JP2011144340A - エポキシ樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リグニンを使用して、安価でかつ石油系原料の使用比率がより低く植物原料の使用比率がより高いエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化物を提供することを目的とする。
【解決手段】 アルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科植物リグニンにエピクロロヒドリンを反応させているものであって、前記リグニンの使用割合が70重量%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂である。
また、エポキシ樹脂に、アルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科植物リグニンを硬化剤として使用して得たエポキシ樹脂硬化物であって、リグニンの使用割合が40%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物の製造方法である。
また、前記エポキシ樹脂がアルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科植物リグニンにエピクロロヒドリンを反応させたものであり、リグニンの使用割合が80%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物である。

Description

本発明は植物成分リグニンを原料とするエポキシ樹脂に関する。
エポキシ樹脂は、力学的強度性能、耐熱性、絶縁性が非常に優れており、自動車、電気製品等の用途に広く利用されている。近年、自動車、電気製品の業界は、地球環境への意識が高まり、脱石油、二酸化炭素の排出削減、カーボンニュートラルな材料への切り替えの動きがさかんになってきている。これまで全て石油由来の化学原料に依存してきたエポキシ樹脂に、非石油系原料を導入することが強く求められている。
植物成分リグニンは石油に代わる樹脂原料として期待されており、エポキシ樹脂やその硬化剤への利用が検討されている。しかし、リグニンは一般的に石油化学原料に比べると反応性が低く、非常にきびしい条件でないと反応しないので、製造コストが非常に高かった。
リグニンのエポキシ樹脂への利用は、リグニンをまずフェノールと反応させリグニンフェノール樹脂化し、次いでエポキシ基を導入して、エポキシ樹脂化するのが一般的である。
例えば、特許文献1では、リグニンを含有する植物材料を大過剰の強酸存在下でフェノール類と反応させたリグニンフェノール樹脂(文献によれば、リグノフェノール)をエポキシ化する技術が開示されている。
しかし、この技術は、酸触媒の使用量が非常に多く、反応後にその除去が困難である。また、未反応物が多く、その除去、精製のために有機溶剤による洗浄等特殊な処理が必要である。これらの理由のため、コストが非常に高い。
一方、植物原料を高温高圧処理や爆砕して得たリグニンを、フェノール類を使用することなく、直接エポキシ樹脂化させる方法が開示されている(特許文献2、3)。しかし、このようなリグニンは製造するのに特殊で高価な設備を必要とし、エネルギーコストが高く、収率も低い。かかる製法によって得られるエポキシ樹脂は、市販の石油由来のエポキシ樹脂よりもはるかに高価である。
また、特許文献4では、植物原料を爆砕した後にアルコール抽出して得たリグニンを、リグニンフェノール樹脂化することなく、直接エポキシ樹脂の硬化剤として使用する技術が開示されている。しかし、前述の通り、爆砕して得られるリグニンはコストが非常に高く、従来のエポキシ樹脂用硬化剤に比べはるかに高価である。
本発明者は、リグニンを使用したより安価なエポキシ樹脂を提供する為に、先に、アルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科リグニンにフェノール類を反応させたリグニンフェノール樹脂にエポキシ基を導入したエポキシ樹脂を開発した(特許文献5)。
このエポキシ樹脂は、これまでのリグニン系エポキシ樹脂にくらべはるかに安価で実用的である。しかし、フェノールの併用が不可欠である。
特開2004−238539号公報 特開2009−84320号公報 特開2006−66237号公報 特開2008−138061号公報 特願2009−273935
本発明は、リグニンを使用して、安価でかつ石油系原料の使用率がより低く植物原料の使用率がより高いエポキシ樹脂とその硬化剤及びその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、先にアルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科リグニンをリグニンフェノール樹脂化したものにエポキシ基を導入して耐熱性の優れたエポキシ樹脂を得たが、その後鋭意研究により、かかるイネ科リグニンをフェノールと反応させることなく直接エポキシ化したエポキシ樹脂を得た。このエポキシ樹脂は、フェノールを使用したものに比べると耐熱性は低いが、通常のエポキシ樹脂の用途に使用できる性能を有する。
また、かかるイネ科リグニンは、リグニンフェノール樹脂化しないで、直接エポキシ樹脂の硬化剤として使用することができることも明らかとなった。
更に、前記イネ科リグニンをフェノールと反応させることなく直接エポキシ化したエポキシ樹脂に前記イネ科リグニンを直接硬化剤として使用することで、リグニン使用率の極めて高いエポキシ樹脂硬化物が得られることを見出し、課題を解決するに至った。
