JP5769127B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体上に現像剤像を定着する定着装置、及びその定着装置を備える画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置には、紙やOHP用シート等の記録媒体に転写されたトナー画像を当該記録媒体に定着させる定着装置として、熱定着方式のものが多く採用されている。一般的に、熱定着方式の定着装置は、ローラ又はベルト等から成る一対の回転体とヒータ等の熱源を備え、熱源によって加熱された一方又は双方の回転体同士が当接するニップ部に記録媒体を通過させることにより、その記録媒体上のトナー画像を加熱溶融させて定着するように構成されている。
ところで、この種の定着装置において、上記ローラ等の回転体が熱によって膨張すると、当該回転体の外径が変化することにより、回転体対によって搬送される記録媒体の搬送速度にばらつきが生じることが知られている。その結果、記録媒体の波打ちやシワの発生、所謂ショックジターと称される画像の位置ずれや色ずれが発生するといった問題がある。特に、ニップ幅を広く確保する目的で、厚いゴム層を有する回転体を用いる場合は、回転体の熱膨張による搬送速度のばらつきが顕著となる。
このような問題に対して、従来は、加熱される回転体の温度を検知し、その検知温度に基づき回転体の駆動手段の回転速度を制御することにより、回転体の温度にかかわらず所定の搬送速度を維持できるようにしていた(特許文献1参照)。
しかしながら、回転体の温度に基づき回転速度を制御する構成では、回転体の駆動を独立して制御する必要があるため、回転体に専用の駆動手段を設けなければならず、高コストとなる問題があった。
本発明は、斯かる事情に鑑み、低コストで、回転体の熱膨張による搬送速度のばらつきを低減することができる定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
請求項の発明は、互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体と、当該両回転体の一方又は双方を加熱する熱源とを備え、前記ニップ部に記録媒体を通過させてその記録媒体上の現像剤像を定着させる定着装置において、前記一対の回転体の少なくとも一方が、芯材の外周に弾性層を有するものであって、その回転体の弾性層の厚さを、軸方向の中央部よりも両端部において薄く形成し、当該両端部における前記弾性層と前記芯材との間に、断熱材を介在させたものである。
転体の弾性層を中央部よりも両端部において薄く形成しているので、両端部における弾性層の熱膨張による外径変動を抑制することができる。また、この場合、両端部における弾性層と芯材との間に断熱材を介在させているので、接触する相手側の回転体からの熱が弾性層から芯材へ伝わりにくくなる。すなわち、この構成によれば、弾性層だけでなく、芯材の熱膨張による外径変動も抑制することができるので、搬送速度のばらつきをより一層低減することができる。
請求項の発明は、互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体と、当該両回転体の一方又は双方を加熱する熱源とを備え、前記ニップ部に記録媒体を通過させてその記録媒体上の現像剤像を定着させる定着装置において、前記一対の回転体の少なくとも一方が、芯材の外周に弾性層を有するものであって、その回転体の弾性層の厚さを、軸方向の中央部よりも両端部において薄く形成し、当該両端部における前記弾性層と前記芯材との間に、記録媒体の送り方向にだけ回転体に駆動力を伝達するワンウェイクラッチを介在させたものである。
この場合も、上記と同様に、回転体の弾性層を中央部よりも両端部において薄く形成しているので、両端部における弾性層の熱膨張による外径変動を抑制することができ、搬送速度のばらつきを低減することができる。また、この場合、弾性層と芯材との間に、記録媒体の送り方向にだけ回転体に駆動力を伝達するワンウェイクラッチを介在させているので、当該回転体は記録媒体の送り方向とは反対方向の空転が許容される。これにより、定着装置内でジャム化した記録媒体の除去作業などを行う際に、回転体を空転させることで、その除去作業を容易に行うことができる。
請求項の発明は、請求項又はに記載の定着装置において、前記回転体の弾性層の熱膨張率が、軸方向の中央部よりも両端部において小さくなるように構成したものである。
弾性層の熱膨張率を軸方向の中央部よりも両端部において小さくすることにより、両端部における弾性層の熱膨張による外径変動をより効果的に抑制することができるようになり、搬送速度のばらつきをより一層低減することが可能となる。
請求項の発明は、請求項からのいずれか1項に記載の定着装置において、前記回転体の軸方向の両端部における前記弾性層の厚さを、両端部における前記芯材の外径半径の1/10以下となるように形成したものである。
両端部における弾性層の厚さを、両端部における芯材の外径半径の1/10以下となるように形成することにより、両端部における弾性層の熱膨張による外径変動をより効果的に抑制することができるようになり、搬送速度のばらつきをより一層低減することが可能となる。
