JP2011140636A - インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクセットを構成する各インクについて耐オゾン性及び耐キセノン光性が高いレベルで両立され、かつ、そのバランスにも優れたインクセットなどを提供すること。
【解決方法】 Cインク、Mインク、及び、Yインクで構成されるインクセットであって、前記Cインクが含有するC染料、前記Mインクが含有するM染料、及び、前記Yインクが含有するY染料、の組み合わせが、特定条件の耐オゾン性試験の前後、及び、特定条件の耐キセノン光性試験の前後についての、前記C染料を含有する評価用Cインク、前記M染料を含有する評価用Mインク、及び、前記Y染料を含有する評価用Yインクで形成した画像のOD残存率が、各評価用インクについて70%以上であり、かつ、各評価用インクで形成した画像間のOD残存率の差の最大値が15以下であることを満たすように選択されてなるインクセット。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェット記録方法により得られる記録物の画質向上は著しく、記録物を展示するなどして長期間保存することが増えてきている。このため、発色性だけでなく画像保存性にも優れた画像を形成可能なインクが求められるようになっている。画像保存性としては、耐ガス性及び耐光性、耐湿性、耐水性などの様々な特性が挙げられるが、記録物の展示を想定すると、画像保存性の中でも耐ガス性及び耐光性を特に向上することが必要とされている。
インクジェット用のインクに用いられる色材としては染料と顔料が挙げられる。染料を含有するインクは、顔料を含有するインクと比較して、発色性が良好であり、光沢を有する記録媒体を用いることで光沢感に優れた画像を形成できる。しかし、染料を含有するインクにより得られる画像の耐ガス性及び耐光性は、顔料を含有するインクと比較してその性能が劣っている。
従来、染料を含有するインクで形成した画像の耐ガス性や耐光性を向上させる手段としては、染料の分子構造を改良する検討が主流であった。しかし、分子構造の工夫によりある1色のインクについて、得られる画像の耐ガス性や耐光性を向上させただけでは、十分な画像保存性が得られているとは言い難い。これは、複数のインクで形成された画像間で耐光性や耐ガス性の性能が異なる場合、性能の低いインクにより形成された画像領域が、他のインクで形成された画像領域よりも早く退色ないしは変色するため、画像全体としてのバランスが不十分となるためである。
画像全体としての画像保存性のバランスを向上する方法として、各インクの劣化速度をそろえることに関する提案がある(特許文献1及び2)。これらの特許文献1及び2では、インクセットを構成する各インクについて、単色の耐オゾン性又は耐光性を向上させることと、各インクで形成した画像間の耐光性又は耐オゾン性の性能をそろえることが開示されている。特許文献3には、インクに使用する色材を工夫することで、インク自体の性能を向上させ、また、複数のインク間における画像保存性のバランスをとり、さらに、耐オゾン性と耐蛍光灯性の向上を両立することが記載されている。また、染料の会合性を高め、画像の堅牢性を向上させること(特許文献4)や、堅牢性が相対的に劣るイエロー染料として特定の構造を有するものを使用し、他のインクと同等の堅牢性を有するようにすること(特許文献5)に関する提案もある。
特開2004−107633号公報 特開2004−107638号公報 特開2008−081693号公報 特開2005−162823号公報 特開2007−138124号公報
本発明者らは、上記の各特許文献に記載されているようなインクセットを用いて作製した記録物を様々な条件の場所に展示した場合の画像保存性を評価するために、耐オゾン性試験及び耐キセノン光性試験を行った。
その結果、耐光性の観点でバランスを考慮した特許文献1、また、耐オゾン性の観点でバランスを考慮した特許文献2に記載されたインクセットでは、それぞれの試験において確かにバランスの点に関してはある程度改善されていることがわかった。しかし、これらの特許文献に記載された各インクは、インク自体の性能がそもそも低いため、試験前の画像と比較してその画像保存性が十分であるとは言えないうえ、耐オゾン性及び耐キセノン光性を両立することもできていないことがわかった。また、記録物を様々な環境に展示した場合の光に対する画像堅牢性を考慮した場合、耐光性の性能を判断するためには、太陽光に波長が近いキセノン光に対する性能で判断する必要がある。しかし、耐蛍光灯性のバランスを考慮している特許文献3に記載されたインクセットは、耐キセノン光性に関して十分な性能を有するものではないことがわかった。さらに、特許文献4及び5に記載されたインクセットは、3種のインクの堅牢性がある程度そろっており、耐オゾン性及び耐キセノン光性についても両立してはいるが、近年要求される高いレベルの画像保存性を満足していないことがわかった。
