JP2004094079A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】待ち時間が無く(瞬時に)、任意の光沢度を持った画像が得られる定着装置を提供すること。
【解決手段】定着ローラ部材または加圧ローラ部材を可動にして、定着ニップ部の転写材搬送方向上流に、加圧ローラ部材へのベルト部材の巻き付き部を任意の角度に設けることを特徴とする定着装置。
【選択図】 図3
【解決手段】定着ローラ部材または加圧ローラ部材を可動にして、定着ニップ部の転写材搬送方向上流に、加圧ローラ部材へのベルト部材の巻き付き部を任意の角度に設けることを特徴とする定着装置。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に用いられるベルト部材を備える定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機、プリンタ、FAX等の電子写真方式の画像形成装置に用いられている定着装置として、弾性層を有して所定の温度に維持された発熱ゴムローラと、発熱ゴムローラに圧接し、弾性層を有する加圧ゴムローラとによって、未定着のトナー画像が形成された転写材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラ定着方式が多用されている。
【0003】
しかしながら、この種の装置では、発熱ゴムローラの熱抵抗や熱容量が大きいため、ウォーミングアップ時間が長くなると共に、弾性層内側の温度が高くなり、発熱ゴムローラの寿命を短くしていた。
【0004】
また、カラー画像ではベタ面積が大きい画像が多く、そのベタ画像も黒以外のものが多く光沢むらなどが目立つ。上記の発熱ゴムローラ及び加圧ゴムローラにハードローラを用いる場合は、転写材(記録紙)やトナー層の凹凸にローラ表面が追従しないため光沢むらが生じ、画像品位が低下するという問題点があった。
【0005】
これらの問題点を解決するために、定着部材として無端状のベルト部材(定着ベルト)を用い、複数のローラ部材により定着ベルトを支持張架するもので、定着ベルト内部の定着ローラ部材(定着ローラ)と、定着ベルトを挟んで定着ローラと対向する加圧ローラ(加圧ローラ部材)と、内部に定着ベルトを加熱する加熱部材を有する発熱ローラ(発熱ローラ部材)とを設け、定着ベルトの回転方向で、定着ローラの上流側に設けられる巻き付き部(ベルトニップ部)と、定着ローラと加圧ローラとの間に設けられる定着ニップ部とにて記録紙上のトナー像を定着するベルト部材を用いる定着装置が、例えば特許文献1により開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−307496号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−307496号公報等により開示されているベルト部材を用いる定着装置において、発熱ローラ(発熱ローラ部材)や定着ベルト(ベルト部材)の定着温度を変えて光沢度制御を行おうとすると、発熱ローラや定着ベルトの温度を変えるのに時間を要する。特に温度を下げる場合、放熱により温度が下がるのを待たなければならないという問題が起こる。
【0008】
本発明は上記の問題点を解決し、待ち時間が無く(瞬時に)、任意の光沢度を持った画像が得られる定着装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の一方において前記ベルト部材を張架する定着ローラ部材と、前記ベルト部材の他方において前記ベルト部材を張架し、内部に加熱部材を有する発熱ローラ部材と、前記ベルト部材を挟んで前記定着ローラ部材と対向する加圧ローラ部材とを少なくとも含む複数のローラ部材を備え、前記定着ローラ部材と対向する加圧ローラ部材を前記ベルト部材を介して定着ローラ部材に押圧して定着ニップ部を形成し、前記ベルト部材内部の発熱ローラ部材で前記ベルト部材を加熱し転写材上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ローラ部材または前記加圧ローラ部材を可動にして、前記定着ニップ部の転写材搬送方向上流に、前記加圧ローラ部材へのベルト部材の巻き付き部を任意の角度に設けることを特徴とする定着装置によって達成される。
【0010】
本発明は上記の如き構成をとることにより、待ち時間が無く(瞬時に)、任意の光沢度を持った画像が得られる定着装置の提供を可能とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構について、図1ないし図3を用いて説明する。図1は、本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図2は、本発明に係わる定着装置の一例の概要断面構成図であり、図3は、図2の定着装置に巻き付き部を設けた状態を示す図である。
【0013】
図1において、画像形成装置GSは、画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。
【0014】
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿Dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。この際、原稿台上から搬送される原稿Dは、光沢レベル選択手段として用いられる光沢度レベル検出センサPKaにより、原稿画像の光沢度、および原稿画像のモノクロ、カラーの判別や両面画像の判別が行われる。
