JP2011146742A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 強度、密着性に優れる半田パッド構造を提案する。
【解決手段】 半田をリフローした際に、ニッケル層60と半田バンプ(Cu−Sn−Ag)46との界面に、Niと半田組成金属とのNi合金層(Cu−Ni−Sn)68ができる(図8(B))。Ni合金層68の厚みを調整することで、ニッケル層と半田バンプとの接合強度が高めれる。厚み調整のため、該Ni合金層の形成を阻害するPb層62を所定の厚みでNi層60の上に設ける(図8(A))。
【選択図】 図8
【解決手段】 半田をリフローした際に、ニッケル層60と半田バンプ(Cu−Sn−Ag)46との界面に、Niと半田組成金属とのNi合金層(Cu−Ni−Sn)68ができる(図8(B))。Ni合金層68の厚みを調整することで、ニッケル層と半田バンプとの接合強度が高めれる。厚み調整のため、該Ni合金層の形成を阻害するPb層62を所定の厚みでNi層60の上に設ける(図8(A))。
【選択図】 図8
Description
本発明は、半導体素子が搭載される半導体搭載用の多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
一般的にプリント配線板の最外層は、導体回路を保護するために、ソルダーレジスト層を施されている。半田バンプを形成する際には、導体回路との接続のためにソルダーレジスト層の一部を開口し露出させた半田パッド形成する。半田パッドとなる部分にニッケル層、金層を施した上に半田ペーストを印刷して、リフローを行うことで半田バンプを形成している。それらの従来技術として、特開平10−154876号等が提案されている。
また、本出願人は、特開2000−332395号において、半田パッド上にニッケル層、金層からなる組み合わせ以外である複合層を設けることを提案している。
しかしながら、半田パッドの開口径が小さくなると(例えば、半田パッドの開口径が2000μm以下)、半田ペーストを印刷で半田パッド上に形成させると、パッド上半田の充填不足、未充填により半田バンプの形状が保持できず、半田バンプとしての機能を果たさなくなることがある。更に、半田パッドの開口径が小さくなるにつれて、半田パッドと半田バンプとの接続面積が小さくなるために、密着性も低下してしまう。そのために、半導体素子やプリント配線板として、電気接続性や信頼性が低下してしまうこともある。
また、半田ペースト内に気泡が形成され、その気泡が半田バンプの破裂などを引き起こしたり、そのままペースト内に残留することにより、電気接続性を行う半田バンプとしての機能が低下してしまうこともあった。
そのために半田パッド内の金属間、半田バンプと半田バンプ間での強度、耐食性を改善する必要がある。
また、半田ペースト内に気泡が形成され、その気泡が半田バンプの破裂などを引き起こしたり、そのままペースト内に残留することにより、電気接続性を行う半田バンプとしての機能が低下してしまうこともあった。
そのために半田パッド内の金属間、半田バンプと半田バンプ間での強度、耐食性を改善する必要がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、強度、密着性に優れる半田パッド構造にすることによって密着性、電気接続性、信頼性に優れる多層プリント配線板の製造方法を提案することにある。
発明者が鋭意研究した結果、ソルダーレジスト層の一部が開口された半田パッドが形成され、その半田パッドから露出した導体回路上に複合層を設ける。
本願発明における複合層とは、Ni層、Ni合金層あるいはNi層、中間層、貴金属層を示している。
本願発明における複合層とは、Ni層、Ni合金層あるいはNi層、中間層、貴金属層を示している。
複合層として、Ni層、Ni合金層を形成させる場合として、例えば、その一例として、Ni層、Ni−Sn含有されたNi合金層、Ni層、Cu−Ni−Sn含有されたNi合金層などがある。
これらの複合層が半田パッド上の導体回路上に設けられて、該複合層上に、リフローなどを経て、半田バンプが形成される。それにより、半田パッド上には、複合層(Ni層−Ni合金層)−半田層(半田バンプ)という構造となる。ここで、Ni合金層が、半田層との密着性を向上させることができるのである。つまり、Ni合金層が剛性を高めるため、引張りに対する耐性が高められるのである。その結果として、ピール強度を向上させることができるのである。
このNi合金層は、その大きさに関わりなく、引張りに対する耐性が高められるのである。つまり、この場合には、半田パッドの大きさに関わりなく、Ni合金層は、ピール強度を向上させることができるのである。
これらの複合層が半田パッド上の導体回路上に設けられて、該複合層上に、リフローなどを経て、半田バンプが形成される。それにより、半田パッド上には、複合層(Ni層−Ni合金層)−半田層(半田バンプ)という構造となる。ここで、Ni合金層が、半田層との密着性を向上させることができるのである。つまり、Ni合金層が剛性を高めるため、引張りに対する耐性が高められるのである。その結果として、ピール強度を向上させることができるのである。
このNi合金層は、その大きさに関わりなく、引張りに対する耐性が高められるのである。つまり、この場合には、半田パッドの大きさに関わりなく、Ni合金層は、ピール強度を向上させることができるのである。
複合層として、Ni層、中間層、貴金属層を形成させる場合として、例えば、その一例として、ニッケル層(Ni層)−パラジウム層(Pd層)−金層(Au層)、ニッケル層(Ni層)−パラジウム層(Pd層)−、銀層(Ag層)などがある。
これらの複合層を設け、該複合層上に、リフローして半田バンプを設けると、中間層及び貴金属層は、半田側に拡散してしまう。そのため、ニッケル層と半田バンプとの界面に、Niと半田組成金属からなるNi合金層が形成されるのである。
ここで、Ni合金層が、半田層との密着性を向上させることができるのである。つまり、Ni合金層が剛性を高めるため、引張りに対する耐性が高められるのである。その結果として、ピール強度を向上させることができるのである。
このNi合金層は、その大きさに関わりなく、引張りに対する耐性が高められるのである。つまり、この場合には、半田パッドの大きさに関わりなく、Ni合金層は、ピール強度を向上させることができるのである。
これらの複合層を設け、該複合層上に、リフローして半田バンプを設けると、中間層及び貴金属層は、半田側に拡散してしまう。そのため、ニッケル層と半田バンプとの界面に、Niと半田組成金属からなるNi合金層が形成されるのである。
ここで、Ni合金層が、半田層との密着性を向上させることができるのである。つまり、Ni合金層が剛性を高めるため、引張りに対する耐性が高められるのである。その結果として、ピール強度を向上させることができるのである。
このNi合金層は、その大きさに関わりなく、引張りに対する耐性が高められるのである。つまり、この場合には、半田パッドの大きさに関わりなく、Ni合金層は、ピール強度を向上させることができるのである。
Ni合金層としては、例えば、Ni−Snが含有されている合金層、Cu−Ni−Snが含有されている合金層等である。これらのNi合金層により、剛性を向上させることができるのである。
Ni合金層の厚みを調整することで、ニッケル層と半田バンプとの接合強度がより高められ、引っ張り強度を、より向上させることができる。
Ni合金層の平均厚みは、1.0〜2.5μmであることがより望ましい。この範囲内にすることにより、Ni合金層の剛性が高められ、その結果、引っ張り強度を向上させることができるからである。また、Ni以外の金属の組み合わせに関係なく、引っ張り強度を向上させることができるのである。
ここで、平均厚みを1.0μm未満にする。あるいは、平均厚みが2.5μmを越えると、Ni合金層として剛性は確保されるが、上記のNi合金層の厚みの範囲内にあるものと比べて、剛性が劣るため、引っ張り強度も劣ってしまうのである。
ここで、平均厚みを1.0μm未満にする。あるいは、平均厚みが2.5μmを越えると、Ni合金層として剛性は確保されるが、上記のNi合金層の厚みの範囲内にあるものと比べて、剛性が劣るため、引っ張り強度も劣ってしまうのである。
また、Ni合金層の平均厚みを1.0〜2.5μmにするためには、複合層である中間層の厚みを調整することが必要であることが実験から分かった。つまり、半田バンプ形成の際、複合層がNi層、中間層、貴金属層であると、貴金属層、中間層が拡散して、Ni合金層が形成されるのであるが、このときに、中間層の厚みによりNi合金層の厚みが調整されるのである。そのために、中間層の厚みを調整することが、Ni合金層の厚みを変えて、その結果として、Ni合金層の剛性が変わり、引っ張り強度も変化させるのである。
例えば、中間層にPd層を用いた場合、Pd層の厚みを0.01〜0.2μmにすれば、Ni合金層の平均厚みを1.0〜2.5μmにしやすいのである。
ここで、Pd層は、Ni拡散を抑制しNi合金層の形成を阻害する働きを持つ。
このため、Pd層の厚みが0.01μm未満では、Ni拡散を十分に抑制し得ず、Ni合金層の厚みを厚くしやすいのである。この場合、Ni合金層の平均厚みが2.5μmを越えてしまいやすく、そのために、Ni合金層の剛性が向上されにくくなるのである。
