JP2011141338A - 画像形成装置および定着部材の製造方法 - Google Patents

画像形成装置および定着部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011141338A
JP2011141338A JP2010000772A JP2010000772A JP2011141338A JP 2011141338 A JP2011141338 A JP 2011141338A JP 2010000772 A JP2010000772 A JP 2010000772A JP 2010000772 A JP2010000772 A JP 2010000772A JP 2011141338 A JP2011141338 A JP 2011141338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber layer
peripheral surface
base material
image forming
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010000772A
Other languages
English (en)
Inventor
Azuma Matsunaga
東 松永
Noboru Omoto
昇 大本
Tatsu Watabe
達 渡部
Shigeru Tashiro
茂 田代
Yoshiyuki Totsu
善行 十都
Atsuhiko Shimoyama
淳彦 霜山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Business Technologies Inc
Original Assignee
Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Business Technologies Inc filed Critical Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority to JP2010000772A priority Critical patent/JP2011141338A/ja
Publication of JP2011141338A publication Critical patent/JP2011141338A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】定着部材のゴム層から発生した超微粒子を捕捉することで、機内や周囲の環境の汚染を防止できる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】定着部材10は、円筒状または環状の基材11と、シートが圧接される領域の寸法を確保するための弾性をもつゴム層12と、シートの剥離を助ける表層13との3層を含む。基材上11で周方向に対して垂直な幅方向Cに関して、ゴム層の端部12eと表層の端部13eは、それぞれ基材の端部11eよりも内側に位置する。基材11の外周面11aとゴム層12の内周面との一方または両方に、幅方向Cに関してゴム層12の端部12eの位置を通って延在する空溝11T,11T,…が設けられている。ダクト30には、取込口31からダクトの出口35へ向かう気流を発生させる気流発生部41と、ゴム層12から発生した超微粒子Gを捕捉可能なフィルタ部材42が設けられている。
【選択図】図2

Description

この発明は画像形成装置に関し、より詳しくは、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置に関する。
この発明は、そのような画像形成装置を構成する定着部材を作製するための定着部材の製造方法に関する。
この種の電子写真方式の画像形成装置では、作像時に数種類の化学物質が放出されることが知られている。放出される化学物質(化学エミッション)のうち代表的なものとしては、感光体の帯電時に発生するオゾンや、現像または定着時に発生するトナー粉塵などが挙げられる。従来は、これらの化学エミッションの発生源に対策を施して発生量自体を下げるか、発生したものを機外に放出させないようにフィルタを設けるなどの対策がなされてきた。例えば、特許文献1(特開平5−150605号公報)では、発生したオゾンをオゾン分解装置へ導くための仕切板が機内に設けられている。
特開平5−150605号公報
しかしながら、最近、世界的な環境保護意識の高まりに伴って、電子写真方式の画像形成装置から、オゾンやトナー粉塵とは異なる超微粒子(Ultra Fine Particles;100nm以下の粒径をもつ。)が発生することが問題視されるようになってきた。これまでは、画像形成装置の機内において、そのような超微粒子がどこから発生しているのか不明であったため、効果的な対策がとられてこなかった。このため、上記超微粒子によって、機内や周囲の環境が汚染されてきたと考えられる。
本願発明者が調査したところ、電子写真方式の画像形成装置では、そのような超微粒子が、主に定着装置で発生しており、より詳しくは、定着のためのニップ部を形成する定着部材(ローラやベルト)に含まれたゴム層から発生していることが分かった。
そこで、この発明の課題は、定着部材のゴム層から発生した超微粒子を捕捉することで、機内や周囲の環境の汚染を防止できる画像形成装置を提供することにある。
また、この発明の課題は、そのような画像形成装置を構成する定着部材を作製するための定着部材の製造方法を提供することにある。
ここで、図13(A)に例示するように、一般的な定着部材300は、円筒状の芯金または環状の無端ベルトからなる基材301と、この基材301の外周面を覆うように設けられたゴム層302と、このゴム層302の外周面を覆うように設けられた表層303との3層からなっている。この例では、基材301の内部空間に、定着部材300を所定の目標温度(180℃〜200℃の範囲内の定着温度)に加熱するためのヒータ305が設けられている。ゴム層302は、シリコーンゴム材料からなり、上記定着温度に対する耐熱性と、ニップ部の長さを確保するための弾性をもつ。表層303は、例えばPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー)からなり、ニップ部を通過したシート(用紙などの記録材)の剥離を助ける。基材301の中心軸Cに沿った方向に関して、上記ゴム層302の端部302eと上記表層303の端部303eは、それぞれ上記基材301の端部301eよりも内側に位置している。
本願発明者による調査では、図13(B)に示すように、基材301やゴム層302等がヒータ305によって加熱されると(熱線を符号Hで示す)、ゴム層302をなすシリコーンゴム材料から、超微粒子としてシロキサン(符号Gで示す)が発生することが分かった。通常は、PFAなどからなる表層303は超微粒子を透過しにくい性質(ガスバリア性)をもつので、シロキサンGはゴム層302の端部302eから噴出する。この噴出したシロキサンGが画像形成装置の機内や周囲の環境を汚染する。