【0015】
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書き込み部(露光手段)3Y、3M、3C、3Kに信号を送る。
【0016】
自動原稿送り装置201は自動両面原稿搬送手段を備えている。この自動原稿送り装置201は原稿載置台上から搬送される多数枚の原稿Dの内容を、連続して一挙に読み取り、記憶手段に蓄積する事が可能であるから(電子RDH機能)、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能により多数枚の原稿Dを送信する場合等に便利に使用される。
【0017】
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、定着手段としての定着装置17とからなる。
【0018】
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、像形成体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたYのトナー像形成手段としての帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及び像形成体クリーニング手段8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、像形成体としての感光体ドラム1Mと、Mのトナー像形成手段としての帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及び像形成体クリーニング手段8Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、像形成体としての感光体ドラム1Cと、Cのトナー像形成手段としての帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及び像形成体クリーニング手段8Cを有する。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、像形成体としての感光体ドラム1Kと、Kのトナー像形成手段としての帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及び像形成体クリーニング手段8Kを有する。帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施形態においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。
【0019】
中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
【0020】
画像形成プロセスの概要について以下に説明する。
画像形成部10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施形態においては正極性)の1次転写転写バイアス(不図示)が印加される1次転写手段としての1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(カラートナー像)が形成される。給紙カセット20A、20B、20C内に収容された記録紙Pは、給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ7Aに搬送され、記録紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(2次転写)。
【0021】
カラー画像が転写された記録紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
【0022】
転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
【0023】
一方、2次転写ローラ7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写体クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0024】
なお、上記画像形成プロセスにおいてはカラー画像形成にて説明したが、カラー画像形成のみならずモノクロ画像の形成や両面画像形成も行われることは勿論である。
【0025】
本発明に係わる定着装置17は、図2に示す構成となっていて、無端状のベルト部材からなる定着ベルト27と、定着ベルト27の内周面の一方において定着ベルト27を支持張架する定着ローラ17aと、内部に加熱部材としてのハロゲンランプHLaを有し定着ベルト27の内周面の他方において定着ベルト27を支持張架する発熱ローラ部材としての発熱ローラ17cと、定着ベルト27を挟んで定着ローラ17aと対向し、定着ローラ17aを押圧(加圧)する加圧ローラ17bとのローラ部材を備えて定着ベルト27を張架するものである。ベルト部材を張架するローラ部材としては、この他、テンションローラ等を含む複数のローラを用いてもよく、またローラ部材を必ずしもベルト部材の内周面に配設せず、ベルト部材の外周面に配設する構成としてもよい。
【0026】
