JP2011151952A - 電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換効率だけでなく二次電池の充電効率を考慮して二次電池の充電を制御することにより電力損失をより効果的に削減可能な電源装置を提供する。
【解決手段】二次電池4を内蔵し、AC/DCコンバーター3の電力変換効率や二次電池4の充電効率から二次電池を使用する場合の得失を動的に計算する。二次電池4の充電による電力の損失を電力変換効率の改善による消費電力の削減が上回る場合には、AC/DCコンバーター3から負荷に電力供給を行い、二次電池4を充電する。二次電池4が充電された後は、AC/DCコンバーター3を停止させて二次電池4から負荷に電力供給を行う。二次電池4が放電された後は二次電池4を充電する。
【選択図】図1

Description

本発明は、AC/DCコンバーターやDC/DCコンバーター等を用いた電源装置に関するものである。
近年、地球温暖化問題に対する企業の取り組みが大きく注目を集めており、今後、企業において、CO排出量の削減が経営指標として扱われる可能性が高くなる等、環境に対する配慮への関心が高まっている。しかしながら、IT機器等の高性能化によりこれらIT機器機器が消費する電力は増加傾向にあり、IT機器の消費電力を削減することが急務となっている。
ところで、従来の電源装置は負荷が重い場合には電力変換効率が高いが、負荷が軽い場合には電力変換効率が低くなってしまう。そのため、常時、高い負荷はかかっておらず、例えば、負荷が軽い時間が長いサーバー等においては電源装置による電力損失が大きくなるという課題があった。
そこで、例えば、特許文献1には、ピーク時の電力の一部を二次電池から賄うことにより、AC/DCコンバーターの小型、軽量化を図ると共に、負荷の消費電力が小さい間はAC/DCコンバーターを停止させて、二次電池から負荷に電力を供給することが記載されている。
特許文献2には、ACアダプタ等の電源部を接続した電気機器においてACアダプタがシステムに接続された状態でシステムが電源オフ又は軽負荷時にバッテリーからシステムに電源を供給することが記載されている。
特許文献3には、スイッチング電源(PSU)の高効率時の電力を充電部に蓄積しておき、PSUの低効率時に充電部の蓄積電力を使用して負荷に電力を供給することが記載されている。
特許文献4には、蓄電装置の残容量が所定値以下となった場合には、負荷の電子機器に対する電力供給を電源供給装置に切り換えると共に、電源供給装置の変換効率が最も高くなるように充電装置を充電するために電源供給装置から供給される電流を制御することが記載されている。
特許文献5には、電子システムが交流電源から生成された直流電流で稼働中に電子システムの消費電力を求め、電子システムがバッテリーからの電力で稼働を開始する時にバッテリーの充電残量と消費電力の値に基づいてバッテリーの接続時間を求めることが記載されている。
再表2002/061917号公報 特開2002−062952号公報 特開2004−074558号公報 特開2007−312499号公報 特開平09−044274号公報
特許文献1乃至3のものは、負荷が軽い場合等に二次電池(バッテリー)から負荷に電力を供給することにより電力損失を改善しているが、二次電池の充電効率を考慮して電力削減を行うことは言及されていない。
また、特許文献4には、電流供給装置から充電装置を充電する際に電源供給装置の変換効率が最も高くなるように電源供給装置の電流を制御することに関しては記載されているが、電源供給装置の変換効率のみが考慮され、二次電池の充電効率を考慮することは記載されていない。特許文献5のものは停電時等にバッテリーから負荷に電力を供給するものであり、消費電力を削減することは記載されていない。
本発明の目的は、電力変換効率だけでなく、二次電池の充電効率をも考慮して電力変換回路や二次電池の充電を制御することにより、電力損失をより効果的に削減することが可能な電源装置を提供することにある。
本発明は、電源装置にリチウムイオン電池等の二次電池を内蔵し、電力変換回路(AC/DCコンバーター又はDC/DCコンバーター)の電力変換効率や二次電池の充電効率から二次電池を使用する場合の得失を動的に計算する。そして、「二次電池を充電することによる電力の損失」を「電力変換効率の改善による消費電力の削減」が上回る場合には、電力変換回路から負荷に電力供給を行うと共に二次電池を充電する。二次電池が充電された後は、電力変換回路の動作を停止させて二次電池からのみ負荷に電力供給を行い、二次電池がある程度まで放電された後は、再び二次電池を充電する。
