタック3の発電電流量に見合った値に設定する。昇温用熱交換器71では、昇温用燃焼ガス75から発電用空気36に熱が供給され、発電用空気36の温度を予め設定した温度まで昇温する。昇温用熱交換器71への昇温用燃焼ガス75の供給量は、予め設定された流量制御弁40の開度(すなわち、発電用空気36の供給量)と流量制御弁79の開度(すなわち、昇温用燃焼ガス75の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁79の開度を制御することによって、発電用空気36の供給量に見合った値に設定する。
発電用空気36に熱を供給し温度が低下した昇温用燃焼ガス75は、昇温用熱交換器排出ガス77として、昇温用熱交換器70から排出される。昇温用熱交換器71により昇温された発電用空気73は空気極6に供給される。空気極6では、金属酸化物系電極触媒の働きで、発電用空気73中の酸素が(2)式に示す空気極反応により電子と反応して酸素イオンに変わる。
1/2O+2e→O2− (2)
空気極6で生成した酸素イオンは、安定化ジルコニア(YSZ)等の固体酸化物電解質5の内部を移動し、燃料極4に到達する。燃料極4では、ニッケル−YSZサーメット、ルテニウム−YSZサーメット等の金属系電極触媒の働きで、空気極6から固体酸化物電解質5の内部を移動してきた酸素イオンが、(3)式および(4)式に示す反応により燃料極4に供給された水素リッチな改質ガス9中の水素および一酸化炭素と反応し、水蒸気または二酸化炭素と電子とが生成される。
+O2−→HO+2e (3)
CO+O2−→CO+2e (4)
燃料極4で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極6に到達する。空気極6に到達した電子は、(2)式に示した反応により酸素と反応する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーをSOFCスタック3の発電出力として取り出すことができる。
(2)式と(3)式、(2)式と(4)式をそれぞれまとめると、SOFCスタック3の電池反応は(5)式に示す水素の酸化反応と、(6)式に示す一酸化炭素の酸化反応として表すことができる。
+1/2O→HO (5)
CO+1/2O→CO (6)
SOFCスタック3の発電温度は、一般的に800〜1000℃であり、電池反応による発熱により発電温度が維持されている。SOFCスタック3の排熱は、前述したように改質器2での天然ガス39(天然ガス1)中の炭化水素の水蒸気改質反応の反応熱として利用する。燃料極4で電池反応により生成した水蒸気を含む燃料極排出ガス10の一部は、前述したように、改質器2での炭化水索の水蒸気改質反応に必要な水蒸気を供給するために、燃料極排出ガス11として天然ガス39と混合されて改質器2に供給される。燃料極排出ガス11の供給量は、予め設定された流量制御弁14の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)と流量制御弁15の開度(すなわち、燃料極排出ガス11の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁15の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量に見合った値に設定する。燃料極排出ガス10の残りは、燃料極排出ガス17としてCOシフトコンバータ20に供給される。
燃料極排出ガス17には燃料極26の電極触媒の劣化の原因となる一酸化炭素が含まれているので、燃料極排出ガス17は銅−亜鉛系触媒等のシフト触媒が充填されたCOシフトコンバータ20に供給され、シフト触媒の働きにより(7)式に示す水性シフト反応を行なわせることによって、燃料極排出ガス17中の一酸化炭素濃度を1%以下まで低減する。
CO+HO→CO+H (7)
水性シフト反応は発熱反応であり、発生した熱は脱硫器38に供給され、前述した吸熱反応である硫化水素と硫化亜鉛との生成反応の反応熱として利用する。