シロキサンとしては、ヘキサメチルジシロキサン(略語L2、分子式C18Si)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(略語D3、分子式C18Si)、オクタメチルトリシロキサン(略語L3、分子式C24Si)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(略語D4、分子式C24Si)、デカメチルテトラシロキサン(略語L4、分子式C1030Si)、デカメチルシクロペンタシロキサン(略語D5、分子式C1030Si)、ドデカメチルペンタシロキサン(略語L5、分子式C1236Si)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(略語D6、分子式C1236Si)などが挙げられる。
そこで、上記課題を解決するため、この発明の画像形成装置は、
円筒状または環状の定着部材と、上記定着部材を所定の目標温度に加熱する加熱源とを備え、搬送されるシートを上記定着部材の外周面に圧接して上記シートに画像を定着させる画像形成装置であって、
上記定着部材は、円筒状または環状の基材と、この基材の外周面を覆うように設けられ、上記シートが圧接される領域の寸法を確保するための弾性をもつゴム層と、このゴム層の外周面を覆うように設けられ、上記シートの剥離を助ける表層との3層を含み、
上記基材上で周方向に対して垂直な幅方向に関して、上記ゴム層の端部と上記表層の端部は、それぞれ上記基材の端部よりも内側に位置し、
上記基材の外周面と上記ゴム層の内周面との一方または両方に、上記幅方向に関して上記ゴム層の端部の位置を通って延在する空溝が設けられ、
上記基材の周りで、上記周方向に沿って上記ゴム層の端部に面する位置に設けられ、上記ゴム層の端部から発生した超微粒子を取り込むための取込口をもつダクトと、
上記取込口から上記ダクトの出口へ向かう気流を発生させる気流発生部と、
上記ダクトの内部または上記出口に設けられ、上記気流に乗って上記ダクトを通して流れる上記超微粒子を捕捉可能なフィルタ部材とを備えたことを特徴とする。
ここで、「空溝」とは、内部が空気(気体状の超微粒子を含んでいても良い。以下同様。)で満たされた空間になっていて、空気以外の物質では満たされていない溝を意味する。
この発明の画像形成装置では、定着部材が加熱源によって所定の目標温度(定着温度)に加熱される。搬送されるシートが上記定着部材の外周面に圧接されて上記シートに画像が定着される。上記定着部材が上記定着温度に加熱されると、上記定着部材の上記ゴム層からシロキサンなどの超微粒子(100nm以下の粒径をもつ)が発生する。上記ゴム層の外周面は上記表層で覆われているので、上記超微粒子は上記ゴム層の端部から噴出しようとする。ここで、この画像形成装置では、上記ゴム層の端部から噴出しようとする超微粒子は、上記幅方向に関して上記ゴム層の端部の位置を通って延在する空溝を通して円滑に噴出する。そして、噴出した超微粒子は、上記基材の周りで、上記周方向に沿って上記ゴム層の端部に面する位置に設けられた取込口から、上記ダクト内に取り込まれる。上記ダクト内に取り込まれた上記超微粒子は、上記気流発生部が発生させる気流に乗って、上記取込口から上記ダクトを通して上記ダクトの出口へ向かって流れる。上記ダクトを通して流れる超微粒子は、上記ダクトの内部または上記出口に設けられたフィルタ部材によって捕捉される。この結果、この画像形成装置によれば、機内や周囲の環境の汚染を防止できる。
なお、上記気流発生部は、上記ダクトの内部または上記出口に設けられた排気ファンからなるのが望ましい。この場合、上記排気ファンによって、上記取込口から上記ダクトの出口へ向かう気流を確実に発生させることができる。
一実施形態の画像形成装置では、上記空溝は、上記基材の外周面または上記ゴム層の内周面上で、上記幅方向に関して上記シートが圧接されるべき領域の外側に相当する部分に限定して設けられていることを特徴とする。
この一実施形態の画像形成装置では、上記空溝の存在が、上記定着部材のうち上記シートが圧接されるべき領域の温度分布に与える影響が少ない。
一実施形態の画像形成装置では、上記空溝は、上記基材の外周面または上記ゴム層の内周面上で、上記幅方向に関して上記ゴム層の両側の端部の位置の間を連続的に延在していることを特徴とする。
この一実施形態の画像形成装置では、上記幅方向に関して上記ゴム層の中央部で発生した超微粒子は、上記幅方向に関して上記ゴム層の両側の端部の位置の間を連続的に延在している空溝を通してそれぞれ上記ゴム層の両側の端部に円滑に達し、上記ゴム層の両側の端部からそれぞれ円滑に噴出する。そして、上記ゴム層の各端部から噴出した超微粒子は、上記取込口から上記ダクト内に円滑に取り込まれる。
一実施形態の画像形成装置では、
上記空溝は、上記基材の外周面または上記ゴム層の内周面に沿って、上記幅方向に関して螺旋状に延在し、
定着動作時に上記定着部材が周方向に回転または循環される向きは、上記ゴム層から発生し上記空溝の両側の端部を通して噴出する超微粒子の速さを、上記ダクトに対して増す向きであることを特徴とする。
この一実施形態の画像形成装置では、定着動作時に上記定着部材が周方向に回転または循環される向きは、上記ゴム層から発生し上記空溝の両側の端部を通して噴出する超微粒子の速さを、上記ダクトの上記取込口に対して増す向きである。したがって、上記ゴム層から発生し上記空溝の両側の端部を通して噴出する超微粒子が、上記取込口を通して上記ダクト内に円滑に取り込まれる。
一実施形態の画像形成装置では、上記基材は円筒状の芯金であることを特徴とする。
一実施形態の画像形成装置では、上記基材は環状の無端ベルトであることを特徴とする。
この発明の定着部材の製造方法は、
搬送されるシートに圧接されて上記シートに画像を定着させる定着部材を作製する定着部材の製造方法であって、
上記定着部材は、円筒状または環状の基材と、この基材の外周面を覆うように設けられたゴム層と、このゴム層の外周面を覆うように設けられ、上記シートの剥離を助ける表層との3層を含み、上記基材上で周方向に対して垂直な幅方向に関して、上記ゴム層の端部と上記表層の端部は、それぞれ上記基材の端部よりも内側に位置し、
上記基材の外周面と上記ゴム層の内周面との一方または両方に、上記幅方向に関して上記ゴム層の端部の位置を通って延在する空溝を形成し、
上記空溝が形成された上記基材の外周面に、1次加硫を経たゴム層を接着剤によって貼り付け、
上記ゴム層に上記シートが圧接される領域の寸法を確保するための弾性をもたせるように、上記ゴム層に対する2次加硫を行った後、
上記ゴム層の外周面に、上記表層を設けることを特徴とする。