すなわち本発明は、アルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科植物リグニンにエピクロロヒドリンを反応させているものであって、前記リグニンの使用割合が70重量%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂である。
また本発明は、エポキシ樹脂に、アルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科植物リグニンを硬化剤として使用して得たエポキシ樹脂硬化物であって、リグニンの使用割合が40%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物である。
また本発明は、前記エポキシ樹脂がアルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科植物リグニンにエピクロロヒドリンを反応させたものであり、リグニンの使用割合が80%以上であることを特徴とする請求項2のエポキシ樹脂硬化物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
はじめに、アルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収されたイネ科リグニン(以下、本発明におけるリグニンと言う)について説明する。
本発明におけるリグニンは、稲ワラ、麦ワラ、竹、アシ、コウリャン、等イネ科植物のリグニンである。イネ科植物リグニンは他の植物のリグニンに比べて、エポキシ化反応において非常に有利である。エポキシ化反応は、リグニンのフェノール性水酸基でおこなわれるが、イネ科植物以外のリグニンはフェノール骨格のオルソ位にメトキシ基があるため立体障害が起こりやすい。それに対し、イネ科リグニンの場合は、フェノール骨格のオルソ位にメトキシ基が無いのでエポキシ化反応が容易に起こる。
また、本発明におけるリグニンは、アルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収されたものである。アルカリ蒸解法とは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを触媒として使用するパルプ蒸解法であり、本発明においてはあらゆるアルカリ蒸解法が対象となるが、特にソーダ法とクラフト法が好ましい。
リグニンは自然状態ではフェノール性水酸基の大部分がエーテル結合しておりそのままではエポキシ化反応は起こらない。ところがアルカリ蒸解法によって、大部分のエーテル結合が開きフェノール性水酸基があらわれる。
以上、本発明におけるリグニンは、フェノール性水酸基が多く、かつ立体障害が起こらないので、エポキシ樹脂およびその硬化物の原料として非常に有利である。
尚、本発明におけるパルプ廃液とは、パルプを蒸解する工程でパルプと分離されて排出される液で通称黒液とよばれるものである。
本発明において、イネ科植物リグニンは、精製してリグニン純度を80%以上にしたものが好ましく、90%以上にしたものがより好ましい。
黒液から回収したリグニンは、通常アルカリ触媒を中和してできた塩類や植物成分の分解によって生じた糖類やヒドロキシ酸等を含んでいる。本発明におけるリグニンの純度とは、そのような不純物を除いた純料なリグニン分重量の全体量に対する重量%である。
次に、本発明におけるリグニンからエポキシ樹脂を作る方法は、前記リグニンに大過剰のエピクロロヒドリンを加え、アルカリ触媒下で反応させる方法が用いられる。
かかる反応において、リグニンとエピクロロヒドリンの結合比は、重量比で通常リグニン:エピクロロヒドリン=100:20〜35程度である。
本発明において相間移動触媒としてテトラメチルアンモニウム(TBAB)を用い、80℃で2時間の条件でエピクロロヒドリンを付加した後冷却し、20%の水酸化ナトリウム水溶液を10℃以下に保ちながら滴下して閉環させる2段階で、エポキシを形成させる方法も有効である。
本発明のエポキシ樹脂は、リグニンの使用割合が70重量%以上であり、75〜85重量%であるのが好ましい。この使用割合は、本発明のエポキシ樹脂の原料全重量に対するリグニンの重量%である。かかる使用割合は、本発明におけるリグニンとエピクロロヒドリンとの結合割合にほぼ等しい。
本発明のエポキシ樹脂は、良好な力学的強度、耐熱性、絶縁性を有し、従来の市販のエポキシ樹脂と同等の性能を有する。
本発明のエポキシ樹脂は、硬化剤として脂肪族や芳香族のアミン類、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、酸無水物など一般のエポキシ樹脂用硬化剤を使用することができるが、本発明におけるリグニンを硬化剤として使用することもできる。
次に、本発明のエポキシ樹脂硬化物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、本発明におけるリグニンすなわちアルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科リグニンを硬化剤として使用したものである。かかるイネ科リグニンは、精製して純度を80%以上にしたものが好ましく、90%以上にしたものがより好ましい。
ここで使用されるエポキシ樹脂は、市販のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等あらゆるタイプのエポキシ樹脂が対象となるが、特に本発明のエポキシ樹脂を使用するのが好ましい。
硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基とリグニンのフェノール性水酸基が等量で行うのが一般的であるが、当量で±20%の範囲で加減することもできる。
必要とされる特性に応じてほかのエポキシ樹脂硬化剤を併用することも可能である。
本発明のエポキシ樹脂硬化物の製造において、硬化促進剤を使用することができる。硬化促進剤としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び1−シアノ−2−エチル−4−メチルイミダゾール等とその誘導体、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、トリフェニルフォスフィン(TPP)のカリボール塩等の誘導体など、フェノール樹脂型エポキシ樹脂の硬化促進剤として一般的に使用されているものを用いることができる。
硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂と硬化剤全量を100重量部とした場合、0.1〜3重量部の範囲、好ましくは0.2〜2重量部の範囲で用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、使用されるエポキシ樹脂として、特に本発明のエポキシ樹脂すなわちアルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科植物リグニンにエピクロロヒドリンを反応させているエポキシ樹脂を使用するのが好ましい。
このようにして得られたエポキシ樹脂硬化物は、リグニン使用割合が80%以上となる。
本発明のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂硬化物は、接着剤、成形材料、構造材料、半導体封止材、プリント配線板等の電子材料等の従来のエポキシ樹脂が使用されるあらゆる用途で使用することができる。
特にカーボンニュートラルな材料が求められる電気製品、自動車部材等の用途に適している。
本発明によれば次のような効果がある。
(1)本発明のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化物は、安価である。
(2)本発明のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂用硬化物は、植物成分であるリグニンの使用割合が非常に多く石油化学原料の使用を大幅に減らしたカーボンニュートラルなものであり、地球温暖化の防止に貢献する。
(3)本発明のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化物は、パルプ廃液から回収されたリグニンを使用するので、パルプ廃液による環境汚染の問題解決に貢献する。
(4)本発明のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化物は、パルプ廃液から回収されたリグニンを使用するので未利用のバイオマス資源の活用に貢献する。
(5)本発明のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化物は市販のエポキシ樹脂と同等の力学的性能を有する。
本発明を実施するための最良の形態
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(本発明のエポキシ樹脂)
ソーダ法によるパルプ廃液から回収し精製した純度90%の麦ワラリグニン100gと大過剰量のエピクロロヒドリン300gを1リットルの四つ口フラスコ中に仕込み、攪拌モーター、温度計、滴下ロート、還流冷却管を取り付けた。約110℃の油浴中にフラスコを入れ、攪拌しながら温度を100℃に維持した。次いで、40%水酸化ナトリウム水溶液200gを2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに1時間攪拌を続け、反応を終了した。反応物中からエバポレーターを用いて未反応のエピクロロヒドリンと水を80℃で減圧しながら留去し、本発明のエポキシ樹脂165gを得た。このエポキシ樹脂のリグニンの使用割合は74%であった。
本発明のエポキシ樹脂の性能を調べるために、エポキシ樹脂の硬化試験を行った。硬化剤として市販のノボラック樹脂(フェノライトTD−2131、DIC社製)を使用した。
本発明のエポキシ樹脂と前記硬化剤を150:100の割合でメチルエチルケトンに溶解し、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールを、エポキシ樹脂と硬化剤を合わせた重量に対して1重量%添加した。
このワニスをフィルム上にキャストして、60℃の温度で3時間かけてメチルエチルケトンを除去した。
続いて、テフロンの型に充填し、真空プレス中140℃で2時間+170℃で3時間加熱し硬化させた。樹脂は加熱時に溶融して流動性を示した後、硬化した。樹脂硬化物の曲げ強度は154MPa、曲げ弾性率は4.4GPaであった。
(本発明のエポキシ樹脂硬化物)
市販のビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190)とソーダ法によるパルプ廃液から回収し精製した純度90%の麦ワラリグニンを重量比で110:100の割合で、メチルエチルケトンに溶解し、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールを、エポキシ樹脂と硬化剤を合わせた重量に対して1重量%添加した。