請求項の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の定着装置において、前記回転体の軸方向の両端部における前記弾性層の熱伝導率を、0.3W/m・K以下となるように構成したものである。
両端部における弾性層の熱伝導率を0.3W/m・K以下とすることで、弾性層から芯材へ熱が伝わりにくくなる。これにより、両端部における芯材の熱膨張による外径変動を抑制することができるので、搬送速度のばらつきをさらに低減することが可能となる。
請求項の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置において、前記回転体の軸方向の両端部において前記弾性層の厚さを薄く形成した部分の範囲が、軸方向に10mm以上となるように構成したものである。
両端部において弾性層の厚さを薄く形成した部分の範囲を、軸方向に10mm以上となるように構成することにより、搬送速度のばらつきをより効果的に低減できるようになる。
請求項の発明は、請求項に記載の定着装置において、前記両端部において前記弾性層の熱膨張率を小さくした部分の範囲が、軸方向に10mm以上となるように構成したものである。
両端部において弾性層の熱膨張率を小さくした部分の範囲を、軸方向に10mm以上となるように構成することにより、搬送速度のばらつきをより効果的に低減できるようになる。
請求項の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置である。
画像形成装置が請求項1からのいずれか1項に記載の定着装置を備えているので、回転体の熱膨張による搬送速度のばらつきが低減され、記録媒体の波打ちやシワの発生、画像の位置ずれや色ずれ(ショックジター)の発生を防止できる。
本発明によれば、定着装置が備える、互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体のうち、少なくとも一方の軸方向端部における熱膨張による外径変動を抑制することができるので、記録媒体の搬送速度のばらつきを低減することができる。これにより、搬送速度がばらつくことによる記録媒体の波打ちやシワの発生、画像の位置ずれや色ずれ(ショックジター)の発生を防止できる。しかも、本発明によれば、前記回転体の回転速度を独立して制御しなくても、搬送速度のばらつきを低減することが可能である。このため、従来のように、回転体に専用の駆動手段を設けなくてもよいので、低コストで搬送速度のばらつきを低減することができ、良好な画像形成を実現できるようになる。
本発明を適用する画像形成装置の概略構成図である。 画像形成装置に搭載した定着装置の概略構成図である。 定着装置を幅方向に見た図である。 本発明に係る加圧ローラの第1実施形態の構成を示す図である。 本発明に係る加圧ローラの第2実施形態の構成を示す図である。 本発明に係る加圧ローラの第3実施形態の構成を示す図である。 本発明に係る加圧ローラの第4実施形態の構成を示す図である。 本発明に係る加圧ローラの第5実施形態の構成を示す図である。 本発明の構成を適用した定着ローラの構成を示す図である。 本発明に係るローラ構造と従来のローラ構造とにおいて、搬送速度のばらつきを調べるために行った試験の内容及び結果をまとめた表である。 従来の加圧ローラの構成を示す図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明を適用する画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置はカラー画像形成装置であり、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Bk,1Y,1M,1Cが、画像形成装置本体100に着脱可能に装着されている。各プロセスユニット1Bk,1Y,1M,1Cは、カラー画像の色分解成分に対応するブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
具体的には、各プロセスユニット1Bk,1Y,1M,1Cは、像担持体としての感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電ローラ3等を備える帯電装置と、感光体2の表面にトナー(現像剤)を供給する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするためのクリーニングブレード5等を備えるクリーニング装置などで構成されている。なお、図1では、ブラックのプロセスユニット1Bkが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1Y,1M,1Cにおいては符号を省略している。
図1に示す感光体2は、円筒状に形成された感光体ドラムであり、所定の線速で回転駆動するように構成されている。帯電ローラ3は、感光体2に当接しており、感光体2の回転に伴って従動回転する。また、帯電ローラ3は、図示しない高圧電源によりDC又はDCにACが重畳されたバイアスが印加されることで、感光体2の表面を一様にほぼ均一な電位に帯電するように構成されている。現像装置4は、内部にトナーが収容されており、図示しない高圧電源からの所定の現像バイアスによって、感光体2の静電潜像をトナー画像として顕像化する。ここでは、現像装置4として、1成分現像器を用いているが、2成分現像器を用いてもよい。クリーニングブレード5は、感光体2の表面に当接しており、感光体2の回転に伴ってその表面に残留するトナー等を掻き取るように構成されている。なお、クリーニングブレード5を設けず、現像装置4が有する現像ローラによって感光体2上の残留トナーを除去する構成としてもよい。また、その他の種々の公知のクリーニング手段を採用することも可能である。