反対に、Pd層厚みが0.2μmを越えると、Ni拡散が抑制されるので、Ni合金層の形成が阻害されるため、Ni合金層の厚みを薄くしやすいのである。この場合、Ni合金層の平均厚みが0.01μm未満になりやすく、そのために、Ni合金層の剛性が向上されにくくなるのである。
特に、Pd層の厚みは、0.03〜0.15μmであることがより望ましい。この範囲内にすることにより、局所的な厚みのばらつきになったとしても、Pd層の厚みが、0.01〜0.2μmの範囲内となるからである。そのために、形成されたNi合金層が上述の所望の範囲内にすることをしやすく、そのために、Ni合金層としての剛性を高めやすいのである。
ここで、Pd層は、Ni拡散を抑制しNi合金層の形成を阻害する働きを持つ。
このため、Pd層の厚みが0.01μm未満では、Ni拡散を十分に抑制し得ず、Ni合金層の厚みを厚くしやすいのである。この場合、Ni合金層の平均厚みが2.5μmを越えてしまいやすく、そのために、Ni合金層の剛性が向上されにくくなるのである。
反対に、Pd層厚みが0.2μmを越えると、Ni拡散が抑制されるので、Ni合金層の形成が阻害されるため、Ni合金層の厚みを薄くしやすいのである。この場合、Ni合金層の平均厚みが0.01μm未満になりやすく、そのために、Ni合金層の剛性が向上されにくくなるのである。
特に、Pd層の厚みは、0.03〜0.15μmであることがより望ましい。この範囲内にすることにより、局所的な厚みのばらつきになったとしても、Pd層の厚みが、0.01〜0.2μmの範囲内となるからである。そのために、形成されたNi合金層が上述の所望の範囲内にすることをしやすく、そのために、Ni合金層としての剛性を高めやすいのである。
更に、中間層内のリン(P)の含有量により、Ni合金層の厚みを制御することもできるのである。中間層内のPの含有量がPの含有量を2〜7wt%にすることが望ましい。これにより、形成された中間層は、ポーラスとなりにくいし、皮膜が均一になりやすい。そのために形成されたNi合金層が形成されやすくなるので、Ni合金層の剛性を確保しやすいからである。
中間層にPd層を用いた場合には、Pの含有量を2〜7wt%にすることが望ましい。Pd層のP含有量をこの範囲内にすることにより、形成されたPd層には、ポーラスとなりにくいし、皮膜が均一になりやすい。そのために形成されたNi合金層が形成されやすくなるし、上述の所望の厚み範囲内にしやすいので、Ni合金層の剛性をより確保しやすいからである。
ここで、Pd層のPの含有量が2%未満あるいは、Pd層のPの含有量が7%を越えると、Pd層を均一にNi層に被覆できず、Pd層にポーラスが残る。Ni合金層の厚くなりやすくなり、その結果として形成されたNi合金層は、その機能を果たすことができるが、より剛性を向上させにくくなるのである。その端的な例として、Ni合金層の平均厚みが2.5μmを越えてしまうことがある。
ここで、Pd層のPの含有量が2%未満あるいは、Pd層のPの含有量が7%を越えると、Pd層を均一にNi層に被覆できず、Pd層にポーラスが残る。Ni合金層の厚くなりやすくなり、その結果として形成されたNi合金層は、その機能を果たすことができるが、より剛性を向上させにくくなるのである。その端的な例として、Ni合金層の平均厚みが2.5μmを越えてしまうことがある。
更に、Pd層のPの含有量が4〜6wt%にすることが特に望ましい。P含有量を範囲内にすることにより、局所的なバラつきが発生したとしても、Pの含有量を2〜7wt%から大きく逸脱することがない。そのために、形成されたNi合金層の厚みが所望の範囲に収まる。その結果として、Ni合金層の剛性をより向上させやすくなるのである。
ここで、Pd層に適量のPを含有するとポーラスの無いPd膜が形成できる理由について、図9を参照して説明する。
図9(A)は、適量のPを含有する場合を示している。ここでは、Pd膜の形成には、無電解めっき処理により行われ、そのめっき液には還元剤として次亜リン酸系の薬液を用いる。その一例として、次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2)を用いる。まず、次亜リン酸イオン(H2PO2 −)63がニッケル層上に吸着される(図9(A)中(1))。次に、Niが触媒となり、次亜リン酸イオンに脱水素分解(H2PO2 −+2H→Pd+2H+)を起こさせる。この脱水素分解により発生した水素原子65は、Ni表面に吸着され活性化される(図9(A)中(2))。めっき浴中のPdイオン(Pd2+)がNi表面の水素から電子をもらいPd金属に還元(Pd2++2H→Pd+2H+)される(図9(A)中(3))。析出したPd金属が触媒になって、Ni表面に同じメカニズムでPdが析出していく(図9(A)中(4))。ここで、Pd−PのPは還元剤である次亜リン酸が共析出したものである。次亜リン酸がNiを触媒活性する働きがあるためNi表層上で選択性なくめっき、即ち、緻密なPd層を形成することができる。さらに、このとき、次亜リン酸の濃度を調整することにより、Pd層である皮膜内に、Pの含有量を調整することができるのである。
図9(A)は、適量のPを含有する場合を示している。ここでは、Pd膜の形成には、無電解めっき処理により行われ、そのめっき液には還元剤として次亜リン酸系の薬液を用いる。その一例として、次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2)を用いる。まず、次亜リン酸イオン(H2PO2 −)63がニッケル層上に吸着される(図9(A)中(1))。次に、Niが触媒となり、次亜リン酸イオンに脱水素分解(H2PO2 −+2H→Pd+2H+)を起こさせる。この脱水素分解により発生した水素原子65は、Ni表面に吸着され活性化される(図9(A)中(2))。めっき浴中のPdイオン(Pd2+)がNi表面の水素から電子をもらいPd金属に還元(Pd2++2H→Pd+2H+)される(図9(A)中(3))。析出したPd金属が触媒になって、Ni表面に同じメカニズムでPdが析出していく(図9(A)中(4))。ここで、Pd−PのPは還元剤である次亜リン酸が共析出したものである。次亜リン酸がNiを触媒活性する働きがあるためNi表層上で選択性なくめっき、即ち、緻密なPd層を形成することができる。さらに、このとき、次亜リン酸の濃度を調整することにより、Pd層である皮膜内に、Pの含有量を調整することができるのである。
図9(B)は、Pを含有しない純Pdの場合を示している。ここでは、Pd膜の形成には、無電解めっき処理により行われ、そのめっき液には還元剤としてPを含まないギ酸(HCOOH)を用いる。まず、Ni表面にはNiめっき反応中に発生する水素65が吸着される(図9(B)中(1))。次に、めっき浴中のPdイオンがNi表面の水素と触れるとPdイオンが金属に還元される(図9(B)中(2))。Pd析出反応の影響でギ酸がH2とCO2との分解される(図9(B)中(3))。Pdイオンはギ酸の分解で発生した水素から電子を貰い金属に還元される(図9(B)中(4))。このときに形成されたPd層は、還元剤としてギ酸を使用している。しかしながら、初期析出時にはギ酸は還元剤として働けないためNi表層の水素が還元剤となる。しかし、Ni表層には多くの水素が存在する訳ではないので、選択性のあるめっき皮膜となる、即ち、ポーラスな形状となるPdめっき層を形成することになる。
なお、前述の各金属の定量は、エネルギー分散法(EDS)にて行った。その方法では、SEM(走査電子顕微鏡)、また、TEM(透過電子顕微鏡)の励起源である電子線を資料の表面に照射することで、種々の信号を発生させる。その中で、主に特性X線をSi(Li)半導体検出器で検出し、そのエネルギーに比例した数の電子・正孔対を半導体中に作り、電気信号を発生させ、増幅、アナログ−デジタル変換後、マルチチャンネルアナライザを用いて識別することにより、X線スペクトルを得て、そのピークエネルギーから元素の同定をそのピークの量から定量分析する。その測定、定量には、エネルギー分散形X線分析装置(日本電子(株)製形式JED−2140)を用いた。形成した金属層を直接照射させて行い、金属の定量測定を行った。
複合層の中間層上には、耐食層を設けることが望ましい。耐食層を設けることで、中間層に上述したNi層上にNi合金層の形成を助長する働きを行わせるからである。
複合層の中間層としてPd層を用いた場合には、Pd層上に耐食層を設けることが望ましい。耐食層を設けることで、Ni層上にNi合金層の形成を助長する働きを行わせるからである。
ここで、耐食層は、Au、Ag、Pt等の貴金属、又は、Snの中から少なくとも1種類以上で形成されるのがよい。これらの金属を用いるとNi合金層の形成が助長されるからである。
また、同一金属で置換めっき、無電解めっきあるいは置換めっき、無電解めっきによって2段階を経て耐食層を形成してもよい。それにより、下層のNi層の影響を受けることのない金属膜を形成できて、耐食性が向上され、半田バンプの形状、機能の低下などの影響を抑えることができるのである。