COシフトコンバータ20で作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた排出ガス44の一部は、前述したように脱硫器リサイクルガス45として脱硫器38に供給され、残りである排出ガス28はCO選択酸化器21に供給される。すなわち、燃料極26に供給される排出ガス28中の一酸化炭素濃度が100ppm以上であると、燃料極26の電極触媒の劣化原因となるので、一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させるために、排出ガス28を白金、ルテニウム等の貴金属系触媒がCO選択酸化触媒として充填されたCO選択酸化器21に供給する。また、酸化用空気30がCO選択酸化器21に供給される。CO選択酸化器21では、排出ガス28に含まれる一酸化炭素を、発熱反応である(8)式に示すCO選択酸化反応により酸化用空気30中の酸素と反応させることによって二酸化炭素に変換し、排出ガス28中の一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させる。
CO+1/2O→CO (8)
酸化用空気30の供給量は、予め設定された流量制御弁14の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)および流量制御弁15の開度(すなわち、排出ガス28(燃料極排出ガス11)の供給量)と流量制御弁42の開度(すなわち、酸化用空気30の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁42の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量および排出ガス28(燃料極排出ガス11)の供給量に見合った値に設定する。
CO選択酸化器21で作られた一酸化炭素濃度をppmオーダーまで低減させた排出ガス29に含まれる未反応水蒸気は、凝縮器22で100℃以下に冷却することによって、凝縮水46として回収される。凝縮器22によって水蒸気が除去された排出ガス31は、燃料極26に供給される。一方、発電用空気32は、空気極24に供給される。発電用空気32の供給量は、予め設定されたPEFCスタック23の発電電流と流量制御弁41の開度(すなわち、発電用空気32の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁41の開度を制御することによって、PEFCスタック23の発電電流に見合った値に制御する。PEFCスタック23の発電温度は、60〜80℃が一般的であり、電池反応による発熱により発電温度が維持される。
燃料極26では、白金系電極触媒の働きで、排出ガス31中に含まれる水素の約80%が、(9)式に示す燃料極反応により水素イオンと電子に変わる。
→2H+2e (9)
燃料極26で生成した水素イオンは、ナフィオン等のスルフォン酸基を有するフッ素系高分子から構成される固体高分子電解質25の内部を移動し、空気極24に到達する。一方、燃料極26で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極24に到達する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーを直流電力として取り出すことができる。空気極24では、白金系電極触媒の働きで、燃料極26から固体高分子電解質25の内部を空気極24まで移動してきた水素イオン、燃料極26から外部回路を空気極24まで移動してきた電子および空気極24に供給された発電用空気32中の酸素が、(10)式に示す空気極反応により反応し、水が生成される。
2H+1/2O+2e→HO (10)
(9)式と(10)式をまとめると、PEFCスタック23の電池反応は、(11)式に示す水素の電気化学的酸化反応として表すことができる。
+1/2O→HO (11)
発電用空気32は、空気極24で酸素の一部を(10)式に示した空気極反応により消費された後に、空気極排出ガス33として排出される。一方、排出ガス31は、燃料極26で水素の約80%を(9)式に示した燃料極反応により消費された後に、燃料極排出ガス34として排出され、燃料極排出ガス34は燃焼器7に供給される。
燃焼器7では、燃料極排出ガス34中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の酸素と燃焼させることによって燃焼ガス13が生成される。燃焼ガス13は昇温用燃焼ガス74、昇温用燃焼ガス75および燃焼排ガス80に分けられる。昇温用燃焼ガス74は昇温用熱交換器70に供給され、昇温用燃焼ガス75は昇温用熱交換器71に供給され、燃焼排ガス80は外部へ放出される。このように、燃焼器7の排熱により燃料1および発電用空気31が昇温される
A. L. Dicks, R. G. Felloes, C. M. Mesca1, and C. Seymour: "A study of SOFC-PEM hybrid systems", Jouma1 of Power Source, 86, pp.442〜448, 2000.