図1において、各プロセスユニット1Bk,1Y,1M,1Cの上方には、感光体2の表面を露光して静電潜像を形成する露光装置6が配設されている。露光装置6は、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナやLEDなどを有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザー光を照射するようになっている。
また、各プロセスユニット1Bk,1Y,1M,1Cの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、転写体としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト8を有する。中間転写ベルト8は、支持部材としての駆動ローラ9とテンションローラ10に張架されており、駆動ローラ9が図の反時計回りに回転することによって、中間転写ベルト8は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するように構成されている。また、中間転写ベルト8は、テンションローラ10の両端部にそれぞれ設けられた図示しないバネの加圧によって所定のテンションが付与されている。
4つの感光体2に対向した位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト8の内周面を押圧しており、中間転写ベルト8の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
また、駆動ローラ9に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。この二次転写ローラ12は中間転写ベルト8の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
また、中間転写ベルト8の周囲には、中間転写ベルト8の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置13と、トナーマークセンサ(TMセンサ)14とが配設されている。トナーマークセンサ14は、発光素子と受光素子の組み合わせで正反射型や拡散型センサによって中間転写ベルト8上のトナー画像濃度、各色位置測定を行い、画像濃度や色合わせを調整する。
画像形成装置本体100の下部には、紙やOHP用シート等の記録媒体Pが収容されている給紙トレイ15と、この給紙トレイ15から記録媒体Pを送り出す給紙ローラ16とが配設されている。一方、装置本体100の上部には、記録媒体を外部へ排出するための一対の排紙ローラ17と、排出された記録媒体をストックするための排紙トレイ18とが配設されている。また、画像形成装置本体100内には、記録媒体Pを給紙トレイ15から二次転写ニップを通って排紙トレイ18へ搬送するための搬送路Rが配設されている。この搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向上流側には、記録媒体Pの搬送タイミングを調整する一対のレジストローラ19が配設されている。また、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向下流側には、記録媒体Pにトナー画像を定着する定着装置20が配設してある。
以下、図1を参照して上記画像形成装置の基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Bk,1Y,1M,1Cの感光体2が図の時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置6から各感光体2の帯電面にレーザー光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
中間転写ベルト8を張架する駆動ローラ9が回転駆動し、中間転写ベルト8を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2上の各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト8はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。一方、中間転写ベルト8に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
また、作像動作が開始されると、給紙ローラ16が回転して、給紙トレイ15から記録媒体Pが搬出される。搬出された記録媒体Pは、レジストローラ19によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト8上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上のトナー画像が記録媒体P上に一括して転写される。また、中間転写ベルト8上に残留するトナー等は、ベルトクリーニング装置13によって除去される。その後、記録媒体Pは定着装置20に送り込まれトナー画像が記録媒体P上に定着される。そして、記録媒体Pは一対の排出ローラ17によって排紙トレイ18に排出される。
