JP2017191227A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】揮発性物質の微粒子化を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】熱源74は、ダクト70内を流れる空気を加熱する。定着装置50は、ダクト70外に配置されている。ダクト70は、熱源74よりも下流側に、ダクト70の内外を連通し定着装置50からの空気流を吸引可能な連通部80を有している。
【選択図】図3
【解決手段】熱源74は、ダクト70内を流れる空気を加熱する。定着装置50は、ダクト70外に配置されている。ダクト70は、熱源74よりも下流側に、ダクト70の内外を連通し定着装置50からの空気流を吸引可能な連通部80を有している。
【選択図】図3
Description
本発明は、画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置では、トナー像を定着装置によって加熱および加圧することで記録媒体上に定着させる技術が知られている。定着装置は、一対の定着部材を圧接することにより形成される定着ニップに記録媒体を通過させ、通過中の記録媒体を加熱および加圧することにより、定着処理を行なう。
定着装置では、定着処理時において粒径100nm以下の超微粒子(UFP:Ultrafine Particle)が発生することが知られており、超微粒子による環境の汚染が問題とされている。定着装置を加熱することにより、定着装置を構成する部材から低分子シロキサンなどの揮発性物質のガスが発生する。排気経路中において揮発性物質のガスの温度が低下して揮発性物質が凝縮し微粒子化することで、超微粒子が発生する。
この対策として、特開2010−107895号公報(特許文献1)には、定着装置付近に吸気ダクトを備え、吸気ダクトから吸引した空気をフィルター通過後排気する構成が開示されている。また特開2013−3507号公報(特許文献2)には、定着装置で発生した超微粒子成分を含む気体をダクト内に取り込み機外へ排出するときの温度が、超微粒子成分が凝結し難くなる温度以上になるように、ダクトを加熱する構成が開示されている。
しかしながら、発生した超微粒子を完全に捕集するためには十分に大型のフィルタが必要となり、画像形成装置が大型化する。そのため、発生した揮発性物質(気体)の微粒子化(固体化)をできるだけ抑制できることが望ましい。特許文献2ではダクトを加熱してガスの温度を維持することが提案されているが、定着装置の近傍において発生した揮発性物質のガスは相当に高温であるため、排気経路中での温度低下による揮発性物質の微粒子化は避けられない。
本発明の目的は、定着装置で発生した揮発性物質の微粒子化を抑制できる、画像形成装置を提供することである。
本発明の一側面を反映した画像形成装置は、空気が流れるダクトと、ダクト内を流れる空気を加熱する熱源と、ダクト外に配置された、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備えている。ダクトは、熱源よりも下流側に、ダクトの内外を連通し定着装置からの空気流を吸引可能な連通部を有している。
上記の画像形成装置において、熱源は、定着装置を加熱する加熱部を含んでいる。
上記の画像形成装置は、ダクトの連通部よりも下流側から連通部よりも上流側へ空気を循環させる循環ダクトをさらに備えている。
上記の画像形成装置は、ダクトの連通部よりも下流側から連通部よりも上流側へ空気を循環させる循環ダクトをさらに備えている。
上記の画像形成装置において、循環ダクトは、定着装置を取り囲んで配置されている。
上記の画像形成装置において、連通部は、定着装置からダクトへ向かうにしたがって断面積が次第に拡大する連通ダクトを有している。
上記の画像形成装置において、連通部は、定着装置からダクトへ向かうにしたがって断面積が次第に拡大する連通ダクトを有している。
上記の画像形成装置において、熱源は、連通部からダクトへ流入する空気の温度を70℃以上にするように、ダクト内を流れる空気を加熱する。
本発明の画像形成装置によると、定着装置で発生した揮発性物質の微粒子化を抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<第一実施形態>
[画像形成装置100の内部構造]
図1は、第一実施形態に従う画像形成装置100の内部構造の一例を示す図である。図1を参照して、本発明に係る定着装置50が搭載されている画像形成装置100について説明する。