本発明によれば、電力変換回路の電力変換効率と二次電池の充電効率に基づいて電力変換回路の電力供給と二次電池の充電を制御することにより、常に電力変換効率の高い領域で運転することによって電力変換回路の電力損失を削減できるばかりでなく、二次電池の充電時における電力損失を最小限に抑えられるため、電力損失をより効果的に削減することが可能となる。
本発明に係る電源装置の第1の実施形態を示すブロック図である。 図1の電源装置の動作を説明するフローチャートである。 AC/DCコンバーターの出力電力と電力変換効率との関係を示す図である。 二次電池の充電電力と充電効率との関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第3の実施形態の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第4の実施形態を示すブロック図である。
(第1の実施形態)
次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る電源装置の第1の実施形態を示すブロック図である。電源装置1はACラインと負荷との間に接続され、商用電源等の交流電力を直流電力に変換する電源装置の例を示す。電源装置1は、各部を制御する制御回路2、交流電圧から所定電圧の直流電源に変換するAC/DCコンバーター3、リチウムイオン電池等の二次電池4、充電回路5、放電回路6、効率テーブル7、タイマー8等を備えている。AC/DCコンバーター3は出力電圧を所定の一定電圧に安定化する。
効率テーブル7は、AC/DCコンバーター3の出力電力と電力変換効率との関係、或いは二次電池4の充電電力と充電効率との関係を予め記憶している。タイマー8は後述するように二次電池4の充電時間の測定に用いられる。
制御回路2は、AC/DCコンバーター3、二次電池4、充電回路5、放電回路6に接続され、AC/DCコンバーター3と二次電池4の状態に応じて充電回路5と放電回路6を制御する。充電回路5は制御回路2の指令に従い、AC/DCコンバーター3の電力を用いて二次電池4を充電する。放電回路6は制御回路2の指令に従い、二次電池4を放電させて負荷に電力を供給する。
次に、本実施形態の電源装置の動作を図2を用いて説明する。まず、制御回路2はAC/DCコンバーター3から現在の出力電力を取得する。例えば、非常に小さい抵抗値の抵抗器を用いて出力電流を測定し、その電流値と出力電圧から出力電力を取得する。また、効率テーブル7からAC/DCコンバーター3の現在の電力変換効率と最大となる電力変換効率を求め、効率テーブル7から得られた二次電池4の充電効率も勘案して二次電池4を用いた方が電力損失が少なくなるかどうかを判断する(ステップS1)。この判断方法については、具体例を挙げて詳しく後述する。
二次電池4を用いた方が電力損失が少なくなる場合には、二次電池4に残容量があるかを判断する(ステップS2)。二次電池4に残容量がある場合には、AC/DCコンバーター3から負荷に電力を供給するのを停止させて、充電回路5をOFF、放電回路6をONにすることで、負荷には二次電池4から電力を供給し(ステップS3)、ステップS1からの処理に戻る。なお、二次電池4の残容量があるかを判断する場合の閾値は予め設定しておく。例えば、閾値は0でも良いし、後述するように二次電池の劣化特性に合わせて設定するのが望ましい。
一方、ステップS2で二次電池4に残容量がない場合には、AC/DCコンバーター3を起動して電力変換効率が最大となるように電力を出力する。即ち、AC/DCコンバーター3をON、充電回路5をON、放電回路6をOFFし、AC/DCコンバーター3から電力変換効率が最大となる電力を出力して負荷に電力を供給し、残りの余剰電力で二次電池4を充電する(ステップS4)。
次に、タイマー8をリセットし(ステップS5)、タイマー8のリセット後に6分経過したかを判断する(ステップS6)。その際、タイマー8が6分経過したかを判断しているが、任意の待ち時間とする。6分間経過した場合にはステップS1からの処理に戻る。6分経過していない場合には、AC/DCコンバーター3から現在の出力電力を取得し、ステップS1と同様に二次電池4を用いた方が電力損失が少なくなるかどうかを判断する(ステップS7)。
ステップS7で二次電池4を用いた方が電力損失が少なくなる場合にはステップS6に戻る。二次電池4を用いた方が電力損失が少なくならない場合にはステップS1に戻る。また、ステップS1で二次電池4を用いた方が電力損失が少なくならない場合には、AC/DCコンバーター3から負荷が必要とする分の電力を供給し、充電回路5をOFF、放電回路6をOFFし、負荷にはAC/DCコンバーター3から電力を供給して(ステップS8)、ステップS1からの処理に戻る。
