JP2009175381A - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着回転体と加圧回転体とのニップ部に用紙を通過させて用紙上にトナー画像を定着させる定着装置において、定着回転体や加圧回転体の表面を傷つけたり汚すことなく、定着回転体及び加圧回転体の用紙非通過領域における過昇温を抑える。
【解決手段】ハロゲンヒータHを内蔵する定着ローラ11と、定着ローラ11に圧接する加圧ベルト13と、加圧ベルト13をその周内から定着ローラ11に押圧する押圧部材12Aとを設ける。押圧部材12Aの芯金121表面の周方向半分に、軸方向全体にわたって低熱伝導率の弾性層122を形成し、残る周方向の半分に、軸方向中央部に低熱伝導率の弾性層122、軸方向両端部に高熱伝導率の弾性層123を形成する。そして、用紙サイズに合わせて押圧部材12Aを回転させ、用紙通過領域を弾性層122で、用紙非通過領域を弾性層123で押圧する。
【選択図】図2

Description

本発明は定着装置に関し、より詳細には定着回転体と加圧ベルトとのニップ部に被転写部材を通すことによって、被転写部材上に形成されたトナー画像を加熱・加圧して被転写部材に定着させる定着装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置には、トナー画像を用紙などの被転写部材に定着させるための定着装置が備えられている。定着装置としては、熱源を備えた定着ローラに加圧ローラを圧接させ、これらのローラのニップ部に用紙を通過させることによってトナー画像を加熱・加圧して用紙に定着させるものが従来から広く使用されている。また近年、省エネルギーの観点から、ウォームアップ時間の短縮を図るために定着ローラ及び加圧ローラの低熱容量化が進められている。
ところが、このような定着装置を用いて連続して定着処理を行うと、用紙の非通過領域において過昇温が生じる。すなわち、定着ローラの用紙が通過する領域では、定着ローラの熱は用紙の定着処理によって奪われるので、その表面温度は低下する。そこで、定着ローラの表面温度を所定温度に維持させるために熱源から熱が供給される。一方、定着ローラの、用紙が通過しない領域では、用紙に熱が奪われないにもかかわらず熱が供給されるため、熱が蓄積して過昇温状態となる。
例えば、小サイズの用紙を連続して定着処理した後、大サイズの用紙を定着処理すると、小サイズの用紙の通過領域と非通過領域とで定着ローラの表面温度に差が生じているため、トナー画像の定着ムラや高温オフセット、用紙のしわ等の不具合が発生する。また、定着ローラ表面が過昇温状態であると、定着装置の各部品の耐久性の悪化や破損といった不具合も発生する。
そこで、例えば、両端部の熱伝導率が中央部よりも高いクリーニング部材や放熱ローラを加圧ローラや定着ローラに接触させて、加圧ローラや定着ローラの両端部の熱をクリーニング部材や放熱ローラを介して外部に放散し、過昇温状態となるのを抑える技術が提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2を参照)。
特開平10-123873号公報 特開平9-160423号公報
しかしながら、上記提案された技術では、加圧ローラや定着ローラに放熱用の部材を直接接触させているので、残留トナーなどの異物が溜まりやすく、これによって加圧ローラや定着ローラの表面が傷ついたり汚れたりするおそれがあった。
そこで、本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、定着回転体や加圧回転体の表面を傷つけたり汚すことなく、定着回転体及び加圧回転体における用紙非通過領域の過昇温が抑えられる定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、加熱手段を有する定着回転体と、この定着回転体の表面に圧接して従動する無端状の加圧ベルトと、加圧ベルトをその周内から定着回転体の表面に押圧する棒状の押圧部材とを備え、前記定着回転体と前記加圧ベルトとのニップ部に被転写部材を通すことによって、被転写部材上に形成されたトナー画像を加熱・加圧して被転写部材に定着させる定着装置であって、前記押圧部材の軸方向に、熱伝導率の高い領域と低い領域とが形成され、熱伝導率の高い領域と低い領域との境界位置が、押圧部材を回転させることによって段階的又は連続的に変化し、被転写部材のサイズに合わせて、被転写部材の通過領域を熱伝導率の低い領域、非通過領域を熱伝導率の高い領域となるように、前記押圧部材を回転させることを特徴とする定着装置が提供される。