[画像形成装置100の内部構造]
図1は、第一実施形態に従う画像形成装置100の内部構造の一例を示す図である。図1を参照して、本発明に係る定着装置50が搭載されている画像形成装置100について説明する。
図1には、カラープリンタとしての画像形成装置100が示されている。以下では、カラープリンタとしての画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンタに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンタであってもよいし、ファックスであってもよいし、複写機、カラープリンタおよびファックスの複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)であってもよい。
画像形成装置100は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、制御装置101とを備えている。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像形成ユニット1Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、中間転写ベルト30に沿って中間転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、感光体10と、帯電装置11と、露光装置12と、現像装置13と、クリーニング装置17とを備えている。
帯電装置11は、感光体10の表面を一様に帯電する。露光装置12は、制御装置101からの制御信号に応じて感光体10にレーザー光を照射し、入力された画像パターンに従って感光体10の表面を露光する。これにより、入力画像に応じた静電潜像が感光体10上に形成される。
現像装置13は、現像ローラー14を回転させながら、現像ローラー14に現像バイアスを印加し、現像ローラー14の表面にトナーを付着させる。これにより、トナーが現像ローラー14から感光体10に転写され、静電潜像に応じたトナー像が感光体10の表面に現像される。
感光体10と中間転写ベルト30とは、一次転写ローラー31を設けている部分で互いに接触している。一次転写ローラー31は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。トナー像と反対極性の転写電圧が一次転写ローラー31に印加されることによって、トナー像が感光体10から中間転写ベルト30に転写される。イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、シアン(C)のトナー像、およびブラック(BK)のトナー像が順に重ねられて感光体10から中間転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト30上に形成される。
中間転写ベルト30は、従動ローラー38および駆動ローラー39に張架されている。駆動ローラー39は、たとえばモーター(図示しない)によって回転駆動される。中間転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、中間転写ベルト30上のトナー像が二次転写ローラー33に搬送される。
クリーニング装置17は、感光体10に圧接されている。クリーニング装置17は、トナー像の転写後に感光体10の表面に残留するトナーを回収する。
カセット37には、記録媒体の一例としての用紙Sがセットされている。用紙Sは、カセット37から1枚ずつタイミングローラー40によって搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。二次転写ローラー33は、ローラー形状を有し、回転可能に構成されている。二次転写ローラー33は、トナー像と反対極性の転写電圧を搬送中の用紙Sに印加する。これにより、トナー像は、中間転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、中間転写ベルト30上のトナー像が転写される。
二次転写ローラー33への用紙Sの搬送タイミングは、中間転写ベルト30上のトナー像の位置に合わせてタイミングローラー40によって調整される。タイミングローラー40により、中間転写ベルト30上のトナー像は、用紙Sの適切な位置に転写される。
定着装置50は、自身を通過する用紙Sを加圧および加熱する。これにより、トナー像は用紙Sに定着する。その後、用紙Sは、トレー48に排紙される。