なお、ステップS6で6分間経過し、二次電池4を充電した後はステップS1からステップS2に進み、ステップS2で二次電池4の残容量がある場合には、ステップS3でAC/DCコンバーター3を停止させて二次電池4から負荷に電力を供給する。また、ステップS2で二次電池4の残容量がない場合には、ステップS4からステップS6に進み、AC/DCコンバーター3を起動して負荷に電力を供給し、余剰電力で二次電池4を6分間充電する。以下、この動作を繰り返し行う。
図3はAC/DCコンバーター3の出力電力と電力変換効率との関係を示す。また、図4は二次電池4の充電電力と充電効率の関係を示す。これらの情報は効率テーブル7に書き込まれている。図3、図4の出力電力と電力変換効率との関係、充電電力と充電効率との関係は一例を示す。
次に、本発明の電力削減効果について説明する。例えば、電源装置1の負荷が60Wの電力を必要とするものとする。その際、二次電池4を用いない場合には、AC/DCコンバーター3の出力電力として60Wが必要になるので、図3から入力電力は80W必要となり、1時間当たり80Whの電力量が必要になることが分かる。二次電池4を用いる場合には、最初はAC/DCコンバーター3から電力変換効率が最大となる728Wの電力を出力し、負荷が消費する60Wの電力を差し引いた668Wの余剰電力で二次電池4を6分間充電する。
この時、入力電力は図3から800W必要となり、6分間で800W×0.1時間(=6分)=80Whの電力量が必要となる。同時に、二次電池4には図4から充電効率が90%となるので、668W×0.1時間(=6分)×90%=60.12Whの電力が充電される。負荷が消費する電力は60Wなので、二次電池4に充電された電力のみで、60.12Wh÷60W=約1時間に渡って負荷を稼動できる。
以上により、80Whの電力量で0.1時間+1時間=1.1時間に渡って負荷を稼動できるので、二次電池4を用いた場合には、1時間当たり80Wh÷1.1時間=約72.7Whの電力量が必要となる。そのため、負荷が60Wの電力を必要とする場合には、図2のステップS1で二次電池4を用いた方が電力損失が少なくなると判断され、1時間当たり、80Wh−72.7Wh=7.3Whの電力量を削減でき、従来の電源装置よりも約9%消費電力を削減できることが分かる。
本実施形態では、電力変換回路の電力変換効率に基づいて電力変換回路の電力供給を制御することにより、常に電力変換効率の高い領域で運転できるため、電力変換回路の電力損失を削減することができる。また、二次電池の充電効率に基づいて二次電池の充電を制御することにより、二次電池の充電時の電力損失を最小限に抑えられ、電力損失をより効果的に削減することが可能となる。
次に、負荷が360Wの電力を必要とするものとする。二次電池4を用いない場合には、AC/DCコンバーター3の出力電力として360W必要になるので図3から入力電力は400W必要となり、1時間当たり400Whの電力量が必要になることが分かる。また、二次電池4を用いる場合には、最初はAC/DCコンバーター3から電力変換効率が最大となる728Wの電力を供給し、負荷が消費する360Wの電力を差し引いた368Wの余剰電力で二次電池4を6分間充電する。
この時、入力電力は図3から800W必要となり、6分間で800W×0.1時間(=6分)=80Whの電力量が必要となる。同時に二次電池4には図4から充電効率が80%となるので、368W×0.1時間(=6分)×80%=29.44Whの電力が充電される。負荷が消費する電力は360Wなので、二次電池4に充電された電力のみで、29.44Wh÷360W=約0.08時間に渡って負荷を稼動できる。
以上により、80Whの電力量で0.1時間+0.08時間=0.18時間に渡って負荷を稼動することになるので、二次電池4を用いた場合には、1時間当たり80Wh÷0.18時間=約444Whの電力量が必要なる。そのため、負荷が360Wの電力を必要とする場合には、図2のステップS1で二次電池4を用いた方が電力損失が少なくならないと判断され、従来の電源装置と同様の動作及び消費電力となる。
(第2の実施形態)
図5は本発明の第2の実施形態の動作を説明するフローチャートである。電源装置の構成は図1と同様である。本実施形態では、図5に示すようにステップS2で二次電池4の残容量が90%以上あるかを判断する。そうすることで、鉛蓄電池のような満充電に近い領域で使用した方が劣化が抑えられる特性を持つ二次電池を用いる場合には、二次電池4の寿命を延ばすことができる。
なお、ステップS2では90%に限ることなく、二次電池の特性に合わせて、例えば、リチウムイオン電池の場合には、50%というように電池特性に応じて設定することが望ましい。また、図5ではステップS2以外の処理は図2と同様であるので、詳しい説明は省略する。
(第3の実施形態)
