JP2011152001A - 回転電機の固定子 - Google Patents

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Abstract

【課題】隣接接合部間の沿面距離を十分に取ることにより絶縁の信頼性を向上させる回転電機を提供すること。
【解決手段】回転電機の固定子2は、固定子鉄心32及び固定子鉄心32に装備された固定子巻線を備え、この固定子巻線は、固定子鉄心32のスロット35に収容される内部導体と、スロット35回転子3の回転軸の軸方向に露出する外部導体とを有すると共に、表面が絶縁被膜33kで被覆された複数の導体33jからなり、当該導体33jの端部にて当該絶縁被膜33kを所定長さ除去して形成した露出部を他の導体33jと接合した接合部33fを有する。この構成の固定子2において、絶縁被膜33kは、露出部との境界部分において所定長さ導体33jから剥離された剥離絶縁被膜部33kaを有し、この剥離絶縁被膜部33kaは導体33jに対して露出部に向けて広がるように傾斜状に離間している。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機の固定子に関する。
従来、回転電機の固定子は、特許文献1に記載の車両用交流発電機のように、回転子と対向配置された固定子鉄心及び固定子鉄心に装備された固定子巻線を備える。この固定子巻線が、固定子鉄心のスロットに収容される内部導体と、スロットから回転子の回転軸の軸方向に露出する外部導体とを持つ複数の導体セグメントを、少なくとも一方の軸方向の外部導体にて端部同士を溶接することによって、エッジの無い雫状の玉形状に接合された接合部を有し、この接合部が円環状に離間して配置されている。そして、更に当該接合部は絶縁性の樹脂よりなる絶縁体により被覆されて構成されており、この絶縁体によって接合部間の絶縁や、接合部と周辺フレーム間の絶縁が成されている。
特開平11−341730号公報
上記の特許文献1において、接合部の絶縁性を確保する上では絶縁体が剥がれないようにすることで導体を露出させないようにすることが重要であり、実際に絶縁体は簡単には剥がれないようになっている。しかし、絶縁性をより確実なものとするためには、万が一絶縁体が剥がれたとしても接続部間が短絡することのないようにフェールセーフを実現する必要がある。ここで、仮に樹脂被膜が剥がれた場合、露出した導電体の接合部から、絶縁被膜表面に連なる導電性の経路が生成されることがある。この経路の長さを一般的に沿面距離というが、このような導電性の経路が隣接する接合部間で生成された場合、導体への印加電圧に対して所定の沿面距離が確保できていないと隣接接合部間の絶縁が損なわれ、短絡する恐れがある。このため、接合部間では十分な沿面距離を取ることで絶縁信頼性を確保する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、隣接接合部間の沿面距離を十分に取ることにより絶縁の信頼性を向上させることができる回転電機の固定子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、固定子鉄心及び固定子鉄心に装備された固定子巻線を備え、この固定子巻線は、固定子鉄心のスロットに収容される内部導体と、スロットから回転子の回転軸の軸方向に露出する外部導体とを有すると共に、表面が絶縁被膜で被覆された複数の導体からなり、当該導体端部にて当該絶縁被膜を所定長さ除去して形成した露出部を他の導体と接合した接合部を有する回転電機の固定子において、前記絶縁被膜は、前記露出部との境界部分において所定長さ前記導体から剥離された剥離絶縁被膜部を有し、この剥離絶縁被膜部は当該導体に対して前記露出部に向けて広がるように傾斜状に離間していることを特徴とする。
この構成によれば、絶縁被膜が露出部との境界部分において所定長さ導体から剥離されてなる剥離絶縁被膜部が、導体に対して露出部に向けて広がるように傾斜状に離間しているため、接続部間の沿面距離が1つの接合部部分あたり、剥離絶縁被膜部を迂回する長さ分だけ従来よりも長くなる。即ち、沿面距離は剥離絶縁被膜の長さの2倍の長さ分長くなる。従って、沿面距離をより長く稼ぐことができるので、絶縁信頼性を高くすることができる。
請求項2に記載の発明は、前記接合部及び前記剥離絶縁被膜の部分は、絶縁体により被覆されていることを特徴とする。
この構成によれば、導線から傾斜状となっている剥離絶縁被膜を絶縁体が被覆しているので、剥離絶縁被膜が絶縁体に対して楔となり、この楔効果で絶縁体が剥がれ難くなる。
請求項3に記載の発明は、前記絶縁体は、前記剥離絶縁被膜と前記導線との間の空間部分を充填していることを特徴とする。