なお、上述では、印刷方式としてタンデム方式を採用している画像形成装置100について説明したが、画像形成装置100の印刷方式は、タンデム方式に限定されない。画像形成装置100内における各構成の配置は、採用される印刷方式に従って適宜変更され得る。画像形成装置100の印刷方式として、ロータリー方式や直接転写方式が採用されてもよい。ロータリー方式の場合、画像形成装置100は、1つの感光体10と、同軸上で回転可能に構成される複数の現像装置13とで構成される。画像形成装置100は、印刷時には、各現像装置13を感光体10に順に導き、各色のトナー像を現像する。直接転写方式の場合、画像形成装置100は、感光体10上に形成されたトナー像が用紙Sに直接転写される。
[定着装置50の内部構造]
図2を参照して、図1に示される定着装置50についてさらに説明する。図2は、第一実施形態に従う定着装置50の内部構造を示す図である。
図2を参照して、図1に示される定着装置50についてさらに説明する。図2は、第一実施形態に従う定着装置50の内部構造を示す図である。
図2に示されるように、定着装置50は、加熱ローラー51と、支持部材53と、定着ベルト54と、摺動部材60と、加圧ローラー56とを備えている。加熱ローラー51、支持部材53、定着ベルト54、摺動部材60および加圧ローラー56などは、ケーシング59内に収容されている。
加熱ローラー51の外径は、たとえば20mm〜30mmである。加熱ローラー51は、たとえば、芯金と、表層とで構成されている。芯金は、たとえばアルミニウム製であり、円筒形状を有する中空回転体である。芯金の厚さは、たとえば2mmである。加熱ローラー51の表層は、芯金の外周面に形成されている。好ましくは、加熱ローラー51の表層は、耐熱性のPFA(パーフルオロアルキルエーテル)チューブで被覆されている。加熱ローラー51は、ハードローラーとして構成されている。
加熱ローラー51の内面に、定着ベルト54を加熱する加熱手段として、ハロゲンヒーターなどのヒーター51Aが配置されている。加熱ローラー51は、ヒーター51Aによって加熱され、ヒーター51Aから受けた熱を定着ベルト54に伝える。定着ベルト54は、ヒーター51Aによって、加熱ローラー51を介して加熱される。
定着ベルト54は、柔軟性を有する無端状のベルトである。定着ベルト54は、加熱ローラー51および摺動部材60に張架されており、回転可能に構成されている。加熱ローラー51および摺動部材60は、定着ベルト54の内周部に設けられている。定着ベルト54は、回転することにより、定着ベルト54と加圧ローラー56との接触部分であるニップ領域に、加熱ローラー51から受けた熱を伝える。定着ベルト54と加圧ローラー56との間に形成されたニップ領域を用紙Sが通過することで、用紙Sに転写されたトナー像32が加熱および加圧されて用紙S上で融解する。これにより、トナー像32は用紙Sに定着する。
定着ベルト54は、たとえば基層および弾性層で構成されている。定着ベルト54の基層は、ポリイミドなどの耐熱性の樹脂で構成されている。定着ベルト54の基層は、内径50mm、幅330mm、厚さ70μmを有している。定着ベルト54の弾性層は、シリコーンゴムなどの耐熱性材料で構成されている。定着ベルト54の弾性層の厚さは、たとえば200μmである。定着ベルト54の表面は、厚さ30μmのPFAチューブなどの、離型層で被覆されていてもよい。
摺動部材60は、定着ベルト54を間に挟んで加圧ローラー56に対向するように配置されている。摺動部材60は、定着ベルト54を加圧ローラー56に押圧するように支持部材53に固定されている。これにより、加圧ローラー56の弾性層が変形し、定着ベルト54と加圧ローラー56との間にニップ領域が形成される。一例として、摺動部材60は、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、または液晶ポリマーなどの耐熱性の樹脂で構成されている。摺動部材60は、定着ベルト54との間で摺動される摺動面61を有している。摺動部材60の摺動面61は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの低摩擦性のコート、またはシート材で被覆されていてもよい。
摺動部材60は、一例として、厚さ4mm、短手方向の長さ15mmを有している。摺動部材60は、加熱ローラー51の軸方向において用紙Sの幅よりも長い。A3サイズの用紙Sが通過する装置の場合、摺動部材60は、長手方向の長さ350mmを有している。
