JP2014095735A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ベルト内部で発生した超微粒子粉塵を効率的に捕集することで機内や周囲の環境汚染を防止できる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】定着装置5において、加圧器32が、加圧ベルト321がその両縁側からベルト保持部材35によりシール部材34を介して挟持されることで、加熱器31に圧接して定着ニップ部を形成する位置で支持される。加圧ベルト321の両縁側が、ベルト保持部材35に覆われることで、加圧ベルト321の内側が密封状態とされる。そして、ベルト保持部材35が、捕集フィルターが設けられた空気流路と接続されることで、加圧ベルト321内部で発生した超微粒子粉塵が捕集される。
【選択図】図2

Description

本願発明は、加熱ローラーと加圧ローラーとの間に形成された定着ニップ部に、トナー像が転写された記録材を通過させることによって、前記トナー像を前記記録材に定着させる定着装置と、これを備えた画像形成装置とに関する。
従来から、電子写真方式を採用した画像形成装置では、熱源によって加熱される加熱ローラー(加熱器)とこれに当接する加圧ローラー(加圧器)との間の定着ニップ部に、未定着トナー像が転写された記録材を搬送し加熱及び加圧することにより、未定着トナー像を記録材に定着させることが広く行われている(いわゆる熱ローラー方式の定着装置を備えている)。
熱ローラー方式の定着装置を備えた画像形成装置では、定着装置による記録材への加熱により、記録材上のトナーから揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)が発生し、機内外の環境を汚染するという問題があった。この記録材のトナーから発生するVOCを効率的に捕集する画像形成装置として、定着装置の下流側に設けた搬送装置でトナー画像定着後の記録材からVOCを捕集するものが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、近年、世界的な環境保護意識の高まりに伴い、特許文献1の画像形成装置において捕集の対象としている上記トナーから発生するVCOだけでなく、粒子径100nm未満の浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)よりなる超微粒子粉塵(UFP:Ultra Fine Particles)の発生についても問題視されている。この超微粒子粉塵は、主に定着装置の構成材料として使用頻度の高いシリコーンゴムが加熱されることにより発生する低分子シロキサンが大きな原因であることが確認されている。
この微粒子粉塵の原因となるシロキサンとしては、ヘキサメチルジシロキサン(略語L2、分子式C18Si)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(略語D3、分子式C18Si)、オクタメチルトリシロキサン(略語L3、分子式C24Si)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(略語D4、分子式C24Si)、デカメチルテトラシロキサン(略語L4、分子式C1030Si)、デカメチルシクロペンタシロキサン(略語D5、分子式C1030Si)、ドデカメチルペンタシロキサン(略語L5、分子式C1236Si)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(略語D6、分子式C1236Si)などが挙げられる。
シロキサンの発生量は、シリコーンゴムの加熱温度に依存することから、定着装置における温度が高くなるほど、超微粒子粉塵の発生量が多くなる。従って、超微粒子粉塵の発生を抑制するために、定着装置における加熱温度を低減させるものとして、低温で軟化する低温定着トナーの採用や定着装置のニップ領域の拡大等が提案されているが、超微粒子粉塵を十分に除去できない。一方、本願出願人は、機内外における超微粒子粉塵の拡散を防止する画像形成装置として、超微粒子粉塵を吸引するダクトを設置して定着装置で発生する超微粒子粉塵を捕集するものを提案した(特許文献2参照)。
特開2010−117420号公報 特開2011−141447号公報
特許文献2の画像形成装置は、加熱ローラーの上部をダクトの取込口で覆う構成とされており、このダクトによって、加熱ローラーの基材の外周面を覆うように取り付けられたシリコーンゴムによるゴム層から発生する超微粒子粉塵を捕集している。しかしながら、定着装置を構成する加熱器及び加圧器は、円筒状の基材にゴム層を巻き付けたローラーで構成されるものだけでなく、その内側からシリコーンゴムによる弾性部材により押圧される無端ベルトで構成されるものもある。
このような無端ベルトで構成された加熱器又は加圧器を備える定着装置においては、特許文献2の画像形成装置で提示される構成のダクトでは、無端ベルトの内側に具備される、シリコーンゴムの弾性部材より発生する超微粒子粉塵を効率的に捕集できない。又、特許文献2に示すような構成のダクトによって、ベルトの内側から発生する超微粒子粉塵をも効果的に捕集できるようにするためには、定着装置全体を囲わなければならなくなり、定着装置が大型化してしまうという問題も生じる。
このような問題を鑑みて、本発明は、ベルト内部で発生した超微粒子粉塵を効率的に捕集することで機内や周囲の環境汚染を防止できる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、回転体で構成されるとともに記録材を加熱する加熱器と、回転体で構成されるとともに前記加熱器に圧接して前記加熱器との間に定着ニップ部を形成する加圧器と、を備え、前記加熱器及び前記加圧器のいずれか一方を構成する回転体が、その内側から弾性体により押圧された無端ベルトで構成される定着装置において、前記無端ベルトの両縁それぞれに設置されて当該無端ベルトの内側を覆うベルト保持部材を備え、前記無端ベルトの両縁の一方を覆う前記ベルト保持部材が、前記無端ベルトの内側に空気を流入する吸気用のエアーダクトと接続され、前記無端ベルトの両縁の他方を覆う前記ベルト保持部材が、前記無端ベルトの内側から空気を排出する排気用のエアーダクトと接続されることを特徴とする。