以上の説明は、記録媒体にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Bk,1Y,1M,1Cのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
次に、図2及び図3を参照して、上記定着装置の構成及び動作について説明する。
図2は、定着装置の概略構成図である。図3は、定着装置を幅方向に見た図である。
図2に示すように、定着装置20は、定着回転体としての定着ベルト21、加熱部材22、固定部材23、支持部材としての補強部材24、熱源としてのヒータ25、加圧回転体としての加圧ローラ30、温度センサ40、圧接機構50等で構成される。
ここで、定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトである。また、定着ベルト21は、その内周面21a側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜100μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料で形成されている。また、定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)等の材料で形成されている。定着ベルト21の直径は15〜120mmになるように設定するのが適当である。なお、本実施形態では、定着ベルト21の直径が30mm程度に設定されている。
加熱部材22は、ヒータ25の輻射熱(輻射光)により加熱されて定着ベルト21を加熱するものである。ここでは、加熱部材22は、パイプ状部材で形成され、定着ベルト21の内周面21aに対向するように配設されている。加熱部材22の材料としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属熱伝導体(熱伝導性を有する金属)を用いることができる。加熱部材22の肉厚を0.2mm以下に設定することで、定着ベルト21(又は加熱部材22)の加熱効率を向上することができる。なお、本実施形態では、加熱部材22を、肉厚が0.1mmのステンレスで形成している。また、図2では、加熱部材22は、略円形の断面形状となっているが、多角形の断面形状とすることも可能である。
また、加熱部材22と定着ベルト21との間にはフッ素グリス、シリコーンオイル等の潤滑剤が塗布されている。これにより、定着ベルト21が図2の矢印方向(反時計回り)に回転した際に加熱部材22と定着ベルト21とが摺接しても定着ベルト21の摩耗が軽減されるようになっている。また、加熱部材22は、固定部材23を配設している位置では凹部が形成され、その凹部には開口部22aを有しているが、この開口部22aにはシール部材としての図示しないシート状部材が配設されている。これにより、加熱部材22の開口部22aから内部に上記潤滑剤や異物等が進入しないようになっている。また、加熱部材22は、図示しない第1ステーによって加熱部材22の内周面側から凹部を覆うように係合され、さらに、図示しない第2ステーによって加熱部材22の外周面側から加熱部材22と共に上記シート状部材を挟持して保持している。
ヒータ25は、ハロゲンヒータやカーボンヒータ等であり、加熱部材22の内周面側に配設されている。ヒータ25は、画像形成装置本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱する。また、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21の表面に対向して配設されているサーミスタ等の温度センサ40によるベルト表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。
また、定着ベルト21の内部(内周面21a側)には、固定部材23、補強部材24が固設されている。固定部材23は、定着ベルト21の内周面21aに接触するように配設されている。補強部材24は、固定部材23を補強・支持するためのものである。
加圧ローラ30は、圧接機構50の加圧力を受けて固定部材23に対向する位置で定着ベルト21に圧接しており、双方の部材間には所望のニップ部が形成されている。また、加圧ローラ30は、図示しない駆動手段によって図2の矢印方向(時計回り)に回転駆動されるようになっている。ここでは、加圧ローラ30は、直径が30mm程度であって、芯材としての中空構造の芯金上に弾性層を形成したものである。加圧ローラ30の弾性層は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層の表層にPFA、PTFE等から成る薄肉の離型層を設けることもできる。また、弾性層を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるため、固定部材23に生じる撓みを軽減することができる。さらに、加圧ローラ30の断熱性が高められて、定着ベルト21の熱が加圧ローラ30側に移動しにくくなるため、定着ベルト21の加熱効率が向上する。また、加圧ローラ30の内部に、ハロゲンヒータ等の熱源を設けてもよい。
