JP6405171B2 - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、炭化水素系燃料ガスを改質して生成された燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形燃料電池システムに関する。
従来から、酸素イオンを伝導する膜として固体電解質を用いた燃料電池セルを備え、その片側に燃料ガスを酸化するための燃料極が設けられ、その他側に酸化材(例えば、空気中の酸素)を還元するための酸化極が設けられた固体酸化物形燃料電池システムが知られている。この固体酸化物形燃料電池システムでは、一般的に、固体電解質としてイットリアをドープしたジルコニアが用いられ、700〜1000℃の高温で、燃料ガスを改質した改質燃料ガス中の水素、一酸化炭素、炭化水素と酸化材としての酸素とを電気化学反応させて発電が行われる。このような固体酸化物形燃料電池システムは、他の燃料電池システムやガスエンジンなどに比べて、特に高発電効率での発電が可能なことから、有望な発電技術として開発が行われている。
このような固体酸化物形燃料電池システムおいては、複数の燃料電池セルを積層したセルスタックが用いられ、このセルスタックの作動温度が高いために、セルスタックの発電に寄与しない改質燃料ガス(所謂、余剰燃料ガス)を燃焼させて得られる燃焼熱を、改質水を気化して水蒸気を得るための気化器や、燃料ガスを水蒸気改質するための改質器に直接与えるように構成することができる(例えば、特許文献1参照)。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタックの上方に燃焼域が配設され、セルスタックの燃焼極側から発電に寄与しない改質燃料ガス(余剰燃料ガス)が燃焼域に排出され、その酸素極側から排出される酸化材により燃焼域にて燃焼される。気化器及び改質器は、セルスタックとともに燃料電池ハウジング内に収容され、この燃料電池ハウジング内の燃焼域付近、例えばセルスタックの上方に配設される。気化器での水蒸気発生、また改質器での水蒸気改質は吸熱反応であることから、この燃焼域にて生成される燃焼熱が、これらの水蒸気発生、水蒸気改質に利用され、このように燃焼熱を利用することにより、高温の作動温度を保ちながらセルスタックでの発電反応を維持することができる。
このような燃料電池システムでは、燃料利用率を考慮して、燃料ガスの供給制御などが行われる。燃料利用率とは、燃料ガスの流量に比例するところの燃料ガスの価電子の供給速度に対してどれだけの発電電流を取り出すかの割合であり、この燃料利用率が高くなるほど発電に寄与しない余剰燃料ガスが少なくなって発電効率が高くなり、また燃料利用率が低くなるほど発電に寄与しない余剰燃料ガスが多くなって発電効率が低下する。ところが、燃料利用率が高くなり過ぎると、燃焼域での余剰燃料ガスの燃焼による燃焼熱が少なくなり、燃料電池ハウジング内を高温に維持するための熱量が不足して逆に温度低下を招き、セルスタックの発電性能が低下するために、この燃料利用率はある値よりも大きくすることが難しい。
そこで、この燃料利用率を高くしても高い作動温度を保ち、高い発電効率を維持することができる固体酸化物形燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この固体酸化物形燃料電池システムでは、改質水を気化させるための第1及び第2気化器が設けられ、改質水は第1及び第2気化器に選択的に供給される。そして、第1又は第2気化器にて気化された水蒸気が、水蒸気改質を行う改質器に送給される。第1気化器は、燃料電池ハウジング内に配設され、燃焼域での余剰燃料ガスの燃焼により生成される燃焼熱により加熱され、また第2気化器は、燃料電池ハウジング外に配設され、燃焼域から燃料電池ハウジング外に排出された燃焼排気ガスにより加熱される。
この固体酸化物形燃料電池システムにおいては、起動時などでは改質水は第1気化器に供給され、燃焼域での燃焼熱を利用して第1気化器にて改質水の気化が行われるが、通常の稼働状態では改質水は第2気化器に供給され、燃焼域から燃料電池ハウジング外に排出された燃焼排気ガスの熱を利用して第2気化器にて改質水の気化が行われる。この通常稼働状態では、燃料電池ハウジング内の燃焼域での燃焼熱を利用しないことから、第2気化器での気化熱の熱量分だけ余剰燃料ガスの消費を減らすことができ、その結果、高い燃料利用率を保ちながら燃料電池ハウジング内を高い温度状態に維持して発電運転を継続して行うことができる。
特開2006−19084号公報 特開2010−251309号公報
しかしながら、このような固体酸化物形燃料電池システムでは、次のような解決すべき課題がある。第1に、燃料電池ハウジング外に設けられる第2気化器では、燃料電池ハウジング内に設けられる第1気化器に比して、改質水に熱を与える高温流体(即ち、燃焼排気ガス)の温度が低く、このように温度が低いと、改質水との熱交換に必要な伝熱面積を大きくする必要がある。このように伝熱面積を大きくすると、第2気化器内で滞留する改質水の量が第1気化器に比して多くなり、このような改質水の滞留は、突沸現象(滞留した改質水が気化して一気に流れる現象)の原因となり、この突沸現象が生じると、S/C(スチーム/カーボン比)が急峻に変動し、セルスタックが破損に至る原因の一つとなる。
第2に、セルスタックの発電出力の変化に伴い、燃料電池ハウジング内の燃焼域に排出される余剰燃料ガスの量(即ち、燃焼排気ガスの保有熱量)も変動し、この変動に伴い、気化器内の改質水の滞留量も経時的変動を繰り返すようになる。このような滞留水の変動は、改質水を第1気化器に供給するときの稼働状態よりも改質水を第2気化器に供給するときの稼働状態の方がより大きくなり、この変動は、稼働運転の目標となるS/C(スチーム/カーボン比)の目標値に対する揺らぎとなって現れる。この滞留水の時間的変動が緩やかなときは問題は生じないが、この時間的変動が急峻になると、セルスタックが破損に至る原因の一つとなる。例えば、S/Cが小さい側に振れたときには、水蒸気が少なくなって炭素が析出するおそれが生じ、またS/Cが大きい側に振れたときには、燃料ガスが少なくなって燃料不足となるおそれがある。このような滞留水の経時的変動は、改質水の滞留が生じ易い第2気化器の方が第1気化器に比してより大きくなり易く、セルスタックが破損に至るリスクもより大きくなる。