この定着装置において、前記無端ベルトの両側の辺縁部と摺接するとともに前記ベルト保持部材と当接することで前記無端ベルトと前記ベルト保持部材とを密封させるシール部材を更に備えるものとしても構わない。又、前記ベルト保持部材が前記無端ベルトの辺縁部と摺接することで、前記無端ベルトと前記ベルト保持部材とが密封されるものとしても構わない。
これらの定着装置において、前記ベルト保持部材において、前記エアーダクトと接続されるダクト接続部が、前記定着ニップ部より離れた領域に構成されるものとしても構わない。
上述のいずれかの定着装置において、前記加圧器の回転体が前記無端ベルトで構成されるとともに、当該無端ベルトを前記定着ニップ部で前記加熱器に対して押圧する押圧部材が弾性体で構成され、前記ベルト保持部材が、前記押圧部材の設置位置に対向する領域が覆うものとしても構わない。
又、前記無端ベルトが回転可能な二本のローラーに巻き付けられ、前記ベルト保持部材が該二本のローラーそれぞれを軸支するとともに、該二本のローラーの間となる領域で前記エアーダクトと接続されるものとしても構わない。
上述の定着装置において、前記無端ベルトを押圧する弾性体は、シリコーン又はフッ素樹脂からなる弾性ゴム部材である。
本発明の画像形成装置は、上述のいずれかの定着装置を備えることを特徴とする。
本発明によると、無端ベルトの内側をベルト保持部材で覆うことで無端ベルト内を密封した状態で、無端ベルトを通過するように空気を流すことによって、無端ベルト内部で発生した超微粒子粉塵を外部に漏らすことなく捕集させることができる。これにより、超微粒子粉塵の主な発生源である無端ベルト内部の弾性部材の大きさや材料による、超微粒子粉塵の発生量の変化にも対応でき、機外への超微粒子粉塵の放出量を抑制し、環境汚染を防止できる。これにより、無端ベルトを押圧する弾性部材の大型化によるニップ領域幅の拡大も可能となり、記録材への画像形成の高速化にも対応できる。又、ベルト保持部材における定着ニップ部から離れた領域にエアーダクトが接続されるものとすることで、定着ニップ部近傍へ流入する空気流量を抑制できるため、定着ニップ部での低温下を抑制できる。
は、本発明の画像形成装置の内部構成を示す概略構成図である。 は、本発明の第1の実施形態の画像形成装置における定着装置の構成を示す概略図である。 は、図2の定着装置の内部構成を示す概略断面図である。 は、図2の定着装置における加圧器とエアーダクトとの関係を示す概略断面図である。 は、図2の定着装置におけるベルト保持部材の別の構成例を示す概略断面図である。 は、図2の定着装置におけるベルト保持部材の別の構成例を示す概略断面図である。 は、図2の定着装置におけるベルト保持部材の構成を示す側面図である。 は、図7のベルト保持部材のX1−X1断面図である。 は、図7のベルト保持部材のX2−X2断面図である。 は、本発明の第2の実施形態の画像形成装置における定着装置の構成を示す概略図である。 は、図10の定着装置の内部構成を示す概略断面図である。 は、図10の定着装置における加熱器とエアーダクトとの関係を示す概略断面図である。 は、図10の定着装置におけるベルト保持部材の構成を示す側面図である。
以下に、本願発明を具現化した実施形態を、画像形成装置の一例であるタンデム方式のカラーデジタルプリンターに適用した場合の図面に基づいて説明する。尚、以下の説明において必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば「左右」「上下」等)を用いる場合は、図1において紙面に直交した方向を正面視とし、これを基準にしている。これらの用語は説明の便宜のために用いたものであり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
<画像形成装置の全体構成>
まず、図1を参照しながら、画像形成装置1の概要について説明する。図1に示すように、画像形成装置1は、その外筐体2内に、画像プロセス装置3、給紙装置4、及び定着装置5等を備えている。詳細は図示していないが、画像形成装置1は、例えばLANといったネットワークに接続されていて、外部端末(図示省略)からの印刷指令を受け付けると、当該指令に基づいて印刷を実行するように構成されている。
外筐体2内の下部に位置する給紙装置4は、記録材P1を収容する給紙カセット21、給紙カセット21内の記録材P1を最上層から繰り出すピックアップローラ22、繰り出された記録材P1を1枚ずつに分離する一対の分離ローラー対23、及び、1枚に分離された記録材P1を所定のタイミングにて画像プロセス装置3に搬送する一対のタイミングローラー対24等を備えている。各給紙カセット21内の記録材P1は、ピックアップローラ22及び分離ローラー対23の回転にて、最上層のものから1枚ずつ搬送経路30に送り出される。搬送経路30は、給紙装置4の給紙カセット21から、タイミングローラー対24のニップ部、画像プロセス装置3の二次転写ニップ部、及び定着装置5の定着ニップ部を経て、外筐体2上部にある排出ローラー対26に至る。
給紙カセット21内の記録材P1は、通紙幅の中央が搬送経路30に向けて搬送する際のセンター基準となるようにセットされる。給紙カセット21内には、給紙前の記録材P1をセンター基準に幅寄せするための一対の側部規制板(不図示)を備えている。一対の側部規制板は通紙幅方向に互いに連動して遠近移動するように構成されている。給紙カセット21内の記録材P1を一対の側部規制板にて通紙幅方向両側から挟持することによって、給紙カセット21内の記録材P1がその規格に拘らずセンター基準にセットされる。従って、画像プロセス装置3での転写処理や、定着装置5での定着処理もセンター基準で実行される。
給紙装置4の上方に位置する画像プロセス装置3は、像担持体の一例である感光体ドラム13上に形成されたトナー像を記録材P1に転写する役割を担うものであり、中間転写体としての中間転写ベルト6、並びに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色に対応する計4つの作像部7等を備えている。
