JP2011150769A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
光ピックアップ装置において、レーザ駆動回路の過度な温度上昇によって、レーザ素子が温度上昇し、光ディスク上への情報の記録再生品質が低下する。
【解決手段】
光ピックアップ筺体には、光ディスクに対向する上面から光ピックアップ筺体下面まで、凹形状に窪んだ溝を形成しており、この凹形状に窪んだ溝と外周側にネジ止めによって光ピックアップ筺体に固定された回路基板によって空気流が流れる導風路を形成する。このとき、レーザ駆動回路素子は回路基板の導風路に面した側に取り付けられている。また、光ピックアップ筺体の上面に取り付けられ、レーザ素子と熱的に接続されている放熱カバーには、光ピックアップ筺体上面の導風路の開口部に、導風路が光ピックアップ筺体下面の開口部から光ディスクに対向する面まで連通するように導風路の開口と略同一形状となる開口部を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ディスクに情報の記録および再生を行う光ピックアップ装置に関する。
光ピックアップ装置とは、光ディスク装置に搭載され、光ディスク上の情報の記録および再生を行う際に光ディスク上に照射するレーザ光を制御する装置である。
この光ピックアップ装置内にはレーザを発振するレーザ素子と、このレーザ素子を制御するためのレーザ駆動回路素子とが搭載されている。このレーザ駆動回路素子はレーザ素子からのレーザ発振時に発熱するため素子の温度が上昇する。
しかしレーザ素子の出力特性として、レーザ素子が高温の時に劣化するという温度特性があり、過度な温度上昇は情報の記録・再生精度の低下を招く。さらに破損など光ピックアップ装置の信頼性の低下を招く。そのため、光ピックアップ装置では、レーザ素子を保護するために保証温度以下とする設計がなされている。
ところで、近年光ディスク装置においては情報の記録および再生速度の向上が求められている。その際、光学的、電気的な信号の転送速度の向上が求められる。光ピックアップ装置における転送速度の向上にはレーザ素子およびレーザ駆動回路素子の出力を大きくする必要がある。
しがって、レーザ素子およびレーザ駆動回路素子の発熱量の増大による素子の温度上昇がさらに深刻な課題となっており、放熱性の向上は必須である。
この課題を解決するために従来では光ドライブ装置のディスクトレイに開口部を設け、この開口部によって光ディスクの回転にて生じる空気の回転流を光ピックアップ装置まで導いて光ピックアップ装置を冷却する放熱構造がとられてきた。
例えば、特許文献1では光ディスクの回転により発生した空気流を光ピックアップの支持部分に設けた通風孔から光ピックアップ装置に導くことで放熱する構造のものがある。
また特許文献2では、光ディスク装置の支持板に通風孔を設け、この通風穴から光ディスクと支持板の隙間の気圧変化によって生じる旋回流を導入することで光ピックアップ装置を冷却するものがある。
さらに特許文献3では、光ドライブ装置の構造によらず光ピックアップ装置のレーザ駆動回路素子を配置した回路基板と光ピックアップ筺体の間に広い空間を設け、その空間に回転流を導入することでレーザ駆動回路素子を冷却するものがある。
このように、従来は光ピックアップ装置に空気流を導くことで光ピックアップ装置全体の冷却を促進している。
特開2005−166218号公報 特開2005−310192号公報 特開2007−193861号公報
レーザ素子の温度上昇は、レーザ駆動回路素子の発熱に大きく左右されることが分かっている。
つまり、レーザ駆動回路素子によって発生した熱は光ピックアップ装置内を伝わり、レーザ素子の周囲温度を上昇させてしまうためにレーザ素子に影響されるものである。
そこで、レーザ駆動回路素子を積極的に冷却することで、レーザ駆動回路素子自身も保証温度以下で安定して動作させることができ、さらにレーザ素子の温度上昇を抑制することができる。
しかし、回転流を光ピックアップに導入するための空間を大きく設けると、光ピックアップ装置の強度が低下し信頼性が低下するという二次的な問題がある。