加圧部材の一例としての加圧ローラー56は、定着ベルト54の外周面に接触している。加圧ローラー56の外径は、たとえば20mm〜40mm程度である。加圧ローラー56は、図示しないモーターなどの駆動装置により駆動されることで、回転する。加圧ローラー56が回転することで、加圧ローラー56の回転力が定着ベルト54に伝えられる。これにより、定着ベルト54は、加圧ローラー56に従動回転する。加圧ローラー56は、定着ベルト54を介して摺動部材60を押圧する。
加圧ローラー56は、たとえば、芯金、中間層、表層で構成されている。芯金は、アルミニウムまたは鉄などの金属製である。芯金の厚さは、たとえば1mm〜5mm程度である。加圧ローラー56の中間層は、耐熱性を有する弾性体で構成されている。弾性体としては、たとえば厚さ3mmの耐熱性のシリコーンゴムなどが採用される。加圧ローラー56の表層には、離型性を有する材料が用いられる。加圧ローラー56の表層の材料としては、たとえば厚さ30μmのPFAチューブが用いられる。加圧ローラー56は、ソフトローラーとして構成されている。
摺動部材60は、潤滑剤を介して、定着ベルト54の内周面に対して摺動する。潤滑剤は、定着ベルト54の内周面に接触する摺動部材60の摺動面61において保持される。潤滑剤は、たとえばシリコンオイル、フッ素グリスなどである。潤滑剤が定着ベルト54の内周面に供給されることで、定着ベルト54と摺動部材60との間の摺動抵抗が下がる。その結果、定着ベルト54のトルクが小さくなり、用紙Sの搬送不良や印刷ズレが改善される。
[超微粒子の生成過程]
次に、定着装置50の加熱に起因する超微粒子の生成の過程について説明する。
次に、定着装置50の加熱に起因する超微粒子の生成の過程について説明する。
加熱された定着装置50から、揮発性物質が発生する。この揮発性物質の主成分は、定着装置50を構成する加熱ローラー51、定着ベルト54、および加圧ローラー56などに含まれるシリコーンから発生する低分子シロキサン、より具体的には、3重合体〜20重合体の範囲の環状シロキサンであることがわかってきている。
本発明者らが、図2に示される定着装置50を用いた画像形成装置100において、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて定着装置50の加熱により放出される物質の分析を行なったところ、実際に定着に用いられる温度領域では、放出される物質は主には環状4重合体(D4)の[(CH3)2SiO]4であり、次いで環状5重合体(D5)の[(CH3)2SiO]5))が多く、量は少なくなるがさらに分子量の大きい環状シロキサンも検出された。環状4重合体(D4)、環状5重合体(D5)の沸点は一般にはそれぞれ約175℃、約200℃とされており、定着装置50の加熱温度領域と一致している。
低分子シロキサンなどの揮発性物質の沸点近くまで定着装置50が加熱されると、揮発性物質が気化して放出される。揮発性物質は、高温の定着装置50の近傍では、気体の状態で存在する。ガスの温度は、定着装置50の近傍において最も高く、定着装置50から離れるにつれて空気との混合により冷却される。揮発性物質が冷却され温度が低下すると、揮発性物質のガスの分圧が飽和蒸気圧に達して凝縮が起こり、揮発性物質が固体化して超微粒子が生成される。
そのため、揮発性物質のガスの微粒子化を抑制するためには、揮発性物質のガスの分圧が飽和蒸気圧に達しにくくすることが必要である。より具体的には、揮発性物質のガスの温度を下げない(飽和蒸気圧を下げない)こと、および、揮発性物質のガスの濃度を下げる(ガスの分圧を下げる)ことが、揮発性物質のガスの微粒子化を抑制するために効果的であると考えられる。
[排気経路の構成]
図3は、第一実施形態に従う定着装置50とダクト70との配置を示す模式図である。図3に示すように、画像形成装置100は、ダクト70をさらに備えている。ダクト70内には空気が流れる。図3および後述する図4,5内に示す矢印は、空気の流れを模式的に示している。定着装置50は、ダクト70外に配置されている。
図3は、第一実施形態に従う定着装置50とダクト70との配置を示す模式図である。図3に示すように、画像形成装置100は、ダクト70をさらに備えている。ダクト70内には空気が流れる。図3および後述する図4,5内に示す矢印は、空気の流れを模式的に示している。定着装置50は、ダクト70外に配置されている。
ダクト70は、吸気口71と、排気口72とを備えている。吸気口71は、ダクト70内に空気が流れ込む入口である。排気口72は、ダクト70から空気が流れ出る出口である。