圧接機構50は、加圧レバー51、加圧スプリング52等で構成されている。加圧レバー51は、一端側(図示しない下端側)に設けられた支軸を中心として回動可能に支持されている。加圧レバー51の中央部は、加圧ローラ30の軸受に当接している。また、加圧レバー51の他端側には加圧スプリング52が接続されている。この加圧スプリング52の加圧力を受けて加圧レバー51が加圧ローラ30の軸受を定着ベルト21側へ押圧することにより、加圧ローラ30が定着ベルト21に対して圧接される。
図3に示すように、加圧ローラ30は、その幅方向両端部に設けられた軸受31,32を介して、定着装置20の一対の側板61,62に対し回転可能に支持されている。また、加圧ローラ30の一端部には不図示の駆動手段の駆動ギアに噛合するギア33が設置されている。このギア33を介して駆動手段から駆動力が伝達されることにより加圧ローラ30は回転駆動される。また、一対の側板61,62には、加熱部材22、固定部材23、補強部材24及びヒータ25のそれぞれの幅方向両端部が固定支持されている。
以下、上述のように構成された定着装置の動作について説明する。
画像形成装置本体の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されると共に、加圧ローラ30が図2中の矢印の方向(時計回り)に回転駆動される。これにより、加圧ローラ30との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向(反時計回り)に従動回転する。
その後、図1に示す給紙トレイ15から記録媒体Pが給送されて、二次転写ローラ12の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。図2に示すように、未定着画像T(トナー画像)が担持された記録媒体Pは、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印A1方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ30のニップ部に送入される。
そして、加熱部材22(又はヒータ25)によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材24によって補強された固定部材23と加圧ローラ30との押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー画像Tが定着される。なお、上述のように、定着ベルト21は弾性層を有しているので、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー画像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。その後、ニップ部から送り出された記録媒体Pは、図2中の矢印A2方向に搬送され、機外に排出される。こうして、定着装置20における一連の定着プロセスが完了する。
また、本実施形態では、定着ベルト21の外周側に離型層を設けていることで、ニップ部から記録媒体Pを排出する際に、トナーT(トナー画像)に対する離型性(剥離性)が担保される。また、本実施形態では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ30の直径と同等になるように形成しているが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ30の直径よりも小さくなるように構成してもよい。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ30の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。また、定着ベルト21の直径が加圧ローラ30の直径よりも大きくなるように構成することもできるが、定着ベルト21の直径と加圧ローラ30の直径との関係によらず、加圧ローラ30の加圧力が加熱部材22に作用しないように構成されている。
以下、図4〜図8に基づき、本発明の特徴部分である上記加圧ローラの構成について説明する。なお、図4〜図8では、加圧ローラの一端部の構成のみを示しているが、図示されていない反対側の他端部においても同様の構成となっている。
図4は、本発明に係る加圧ローラの第1実施形態の構成を示す図である。
図4に示すように、第1実施形態に係る加圧ローラ30は、その軸方向の端部Eにおいて、弾性層30bの厚さが、軸方向の中央部C(又は端部E以外の部分)の厚さよりも薄く形成されている。一方、加圧ローラ30の芯金30aは、軸方向の端部Eにおいて、弾性層30bが薄くなっている分だけ軸方向の中央部C(又は端部E以外の部分)の外径よりも大きい外径に形成されている。また、端部Eにおける弾性層30bの厚さt1は、端部Eにおける芯金30aの外径半径の1/10(芯金30aの外径d1の1/20)以下となるように形成されている。具体的に、本実施形態では、加圧ローラ30の端部Eにおいて、ローラの外径d2(弾性層30bの外径)を30mm、芯金30aの外径d1を28mm、弾性層30bの厚さt1を1mmとしている。