つぎに、従来の燃料電池発電システムの問題点について説明する。図7に示した従来の燃料電池発電システムでは、前述したように燃料極排出ガス34を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス34中の未反応水素および未反応燃料を空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させて、天然ガス1と発電用空気36とを予め設定した温度まで昇温するのに必要な燃焼ガス13を生成している。この場合、PEFCスタック23の発電電力と燃料利用率すなわち水素利用率を一定にすると、燃焼器7に供給される燃料極排出ガス34に含まれる水素の量も一定となる。燃焼器7に供給される燃料極排出ガス34中には、未反応燃料に比べて未反応水素が多く含まれている。従って、燃焼器7で燃料極排出ガス34を燃焼させることによって得られる燃焼熱は、PEFCスタック23の発電電力と水素利用率を一定にすると、ほぼ一定となる。
PEFCスタック23の発電電力と水素利用率を一定として、SOFCスタック3の発電電力を大きくすると、天然ガス1の供給量と発電用空気36の供給量も増加させねばならない。しかし、前述したように燃焼器7の燃焼熱は一定であるので、PEFCスタック23の発電電力が一定のままでSOFCスタック3の発電電力が大きくなると、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて天然ガス1と発電用空気36を所定の温度まで昇温することができなくなるから、SOFCスタック3の発電温度が低下するので、SOFCスタック3の発電性能も低下するという問題があった。
また、PEFCスタック23の水素利用率を低下させたり、天然ガス1を新たに燃焼器7に供給することにより、燃焼器7の燃焼熱を増加させれば、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて天然ガス1と発電用空気36を所定の温度まで昇温することができるが、燃料電池発電システムの発電効率が大幅に低下することは避けられなかった。
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、発電効率の低下を抑制した高効率な燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガス中の水素または水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることにより発電を行ない、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素と反応させて二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システムを構成する。
また、本発明においては、請求項に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガス中の水素または水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることにより発電を行ない、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記水素分離器の排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システムを構成する。
また、本発明においては、請求項に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガス中の水素または水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることにより発電を行ない、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システムを構成する。
また、本発明においては、請求項に記載のように、燃料極における燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素とを生成させるとともに、前記水素または前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行ない、前記発電に伴って発生した熱を前記水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素と反応させて二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システムを構成する。
また、本発明においては、請求項に記載のように、燃料極における燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素とを生成させるとともに、前記水素または前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行ない、前記発電に伴って発生した熱を前記水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記水素分離器の排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システムを構成する。
また、本発明においては、請求項に記載のように、燃料極における燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素とを生成させるとともに、前記水素または前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行ない、前記発電に伴って発生した熱を前記水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素と変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システムを構成する。
本発明によれば、第1の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを燃焼器に供給し燃焼させることによって、第2の燃料電池セルスタックの発電電力が一定で第1の燃料電池セルスタックの発電電力が大きくなった場合でも、燃料と第1の燃料電池セルスタックに供給される発電用の酸素を所定の温度まで効率的に昇温することが可能であるから、システムの発電効率の低下を抑制した高効率な燃料電池発電システムを提供できる。
図1は本発明の燃料電池発電システムの実施の形態の構成を示す図である。図1において、27は燃料極排出ガス10のうち燃焼器7に供給される燃料極排出ガス、47は燃料極排出ガス27の供給量を制御する流量制御弁である。
図1に示した実施の形態と図7に示した従来例とは、燃料極排出ガス10の一部を、燃料極排出ガス27として燃焼器7に供給する点が異なる。
つぎに、図1に示した実施の形態の作用について説明する。燃料極排出ガス10の一部が燃料極排出ガス11として改質器2にリサイクルされ、燃料極排出ガス10の残りの一部が燃料極排出ガス17としてCOシフトコンバータ20に供給され、さらに燃料極排出ガス10の残りが燃料極排出ガス27として燃料極排出ガス34および空気極排出ガス12とともに燃焼器7に供給される。燃料極排出ガス27の供給量は、予め設定された流量制御弁14の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)および流量制御弁15の開度(すなわち、燃料極排出ガス11の供給量)と流量制御弁47の開度(すなわち、燃料極排出ガス27の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁47の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量および燃料極排出ガス11の供給量に見合った値に設定する。