中間転写ベルト6は導電性を有する素材からなる無端状のものであり、像担持体の一例でもある。中間転写ベルト6は、外筐体2内の中央部右側に位置する駆動ローラー8と、同じく中央部左側に位置する従動ローラー9とに巻き掛けられている。中間転写ベルト6のうち駆動ローラー8に巻き掛けられた部分の外側に二次転写ローラー10が配置されている。主モーター(不図示)の動力伝達にて駆動ローラー8を図1の反時計方向に回転させることにより、中間転写ベルト6は図1の反時計方向に周回する。
中間転写ベルト6のうち駆動ローラー8に巻き掛けられた部分の外周側には、二次転写ローラー10が配置されている。二次転写ローラー10は中間転写ベルト6に当接していて、中間転写ベルト6と二次転写ローラー10との間(当接部分)が二次転写領域としての二次転写ニップ部になっている。二次転写ローラー10は、中間転写ベルト6の回転に伴って、又は二次転写ニップ部に挟持搬送される記録材P1の移動に伴って、図1の時計方向に回転する。中間転写ベルト6のうち従動ローラー9に巻き掛けられた部分の外周側には、中間転写ベルト6上の未転写トナーを除去する転写ベルトクリーナー12が配置されている。転写ベルトクリーナー12は中間転写ベルト6に当接している。
4つの作像部7は、中間転写ベルト6の下方において、図1の左からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、中間転写ベルト6に沿って並べて配置されている。図1では説明の便宜上、各作像部7に、再現色に応じて符号Y,M,C,Kを添えている。各作像部7は図1の時計方向に回転する像担持体の一例としての感光体ドラム13を備えている。感光体ドラム13の周囲には、図1における時計回りの回転方向に沿って順に、帯電装置14、露光装置19、現像装置15、一次転写ローラー16及び感光体クリーナー17が配置されている。
感光体ドラム13は負帯電性のものであり、主モーターからの動力伝達によって図1の時計方向に回転するように構成されている。帯電装置14には、帯電用電源(不図示)から所定のタイミングで出力される帯電バイアス電圧が印加される。現像装置15は、負の極性を呈するトナーを利用して、感光体ドラム13上に形成された静電潜像を反転現像にて顕在化させるものである。
一次転写ローラー16は中間転写ベルト6の内周側に位置していて、中間転写ベルト6を挟んで、対応する作像部7の感光体ドラム13に対峙している。一次転写ローラー16も、中間転写ベルト6の回転に伴って図1の反時計方向に回転する。中間転写ベルト6と一次転写ローラー16との間(当接部分)は一次転写領域としての一次転写ニップ部になっている。感光体クリーナー17は、感光体ドラム13上に残留する未転写トナーを除去するためのものであり、感光体ドラム13に当接している。4つの作像部7の下方には露光装置19が配置されている。露光装置19は、外部端末等からの画像情報に基づき、レーザー光によって各感光体ドラム13に静電潜像を形成するものである。
中間転写ベルト6の周回方向の最下流側、すなわち二次転写ローラー10に最も近い作像部7Kと二次転写ニップ部との間には、中間転写ベルト6上のトナー像の濃度を検出するIDCセンサー20が配置されている。IDCセンサー20は基本的に、色ずれ、階調、及び画像濃度の再現補正といった画像安定化処理の際に、中間転写ベルト6上に形成された各色の基準パターン(テストトナー像と言ってもよい)を検出するものである。なお、中間転写ベルト6の上方には、各現像装置15に供給されるトナーを収容するホッパー(不図示)が配置されている。
各作像部7において、帯電装置14にて帯電される感光体ドラム13に、露光装置19から画像信号に対応したレーザー光が投射されると、静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置15から供給されるトナーにて反転現像されて各色のトナー像となる。各感光体ドラム13上のトナー像は、それぞれ対応した一次転写ニップ部において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、感光体ドラム13から中間転写ベルト6の外周面に一次転写されて重ねられる。感光体ドラム13に残った未転写トナーは感光体クリーナー17にて掻き取られ、感光体ドラム13上から取り除かれる。そして、記録材P1が二次転写ニップ部を通過する際に、重ね合わせられた4色のトナー像が記録材P1に一括して二次転写される。中間転写ベルト6に残った未転写トナーは転写ベルトクリーナー12にて掻き取られ、中間転写ベルト6上から取り除かれる。
画像プロセス装置3における二次転写ローラー10の上方に位置する定着装置5は、ハロゲンランプヒータ等の熱源を内蔵した加熱器31と、加熱器31に対峙する加圧器32とを備えている。加熱器31と加圧器32との当接部分が定着領域である定着ニップ部になっている。二次転写ニップ部を通過して未定着トナー像を載せた記録材P1は、加熱器31と加圧器32との間の定着ニップ部を通過する際に加熱・加圧され、記録材P1上に未定着トナー像を定着される。その後、記録材P1は、排出ローラー対26の回転にて排紙トレイ27上に排出される。
外筐体2内部のうち画像プロセス装置3と給紙装置4との間には、画像形成装置1の制御全般を司る制御部28が配置されている。制御部28には、各種演算処理、記憶及び制御を実行するコントローラー(不図示)が内蔵されている。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態の画像形成装置について、定着装置の構成を中心に、以下に、図面を参照して説明する。図2は、本実施形態の画像形成装置における定着装置の構成を示す概略図であり、図3は、その概略断面図である。又、図4は、加圧器とエアーダクトとの関係を示す概略断面図である。
本実施形態の画像形成装置1における定着装置5は、図2に示すように、円筒形の芯金311を軸心とする加熱ローラーで構成される加熱器31と、無端ベルトの加圧ベルト321を加熱器31に圧接させる加圧器32とを備える。加熱器31は、芯金311がローラー支持フレーム33に軸支されるとともに、不図示の定着駆動モーターと動力伝達可能に連結されることで、図3の反時計方向に回転駆動される。又、加圧器32は、加圧ベルト321がその両縁側からベルト保持部材35によりシール部材34を介して挟持されることで、加熱器31に圧接して定着ニップ部を形成する位置で支持される。これにより、加圧器32の加圧ベルト321が、加熱器31の回転に伴い従動回転する。