発熱ローラ17cによって加熱される定着ベルト27を挟んで定着ローラ17aと対向する加圧ローラ17bを定着ローラ17aに押圧し、定着ローラ17aと加圧ローラ17bとの間に定着ニップ部Nbを形成し、また、加圧ローラ17bを1点鎖線で示すように移動させて、定着ニップ部Nbの上流で(定着ニップ部Nbに先行して)、定着ベルト27と加圧ローラ17bとの間に加圧ローラ17bに定着ベルト27を巻き付ける巻き付き部(ベルトニップ部)Naを形成し、該ベルトニップ部Naと定着ニップ部Nbとを通して熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)を定着するものである。
【0027】
当該定着ニップ部Nbの記録紙Pの搬送方向下流側には定着ローラ17aおよび加圧ローラ17bに対して分離爪BTa、BTbがそれぞれ設けられる。分離爪BTaはその先端部Paと、定着ローラ17aおよび加圧ローラ17bのそれぞれの中心を結ぶ直線PL1との角度をθ1(°)、また分離爪BTbはその先端部Pbと定着ローラ17aおよび加圧ローラ17bのそれぞれの中心を結ぶ直線PL1との角度をθ2(°)として配設される。角度θ1、θ2としては30〜40°程度として分離爪BTa、BTbが配設される。
【0028】
定着ベルト27としては、基体として内径60〜150mm程度で、厚さが20〜80μm程度のニッケル電鋳ベルト、或いは厚さが50〜200μm程度の耐熱性樹脂ベルトを基体として用い、該基体の外側(外周面)に、厚さ100〜500μm程度のシリコンゴムを被覆したものに、離型層として表面に厚さ30〜50μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)やPTFEコーティング加工を施し、或いはPFAチューブを被覆したものを用いる。
【0029】
定着ローラ17aは、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼管)等のスチール材を用いた、肉厚2〜5mm程度の円筒状の金属パイプ171aと、該金属パイプ171aの外周面に厚さ0.5〜5mmのシリコンゴム層172aを設け、さらに該シリコンゴム層172aの外側に厚さ30〜70μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブ173aとからなる、外径25〜70mm程度のソフトローラとして構成される。
【0030】
加圧ローラ17bは、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼管)等のスチール材やアルミ材を用いた、肉厚2〜5mm程度の円筒状の金属パイプ171bと、該金属パイプ171bの外周面に厚さ1〜3mmのシリコンゴム層172bを設け、さらに該シリコンゴム層172bの外側に厚さ20〜50μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブを用いた離型層173bとからなる、外径40〜80mm程度のソフトローラとして構成される。また加圧ローラ17bの内部に、図に点線で示すように、加熱部材としてのハロゲンランプHLaを設けてもよい。
【0031】
内部に定着ベルト27を加熱する加熱部材としてのハロゲンヒータHLaが設けられる発熱ローラ17cは、基体として例えばアルミ材を用いた、肉厚1〜2mm程度の円筒状の金属パイプ171cと、該金属パイプ171cの外周面に厚さ10〜30μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)コーティング172cとを形成した、外径30〜70mm程度のローラ部材として構成される。当該発熱ローラ17cの両端部には、定着ベルト27の片寄りを防止するための規制部材としてリング状の鍔Tbが嵌入されて設けられる。また図に太線矢印で示すように、定着ローラ17aに対して発熱ローラ17cが付勢され、定着ベルト27が張架される。
【0032】
不図示の駆動モータにより定着ローラ17aを回転駆動し、定着ローラ17aの回転により定着ベルト27を支持搬送させて従動回転させる。加圧ローラ17bを回転駆動し、加圧ローラ17bにより定着ベルト27を支持搬送し、定着ベルト27を従動回転させるようにしてもよい。
【0033】
定着ベルト27と加圧ローラ17bとの間に形成されるベルトニップ部Naと、定着ローラ17aと加圧ローラ17bとの間に形成させる定着ニップ部Nbとにより、進入ガイド板17sを通して定着領域へ進入される記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)を加圧加熱し、記録紙P上に固着定着させる。
【0034】
また、発熱ローラ17cに接触する温度検知手段としての温度センサTS1を設け、発熱ローラ17cの温度制御を行う。温度検知手段としては、その他非接触の温度センサを用いることも可能である。
【0035】
上記の発熱ローラ17cや定着ベルト27の定着温度を変えて記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)の光沢度制御を行おうとすると、発熱ローラ17cや定着ベルト27の温度を変えるのに時間を要し、特に温度を下げる場合は、放熱により温度が下がるのを待たなければならない。本発明は、図2にて説明した定着装置17の構成において、図3に示すように、定着ベルト27を挟んで該加圧ローラ17bと定着ローラ17aとで形成される定着ニップ部Nbの記録紙Pの搬送方向上流に、図3に実線矢印で示すように加圧ローラ17bを動かして(移動させて)、巻き付き部(ベルトニップ部)Naを設けるようにし、定着ベルト27と加圧ローラ17bとの間の巻き付き角度θ3(°)を変えて、巻き付き部(ベルトニップ部)Naを可変(任意の角度)に設け、定着画像の光沢度を変更するものである。これにより、定着時に、記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)が待ち時間無く(瞬時に)光沢度が可変とされる。また、任意の光沢度を持った画像(トナー像)が得られる。巻き付き角度θ3が大きいと光沢度は高くなり、巻き付き角度θ3が小さいと光沢度は低くなる。なお図3に点線矢印で示すように、定着ローラ17aを移動させ、定着ベルト27と加圧ローラ17bとの間の巻き付き角度θ3(°)を生じさせるようにして、任意な角度でベルトニップ部Naを形成するようにしてもよい。