図1に示した実施の形態では、燃料極排出ガス27が燃焼器7に供給され、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と燃料極排出ガス34中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させることによって、燃焼ガス13を生成する。
本実施の形態では、PEFCスタック23の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなった場合でも、燃料極排出ガス27、燃料極排出ガス34および空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と燃料極排出ガス34中の未反応水素および未反応燃料を空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させるので、燃料極排出ガス34と空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス34中の未反応水素と未反応燃料を空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させる図7に示した従来の燃料電池発電システムに比べて、燃焼器7で生成する燃焼熱を増加させることができる。このため、PEFCスタック23の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなり、燃料極排出ガス34中の未反応水素と未反応燃料を空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼器7で燃焼させるだけでは、生成する燃焼熱が少なくてSOFCスタック3とPEFCスタック23の発電に必要な天然ガス1とSOFCスタック3の発電に必要な発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温できない場合でも、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温することが可能である。従って、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を所定の温度まで昇温することができなくなることはなく、SOFCスタック3の発電温度が低下することがないから、SOFCスタック3の発電性能も低下することはない。
なお、燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給するために、天然ガス1の供給量は増加させなければならないが、常温の天然ガス1をそのまま燃焼器7に供給して燃焼させる場合や、PEFCスタック23の水素利用率を低下させることによって未反応水素量を増やした100℃以下の燃料極排出ガス34を燃焼器7に供給して燃焼させる場合と比べて、本実施の形態では800℃程度の高温の燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給して燃焼させるので、燃焼器7で同じ燃焼熱を得るために必要な天然ガス1の増加量は少なく、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑制することができる。
図2は本発明の燃料電池発電システムの他の実施の形態の構成を示す図である。図2において、48は水素分離器、50は排出ガス44のうち水素分離器48に供給される排出ガス(水素分離器用改質ガス)、51は水素分離器48により作られた水素で、水素51はPEFCスタック23に供給される。52は水素分離器48から排出される排出ガス、68は燃料極26からのパージガス、67はパージガス68を放出するためのパージ弁、69は燃料極水素排出ガスである。
図2に示した実施の形態は、図1に示した実施の形態とは、CO選択酸化器21と凝縮器22の代わりに水素分離器48を設けた点が異なる。
つぎに、図2に示した実施の形態の作用について説明する。排出ガス50はパラジウム膜等の水素分離膜を有する水素分離器48に供給され、排出ガス50から水素51が分離される。その際、効率的な水素分離を行なうために、必要に応じて排出ガス50の加圧を行なう。水素分離器48で分離された水素51は燃料極26に供給される。水素分離器48の排出ガス52は、燃料極排出ガス27および空気極排出ガス12とともに、燃焼器7に供給される。水素分離器48で分離された水素51は燃料極26に供給され、水素51を発電用空気32中の酸素と電気化学的に反応させることによってPEFCスタック23の発電が行なわれる。未反応水素からなる燃料極水素排出ガス69は、PEFCスタック23の発電効率を向上させるために、全て燃料極26にリサイクルする。しかし、燃料極水素排出ガス69中には水素以外の不純物が若千含まれているので、パージ弁67を間欠的に開け、パージガス68を放出する。
図2に示した実施の形態では、燃料極排出ガス27を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と排出ガス52中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させることによって、燃焼ガス13を生成する。
本実施の形態では、PEFCスタック23の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなった場合でも、燃料極排出ガス27、排出ガス52および空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と排出ガス52中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させるので、排出ガス52と空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、排出ガス52中の未反応水素と未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させる燃料電池発電システムに比べて、燃焼器7で生成する燃焼熱を増加させることができる。このため、PEFCスタック23の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなり、排出ガス52中の未反応水素と未反応燃料を空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼器7で燃焼させるだけでは、生成する燃焼熱が少なくてSOFCスタック3とPEFCスタック23の発電に必要な天然ガス1と、SOFCスタック3の発電に必要な発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温できない場合でも、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温することが可能である。従って、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を所定の温度まで昇温することができなくなることはなく、SOFCスタック3の発電温度が低下することがないから、SOFCスタック3の発電性能も低下することはない。
なお、燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給するために、天然ガス1の供給量は増加させなければならないが、常温の天然ガス1をそのまま燃焼器7に供給して燃焼させる場合や、水素分離器48の水素分離性能を低下させることによって未反応水素量を増やした250℃以下の排出ガス52(COシフトコンバータ20での(7)式に示した水性シフト反応の反応温度が250℃前後であるので、排出ガス52の温度は250℃以下となる)を燃焼器7に供給して燃焼させる場合と比べて、本実施の形態では800℃程度の高温の燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給して燃焼させるので、燃焼器7で同じ燃焼熱を得るために必要な天然ガス1の増加量は少なく、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑制することができる。