このように、第1実施形態に係る加圧ローラ30は、両端部において弾性層30bが薄く形成され、さらに、両端部における弾性層30bの厚さt1が両端部における芯金30aの外径半径の1/10以下となるように形成されているので、弾性層30bの厚さが均一な従来の加圧ローラ(図11参照)に比べて、加圧ローラ30の両端部における弾性層30bの熱膨張による外径変動を抑制することができる。ここでは、加圧ローラ30と定着ベルト21との間を記録媒体が通過する際、回転駆動する加圧ローラ30から定着ベルト21への駆動力(回転力)の伝達は、両者が直接接触する両端部(記録媒体が介在しない部分)において行われるが、この駆動力が伝達される両端部において、加圧ローラ30の熱膨張による外径変動を抑制することができる。これにより、本実施形態では、加圧ローラ30の熱膨張による記録媒体の搬送速度のばらつきを低減することができる。
図5は、本発明に係る加圧ローラの第2実施形態の構成を示す図である。
第2実施形態では、加圧ローラ30の弾性層30bの厚さは、軸方向の中央部C側から端部Eに渡って均一に形成されている。しかし、ここでは、端部Eにおける弾性層30bを、中央部C(又は端部E以外の部分)の弾性層30bよりも熱膨張率の小さい材質で構成している。なお、本実施形態では、加圧ローラ30の外径d2(弾性層30bの外径)を30mm、芯金30aの外径d1を23mm、弾性層30bの厚さt1を3.5mmとしている。
このように、第2実施形態に係る加圧ローラ30は、両端部における弾性層30bの熱膨張率が小さくなるように構成されているので、駆動力が伝達される部分において弾性層30bが熱膨張することによるローラの外径変動を抑制することができる。これにより、本実施形態の場合も、加圧ローラ30の熱膨張による記録媒体の搬送速度のばらつきを低減することができる。
図6は、本発明に係る加圧ローラの第3実施形態の構成を示す図である。
第3実施形態に係る加圧ローラ30は、図4に示す第1実施形態と同様に、軸方向の端部Eにおいて、弾性層30bの厚さが薄く形成されている。また、ここでは、第1実施形態と同じく、加圧ローラ30の端部Eにおいて、ローラの外径d2(弾性層30bの外径)を30mm、芯金30aの外径d1を28mm、弾性層30bの厚さt1を1mmとしている。すなわち、端部Eにおける弾性層30bの厚さt1を、端部Eにおける芯金30aの外径半径の1/10以下となるように形成している。さらに、第3実施形態では、図5に示す第2実施形態と同様に、加圧ローラ30の端部Eにおける弾性層30b、この場合、弾性層30bの薄く形成されている部分を、中央部C(又は端部E以外の部分)の部分よりも熱膨張率の小さい材質で構成している。
上記のように、第3実施形態に係る加圧ローラ30は、弾性層30bの端部を薄く形成した第1実施形態と、弾性層30bの端部を熱膨張率の小さい材質で構成した第2実施形態との、両方の構成を組み合わせた構成となっているので、第1実施形態又は第2実施形態よりも、両端部における弾性層30bの熱膨張による外径変動を効果的に抑制することができる。このため、加圧ローラ30の熱膨張による記録媒体の搬送速度のばらつきをより一層低減することが可能となる。
図7は、本発明に係る加圧ローラの第4実施形態の構成を示す図である。
第4実施形態に係る加圧ローラ30において、弾性層30bの構成は図6に示す第3実施形態と同様である。すなわち、弾性層30bは、軸方向の端部Eで、薄く形成され、かつ熱膨張率の小さい材質で構成されている。さらに、第4実施形態では、端部Eにおける弾性層30bと芯金30aとの間に、断熱材34を介在させている。なお、ここでは、加圧ローラ30の端部Eにおいて、ローラの外径d2(弾性層30bの外径)を30mm、断熱材34の外径d3を28mmとし、弾性層30bの厚さt1を1mmとしている。
上記のように、第4実施形態に係る加圧ローラ30は、弾性層30bが図6に示す第3実施形態と同様の構成となっているので、両端部における弾性層30bの熱膨張による外径変動を効果的に抑制することができる。また、第4実施形態に係る加圧ローラ30は、弾性層30bと芯金30aとの間に断熱材34を介在させているので、加圧ローラ30の両端部側において、定着ベルト21からの熱が加圧ローラ30の弾性層30bから内部の芯金30aへ伝わりにくくなる。すなわち、第4実施形態では、弾性層30bだけでなく、芯金30aの熱膨張による外径変動も抑制することができるので、上記各実施形態よりも、記録媒体の搬送速度のばらつきを一層低減することができる。
さらにローラの熱膨張による外径変動を抑制するには、軸方向の両端部における弾性層30bの熱伝導率を、0.3W/m・K以下となるように構成することが望ましい。これにより、弾性層30bから芯材30aへ熱が伝わりにくくなり、両端部における芯材30aの熱膨張による外径変動をより一層抑制することができるようになる。
図8は、本発明に係る加圧ローラの第5実施形態の構成を示す図である。
第5実施形態に係る加圧ローラ30においても、弾性層30bの構成は図6に示す第3実施形態と同様である。すなわち、弾性層30bは、軸方向の端部Eで、薄く形成され、かつ熱膨張率の小さい材質で構成されている。さらに、第5実施形態では、端部Eにおける弾性層30bと芯金30aとの間に、ワンウェイクラッチ35を介在させている。このワンウェイクラッチ35は、記録媒体の送り方向にだけ加圧ローラ30に駆動力を伝達するものである。従って、記録媒体の送り方向とは反対方向の加圧ローラ30の空転が許容される。なお、ここでは、加圧ローラ30の端部Eにおいて、ローラの外径d2(弾性層30bの外径)を30mm、ワンウェイクラッチ35の外径d4を28mmとし、弾性層30bの厚さt1を1mmとしている。