なお、本明細書において、押圧部材の熱伝導率は、半径方向における外周面から内周面(中実の場合は中心軸)までの熱伝導率をいい、図4に示すような積層構造の弾性層を有する場合、弾性層の熱伝導率は、各層の熱伝導率に、総厚に対する各層の厚みの割合を掛け合わせたものの総和とする。
定着処理する用紙サイズがおおよそ2種類に大別できる場合には、押圧部材として、円柱状であって、その周方向の略半分が軸方向全体に熱伝導率の低い領域とされ、残る周方向の略半分が、軸方向に熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域とに区分されているものを用いてもよい。
定着処理する用紙サイズが多種類ある場合には、押圧部材として、多角柱状であって、熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域の境界位置が、押圧部材の各側面で異なっているものを用いてもよい。あるいは、押圧部材として、円柱状であって、熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域の境界位置が周方向に連続的に変化しているものを用いてもよい。
押圧部材としては、円柱状の芯材の表面に弾性層が形成されてなるものが好ましい。
また、本発明によれば、前記のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明の定着装置及び画像形成装置では、加圧回転体として加圧ベルトを用いるとともに、加圧ベルトをその周内から定着回転体に押圧する押圧部材として、軸方向に、熱伝導率の高い領域と低い領域とが形成され、熱伝導率の高い領域と低い領域との境界位置が、回転することによって段階的又は連続的に変化するものを用いる。押圧部材を回転させることによって、被転写部材のサイズに合わせて、被転写部材の通過領域を熱伝導率の低い領域、非通過領域を熱伝導率の高い領域に調節できる。これにより、定着回転体や加圧回転体の表面を傷つけたり汚すことなく、定着回転体及び加圧回転体における用紙非通過領域の過昇温を効果的に抑えられるようになる。
以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置について図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の画像形成装置及び定着装置の一実施形態を示す概説図である。図1の画像形成装置Dは所謂タンデム方式のカラープリンタである。もちろん、本発明の画像形成装置には、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等の電子写真式画像形成装置が含まれる。また、画像形成方式としてはタンデム方式に限定されるものではなく、他の方式、例えば、回転軸の周囲に4つの現像装置を配置し、これらを順次静電潜像担持体に対向させてフルカラー画像を作成する所謂4サイクル方式、あるいは一つの現像装置でモノクロ画像を作成するモノクロ方式であっても構わない。
画像形成装置Dは、導電性を有する無端状の中間転写ベルト33を有する。中間転写ベルト33は、図の左右両側にそれぞれ配置された一対のローラ31,32に掛架されている。ローラ32は不図示のモータに連結されており、モータの駆動によってローラ32は反時計回りに回転し、これによって中間転写ベルト33とこれに接するローラ31は従動回転する。ローラ32に支持されているベルト部分の外側には、二次転写ローラ34が圧接している。この二次転写ローラ34と中間転写ベルト33とのニップ部(二次転写領域)において中間転写ベルト33上に形成されたトナー画像が、搬送されてきた用紙Pに転写される。
また、ローラ31に支持されているベルト部分の外側には、中間転写ベルト33の表面をクリーニングするクリーニング部材35が設けられている。このクリーニング部材35は中間転写ベルト33を介してローラ31に圧接しており、その接触部で未転写トナーを回収する。