図3は、本発明の燃料電池発電システムの他の実施の形態の構成を示す図である。図3において、56は第2の燃料電池セルスタックであるりん酸形燃料電池スタック(以下、PAFCスタックと略す)、55は排出ガス44のうち燃料極59(説明後述)に供給される排出ガス(PAFCスタック用改質ガス)、57はPAFCスタック56の空気極、58はPAFCスタック56のりん酸電解質、59はPAFCスタック56の燃料極、60はPAFCスタック56の発電用空気、61は発電用空気60の供給量を制御する流量制御弁、62はPAFCスタック56の空気極排出ガス、63はPAFCスタック56の燃料極排出ガスである。
図3に示した実施の形態は、図1に示した実施の形態とは、CO選択酸化器21と凝縮器22が不要で、第2の燃料電池セルスタックとしてPEFCスタック23の変わりにPAFCスタック56を用いる点が異なる。
つぎに、図3に示した実施の形態の作用について説明する。COシフトコンバータ20で作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた排出ガス44の一部である排出ガス55を燃料極59に供給する。また、発電用空気60を空気極57に供給する。発電用空気60の供給量は、予め設定されたPAFCスタック56の発電電流と流量制御弁61の開度(すなわち、発電用空気60の供給量)との関係に基づいて、流量制御弁61の開度を制御することによって、PAFCスタック56の発電電流に見合った値に設定する。PAFCスタック56の発電温度は、190℃が一般的であり、電池反応による発熱により発電温度が維持される。
燃料極59では、白金系電極触媒の働きで、排出ガス55に含まれる水素の約80%が、PEFCスタック23の場合と同様に(9)式に示した燃料極反応により水素イオンと電子に変わる。
燃料極59で生成した水素イオンは、りん酸電解質58の内部を移動し、空気極57に到達する。一方、燃料極59で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極57に到達する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーを発電電力として取り出すことができる。
空気極57では、白金系電極触媒の働きで、燃料極59からりん酸電解質58の内部を空気極57まで移動してきた水素イオン、燃料極59から外部回路を空気極57まで移動してきた電子および空気極57に供給された発電用空気60中の酸素が、PEFCスタック23の場合と同様に(10)式に示した空気極反応により反応し、水が生成される。
(9)式と(10)式をまとめると、PAFCスタック56の電池反応は、PEFCスタック23の場合と同様に(11)式に示した水素の電気化学的酸化反応として表すことができる。
発電用空気60は、空気極57で酸素の一部を(10)式に示した空気極反応により消費した後に、空気極排出ガス62として排出される。一方、排出ガス55は、燃料極59で水素の約80%を(9)式に示した燃料極反応により消費した後に、燃料極排出ガス63として、燃料極排出ガス27および空気極排出ガス12とともに、燃焼器7に供給される。
図3に示した実施の形態では、燃料極排出ガス27を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と燃料極排出ガス63中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させることによって、燃焼ガス13を生成する。
本実施の形態では、PAFCスタック56の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなった場合でも、燃料極排出ガス27、燃料極排出ガス63および空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と燃料極排出ガス63中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させるので、燃料極排出ガス63と空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス63中の未反応水素と未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させる燃料電池発電システムに比べて、燃焼器7で生成する燃焼熱を増加させることができる。このため、PAFCスタック56の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなり、燃料極排出ガス63中の未反応水素と未反応燃料を空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼器7で燃焼させるだけでは、生成する燃焼熱が少なくてSOFCスタック3とPAFCスタック56の発電に必要な天然ガス1と、SOFCスタック3の発電に必要な発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温できない場合でも、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温することが可能である。従って、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を所定の温度まで昇温することができなくなることはなく、SOFCスタック3の発電温度が低下することがないから、SOFCスタック3の発電性能も低下することはない。
なお、燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給するために、天然ガス1の供給量は増加させなければならないが、常温の天然ガス1をそのまま燃焼器7に供給して燃焼させる場合や、PAFCスタック56の燃料利用率すなわち水素利用率を低下させることによって未反応水素量を増やした200℃以下の燃料極排出ガス63を燃焼器7に供給して燃焼させる場合と比べて、本実施の形態では800℃程度の高温の燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給して燃焼させるので、燃焼器7で同じ燃焼熱を得るために必要な天然ガス1の増加量は少なく、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑制することができる。
図4は、本発明の燃料電池発電システムの他の実施の形態の構成を示す図である。
図4に示した実施の形態は、図1に示した実施の形態とは、改質器2が不要な点が異なる。
つぎに、図4に示した実施の形態の作用について説明する。昇温用熱交換器70で昇温されかつ脱硫器38で脱硫された天然ガス39は、燃料極排出ガス11と混合され、燃料極排出ガス11と天然ガス39との混合ガス8は燃料極4に供給される。燃料極4では、燃料極触媒の働きにより天然ガス39(天然ガス1)に含まれる炭化水素(主にメタン)の水蒸気改質反応が行なわれ、水素と一酸化炭素が生成する。燃料極4で生成した水素と一酸化炭素がその場で、(3)式および(4)式に示した燃料極反応により消費され、SOFCスタック3の発電が行なわれる。炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応であるが、SOFCスタック3の発電に伴って発生した熱を、炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用する。
燃料極排出ガス10は、一部が燃料極排出ガス11として燃料極4にリサイクルされ、燃料極排出ガス10の残りの一部が燃料極排出ガス17としてCOシフトコンバータ20に供給され、さらに燃料極排出ガス10の残りが燃料極排出ガス27として燃料極排出ガス34および空気極排出ガス12とともに燃焼器7に供給される。