ダクト70内には、押込ファン73と、熱源74と、誘引ファン75と、フィルタ76とが配置されている。押込ファン73、熱源74、誘引ファン75およびフィルタ76は、ダクト70内の空気の流れの上流側から下流側へ向かって、この順に配置されている。
押込ファン73は、吸気口71からダクト70の内部に空気を送る。熱源74は、ダクト70内を流れる空気を加熱する。誘引ファン75は、ダクト70内の上流側から空気を引き込み下流側へ送る。フィルタ76は、ダクト70内を流れる空気から、揮発性物質の超微粒子を除去するために設けられている。以下で詳細に説明するように、本実施形態によって揮発性物質の微粒子化が抑制されるのであるが、ダクト70内の揮発性物質の濃度ばらつきまたは空気温度のばらつきのために、一部の揮発性物質が凝縮して微粒子化する可能性がある。その場合でも、揮発性物質の超微粒子はフィルタ76で除去されるので、超微粒子の機外への排出が確実に抑制されている。
なお、性能の十分に高い誘引ファン75を選定し、誘引ファン75の駆動によって吸気口71からダクト70内へ空気を吸引できるのであれば、押込ファン73は省略してもよい。
ダクト70は、連通部80を有している。連通部80は、ダクト70の内外を連通している。連通部80は、ダクト70の外に配置された定着装置50からの空気流を吸引してダクト70内に導入可能とするために、設けられている。連通部80は、熱源74よりも下流側に設けられている。連通部80は、誘引ファン75よりも上流側に設けられている。誘引ファン75により、連通部80が連結される部分のダクト70内の気圧が負圧になっている。そのため、定着装置50のケーシング59内の空気がケーシング59から流出すると、連通部80を経由してダクト70へ流れる。
加熱された定着装置50から低分子シロキサンなどの揮発性物質が気化して放出されると、上記の空気の流れに従って、揮発性物質のガスは連通部からダクト70内に吸入されて、ダクト70内を流れる温風と合流する。ダクト70内を流れる空気は、連通部80よりも上流側の熱源74によって加熱されているため、合流時における揮発性物質のガスの温度低下が抑制されている。また合流時に、定着装置50からの気体の流量とダクト70内を流れる空気の流量との比の分、揮発性物質のガスの濃度が低下する。
揮発性物質のガスの微粒子化は、上述した通り、揮発性物質の飽和蒸気圧と揮発性物質のガスの分圧との関係によるものである。そのため、揮発性物質のガスの温度低下を抑えるとともに、揮発性物質のガスの濃度を低下させることによって、揮発性物質のガスの凝縮および微粒子化を抑制することができる。
揮発性物質のガスの微粒子化を抑制できる効果を得るには、揮発性物質のガスが流れる経路中の温度を、定着装置50のケーシング59内の空気温度以上に設定する必要がある。たとえば、連通部80からダクト70へ流入する空気の温度を70℃以上にするように、熱源74がダクト70内を流れる空気を加熱してもよい。環状4重合体(D4)のシロキサンの、70℃における飽和蒸気圧は約0.022気圧であり、50℃における飽和蒸気圧は約0.008気圧である。環状4重合体(D4)のシロキサンの温度を70℃以上に維持できれば、50℃まで温度が低下した時に比べて計算上約2.5倍程度の環状4重合体(D4)のガス状のシロキサンを空気中に保持できる。
さらに、吸気口71からダクト70内に導入される空気の流量を、連通部80を経由して定着装置50からダクト70内へ流入する風量の3倍にすれば、揮発性物質のガスの分圧が低下することにより、4倍の揮発性物質のガスを空気中に保持できる。
定着装置50からの空気流をそのまま機外へ排出しかつ排気温度が50℃まで低下する場合と比較して、連通部80からダクト70へ流入する空気の温度を70℃以上にするとともに連通部80からダクト70へ流入する揮発性物質のガスを4倍に希釈することで、約10倍の環状4重合体(D4)のガス状のシロキサンを空気中に保持できる。したがって、環状4重合体(D4)のシロキサンに代表される揮発性物質の微粒子化を抑制することができ、超微粒子の機外への排出を抑制することができる。
本実施形態の連通部80は、定着装置50からダクト70へ向かうにしたがって断面積が次第に増大する連通ダクトにより、構成されている。連通ダクト内を流れる空気の流れ方向における最下流部77において、連通ダクトは最大の断面積を有している。連通ダクトの最下流部77は、ダクト70の内部空間に向けて開口している。連通ダクトの断面積は、定着装置50側からダクト70側へ向けて、徐々に大きくなっている。