ローラ31とローラ32とに掛架された中間転写ベルト33の下側には、中間転写ベルト33の回転方向上流側から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの作像部2Y,2M,2C,2K(以下、「作像部2」と総称することがある)が配置されている。これらの作像部2では、各色の現像剤をそれぞれ用いて対応する色のトナー画像が作成される。
作像部2は、静電潜像担持体として円筒状の感光体20を有する。そして、感光体20の周囲には、その回転方向(時計回り方向)に沿って順に、帯電器21、現像装置23、一次転写ローラ24、および感光体クリーニング部材25が配置されている。一次転写ローラ24は中間転写ベルト33を挟んで感光体20に圧接し、ニップ部(一次転写領域)を形成している。また、作像部2の下方には露光装置22が配置されている。
この図に示す実施形態では、帯電器21としてローラ帯電方式のものを用いているが、帯電器21の種類は特に限定されるものでなく、コロナ放電方式の帯電チャージャ、ブレード状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材等を用いてももちろん構わない。また、この実施形態では、感光体クリーニング部材25として板状ブレードを用い、その一端側を感光体20の外周面に接触させて、感光体20の表面に残留するトナーを回収除去しているが、感光体クリーニング部材25は板状ブレードに限られるものでなく、例えば、固定ブラシ、回転ブラシ、ローラ、及びそれら複数の部材を組み合わせたものを使用することもできる。なお、感光体クリーニング部材25は必ずしも設ける必要はなく、感光体20上の未転写トナーの回収を現像装置23によって行うクリーナレス方式を採用することもできる。
中間転写ベルト33の上方には、各色の現像装置23に補給するトナーを収容したホッパー4Y,4M,4C,4K(以下、「ホッパー4」と総称することがある)がそれぞれ配置されている。また、露光装置22の下部には、給紙装置として給紙カセット50が着脱可能に配置されている。給紙カセット50内に積載収容された用紙(被転写部材)Pは、給紙カセット50の近傍に配置された給紙ローラ51の回転によって最上紙から順に1枚ずつ搬送路に送り出される。給紙カセット50から送り出された用紙Pは、レジストローラ対52に搬送され、ここで所定のタイミングで二次転写領域に送り出される。
画像形成装置Dは、1色のトナー(例えばブラック)を用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードと、4色のトナーを用いてカラー画像を形成するカラーモードとに切り替え可能となっている。
カラーモードにおける画像形成動作例について簡単に説明すると、まず、各作像部2において、所定の周速度で回転駆動される感光体20の外周面が帯電器21により帯電される。次に、帯電された感光体20の表面に、画像情報に応じた光が露光装置22から投射されて静電潜像が形成される。続いて、この静電潜像は、現像装置23から供給される現像剤としてのトナーにより顕在化される。このようにして感光体20の表面に形成された各色のトナー画像は、感光体20の回転によって一次転写領域に達すると、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、感光体20から中間転写ベルト33上へ転写(一次転写)されて重ねられる。
中間転写ベルト33に転写されることなく感光体20上に残留した未転写トナーは、感光体クリーニング部材25で掻き取られ、感光体20の外周面から除去される。
重ね合わされた4色のトナー画像は、中間転写ベルト33によって二次転写領域に搬送される。一方、そのタイミングに合わせて、レジストローラ対52から二次転写領域に用紙Pが搬送される。そして、4色のトナー画像が、二次転写領域において中間転写ベルト33から用紙Pに転写(二次転写)される。4色のトナー画像が転写された用紙Pは、定着装置1へ搬送される。定着装置1において用紙Pは、定着ローラ(定着回転体)11と加圧ベルト13とのニップ部を通過する。この間に用紙Pは加熱・加圧され、用紙P上のトナー画像は用紙Pに溶融定着する。なお、定着装置1の具体的な構成については後述する。トナー画像が定着した用紙Pは排出ローラ対53によって排紙トレイ54に排出される。
一方、二次転写領域を通過した中間転写ベルト33は、クリーニングブレード35で清掃される。その後、各感光体20及び中間転写ベルト33の回転駆動が停止される。