上記のように、第5実施形態に係る加圧ローラ30は、図6に示す第3実施形態と同様に、弾性層30bが、軸方向の端部Eで、薄く形成され、かつ熱膨張率の小さい材質で構成されているので、両端部における弾性層30bの熱膨張による外径変動を抑制することができ、搬送速度のばらつきを低減することができる。また、第5実施形態では、弾性層30bと芯金30aとの間にワンウェイクラッチ35を介在させているので、定着装置内でジャム化した記録媒体の除去作業を行う際、加圧ローラ30を空転させることで、その除去作業を容易に行うことができる。
なお、図7及び図8に示す上記実施形態では、軸方向の中央部Cと端部Eとで、弾性層30bを異なる熱膨張率の材質で構成しているが、軸方向の中央部Cから端部Eに渡って弾性層30bを同じ熱膨張率の材質で構成してもよい。
また、図4〜図8に示す上記各実施形態に係る加圧ローラにおいて、ローラの熱膨張による搬送速度のばらつきをより効果的に低減するには、弾性層30bを薄く形成した部分又は熱膨張率の小さい部材で構成した部分の範囲W1を、軸方向に10mm以上となるようにすることが望ましい。
図9は、本発明の構成を定着回転体としての定着ローラに適用した場合の構成を示す図である。
図9に示すように、定着ローラ26は、芯材としての芯金26aと、その外周に配設された弾性層26bを有する。ここでは、定着ローラ26に対して、図6に示す加圧ローラ30と同様の構成を適用している。すなわち、定着ローラ26の軸方向の端部Fにおいて、弾性層26bが、軸方向の中央部G(又は端部F以外の部分)よりも薄くかつ熱膨張率の小さい材質で構成されている。具体的に、本実施形態では、定着ローラ26の端部Fにおいて、ローラの外径d6(弾性層26bの外径)を35mm、芯金26aの外径d5を33mm、弾性層26bの厚さt2を1mmとしている。なお、定着ローラ26に対して、図4〜図8に示す上記加圧ローラ30の各構成の中から、図6に示す実施形態以外の構成を適用することも可能である。
上記のように、この実施形態では、定着ローラ26の両端部の弾性層26bを薄くかつ熱膨張率の小さい材質で構成しているので、駆動力が伝達される両端部において弾性層26bが熱膨張することによるローラの外径変動を抑制することができる。これにより、定着ローラ26の熱膨張による搬送速度のばらつきを低減することが可能となる。また、図9に示す定着ローラ26においても、上記加圧ローラ30の場合と同様に、弾性層26bを薄く形成した部分の範囲W2を、軸方向に10mm以上となるようにすることが望ましい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上述の実施形態では、互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体(定着回転体及び加圧回転体)のうち、いずれか一方にのみ本発明の構成を適用した場合を例に挙げて説明したが、一対の回転体の双方に本発明の構成を適用することも可能である。また、本発明の定着装置を搭載する画像形成装置は、図1に示すような4つのプロセスユニットを並べた4色タンデム型の電子写真方式の画像形成装置に限らない。1色のみ使用するモノクロ画像形成装置や、5色以上の色を使用するカラー画像形成装置、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等にも、本発明の定着装置を搭載可能である。
図10に示す表は、本発明に係るローラ構造と従来のローラ構造とにおいて、搬送速度のばらつきを調べるために行った試験の内容及び結果をまとめたものである。
本試験には、図11に示す従来構成の加圧ローラと、図4に示す第1実施形態に係る加圧ローラと、図5に示す第2実施形態に係る加圧ローラと、図6に示す第3実施形態に係る加圧ローラと、図9に示す本発明の構成を適用した定着ローラとを用いた。従来構成の加圧ローラ30は、図11に示すように、軸方向全体に渡って、弾性層30bが均一な厚さ、芯金30aが同じ外径に形成されている。ここでは、従来構成の加圧ローラ30の外径d2(弾性層30bの外径)を30mm、芯金30aの外径d1を23mm、弾性層30bの厚さt1を3.5mmとした。なお、試験に用いた本発明に係る加圧ローラ及び定着ローラの具体的構成は、上述の構成と同じである。
また、ローラの軸方向に渡って弾性層が同じ熱膨張率の材質で構成されている従来構成(図11)と第1実施形態(図4)とにおいては、弾性層の線膨張係数を3.10×10-4とした。一方、ローラの両端部において弾性層の熱膨張率を小さく構成している第2実施形態(図5)、第3実施形態(図6)、定着ローラの実施形態(図9)では、両端部における弾性層の線膨張係数を1.00×10-4とした。また、各ローラの芯金の線膨張係数は、全て1.00×10-5としている。また、ローラの回転数は、加圧ローラにおいてはいずれも94.6rpm、定着ローラにおいては82.0rpmとした。