本発明の目的は、光ピックアップ内に設ける空間を大きくすることなくレーザ駆動回路素子を冷却し、光ピックアップ装置の信頼性が低下することを防ぐ光ピクアップ装置を提供することにある。
上記目的は、レーザ発光部となるレーザ素子と、このレーザ素子の発光を制御するレーザ駆動回路素子と、前記レーザ素子と熱的に接続されたカバーと、前記レーザ駆動回路素子を搭載し、前記光ピックアップ筺体の側面に固定された回路基板と、レーザ光を光ディスク上に集光させる対物レンズと、この対物レンズを駆動させる対物レンズ駆動装置とを収納した光ピックアップ筐体を備えた光ピックアップ装置において、光ディスクと対向する前記光ピックアップ筺体の上面から前記光ピックアップ筺体下面まで窪んだ溝を設け、この溝を前記レーザ駆動回路素子を搭載した回路基板で閉塞して空気の導風路を設けるとともに、前記レーザ駆動回路素子を前記導風路内に位置させたことにより達成される。
また上記目的は、前記光ディスク側に面する前記カバーに前記導風路と連通する開口部を設けたことにより達成される。
また上記目的は、前記導風路の断面積が前記レーザ駆動回路素子部分で狭められていることにより達成される。
また上記目的は、前記カバーの開口部が前記光ディスクから3mm以内の距離に形成されていることにより達成される。
また上記目的は、前記カバーに設けられた開口部に筒状の立上がり部を設け、この立上がりの先端を対向前記光ディスク面に接近させたことにより達成される。
また上記目的は、前記カバーに設けられた開口部に筒状の立上がり部を設け、この立上がり部の先端に対向する前記光ディスク面への空気案内板を設けたことにより達成される。
また上記目的は、前記導風路を前記回路基板で形成したことにより達成される。
本発明によれば、光ピックアップ内に設ける空間を大きくすることなくレーザ駆動回路素子を冷却し、光ピックアップ装置の信頼性が低下することを防ぐ光ピクアップ装置を提供できる。
図1は光ピックアップ装置1を搭載した光ディスク装置2の概略内部構成を示す上面図である。 図2は図1のA−A’断面図である。 図3は光ピックアップ装置の斜視図である。 図4は図3のA−A’線断面図である。 図5は図4のB−B’線断面図である。 図6は第二の実施例を備えた光ピックアップ装置の斜視図である。 図7は図6のA−A’線断面図である。 図8は図7のB−B’線断面図である。 図9は第三の実施例を備えた光ピックアップの斜視図である。 図10は図9のA−A’線断面図である。 図11は数値流体シミュレーションの結果を示すグラフ図である。 図12は第四の実施例を備えた光ピックアップの斜視図である。 図13は図12のA−A’線断面図である。 図14は第五の実施例を備えた光ピックアップの実施例を備えた光ピックアップの斜視図である。 図15は図14のA−A’線断面図である。
さて、レーザ素子そのもの冷却については、光ピックアップ装置を構成する放熱カバーにレーザ素子を熱的に接触させて放熱させることが一般的であった。ところが上述したように情報の記録・再生速度が高くなって以降、レーザ素子の発熱量がますます大きくなってしまったことから、放熱カバーに接触させるだけでは放熱が不足することが分かった。
またレーザ素子そのものの発熱は当然のことながら、このレーザ素子を制御するレーザ駆動回路素子の発熱もあり、この熱がレーザ素子に影響を与えていることも無視できない。そのためレーザ駆動回路素子にディスクの回転風を直接当てて冷却するという手段が考えられるが、風がレーザ駆動回路素子に吹付けられるため光ピックアップ全体が揺れて光ディスク装置そのものの性能に悪影響を及ぼすという問題がある。
そこで本願発明の発明者らは、光ディスク装置内で高速に回転する光ディスクの表面で生じる負圧と、裏面側の大気圧の圧力差を利用することに着目した。
つまり、光ディスクが高速で回転すると回転風が外周に向かって押し出されるため空気流の流速が増大してディスク表面は負圧ぎみとなる。一方、ディスクから離れた部分は大気圧に近いため、ディスク表面近傍とディスクから離れた部分の圧力差を利用してレーザ駆動回路素子を冷却し、間接的にレーザ素子の温度上昇を抑えることを考えたものである。
このように、圧力差を利用してレーザ素子に冷却風を効率よく導入するにあたり発明者らが種々検討した結果、以下のような実施例を得たので以下にその内容を説明する。