図2に、図1の画像形成装置Dに搭載されている定着装置1の概略構成図を示す。なお、この図は、押圧部材の軸方向端部の垂直断面図である。定着装置1は、ハロゲンヒータ(加熱手段)Hを軸中心に有する定着ローラ11と、定着ローラ11に圧接する無端状の加圧ベルト13と、加圧ベルト13をその周内から定着ローラ11に押圧する押圧部材12Aとを備える。定着ローラ11は、不図示の回転駆動手段によって図中反時計回りに回転し、これによって加圧ベルト12は従動して回転する。押圧部材12Aは通常状態では回転しない。したがって、加圧ベルト13は押圧部材12Aに摺接しながら回転することになるので、オイルやグリースなどの潤滑剤を両者の接触部分に塗布し、加圧ベルト13の摺動性を高めるようにしてもよい。そして、定着ローラ11と加圧ベルト13とのニップ部の回転方向下流側には、定着ローラ11に接しないように所定の間隔を空けて分離爪16が揺動自在に軸支されている。定着ローラ11の外周部には、表面温度を検知する温度センサ14が設置され、この温度センサ14の検知温度によってハロゲンヒータHが入切制御され、定着ローラ11の表面は所定温度に維持される。
このような構成の定着装置1において、搬送されてきた用紙Pは、未定着のトナー画像tが載った面が定着ローラ11側になるように、定着ローラ11と加圧ベルト13とによって形成されたニップ部を通過する。ニップ部を通過する間に、トナー画像tに対して加熱及び加圧がなされ、トナー画像tは溶融して用紙Pに定着する。そして、分離爪16によって定着ローラ11から用紙Pは分離され排紙トレイ54(図1に図示)へ排出される。
図3に、この定着装置1で使用する押圧部材12Aの斜視図を示す。押圧部材12Aは、中空円柱状の芯金(芯材、図2に図示)121の表面に熱伝導率の異なる2種類の弾性層122,123が形成されてなる。具体的には、芯金121表面の周方向半分は軸方向全体にわたって熱伝導率の低い弾性層122が形成され、残る芯金121表面の周方向の半分は、軸方向中央部に熱伝導率の低い弾性層122、軸方向両端部に熱伝導率の高い弾性層123が形成されている。
押圧部材12Aは回転自在であって、図2及び図3の押圧部材12Aの場合180°ずつ回転する。これによって、用紙サイズに合わせて、押圧部材12Aの、加圧ベルト13を押圧する部分が切り替えられる。すなわち、搬送されてくる用紙Pのサイズが大きい場合は、図2に示すように、軸方向全体にわたって低熱伝導率の弾性層122で加圧ベルト13を定着ローラ11に押圧する。一方、搬送されてくる用紙Pのサイズが小さい場合は、図2の状態から押圧部材12Aを180°回転させて、用紙Pが通過する軸方向中央部を低熱伝導率の弾性層122で押圧し、用紙Pの通過しない軸方向両端部は高熱伝導率の弾性層123で押圧する。これにより、用紙Pが通過する領域では、加圧ベルト13及び押圧部材12Aへの伝熱量が抑えられ、定着ローラ11の温度低下が抑えられる。一方、用紙Pが通過しない領域では、定着ローラ11からの熱は、加圧ベルト13を通って押圧部材12Aの高熱伝導率の弾性層123に移動し、芯金121(図2に図示)等を介して速やかに放散されるので、定着ローラ11及び押圧部材12Aの、用紙非通過領域の過昇温が確実に防止される。
押圧部材12Aの回転は、従来公知の駆動機構を用いて行えばよく、例えばモータやソレノイドなどの駆動源を用いればよい。押圧部材12Aを回転させるとき、押圧部材12Aを定着ローラ11から離間させるようにしてもよいが、押圧部材12Aに離間・圧接機構を別途設ける必要があり、部品点数が増加すると共に装置が複雑・大型化するので、圧接した状態で押圧部材12Aを回転させることが推奨される。また、押圧部材12Aの回転を、定着ローラ11の回転駆動を利用して行ってもよい。すなわち、通常状態ではロック部材によって押圧部材12Aの回転を阻止し、押圧部材12Aを回転させるときは、ロック部材を解除して押圧部材12Aを回転可能とした後、定着ローラ11を回転させて押圧部材12Aを従動回転させる。
押圧部材12Aの芯金121(図2に図示)の材料としては、例えば、STKM12種(機械構造用炭素鋼鋼管)やアルミニウム、鉄など熱伝導率の高い材料が好適に使用できる。また弾性層122,123の材料としては、例えば、シリコーンゴムなどが好適に使用できる。低熱伝導率の弾性層122に用いる材料の熱伝導率は0.1〜0.5W/m・Kの範囲が好ましく、高熱伝導率の弾性層123に用いる材料の熱伝導率は1〜10W/m・Kの範囲が好ましい。低熱伝導率に対する高熱伝導率の比率としては約10倍程度が望ましい。弾性層122,123に用いる材料の熱伝導率は、フィラーなどの充填剤の種類や充填量によって調整できる。