図4に示した実施の形態においても、図1に示した実施の形態と同様に、燃料極排出ガス27を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と燃料極排出ガス34中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させることによって、燃焼ガス13を生成する。
本実施の形態では、PEFCスタック23の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなった場合でも、燃料極排出ガス27、燃料極排出ガス34および空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と燃料極排出ガス34中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させるので、燃料極排出ガス34と空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス34中の未反応水素と未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させる図7に示した従来の燃料電池発電システムに比べて、燃焼器7で生成する燃焼熱を増加させることができる。このため、PEFCスタック23の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなり、燃料極排出ガス34中の未反応水素と未反応燃料を空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼器7で燃焼させるだけでは、生成する燃焼熱が少なくてSOFCスタック3とPEFCスタック23の発電に必要な天然ガス1と、SOFCスタック3の発電に必要な発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温できない場合でも、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温することが可能である。従って、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を所定の温度まで昇温することができなくなることはなく、SOFCスタック3の発電温度が低下することがないから、SOFCスタック3の発電性能も低下することはない。
なお、燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給するために、天然ガス1の供給量は増加させなければならないが、常温の天然ガス1をそのまま燃焼器7に供給して燃焼させる場合や、PEFCスタック23の水素利用率を低下させることによって未反応水素量を増やした100℃以下のPEFスタック23の燃料極排出ガス34を燃焼器7に供給して燃焼させる場合と比べて、本実施の形態では800℃程度の高温の燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給して燃焼させるので、燃焼器7で同じ燃焼熱を得るために必要な天然ガス1の増加量は少なく、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑制することができる。
図5は、本発明の燃料電池発電システムの他の実施の形態の構成を示す図である。
図5に示した実施の形態は、図2に示した実施の形態とは、改質器2が不要な点が異なる。
図5に示した実施の形態においても、図2に示した実施の形態と同様に、燃料極排出ガス27を燃焼器に供給し、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と水素分離諸排出ガス52中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させることによって、燃焼ガス13を生成する。
本実施の形態では、PEFCスタック23の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなった場合でも、燃料極排出ガス27、排出ガス52および空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と排出ガス52中の未反応水素および未反応燃料を空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させるので、排出ガス52と空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、排出ガス52中の未反応水素と未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させる燃料電池発電システムに比べて、燃焼器7で生成する燃焼熱を増加させることができる。このため、PEFCスタック23の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなり、排出ガス52中の未反応水素と未反応燃料を空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼器7で燃焼させるだけでは、生成する燃焼熱が少なくてSOFCスタック3とPEFCスタック23の発電に必要な天然ガス1と、SOFCスタック3の発電に必要な発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温できない場合でも、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温することが可能である。従って、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を所定の温度まで昇温することができなくなることはなく、SOFCスタック3の発電温度が低下することがないから、SOFCスタック3の発電性能も低下することはない。
なお、燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給するために、天然ガス1の供給量は増加させなければならないが、常温の天然ガス1をそのまま燃焼器7に供給して燃焼させる場合や、水素分離器48の水素分離性能を低下させることによって未反応水素量を増やした250℃以下の排出ガス52を燃焼器7に供給して燃焼させる場合と比べて、本実施の形態では800℃程度の高温の燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給して燃焼させるので、燃焼器7で同じ燃焼熱を得るために必要な天然ガス1の増加量は少なく、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑制することができる。
図6は、本発明の燃料電池発電システムの他の実施の形態の構成を示す図である。
図6に示した実施の形態は、図3に示した実施の形態とは、改質器2が不要な点が異なる。
図6に示した実施の形態においても、図3に示した実施の形態と同様に、燃料極排出ガス27が燃焼器7に供給され、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と燃料極排出ガス63中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させることによって、燃焼ガス13を生成する。