したがって、本発明の目的は、インクセットを構成する各インクについて耐オゾン性及び耐キセノン光性が高いレベルで両立され、かつ、各インクにおける耐オゾン性及び耐キセノン光性のバランスにも優れたインクセットを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクセットを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明のインクセットは、シアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクで構成されるインクセットであって、前記シアンインクが含有するシアン染料、前記マゼンタインクが含有するマゼンタ染料、及び、前記イエローインクが含有するイエロー染料、の組み合わせが、積算オゾン濃度を800ppm・hrとした耐オゾン性試験の前後、及び、積算放射照度を43,800klx・hrとした耐キセノン光性試験の前後についての、前記シアン染料を含有する評価用シアンインク、前記マゼンタ染料を含有する評価用マゼンタインク、及び、前記イエロー染料を含有する評価用イエローインクで形成した画像の光学濃度残存率が、各評価用インクについて70%以上であり、かつ、各評価用インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が15以下であることを満たすように選択されてなることを特徴とする。
本発明によれば、インクセットを構成する各インクについて耐オゾン性及び耐キセノン光性が高いレベルで両立され、かつ、各インクにおける耐オゾン性及び耐キセノン光性のバランスにも優れたインクセットを提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、前記インクセットを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
近年、染料を含有するインクを用いたインクジェット記録方法で形成した画像に対しては、画像を保存する環境においてその劣化を引き起こす主たる原因であるガスと光の両方に対する強い耐性を有することが必須の条件であるとされている。そこで、本発明者らは、画像が保存される様々な環境を想定し、オゾンガスに対する画像保存性(耐オゾン性)と太陽光に波長が近いキセノン光に対する画像保存性(耐キセノン光性)を共に高いレベルで両立することが重要であると考えた。さらに、インクの色相としては、減法混色の基本色であるシアン、マゼンタ、及びイエローの3種のインクが形成される画像に与える影響が大きく、これらのインクがそれぞれ、耐オゾン性及び耐キセノン光性を高いレベルで両立する必要がある。また、インクで形成した画像の劣化を視覚的に感じさせないようにするためには、上記の条件に加えて、3種のインクで形成した各画像の劣化挙動のバランスがとれている必要がある。各インクの耐オゾン性及び耐キセノン光性が低い場合、劣化挙動のバランスが揃っていても退色が素早く進みやすく、画像の劣化を視覚的に感じてしまうためである。一方、3種のインクの劣化挙動が異なり、バランスが揃っていない場合、各インクの耐オゾン性及び耐キセノン光性が高くても、一部のインクによる画像部分のみにおいて変色が素早く進みやすく、この場合も画像の劣化を視覚的に感じてしまうためである。
インクジェット記録方法により得られた画像は、そのまま展示するような場合もあれば、ガラスが張られた額縁に納めおくような場合など、様々な環境に保存される。そこで、本発明者らは、画像を保存する環境における、オゾンガス及びキセノン光に関する画像の劣化挙動と、加速試験との相関をとることにより、画像の劣化を視覚的に感じないレベルが保たれる耐オゾン性及び耐キセノン光性の試験条件に関して検討を行った。
先ず、画像が保存される様々な環境の中でも特にオゾンガスの影響を受ける状況としては、画像をそのままの状態で風通しのよい環境に展示しておく場合が挙げられる。このような環境下で画像を保存する場合、約20年相当の期間、画像の劣化を視覚的に感じないことが要求される。一方、上記以外の環境下で画像を保存する場合は、オゾンガスが画像に及ぼす影響は相対的に少ないことから、上記の条件を満足していれば実際に画像を保存する環境がどのようなものであっても、画像の劣化が実質的に生じないと言える。オゾンガスによる20年相当の画像の劣化を再現するための加速試験としては、積算オゾン濃度800ppm・hrの暴露が必要である。この加速試験は、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA〔登録商標、以下も同様〕)発行のデジタルカラー写真プリント画像保存性試験方法(JEITA CP−3901)に準じるものである。
次に、画像が保存される様々な環境の中でも特に光による影響を受ける状況としては、ガラスが張られた額縁に納められた画像が、ガラス窓越しに太陽光を受ける場合である。このような環境下で画像を保存する場合、約40年相当の期間、画像の劣化を視覚的に感じないことが要求される。一方、上記以外の環境下で画像を保存する場合は、光が画像に及ぼす影響は相対的に少ないことから、上記の条件を満足していれば実際に画像を保存する環境がどのようなものであっても、画像の劣化が実質的に生じないと言える。キセノン光による40年相当の画像の劣化を再現するための加速試験としては、積算放射照度43,800klx・hrの暴露が必要である。この加速試験も上記の耐オゾン性と同様に、JEITA CP−3901に準じるものである。