ここで、耐食層は、Au、Ag、Pt等の貴金属、又は、Snの中から少なくとも1種類以上で形成されるのがよい。これらの金属を用いるとNi合金層の形成が助長されるからである。
また、同一金属で置換めっき、無電解めっきあるいは置換めっき、無電解めっきによって2段階を経て耐食層を形成してもよい。それにより、下層のNi層の影響を受けることのない金属膜を形成できて、耐食性が向上され、半田バンプの形状、機能の低下などの影響を抑えることができるのである。
耐食層は、特にAuで形成されたものでは、比率によって形成される半田パッドが異なり、それによっても半田パッドの耐食性、密着性や半田バンプの形状、機能を向上させることも分かった。
耐食層の厚みは0.01〜2μmの範囲で形成するのがよい。特に0.03〜1μmの範囲で形成するのがよい。耐食層の厚みが0.01μm未満では、Ni合金層を形成することが助長されない。そのために、局所的にでもNi合金層を形成されないところがあり、そのために、Ni合金層の剛性が向上させにくくなり、その結果として、Ni合金層のピール強度も向上しにくくなるからである。逆に、耐食層の厚みが2μmを越えると、その厚みにより、Ni合金層の形成の助長が阻害されてしまうことがある。そのために、局所的にでもNi合金層が形成されないところがあり、そのために、Ni合金層の剛性が向上させにくくなり、その結果として、Ni合金層のピール強度も向上し難くなるからである。
本願発明における複合層を構成するNi層は、Ni−Cu、Ni−P、Ni−Cu−P等が含有した合金金属で形成するのがよい。特に、Ni−P、Ni−Cu−Pの合金金属で形成するのがよい。その理由としては、導体回路表面に凹凸が形成されていても、その凹凸を相殺し、表層を平坦にした皮膜を形成することができる。また、めっきで形成された場合には、形成されたNi層では、未析出、反応停止などによる金属層の未形成、形成異常を起こしにくいからである。
本願発明に用いられる半田としては、二成分系半田、三成分系半田、あるいは四成分以上多成分系半田を用いることができる。これらの組成に含有される金属としては、Sn、Ag、Cu、Pb、Sb、Bi、Zn、In等を用いることができるのである。
二成分系半田としては、Sn/Pb、Sn/Sb、Sn/Ag、Sn/Cu、Sn/Znなどである。また、三成分系半田としては、Sn/Ag/Cu、Sn/Ag/Sb、Sn/Cu/Pb、Sn/Sb/Cu、Sn/Ag/In、Sn/Sb/In、Sn/Ag/Bi、Sn/Sb/Bi等を用いることができるのである。これら三成分系半田としては、三成分が10wt%以上となるものでもよいし、主となる2つの成分で95wt%以上を占めて、残で1成分からなる半田であってもよい(例えば、Sn、Agの合計が97.5wt%、残がCuとなる三成分系半田)。
また、これ以外にも四成分以上からなる多成分系半田を用いてもよい。多成分系半田としては、例えば、Sn/Ag/Cu/Sb、Sn/Ag/Cu/Bi等がある。α線量を調整した半田を用いてもよい。
半田の成分とNiと合金を形成し得るものであれば、用いることができる。このNi合金層により、剛性が高められ、その結果として、半田のピール強度を向上させることができるのである。
その中でもNi−SnからなるNi合金層であることが望ましい。この合金にすることで剛性が高められるのである。また、Ni−Sn−Cu、Ni−Sn−Ag、Ni−Sn−Sb、Ni−Sn−Bi、Ni−Sn−ZnなどであるNi合金層であってもよい。これらの合金層でも半田のピール強度を向上させることができるのである。
また、これらの半田の融点としては、150〜350℃の間であることが望ましい。半田の融点が150℃未満であっても、逆に、半田の融点が350℃以上であっても、Ni合金層の形成しにくい場合がある。つまり、温度が低くてもNi合金が形成されにくいし、温度が高いとNiが分離してしまうので、Ni合金となりにくくなるからである。それ故に、上記の温度のものであれば、Ni合金が形成されやすいのである。
二成分系半田としては、Sn/Pb、Sn/Sb、Sn/Ag、Sn/Cu、Sn/Znなどである。また、三成分系半田としては、Sn/Ag/Cu、Sn/Ag/Sb、Sn/Cu/Pb、Sn/Sb/Cu、Sn/Ag/In、Sn/Sb/In、Sn/Ag/Bi、Sn/Sb/Bi等を用いることができるのである。これら三成分系半田としては、三成分が10wt%以上となるものでもよいし、主となる2つの成分で95wt%以上を占めて、残で1成分からなる半田であってもよい(例えば、Sn、Agの合計が97.5wt%、残がCuとなる三成分系半田)。
また、これ以外にも四成分以上からなる多成分系半田を用いてもよい。多成分系半田としては、例えば、Sn/Ag/Cu/Sb、Sn/Ag/Cu/Bi等がある。α線量を調整した半田を用いてもよい。
半田の成分とNiと合金を形成し得るものであれば、用いることができる。このNi合金層により、剛性が高められ、その結果として、半田のピール強度を向上させることができるのである。
その中でもNi−SnからなるNi合金層であることが望ましい。この合金にすることで剛性が高められるのである。また、Ni−Sn−Cu、Ni−Sn−Ag、Ni−Sn−Sb、Ni−Sn−Bi、Ni−Sn−ZnなどであるNi合金層であってもよい。これらの合金層でも半田のピール強度を向上させることができるのである。
また、これらの半田の融点としては、150〜350℃の間であることが望ましい。半田の融点が150℃未満であっても、逆に、半田の融点が350℃以上であっても、Ni合金層の形成しにくい場合がある。つまり、温度が低くてもNi合金が形成されにくいし、温度が高いとNiが分離してしまうので、Ni合金となりにくくなるからである。それ故に、上記の温度のものであれば、Ni合金が形成されやすいのである。
本発明の多層プリント配線板においては、導体回路を施したプリント配線板の表層の導体回路に粗化層を形成することもできる。その平均粗度(Ra)は、0.02〜7μmが望ましい。その粗化層によって導体回路とソルダーレジスト層との密着性を向上させている。特に、望ましい範囲の平均粗度は、1〜5μmである。その範囲であれば、ソルダーレジスト層の組成、厚み等に関係なく所望の密着性が得られる。
粗化層の形成方法としては、Cu−Ni−Pからなる合金層などの無電解めっき形成する方法、第二銅錯体と有機酸塩によってエッチングによって形成する方法や酸化還元によって形成する方法がある。場合によっては粗化層をSn、Znなどによって被覆してもよい。
粗化層の形成方法としては、Cu−Ni−Pからなる合金層などの無電解めっき形成する方法、第二銅錯体と有機酸塩によってエッチングによって形成する方法や酸化還元によって形成する方法がある。場合によっては粗化層をSn、Znなどによって被覆してもよい。
最外層の導体回路は、ソルダーレジスト層で被覆保護されている。
ソルダーレジスト層としては、種々の樹脂を使用でき、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂の一部に(メタ)アクリル化した樹脂、これらの2種類以上用いた樹脂複合体であってもよい。樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、オレフィン樹脂などである。
ソルダーレジスト層の形成には、予め粘度を調整してワニス上にしたものを塗布する。あるいは半硬化状態(Bステージ)にしたフィルム状にしたものを貼り付ける。もしくは、塗布した後に、フィルムを貼り付ける方法などによって行われてもよい。また、異なる2種類以上の樹脂により、複数層で形成してもよい。
ソルダーレジスト層としては、種々の樹脂を使用でき、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂の一部に(メタ)アクリル化した樹脂、これらの2種類以上用いた樹脂複合体であってもよい。樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、オレフィン樹脂などである。
ソルダーレジスト層の形成には、予め粘度を調整してワニス上にしたものを塗布する。あるいは半硬化状態(Bステージ)にしたフィルム状にしたものを貼り付ける。もしくは、塗布した後に、フィルムを貼り付ける方法などによって行われてもよい。また、異なる2種類以上の樹脂により、複数層で形成してもよい。
また、ソルダーレジスト層には、その一部を開口して半田パッドを設ける。このとき、開口方法には、開口パッドが描画されたマスクをソルダーレジスト層上に載置して、露光・現像を経て形成される方法(フォトレジスト法)、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザなどのレーザにより開口する方法のいずれかを用いることができる。また、直接描画法により半田パッドの開口を形成する方法でもよい。
露光・現像を経て形成するソルダーレジストでは、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアクリレート、ノボラック型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートをアミン系硬化剤やイミダゾール硬化剤などで硬化させた樹脂を使用できる。