加熱器31は、図3に示すように、芯金311の外周面に弾性層312及び離型層313を順に被覆させた構成を備える。そして、芯金311の内側には、加熱器31を所定の目標温度(例えば、160℃〜200℃の範囲内の定着温度)に加熱する熱源として、ヒーターランプ314が通紙幅方向に延びるように配置されている。このように加熱ローラーとして構成される加熱器31は、その外径が20〜50mm程度であることが好ましい。又、加熱源となるヒーターランプ314には、ハロゲンヒータ、IHヒータ、又は抵抗発熱体等が採用される。
芯金311は、アルミニウム又は鉄等の金属材料からなり、その厚さは、0.1mm〜5mm程度が好ましい。又、弾性層312は、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の、耐熱性を備えた弾性材料からなり、上記定着温度に対する耐熱性と上記定着ニップ部の長さを確保するための弾性とを有する。この弾性層312の厚さは、0.05mm〜2mmの範囲内が好ましい。更に、離型層313は、離型性の優れたフッ素系樹脂材料からなり、チュービング又はコーティングによって構成される。この離型層313の厚さは、5μm〜100μmの範囲内が好ましい。この離型層313は、定着温度に対する耐熱性と、定着ニップ部を通過した記録材P1の剥離を助ける離型性とを有するだけでなく、弾性層312から発生した超微粒子を透過しにくい性質(ガスバリア性)をも有する。
加圧器32は、加圧ベルト321内部に設けられるとともに加圧ベルト321を加熱器31に対して押圧する押圧部材322を有する。加圧ベルト321を内側から押圧させるように押圧部材322を配置するために、押圧部材322を固定させる保持フレーム323が、加圧ベルト321内に設置される。又、不図示であるが、加圧ベルト321と押圧部材322との間には、摺動シートが、押圧部材322を覆うように配置される。この摺動シートは、耐熱性のガラスクロスにフッ素樹脂をコーティングしたものであり、耐熱性、耐摩耗性、及び摺動性を備える。
加圧ベルト321は、耐熱性、強度や表面平滑性が考慮されたベース層325をその内側に備えるとともに、このベース層325の外側を離型性の離型層324で被覆した構成を有する。この加圧ベルト321は、円筒形とした場合にその外径を、例えば、20〜100mmの範囲内とすることが好ましい。離型層324は、例えば、フッ素チューブやフッ素系コーティング等の離型性とともにガスバリア性が付与されたものであり、その厚さは5〜100μmであることが好ましい。又、この離型層324は、導電性を有する構成であってもよい。一方、ベース層325は、例えば、ポリイミド、ポリアミドやポリイミドアミド等の耐熱性樹脂、又は、アルミニウム、ステンレスやニッケル等の金属材料によって形成される。
そして、この加圧ベルト321のベース層325の内周面及び不図示の摺動シートの外周面それぞれには、グリス又はシリコーンオイル等の潤滑剤が塗布される。これにより、加圧ベルト321と押圧部材322との間の摩擦が軽減されるため、加圧ベルト321は、押圧部材322により阻害されることなく、加熱器31の回転により従動して回転することができる。
押圧部材322は、図3及び図4に示すように、加圧ベルト321を弾性変形して押圧する弾性押圧部材326と、弾性押圧部材326よりも高度の高い材料で構成される剛体押圧部材327とを備え、剛体押圧部材327によって弾性押圧部材326が把持された構成となる。弾性押圧部材326は、剛体押圧部材327の加熱器31側の面(左側面)に設けられた凹みに挿嵌されることで剛体押圧部材327に把持され、その加熱器31側の面が不図示の摺動シートを介して加圧ベルト321のベース層325に摺接する。又、剛体押圧部材327は、ベルト保持部材35に保持されて固定される保持フレーム323の加熱器31側の面(左側面)に設けられた凹みに挿嵌されることで、保持フレーム323に把持され、加圧ベルト321内に固設される。
弾性押圧部材326は、前後方向の長さが記録材P1の最大用紙幅以上の長さとなる角柱状の形状を有し、その加熱器31側の面(左側面)で加圧ベルト321を加熱器31に向かって押圧する。又、剛体押圧部材327は、図3及び図4に示すように、前後方向の長さが弾性押圧部材326の長さ以上となる角柱状の形状を有するとともに、その左側面に弾性押圧部材326が挿嵌される矩形上の凹みを備える。この剛体押圧部材327の左側面において、弾性押圧部材326より上側(記録材P1搬送方向下流側)の面が弾性押圧部材下側(記録材P1搬送方向上流側)の面よりも加熱器31側に突出する。これにより、剛体押圧部材327は、その左側面における弾性押圧部材326より上側の面で加圧ベルト321を加熱器31に向かって押圧する。
記録材P1搬送方向の下流側から上流側に向かって弾性押圧部材326及び剛体押圧部材327それぞれの左側面が順に加圧ベルト321を押圧することで、記録材P1へのトナー画像を定着させた後に、記録材P1を加熱器31から剥離させる。即ち、記録材P1は、弾性押圧部材326の弾性変形による押圧によって形成される定着ニップ部において、加熱及び加圧されることで、その紙面上のトナーが溶融して定着する。その後、高高度の剛体押圧部材327が加圧ベルト321を介して加熱器31を押圧することで、加熱器31の弾性層312を変形させて、定着ニップ部を通過した記録材P1を加熱器31から剥離させる。
上記弾性押圧部材326は、例えば、シリコン系ゴムやフッ素系ゴム等の弾性と耐熱性とを備えた材料で形成され、その硬度は、例えば、アスカーC硬度で15〜30度が好ましく、その厚さは、例えば、3〜10mm程度が好ましい。尚、弾性押圧部材326は、組み付け性や生産性等を考慮して、ステンレス、アルミや鉄等の金属板と一体とする構成であってもよい。一方、剛体押圧部材327は、その構成する材料として、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドや液晶ポリマー等の樹脂、又は、アルミ、鉄やステンレス等の金属、又は、セラミック等が適している。