図6は本発明の第3の実施形態の動作を説明するフローチャートである。電源装置の構成は図1と同様である。本実施形態では、図6に示すようにステップS1の前にステップS9を追加し、ACラインから電力が供給されているかを判断する(ステップS9)。その際、ACラインから電力が供給されている場合にはステップS1に進み、ACラインから電力が供給されていない場合には、ステップS3に進む。そうすることで無停電電源装置の機能を兼ね備えることが可能となる。図5ではステップS9以外の処理は図2と同様であるので説明は省略する。
(第4の実施形態)
図7は本発明の第4の実施形態を示すブロック図である。図7では図1と同一部分には同一符号を付している。本実施形態では、図7に示すように効率テーブル7のうちAC/DCコンバーター3の電力変換効率を記憶している電力変換効率テーブル7aを電源装置1内に配置し、二次電池4とその充電効率を記憶している充電効率テーブル7bをバッテリー9として分離し、バッテリー9内の充電効率テーブル7bを制御回路2が読み取るようにする。
このような構成にすることで、電源装置1に充電効率が異なる二次電池4を含むバッテリー9を複数種類用いる場合には、二次電池4の種類に応じた充電効率テーブル7bを持つことができるので、図2、図5、図6のステップS1において二次電池4を用いた方が電力損失が少なくなるかどうかを判断する際に二次電池4の種類に応じて判断することが可能となる。
なお、以上の実施形態では、入力側をACラインに接続して商用電源等を直流電力に変換するAC/DCコンバーターを例に挙げて説明したが、本発明は入力側をDCラインに接続して直流電力から直流電力に変換するDC/DCコンバーターにも使用することができる。その際、DC/DCコンバーターを用いた場合、第3の実施形態と同様の構成とすることで無停電電源装置の機能を備えることが可能となる。
本発明は、IT機器や家庭電化製品等に用いられる商用電源等を直流電源に変換する電源装置(AC/DCコンバーター)、直流電源から直流電源に変換する電源装置(DC/DCコンバーター)の省電力化に好適に使用することができる。
3 AC/DCコンバーター
4 二次電池
5 充電回路
6 放電回路
7 効率テーブル
8 タイマー
9 バッテリー
7a 電力変換テーブル
7b 充電効率テーブル

Claims (6)

  1. 交流電力を直流電力に変換又は直流電力から直流電力に変換する電力変換回路と、
    二次電池と、
    前記電力変換回路の出力電力に対する電力変換効率及び前記二次電池の充電電力に対する充電効率を記憶したテーブルと、
    前記電力変換回路から負荷に電力を供給した場合の前記電力変換回路の電力変換効率に基づく電力損失と、前記電力変換回路から電力変換効率が最大となる電力を出力し、前記負荷への供給電力の余剰電力で前記二次電池を充電した場合の当該二次電池の充電効率に基づく電力損失から、前記二次電池から負荷に電力を供給した方が電力損失が少ないかを判断する手段と、
    前記二次電池から負荷に電力を供給した方が電力損失が少ない場合に前記二次電池に残容量があるかを判断する手段と、
    前記二次電池の残容量がない場合に前記電力変換回路から負荷に電力供給を行うと共に前記二次電池を所定時間充電する手段と、
    を備えたことを特徴とする電源装置。
  2. 前記二次電池を充電した後は、前記電力変換回路を停止させて前記二次電池から負荷に電力を供給し、前記二次電池の残容量が所定値以下となった場合には、前記電力変換回路を起動して前記負荷に電力を供給すると共に、前記二次電池を充電することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記二次電池の残容量があると判断した場合には、前記電力変換回路の動作を停止させて、前記二次電池からのみ前記負荷に電力を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
  4. 前記二次電池の残容量があるかを判断する場合には、当該二次電池の劣化特性に応じて前記二次電池の残容量があるかを判断する閾値を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源装置。
  5. 前記電力変換回路は、交流又は直流ラインから電力が供給されていない場合には、当該電力変換回路を停止させて前記二次電池から負荷に電力を供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電源装置。
  6. 前記充電効率の異なる複数種類の二次電池を有する場合には、当該二次電池と前記充電効率を記憶したテーブルとをバッテリーとして分離し、当該バッテリーのテーブルから前記二次電池の種類に応じて前記充電効率を読み出すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電源装置。
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