第3に、第1及び第2気化器に選択的に改質水を供給する構成であるために、改質水を供給するための改質水供給系が2系統必要となり、また改質水供給系統を切り換えるための切換弁も必要となり、その構造及び切換制御が複雑になるとともに、その製造コストも高くなる。また、改質水供給系統を切換制御することに関連して、その切換前後においてS/Cの不連続的変化が発生し易くなる。
本発明の目的は、高い燃料利用率を維持しながら高い発電効率で運転することができ、加えて改質水の滞留を抑えて安定して発電運転することができる固体酸化物形燃料電池システムを提供することである。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムは、炭化水素系燃料ガスと改質水による水蒸気とを改質反応させるための改質器と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元により発電を行う燃料電池セルを備えたセルスタックと、前記セルスタックにおいて発電に寄与しない余剰燃料ガスを燃焼させるための燃焼域と、前記セルスタックに送給される酸化材を前記燃焼域を通して排出される燃焼排気ガスとの間で熱交換を行うための酸化材余熱器と、前記改質器、前記セルスタック及び前記酸化材予熱器を収容するための燃料電池ハウジングと、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
改質水を気化させて水蒸気を生成するための第1及び第2気化器が設けられ、前記燃料電池ハウジングは、金属製の内側ハウジングと、前記内側ハウジングを囲繞するように設けられ且つ内壁面が断熱材で覆われた外側ハウジングとから構成され、前記内側ハウジングにより規定される第1収容室に前記改質器、前記セルスタック、前記酸化材余熱器及び前記第1気化器が収容され、前記外側ハウジングと前記内側ハウジングとの間の第2収容室に前記第2気化器が収容され、改質水は、前記第2気化器から改質水送給流路を通して前記第1気化器に送給され、
また、前記第2気化器は、前記第1気化器よりも上方に配設され、前記改質水送給流路は、前記第2気化器から前記第1気化器まで鉛直乃至下り勾配で延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記第2気化器は、前記内側ハウジングの外側に接触乃至近接して配設され、前記第1収容室から前記外側ハウジングを介して伝達される熱を利用して、前記第2気化器での水蒸気気化が行われることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記第2気化器は、改質水が流れる改質水流路を規定する気化器本体を備え、前記気化器本体の上端部に改質水流入部が設けられ、その下端部に改質水流出部が設けられ、前記改質水流出部が前記改質水送給流路に連通され、前記改質水流路は、前記改質水流入部から前記改質水流出部まで鉛直乃至下り勾配で延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記第2気化器の前記改質水流路には、熱の伝達を促進する伝熱促進部材が充填されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記第2気化器の前記改質水流路及び前記改質水供給流路の少なくとも一方に温度検知手段が配設され、高い燃料利用率での定常運転状態において、前記温度検知手段の検知温度が急激に低下すると、システムにおける燃料利用率が小さくなるように制御することを特徴とする。
更に、本発明の請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記第2気化器の前記改質水流路及び前記改質水送給流路の少なくとも一方に温度検知手段が配設され、前記温度検知手段の検知温度に基づいて、炭化水素系燃料ガス、改質水及び空気の少なくとも一つの供給流量及び/又は前記セルスタックの発電出力を制御することを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、第1気化器は、内側ハウジングの第1収容室に収容され、燃焼域における余剰燃料ガスの燃焼により加熱され、また第2気化器は、外側ハウジングの第2収容室に収容され、第1収容室から内側ハウジングを介して伝達される熱により加熱され、改質水は、第2気化器から改質水送給流路を通して第1気化器に送給されるので、改質器に送給される改質水は、まず、内側ハウジングからの熱を受けて加熱される第2気化器にて気化され、その後内側ハウジング内の燃焼域での余剰燃料ガスの燃焼により加熱される第1気化器にて気化される。従って、内側ハウジングを介して伝達される熱を改質水の気化に利用しており、それ故に、この第2気化器での気化熱分だけ余剰燃料ガスの消費を少なくすることができ、その結果、高い燃料利用率を維持しながら高い発電効率でシステムを運転することができる。
また、第2気化器は、第1気化器よりも上方に配設され、改質水送給流路は、第2気化器から第1気化器に向けて鉛直乃至下り勾配で延びているので、第2気化器から改質水送給流路に改質水が流れると、この改質水は、改質水送給流路を通して第1気化器に流下し、この第1気化器にて燃焼域での余剰燃料ガスの燃料による熱でもって気化されて改質器に送給される。従って、改質水送給流路での改質水の滞留を少なくすることができ、これによって、S/C(スチーム/カーボン比)の変動を抑え、水蒸気を安定して改質器に送給することができる。