この構成によれば、剥離絶縁被膜と導線との間の空間部分に絶縁体を充填することで、絶縁体との接触面積を大きくすることができるので、絶縁体をより剥がれにくくすることができる。
請求項4に記載の発明は、前記絶縁被膜は2層以上の多層構造を有し、最内層の絶縁被膜以外の絶縁被膜が各々独立に所定長さ剥離され、前記剥離絶縁被膜が当該導体に対して前記露出部に向けて広がるように傾斜状に離間していることを特徴とする。
この構成によれば、最内層の絶縁被膜以外の絶縁被膜が所定長さ剥離されているので、隣接する接合部間の沿面距離は、一方の接合部の導線と最内層の絶縁被膜との境界から剥離絶縁被膜の剥がれた根元を介して当該剥離絶縁被膜の裏面を経由し、表面に至り、更に他方の接合部へ至る経路長となる。つまり、一方の接合部において剥離絶縁被膜の長さの2倍だけ長くなるので、双方の接合部間では、剥離絶縁被膜の長さの4倍だけ沿面距離が長くなる。従って、その沿面距離をサージ電圧からコイルを保護するために十分な、より長い距離とすることができる。
本発明の実施形態に係る回転電機としての車両用交流発電機の全体構造を示す断面図である。 (a)固定子巻線を構成する導体セグメント33の斜視図、(b)は(a)に示すA1−A2断面図である。 固定子の部分的な断面図である。 固定子の部分的な外観図である。 (a)は導体セグメントの接合前の端部を示す斜視図、(b)は導体セグメントの接合部の斜視図、(c)は導体セグメントの接合部を絶縁体で被覆した際の斜視図、(d)は(c)に示すB1−B2断面図である。 固定子の両端面のコイルエンドの詳細を示す斜視図である。 従来の固定子において隣接する接合部間の沿面距離を示す図である。 本実施形態の固定子において隣接する接合部間の沿面距離を示す図である。 コイルに生じるサージ電圧と、このサージ電圧からコイルを保護するために必要な最低の沿面距離との関係を示す図である。 本実施形態の接合部及び剥離絶縁被膜の部分を、剥離絶縁被膜と導線との間の空間部分を除き絶縁体で被覆した場合の断面図である。 (a)固定子の導体セグメントの導線が2層の絶縁被膜で被覆された構造の場合に最内層以外の絶縁被膜を剥がした構成を示す断面図、(b)は(a)に示す構造の沿面距離を示す断面図である。 (a)固定子の導体セグメントの導線が2層の絶縁被膜構造の場合に接合部及び剥離絶縁被膜の部分を絶縁体で被覆した断面図、(b)最内層の絶縁被膜と露出導線を包括して絶縁体で被覆した断面図である。 他の導体セグメントを示す斜視図である。 図13に示した導体セグメントを用いて構成した固定子の部分的な外観図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書中の全図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適時省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る回転電機としての車両用交流発電機の全体構造を示す断面図である。図1に示すように、車両用交流発電機1は、固定子2、回転子3、フレーム4、整流器5等を含んで構成されている。固定子2は、固定子鉄心32と、固定子巻線を構成する複数の電気導体としての導体セグメント33と、固定子鉄心32と導体セグメント33との間を電気絶縁するインシュレータ34とを備えている。固定子鉄心32は、薄い鋼板を重ね合わせて形成されており、その内周面には多数のスロットが形成されている。また、この固定子鉄心32から露出している導体セグメント33によって固定子巻線のコイルエンド31が形成されている。固定子2の詳細構造については後述する。
回転子3は、絶縁処理された銅線を円筒状かつ同心円状に巻き回した界磁コイル8を、それぞれが6個の爪部を有するポールコア7によって、シャフト6を通して両側から挟み込んだ構成を有している。また、フロント側のポールコア7の端面には、フロント側から吸い込んだ冷却風を軸方向及び径方向に吐き出すために軸流式の冷却ファン11が溶接等によって取り付けられている。同様に、リヤ側のポールコア7の端面には、リヤ側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すために遠心式の冷却ファン12が溶接等によって取り付けられている。
フレーム4は、固定子2及び回転子3を収容しており、回転子3がシャフト6を中心に回転可能な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコア7の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子2が固定されている。また、フレーム4は、固定子2のコイルエンド31に対向した部分に冷却風の吐出孔42が、軸方向端面に吸入孔41がそれぞれ設けられている。