本実施例を説明するにあたり、図1〜図3で光ディスク装置と光ピックアップの構造を説明する。
図1は光ピックアップ装置1を搭載した光ディスク装置2の概略内部構成を示す上面図である。
図2は図1のA−A’断面図である。
図3は光ピックアップ装置の斜視図である。
図1〜図3において、光ディスク装置2では、光ディスク3がスピンドルモータ21によって回転方向3a方向に回転する。光ピックアップ1は光ディスク装置2のカバー23の下に配置されている。
この光ピックアップ1は光ディスク装置2に設けられた案内軸22a、22bによって支持されている。光ピックアップ1は再生・記録動作を行う際、案内軸22a、22bに沿って内周側と外周側の間を移動する。さらに、光ディスク3が回転することで光ディスク3上の情報を再生したり、情報を記録したりすることができる。
このときの光ディスク3の回転によって回転方向3aに沿った空気流4が図2に示すように生じ、光ディスク3と光ピックアップ装置1との間を流れる。
光ピックアップ1の外観を構成する光ピックアップ筺体11の側面には光ディスク3上の情報の記録・再生を行うためのレーザ発光部となるレーザ素子17が固定されている。さらにこのレーザ素子17の発光を制御するレーザ素子駆動回路15がレーザ素子17と熱的に接触しながら固定されている。
図1に示すように、光ピックアップ筺体11の上面にはレーザ素子駆動回路15が取り付けられた回路基板13が取り付けられている。さらにレーザ光を光ディスク3上に集光させる対物レンズ16と、この対物レンズ16を駆動させる対物レンズ駆動装置16a(図3に示す)と光学検出器と光学ユニット(図示せず)とが固定されている。放熱カバー14は光ピックアップ装置1内で発生した熱を放熱させるものである。
光ピックアップ1は回路基板13に取り付けられたフレキシブル基板12を介して光ディスク装置2に接続されている。また、レーザ素子17と放熱カバー14とは熱的に接続されており、レーザ素子17の熱は放熱カバー14から大気中に放熱される。
なお、各構成要素の材料は例えば光ピックアップ筺体11がマグネシウム、亜鉛、アルミニウムといった金属ダイカストが一般的である。しかし近年ではコスト低減のため、プラスチックに置き換えられている。また、回路基板13は銅配線を含むプラスチックで形成され、放熱カバー14は銅合金やアルミニウムなどで形成されている。
第1の実施例を図を用いて以下の通り説明する。
図4は図3のA−A’線断面図である。
図5は図4のB−B’線断面図である。
図4、図5において、光ピックアップ1には光ディスク3に対向する上面から光ピックアップ筐体11の下面に達するまでの凹形状に窪んだ溝11aが形成されている。この凹形状に窪んだ溝11aを覆うようにその光ピックアップ筐体11外周側に回路基板13がネジによって固定されている。この回路基板13が溝11aを覆うことによって空気流が流れる導風路11bが形成される。このとき、レーザ駆動回路素子15は回路基板13の導風路11bに面した側に取り付けられている。
光ピックアップ筺体11の上面に取り付けられている放熱カバー14には光導風路11bの開口となる開口部5aが形成されている。この開口部5aと連通し、光ピックアップ筺体11の下面には開口部5bが形成されている。この開口部5bから光ディスク3に対向する面の開口部5aまでは導風路11bによって連通することになる。これらの開口部5a、5bによって道風路11bは略同一形状となった、言わばトンネル状の通風路となっている。このとき、光ピックアップ筺体11に形成した溝11aは例えば深さ3mm、幅10mm程度でよい。
つまり、この道風路11bは図5の点線で囲われた負圧領域と大気圧領域とが連通するように光ピックアップ筐体11を貫通する通路となっている。
この道風路11bを設けたことによる作用と効果を以下に説明する。
光ディスク3の回転3aによって、光ディスク3の近傍では非常に速い空気の流れ4が生じる。この速い流れ4によって光ディスク表面近傍では圧力が低下する。一方、光ディスク3から離れた位置では、空気の流れは非常に弱いため空気の流れは遅く、圧力は大気圧程度である(光ディスク載置板導風路23a、23bを境として光ディスク3側近傍が負圧、光ディスク載置板導風路23a、23b下側が大気圧)。24a、24bは光ディスク装置駆動部材である。