更に、第2気化器は、第1気化器よりも上方に配設され、改質水は、第2気化器から改質水送給流路を通して第1気化器に送給されるので、改質水供給系は一系統で切換弁なども必要とせず、改質水供給系に関する構成を簡単にすることができるとともに、その製作コストの低減を図ることができる。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、第2気化器が内側ハウジングの外側に接触乃至近接して配設されるので、第1収容室内の熱が内側ハウジングを介して第2気化器に効率良く伝達され、第1収容室内から伝達される熱を利用して第2気化器での水蒸気気化を行うことができる。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、第2気化器の改質水流路は、気化器本体の上端部の改質水流入部からその下端部の改質水流出部まで鉛直乃至下り勾配で延びているので、改質水流入部から流入した改質水は改質水流路を通して流下し、この第2気化器における改質水の滞留を少なくすることができ、これによって、S/C(スチーム/カーボン比)の変動を更に抑えることができる。
また、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、第2気化器の改質水流路に伝熱促進部材が充填されているので、改質水への熱伝達を伝熱促進部材を介して効果的に行うことができ、これによって、改質水の水蒸気気化を効率良く行うことができる。
また、本発明の請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、高い燃料利用率での定常発電状態において、第2気化器(又は改質水供給流路)に配設された温度検知手段の検知温度が急激に低下し、第2気化器の気化能力の低下傾向が推定される状況になったときには、システムにおける燃料利用率を小さくするように制御し、余剰燃料ガスを多くして余剰燃料ガスの燃焼熱量を増加させ、これによって、第2気化器の気化能力を回復させることができ、かくして、第2気化器の気化能力を維持して、安定して発電運転することができる。
更に、本発明の請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、第2気化器及び改質水送給流路の少なくとも一方に温度検知手段が配設され、この温度検知手段の検知温度に基づいて、炭化水素系燃料ガス、改質水及び空気の少なくとも一つの供給流量(及び/又はセルスタックの発電出力)が制御されるので、第2気化器にあっては第2気化器を流れる改質水に関連する温度、改質水送給流路にあっては改質水送給流路を流下する改質水に関連する温度に基づいて、炭化水素系燃料ガス、改質水及び空気の少なくとも1つ(及び/又はセルスタックの発電出力)を所要の通りに制御して燃料電池システムを安定して発電運転することができる。
本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第1の実施形態を示す簡略図。 図1の固体酸化物形燃料電池システムの第2気化器を簡略的に示す断面図。 第2気化器の変形形態を示す断面図。 本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第2の実施形態を示す簡略図。 第2気化器の更に他の変形形態を示す断面図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの各種実施形態について説明する。
〈第1の実施形態〉
まず、図1及び図2を参照して、第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。図1において、図示の固体酸化物形燃料電池システム2は、燃料ガスとして例えばメタンを主成分とする炭化水素系燃料ガス、例えば天然ガス(都市ガス)を消費して発電を行うものであり、炭化水素系燃料ガスを改質して改質燃料ガスを生成するための改質器4と、改質器4にて生成された改質燃料ガス及び酸化材としての空気(空気中に含まれる酸素)の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形のセルスタック6と、を備えている。尚、以下の説明において、燃料ガスとしての炭化水素系燃料ガスを「原燃料ガス」という場合がある。
セルスタック6は、燃料電池反応によって発電を行うための複数の固体酸化物形の燃料電池セルを有し、これら燃料電池セルを集電部材を介して積層して構成される。燃料電池セルは、図示していないが、酸素イオンを伝導する固体電解質と、この固体電解質の一方側に設けられた燃料極と、固体電解質の他方側に設けられた酸素極とを備え、固体電解質として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。
この固体酸化物形燃料電池システム2では、水(以下の説明において、「改質用水」という場合がある)を気化して改質器4に供給するための気化器として2つの気化器、即ち第1気化器10及び第2気化器12を備え、第1気化器10の上流側に第2気化器12が配設されている。セルスタック6の燃料極の導入側は、改質燃料ガス送給流路14を介して改質器4に接続され、この改質器4は、ガス・水蒸気送給流路16を介して第1気化器10に接続され、この第1気化器10は、改質水送給流路18を介して第2気化器12に接続されている。
この第2気化器12は、改質水を供給するための改質水供給手段20に接続されている。図示の形態では、改質水供給手段20は、水タンクの如き水供給源22及び水供給源22の改質水を第2気化器12に供給する改質水供給流路24を備え、この改質水供給流路24に水供給ポンプ26が配設されている。このように構成されているので、水供給ポンプ26が作動すると、水供給源22からの改質水が改質水供給流路24を通して第2気化器12に供給される。