この発明の定着部材の製造方法では、上記ゴム層の外周面に上記表層を設ける前に、言い換えれば上記ゴム層の外周面が露出した状態で、上記ゴム層に対する2次加硫を行っている。したがって、上記2次加硫の工程で、上記ゴム層の外周面の全域から超微粒子としてのシロキサンが放出されて、上記ゴム層の全域における残留シロキサンが効果的に減少する。さらに、この2次加硫の工程で、上記ゴム層の内周面(特に上記幅方向に関して中央部)で発生したシロキサンは、上記基材の外周面に形成された空溝を通してそれぞれ上記ゴム層の両側の端部に達し、上記ゴム層の両側の端部からそれぞれ円滑に噴出する。この結果、作製された定着部材では、上記ゴム層から超微粒子が発生するのが抑制される。したがって、シロキサンによって画像形成装置の機内や周囲の環境が汚染されるのを防止できる。
この発明の一実施形態の画像形成装置の全体構成を示す図である。 (A)は、上記画像形成装置に含まれた定着装置近傍の一態様を示す斜視図である。(B)は、(A)に示すものを鉛直方向に切断したときの断面構造を示す図である。 上記定着装置近傍の構造を分解状態で示す図である。 上記定着ローラの中心軸に対して垂直な断面を示す図である。 (A)は定着ローラの一般的な完成形態を示す斜視図、(B)は上記画像形成装置の定着ローラを構成するのに用いられる芯金の一態様を示す斜視図、(C)は上記画像形成装置の定着ローラを構成するのに用いられる芯金の別の態様を示す斜視図である。 上記画像形成装置の定着ローラを構成するのに用いられる芯金のさらに別の態様を示す斜視図である。 図6の芯金を備えた定着ローラの作用を説明する図である。 上記画像形成装置に含まれた定着装置近傍の別の態様を示す斜視図である。 上記定着装置近傍の構造を分解状態で示す図である。 上記画像形成装置に含まれた定着ベルトとその定着ベルトを支持する一対のローラとを示す斜視図である。 上記定着ベルトの構造を示す断面図である。 (A)は、定着ローラを作製するための従来のフローを示す図である。(B)は、この発明の一実施形態としての定着部材の製造方法のフローを示す図である。 (A)は定着ローラの一般的な構成を示す断面図、(B)は定着ローラのゴム層の端部から超微粒子としてのシロキサンが噴出する態様を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態のカラータンデム方式の画像形成装置100の概略構成を示している。この画像形成装置は、スキャナ、コピー、プリンタなどの機能を備えた複合機であって、MFP(Multi Function Peripheral)と呼ばれるものである。
この画像形成装置100は、本体ケーシング101内の略中央に、2個のローラ102、106に巻回された周方向に移動する環状の中間転写体としての中間転写ベルト108を備えている。2個のローラ102、106のうち、一方のローラ102は図において左側に配置され、他方のローラ106は図において右側に配置されている。中間転写ベルト108はこれらのローラ102、106によって支持されて矢印X方向に回転駆動される。
中間転写ベルト108の下方には、図において左側から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーに対応する印字部としての作像ユニット110Y、110M、110C、110Kが並べて配置されている。
各作像ユニット110Y、110M、110C、110Kは、それらが取り扱うトナー色の違いを除いて全く同様に構成されている。具体的には、例えばイエローの作像ユニット110Yは、感光体ドラム190と、帯電装置191と、露光装置192と、トナーを用いて現像を行う現像装置193と、クリーナ装置195とを一体にして構成されている。中間転写ベルト108を挟んで感光体ドラム190と対向する位置に、1次転写ローラ194が設けられている。画像形成時には、まず帯電装置191によって感光体ドラム190の表面が一様に帯電され、続いて、露光装置192によって、図示されない外部装置から入力された画像信号に応じて感光体ドラム190の表面が露光されて、そこに潜像が形成される。次に、現像装置193によって、感光体ドラム190の表面上の潜像が現像されてトナー画像となる。このトナー画像は、感光体ドラム190と1次転写ローラ194との間の電圧印加によって、中間転写ベルト108に転写される。感光体ドラム190の表面上の転写残トナーは、クリーナ装置195によってクリーニングされる。
中間転写ベルト108が矢印X方向に移動するに伴って、各作像ユニット110Y、110M、110C、110Kによって中間転写ベルト108上に出力画像として4色のトナー画像が重ねて形成される。
中間転写ベルト108の左側には、中間転写ベルト108の表面から残留トナーを取り除くクリーニング装置125と、このクリーニング装置125によって取り除かれたトナーを回収するトナー回収ボックス126とが設けられている。中間転写ベルト108の右側には、用紙のための搬送路124を挟んで2次転写部材としての2次転写ローラ112が設けられている。搬送路124のうち2次転写ローラ112の上流側に相当する位置に搬送ローラ120が設けられている。中間転写ベルト108上のトナーパターンを検出するためのトナー濃度センサとしての光学式濃度センサ115が設けられている。
本体ケーシング101内の右上部には、トナーを用紙に定着させる定着部としての定着装置130が設けられている。定着装置130は、図1において紙面に対して垂直に延在する定着部材としての加熱ローラ132と加圧用部材としての加圧ローラ131とを備えている。加熱ローラ132は、加熱源としてのヒータ133によって所定の目標温度(この例では180℃〜200℃の範囲内の定着温度)に加熱される。加圧ローラ131は、図示しないばねによって加熱ローラ132へ向かって付勢されている。これにより、加圧ローラ131と加熱ローラ132とは定着のためのニップ部を形成している。トナー像が転写された用紙90がこのニップ部を通ることにより、その用紙90にトナー画像が定着される。加圧ローラ131と加熱ローラ132の温度は、それぞれこの例ではサーミスタからなる温度センサ135,136によって検出される。
また、本体ケーシング101の下部には、出力画像が形成されるべき印字媒体としての用紙90を収容した給紙口としての給紙カセット116A,116Bが2段に設けられている。給紙カセット116A,116Bにはそれぞれ、用紙を送り出すための給紙ローラ118と、送り出された用紙を検出する給紙センサ117とが設けられている。なお、簡単のため、給紙カセット116Aにのみ用紙90が収容された状態を示している。
本体ケーシング101内には、この画像形成装置全体の動作を制御するCPU(中央演算処理装置)からなる制御部200が設けられている。