特に、ソルダーレジスト層に開口を設けて半田バンプを形成する場合には、「ノボラック型エポキシ樹脂もしくはノボラック型エポキシ樹脂のアクリレート」からなり、「イミダゾール硬化剤」を硬化剤として含むものが好ましい。
特に、ソルダーレジスト層に開口を設けて半田バンプを形成する場合には、「ノボラック型エポキシ樹脂もしくはノボラック型エポキシ樹脂のアクリレート」からなり、「イミダゾール硬化剤」を硬化剤として含むものが好ましい。
次いで、当該導体回路上にソルダ−レジスト層を形成する。本願発明におけるソルダーレジスト層の厚さは、5〜40μmがよい。薄すぎるとソルダーダムとして機能せず、厚すぎると開口しにくくなる上、半田体と接触し半田体に生じるクラックの原因となるからである。
このような構成のソルダーレジスト層は、鉛のマイグレーション(鉛イオンがソルダーレジスト層内を拡散する現象)が少ないという利点を持つ。しかも、このソルダーレジスト層は、ノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートをイミダゾール硬化剤で硬化した樹脂層であり、耐熱性、耐アルカリ性に優れ、半田が溶融する温度(200 ℃前後)でも劣化しないし、ニッケルめっき、パラジウムめっき、金めっきのような強塩基性のめっき液で分解することもない。
しかしながら、このようなソルダーレジスト層は、剛直骨格を持つ樹脂で構成されるので剥離が生じやすい。粗化層は、このような剥離を防止するために有効である。
上記ノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートとしては、フェノールノボラックやクレゾールノボラックのグリシジルエーテルを、アクリル酸やメタクリル酸などと反応させたエポキシ樹脂などを用いることができる。
上記イミダゾール硬化剤は、25℃で液状であることが望ましい。液状であれば均一混合できるからである。
このような液状イミダゾール硬化剤としては、1-ベンジル−2-メチルイミダゾール(品名:1B2MZ )、1-シアノエチル−2-エチル−4-メチルイミダゾール(品名:2E4MZ-CN)、4-メチル−2-エチルイミダゾール(品名:2E4MZ )を用いることができる。
上記イミダゾール硬化剤は、25℃で液状であることが望ましい。液状であれば均一混合できるからである。
このような液状イミダゾール硬化剤としては、1-ベンジル−2-メチルイミダゾール(品名:1B2MZ )、1-シアノエチル−2-エチル−4-メチルイミダゾール(品名:2E4MZ-CN)、4-メチル−2-エチルイミダゾール(品名:2E4MZ )を用いることができる。
このイミダゾール硬化剤の添加量は、上記ソルダーレジスト組成物の総固形分に対して1〜10重量%とすることが望ましい。この理由は、添加量がこの範囲内にあれば均一混合がしやすいからである。
上記ソルダーレジストの硬化前組成物は、溶媒としてグリコールエーテル系の溶剤を使用することが望ましい。
このような組成物を用いたソルダーレジスト層は、遊離酸素が発生せず、銅パッド表面を酸化させない。また、人体に対する有害性も少ない。
上記ソルダーレジストの硬化前組成物は、溶媒としてグリコールエーテル系の溶剤を使用することが望ましい。
このような組成物を用いたソルダーレジスト層は、遊離酸素が発生せず、銅パッド表面を酸化させない。また、人体に対する有害性も少ない。
このようなグリコールエーテル系溶媒としては、下記構造式のもの、特に望ましくは、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)およびトリエチレングリコールジメチルエーテル(DMTG)から選ばれるいずれか少なくとも1種を用いる。これらの溶剤は、30〜50℃程度の加温により反応開始剤であるベンゾフェノンやミヒラーケトンを完全に溶解させることができるからである。
CH3O-(CH2CH2O) n −CH3 (n=1〜5)
このグリコールエーテル系の溶媒は、ソルダーレジスト組成物の全重量に対して10〜40wt%がよい。
以上説明したようなソルダーレジスト組成物には、その他に、各種消泡剤やレベリング剤、耐熱性や耐塩基性の改善と可撓性付与のために熱硬化性樹脂、解像度改善のために感光性モノマーなどを添加することができる。
例えば、レベリング剤としてはアクリル酸エステルの重合体からなるものがよい。また、開始剤としては、チバガイギー製のイルガキュアI907、光増感剤としては日本化薬製のDETX−Sがよい。
さらに、ソルダーレジスト組成物には、色素や顔料を添加してもよい。配線パターンを隠蔽できるからである。この色素としてはフタロシアニングリーンを用いることが望ましい。
CH3O-(CH2CH2O) n −CH3 (n=1〜5)
このグリコールエーテル系の溶媒は、ソルダーレジスト組成物の全重量に対して10〜40wt%がよい。
以上説明したようなソルダーレジスト組成物には、その他に、各種消泡剤やレベリング剤、耐熱性や耐塩基性の改善と可撓性付与のために熱硬化性樹脂、解像度改善のために感光性モノマーなどを添加することができる。
例えば、レベリング剤としてはアクリル酸エステルの重合体からなるものがよい。また、開始剤としては、チバガイギー製のイルガキュアI907、光増感剤としては日本化薬製のDETX−Sがよい。
さらに、ソルダーレジスト組成物には、色素や顔料を添加してもよい。配線パターンを隠蔽できるからである。この色素としてはフタロシアニングリーンを用いることが望ましい。
添加成分としての上記熱硬化性樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることができる。このビスフェノール型エポキシ樹脂には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂があり、耐塩基性を重視する場合には前者が、低粘度化が要求される場合(塗布性を重視する場合)には後者がよい。
添加成分としての上記感光性モノマーとしては、多価アクリル系モノマーを用いることができる。多価アクリル系モノマーは、解像度を向上させることができるからである。例えば、日本化薬製のDPE−6A又は、共栄社化学製のR−604ような多価アクリル系モノマーが望ましい。
また、これらのソルダーレジスト組成物は、25℃で0.5〜10Pa・s、より望ましくは1〜10Pa・sがよい。ロールコータで塗布しやすい粘度だからである。ソルダ−レジスト形成後、開口部を形成する。その開口は、露光、現像処理により形成する。
その後、ソルダ−レジスト層形成後に開口部にNi−Ni合金層もしくはNi層−中間層−耐食層からなる複合層を形成させるのである。
その一例として、半田パッドから露出した導体回路上に無電解めっきにてNiを含有した金属層を形成させる。めっき液の組成の例として硫酸ニッケル4.5g/l、次亜リン酸ナトリウム25g/l、クエン酸ナトリウム40g/l、ホウ酸12g/l、チオ尿素0.1g/l(PH=11)がある。脱脂液により、ソルダ−レジスト層開口部、表面を洗浄し、パラジウムなどの触媒を開口部に露出した導体部分に付与し、活性化させた後、めっき液に浸漬し、ニッケルめっき層を形成させた。
その一例として、半田パッドから露出した導体回路上に無電解めっきにてNiを含有した金属層を形成させる。めっき液の組成の例として硫酸ニッケル4.5g/l、次亜リン酸ナトリウム25g/l、クエン酸ナトリウム40g/l、ホウ酸12g/l、チオ尿素0.1g/l(PH=11)がある。脱脂液により、ソルダ−レジスト層開口部、表面を洗浄し、パラジウムなどの触媒を開口部に露出した導体部分に付与し、活性化させた後、めっき液に浸漬し、ニッケルめっき層を形成させた。
ニッケル層形成後、Pd層をNi層上に形成させる。次いで、Au、Ag、Pt、Snの中から選ばれる金属で耐食層を形成させる。特に金で形成させるのがよい。場合によっては同一金属で置換めっき、無電解めっきを経て2層で形成してもよい。厚みは、0.01〜2μmであるのが望ましい。
開口部に耐食層を施し半田パッドとした後、開口部内に二成分系半田、三成分系半田もしくは多成分系半田である半田ペーストを印刷により充填する。その後、温度250〜350℃にした窒素リフローを通し、半田バンプを開口部内の半田パッドに固定させる。
[実施例1]
A.層間樹脂絶縁層の樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
A.層間樹脂絶縁層の樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
B.樹脂充填材の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で44〜49Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で44〜49Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