低熱伝導率の弾性層122と高熱伝導率の弾性層123との軸方向の境界位置は、使用される用紙のサイズ等を考慮して適宜決定すればよい。
このような押圧部材12Aの作製方法に特に限定はなく、従来公知の方法で作製すればよい。例えば、低熱伝導率の弾性層122と高熱伝導率の弾性層123とを別々に所定形状に成形した後、芯金121の表面に貼付して作製する。あるいは、芯金121の表面の所定位置に一方の弾性層を金型成形した後、もう一方の弾性層を金型成形し、その後必要により表面を削り取ることにより作製する。
図2及び図3に示す押圧部材12Aでは弾性層を単層としているが、2層以上の積層構造としてももちろん構わない。図4にその一例を示す。同図(a)の押圧部材12Bでは、円筒状の芯金121の軸方向略中央部に低熱伝導率の弾性層122が形成され、この弾性層122を覆うように、芯金121の表面全体に高熱伝導率の弾性層123が形成されている。この押圧部材12Bでは、軸方向中央部の熱伝導率は軸方向両端部よりも低くなる。また、同図(b)の押圧部材12Cは、円筒状の芯金121の軸方向両端部に高熱伝導率の弾性層123が形成され、この弾性層123を覆うように、芯金121の表面全体に低熱伝導率の弾性層122が形成されている。この押圧部材12Cも同様に、軸方向中央部の熱伝導率は軸方向両端部よりも低くなる。
本発明で使用する加圧ベルト13としては、例えば内側に耐熱層、外側に離型層を有する2層構造のものが挙げられる。耐熱層の材料としてはポリイミドやポリアミド、ポリアミドイミド等が挙げられ、離型層の材料としてはフッ素樹脂等が挙げられる。各層の層厚としては数十μm〜数百μm程度が好ましい。もちろん、加圧ベルトは3層以上の構造であっても構わない。
定着ローラ11は、芯金の表面にシリコーンゴムなどの弾性層が形成され、さらにその表面にPFA(パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブやPFAコートによる離型層が形成されてなる。芯金としては、例えば、アルミニウムやSTKM12種などを用いることができる。なお、本発明で使用する定着回転体は、定着ローラに限定されるものではなく、例えば定着ベルト方式など従来公知のものを用いることができる。
以上、説明した押圧部材では、熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域との境界位置を2種類に切り替え可能であったが、使用する用紙サイズの種類に対応させて、押圧部材の切り替え段階を3種類以上としてももちろん構わない。図5及び図6に、4種類に切り替え可能な押圧部材の実施形態例を示す。図5は、押圧部材の斜視図で、図6はその展開図である。図5及び図6から理解されるように、この図の押圧部材12Dは略四角柱状であって、各側面において、熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域との境界位置が異なっている。押圧部材12Dは回転自在であって、搬送されてくる用紙サイズによって押圧部材12Dを回転させて、用紙の通過領域が熱伝導率の低い領域、用紙の非通過領域が熱伝導率の高い領域となるようにする。この実施形態の押圧部材12Dでは、熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域との境界位置を4種類に切り替えられるので、前記実施形態の押圧部材に比べて、より細かく用紙サイズに対応できるようになる。また、加圧ベルト13に接触する面が曲面ではなく平面となっているため、加圧ベルト13を押圧する際に形成される、定着ローラ11と加圧ベルト13とのニップ部を長くでき、用紙の搬送速度を速くし得る。押圧部材を5角柱状、6角柱状・・・と側面数を多くしてももちろん構わない。側面数を多くするほど、より細かく用紙サイズに対応できるようになる。