本実施の形態では、PAFCスタック56の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなった場合でも、燃料極排出ガス27、燃料極排出ガス63および空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス27中の未反応水素、未反応一酸化炭素および未反応燃料と燃料極排出ガス63中の未反応水素および未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させるので、燃料極排出ガス63と空気極排出ガス12を燃焼器7に供給し、燃料極排出ガス63中の未反応水素と未反応燃料を、空気極排出ガス12中の未反応酸素と燃焼させる燃料電池発電システムに比べて、燃焼器7で生成する燃焼熱を増加させることができる。このため、PAFCスタック56の発電電力が一定のままSOFCスタック3の発電電力が大きくなり、燃料極排出ガス63中の未反応水素と未反応燃料を、空気極排出ガス12中の酸素と燃焼器7で燃焼させるだけでは、生成する燃焼熱が少なくてSOFCスタック3とPAFCスタック56の発電に必要な天然ガス1と、SOFCスタック3の発電に必要な発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温できない場合でも、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を、昇温用燃焼ガス74と昇温用燃焼ガス75を用いて所定の温度まで昇温することが可能である。従って、本実施の形態では、天然ガス1と発電用空気36を所定の温度まで昇温することができなくなることはなく、SOFCスタック3の発電温度が低下することがないから、SOFCスタック3の発電性能も低下することはない。
なお、燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給するために、天然ガス1の供給量は増加させなければならないが、常温の天然ガス1をそのまま燃焼器7に供給して燃焼させる場合や、PAFCスタック56の水素利用率を低下させることによって未反応水素量を増やした200℃以下の燃料極排出ガス63を燃焼器7に供給して燃焼させる場合と比べて、本実施の形態では800℃程度の高温の燃料極排出ガス27を新たに燃焼器7に供給して燃焼させるので、燃焼器7で同じ燃焼熱を得るために必要な天然ガス1の増加量は少なく、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑制することができる。
本発明の燃料電池発電システムの実施の形態の構成を示す図である。 本発明の燃料電池発電システムの他の実施の形態の構成を示す図である。 本発明の燃料電池発電システムの他の実施の形態の構成を示す図である。 本発明の燃料電池発電システムの他の実施の形態の構成を示す図である。 本発明の燃料電池発電システムの他の実施の形態の構成を示す図である。 本発明の燃料電池発電システムの他の実施の形態の構成を示す図である。 従来の燃料電池発電システムの構成を示す図である。
符号の説明
1…天然ガス
2…改質器
3…固体酸化物形燃料電池セルスタック
4…燃料極
7…燃焼器
9…改質ガス
11…燃料極排出ガス
12…空気極排出ガス
17…燃料極排出ガス
20…COシフトコンバータ
21…CO選択酸化器
23…個体高分子形燃料電池セルスタック
27…燃料極排出ガス
28…排出ガス
29…排出ガス
34…燃料極排出ガス
36…発電用空気
48…水素分離器
50…排出ガス
51…水素
52…排出ガス
55…排出ガス
56…りん酸形燃料電池スタック
63…燃料極排出ガス
70…昇温用熱交換器
71…昇温用熱交換器
74…昇温用燃焼ガス
75…昇温用燃焼ガス

Claims (6)

  1. 燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガス中の水素または水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることにより発電を行ない、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素と反応させて二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガス中の水素または水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることにより発電を行ない、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記水素分離器の排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
  3. 燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガス中の水素または水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることにより発電を行ない、前記発電に伴って発生した排熱を前記改質器に供給するとともに、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記改質器に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
  4. 燃料極における燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素とを生成させるとともに、前記水素または前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行ない、前記発電に伴って発生した熱を前記水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素と反応させて二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
  5. 燃料極における燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素とを生成させるとともに、前記水素または前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行ない、前記発電に伴って発生した熱を前記水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記水素分離器の排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
  6. 燃料極における燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素とを生成させるとともに、前記水素または前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行ない、前記発電に伴って発生した熱を前記水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する固体酸化物形燃料電池セルスタックからなる第1の燃料電池セルスタックと、前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素と変換するCOシフトコンバータと、前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行なう固体高分子形燃料電池セルスタックからなる第2の燃料電池セルスタックとを有する燃料電池発電システムにおいて、前記第1の燃料電池セルスタックの前記燃料極排出ガス中の水素、一酸化炭素および燃料を酸素と燃焼させる燃焼器を設け、前記燃焼器に前記第1の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび前記第2の燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスを供給し、前記燃焼器の排熱により前記燃料および前記第1の燃料電池セルスタックに供給される前記酸素を昇温することを特徴とする燃料電池発電システム。
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