C.多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板30の両面に18μmの銅箔32がラミネートされている銅張積層板30Aを出発材料とした(図2(A))。まず、この銅張積層板30Aをドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に下層導体回路34とスルーホール36を形成した(図2(B))。
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板30の両面に18μmの銅箔32がラミネートされている銅張積層板30Aを出発材料とした(図2(A))。まず、この銅張積層板30Aをドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に下層導体回路34とスルーホール36を形成した(図2(B))。
(2)スルーホールおよび下層導体回路を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール36を含む下層導体回路34の全表面に粗化面36α、34αを形成した(図2(C))。
(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール36内、および、基板の片面の下層導体回路非形成部と下層導体回路の外縁部とに樹脂充填材40の層を形成した。即ち、スルーホール36および下層導体回路34の非形成部に相当する部分が開口した版を有する樹脂充填用マスクを基板上に載置し、スキージを用いてスルーホール内、凹部となっている下層導体回路非形成部、および、下層導体回路の外縁部に樹脂充填材40を充填し、100℃/20分の条件で乾燥させた(図2(D))。
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、下層導体回路34の外縁部やスルーホール36のランドの外縁部に樹脂充填材40が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くため、下層導体回路の全表面(スルーホールのランド表面を含む)にバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填材10を硬化した(図3(A))。
このようにして、スルーホール36や下層導体回路非形成部に形成された樹脂充填材40の表層部および下層導体回路34の表面を平坦化し、樹脂充填材と下層導体回路の側面とが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール36の内壁面と樹脂充填材40とが粗化面を介して強固に密着した基板を得た。即ち、この工程により、樹脂充填材の表面と下層導体回路の表面とが略同一平面となる。
このようにして、スルーホール36や下層導体回路非形成部に形成された樹脂充填材40の表層部および下層導体回路34の表面を平坦化し、樹脂充填材と下層導体回路の側面とが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール36の内壁面と樹脂充填材40とが粗化面を介して強固に密着した基板を得た。即ち、この工程により、樹脂充填材の表面と下層導体回路の表面とが略同一平面となる。
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路34の表面とスルーホール36のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、下層導体回路34の全表面に粗化面36βを形成した(図3(B))。エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
(6)基板の両面に、Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層50を形成した(図3(C))。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度67Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
(7)次に、層間樹脂絶縁層上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層50に、直径80μmのバイアホール用開口50aを形成した。
(8)バイアホール用開口50aを形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層50の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口50aの内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面を粗面とした(図3(E))。
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用開口の内壁面に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PbCl2 )と塩化第一スズ(SnCl2 )とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、触媒を付与した基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜を形成し、バイアホール用開口50aの内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面に無電解銅めっき膜52が形成された基板を得た(図4(A))。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
34℃の液温度で40分
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
34℃の液温度で40分
(11)無電解銅めっき膜52が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト54を設けた(図4(B))。
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施した。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
めっきレジスト54の非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜56を形成した(図4(C))。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
めっきレジスト54の非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜56を形成した(図4(C))。
(13)さらに、めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト54下の無電解めっき膜52を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、独立の上層導体回路58(バイアホール60を含む)とした(図4(D))。
(14)ついで、上記(5)と同様の処理を行い、バイアホール60、上層導体回路58の表面に粗化面60α、58αを形成した(図5(A))。
(15)上記(6)〜(14)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路158、バイアホール160を有する層間絶縁層150を形成し、多層配線板を得た(図5(B))。
(15)上記(6)〜(14)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路158、バイアホール160を有する層間絶縁層150を形成し、多層配線板を得た(図5(B))。
(16)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることにより、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60min-1の場合はローターNo.4、6min-1の場合はローターNo.3によった。
(17)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物70を30μmの厚さで塗布し(図5(C))、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて800mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、150μmの直径の開口71を形成した(図6(A))。
そして、さらに、100℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジストパターン層14を形成した。上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
そして、さらに、100℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジストパターン層14を形成した。上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