【0036】
上記の如く、加圧ローラ17b或いは定着ローラ17aを移動して定着ベルト27の加圧ローラ17bへのベルトニップ部Naの巻き付き角度を変更した際に、記録紙Pの搬送方向下流側の定着ニップ部Nbの位置が変化するため、図3に示すように、加圧ローラ17b或いは定着ローラ17aの移動に合わせて、分離爪BTaの先端部Paと、定着ローラ17aおよび加圧ローラ17bのそれぞれの中心を結ぶ直線PL1との角度θ1(°)、および分離爪BTbの先端部Pbと定着ローラ17aおよび加圧ローラ17bのそれぞれの中心を結ぶ直線PL1との角度θ2(°)とを一定の範囲内、例えば前述した30〜40°程度の範囲内に保つようにして、分離爪BTaや分離爪BTbも移動させるようにする。
【0037】
角度θ1、θ2が一定の範囲を越えて大きく、分離爪BTaの先端部Paと定着ローラ17aとの距離、或いは分離爪BTbの先端部Pbと加圧ローラ17bとの距離が離れてしまうと、記録紙Pが分離する位置が不安定となり光沢むらが発生することがある。分離爪BTaの先端部Paと定着ローラ17aとの距離、或いは分離爪BTbの先端部Pbと加圧ローラ17bとの距離が大きいとき、記録紙Pの腰で自動的に剥がれてしまう場合と、剥がれない場合とがあり、記録紙Pの腰が強いものなら自動的に剥がれるが、腰が弱いと記録紙Pが巻き付いてしまう。丁度分離爪BTa、BTbまで行って剥がれる場合と、分離爪BTa、BTbまで行かなくて剥がれてしまう場合とがあるが、その境目に来るような位置(適正位置)に分離爪BTa、BTbがこないと記録紙Pの剥がれる位置が安定しない。これが安定しないと光沢むらが生じてしまう。また、角度θ1、θ2が一定の範囲内より小さく、分離爪BTaの先端部Paと定着ローラ17aとの距離、或いは分離爪BTbの先端部Pbと加圧ローラ17bとの距離が狭まり過ぎてしまうと、記録紙Pの腰が強く効きすぎ画像(トナー像)が柔らか過ぎた状態で分離爪BTaや分離爪BTbに押し付けられ(擦られ)て、分離爪BTaや分離爪BTbによる画像擦りが発生する。
【0038】
本発明は上記の如く、加圧ローラ17b或いは定着ローラ17aの移動によるベルトニップ部Naの巻き付き角度の変更に加えて、加圧ローラ17b或いは定着ローラ17aの移動に合わせて、分離爪BTa、BTbを当該適正位置に配設するものでもある。
【0039】
本発明は上記の如き構成をとることにより、待ち時間無く(瞬時に)、任意の光沢度を持った画像が得られる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、待ち時間が無く(瞬時に)、任意の光沢度を持った画像が得られる定着装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】本発明に係わる定着装置の一例の概要断面構成図である。
【図3】図2の定着装置に巻き付き部を設けた状態を示す図である。
【符号の説明】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム
2Y,2M,2C,2K 帯電手段
3Y,3M,3C,3K 露光手段
4Y,4M,4C,4K 現像装置
7A 2次転写ローラ
7Y,7M,7C,7K 1次転写ローラ
8A 中間転写体クリーニング手段
8Y,8M,8C,8K 像形成体クリーニング手段
10Y,10M,10C,10K 画像形成部
17 定着装置
17a 定着ローラ
17b 加圧ローラ
17c 発熱ローラ
17s 進入ガイド板
27 定着ベルト
BTa,BTb 分離爪
HLa ハロゲンランプ
Na ベルトニップ部(巻き付き部)
Nb 定着ニップ部
P 記録紙
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に用いられるベルト部材を備える定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機、プリンタ、FAX等の電子写真方式の画像形成装置に用いられている定着装置として、弾性層を有して所定の温度に維持された発熱ゴムローラと、発熱ゴムローラに圧接し、弾性層を有する加圧ゴムローラとによって、未定着のトナー画像が形成された転写材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラ定着方式が多用されている。
【0003】
しかしながら、この種の装置では、発熱ゴムローラの熱抵抗や熱容量が大きいため、ウォーミングアップ時間が長くなると共に、弾性層内側の温度が高くなり、発熱ゴムローラの寿命を短くしていた。
【0004】
また、カラー画像ではベタ面積が大きい画像が多く、そのベタ画像も黒以外のものが多く光沢むらなどが目立つ。上記の発熱ゴムローラ及び加圧ゴムローラにハードローラを用いる場合は、転写材(記録紙)やトナー層の凹凸にローラ表面が追従しないため光沢むらが生じ、画像品位が低下するという問題点があった。