上述した構造を有する車両用交流発電機1は、ベルト等を介してプーリ20にエンジン(図示せず)からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に回転する。この状態で回転子3の界磁コイル8に外部から励磁電圧を印加することにより、ポールコア7のそれぞれの爪部が励磁され、固定子巻線に3相交流電圧を発生させることができ、整流器5の出力端子からは所定の直流電流が取り出される。
次に、固定子2の詳細について説明する。図2(a)は固定子巻線を構成する導体セグメント33の斜視図、(b)は(a)に示すA1−A2断面図であり、固定子鉄心32に組み付ける前の状態が示されている。また、図3は固定子2の部分的な断面図である。図4は、固定子2の部分的な外観図である。図5は、固定子巻線を構成する導体セグメントの接合部の形状を示す斜視図である。図6は、固定子2の両端面のコイルエンド31の詳細を示す斜視図である。
図2(a)に示すように、導体セグメント33は、表面がPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の絶縁被膜33kで覆われた棒状又は板状の導線33jをターン部33cで折り曲げたほぼU字状に形成されており、ターン部33cよりスロット35の内周側に配置される内層側導体部33aと、ターン部33cよりスロット35の外周側に配置される外層側導体部33bとを含んで構成される。
更に、(b)に示すように、導体セグメント33の端部33dは、絶縁被膜33kが除去され、導線33jが剥き出しとなっている。この剥き出しとなった端部33dとの境界部分の絶縁被膜33kは、その境界である端からターン部33cに向かって所定長さ剥離され、この剥離絶縁被膜33kaが導線33jに対して斜めに浮く状態(傾斜状)で保持されている。つまり、(b)に示す断面図では、絶縁被膜33kが導線33jの端部33d付近から剥離され、この剥離部分33kaが先端に向かって斜め上方に導線33jから離れる状態となっている。
また、内層側導体部33aと外層側導体部33bのそれぞれは、固定子2のスロット35内に収容される直線部としての内部導体と、スロット35の外部に露出する外部導体とによって構成されている。
固定子2の固定子巻線は、図3に示す固定子鉄心32の各スロット35に2本の導体セグメント33を挿入し、異なるスロット35に挿入された導体セグメント33の端部33d同士を互いに結線することにより構成されている。この導体セグメント33の内層側導体部33a及び外層側導体部33bのそれぞれの断面形状は、周方向よりも径方向に長い長方形を有しており、この長方形の長辺が径方向に沿って配置されている。
また、図4に示すように、固定子巻線を構成する各導体セグメント33は、固定子鉄心32の軸方向側面の一方にターン部33cが、他方にターン部33cと反対側の端部33dが配置されている。また、固定子2の一方のコイルエンド31を構成する導体セグメント33の斜行部33eは、外層と内層とで逆方向に傾斜しており、各層内では同一方向に傾斜している。
各導体セグメント33の端部33d同士の結線は、例えばTIG(tungsteninert−gas)溶接による接合によって行うことが好ましい。但し、カシメ等で接合してもよい。一般に、TIG溶接は、不活性ガス気中でタングステン電極と母材の間にアークを発生させ、このアーク熱を利用して母材と溶加材を溶融させて溶接する方法であり、入熱量と溶加材の添加量を独立に制御できる利点がある。本実施形態では、導体セグメント33の端部33d同士の溶接をTIG溶接によって行うことにより、端部33d近傍のみを局所的に溶融して接合部33fが形成される。なお、接合部33fは、溶接のみならず、カシメ等によって端部33d同士を接合して形成しても良い。
この接合部33fは、図5(a)に示すように、隣接する導体セグメント33の端部33d同士を接触させた状態で隣接配置した後に、この隣接部にタングステン電極が内包されたノズルを接近させてTIG溶接することにより、(b)に示す接合部33fのように形成される。この後、紛体樹脂を入れて空気を送り込み紛体樹脂を撹拌した粉体槽(図示せず)の中に、予備過熱した接合部33fを浸漬させ、接合部33fの熱で紛体樹脂を溶かして当該接合部33fの表面に、(c)に示すように絶縁体33gを形成する。図5(d)は(c)に示すB1−B2断面図である。この図5(d)に示すように、接合部33f及び剥離絶縁被膜33kaは、絶縁体33gにより被覆されている。これによって、導線33jから傾斜状となっている剥離絶縁被膜33kaを絶縁体33gが被覆しているので、剥離絶縁被膜33kaが絶縁体33gに対して楔となり、この楔効果で絶縁体33gが剥がれ難くなる。