また、この第2気化器12は、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段28に接続されている。図示の燃料ガス供給手段28は、原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給源30及びこの原燃料ガスを第2気化器10に供給する燃料ガス供給流路32を備え、この燃料ガス供給流路32に、脱硫器34、ガス供給ポンプ36及び流量センサ38が配設されている。脱硫器34は原燃料ガスに含まれる硫黄成分を除去し、ガス供給ポンプ36は燃料ガス供給源30からの原燃料ガスを燃料ガス供給流路32を通して第2気化器12に送給し、また流量センサ38は燃料ガス供給流路32を通して供給される原燃料ガスの流量を計測する。この燃料ガス供給流路32には、更に、開閉弁40及び42が配設されている。2連の開閉弁40及び42は燃料ガス供給流路32を開閉して燃料ガスの供給、供給停止を行う。このように構成されているので、開閉弁40,42が開状態においてガス供給ポンプ36が作動すると、燃料ガス供給源30からの燃料ガスが燃料ガス供給流路32を通して第2気化器12に供給される。
改質器4は、改質触媒として例えばアルミナにルテニウムを担持させたものが用いられ、この改質触媒により燃料ガスを後述するように水蒸気改質する。この実施形態では、第2気化器12は、改質水供給流路24を通して供給される水を気化させて水蒸気を発生するとともに、この発生した水蒸気と燃料ガス供給流路32を通して供給される燃料ガスとを混合する。また、第1気化器10は、第2気化器12から改質水送給流路18を通して送給される改質水を気化させて水蒸気を発生するとともに、この発生した水蒸気と第2気化器12から改質水送給流路18を通して送給される混合燃料ガス(燃料ガスと水蒸気との混合燃料ガス)とを混合して開始付き4に送給する。
この実施形態では、改質器4と第1気化器10とを別体に構成しているが、これら改質器4及び第1気化器10を一体的に構成するようにしてもよい。また、燃料ガス供給流路32を第2気化器12に接続しているが、このような構成に代えて、この燃料ガス供給流路32を第1気化器10に接続するようにしてもよく、或いは改質器4に接続して燃料ガス供給源30からの原燃料ガスを改質器4に直接的に送給するようにしてもよい。
セルスタック6の酸素極の導入側には、酸化材としての空気を供給するための酸化材供給手段44が接続されている。図示の酸化材供給手段44は、酸化材としての空気(即ち、空気中の酸素)を供給するための酸化材供給源46(実施形態の場合、周囲の外気が酸化材供給源となる)と、酸化材供給源46からの酸化材をセルスタック6の酸素極側に供給する酸化材供給流路48とを備え、この酸化材供給流路48に送風プロア50及び酸化材余熱器52が配設されている。酸化材余熱器52は、例えば酸化材余熱用熱交換器から構成され、後述するように燃焼排気ガスを利用して酸化材供給流路48(即ち、酸化材余熱器52の空気流路53)を流れる空気を加熱する。このように構成されているので、送風ブロア50が作動すると、周囲の空気が酸化材供給流路48を通してセルスタック6の燃料極側に供給され、かく供給される空気が酸化材余熱器52にて加熱される。
セルスタック6の燃料極及び酸素極の各排出側には燃焼域54が設けられ、セルスタック6の燃料極側から排出された余剰の燃料ガスとその酸素極側から排出された空気(酸素を含含む)とがこの燃焼域54に送給されて燃焼される。この燃焼室54は排気ガス送給流路56が連通され、この排気ガス送給流路56に酸化材余熱器52(その燃焼排気ガス流路58)が配設され、この酸化材余熱器52が排気ガス排出流路60に接続されている。このように構成されているので、燃焼域54からの燃焼排気ガスは、排気ガス送給流路56及び酸化材余熱器52を通して大気中に排出され、かく送給される間に、酸化材予熱器52において、排気ガス流路58を流れる燃焼排気ガスと空気流路53を流れる空気(酸化材)との間で熱交換が行われ、この熱交換により加熱された空気がセルスタック6に送給され、熱交換により温度が下がった燃焼排気ガスが排気ガス排出流路58を通して排出される。
この実施形態では、改質器4及びセルスタック6などを収容するための燃料電池ハウジング62が二重ハウジング構造に構成され、内側に配設される箱状の内側ハウジング64と、内側ハウジング64を囲繞するように設けられた箱状の外側ハウジング66とを備えている。内側ハウジング64は、例えばステンレス鋼などの高耐熱性の金属材料から形成され、この内側ハウジング64が第1収容室68を規定し、この第1収容室68内にセルスタック6、燃焼域54、改質器4、第1気化器10及び酸化材予熱器52が収容され、改質器4及び第1気化器10は燃焼域54の近傍、例えばその上方に配設される。また、外側ハウジング66は、鉄、ステンレス鋼などの金属材料の枠組構造体を備え、この枠組構造体の内面を覆うように断熱材(図示せず)が配設され、この断熱材を枠組構造体に保持固定することにより外側ハウジング66が構成される。この外側ハウジング66は、内側ハウジング64との間に第2収容室70を規定し、かかる第2収容室70内に第2気化器12が収容される。第1収容室68及び第2収容室70は高温状態に保たれ、主として、第1収容室68は、燃焼域54での余剰燃料ガスの燃焼による燃焼熱によって高温状態に保たれ、内側ハウジング64を介して第1収容室68の周囲を覆う第2収容室70は、第1収容室68内の高温の熱が内側ハウジング64を介して第2収容室70に伝達されることによって高温状態に保たれる。
このような構成に関連して、第2気化器12は、内側ハウジング64に接触乃至近接して設けるのが好ましく、例えば、内側ハウジング64の上壁74に接触乃至近接して設けられ、このように構成することによって、第1収容室68内の高温の熱を内側ハウジング64を介して第2気化器12に効果的に伝達することができる。
このように構成することによって、第1収容室68内の改質器4及び第1気化器10は、燃焼域54における余剰燃料ガスの燃焼により加熱され、この燃焼熱を利用して第1気化器10における改質水の水蒸気気化、また改質器4における混合燃料ガスの水蒸気改質が行われ、また第2収容室70内の第2気化器12は、内側ハウジング64を介して伝達される熱により加熱され、この熱を利用して第2気化器12における水蒸気気化が行われ、この水蒸気気化には、燃焼域54の燃焼熱が直接的に利用されることがない。