画像形成時には、制御部200による制御によって、用紙90は給紙ローラ118によって例えば給紙カセット116Aから搬送路124へ1枚ずつ送り出される。搬送路124に送り出された用紙90は、レジストセンサ114によってタイミングをとって、搬送ローラ120によって中間転写ベルト108と2次転写ローラ112との間のトナー転写位置へ送り込まれる。一方、既述のように、各作像ユニット110Y、110M、110C、110Kによって中間転写ベルト108上に4色のトナー画像が重ねて形成されている。上述のトナー転写位置に送り込まれた用紙90に、この中間転写ベルト108上の4色のトナー画像が、2次転写ローラ112によって転写される。トナー像が転写された用紙90は、定着装置130の加圧ローラ131と加熱ローラ132とが作るニップ部を通して搬送され、加熱および加圧を受ける。これにより、その用紙90にトナー画像が定着される。そして、トナー画像が定着された用紙90は、排紙ローラ121によって、排紙路127を通して本体ケーシング101の上面に設けられた排紙トレイ部122へ排出される。なお、この例では、両面印刷の場合に用紙90を再びトナー転写位置へ送り込むためのスイッチバック搬送路128が設けられている。
(第1実施形態)
図2(A)は、上記画像形成装置100に含まれた定着装置130近傍の一態様を示し、より詳しくは、定着装置130を構成する定着部材としての定着ローラ(符号10で表す。図1中の加熱ローラ132に相当する。)の端部近傍を斜め方向から見たところを示している。図2(B)は、図2(A)に示すものを鉛直方向に切断したときの断面構造を示している。また、図3は、図2(A)に示すものを分解状態で別の角度から見たところを示している(ダクト30の図示を省略している。)。なお、これらの図2(A)、図2(B)および図3では、定着ローラ10の一方の端部近傍の構成のみを示しているが、他方の端部についても同様に構成されている。
この実施形態は、図2(B)によって良く分かるように、定着ローラ10と、フランジ部材21と、支持部材25と、ダクト30とを備えている。
定着ローラ10は、図4に示すように、円筒状の基材としての芯金11と、この芯金11の外周面11aを覆うように設けられたゴム層12と、このゴム層12の外周面12aを覆うように設けられた表層13との3層からなっている。芯金11の内部空間には、定着ローラ10を所定の目標温度(この例では、180℃〜200℃の範囲内の定着温度)に加熱する加熱源としてのヒータ(図1中のヒータ133に相当)が設けられている。
芯金11は、アルミニウムまたは鉄等の金属材料からなる。芯金11の厚さは、この例では厚さが0.1mm〜5mm程度であるが、軽量化及びウォームアップ時間を考慮すると、0.1mm〜1.5mm程度であるのがより望ましい。芯金11の外径は、この例では10mm〜50mm程度に設定されている。
この例では、図5(B)に示すように、芯金11の外周面11aに、芯金11の中心軸Cに沿った方向、すなわちこの定着ローラ10に圧接されるべき用紙90の幅方向に関して、芯金11の両側の端部11e,11eの間を連続的に延在する空溝11T,11T,…が設けられている。空溝11T,11T,…は、この例では矩形状の断面を有して、芯金11の外周面11aの周り全域に設けられている。なお、空溝11Tは、例えば円弧状の断面を有していても良い。
図4中に示すゴム層12は、シリコーンゴム材料からなり、上記定着温度に対する耐熱性と、用紙90が圧接される領域の寸法(ニップ部の長さ)を確保するための弾性をもつ。ゴム層12の厚さは、0.05mm〜2mmの範囲内であるのが望ましく、この例では0.2mm〜0.4mm程度である。このシリコーンゴム材料としては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のミラブル型シリコーンゴムXE20−A7036、XE20−A9789などを用いることができる。
表層13は、この例ではPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂からなり、上記定着温度に対する耐熱性と、ニップ部を通過した用紙90の剥離を助ける離型性と、さらにゴム層12から発生した超微粒子を透過しにくい性質(ガスバリア性)とをもつ。表層13の厚さは、5μm〜100μmの範囲内であるのが望ましく、この例では30μm〜40μm程度に設定されている。
図5(A)に示すように、芯金11の中心軸Cに沿った方向、すなわちこの定着ローラ10に圧接されるべき用紙90の幅方向に関して、ゴム層12の端部12eと表層13の端部13eは、それぞれ芯金11の端部11eよりも内側で、互いに同じ位置Leに位置している(なお、ゴム層12と表層13が存在する範囲を符号Lで示している。)。この結果、芯金11の中心軸Cに沿った方向に関して、空溝11T,11T,…は、ゴム層12の両側の端部12e,12eの位置Le,Leの間を連続的に延在している、と言える。
図3に示すように、フランジ部材21は、略円筒状の小径部分22と、この小径部分22の軸方向端部に連なり、小径部分22よりも大きい直径をもつ円筒状の大径部分23とからなっている。小径部分22の外周面は、大径部分23から遠ざかるにつれて次第に小径になるテーパ面になっている。図2(B)に示すように、フランジ部材21は、小径部分22が芯金11の端部11eに圧入されることにより、芯金11の端部11eから大径部分23が突出した状態に固定して取り付けられている。
図2(B)および図3に示すように、支持部材25は、矩形の固定板26と、この固定板26と組み合わされた軸受27とからなっている。軸受27は、円筒状のリング部27pと、このリング部27pの軸方向端部から径方向外側に広がる係止部27fとからなっている。この軸受27は、固定板26が有する孔にリング部27pを嵌合し、係止部27fを固定板26に溶着または接着して固定することによって、固定板26に取り付けられている。
図2(A)および図2(B)に示すように、支持部材25は、ダクト30とともに、定着ローラ10の端部に配置されている。具体的には、軸受27のリング部27pは、芯金11の端部11eに取り付けられたフランジ部材21の大径部分23の外周に嵌合されている。支持部材25の固定板26は、本体ケーシング101内の図示しないフレームに直接または間接に取り付けられている。これにより、フランジ部材21および芯金11が中心軸Cの周りに回転可能に支持されている。
図2(B)によって良く分かるように、ダクト30は、芯金11の周りで、周方向に沿ってゴム層12の端部12eに面する位置に設けられた取込口31と、この取込口31の上部に連通し、取込口31の上部から上方へ向かって鉛直方向に延びる鉛直部32と、この鉛直部32の上部に連通し、鉛直部32よりも水平方向に広がった拡張部33とを有している。この拡張部33の上部は、ダクト30の出口35になっている。
ダクト30の取込口31は、定着ローラ10のゴム層12の端部12e(および表層13の端部13e)の全周を取り巻いて覆っている。ダクト30の取込口31は、軸受27の外周に密に嵌合して取り付けられた第1縁部31eと、この第1縁部31eと平行に設けられた第2縁部31iとを有している。第2縁部31iは、定着ローラ10の外周面13aに対して若干の隙間31wを有して離間している。