このような現象から、光ピックアップ筺体11に形成した導風路11b内に圧力差による空気流6a、6bが生じる。この空気流6a、6bによって導風路11bの内壁面を構成する回路基板13に取り付けられたレーザ駆動回路素子15が空気流6a、6bによって積極的に冷却される。
つまり、光ディスク載置板導風路23a、23bを境として光ディスク3側近傍が負圧になり、光ディスク載置板導風路23a、23b下側が大気圧となっている。したがって、その圧力差によって冷却空気は導風路11bの開口部5bから流入し、レーザ駆動回路素子15を冷却した後、開口部5aから流出する。
このように、本実施例によればレーザ駆動回路素子15は温度上昇が低減されるのでレーザ素子17の過度の温度上昇を低減され、光ピックアップ装置1の信頼性の低下を防ぐことができる。
第2の実施例を図図6〜図8で説明する。
図6は第二の実施例を備えた光ピックアップ装置の斜視図である。
図7は図6のA−A’線断面図である。
図8は図7のB−B’線断面図である。
図6、図7、図8において、第二の実施例は第一の実施例と同様に、光ピックアップ筺体11には、光ディスク3に対向する上面から光ピックアップ筺体11下面まで、凹形状に窪んだ溝11aを形成されている。この凹形状に窪んだ溝11aは回路基板13によって覆われることによって空気流が流れる導風路11bが形成される。回路基板13は光ピックアップ筐体11の外周側にネジ止めされている。
このとき、レーザ駆動回路素子15は回路基板13の導風路11bに面した側に取り付けられている。また、光ピックアップ筺体11の上面に取り付けられている放熱カバー14には、光ピックアップ筺体11上面の導風路11bの開口部5aが形成されている。光ピックアップ筺体11の下面には開口部5bが形成され、この開口部5bから光ディスク3に対向する面まで連通するように導風路11bの開口と略同一形状となる開口部5aが形成される。
ただし、光ピックアップ筺体11に設けた導風路11bは図7のように、放熱カバー14に設けた開口部5aと同一の断面積でなくともよく、例えば図8に示すように、導風路11bの断面積をレーザ駆動回路素子15部分に向かって狭めるような構造であってもよい。
本実施例によれば、導風路11b中のレーザ駆動回路素子15周囲に導かれる空気の流速が増大し、レーザ駆動回路素子15の温度上昇を低減し、レーザ素子17の過度の温度上昇を低減できるため、光ピックアップ装置1の信頼性の低下を防止することができる。
第3の実施例を図9、図10で説明する。
図9は第三の実施例を備えた光ピックアップの斜視図である。
図10は図9のA−A’線断面図である。
図9、図10において、第三の実施例は第一の実施例と同様に、光ピックアップ筺体11には、光ディスク3に対向する上面から光ピックアップ筺体11下面まで、凹形状に窪んだ溝11aを形成されている。この凹形状に窪んだ溝11aは回路基板13によって覆われることによって空気流が流れる導風路11bが形成される。回路基板13は光ピックアップ筐体11の外周側にネジ止めされている。
このとき、レーザ駆動回路素子15は回路基板13の導風路11bに面した側に取り付けられている。また、光ピックアップ筺体11の上面に取り付けられている放熱カバー14には、光ピックアップ筺体11上面の導風路11bの開口部5aが形成されている。光ピックアップ筺体11の下面には開口部5bが形成され、この開口部5bから光ディスク3に対向する面まで連通するように導風路11bの開口と略同一形状となる開口部5aが形成される。
ただし、放熱カバー14の開口部5aは、放熱カバー14の対物レンズ対向面より光ディスク3に近づけてもよい。その場合、光ピックアップ筺体11に形成した導風路11bと略同一断面形状のダクト14a(筒状)を放熱カバー14上に形成し、開口部5aを光ディスク3の板面に近づける構造となっている。