(18)次に、ソルダーレジスト層14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成した(図6(B))。
(19) 次に、その基板を塩化パラジウム1.0×10−2mol/l、エチレンジアミン8.0×10−2mol/l、次亜リン酸ナトリウム6.0×10−2mol/l、チオジグリコール酸30mg/lでPH=8、温度55℃の無電解パラジウムめっき液に5分間浸積して、ニッケル層60上に厚さ0.08μmのパラジウム層73を形成した(図6(C))。実施例1では、パラジウム層73の厚みを0.01〜0.2μmになるように設定し、Pを2〜7wt%含有させた。
(20)さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層74を形成した(図7(A))。これにより、半田パッド77U、77Dを形成した。
(21)そして、ソルダーレジスト層70の開口部71中の半田パッド77U、77Dに、半田ペースト76αを印刷した(図7(B))。図8(A)に、図7(B)中の円Aで囲んだ半田パッド77Uを拡大して示す。半田パッド77Uは、導体回路158上に順次形成されるニッケル層72−パラジウム層73−Au層74の3層の複合層から成る。
(22) 次に、窒素雰囲気中に250℃でリフローすることにより、半田バンプ76U、76Dを形成した(図1)。このリフローの際に、Pb層73及びAu層74は、半田バンプ76U、76D側に拡散され、図1及び図8(B)を参照して上述したようにニッケル層60と半田バンプ46との界面に、Ni層合金層であるCu−Ni−Sn合金層75が出来る。ここで、実施例1では、Pb層73を、0.01μm〜0.2μmになるように設定し、Pを2〜7wt%含有させることで、Cu−Ni−Sn合金層75の平均厚みを1.0〜2.5μmの範囲内に調整した。
[実施例1−1]
実施例1−1では、半田バンプを構成する半田として、Cu1wt%、Ag2wt%、Sn97wt%合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.034μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Cu−Ni−Sn合Au層の平均厚みを2μmにした。この実施例1−1のニッケル層、Cu−Ni−Sn合金層、半田の電子顕微鏡写真を図11に示す。図中で、下側がニッケル層で、上側が半田、ニッケル層と半田層の界面に介在しているのがCu−Ni−Sn合金層である。
実施例1−1では、半田バンプを構成する半田として、Cu1wt%、Ag2wt%、Sn97wt%合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.034μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Cu−Ni−Sn合Au層の平均厚みを2μmにした。この実施例1−1のニッケル層、Cu−Ni−Sn合金層、半田の電子顕微鏡写真を図11に示す。図中で、下側がニッケル層で、上側が半田、ニッケル層と半田層の界面に介在しているのがCu−Ni−Sn合金層である。
[実施例1−2]
実施例1−2では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.126μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みを1.9μmにした。この実施例1−2のニッケル層、Cu−Ni−Sn合金層、半田の電子顕微鏡写真を図12に示す。
実施例1−2では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.126μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みを1.9μmにした。この実施例1−2のニッケル層、Cu−Ni−Sn合金層、半田の電子顕微鏡写真を図12に示す。
[比較例1−1]
比較例1−1では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層を介在させずNi層の上にAu層を設けた。Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みは3.0μmになった。この比較例1−1のニッケル層、Cu−Ni−Sn合金層、半田の電子顕微鏡写真を図13に示す。この写真からも、Pd層を設けない比較例では、実施例1−1及び実施例1−2と比べて、Cu−Ni−Sn合金層が厚く、かつ、不均一になっていることが分かる。
比較例1−1では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層を介在させずNi層の上にAu層を設けた。Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みは3.0μmになった。この比較例1−1のニッケル層、Cu−Ni−Sn合金層、半田の電子顕微鏡写真を図13に示す。この写真からも、Pd層を設けない比較例では、実施例1−1及び実施例1−2と比べて、Cu−Ni−Sn合金層が厚く、かつ、不均一になっていることが分かる。
[比較例1−2]
比較例1−2では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.283μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みを3.5μmにした。この比較例1−2のニッケル層、Cu−Ni−Sn合金層、半田の電子顕微鏡写真を図14に示す。この写真からも、Pd層を必要以上に厚くした比較例1−2では、実施例1−1及び実施例1−2と比べて、Cu−Ni−Sn合金層が厚くなっていることが分かる。
比較例1−2では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.283μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みを3.5μmにした。この比較例1−2のニッケル層、Cu−Ni−Sn合金層、半田の電子顕微鏡写真を図14に示す。この写真からも、Pd層を必要以上に厚くした比較例1−2では、実施例1−1及び実施例1−2と比べて、Cu−Ni−Sn合金層が厚くなっていることが分かる。
[比較例1−3]
比較例1−3では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を8wt%にした。この結果、Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みが4.0μmになった。このことから、P含有量が7%を越えると、Cu−Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
比較例1−3では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を8wt%にした。この結果、Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みが4.0μmになった。このことから、P含有量が7%を越えると、Cu−Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
[比較例1−4]
比較例1−4では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を1wt%にした。この結果、Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みが4.2μmになった。このことから、P含有量が2%を下回ると、Cu−Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
比較例1−4では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を1wt%にした。この結果、Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みが4.2μmになった。このことから、P含有量が2%を下回ると、Cu−Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
[比較例1−5]
比較例1−5では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量4.5wt%にした。但し、比較例1−5では、Pd層の上にAu層を設けなかった。この結果、Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みが5.2μmになった。このことから、耐食層を設けないとCu−Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