次に、加圧ベルト321を保持する構成について、図2及び図4を参照して、以下に説明する。加圧ベルト321は、その内側にベルト保持部材35の一部が挿入されることで、その前後方向(図2及び図4における左右方向)の両縁部がベルト保持部材35により覆われる。ベルト保持部材35は、加圧ベルト321の内側に挿入される円筒形状で構成されるフレーム保持部351と、フレーム保持部351の外周面から外側に突起させたリング状のベルト保持部352と、後述するエアーダクト37,38と接続される円筒形状のダクト接続部353と、を備える。このベルト保持部材35は、その外径が加圧ベルト321の外径より太いベルト保持部352を中央として、その前後方向(図4おける左右方向)に対称となる位置に、保持フレーム323と連結するフレーム保持部351と、リング状のシール部材36を介してエアーダクト37と連結するダクト接続部353とが配置される。
このように構成されるベルト保持部材35は、加圧ベルト321の前後両縁から、フレーム保持部351が加圧ベルト321のベース層325内側に挿入される。これにより、加圧ベルト321の内側では、保持フレーム323の前後両側が2つのベルト保持部材35のフレーム保持部351と連結され、2つのベルト保持部材35が保持フレーム323を挟持するようにして支持する。即ち、加圧ベルト321の前後両端に設置されるベルト保持部材35は、フレーム保持部351で挟持する保持フレーム323によって、その設置位置が決定する。
又、加圧ベルト321の前後両縁はそれぞれ、ベルト保持部材35のフレーム保持部351の外周面に外嵌されたシール部材34によって覆われる。そして、このシール部材34が、ベルト保持部材35のベルト保持部352の端面に当接することで固定される。これにより、加圧ベルト321は、シール部材34を介して、保持フレーム323の前後両側で固定されたベルト保持部材35のベルト保持部352により挟持され、回動可能に支持される。
シール部材34は、図4に示すように、加圧ベルト321の辺縁部における端面と内外周面それぞれと摺接することによって、ベルト保持部材35と接続させた加圧ベルト321内部を密封状態とする。このシール部材34は、発泡樹脂又はゴムなどの弾性体材料で形成されるとともに、加圧ベルト321の辺縁部との接触面には、低摩擦部材が具備されることで、加圧ベルト321の摺動性を良好にしている。尚、シール部材34に具備される低摩擦部材として、例えば、フッ素樹脂シート、テフロン(登録商標)コート、又はフッ素樹脂コート等が適している。
このようにシール部材34と共に加圧ベルト321の内側を密封するベルト保持部材35は、シール部材36を介してエアーダクト37,38のいずれかと連結され、加圧ベルト321と共に空気流路を形成する。このとき、加圧ベルト321の前後方向の両縁の一方を密封するベルト保持部材35(図4における右側のベルト保持部材35)が、吸気用のエアーダクト37と接続される。一方、加圧ベルト321の前後方向の両縁の他方を密封するベルト保持部材35(図4における左側のベルト保持部材35)が、排気用のエアーダクト38と接続される。
排気用のエアーダクト38の排気口側には、エアーダクト38内の空気を機外に排気するための吸引ファン40が設置されるとともに、この吸引ファン40よりも加圧ベルト321側に、捕集フィルター39がエアーダクト38の内側全面を覆う設置される。このエアーダクト38の排気口側に、エアーダクト38内側から外部に排気する吸引ファン40が設けられることで、吸気用のエアーダクト37から吸気された空気が、加圧ベルト321の内側に流れ込む。
そして、加圧ベルト321内側に流れ込んだ空気は、加圧ベルト321内側で発生した超微粒子粉塵と共に、エアーダクト38に流出すると、エアーダクト38を通過して、吸引ファン40より排気される。このとき、捕集フィルター39が、吸引ファン40の吸気側を塞ぐようにエアーダクト38の内側に設けられることで、エアーダクト38を通じて加圧ベルト321の内側から発生した超微粒子粉塵が捕集フィルター39で吸着されて捕集される。従って、エアーダクト38外には、超微粒子粉塵が排出されることがないため、機内外の環境の汚染が防止される。尚、捕集フィルター39は、吸引ファン40の排気側を塞ぐように設けられるものとしても構わない。
捕集フィルター39として、例えば東洋紡株式会社製の静電フィルターであるエリトロン(東洋紡株式会社の登録商標)や独フロイデンベルグ社製のmicronAir(フロイデンベルグ社の登録商標)などの市販品を用いることができる。又、捕集フィルター39の耐熱性を確保する観点からカーボンまたはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を主成分とする濾材を用いてもよい。
エアーダクト37,38それぞれは、例えば、定着温度に対する耐熱性を備えた樹脂材料、又は、アルミニウムや鉄等の金属材料のいずれかで構成されるものとしてもよい。そして、吸気用のエアーダクト37は、エアーダクト37外部から空気を取り込むために、不図示の吸気口を備えるが、この吸気口を、定着装置5内部に設けるものとしてもよい。即ち、エアーダクト37の吸気口を、例えば、特許文献2の構成のように、加熱器31の近傍に配置するなどすることによって、加圧ベルト321内側以外の部分で発生する超微粒子粉塵も捕集フィルター39で回収できる。
又、画像プロセス装置3(図1参照)における作像部7(図1参照)等を冷却するための機内冷却用のダクトに、エアーダクト37が接続されるものとしても構わない。即ち、エアーダクト37を機内冷却用のダクトの一部として構成することで、機内部材の冷却機能を兼ねることができるとともに、機内のエアーフロー構成を簡略できるため、装置の小型化が図れる。
本実施形態において、加圧ベルト321を保持するための機構について、図4に示す構成のシール部材34及びベルト保持部材35によるものとしたが、加圧ベルト321の摺動性を維持しつつ加圧ベルト321の内側を密封状態とできる構成であれば、図4に示す構成に限定されない。従って、以下では、図4に示す構成以外の加圧ベルト32を保持するベルト保持部材の構成について、構成例1及び構成例2を例示する。
(ベルト保持部材の構成例1)
ベルト保持部材の構成例1として、図5に示す構成を、以下に説明する。図5に示す構成では、ベルト保持部材35は、図4に示す構成と同一のものとするが、シール部材34の代わりに、円筒形状のシール部材34aを使用する。シール部材34aは、加圧ベルト321の内周面とベルト保持部材35のフレーム保持部351の外周面との間に挟まれるように、設置されるとともに、その端面がベルト保持部材35のベルト保持部352の端面に当接する。又、加圧ベルト321の辺縁部の端面も、シール部材34aの端面と同様、ベルト保持部材35のベルト保持部352の端面に当接する。