そして、上記のように構成された各ローラにおいて、定着装置の運転開始直後と、所定時間連続運転した直後の、弾性層及び芯金の温度、ローラの外径、搬送速度をそれぞれ測定した。また、運転開始直後と連続運転直後の搬送速度の測定結果に基づき、各ローラにおける搬送速度のばらつきを算出した。搬送速度のばらつきは、運転開始直後と連続運転直後の搬送速度の平均速度を求め、その平均速度に対する運転開始直後又は連続運転直後の搬送速度の変化量の割合(変化量/平均速度)を百分率(%)で求めた。これらの測定結果及び算出結果は図10に示す通りである。
図10の表に示すように、搬送速度のばらつきは、従来構成(図11)では±1.22%、第1実施形態(図4)では±0.61%、第2実施形態(図5)では±0.64%、第3実施形態(図6)では±0.45%、定着ローラの実施形態(図9)では±0.32%となった。この結果から、本発明に係る加圧ローラ及び定着ローラは、いずれも、従来構成の加圧ローラに比べて搬送速度のばらつきが大幅に低減されていることがわかる。特に、第3実施形態(図6)と定着ローラの実施形態(図9)の場合は、ローラの両端部の弾性層を薄く、かつ熱膨張率の小さい材質で構成しているので、両端部の弾性層を薄く形成しているが熱膨張率の小さい部材で構成していない第1実施形態(図4)や、両端部の弾性層を熱膨張率の小さい材質で構成しているが薄く形成していない第2実施形態(図6)に比べて、搬送速度のばらつきをより低減できた。
以上のように、本発明によれば、定着装置が備える、互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体のうち、少なくとも一方の軸方向端部における熱膨張による外径変動を抑制することができるので、記録媒体の搬送速度のばらつきを低減することができる。これにより、搬送速度がばらつくことによる記録媒体の波打ちやシワの発生、画像の位置ずれや色ずれ(ショックジター)の発生を防止することができる。しかも、本発明によれば、前記回転体の回転速度を独立して制御しなくても、搬送速度のばらつきを低減することが可能である。このため、従来のように、回転体に専用の駆動手段を設けなくてもよいので、低コストで搬送速度のばらつきを低減することができ、良好な画像形成を実現できるようになる。
20 定着装置
21 定着ベルト(定着回転体)
25 ヒータ(熱源)
26 定着ローラ(定着回転体)
26a 芯金(芯材)
26b 弾性層
30 加圧ローラ(加圧回転体)
30a 芯金(芯材)
30b 弾性層
34 断熱材
35 ワンウェイクラッチ
C 軸方向の中央部
d1 芯金の外径
d5 芯金の外径
E 軸方向の端部
F 軸方向の端部
G 軸方向の中央部
P 記録媒体
t1 弾性層の厚さ
t2 弾性層の厚さ
特開2009−163038号公報

Claims (8)

  1. 互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体と、当該両回転体の一方又は双方を加熱する熱源とを備え、前記ニップ部に記録媒体を通過させてその記録媒体上の現像剤像を定着させる定着装置において、
    前記一対の回転体の少なくとも一方が、芯材の外周に弾性層を有するものであって、その回転体の弾性層の厚さを、軸方向の中央部よりも両端部において薄く形成し、当該両端部における前記弾性層と前記芯材との間に、断熱材を介在させたことを特徴とする定着装置。
  2. 互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体と、当該両回転体の一方又は双方を加熱する熱源とを備え、前記ニップ部に記録媒体を通過させてその記録媒体上の現像剤像を定着させる定着装置において、
    前記一対の回転体の少なくとも一方が、芯材の外周に弾性層を有するものであって、その回転体の弾性層の厚さを、軸方向の中央部よりも両端部において薄く形成し、当該両端部における前記弾性層と前記芯材との間に、記録媒体の送り方向にだけ回転体に駆動力を伝達するワンウェイクラッチを介在させたことを特徴とする定着装置。
  3. 前記回転体の弾性層の熱膨張率が、軸方向の中央部よりも両端部において小さくなるように構成した請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記回転体の軸方向の両端部における前記弾性層の厚さを、両端部における前記芯材の外径半径の1/10以下となるように形成した請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記回転体の軸方向の両端部における前記弾性層の熱伝導率を、0.3W/m・K以下となるように構成した請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記回転体の軸方向の両端部において前記弾性層の厚さを薄く形成した部分の範囲が、軸方向に10mm以上となるように構成した請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記両端部において前記弾性層の熱膨張率を小さくした部分の範囲が、軸方向に10mm以上となるように構成した請求項に記載の定着装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置
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