光ディスク3に近いほど回転によって生じる空気流が早いため圧力は低くなる。例えば、開口部5aを対物レンズ16と同一の高さまで伸ばし、光ディスク3と開口部5aの距離を1mmとすることで導風路11b内の空気流6a、6bの流速を向上させることができる。また、ダクト14aを形成することで放熱カバー14の表面積が増加するため、レーザ素子17の放熱性能も向上し、レーザ素子17の温度上昇を抑制することができるため、光ピックアップ装置1の信頼性向上を実現できる。
本発明の発明者は、第三の実施例における導風路11b中の空気流速値を図11のように数値流体シミュレーション(CFD: Computational Fluid Dynamics)により見積もった。
図11は数値流体シミュレーションの結果を示すグラフ図である。
図11において、光ディスクの回転数が9000rpm(ディスク外周領域でおよそ7.5m/sの空気流速)の時、本実施の形態において、光ピックアップ筺体11に形成した導風路11b内のレーザ駆動回路素子15周囲の空気流速値は、光ディスク3と開口部5aの距離に依存し、光ディスク3と開口部5aの距離を3mmとした時に比べて、距離を1mmとした時の流速値は6.3倍に増大することを確認した。
第4の実施例を図12、図13で説明する。
図12は第四の実施例を備えた光ピックアップの斜視図である。
図13は図12のA−A’線断面図である。
第4の実施例は第1の実施例と同様に、光ピックアップ筺体11には、光ディスク3に対向する上面から光ピックアップ筺体11下面まで、凹形状に窪んだ溝11aを形成されている。この凹形状に窪んだ溝11aは回路基板13によって覆われることによって空気流が流れる導風路11bが形成される。回路基板13は光ピックアップ筐体11の外周側にネジ止めされている。
このとき、レーザ駆動回路素子15は回路基板13の導風路11bに面した側に取り付けられている。また、光ピックアップ筺体11の上面に取り付けられている放熱カバー14には、光ピックアップ筺体11上面の導風路11bの開口部5aが形成されている。光ピックアップ筺体11の下面には開口部5bが形成され、この開口部5bから光ディスク3に対向する面まで連通するように導風路11bの開口と略同一形状となる開口部5aが形成される。
ただし、放熱カバー14は光ピックアップ筺体11上面近くに配置されなくてもよい。例えば放熱カバー14を光ピックアップ筺体11上面より、光ディスク3により近い位置に取り付ける構造としてもよい。その際、光ピックアップ筺体11に形成した導風路11bの開口と略同一断面形状のダクト14bを形成し、導風路11bと放熱カバー14の開口部5aを連通する構造とする。
放熱カバー14を光ディスク3により近い位置に取り付ける構造とすることで開口部5aが光ディスク3により近づくので光ディスク3の回転によって生じる回転流4の流速が増大して開口5aの圧力が下がることになる。そのため開口部5aと開口部5bとの間の圧力差が大きくなり、導風路11b内に生じる空気流6a、6bの流速が増大し、レーザ駆動回路素子15の放熱性能が向上することになる。
さらに、放熱カバー14表面を流れる回転流4の流速も速くなり、放熱カバー14の放熱能力が増大し、レーザ素子17の温度上昇を低減できるため、光ピックアップ装置1の信頼性の低減を防ぐことができる。
第5の実施例を図14、図15で説明する。
図14は第五の実施例を備えた光ピックアップの実施例を備えた光ピックアップの斜視図である。
図15は図14のA−A’線断面図である。
図14、図15に示す光ピックアップ装置1において、導風路11bを形成する空間は光ピックアップ筺体11の凹部によって形成されなくてもよく、回路基板13によって凹部を形成し、光ピックアップ筺体11の側面と回路基板13の凹部によって形成される空間を導風路11bとしてもよい。
図15は、回路基板13に凹形状を形成することで、導風路11bを形成したものである。このように回路基板13を凹形状に形成することで、導風路11bのうち、3面が回路基板13によって形成されるため、回路基板13の凹形状内面をレーザ駆動回路素子15の拡大伝熱面とみなすことができる。さらに、レーザ駆動回路素子15をレーザ素子17から遠ざけることができるため、レーザ素子17の温度上昇を防ぐことができる。導風路11b内を流れる空気流により、レーザ駆動回路素子15の放熱を促進することができる。したがって、レーザ素子17の温度上昇を抑えることができ、光ピックアップ装置1の信頼性低下を防ぐことができる。