即ち、弾性部材によるシール部材34aが、ベルト保持部材35のフレーム保持部351の外周面に外嵌され、その端面が、ベルト保持部352の加圧ベルト321側の端面に摺接される。更に、このシール部材34aが外嵌されたフレーム保持部材35が、加圧ベルト321の内側にフレーム保持部351から挿入される。そして、加圧ベルト321の内周面がシール部材34aの外周面に摺接されるとともに、加圧ベルト321の辺縁部の端面がベルト保持部352の加圧ベルト321側の端面に摺接される。
これにより、加圧ベルト321の内側は、ベルト保持部材35とシール部材34aとによって密封される。このとき、ベルト保持部材35及びシール部材34aは、加圧ベルト321との接触面において、フッ素樹脂シート、テフロン(登録商標)コート、又はフッ素樹脂コート等の低摩擦部材を具備することで、加圧ベルト321の摺動性を良好にしている。
(ベルト保持部材の構成例2)
ベルト保持部材の構成例2として、図6に示す構成を、以下に説明する。図6に示す構成では、図4に示す構成のベルト保持部材35の代わりに、加圧ベルト321の辺縁部の端面及び内外周面を覆うベルト保持部材35aを使用することで、シール部材34を不要とする。ベルト保持部材35aは、ベルト保持部352の外周側から加圧ベルト321の外周面を覆うリング状のベルト把持部354を備える。即ち、フレーム保持部351とベルト把持部354とによって二重リングが形成され、フレーム保持部351とベルト把持部354とによって形成される円筒状の間隙に加圧ベルト321が嵌挿される。
従って、加圧ベルト321の内周面がフレーム保持部351の外周面に接触し、加圧ベルト321の外周面がベルト把持部354の内周面に接触し、加圧ベルト321の辺縁部の端面がベルト保持部352の加圧ベルト321側の端面に接触する。即ち、加圧ベルト321は、その両側の辺縁部がベルト保持部材35aに摺接することで保持される。このとき、ベルト保持部材35aは、加圧ベルト321との接触面において、フッ素樹脂シート、テフロン(登録商標)コート、又はフッ素樹脂コート等の低摩擦部材を具備することで、加圧ベルト321の摺動性を良好にしている。
(ベルト保持部材の開口領域について)
更に、本実施形態において、上述のベルト保持部材35,35aについて、そのエアーダクト37,38それぞれとの接続部分における開口領域を制限することで、加圧ベルト321内部を流れる空気の流れにおいて、その流量が一部に集中するような偏流を形成するようにしても構わない。このような加圧ベルト321内に偏流を形成するベルト保持部材35bの構成を、図7〜図9を参照して、以下に説明する。尚、図7が、ベルト保持部材35bの概略側面図であり、図8が、図7におけるX1−X1断面図であり、図9が、図7におけるX2−X2断面図である。
図7〜図9に示すように、ベルト保持部材35bは、図4に示す構成のベルト保持部材35のダクト接続部353の端部(図4に示すシール部材36との接続部分)に、その一部に開口部356を備えた端面355を有する。この端面355は、加圧ベルト321内部の押圧部材322側への空気の流れを規制するために、その開口部356を、保持フレーム323の右側(押圧部材322の固定位置の逆側)に相当する位置に有する。即ち、端面354は、開口部356以外の領域によって、加圧ベルト321内部の押圧部材322及び保持フレーム323の設置領域を覆う。
この押圧部材322を覆うような形状の端面355を備えるベルト保持部材35bが、加圧ベルト321の両縁に挿嵌されることによって、加圧ベルト321内部を流れる空気は、押圧部材322の設置領域を流れる流量が、保持フレーム323に対して押圧部材322の設置位置と逆側となる領域を流れる流量より少なくなる。従って、加圧ベルト321内において、押圧部材322を冷やすことなく、空気を流すことができ、定着ニップ部周辺における加圧ベルト321の温度低下を抑制し、定着強度の悪化を防止できる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態の画像形成装置について、定着装置の構成を中心に、以下に、図面を参照して説明する。図10は、本実施形態の画像形成装置における定着装置の構成を示す概略図であり、図11は、その概略断面図である。又、図12は、加熱器とエアーダクトとの関係を示す概略断面図である。尚、本実施形態の定着装置の構成において、第1の実施形態の定着装置の構成と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の画像形成装置1における定着装置5aは、図10及び図11に示すように、加熱ローラー51と定着ローラー52に定着ベルト53が巻き掛けられて構成される加熱器31aと、円筒形の芯金331を軸心とする加圧ローラーで構成される加圧器32aとを備える。加熱器31aは、定着ベルト53がその両縁側からベルト保持部材35cによりシール部材34cを介して挟持される。又、加圧器32aは、芯金331がローラー支持フレーム54に軸支されるとともに、不図示の定着駆動モーターと動力伝達可能に連結されることで、図11の時計方向に回転駆動される。このとき、ローラー支持フレーム54が、バネで付勢されて支持されることにより、加圧器32aが定着ベルト53に圧接する。
そして、加圧器32aと定着ローラー52とで定着ベルト53を挟んだ状態で、定着ローラー52に向けて加圧器32aが押圧されることにより、定着ベルト53と加圧器32aとの接触部にニップ部が形成される。又、加圧器32aの回転駆動されることにより、に伴って、定着ベルト53と定着ローラー52とが従動して回転する。そして、定着ベルト53は、この従動回転がなされるうちに、加熱ローラー51によって全周が加熱され、所定の温度まで昇温する。