比較例1−5では、実施例1−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量4.5wt%にした。但し、比較例1−5では、Pd層の上にAu層を設けなかった。この結果、Cu−Ni−Sn合金層の平均厚みが5.2μmになった。このことから、耐食層を設けないとCu−Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
図10中に、Pdめっき厚とCu−Ni−Sn合金層との厚みとの関係をグラフとして示す。実施例1(Cu1wt%、Ag2wt%、Sn97wt%合金)の結果から、Ni合金層の平均厚みを1.0〜2.5μmにするためには、Pd層の厚みを0.01〜0.2μmにすれば良いことが分かった。
[実施例1及び比較例1の試験結果]
実施例1及び比較例1の半田バンプにピール試験を加えた結果を図15中に示す。
ここでは、150℃で1000時間置いた後に3Kgf/mmを加え、半田バンプが破断した内で、Ni層と半田パンプとの界面で破断が生じた場合を不良品としている。このことから、Pd層の厚みを0.01〜0.2μmにすることで、界面で100%の信頼性が得られることが明らかになった。
実施例1及び比較例1の半田バンプにピール試験を加えた結果を図15中に示す。
ここでは、150℃で1000時間置いた後に3Kgf/mmを加え、半田バンプが破断した内で、Ni層と半田パンプとの界面で破断が生じた場合を不良品としている。このことから、Pd層の厚みを0.01〜0.2μmにすることで、界面で100%の信頼性が得られることが明らかになった。
[実施例2]
上述した実施例1では、半田バンプを構成する半田として、Cu1wt%、Ag2wt%、Sn97wt%合金を用いた。これにより、Ni層と半田バンプ界面にCu−Ni−Sn合金層を形成した。これに対して、実施例2では、半田としてSn95wt%、Ni5wt%合金を用いる。これにより、Ni層と半田バンプ界面にNi−Sn合金層を形成した。
上述した実施例1では、半田バンプを構成する半田として、Cu1wt%、Ag2wt%、Sn97wt%合金を用いた。これにより、Ni層と半田バンプ界面にCu−Ni−Sn合金層を形成した。これに対して、実施例2では、半田としてSn95wt%、Ni5wt%合金を用いる。これにより、Ni層と半田バンプ界面にNi−Sn合金層を形成した。
[実施例2−1]
実施例2−1では、Pd層の厚みを0.03μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを2μmにした。
実施例2−1では、Pd層の厚みを0.03μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを2μmにした。
[実施例2−2]
実施例2−2では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを1.7μmにした。
実施例2−2では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを1.7μmにした。
[比較例2−1]
比較例2−1では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層を介在させずNi層の上にAu層を設けた。Ni−Sn合金層の平均厚みは2.7μmになった。この結果からPd層を設けないと合金層が厚くなることが分かった。
比較例2−1では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層を介在させずNi層の上にAu層を設けた。Ni−Sn合金層の平均厚みは2.7μmになった。この結果からPd層を設けないと合金層が厚くなることが分かった。
[比較例2−2]
比較例2−2では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.27μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを3.8μmにした。この結果から、Pd層を必要以上厚くすると合金層が厚くなることが分かった。
比較例2−2では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.27μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを3.8μmにした。この結果から、Pd層を必要以上厚くすると合金層が厚くなることが分かった。
[比較例2−3]
比較例2−3では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を8wt%にした。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが4.0μmになった。このことから、P含有量が7%を越えると、Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
比較例2−3では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を8wt%にした。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが4.0μmになった。このことから、P含有量が7%を越えると、Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
[比較例2−4]
比較例2−4では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を1wt%にした。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが4.2μmになった。このことから、P含有量が2%を下回ると、Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
比較例2−4では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を1wt%にした。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが4.2μmになった。このことから、P含有量が2%を下回ると、Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
[比較例2−5]
比較例2−5では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量4.5wt%にした。但し、比較例1−5では、Pd層の上にAu層を設けなかった。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが5.2μmになった。このことから、耐食層を設けないとNi−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
比較例2−5では、実施例2−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量4.5wt%にした。但し、比較例1−5では、Pd層の上にAu層を設けなかった。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが5.2μmになった。このことから、耐食層を設けないとNi−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
図16中に、Pdめっき厚とNi−Sn合金層との厚みとの関係をグラフとして示す。実施例2(Sn95wt%、Ni5wt%)で、Ni合金層の平均厚みを1.0〜2.5μmにするためには、Pd層の厚みを0.01〜0.2μmにすれば良いことが分かった。
[実施例2及び比較例2の試験結果]
実施例2及び比較例2の半田バンプにピール試験を加えた結果を図17中に示す。
実施例1と同様に150℃で1000時間置いた後に3Kgf/mmを加え、半田バンプが破断した内で、Ni層と半田パンプとの界面で破断が生じた場合を不良品としている。この結果から、Pd層の厚みを0.01〜0.2μmにすることで、界面で100%の信頼性が得られることが明らかになった。
実施例2及び比較例2の半田バンプにピール試験を加えた結果を図17中に示す。
実施例1と同様に150℃で1000時間置いた後に3Kgf/mmを加え、半田バンプが破断した内で、Ni層と半田パンプとの界面で破断が生じた場合を不良品としている。この結果から、Pd層の厚みを0.01〜0.2μmにすることで、界面で100%の信頼性が得られることが明らかになった。
[実施例3]
上述した実施例1では、半田バンプを構成する半田として、Cu1wt%、Ag2wt%、Sn97wt%合金を用いた。これにより、Ni層と半田バンプ界面にCu−Ni−Sn合金層を形成した。これに対して、実施例3では、半田としてSn95wt%、Pb5wt%合金を用いる。これにより、Ni層と半田バンプ界面にNi−Sn合金層を形成した。