【0005】
これらの問題点を解決するために、定着部材として無端状のベルト部材(定着ベルト)を用い、複数のローラ部材により定着ベルトを支持張架するもので、定着ベルト内部の定着ローラ部材(定着ローラ)と、定着ベルトを挟んで定着ローラと対向する加圧ローラ(加圧ローラ部材)と、内部に定着ベルトを加熱する加熱部材を有する発熱ローラ(発熱ローラ部材)とを設け、定着ベルトの回転方向で、定着ローラの上流側に設けられる巻き付き部(ベルトニップ部)と、定着ローラと加圧ローラとの間に設けられる定着ニップ部とにて記録紙上のトナー像を定着するベルト部材を用いる定着装置が、例えば特許文献1により開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−307496号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−307496号公報等により開示されているベルト部材を用いる定着装置において、発熱ローラ(発熱ローラ部材)や定着ベルト(ベルト部材)の定着温度を変えて光沢度制御を行おうとすると、発熱ローラや定着ベルトの温度を変えるのに時間を要する。特に温度を下げる場合、放熱により温度が下がるのを待たなければならないという問題が起こる。
【0008】
本発明は上記の問題点を解決し、待ち時間が無く(瞬時に)、任意の光沢度を持った画像が得られる定着装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の一方において前記ベルト部材を張架する定着ローラ部材と、前記ベルト部材の他方において前記ベルト部材を張架し、内部に加熱部材を有する発熱ローラ部材と、前記ベルト部材を挟んで前記定着ローラ部材と対向する加圧ローラ部材とを少なくとも含む複数のローラ部材を備え、前記定着ローラ部材と対向する加圧ローラ部材を前記ベルト部材を介して定着ローラ部材に押圧して定着ニップ部を形成し、前記ベルト部材内部の発熱ローラ部材で前記ベルト部材を加熱し転写材上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ローラ部材または前記加圧ローラ部材を可動にして、前記定着ニップ部の転写材搬送方向上流に、前記加圧ローラ部材へのベルト部材の巻き付き部を任意の角度に設けることを特徴とする定着装置によって達成される。
【0010】
本発明は上記の如き構成をとることにより、待ち時間が無く(瞬時に)、任意の光沢度を持った画像が得られる定着装置の提供を可能とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構について、図1ないし図3を用いて説明する。図1は、本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図2は、本発明に係わる定着装置の一例の概要断面構成図であり、図3は、図2の定着装置に巻き付き部を設けた状態を示す図である。
【0013】
図1において、画像形成装置GSは、画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。
【0014】
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿Dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。この際、原稿台上から搬送される原稿Dは、光沢レベル選択手段として用いられる光沢度レベル検出センサPKaにより、原稿画像の光沢度、および原稿画像のモノクロ、カラーの判別や両面画像の判別が行われる。
【0015】
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書き込み部(露光手段)3Y、3M、3C、3Kに信号を送る。
【0016】
自動原稿送り装置201は自動両面原稿搬送手段を備えている。この自動原稿送り装置201は原稿載置台上から搬送される多数枚の原稿Dの内容を、連続して一挙に読み取り、記憶手段に蓄積する事が可能であるから(電子RDH機能)、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能により多数枚の原稿Dを送信する場合等に便利に使用される。
【0017】
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、定着手段としての定着装置17とからなる。
【0018】
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、像形成体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたYのトナー像形成手段としての帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及び像形成体クリーニング手段8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、像形成体としての感光体ドラム1Mと、Mのトナー像形成手段としての帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及び像形成体クリーニング手段8Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、像形成体としての感光体ドラム1Cと、Cのトナー像形成手段としての帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及び像形成体クリーニング手段8Cを有する。