加熱ローラー51は、その内部にヒーターランプ314が配置された芯金511の外周面に、耐熱性及び耐摩耗性に優れた表層512を被覆した構成とされる。芯金511は、アルミニウム又は鉄等の金属材料からなる円筒形状を有し、ローラー支持フレーム55に軸支される。この芯金511の外径は、20〜40mm程度が好ましく、その厚さは、0.1mm〜5mm程度が好ましい。そして、表層512は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTF)が芯金511の表面に塗装されて形成される。この加熱ローラー51の外周には、加熱ローラー51の温度を検出するサーミスター513が、加熱ローラー51の表面に対向するように配置される。このサーミスター513による検出温度に応じて、ヒーターランプ314が制御されることで、加熱ローラー51が所定の温度で制御される。
定着ローラー52は、ローラー支持フレーム55に軸支される芯金521の外周面に、弾性及び耐熱性を有する弾性層522を被覆させた構成を備える。芯金521は、芯金511と同様、アルミニウム又は鉄等の金属材料からなる円筒形状で、その外径は、20〜40mm程度が好ましく、その厚さは、0.1mm〜5mm程度が好ましい。弾性層522は、シリコーンゴムやシリコーンスポンジ等で構成され、その厚さは、1mm〜10mm程度が好ましい。
定着ベルト53は、耐熱性、強度や表面平滑性が考慮されたベース層の外周面を、弾性層で被覆した構成を有する。この定着ベルト53のベース層は、例えば、真円にしたときの内径が60mm、幅330mm、厚さ70μmのポリイミドフィルムから構成される。そして、定着ベルト53の弾性層は、厚さ100〜200μm程度のシリコーンゴムからなるとともに、その外周面には、厚さ30μmのフッ素コートからなる離型層53cが被覆される。
加圧器32aは、芯金331の外周面に弾性層332及び離型層333を順に被覆させた構成を備え、その外径は20〜40mm程度が好ましい。芯金331は、アルミニウム又は鉄等の金属材料からなり、その厚さは、0.1mm〜5mm程度が好ましい。又、弾性層332は、シリコーンゴムやシリコーンスポンジ等の、耐熱性を備えた弾性材料からなり、その厚さは、1mm〜20mmの範囲内が好ましい。更に、離型層313は、フッ素チューブ等の、離型性、耐熱性、及びガスバリア性を備えた材料からなり、その厚さは、5μm〜100μmの範囲内が好ましい。
このように加熱器31a及び加圧器32aそれぞれが構成することにより、定着ベルト53が所定の温度に加熱された後に、表面に未定着のトナー画像が形成された記録紙P1が、定着ニップ部に突入する。そして、記録紙P1が定着ローラー52と加圧器32aと定着ベルト53とによって形成された定着ニップ部を通過する間に、トナー画像が記録紙P1に定着される。尚、上述したように、加熱源となるヒーターランプ314が加熱ローラー51に具備されるものとしたが、加圧器32aの芯金331内部に、加熱源が設けられるものとしても構わない。又、ヒーターランプ314の代わりに、誘導加熱方式による加熱がなされるものとしても構わないし、これらの加熱源が、定着ベルト53の外側に設けられるものとしても構わない。
次に、定着ベルト53を保持する構成について、図10、図12及び図13を参照して、以下に説明する。定着ベルト53は、その内側にベルト保持部材35cの一部が挿入されることで、その前後方向(図10及び図12における左右方向)の両縁部がベルト保持部材35cにより覆われる。ベルト保持部材35cは、定着ベルト53の内側に挿入される筒形状のベルト挿入部361と、ベルト挿入部361の外周側から外側に突起させて定着ベルト53の辺縁部端面に当接するベルト保持部362と、ベルト保持部362と同一端面を形成するとともに加熱ローラー51及び定着ローラー52を軸支するローラー保持部363と、ローラー保持部363の中央領域から延設されてシール部材36を介してエアーダクト37,38と接続される筒形状のダクト接続部364と、を備える。
定着ベルト53の前後両縁はそれぞれ、ベルト保持部材35cのベルト挿入部361の外周面に外嵌されたシール部材34cによって覆われて、密封状態とされる。そして、このシール部材34cが、ベルト保持部材35cのベルト保持部362の端面に当接することで固定される。これにより、定着ベルト53は、シール部材34cを介して、ベルト保持部材35cのベルト保持部362により挟持され、回動可能に支持される。このシール部材34cは、図4におけるシール部材34と同様、発泡樹脂又はゴムなどの弾性体材料で形成されるとともに、定着ベルト53の辺縁部との接触面には、例えば、フッ素樹脂シート、テフロン(登録商標)コート、又はフッ素樹脂コート等の低摩擦部材が具備される。
ベルト保持部材35cは、そのローラー保持部363に、加熱ローラー51及び定着ローラー52それぞれの芯金511,521が挿入される開口部365,366を有する。このローラー保持部363の開口部365,366それぞれの内周面に、芯金511,521の外周面が摺接することで、加熱ローラー51及び定着ローラー52それぞれが、ベルト保持部材35cのローラー保持部363で軸支される。開口部365,366は、その内周面を低摩擦部材でコーティングすることで、ローラー保持部363に対する芯金511,521の摺動性を良好なものとしている。
ローラー保持部363は、定着ベルト53の辺縁部の形状とほぼ同形状とされ、開口部365,366及びダクト接続部364との接合部分が開口した構成となる。即ち、ローラー保持部363は、上辺と下辺とを円弧状とした略台形状の端面で構成され、加熱ローラー51及び定着ローラー52それぞれの芯金511,521が挿入される位置に開口部365,366を備えるとともに、ダクト接続部364との接合部分を開口させた構成となる。これにより、定着ベルト53の前後両縁は、ベルト保持部材35cのローラー保持部363によって覆われる。
従って、定着ベルト53の両縁側は、ベルト保持材35cのローラー保持部363で覆われることによって、ダクト接続部364の内側部分だけが開口した状態となる。このダクト接続部364は、ローラー保持部363に対して、その開口部365,366の間となる位置で接続される。即ち、ベルト保持部材35cのダクト接続部364は、定着ベルト53内側の加熱ローラー51及び定着ローラー52に挟まれた領域に対して開口するように構成される。