以上のごとく、本発明によれば光ディスクの回転によって生じる光ディスク近傍の負圧部と光ピックアップ装置下部の大気圧部分とが光ピックアップ筺体の溝とレーザ駆動回路基板によって形成された導風路によって接続される。この圧力差によって導風路内に空気流が生じ、導風路内に配置したレーザ駆動回路素子に空気流を直接導くことで、レーザ駆動回路素子の放熱を促進することができる。これにより、レーザ駆動回路素子の放熱性能を向上してレーザ素子の過度の温度上昇を抑制することで、光ピックアップ装置の信頼性を高めることができる。
以上の説明では1個のレーザ素子を搭載した光ピックアップを実施例として説明した。しかし実際の製品はCD用のレーズ素子とDVD用のレーザ素子の2個搭載したものが主流である。しかしこの場合でも本実施例を採用することが可能である。
さらにはBD(Blu-ray Disc)用レーザ素子を搭載した機種もあり、その場合はCD用とDVD用は赤系のレーザ素子であるため共用できので、やはりレーザ素子を2個搭載となる。この場合でも本実施例を採用することが可能である。
1…光ピックアップ、2…光ドライブ装置、3…光ディスク、3a…光ディスクの回転方向、4…回転流、5a、5b…開口部、6a、6b…空気流、11…光ピックアップ筺体、11a…溝、11b…導風路、12…フレキシブルプリント基板、13…回路基板、14…放熱カバー、14a、14b…放熱カバーダクト、15…レーザ駆動回路素子、16…対物レンズ、16a…対物レンズ駆動装置、17…レーザ素子、22a、22b…光ピックアップ案内軸、23a、23b…光ディスク載置板導風路、24a、24b…光ディスク装置駆動部材。

Claims (7)

  1. レーザ発光部となるレーザ素子と、このレーザ素子の発光を制御するレーザ駆動回路素子と、前記レーザ素子と熱的に接続されたカバーと、前記レーザ駆動回路素子を搭載し、前記光ピックアップ筺体の側面に固定された回路基板と、レーザ光を光ディスク上に集光させる対物レンズと、この対物レンズを駆動させる対物レンズ駆動装置とを収納した光ピックアップ筐体を備えた光ピックアップ装置において、
    光ディスクと対向する前記光ピックアップ筺体の上面から前記光ピックアップ筺体下面まで窪んだ溝を設け、この溝を前記レーザ駆動回路素子を搭載した回路基板で閉塞して空気の導風路を設けるとともに、
    前記レーザ駆動回路素子を前記導風路内に位置させたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
    前記光ディスク側に面する前記カバーに前記導風路と連通する開口部を設けたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 請求項1記載の光ピックアップ装置において、
    前記導風路の断面積が前記レーザ駆動回路素子部分で狭められていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  4. 請求項1記載の光ピックアップ装置において、
    前記カバーの開口部が前記光ディスクから3mm以内の距離に形成されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 請求項1記載の光ピックアップ装置において、
    前記カバーに設けられた開口部に筒状の立上がり部を設け、この立上がりの先端を対向前記光ディスク面に接近させたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 請求項1記載の光ピックアップ装置において、
    前記カバーに設けられた開口部に筒状の立上がり部を設け、この立上がり部の先端に対向することを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 請求項1記載の光ピックアップ装置において、
    前記導風路を前記回路基板で形成したことを特徴とする光ピックアップ装置。
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