ダクト30の拡張部33内に、定着ローラ10のゴム層12が発生した超微粒子Gを捕捉可能なフィルタ部材41が設けられている。このフィルタ部材41としては、例えば東洋紡株式会社製の静電フィルタであるエリトロン(東洋紡株式会社の登録商標)や独フロイデンベルグ社製のmicronAir(フロイデンベルグ社の登録商標)などの市販品を用いることができる。また、フィルタ部材の耐熱性を確保する観点からカーボンまたはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を主成分とする濾材を用いてもよい。
ダクト30の拡張部33内で、フィルタ部材41の上流側に相当する箇所に、気流発生部としての排気ファン42(図2(A)および図2(B)では、簡単のため、ファン枠のみを図示する。)が設けられている。この排気ファン42によって、取込口31からダクト30の出口35へ向かう気流を確実に発生させることができる。
ダクト30は、上記定着温度に対する耐熱性をもつ樹脂材料、またはアルミニウムや鉄などの金属材料のうちいずれからなっていても良い。
この画像形成装置では、動作時に、定着ローラ10が上記定着温度に加熱されると、定着ローラ10のゴム層12からシロキサンなどの超微粒子G(100nm以下の粒径をもつ)が発生する。ゴム層12の外周面12aは表層13で覆われているので、超微粒子Gはゴム層12の端部12eから噴出しようとする。ここで、この画像形成装置では、ゴム層12の端部12eから噴出しようとする超微粒子Gは、空溝11T,11T,…を通して円滑に噴出する。そして、噴出した超微粒子Gは、芯金11の周りで、周方向に沿ってゴム層12の端部12eに面する位置に設けられた取込口31から、ダクト30内に取り込まれる。ダクト30内に取り込まれた超微粒子Gは、排気ファン42が発生させ隙間31wを通して取り込まれる気流に乗って、取込口31からダクト30の鉛直部32、拡張部33を通してダクト30の出口35へ向かって流れる。そして、ダクト30を通して流れる超微粒子Gは、ダクト30の拡張部33内に設けられたフィルタ部材41によって捕捉される。この結果、この画像形成装置によれば、機内や周囲の環境の汚染を防止できる。
特に、この例では、図5(B)に示したように、空溝11T,11T,…は、芯金11の両側の端部11e,11eの間、したがって、ゴム層12の両側の端部12e,12eの位置Le,Leの間を連続的に延在している。したがって、中心軸Cに沿った方向に関して、ゴム層12の中央部で発生した超微粒子Gは、空溝11T,11T,…を通してそれぞれゴム層12の両側の端部12e,12eの位置に円滑に達し、ゴム層12の両側の端部12e,12eからそれぞれ円滑に噴出する。そして、ゴム層12の各端部12eから噴出した超微粒子Gは、取込口31からダクト30内に円滑に取り込まれる。したがって、機内や周囲の環境の汚染をさらに効果的に防止できる。
図5(B)の例に代えて、図5(C)に示すように、空溝(符号11T′,11T′,…で示す。)は、芯金11の外周面11a上で、中心軸Cに沿った方向に関して、用紙90が圧接されるべき領域Aの外側に相当する部分E,Eに限定して設けられていても良い。ここで、用紙90が圧接されるべき領域Aは、ゴム層12と表層13が存在する範囲Lの内側に設定されている。したがって、この図5(C)の例でも、中心軸Cに沿った方向に関して、空溝11T′,11T′,…は、ゴム層12の端部12eの位置Leを通って延在している。したがって、この例でも、ゴム層12の端部12eから噴出しようとする超微粒子Gは、空溝11T′,11T′,…を通して円滑に噴出する。この結果、機内や周囲の環境の汚染を防止できる。しかも、この例では、空溝11T′,11T′,…は用紙90が圧接されるべき領域Aの外側に相当する部分E,Eに限定して設けられているので、空溝11T′,11T′,…の存在が、用紙90が圧接されるべき領域Aの温度分布に与える影響が少ない。
また、図6に示すように、空溝(符号11T″,11T″,…で示す。)は、芯金11の外周面11aに沿って、中心軸Cに沿った方向に関して螺旋状に延在していても良い。この例では、空溝11T″,11T″,…は、芯金11の両側の端部11e,11eの間、したがって、ゴム層12の両側の端部12e,12eの位置Le,Leの間を連続的に延在している。したがって、この例でも、ゴム層12の端部12eから噴出しようとする超微粒子Gは、空溝11T″,11T″,…を通して円滑に噴出する。この結果、機内や周囲の環境の汚染を防止できる。
さらに、このように芯金11の外周面11aに螺旋状の空溝11T″,11T″,…が設けられた場合、図7に示すように、定着動作時に定着ローラ10が周方向に回転される向きaは、ゴム層12から発生し空溝11T″,11T″,…の両側の端部を通して噴出する超微粒子Gの速さvを、ダクト30(の取込口31)に対して増す向きであるのが望ましい。詳しくは、超微粒子Gが空溝11T″に沿って速さvで噴出するものとする。このとき、超微粒子Gの速度(簡単のため、速さと同じ符号vで表す。)は、中心軸Cに沿った方向rの成分vrとともに、周方向θの成分vθを含む。超微粒子Gの速度vのθ方向成分vθが、定着ローラ10の回転の向きaのお蔭で大きくなる。これにより、ゴム層12の各端部12eから噴出した超微粒子Gは、取込口31からダクト30内に円滑に取り込まれる。この結果、機内や周囲の環境の汚染をさらに効果的に防止できる。
この実施形態では、芯金11の外周面11aに空溝が形成されているものとしたが、それに限られるものではない。芯金11の外周面11aに代えて、または芯金11の外周面11aに加えて、ゴム層12の内周面に空溝が形成されているものとしても良い。そのようにした場合、ゴム層12の各端部12eから噴出しようとする超微粒子Gは、ゴム層12の内周面(または、それに加えて芯金11の外周面11a)に形成された空溝を通して、取込口31からダクト30内に円滑に取り込まれる。この結果、機内や周囲の環境の汚染を効果的に防止できる。
(第2実施形態)
図8は、上記画像形成装置100に含まれた定着装置130近傍の別の態様を示し、より詳しくは、定着装置130を構成する定着部材としての定着ベルト(符号50で表す。図1中の加熱ローラ132に代えて用いられる。)の端部近傍を斜め方向から見たところを示している。また、図9は、図8に示す定着ベルト50の端部近傍の構成を分解状態で示している。なお、図8、図9では、定着ベルト50の一方の端部近傍の構成のみを詳細に示しているが、他方の端部についても同様に構成されている。
この実施形態は、図9によって良く分かるように、環状の定着ベルト50と、円筒状の一対のローラ55,56と、支持部材65と、ダクト70とを備えている。
定着ベルト50は、図11に示すように、環状の基材51と、この基材51の外周面51aを覆うように設けられたゴム層52と、このゴム層52の外周面52aを覆うように設けられた表層53との3層からなっている。ゴム層52と表層53の材料、性質、厚さについては、この例では定着ローラ10のゴム層52と表層53におけるのと同様であるため、個々の説明を省略する。
基材51は、例えばポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ニッケル、鉄、ステンレス鋼(SUS)等の材料から成る。基材51の厚さは、任意であるが、0.05mm〜2mm程度であるのが望ましい。