定着ベルト53の両縁部を覆うベルト保持部材35cの内、一方のベルト保持部材35cが、吸気用のエアーダクト37と接続されるとともに、他方のベルト保持部材35cが、排気用のエアーダクト38と接続される。このとき、吸気用のエアーダクト37が、シール部材36を介してダクト接続部364と接続され、定着ベルト53の内側における、加熱ローラー51及び定着ローラー52の間の領域に、エアーダクト37から空気が流入する。一方、排気用のエアーダクト38が、シール部材36を介してダクト接続部364と接続され、定着ベルト53の内側における、加熱ローラー51及び定着ローラー52の間の領域から、超微粒子粉塵とともに空気がエアーダクト38に排出される。
このように、シール部材34c及びベルト保持部材35cによって上述のように密封された定着ベルト53の内側には、エアーダクト37から流入される空気が、加熱ローラー51及び定着ローラー52の領域を流れて、エアーダクト38へ排出される。このような空気の流れが定着ベルト53の内側で形成されるため、空気と共にエアーダクト38へは排出される超微粒子粉塵が捕集フィルター39によって捕集され、機内外の環境汚染を防止できる。又、定着ベルト53内を流れる空気による、加熱ローラー51及び定着ローラー52の冷却効果を抑制でき、その温度低下に基づく定着強度の悪化を防止できる。
尚、本実施形態において、図12に示すように、シール部材34cによって定着ベルト53の辺縁部が覆われることで密封されるものとしたが、この定着ベルト53の辺縁部における密封状態の形成については、このような構成に限られるものではなく、他の構成としても構わない。即ち、第1の実施形態におけるベルト保持部材の構成例1(図5参照)のように、定着ベルト53の内周面にシール部材の外周面を接触させることで密封状態を形成するものとしても構わないし、第1の実施形態におけるベルト保持部材の構成例2(図6参照)のように、ベルト保持部材によって定着ベルト53の辺縁部を覆うことによって密封状態を形成するものとしても構わない。
又、本実施形態において、第1の実施形態と同様、吸気用のエアーダクト37は、外部から空気を取り込む不図示の吸気口を、定着装置5a内部に設けるものとしてもよい。更に、エアーダクト37を機内冷却用のダクトの一部として構成することで、エアーダクト37が機内部材の冷却機能を兼ねるものとしても構わない。
本願発明における画像形成装置として、中間転写方式による画像形成装置を例に挙げて説明したが、上述の各実施形態における、定着装置を備えるものであれば、直接転写方式やロータリ配置型等、他の方式による画像形成装置であっても構わない。又、本願発明における画像形成装置として、上述の各実施形態における、給紙装置及び給紙機構のそれぞれを備えるものであれば、コピー機能、スキャナー機能、プリンター機能、ファックス機能を有するMFP(Multifunction Peripheral)であっても構わないし、プリンター、コピー機、ファクシミリ等であっても構わない。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
1 画像形成装置
2 外筐体
3 画像プロセス装置
4 給紙装置
5 定着装置
31 加熱器
32 加圧器
33 支持フレーム
34,34c シール部材
35,35c ベルト保持部材
36 シール部材
37,38 エアーダクト
39 捕集フィルター
40 吸引ファン
51 加熱ローラー
52 定着ローラー
53 定着ベルト
321 加圧ベルト
322 押圧部材
323 保持フレーム
351 フレーム保持部
352 ベルト保持部
353 ダクト接続部
361 ベルト挿入部
362 ベルト保持部
363 ローラー保持部
364 ダクト接続部

Claims (8)

  1. 回転体で構成されるとともに記録材を加熱する加熱器と、回転体で構成されるとともに前記加熱器に圧接して前記加熱器との間に定着ニップ部を形成する加圧器と、を備え、前記加熱器及び前記加圧器のいずれか一方を構成する回転体が、その内側から弾性体により押圧された無端ベルトで構成される定着装置において、
    前記無端ベルトの両縁それぞれに設置されて当該無端ベルトの内側を覆うベルト保持部材を備え、
    前記無端ベルトの両縁の一方を覆う前記ベルト保持部材が、前記無端ベルトの内側に空気を流入する吸気用のエアーダクトと接続され、
    前記無端ベルトの両縁の他方を覆う前記ベルト保持部材が、前記無端ベルトの内側から空気を排出する排気用のエアーダクトと接続されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記無端ベルトの両側の辺縁部と摺接するとともに前記ベルト保持部材と当接することで前記無端ベルトと前記ベルト保持部材とを密封させるシール部材を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ベルト保持部材が前記無端ベルトの辺縁部と摺接することで、前記無端ベルトと前記ベルト保持部材とが密封されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記ベルト保持部材において、前記エアーダクトと接続されるダクト接続部が、前記定着ニップ部より離れた領域に構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 前記加圧器の回転体が前記無端ベルトで構成されるとともに、当該無端ベルトを前記定着ニップ部で前記加熱器に対して押圧する押圧部材が弾性体で構成され、
    前記ベルト保持部材が、前記押圧部材の設置位置に対向する領域が覆うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 前記無端ベルトが回転可能な二本のローラーに巻き付けられ、
    前記ベルト保持部材が該二本のローラーそれぞれを軸支するとともに、該二本のローラーの間となる領域で前記エアーダクトと接続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置。
  7. 前記無端ベルトを押圧する弾性体が、シリコーン又はフッ素樹脂からなる弾性ゴム部材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の定着装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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