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、像形成体としての感光体ドラム1Kと、Kのトナー像形成手段としての帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及び像形成体クリーニング手段8Kを有する。帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施形態においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。
【0019】
中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
【0020】
画像形成プロセスの概要について以下に説明する。
画像形成部10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施形態においては正極性)の1次転写転写バイアス(不図示)が印加される1次転写手段としての1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(カラートナー像)が形成される。給紙カセット20A、20B、20C内に収容された記録紙Pは、給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ7Aに搬送され、記録紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(2次転写)。
【0021】
カラー画像が転写された記録紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
【0022】
転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
【0023】
一方、2次転写ローラ7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写体クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0024】
なお、上記画像形成プロセスにおいてはカラー画像形成にて説明したが、カラー画像形成のみならずモノクロ画像の形成や両面画像形成も行われることは勿論である。
【0025】
本発明に係わる定着装置17は、図2に示す構成となっていて、無端状のベルト部材からなる定着ベルト27と、定着ベルト27の内周面の一方において定着ベルト27を支持張架する定着ローラ17aと、内部に加熱部材としてのハロゲンランプHLaを有し定着ベルト27の内周面の他方において定着ベルト27を支持張架する発熱ローラ部材としての発熱ローラ17cと、定着ベルト27を挟んで定着ローラ17aと対向し、定着ローラ17aを押圧(加圧)する加圧ローラ17bとのローラ部材を備えて定着ベルト27を張架するものである。ベルト部材を張架するローラ部材としては、この他、テンションローラ等を含む複数のローラを用いてもよく、またローラ部材を必ずしもベルト部材の内周面に配設せず、ベルト部材の外周面に配設する構成としてもよい。
【0026】
発熱ローラ17cによって加熱される定着ベルト27を挟んで定着ローラ17aと対向する加圧ローラ17bを定着ローラ17aに押圧し、定着ローラ17aと加圧ローラ17bとの間に定着ニップ部Nbを形成し、また、加圧ローラ17bを1点鎖線で示すように移動させて、定着ニップ部Nbの上流で(定着ニップ部Nbに先行して)、定着ベルト27と加圧ローラ17bとの間に加圧ローラ17bに定着ベルト27を巻き付ける巻き付き部(ベルトニップ部)Naを形成し、該ベルトニップ部Naと定着ニップ部Nbとを通して熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)を定着するものである。
【0027】
当該定着ニップ部Nbの記録紙Pの搬送方向下流側には定着ローラ17aおよび加圧ローラ17bに対して分離爪BTa、BTbがそれぞれ設けられる。分離爪BTaはその先端部Paと、定着ローラ17aおよび加圧ローラ17bのそれぞれの中心を結ぶ直線PL1との角度をθ1(°)、また分離爪BTbはその先端部Pbと定着ローラ17aおよび加圧ローラ17bのそれぞれの中心を結ぶ直線PL1との角度をθ2(°)として配設される。角度θ1、θ2としては30〜40°程度として分離爪BTa、BTbが配設される。
【0028】
定着ベルト27としては、基体として内径60〜150mm程度で、厚さが20〜80μm程度のニッケル電鋳ベルト、或いは厚さが50〜200μm程度の耐熱性樹脂ベルトを基体として用い、該基体の外側(外周面)に、厚さ100〜500μm程度のシリコンゴムを被覆したものに、離型層として表面に厚さ30〜50μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)やPTFEコーティング加工を施し、或いはPFAチューブを被覆したものを用いる。
【0029】