この例では、図10に示すように、基材51の外周面51aに、基材51の幅方向Y、すなわちこの定着ベルト50に圧接されるべき用紙90の幅方向に関して、基材51の両側の端部51e,51eの間を連続的に延在する空溝51T,51T,…が設けられている。空溝51T,51T,…は、この例では矩形状の断面を有して、基材51の外周面51aの周り全域に設けられている。なお、空溝51Tは、例えば円弧状の断面を有していても良い。
基材51の幅方向Yに関して、ゴム層52の端部52eと表層53の端部53eは、それぞれ基材51の端部51eよりも内側で、互いに同じ位置Leに位置している(なお、ゴム層52と表層53が存在する範囲を符号Lで示している。)。この結果、基材51の幅方向Yに関して、空溝51T,51T,…は、ゴム層52の両側の端部52e,52eの位置Le,Leの間を連続的に延在している、と言える。
定着ベルト50は、互いに平行に配置された一対のローラ55,56を一括して巻回し、これらのローラ55,56によって周方向bに循環可能に支持されている。例えば、一方のローラ55が、図示しない駆動モータによって自らの中心軸C1の周りに回転駆動される。これに伴って、他方のローラ56が自らの中心軸C2の周りに従動回転しながら、定着ベルト50が周方向bに循環する。
ローラ55の内部空間には、定着ベルト50を所定の目標温度(この例では、180℃〜200℃の範囲内の定着温度)に加熱する加熱源としてのヒータ(図1中のヒータ133に相当)が設けられている。
図9に示すように、支持部材65は、略矩形の固定板66と、この固定板66と組み合わされた軸受67,68とからなっている。軸受67は、円筒状のリング部67pと、このリング部67pの軸方向端部から径方向外側に広がる係止部67fとからなっている。同様に、軸受68は、円筒状のリング部68pと、このリング部68pの軸方向端部から径方向外側に広がる係止部68fとからなっている。これらの軸受67,68は、固定板66が有する孔66a,66bにそれぞれリング部67p,68pを嵌合し、係止部67f,68fを固定板66に溶着または接着して固定することによって、固定板66に取り付けられている。
図8によって分かるように、支持部材65は、ダクト70とともに、定着ベルト50の端部(側縁部)に配置されている。具体的には、図9中に示す軸受67,68のリング部67p,68pは、それぞれローラ55,56の外周に嵌合されている。支持部材65の固定板66は、本体ケーシング101内の図示しないフレームに直接または間接に取り付けられている。これにより、ローラ55,56がそれぞれ中心軸C1,C2の周りに回転可能に支持されている。
図8および図9によって分かるように、ダクト70は、ローラ55,56を一括して取り囲む態様で、定着ベルト50の周方向に沿ってゴム層52の端部52eに面する位置に設けられた取込口71と、この取込口71の上部に連通し、取込口71の上部から上方へ向かって鉛直方向に延びる鉛直部72と、この鉛直部72の上部に連通し、鉛直部72よりも水平方向に広がった拡張部73とを有している。この拡張部73の上部は、ダクト70の出口75になっている。
ダクト70の取込口71は、定着ベルト50のゴム層52の端部52e(および表層53の端部53e)の全周を取り巻いて覆っている。図9中に示すように、ダクト70の取込口71は、軸受67,68の外周を一括して取り囲む態様で取り付けられた第1縁部71eと、この第1縁部71eと平行に設けられた第2縁部71iとを有している。第2縁部71iは、定着ベルト50の外周面53aに対して若干の隙間71wを有して離間している。
ダクト70の拡張部73内に、定着ベルト50のゴム層52が発生した超微粒子Gを捕捉可能なフィルタ部材(図示せず)が設けられている。このフィルタ部材としては、第1実施形態で述べたフィルタ部材41と同じものを用いることができる。
また、ダクト70の拡張部73内で、上記フィルタ部材の上流側に相当する箇所に、気流発生部としての排気ファン(図示せず)が設けられている。この排気ファン42によって、取込口71からダクト70の出口75へ向かう気流を確実に発生させることができる。この排気ファンとしては、第1実施形態で述べた排気ファン42と同じものを用いることができる。
ダクト70は、第1実施形態におけるダクト30と同様に、上記定着温度に対する耐熱性をもつ樹脂材料、またはアルミニウムや鉄などの金属材料のうちいずれからなっていても良い。
この画像形成装置では、動作時に、定着ベルト50がローラ55を介して上記定着温度に加熱されると、定着ベルト50のゴム層52からシロキサンなどの超微粒子G(100nm以下の粒径をもつ)が発生する。ゴム層52の外周面52aは表層53で覆われているので、超微粒子Gはゴム層52の端部52eから噴出しようとする。ここで、この画像形成装置では、ゴム層52の端部52eから噴出しようとする超微粒子Gは、空溝51T,51T,…を通して円滑に噴出する。そして、噴出した超微粒子Gは、定着ベルト50のゴム層52の端部52e(および表層53の端部53e)の全周を取り巻いて覆っている取込口71から、ダクト70内に取り込まれる。ダクト70内に取り込まれた超微粒子Gは、上記排気ファンが発生させ隙間71wを通して取り込まれる気流に乗って、取込口71からダクト70の鉛直部72、拡張部73を通してダクト70の出口75へ向かって流れる。そして、ダクト70を通して流れる超微粒子Gは、ダクト70の拡張部73内に設けられた上記フィルタ部材によって捕捉される。この結果、この画像形成装置によれば、機内や周囲の環境の汚染を防止できる。
特に、この例では、図10に関して述べたように、空溝51T,51T,…は、基材51の両側の端部51e,51eの間、したがって、ゴム層52の両側の端部52e,52eの位置Le,Leの間を連続的に延在している。したがって、基材51の幅方向Yに関して、ゴム層52の中央部で発生した超微粒子Gは、空溝51T,51T,…を通してそれぞれゴム層52の両側の端部52e,52eの位置に円滑に達し、ゴム層52の両側の端部52e,52eからそれぞれ円滑に噴出する。そして、ゴム層52の各端部52eから噴出した超微粒子Gは、取込口71からダクト70内に円滑に取り込まれる。したがって、機内や周囲の環境の汚染をさらに効果的に防止できる。
それに代えて、空溝51T,51T,…は、基材51の外周面51a上で、幅方向Yに関して、用紙90が圧接されるべき領域Aの外側に相当する部分E,Eに限定して設けられていても良い。また、空溝51T,51T,…は、基材51の外周面51aに沿って、幅方向Yに関して、螺旋状に延在していても良い。このような場合でも、ゴム層52の各端部52eから噴出した超微粒子Gは、取込口71からダクト70内に円滑に取り込まれる。したがって、機内や周囲の環境の汚染をさらに効果的に防止できる。