次に、固定子巻線の製造工程を次に説明する。図2に示す外層導体部33bと内層導体部33aとターン部33cとで構成されたほぼ同一形状のU字状の導体セグメント33を、固定子鉄心32の軸方向側面の同一側にターン部33cが揃うように重ね、図3に示すように外層側導体部33bがスロット35の奥側に、内層側導体部33aがスロット35の開口側に位置するように、各導体セグメント33を固定子2のスロット35に挿入する。この導体セグメント33は、銅平板を折り曲げ、プレス等でほぼU字型形状に整形することにより製作され、ほぼ平行のスロット側面に外層導体部33b及び内層導体部33aの両側面がインシュレータ34を介して当接するように圧入される。
次に、図6に示すように、ターン部33cによって形成されるコイルエンド31とは反対側に位置する先端33dを互いに反対の周方向に折り曲げた後、異層の他の導体セグメント33の先端33d同士がTIG溶接によって接合され、この接合部33fが絶縁体33gで被覆される。このようにして形成された各導体セグメント33の絶縁体33gで被覆された接合部33fは、固定子鉄心32からの高さがほぼ同一に形成される。
本実施形態の回転電機の固定子2は、回転電機の固定子2は、回転子3と対向配置された固定子鉄心32及び固定子鉄心32に装備された固定子巻線を備え、この固定子巻線は、固定子鉄心32のスロット35に収容される内部導体と、スロット35回転子3の回転軸の軸方向に露出する外部導体とを有すると共に、表面が絶縁被膜33kで被覆された複数の導体33jからなり、当該導体33jの端部にて当該絶縁被膜33kを所定長さ除去して形成した露出部を他の導体33jと接合した接合部33fを有する。
この構成の固定子2において、絶縁被膜33kは、露出部との境界部分において所定長さ導体33jから剥離された剥離絶縁被膜部33kaを有し、この剥離絶縁被膜部33kaを導体33jに対して露出部に向けて広がるように傾斜状に離間させた。これによって次のような効果が得られる。
図7に示す従来の構成では、接合部33fにおける導線33jが露出した端部33dとの境界部分の絶縁被膜33kが剥離されていないので、固定子2において隣接する接合部33f間の沿面距離は、接合部33fと絶縁被膜33kとの境界同士(点P1とP2で示す)を接続する太線d1の経路長となる。
これに対して本実施形態では、図8に示すように、導線33jが露出した端部33dとの境界部分の絶縁被膜33kを所定長さL1剥離し、この剥離絶縁被膜33kaを導線33jに対して傾斜状に離間させた。従って、隣接する接合部33f間の沿面距離は、接合部33fと剥離絶縁被膜33kaの根元との境界同士(点P1とP2で示す)を接続する太線d2の経路長となる。つまり、剥離絶縁被膜33kaの長さL1の2倍だけ沿面距離が長くなる。
ここで、JIS C 0664に規定されたコイルに生じるサージ電圧と、このサージ電圧からコイルを保護するために必要な最低の沿面距離との関係は、図9に示すようになる。例えば、固定子2において接合部33fに最大1000V近くの電圧が印加が想定される回転電気において、必要とされる沿面距離は12mm強である。本実施形態の固定子2では、上記の剥離絶縁被膜33kaの長さL1の2倍だけ沿面距離が長くなる。仮にL1が4mm程度であれば、L1の2倍=8mm程度の沿面距離を剥離絶縁被膜33kaがない場合に比べて余分に稼ぐことができる。必要な沿面距離12mmに対して、8mm分の沿面距離を延長することができれば絶縁信頼性に大きく貢献することができる。
また、図10に示したように、接合部33f及び剥離絶縁被膜33kaの部分は、絶縁体33gにより被覆され、当該絶縁体33gが剥離絶縁被膜33kaと導線33jとの間の空間部分に充填された状態となっている。絶縁体33gが空間部分に充填されているので、接触面積が増大して更に剥離防止効果が向上する。
また、図11(a)に示すように、導体セグメント33が導線33jにエナメル被膜33mが施され、このエナメル被膜33mの上に絶縁被膜33kが施されている2層以上の絶縁被膜構造であるとする。この構造において、導体セグメント33の端部33dが図示するように、エナメル被膜33m及び絶縁被膜33kが除去され、導線33jが剥き出しとなっており、この剥き出しとなった端部33dとの境界部分の最内層のエナメル被膜33m以外の絶縁被膜33kを独立に所定長さ剥離し、この剥離絶縁被膜33kaを導線33jに対して傾斜状に離間させる。