連通ダクト内を流れる空気の流れ方向における最上流部81において、連通ダクトは最小の断面積を有している。連通ダクトの最上流部81は、定着装置50のケーシング59の内部空間に向けて開口している。定着装置50のケーシング59内の空気は、ケーシング59から流出すると最上流部81を経由して連通ダクト内へ流入し、さらに最下流部77を経由してダクト70へ流れる。
排気経路における定着装置50の直下流側の連通部80では、ガスの温度が急激に低下するため、揮発性物質のガスの凝縮および微粒子化は連通部80で最も起こりやすいと考えられる。揮発性物質のガスの微粒子化を抑制するには、ガスの温度が低下して飽和蒸気圧が下がるよりも前に、揮発性物質のガスを拡散させて濃度を低下させることが重要である。連通部80を拡径形状にすることで、最上流部81から最下流部77へ向かって揮発性物質のガスが流れるに従って、ガスが拡散して分圧が低下する。したがって、揮発性物質の微粒子化を抑制することができる。
<第二実施形態>
図4は、第二実施形態に従う定着装置50とダクト70との配置を示す模式図である。第二実施形態の画像形成装置100では、ダクト70内を流れる空気を加熱する熱源が、第一実施形態を参照して説明した熱源74に加えて、定着装置50を加熱するための加熱部58を含んでいる。第二実施形態では、定着装置50を加熱するための加熱部58を、ダクト70内を流れる空気を加熱する熱源として用いている。
図4は、第二実施形態に従う定着装置50とダクト70との配置を示す模式図である。第二実施形態の画像形成装置100では、ダクト70内を流れる空気を加熱する熱源が、第一実施形態を参照して説明した熱源74に加えて、定着装置50を加熱するための加熱部58を含んでいる。第二実施形態では、定着装置50を加熱するための加熱部58を、ダクト70内を流れる空気を加熱する熱源として用いている。
定着装置50の加熱源として電磁誘導加熱(IH)方式を採用する場合、具体的には励磁コイルにより磁界を形成して定着装置を誘導加熱する場合に、励磁コイルおよび電源部などが発熱して高温になる。そのため、装置の耐久性を確保するために、発熱部にエアを吹き付けて冷却することが通常行なわれている。第二実施形態では、この冷却エアの経路をダクト70として用い、冷却エアの経路へ揮発性物質のガスを含む定着装置50の排気を吸引導入させている。
励磁コイルは150℃以上の高温になることもあるため、ダクト70内を流れる空気の熱源として十分利用可能である。また、励磁コイルが定着装置50を加熱するときに揮発性物質のガスが発生し、かつ励磁コイルの発熱時にのみ冷却エアが流れる構成とする。励磁コイルとの熱交換により加熱された空気をそのまま機外へ排出するのではなく、しかも、定着装置50が加熱されて揮発性物質のガスが発生するときに、発生した揮発性物質のガスを含む空気を加熱および拡散可能な、加熱された空気の流れが形成されている。これにより、熱的にも電力的にも無駄がなく、効率よく揮発性物質のガスの微粒子化を抑制できる構成が実現されている。
一方、励磁コイルの発熱状態は、定着装置50の動作状態によって異なる。そのため、連通部80において十分に加熱された空気を確実に得るためには、熱源74を備える構成とし、必要に応じて熱源74を駆動してダクト70内を流れる空気を加熱する構成とするのが望ましい。
<第三実施形態>
図5は、第三実施形態に従う定着装置50とダクト70との配置を示す模式図である。第三実施形態の画像形成装置100は、第一実施形態で説明した各構成に加えて、循環ダクト90をさらに備えている。循環ダクト90は、吸気口91と、排気口92とを有している。吸気口91は、ダクト70の連通部80よりも下流側に形成されている。排気口92は、ダクト70の連通部80よりも上流側に形成されている。
図5は、第三実施形態に従う定着装置50とダクト70との配置を示す模式図である。第三実施形態の画像形成装置100は、第一実施形態で説明した各構成に加えて、循環ダクト90をさらに備えている。循環ダクト90は、吸気口91と、排気口92とを有している。吸気口91は、ダクト70の連通部80よりも下流側に形成されている。排気口92は、ダクト70の連通部80よりも上流側に形成されている。
循環ダクト90は、フィルタ76よりも下流側において、ダクト70に連結されている。循環ダクト90は、熱源74よりも上流側において、ダクト70に連結されている。循環ダクト90内には、循環ファン93が配置されている。循環ファン93は、吸気口91から排気口92へ向かって循環ダクト90内を流れる空気の流れを形成する。