この実施形態では、固体酸化物形燃料電池システム2の各種装置(例えば、水供給ポンプ26、ガス供給ポンプ36、送風ブロア50など)の作動を制御するためのコントローラ76が設けられ、流量センサ38からの検知信号がこのコントローラ76に送給される。尚、コントローラ76は、上述の各種装置を作動制御するとともに、2連の開閉弁40及び42なども作動制御する。
この固体酸化物形燃料電池システム2の発電運転を概説すると、次の通りである。固体酸化物形燃料電池システム2を起動操作すると、送風ブロア50が作動して水供給手段44からの空気が酸化材余熱器52を通してセルスタック6の酸素極側に供給され、送風ブロア50の回転数を制御することによって、空気の供給量が制御される。また、開閉弁40,42が開状態となり、ガス供給ポンプ36が作動して燃料ガス供給手段28からの燃料ガス(原燃料ガス)が脱硫器34、第2気化器12、第1気化器10及び改質器4を通してセルスタック6の燃料極側に供給され、ガス供給ポンプ36の回転数を制御することによって、燃料ガスの供給量が制御される。更に、燃焼域54に配設された点火装置(図示せず)が点火作動し、このようにして燃焼域54にて燃料ガスの燃焼が行われる。
この燃焼域54での燃料ガスの燃焼熱によって第1気化器10の温度が上昇する(例えば200℃程度まで上昇する)と、水供給ポンプ26が作動して改質水供給手段20からの改質水が第2気化器12を通して第1気化器10に供給され、水供給ポンプ26の回転数を制御することによって、改質水の供給量が制御される。このとき、第1収容室64内の熱が内側ハウジング64を介して第2収容室70に伝達され、かく伝達された熱を利用して、第2気化器1に供給された改質水の一部が気化されて水蒸気となり、かく発生した水蒸気に燃料ガス供給流路32からの燃料ガスが混合され、混合燃料ガス含む改質水が改質水送給流路18を通して第1気化器10に送給される。また、燃焼域54の余剰燃料ガスによって第1気化器10が加熱されるので、第1気化器10に送給された改質水は、この燃焼熱により気化されて水蒸気となり、この第1気化器10にて水蒸気と混合燃料ガスとが更に混合され、混合燃料ガス(燃料ガスと水蒸気とが混合した混合ガス)がガス・水蒸気送給流路16を通して改質器4に送給される。改質水供給手段20からの改質水は、このように第2気化器12及び第1気化器10を通して流れる間に水蒸気となり、このように発生する水蒸気と燃料ガス供給流路32を通して供給される燃料ガスとが所要の通りに混合される。
改質器4においては、混合燃料ガスの水蒸気改質反応が行なわれ、改質された燃料ガス(改質燃料ガス)が改質燃料ガス送給流路14を通してセルスタック6の燃料極側に送給される。また、酸化材送給手段44からの空気は、酸化材供給流路48を通して酸化材予熱器52に供給され、この酸化材予熱器52において燃焼域54より排出されて排気ガス送給流路56を通して流れる燃焼排気ガスとの間で熱交換され、熱交換により加温された空気がセルスタック6の酸素極側に送給される。
このようにしてセルスタック6の温度が作動温度に達する(例えば、セルスタック6が650℃程度に達する)と、固体酸化物形燃料電池システム2の発電運転が行われる。この発電運転においては、セルスタック6の燃料極側では改質燃料ガスの酸化が行われ、その酸素極側では空気中の酸素の還元が行われ、燃料極側の酸化及び酸素極側の還元による電気化学反応により発電が行われる。セルスタック6の燃料極側から排出される燃料ガスは、その酸素極側から排出される空気(燃焼空気)中の酸素を利用して燃焼され、この余剰燃料ガスの燃焼熱を利用して改質器4及び第1気化器10が上述したように加熱される。
燃焼域54での燃焼により生じた燃焼排気ガスは、排気ガス送給流路56を通して酸化材予熱器52に送給され、この酸化材予熱器52において酸化材供給手段44から供給される空気との熱交換に利用された後に、排気ガス排出流路60を通して大気に排出される。
この実施形態では、第1気化器10が第1収容室68に収容され、第2気化器12が第2収容室70内に収容されていることに関連して、更に、次の通りに構成されている。第2気化器12については、図2に示す通りに構成されている。図2において、この第2気化器12は、改質水が流れる改質水流路80を規定する気化器本体82を備えている。この気化器本体82は、改質水の流れ方向に細長い箱状に形成され、その全体が改質水の流れ方向に見て下方に傾斜する下り勾配に構成されている。
気化器本体82の一端壁(改質水の流れ方向に見て上流側の端壁)には、改質水流入部84及び燃料ガス流入部86が設けられており、改質水供給流路24からの改質水は、矢印で示すように改質水流入部84から改質水流路80に供給され、また燃料ガス供給流路32からの燃料ガス(原燃料ガス)は、矢印で示すように燃料ガス流入部86を通して改質水流路80に供給される。また、この気化器本体82の他端部(改質水の流れ方向に見て下流端部)には、改質水流出部88が設けられ,改質水流路80は、改質水流入部84から改質水流出部88までその流れ方向に下り勾配に構成されている。このような場合、例えば、気化器本体82の一端部を金属製の支持部材90を介して内側ハウジング64の上壁74に支持するとともに、その他端部をこの上壁74に直接的に支持するようにすればよく、改質水流出部88については、内側ハウジング64の上壁74を貫通して第1収容室68内に突出するように構成される。
このように構成されているので、改質水供給流路24から気化器本体82の改質水流路80に流入した改質水は、気化器本体82の底面上を下方に改質水流出部88に流下し、かく流下する間に、内側ハウジング64を介して伝達される熱を受けてその一部が水蒸気気化され、また、燃料ガス供給流路32からこの改質水流路80に流入した燃料ガスは、改質水流路80を下流側に流れ、かく流れる間に、内側ハウジング64を介して伝達される熱を受けて加熱されるとともに、生成された水蒸気と混合されて混合燃料ガスとなり、この実施形態では、この改質水流路80は、水蒸気と燃料ガスとを予熱混合する予熱混合室としても作用する。そして、気化されない改質水及び混合燃料ガスは、改質水流出部88から改質水送給流路18を通して第1気化器10に送給される。