このワニスをフィルム上にキャストして、60℃の温度で3時間かけてメチルエチルケトンを除去した。
続いて、テフロンの型に充填し、真空プレス中で140℃で2時間+170℃で3時間加熱し硬化させた。樹脂は加熱時に溶融して流動性を示した後、硬化した。このエポキシ樹脂硬化物のリグニンの使用割合は47%であった。また、曲げ強度は、148MPa、曲げ弾性率は4.4GPaであった。
(本発明のエポキシ樹脂硬化物)
市販のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量200)を使用し、それ以外は実施例2と同じ方法でエポキシ樹脂硬化物を試作した。
このエポキシ樹脂硬化物のリグニンの使用割合は46%であった。
またこのエポキシ樹脂硬化物の曲げ強度は152MPa、曲げ弾性率が4.6GPaであった。
(本発明のエポキシ樹脂硬化物)
実施例1で得たエポキシ樹脂に、ソーダ法によるパルプ廃液から回収し精製した純度90%の麦ワラリグニンを硬化剤として使用し、それ以外は実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂硬化物を試作した。
このエポキシ樹脂硬化物のリグニンの使用割合は84%であった。またこのエポキシ樹脂硬化物の曲げ強度は155MPa、曲げ弾性率が4.5GPaであった。
比較例1
(リグニンフェノール樹脂を硬化剤とするエポキシ樹脂硬化物)
特許文献5に準拠してリグニンフェノール樹脂を合成し、それを硬化剤として、エポキシ樹脂硬化物を得た。
300cc三ツ口セパラブルフラスコに攪拌機、温度計、冷却管を装着し、ソーダ法によるパルプ廃液から回収し精製した純度90%の麦ワラリグニン100g、フェノール40g及び98%硫酸1.5gを仕込み、よく攪拌しながら昇温し130℃で2時間反応させた。リグニンはフェノール、硫酸とよく混和し攪拌後20分以内に液化した。
次に、温度を100℃以下にしてから40%水酸化ナトリウム水溶液を3.5g添加して触媒を中和し、再び昇温して200℃、40mmHgで減圧蒸留を行い未反応フェノールを回収した。回収したフェノールは8gであった。
次に冷却すると、反応物は固化しはじめ、強固な塊となった。常温になった所で生成物を砕いてフラスコから取り出した。この生成物を更に粉砕して粉末化し再びフラスコに入れ過剰の水を添加し、よく攪拌し洗浄して精製した。洗浄後80℃で送風乾燥して、リグニンフェノール樹脂130gを得た。
このリグニンフェノール樹脂を硬化剤として使用する以外は実施例2と同じ方法で、エポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物のリグニン使用割合は33%であった。また、曲げ強度は160MPa、曲げ弾性率が4.5GPaであった。
比較例2
(リグニンフェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂)
比較例1と同じ方法で得たリグニンフェノール樹脂130gと大過剰量のエピクロロヒドリン300gを1リットルの四つ口フラスコ中に仕込み、攪拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却管を取り付けた。約110℃の油浴中にフラスコを入れ、攪拌しながら温度を100℃に維持した。次いで、40%水酸化ナトリウム水溶液200gを2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに1時間攪拌を続け、反応を終了した。反応物中からエバポレーターを用いて未反応のエピクロロヒドリンと水を80℃で減圧しながら留去し、エポキシ樹脂165gを得た。
このエポキシ樹脂のリグニン使用割合は52%であった。
このエポキシ樹脂の性能を調べるために、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂の硬化試験を行った所、曲げ強度は162MPa、曲げ弾性率が4.5GPaであった。
比較例3
(リグニンフェノール樹脂を原料とするエポキシ樹脂硬化物)
比較例2で得たエポキシ樹脂に比較例1で得たリグニンフェノール樹脂を硬化剤として使用し、それ以外は実施例4と同じ方法でエポキシ樹脂硬化物を得た。
このエポキシ樹脂硬化物のリグニンの使用割合は59%であった。また、このエポキシ樹脂硬化物の曲げ強度は165MPa、曲げ弾性率は4.6GPaであった。

Claims (3)

  1. アルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科植物リグニンにエピクロロヒドリンを反応させているものであって、前記リグニンの使用割合が70重量%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂
  2. エポキシ樹脂に、アルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科植物リグニンを硬化剤として使用して得たエポキシ樹脂硬化物であって、リグニンの使用割合が40%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物
  3. 前記エポキシ樹脂がアルカリ蒸解法によるパルプ廃液から回収したイネ科植物リグニンにエピクロロヒドリンを反応させたものであり、リグニンの使用割合が80%以上であることを特徴とする請求項2のエポキシ樹脂硬化物
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