定着ローラ17aは、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼管)等のスチール材を用いた、肉厚2〜5mm程度の円筒状の金属パイプ171aと、該金属パイプ171aの外周面に厚さ0.5〜5mmのシリコンゴム層172aを設け、さらに該シリコンゴム層172aの外側に厚さ30〜70μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブ173aとからなる、外径25〜70mm程度のソフトローラとして構成される。
【0030】
加圧ローラ17bは、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼管)等のスチール材やアルミ材を用いた、肉厚2〜5mm程度の円筒状の金属パイプ171bと、該金属パイプ171bの外周面に厚さ1〜3mmのシリコンゴム層172bを設け、さらに該シリコンゴム層172bの外側に厚さ20〜50μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブを用いた離型層173bとからなる、外径40〜80mm程度のソフトローラとして構成される。また加圧ローラ17bの内部に、図に点線で示すように、加熱部材としてのハロゲンランプHLaを設けてもよい。
【0031】
内部に定着ベルト27を加熱する加熱部材としてのハロゲンヒータHLaが設けられる発熱ローラ17cは、基体として例えばアルミ材を用いた、肉厚1〜2mm程度の円筒状の金属パイプ171cと、該金属パイプ171cの外周面に厚さ10〜30μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)コーティング172cとを形成した、外径30〜70mm程度のローラ部材として構成される。当該発熱ローラ17cの両端部には、定着ベルト27の片寄りを防止するための規制部材としてリング状の鍔Tbが嵌入されて設けられる。また図に太線矢印で示すように、定着ローラ17aに対して発熱ローラ17cが付勢され、定着ベルト27が張架される。
【0032】
不図示の駆動モータにより定着ローラ17aを回転駆動し、定着ローラ17aの回転により定着ベルト27を支持搬送させて従動回転させる。加圧ローラ17bを回転駆動し、加圧ローラ17bにより定着ベルト27を支持搬送し、定着ベルト27を従動回転させるようにしてもよい。
【0033】
定着ベルト27と加圧ローラ17bとの間に形成されるベルトニップ部Naと、定着ローラ17aと加圧ローラ17bとの間に形成させる定着ニップ部Nbとにより、進入ガイド板17sを通して定着領域へ進入される記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)を加圧加熱し、記録紙P上に固着定着させる。
【0034】
また、発熱ローラ17cに接触する温度検知手段としての温度センサTS1を設け、発熱ローラ17cの温度制御を行う。温度検知手段としては、その他非接触の温度センサを用いることも可能である。
【0035】
上記の発熱ローラ17cや定着ベルト27の定着温度を変えて記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)の光沢度制御を行おうとすると、発熱ローラ17cや定着ベルト27の温度を変えるのに時間を要し、特に温度を下げる場合は、放熱により温度が下がるのを待たなければならない。本発明は、図2にて説明した定着装置17の構成において、図3に示すように、定着ベルト27を挟んで該加圧ローラ17bと定着ローラ17aとで形成される定着ニップ部Nbの記録紙Pの搬送方向上流に、図3に実線矢印で示すように加圧ローラ17bを動かして(移動させて)、巻き付き部(ベルトニップ部)Naを設けるようにし、定着ベルト27と加圧ローラ17bとの間の巻き付き角度θ3(°)を変えて、巻き付き部(ベルトニップ部)Naを可変(任意の角度)に設け、定着画像の光沢度を変更するものである。これにより、定着時に、記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)が待ち時間無く(瞬時に)光沢度が可変とされる。また、任意の光沢度を持った画像(トナー像)が得られる。巻き付き角度θ3が大きいと光沢度は高くなり、巻き付き角度θ3が小さいと光沢度は低くなる。なお図3に点線矢印で示すように、定着ローラ17aを移動させ、定着ベルト27と加圧ローラ17bとの間の巻き付き角度θ3(°)を生じさせるようにして、任意な角度でベルトニップ部Naを形成するようにしてもよい。
【0036】
上記の如く、加圧ローラ17b或いは定着ローラ17aを移動して定着ベルト27の加圧ローラ17bへのベルトニップ部Naの巻き付き角度を変更した際に、記録紙Pの搬送方向下流側の定着ニップ部Nbの位置が変化するため、図3に示すように、加圧ローラ17b或いは定着ローラ17aの移動に合わせて、分離爪BTaの先端部Paと、定着ローラ17aおよび加圧ローラ17bのそれぞれの中心を結ぶ直線PL1との角度θ1(°)、および分離爪BTbの先端部Pbと定着ローラ17aおよび加圧ローラ17bのそれぞれの中心を結ぶ直線PL1との角度θ2(°)とを一定の範囲内、例えば前述した30〜40°程度の範囲内に保つようにして、分離爪BTaや分離爪BTbも移動させるようにする。
【0037】