図7及び図8に、熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域との境界位置を連続的に変化させた押圧部材の実施形態例を示す。図7は、押圧部材の斜視図で、図8はその展開図である。この押圧部材12Eは円柱状であって、図8から理解されるように、熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域との境界位置は周方向において直線状に変化している。これにより、押圧部材12Eの回転角度を調整することによって、加圧ベルト13を押圧する部分の、熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域との境界位置を任意に調整できるようになり、搬送可能なすべての用紙サイズに前記境界位置を合わせることができるようになる。
以上説明した定着装置及びそれに用いる押圧部材の実施形態はいずれも、押圧部材の軸方向中央を用紙搬送基準としたものであるが、押圧部材の軸方向一方端を用紙搬送基準としたものにも本発明の定着装置は適用できる。この場合、押圧部材の、用紙搬送基準となる一方端側が熱伝導率の低い領域となり、それ以外の部分が熱伝導率の高い領域となる。
また、前記実施形態では、加圧ベルトは張架させない方式を採用しているが、張架ローラを設けて加圧ベルトを張架させる方式としても構わない。ただし、構造の簡素化及び保守点検にしやすさ等の観点から、加圧ベルトは張架させない方式が好ましい。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概説図である。 図1の画像形成装置に搭載されている定着装置の概説図である。 図2の定着装置に使用されている押圧部材の斜視図である。 本発明で使用する押圧部材の他の実施形態を示す垂直断面図である。 本発明で使用する押圧部材の他の実施形態を示す斜視図である。 図5の押圧部材の展開図である。 本発明で使用する押圧部材のさらに他の実施形態を示す斜視図である。 図7の押圧部材の展開図である。
符号の説明
1 定着装置
D 画像形成装置
H ヒータ(加熱手段)
P 用紙(被転写部材)
t トナー画像
11 定着ローラ(加熱回転体)
12A,12B,12C,12D,12E 押圧部材
13 加圧ベルト
121 芯金(芯材)
122 低熱伝導率の弾性層
123 高熱伝導率の弾性層

Claims (6)

  1. 加熱手段を有する定着回転体と、この定着回転体の表面に圧接して従動する無端状の加圧ベルトと、加圧ベルトをその周内から定着回転体の表面に押圧する棒状の押圧部材とを備え、前記定着回転体と前記加圧ベルトとのニップ部に被転写部材を通すことによって、被転写部材上に形成されたトナー画像を加熱・加圧して被転写部材に定着させる定着装置であって、
    前記押圧部材の軸方向に、熱伝導率の高い領域と低い領域とが形成され、熱伝導率の高い領域と低い領域との境界位置が、押圧部材を回転させることによって段階的又は連続的に変化し、
    被転写部材のサイズに合わせて、被転写部材の通過領域を熱伝導率の低い領域、非通過領域を熱伝導率の高い領域となるように、前記押圧部材を回転させることを特徴とする定着装置。
  2. 前記押圧部材が円柱状であって、その周方向の略半分が軸方向全体に熱伝導率の低い領域とされ、残る周方向の略半分が、軸方向に熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域とに区分されている請求項1記載の定着装置。
  3. 前記押圧部材が多角柱状であって、熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域の境界位置が、押圧部材の各側面で異なっている請求項1記載の定着装置。
  4. 前記押圧部材が円柱状であって、熱伝導率の低い領域と熱伝導率の高い領域の境界位置が周方向に連続的に変化している請求項1記載の定着装置。
  5. 前記押圧部材が、円柱状の芯材の表面に弾性層が形成されてなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014142406A (ja) * 2013-01-22 2014-08-07 Ricoh Co Ltd 押圧部材、定着装置及び画像形成装置
JP2017009786A (ja) * 2015-06-22 2017-01-12 コニカミノルタ株式会社 定着装置
JP2019008020A (ja) * 2017-06-21 2019-01-17 株式会社リコー 定着装置、および画像形成装置

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