この構成では、最内層のエナメル被膜33m以外の絶縁被膜33kが所定長さL1剥離されているので、隣接する接合部33f間の沿面距離は、図11(b)に示すように、一方の接合部33fの導線33jとエナメル被膜33mとの境界P5から剥離絶縁被膜33kaの剥がれた根元を介して当該剥離絶縁被膜33kaの裏面を経由し、表面に至り、更に図示せぬ他方の接合部33fへ至る太線d3の経路長となる。つまり、一方の接合部33fにおいて剥離絶縁被膜33kaの長さL1の2倍だけ長くなるので、双方の接合部33f間では、剥離絶縁被膜33kaの長さL1の4倍だけ沿面距離が長くなる。従って、その沿面距離をサージ電圧からコイルを保護するために十分な、より長い距離とすることができる。
また、このような2層以上の絶縁被膜構造の導体セグメント33の接合部33fを絶縁体33gで被覆する場合、図12(a)に示すように、接合部33f及び剥離絶縁被膜33kaの部分を、剥離絶縁被膜33kaと導線33jとの間の空間部分に絶縁体33gが充填される状態で絶縁体33gによって被覆する。この被覆の場合も前述したように楔効果で絶縁体33gが剥がれ難くなる。
なお、図12(b)に示すように、剥離絶縁被膜33kaと導線33jとの間の空間部分に絶縁体33gが入り込んで、エナメル被膜33mから露出した導線33jを包括する状態に絶縁体33gで被覆してもよい。
また、図11及び図12では、導線33jに2層の絶縁被膜が施された構造を示したが、3層構造の場合は、最内層のエナメル被膜33m以外の2層目と3層目とが各々独立して傾斜状に剥がされている。4層目以上の場合も同様である。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形実施が可能である。
本実施形態では、棒状又は板状の導線33jをターン部33cで折り曲げたほぼU字状に形成した導体セグメント33を用いたが、図2に示したU字形状の導体セグメント33を、図13に符号330で示すように複数連続させたものとし、この導体セグメント330を所定スロットに周回して配置したものでもよい。この時、図14に示すように、これらの複数の導体セグメント330の先端部分330dが固定子鉄心32の径方向外側(大径方向)に折り曲げられ、この折曲がった先端が溶接されて接合部330fを形成することで1つの相の巻線が形成される。この接合部330fに本願発明を応用することで、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
更に、上記実施形態では、各導体セグメント33の端部33d同士の接合をTIG溶接によって行ったが、非接触方式の他の溶接方法、例えばTIG溶接以外の各種のアーク溶接方法を用いるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、車両用交流発電機を例に挙げたが、ハイブリッド車のモータジェネレータに適用しても、上記同様に固定子の接合部からの絶縁被膜の剥がれを防止できることは言うまでもない。
1 車両用交流発電機
2 固定子
3 回転子
4 フレーム
32 固定子鉄心
33 導体セグメント
33a 内部導体
33d 端部
33c ターン部
33f 接合部
33k 絶縁被膜
33ka 剥離絶縁被膜
33j 導線

Claims (4)

  1. 固定子鉄心及び固定子鉄心に装備された固定子巻線を備え、この固定子巻線は、固定子鉄心のスロットに収容される内部導体と、スロットから回転子の回転軸の軸方向に露出する外部導体とを有すると共に、表面が絶縁被膜で被覆された複数の導体からなり、当該導体端部にて当該絶縁被膜を所定長さ除去して形成した露出部を他の導体と接合した接合部を有する回転電機の固定子において、
    前記絶縁被膜は、前記露出部との境界部分において所定長さ前記導体から剥離された剥離絶縁被膜部を有し、この剥離絶縁被膜部は当該導体に対して前記露出部に向けて広がるように傾斜状に離間していることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 前記接合部及び前記剥離絶縁被膜の部分は、絶縁体により被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記絶縁体は、前記剥離絶縁被膜と前記導線との間の空間部分を充填していることを特徴とする請求項2に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記絶縁被膜は2層以上の多層構造を有し、最内層の絶縁被膜以外の絶縁被膜が各々独立に所定長さ剥離され、前記剥離絶縁被膜が当該導体に対して前記露出部に向けて広がるように傾斜状に離間していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
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