この第2の気化器12に関連して、次のように構成するのが望ましい。第2の気化器12(具体的には、その改質水流出部94)と第1気化器10(具体的には、その流入部)とを連通する改質水送給流路18が、その全長にわたって鉛直乃至下り勾配(図1参照)で下方に延びているのが望ましく、このように構成することによって、第2気化器12を通して流れた改質水は下方に第1気化器10に向けて流下し、改質水送給流路18にて滞留することなく第1気化器10に送給される。従って、第2気化器12からの改質水は、第1気化器10に少しずつ送給され、第1気化器10にて改質水が少しずつ気化されて水蒸気となり、これにより、一時的に大量の水蒸気が発生して下流側に送給されるのを防止し、S/C(スチーム/カーボン比)が大きく変動するのを抑えることができる。
また、第2気化器12においては、その改質水流路70が全長にわたって、即ち改質水流入部84から改質水流出部88にわたって、鉛直乃至下り勾配(図2参照)で下方に延びているのが望ましく、このように構成することによって、第2気化器12に供給された改質水は、改質水流路80内を下方に(具体的には、気化器本体82の底壁の内面に沿って下方に)改質水流出部88に向けて流れ、改質水流路80にて滞留することなく改質水送給流路18に流れる。従って、第2気化器12内においては、改質水は少しずつ下方に流れて気化され、これによって、一時的に大量の改質水が改質水送給流路18に送給されるのを防止し、S/Cが大きく変動するのを抑えることができる。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、上述した構成に関連して、更に、次のような特徴を有する。セルスタック6の定常発電状態においては、第1収容室68内の高温の熱が内側ハウジング64を介して第2収容室70内に伝達されて高温状態に保たれる。このような場合、第2気化器12の気化器本体82自体も高温状態に保たれ、改質水供給流路24を通して供給される改質水は、この第2気化器12の改質水流路80を通して流れる間にその大部分乃至全部が気化されて水蒸気となり、このように生成された水蒸気(少しの改質水を含む場合がある)が燃料ガスと混合されて第1気化器10に送給される。このような場合、第1気化器10にて改質水の気化がほとんど行われず、このようなときには、燃焼域54での余剰燃料ガスの燃焼による燃焼熱の発生を少なく抑えても問題はなく、燃料ガスの消費を考慮すると、燃料利用率を高めるように制御することが可能となり、例えばシステムの燃料利用率を例えば70%程度から例えば75〜80%程度に5〜10ポイント程度高めることが可能とり、コントローラ64によりこのように燃料利用率を高める制御を行うことによって、セルスタック6の作動温度を高温状態に保ったまま発電効率を高めることができる。
第2気化器としては、例えば、図3に示す構成のものを用いるようにしてもよい。図3に示す変形形態の第2気化器12Aは、細長い直方体状の気化器本体82Aを備え、この気化器本体82Aの底壁が燃料電池ハウジングにおける内側ハウジング66の上壁74の上面に接触するように配設され、このように構成することによって、内側ハウジング66の上壁74からの熱は直接的に第2気化器12Aに伝達され、第2気化器12Aをより効果的に加熱することができる。
この変形形態では、改質水流路80Aを改質水の流れ方向に下り勾配とするために、気化器本体82A内に仕切りプレート102が設けられ、この仕切りプレート102は、気化器本体82Aの一端(改質水の流れ方向に見て上流側の一端)(即ち、改質水流入部84)からその他端(改質水の流れ方向に見て下流側の他端)(即ち、改質水流出部88)まで下り勾配で直線状に傾斜して延びている。このように構成することによって、改質水流路80A、特に改質水が下流側に流れる底壁面が下り勾配となり、改質水流入部84から流入した改質水は、仕切りプレート102の表面上を滞留することなく下流側に流下し、かく流下する間に、改質水の一部が水蒸気気化され、上述した第2気化器12と同様の作用効果が達成される。
第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、図1及び図2に示すように、第2気化器12の改質水流出部88の近傍に温度検知手段104が配設されている。この温度検知手段104は、例えば熱電対などから構成することができ、改質水流路80の下流端部における改質水の温度を検知する。この温度検知手段104は、第2気化器12に代えて、改質水送給流路18の上流部に設けるようにしてもよい。
この温度検知手段104の検知温度を利用して、例えば次のように制御することができる。この検知温度を利用した制御の1つとして、かかる検知温度に基づいて、原燃料ガス、改質水及び空気の少なくとも1つの送給流量及び/又はセルスタック6の発電出力を制御するのが望ましく、このように制御することによって、セルスタック6での発電反応、また燃焼域54での余剰燃料ガスの燃焼、更には改質水の水蒸気気化を安定させることができる。
セルスタック6の定常発電状態においては、この温度検知手段104の温度は所定温度範囲、例えば140〜180℃の範囲に保たれるように制御され、温度検知手段104の検知温度がこの所定温度範囲よりも高く(又は低く)なると、原燃料ガスに関しては、燃焼域54での余剰燃料ガスの燃焼量が多い(又は少ない)として、原燃料ガスの供給流量が少なくなる(又は多くなる)ようにガス供給ポンプ36(図1参照)を制御し、改質水に関しては、改質水の供給量が少なく(又は多く)て第2気化器12での水蒸気気化が過剰である(又は不充分である)として、改質水の供給流量が多くなる(又は少なくなる)ように水供給ポンプ26(図1参照)を制御し、また空気に関しては、空気の供給流量が多くなる(少なくなる)ように送風ブロア50を制御し、更にセルスタック6の発電出力に関しては、燃料利用率が大きくなる(又は小さくなる)ように発電出力を調整するのが望ましい。