上述した実施例1では、半田バンプを構成する半田として、Cu1wt%、Ag2wt%、Sn97wt%合金を用いた。これにより、Ni層と半田バンプ界面にCu−Ni−Sn合金層を形成した。これに対して、実施例3では、半田としてSn95wt%、Pb5wt%合金を用いる。これにより、Ni層と半田バンプ界面にNi−Sn合金層を形成した。
[実施例3−1]
実施例3−1では、Pd層の厚みを0.03μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを2μmにした。
実施例3−1では、Pd層の厚みを0.03μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを2μmにした。
[実施例3−2]
実施例3−2では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを1.7μmにした。
実施例3−2では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを1.7μmにした。
[比較例3−1]
比較例3−1では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層を介在させずNi層の上に金層を設けた。Ni−Sn合金層の平均厚みは2.7μmになった。この結果からPd層を設けないと合金層が厚くなることが分かった。
比較例3−1では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層を介在させずNi層の上に金層を設けた。Ni−Sn合金層の平均厚みは2.7μmになった。この結果からPd層を設けないと合金層が厚くなることが分かった。
[比較例3−2]
比較例3−2では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.27μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを3.8μmにした。この結果から、Pd層を必要以上厚くすると合金層が厚くなることが分かった。
比較例3−2では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.27μm、P含有量を4.5wt%とすることで、Ni−Sn合金層の平均厚みを3.8μmにした。この結果から、Pd層を必要以上厚くすると合金層が厚くなることが分かった。
[比較例3−3]
比較例3−3では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を8wt%にした。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが4.0μmになった。このことから、P含有量が7%を越えると、Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
比較例3−3では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を8wt%にした。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが4.0μmになった。このことから、P含有量が7%を越えると、Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
[比較例3−4]
比較例3−4では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を1wt%にした。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが4.2μmになった。このことから、P含有量が2%を下回ると、Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
比較例3−4では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量を1wt%にした。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが4.2μmになった。このことから、P含有量が2%を下回ると、Ni−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
[比較例3−5]
比較例3−5では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量4.5wt%にした。但し、比較例1−5では、Pd層の上にAu層を設けなかった。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが5.2μmになった。このことから、耐食層を設けないとNi−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
比較例3−5では、実施例3−1と同じ半田合金を用いた。そして、Pd層の厚みを0.13μm、P含有量4.5wt%にした。但し、比較例1−5では、Pd層の上にAu層を設けなかった。この結果、Ni−Sn合金層の平均厚みが5.2μmになった。このことから、耐食層を設けないとNi−Sn合金層の厚みが厚くなることが分かった。
図18中に、Pdめっき厚とNi−Sn合金層との厚みとの関係をグラフとして示す。実施例3(Sn95wt%、Pb5wt%)で、Ni合金層の平均厚みを1.0〜2.5μmにするためには、Pd層の厚みを0.01〜0.2μmにすれば良いことが分かった。
[実施例3及び比較例3の試験結果]
実施例3及び比較例3の半田バンプにピール試験を加えた結果を図19中に示す。
実施例1と同様に150℃で1000時間置いた後に3Kgf/mmを加え、半田バンプが破断した内で、Ni層と半田パンプとの界面で破断が生じた場合を不良品としている。この結果から、Pd層の厚みを0.01〜0.2μmにすることで、界面で100%の信頼性が得られることが明らかになった。
実施例3及び比較例3の半田バンプにピール試験を加えた結果を図19中に示す。
実施例1と同様に150℃で1000時間置いた後に3Kgf/mmを加え、半田バンプが破断した内で、Ni層と半田パンプとの界面で破断が生じた場合を不良品としている。この結果から、Pd層の厚みを0.01〜0.2μmにすることで、界面で100%の信頼性が得られることが明らかになった。
30 多層プリント配線板
70 ソルダーレジスト層
70a 開口
72 ニッケル層
73 パラジウム層
74 金層
75 合金層
76U、76D 半田バンプ
70 ソルダーレジスト層
70a 開口
72 ニッケル層
73 パラジウム層
74 金層
75 合金層
76U、76D 半田バンプ
Claims (9)
- ソルダーレジスト層の一部が開口された半田パッドが形成され、該半田パッドから露出した導体回路の表層には複合層が施された多層プリント配線板の製造方法であって:
導体回路の表層に、エッチングにより粗化層を形成する工程;
ソルダーレジスト層の開口から露出した導体回路の表層に、少なくともNi層、Pd層、耐食層からなる複合層を設ける工程と、
からなる多層プリント配線板の製造方法。 - 前記複合層は、前記導体回路の表層から、Ni層、中間層、耐食層の順番に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記複合層の平均厚みは、1.0〜2.5μmの範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記中間層は、Pd層で構成され、前記Pd層のリンの含有量は、2〜7wt%である請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記Pd層の厚みは、0.01〜0.2μmである請求項4に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記耐食層は、Au、Ag、Pt、Snのいずれから1種類以上が選ばれる請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記耐食層の厚みは、0.01〜0.2μmである請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記導体回路の表層には粗化層が形成され、前記粗化層の平均粗度(Ra)は、0.02〜7μmである請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記導体回路の表層の粗化層は、エッチングにより形成される請求項8に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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JP2000332395A (ja) * | 1999-05-17 | 2000-11-30 | Ibiden Co Ltd | プリント配線板 |
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