角度θ1、θ2が一定の範囲を越えて大きく、分離爪BTaの先端部Paと定着ローラ17aとの距離、或いは分離爪BTbの先端部Pbと加圧ローラ17bとの距離が離れてしまうと、記録紙Pが分離する位置が不安定となり光沢むらが発生することがある。分離爪BTaの先端部Paと定着ローラ17aとの距離、或いは分離爪BTbの先端部Pbと加圧ローラ17bとの距離が大きいとき、記録紙Pの腰で自動的に剥がれてしまう場合と、剥がれない場合とがあり、記録紙Pの腰が強いものなら自動的に剥がれるが、腰が弱いと記録紙Pが巻き付いてしまう。丁度分離爪BTa、BTbまで行って剥がれる場合と、分離爪BTa、BTbまで行かなくて剥がれてしまう場合とがあるが、その境目に来るような位置(適正位置)に分離爪BTa、BTbがこないと記録紙Pの剥がれる位置が安定しない。これが安定しないと光沢むらが生じてしまう。また、角度θ1、θ2が一定の範囲内より小さく、分離爪BTaの先端部Paと定着ローラ17aとの距離、或いは分離爪BTbの先端部Pbと加圧ローラ17bとの距離が狭まり過ぎてしまうと、記録紙Pの腰が強く効きすぎ画像(トナー像)が柔らか過ぎた状態で分離爪BTaや分離爪BTbに押し付けられ(擦られ)て、分離爪BTaや分離爪BTbによる画像擦りが発生する。
【0038】
本発明は上記の如く、加圧ローラ17b或いは定着ローラ17aの移動によるベルトニップ部Naの巻き付き角度の変更に加えて、加圧ローラ17b或いは定着ローラ17aの移動に合わせて、分離爪BTa、BTbを当該適正位置に配設するものでもある。
【0039】
本発明は上記の如き構成をとることにより、待ち時間無く(瞬時に)、任意の光沢度を持った画像が得られる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、待ち時間が無く(瞬時に)、任意の光沢度を持った画像が得られる定着装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】本発明に係わる定着装置の一例の概要断面構成図である。
【図3】図2の定着装置に巻き付き部を設けた状態を示す図である。
【符号の説明】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム
2Y,2M,2C,2K 帯電手段
3Y,3M,3C,3K 露光手段
4Y,4M,4C,4K 現像装置
7A 2次転写ローラ
7Y,7M,7C,7K 1次転写ローラ
8A 中間転写体クリーニング手段
8Y,8M,8C,8K 像形成体クリーニング手段
10Y,10M,10C,10K 画像形成部
17 定着装置
17a 定着ローラ
17b 加圧ローラ
17c 発熱ローラ
17s 進入ガイド板
27 定着ベルト
BTa,BTb 分離爪
HLa ハロゲンランプ
Na ベルトニップ部(巻き付き部)
Nb 定着ニップ部
P 記録紙
Claims (2)
- 無端状のベルト部材と、
前記ベルト部材の一方において前記ベルト部材を張架する定着ローラ部材と、
前記ベルト部材の他方において前記ベルト部材を張架し、内部に加熱部材を有する発熱ローラ部材と、
前記ベルト部材を挟んで前記定着ローラ部材と対向する加圧ローラ部材とを少なくとも含む複数のローラ部材を備え、
前記定着ローラ部材と対向する加圧ローラ部材を前記ベルト部材を介して定着ローラ部材に押圧して定着ニップ部を形成し、
前記ベルト部材内部の発熱ローラ部材で前記ベルト部材を加熱し転写材上のトナー像を定着する定着装置において、
前記定着ローラ部材または前記加圧ローラ部材を可動にして、前記定着ニップ部の転写材搬送方向上流に、前記加圧ローラ部材へのベルト部材の巻き付き部を任意の角度に設けることを特徴とする定着装置。 - 前記定着ニップ部の、前記定着ローラ部材および前記加圧ローラ部材の一方または両方の下流側に分離爪を設け、前記定着ローラ部材または前記加圧ローラ部材を移動して前記加圧ローラ部材へのベルト部材の巻き付き部の角度を変更したとき、前記分離爪を前記定着ニップ部からの角度を一定に保つことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
Priority Applications (1)
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JP2002257506A JP2004094079A (ja) | 2002-09-03 | 2002-09-03 | 定着装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006113238A (ja) * | 2004-10-14 | 2006-04-27 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置 |
US7991338B2 (en) | 2007-07-30 | 2011-08-02 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Belt-type fixing device and image forming apparatus |
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JP2014095735A (ja) * | 2012-11-07 | 2014-05-22 | Konica Minolta Inc | 定着装置及び画像形成装置 |
JP2018151580A (ja) * | 2017-03-14 | 2018-09-27 | 富士ゼロックス株式会社 | 定着装置及び画像形成装置 |
-
2002
- 2002-09-03 JP JP2002257506A patent/JP2004094079A/ja active Pending
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