また、温度検知手段104の検知温度を利用した制御の他の1つとして、この検知温度が所定温度(例えば、130℃前後に設定される)を超えたときには、第2気化器12に供給された改質水が全て水蒸気気化されたと判断することができ、このような場合、燃料ガス供給流路28からセルスタック6に供給される原燃料ガスの供給量を減少させ(これによって、燃焼域54での余剰燃料ガスの燃焼量を少なくする)、このようにして原燃料ガスの燃料利用率を増加させるように制御することができる。この場合、燃料電池システムにおける燃料利用率を例えば5〜10ポイント程度大きくするように制御することができ、その結果、セルスタック6の作動温度を高温状態に維持しながら発電効率を高めることができる。
また、温度検知手段104の検知温度を利用した制御の更に他の1つとして、高い燃料利用率(例えば、燃料利用率が75%以上)での定常発電状態において、この温度検知手段160の検知温度が急激に下降変動した(例えば、1分間当たりに換算した温度変動の割合が例えば5℃/分以上である)場合、燃焼域54での余剰燃料ガスの燃焼量が少なく、今後気化不良が発生すると推定しその燃焼量を多くする必要があるとして、燃料利用率を小さくするように原燃料ガスの供給量の制御を行うことが望ましく、このように燃料利用率を制御することによって、第2気化器12での水蒸気気化の悪化を未然に防ぎ、セルスタック6の発電状態を安定させることができる。
〈第2の実施形態〉
次に、図4を参照して、第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。この第2の実施形態では、燃焼域からの燃焼排気ガスが酸化材予熱器を通して第2気化器に送給された後に排出されるように構成されている。尚、この第2の実施形態において、上述した第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図4において、図示の固体酸化物形燃料電池システム2Bにおける第2気化器12Bは、改質水が流れる改質水流路112及び燃焼排気ガスが流れる排気ガス流路114を規定する気化器本体82Bを備え、この改質水流路112に改質水供給流路24及び燃料ガス供給流路32が接続され、また排気ガス流路114に燃焼域54からの燃焼排気ガスを第2気化器12Bに送給する排気ガス送給流路56Bが接続される。この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムのその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムにおいては、改質水供給手段20からの改質水は、改質水供給流路24を通して第2気化器12Bの改質水流路112に供給されるとともに、燃料ガス供給手段20からの原燃料ガスは、燃料ガス供給流路32を通して第2気化器12Bの改質水流路112に供給され、また燃焼域54からの燃焼排気ガスは、排気ガス送給流路56B及び酸化材予熱器52を通して第2気化器12Bの排気ガス流路114に送給され、この第2気化器12Bの排気ガス流路114を通して流れた後に排気ガス排出流路60Bを通して大気中に排出される。
第2の気化器12Bにおいては、第1収容室68から内側ハウジング64を介して第2収容室70に伝達される熱を受熱して、また排ガス流路14を流れる燃焼排気ガスとの熱交換により、改質水流路112を流下する改質水の水蒸気気化が行われるとともに、発生した水蒸気と燃料ガスとの混合燃料ガスの加熱が行われ、加熱された混合燃料ガス及び気化されない改質水が改質水送給流路18を通して第1気化器10に送給される。このように、この第2の実施形態では、燃焼域54から大気中に排出される燃焼排気ガスの熱を第2気化器12Bにおける改質水の水蒸気気化に用いているので、この水蒸気気化に用いる熱量分に相当する熱量分だけシステムの燃料利用率を高めることができ、その結果、燃焼電池システムの発電効率を高めることができる。
この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システム2Bにおける第2気化器12Bとしては、例えば、図5に示すものを適用することができる。この変形形態では、第2気化器12Bを含む気化器ユニット142として構成されている。図5において、図示の気化器ユニット142は、ユニットハウジング144を備え、このユニットハウジング144内に第2気化器12Bが収容されている。
この第2気化器12Bは、外径が大きい第1ハウジング146と、外径が小さい第2ハウジング148とを備え、この第2ハウジング148が第1ハウジング146の内側に配設されて、第2ハウジング148がその内側に改質水流路112を規定し、第1ハウジング146が第2ハウジング148との間に環状の排気ガス流路114を規定する。
この形態では、第2ハウジング148の上端部(この形態では、上壁)に改質水流入部150及び燃料ガス流入部152が設けられ、その下端部(この形態では、底壁)に改質水流出部154が設けられ、改質水流路112は、改質水流入部150から改質水流出部154まで鉛直方向下方に延びている。このように構成されているので、改質水は改質水流入部150を通して流入し、また燃料ガスは燃料ガス流入部152を通して流入し、かく流入した改質水及び燃料ガスが改質水流路112内を下方に流れ、かく流れる間に、上述したようにして改質水の水蒸気気化及び発生した水蒸気と燃料ガスとの混合が行われ、この混合燃料ガス及び気化されない改質水が改質水流出部154から改質水送給流路18(図4参照)を通して第1気化器10(図4参照)に送給され、このように構成しても改質水流路154内に改質水が滞留することを防止することができる。
また、第1ハウジング146の下端部に排気ガス流入部156が設けられ、その上端部に排気ガス流出部158が設けられ、排気ガス流入部156から流入した燃焼排気ガスは排気ガス流路114を通して上方に流れ、排気ガス流出部158から排気ガス排出流路60B(図4参照)を通して大気中に排出され、このとき、排気ガス流路114を流れる燃焼排気ガスと改質水流路112を流れる改質水及び燃料ガスとの間で熱交換が行われる。