循環ダクト90は、定着装置50の三方を取り囲んで配置されている。ダクト70と循環ダクト90とは、図5に模式的に示すように環状に配置され、定着装置50は、環状のダクトによって取り囲まれた空間内に配置されている。
第三実施形態では、フィルタ76を通過した後の空気の一部を機外へ排出するとともに、一部の空気を循環ダクト90へ導入して、連通部80よりも上流側のダクト70内へ循環させる。熱源74により加熱された空気の一部が、そのまま機外に排出されずに循環ダクト90へ導かれダクト70へ循環されることによって、ダクト70内の空気の温度が上昇する。これにより、装置全体の熱効率を向上することができる。
定着装置50を取り囲んで循環ダクト90を配置することにより、加熱された定着装置50から循環ダクト90が輻射熱を受け、循環ダクト90内を流れる空気に熱が加えられる。これにより、定着装置50の排熱を空気の加熱に利用できるので、熱的に無駄のない効率の良い構成とすることができる。
循環ダクト90の吸気口91を、フィルタ76の下流側に設けることにより、フィルタ76を通過した後の揮発性物質の超微粒子が確実に除去された空気を、ダクト70に循環させることができる。
循環ダクト90の排気口92は、ダクト70の熱源74と連通部80との間に設けられてもよい。但し、図5に示すように、熱源74よりも上流側に排気口92を設けることにより、吸気口71からダクト70内に吸入された空気と排気口92を経由してダクト70内に導入された空気とを混合した空気の温度に基づいて熱源74を適切に駆動することができ、これにより連通部80からダクト70へ流入する空気の温度を適切に制御することができる。
なお、これまでの説明においては、定着装置50のケーシング59とダクト70とを連結する連通ダクトが連通部80を構成している例について説明した。連通部80は、定着装置50からの空気流をダクト70内に吸引できるのであれば、どのような構成であってもよい。たとえば、熱源74の下流側かつ誘引ファン75の上流側のダクト70に開口を形成し、その開口を経由して定着装置50からの空気流をダクト70内に吸引する構成としても構わない。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
32 トナー像、50 定着装置、58 加熱部、59 ケーシング、70 ダクト、71,91 吸気口、72,92 排気口、73 押込ファン、74 熱源、75 誘引ファン、76 フィルタ、77 最下流部、80 連通部、81 最上流部、90 循環ダクト、93 循環ファン、100 画像形成装置、S 用紙。
Claims (6)
- 空気が流れるダクトと、
前記ダクト内を流れる空気を加熱する熱源と、
前記ダクト外に配置された、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、
前記ダクトは、前記熱源よりも下流側に、前記ダクトの内外を連通し前記定着装置からの空気流を吸引可能な連通部を有する、画像形成装置。 - 前記熱源は、前記定着装置を加熱する加熱部を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記ダクトの前記連通部よりも下流側から前記連通部よりも上流側へ空気を循環させる循環ダクトをさらに備える、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記循環ダクトは、前記定着装置を取り囲んで配置されている、請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記連通部は、前記定着装置から前記ダクトへ向かうにしたがって断面積が次第に拡大する連通ダクトを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記熱源は、前記連通部から前記ダクトへ流入する空気の温度を70℃以上にするように、前記ダクト内を流れる空気を加熱する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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-
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- 2016-04-14 JP JP2016080968A patent/JP2017191227A/ja active Pending
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