この実施形態では、基材51の外周面51aに空溝が形成されているものとしたが、それに限られるものではない。基材51の外周面51aに代えて、または基材51の外周面51aに加えて、ゴム層52の内周面に空溝が形成されているものとしても良い。そのようにした場合、ゴム層52の各端部52eから噴出しようとする超微粒子Gは、ゴム層52の内周面(または、それに加えて基材51の外周面51a)に形成された空溝を通して、取込口71からダクト70内に円滑に取り込まれる。この結果、機内や周囲の環境の汚染を効果的に防止できる。
上述の第1、第2実施形態では、定着部材はそれぞれ円筒状の定着ローラ10、環状の定着ベルト50であるものとした。しかしながら、これに限られるものではなく、図1中に示した加圧ローラ131も、定着部材として考えることもできる。定着ローラだけでなく、加圧ローラにもヒータを内蔵しても良い。
また、上述の第1、第2実施形態では、気流発生部として排気ファンを設けたが、これに限られるものではない。気流発生部としては、定着部材としての定着ローラ10や定着ベルト50が加熱されて発生する上昇気流を利用しても良い。
(第3実施形態)
従来は、図13(A)に示したような定着部材(この例では定着ローラとする)300を作製する場合、図12(A)中のステップS101に示すように、まず、芯金からなる基材301の外周面にPFAからなる表層303をかぶせ、基材301と表層303との間の隙間にシリコーンゴムを流し込んで射出成形(この射出成形が1次加硫に相当する。)して、基材301、ゴム層302、表層303の3層構造を得る。その後、ステップS102に示すように、2次加硫を行って、ゴム層302の弾性や強度を確保するとともに、PFAからなる表層303をゴム層302に密着させている。
このように、従来はPFAからなる表層303をかぶせた状態で2次加硫を行っているため、ゴム層302の中央部には、ゴム層302の端部に比して、シロキサンGが数倍多く残留した状態になっていると考えられる。
そこで、この実施形態では、定着部材として例えば図5(A)に示した定着ローラ10を、次のようにして作製する。
i) まず、図12(B)中のステップS1に示すように、公知のプレス加工やフライス加工によって外周面11aに空溝11T,11T,…が形成された円筒状の芯金11を用意し、芯金11の外周面11aに、接着剤となる図示しないプライマ(この例では、安価なシリコーン系接着剤とする。例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の2成分付加型液状シリコーンゴム用プライマーXP81−405とする。)を介して、ゴム層12を接着する(ゴム層は既に1次加硫を経たものとする。)。
ii) 次に、ステップS2にて、ゴム層12に用紙90が圧接される領域の寸法を確保するための弾性をもたせるように、ゴム層12に対する2次加硫を行う。この2次加硫の条件は、通常のゴム製品の2次加硫条件と同様に、温度を200℃、圧力を大気圧、処理時間を4時間に設定して行う。
iii) この後、ステップS3にて、2次加硫を経たゴム層12の外周面12aに、接着剤となる図示しないプライマ(この例ではフッ素系接着剤とする。例えばダイキン工業株式会社製ダイエルラテックスGLP−103SRとする。)を塗布し、その上に例えばPFAからなる表層13をかぶせる。ここで、フッ素系接着剤はシロキサンフリーであるから、このフッ素系接着剤がシロキサンの発生源となることがなく、望ましい。
iv) 最後に、ステップS4にて、表層13に対する再加熱を行って、PFAからなる表層13を熱収縮させるとともに、上記フッ素系接着剤を介してゴム層12に密着させる。
このようにして定着ローラ10を作製する。
この製造方法では、ゴム層12の外周面12aに表層13を設けるステップS3の前に、言い換えればゴム層12の外周面12aが露出した状態で、ゴム層12に対する2次加硫を行っている。したがって、2次加硫の工程(ステップS2)で、ゴム層12の外周面12aの全域から超微粒子としてのシロキサンが放出されて、ゴム層12の全域における残留シロキサンが効果的に減少する。さらに、この2次加硫の工程(ステップS2)で、ゴム層12の内周面(特に幅方向Yに関して中央部)で発生したシロキサンは、芯金11の外周面11aに形成された空溝11T,11T,…を通してそれぞれゴム層12の両側の端部12e,12eに達し、ゴム層12の両側の端部12e,12eからそれぞれ円滑に噴出する。この結果、作製された定着ローラ10では、ゴム層12から超微粒子が発生するのが抑制される。したがって、シロキサンによって画像形成装置の機内や周囲の環境が汚染されるのを防止できる。
なお、この実施形態では、図5(A)に示した定着ローラ10を作製する製造方法について説明したが、これに限られるものではない。本発明の定着部材の製造方法は、図5(C)や図6に示した芯材11を有する定着ローラ10を作製する場合や、既述の定着ベルト50を作製する場合にも同様に適用でき、同様の作用効果を奏することができる。さらに、本発明の定着部材の製造方法は、ゴム層の内周面に空溝を形成する場合にも適用でき、同様の作用効果を奏することができる。
以上の実施形態では、タンデム型のカラー画像形成装置に対して本発明を適用したが、これに限られるものではない。感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段の構成や配置は、本実施形態に限定されず、他の構成や配置であっても良い。本発明は、ロータリー配置型、直接転写方式など、他の方式の画像形成装置にも、広く適用することができる。
また、本発明は、プリンタ、複写機、FAX、およびこれらの複合機や、データを加工・編集して印刷するハードコピーシステムにも適用できる。
10 定着ローラ
11 芯金
11T,11T′,11T″,51T 空溝
12,52 ゴム層
13,53 表層
30 ダクト
41 フィルタ部材
42 排気ファン
50 定着ベルト
51 基材

Claims (7)

  1. 円筒状または環状の定着部材と、上記定着部材を所定の目標温度に加熱する加熱源とを備え、搬送されるシートを上記定着部材の外周面に圧接して上記シートに画像を定着させる画像形成装置であって、
    上記定着部材は、円筒状または環状の基材と、この基材の外周面を覆うように設けられ、上記シートが圧接される領域の寸法を確保するための弾性をもつゴム層と、このゴム層の外周面を覆うように設けられ、上記シートの剥離を助ける表層との3層を含み、
    上記基材上で周方向に対して垂直な幅方向に関して、上記ゴム層の端部と上記表層の端部は、それぞれ上記基材の端部よりも内側に位置し、
    上記基材の外周面と上記ゴム層の内周面との一方または両方に、上記幅方向に関して上記ゴム層の端部の位置を通って延在する空溝が設けられ、
    上記基材の周りで、上記周方向に沿って上記ゴム層の端部に面する位置に設けられ、上記ゴム層の端部から発生した超微粒子を取り込むための取込口をもつダクトと、
    上記取込口から上記ダクトの出口へ向かう気流を発生させる気流発生部と、