この第2気化器12Bでは、燃焼排気ガスが流れる排気ガス流路114に燃焼触媒160が充填されている。この燃焼触媒160は、排気ガス流路114を通して流れる燃焼排気ガス中に含まれている未燃焼ガスを燃焼し、このように燃焼させることにより、未燃焼ガスの燃焼熱も第2気化器12Bにおける改質水の水蒸気気化に用いることができるとともに、排気ガス排出流路60Bを通して未燃焼ガスが排出されるのを抑えることができる。
また、このように燃焼触媒160が設けられることに関連して、排気ガス流路114の周囲(即ち、第1ハウジング146の外周側)に予熱加熱手段162が配設され、この予熱加熱手段162は、例えばリング状の電気ヒータから構成される。尚、第2気化器12B及び予熱加熱手段162は、断熱材164により覆われてユニットハウジング144内に収容されている。
この気化器ユニット142において、予熱加熱手段162が作動して燃焼触媒160を加熱すると、予熱加熱手段162からの熱により燃焼触媒160の活性化が図られ、起動時などにおいて燃焼排気ガス中の未燃焼ガスを所望の通りに燃焼させることができる。加えて、予熱加熱手段162は、排気ガス流路114及び第2ハウジング148を介して改質水流路112を流れる改質水及び燃料ガスを加熱するので、予熱加熱手段162の熱を有効に利用して第2気化器12Bの全体を効率良く加熱することができる。
この第2気化器12Bでは、更に、改質水流路112に多数の伝熱促進部材166が配設されている。これら伝熱促進部材166は、例えば、セラミック材料、金属材料(例えば、ステンレス鋼など)製のボール状部材などから形成することができ、燃焼排気ガスからの熱を伝達し、改質水流路112を流れる改質水及び燃料ガスを効果的に加熱し、改質水の水蒸気気化を促進させることができる。
以上、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
2,2B 固体酸化物形燃料電池システム
4 改質器
6 セルスタック
10 第1気化器
12,12A,12B 第2気化器
18 改質水送給流路
24 改質水供給流路
32 燃料ガス供給流路
48 酸化材供給流路
52 酸化材予熱器
54 燃焼域
60,60B 排気ガス送給流路
62 燃料電池ハウジング
64 内側ハウジング
66 外側ハウジング
68 第1収容室
70 第2収容室
80,80A,112 改質水流路
82,82A 気化器本体
104 温度検知手段
114 排気ガス流路
146 外側ハウジング
148内側ハウジング
160 燃焼触媒
162 予熱加熱手段」
166 伝熱促進部材


















Claims (6)

  1. 炭化水素系燃料ガスと改質水による水蒸気とを改質反応させるための改質器と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元により発電を行う燃料電池セルを備えたセルスタックと、前記セルスタックにおいて発電に寄与しない余剰燃料ガスを燃焼させるための燃焼域と、前記セルスタックに送給される酸化材を前記燃焼域を通して排出される燃焼排気ガスとの間で熱交換を行うための酸化材余熱器と、前記改質器、前記セルスタック及び前記酸化材予熱器を収容するための燃料電池ハウジングと、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
    改質水を気化させて水蒸気を生成するための第1及び第2気化器が設けられ、前記燃料電池ハウジングは、金属製の内側ハウジングと、前記内側ハウジングを囲繞するように設けられ且つ内壁面が断熱材で覆われた外側ハウジングとから構成され、前記内側ハウジングにより規定される第1収容室に前記改質器、前記セルスタック、前記酸化材余熱器及び前記第1気化器が収容され、前記外側ハウジングと前記内側ハウジングとの間の第2収容室に前記第2気化器が収容され、改質水は、前記第2気化器から改質水送給流路を通して前記第1気化器に送給され、
    また、前記第2気化器は、前記第1気化器よりも上方に配設され、前記改質水送給流路は、前記第2気化器から前記第1気化器まで鉛直乃至下り勾配で延びていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
  2. 前記第2気化器は、前記内側ハウジングの外側に接触乃至近接して配設され、前記第1収容室から前記外側ハウジングを介して伝達される熱を利用して、前記第2気化器での水蒸気気化が行われることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  3. 前記第2気化器は、改質水が流れる改質水流路を規定する気化器本体を備え、前記気化器本体の上端部に改質水流入部が設けられ、その下端部に改質水流出部が設けられ、前記改質水流出部が前記改質水送給流路に連通され、前記改質水流路は、前記改質水流入部から前記改質水流出部まで鉛直乃至下り勾配で延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  4. 前記第2気化器の前記改質水流路には、熱の伝達を促進する伝熱促進部材が充填されていることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  5. 前記第2気化器の前記改質水流路及び前記改質水供給流路の少なくとも一方に温度検知手段が配設され、高い燃料利用率での定常運転状態において、前記温度検知手段の検知温度が急激に低下すると、システムにおける燃料利用率が小さくなるように制御することを特徴とする請求項3又は4に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  6. 前記第2気化器の前記改質水流路及び前記改質水送給流路の少なくとも一方に温度検知手段が配設され、前記温度検知手段の検知温度に基づいて、炭化水素系燃料ガス、改質水及び空気の少なくとも一つの供給流量及び/又は前記セルスタックの発電出力を制御することを特徴とする請求項3又は4に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
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