    上記ダクトの内部または上記出口に設けられ、上記気流に乗って上記ダクトを通して流れる上記超微粒子を捕捉可能なフィルタ部材とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    上記空溝は、上記基材の外周面または上記ゴム層の内周面上で、上記幅方向に関して上記シートが圧接されるべき領域の外側に相当する部分に限定して設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    上記空溝は、上記基材の外周面または上記ゴム層の内周面上で、上記幅方向に関して上記ゴム層の両側の端部の位置の間を連続的に延在していることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    上記空溝は、上記基材の外周面または上記ゴム層の内周面に沿って、上記幅方向に関して螺旋状に延在し、
    定着動作時に上記定着部材が周方向に回転または循環される向きは、上記ゴム層から発生し上記空溝の両側の端部を通して噴出する超微粒子の速さを、上記ダクトに対して増す向きであることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか一つに記載の画像形成装置において、
    上記基材は円筒状の芯金であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1から4までのいずれか一つに記載の画像形成装置において、
    上記基材は環状の無端ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 搬送されるシートに圧接されて上記シートに画像を定着させる定着部材を作製する定着部材の製造方法であって、
    上記定着部材は、円筒状または環状の基材と、この基材の外周面を覆うように設けられたゴム層と、このゴム層の外周面を覆うように設けられ、上記シートの剥離を助ける表層との3層を含み、上記基材上で周方向に対して垂直な幅方向に関して、上記ゴム層の端部と上記表層の端部は、それぞれ上記基材の端部よりも内側に位置し、
    上記基材の外周面と上記ゴム層の内周面との一方または両方に、上記幅方向に関して上記ゴム層の端部の位置を通って延在する空溝を形成し、
    上記空溝が形成された上記基材の外周面に、1次加硫を経たゴム層を接着剤によって貼り付け、
    上記ゴム層に上記シートが圧接される領域の寸法を確保するための弾性をもたせるように、上記ゴム層に対する2次加硫を行った後、
    上記ゴム層の外周面に、上記表層を設けることを特徴とする定着部材の製造方法。
JP2010000772A 2010-01-05 2010-01-05 画像形成装置および定着部材の製造方法 Pending JP2011141338A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010000772A JP2011141338A (ja) 2010-01-05 2010-01-05 画像形成装置および定着部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010000772A JP2011141338A (ja) 2010-01-05 2010-01-05 画像形成装置および定着部材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011141338A true JP2011141338A (ja) 2011-07-21

Family

ID=44457243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010000772A Pending JP2011141338A (ja) 2010-01-05 2010-01-05 画像形成装置および定着部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011141338A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013190651A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Konica Minolta Inc 画像形成装置
JP2014095735A (ja) * 2012-11-07 2014-05-22 Konica Minolta Inc 定着装置及び画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013190651A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Konica Minolta Inc 画像形成装置
JP2014095735A (ja) * 2012-11-07 2014-05-22 Konica Minolta Inc 定着装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5018872B2 (ja) 画像形成装置
JP4985803B2 (ja) 画像形成装置
JP4985802B2 (ja) 画像形成装置
JP5831740B2 (ja) 定着装置、および画像形成装置
JP2011141447A (ja) 画像形成装置
JP2011191445A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2010134133A (ja) 画像形成装置及び定着装置
JP2011180340A (ja) 画像形成装置
JP2011180341A (ja) 画像形成装置
JP2011169968A (ja) 定着部材およびその製造方法
JP2011141338A (ja) 画像形成装置および定着部材の製造方法
JP5212554B2 (ja) 画像形成装置
JP2008268427A (ja) 画像形成装置及び画像形成装置の排気方法
JP2012098750A5 (ja)
JP2011186033A (ja) 画像形成装置
JP2017191227A (ja) 画像形成装置
JP2014095735A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2009175381A (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP6287254B2 (ja) 定着装置、及び画像形成装置
JP2007293164A (ja) 画像形成装置
JP5950466B2 (ja) 加圧部材及びそれを備えた定着装置並びに画像形成装置
JP6488801B2 (ja) 管状体、定着装置および画像形成装置
JP2006003692A (ja) 画像形成装置
JP2013167671A (ja) 画像形成装置
JP2018146708A (ja) 加圧ローラ、定着装置及び画像形成装置