まとめると、画像が保存される様々な環境を想定すると、以下の条件を満足する必要がある。すなわち、耐オゾン性については積算オゾン濃度800ppm・hr、また、耐キセノン光性については積算放射照度43,800klx・hrの各条件で加速試験を行い、各インクの性能及びインク間の劣化挙動をある一定の範囲内に納める必要がある。そして、耐オゾン性及び耐キセノン光性のそれぞれについて、上記の条件に基づく加速試験(試験条件の詳細は後述する)の前後における画像について測定した光学濃度の値から光学濃度残存率の値(算出方法の詳細は後述する)を算出し、画像の状態を評価する。
JEITA CP−3901によれば、各インクで形成した画像の光学濃度残存率が70%以上、また、ブラック画像における各色成分の光学濃度残存率の差が15以内であれば画像の劣化が認識されないことが認定されている。後者に関して、ブラック画像を形成するための一部のインクのみにおいて変色が素早く進むと、ブラック画像としての劣化を視覚的に感じやすくなる。このため、ブラック画像を形成する各インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が15以下であれば、ブラック画像としての変色が認識されないと言える。一方、インクで形成した画像の光学濃度残存率が70%未満であると、該インク自体の性能が不十分であるため、退色による画像の劣化が認識されてしまう。また、各インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が15を越えると、画像の変色による劣化が認識されてしまう。
上記の条件に基づく耐オゾン性試験及び耐キセノン光性試験を行って、各インクで形成した画像の光学濃度残存率が70%以上、また、各インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が15以下であれば、優れた画像保存性が達成される。本発明においては、さらに好適には、耐オゾン性試験及び耐キセノン光性試験に関して、下記の各条件においても上記の光学濃度残存率及びその差の最大値を満足することで、特に優れた画像保存性を達成することができる。
すなわち、積算オゾン濃度1,000ppm・hrの条件で耐オゾン性試験を行った場合でも、各インクで形成した画像の光学濃度残存率が70%以上、また、各インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が15以下であることが好ましい。積算オゾン濃度1,000ppm・hrの条件での耐オゾン性試験は、オゾンガスによる25年相当の画像の劣化を再現するための加速試験である。また、積算放射照度65,700klx・hrの条件で耐キセノン光性試験を行った場合でも、各インクで形成した画像の光学濃度残存率が70%以上、また、各インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が15以下であることが好ましい。積算放射照度65,700klx・hrの条件での耐キセノン光性試験は、キセノン光による60年相当の画像の劣化を再現するための加速試験である。なお、これらの加速試験も、JEITA CP−3901に準じるものである。
上記の各試験条件のもとで、光学濃度残存率の差の最大値が15以下であれば画像を保存する環境におけるバランスの崩れが認識されることはないが、本発明においては特に、光学濃度残存率の差の最大値が10以下であることを満足することが好ましい。
(光学濃度残存率)
上述の耐オゾン性試験及び耐キセノン光性試験の前後における画像の状態は光学濃度残存率により評価を行うが、ここで、光学濃度残存率の算出方法を説明する。先ず、シアン染料、マゼンタ染料、及び、イエロー染料をそれぞれに含有する、評価用シアンインク、評価用マゼンタインク、及び、評価用イエローインクを用意する。なお、評価用インクについては後述する。そして、各評価用インクをそれぞれ単独で用いて、記録デューティを段階的に変化させたベタ画像を形成する。そして、各ベタ画像について光学濃度を測定する。後述する実施例では、光源D50、視野2度、入射45°、受光0°の条件で、分光光度計(Spectrolino;Gretag Macbeth製)を用いて光学濃度を測定した。そして、光学濃度が1.0±10%の画像領域の光学濃度を「試験前の光学濃度」とする。なお、光学濃度1.0付近はインクジェット記録方法により得られる記録物における平均的な光学濃度であるため、染料の性能を評価するのに特に適していると言える。そして、後述する所定の条件で耐オゾン性試験又は耐キセノン光性試験を行い、試験前の光学濃度を測定した画像領域と同じ領域について、光学濃度を測定する。この光学濃度を「試験後の光学濃度」とする。試験前及び試験後の各光学濃度から、下記式に基づいて算出される値を光学濃度残存率とする。
耐オゾン性試験又は耐キセノン光性試験により、一般に画像は劣化し、光学濃度は低くなる。したがって、試験後の光学濃度が試験前の光学濃度より高くなることは非常に稀で、光学濃度残存率の値が100%を超えることはないと言える。そして、光学濃度残存率の値が高いほど画像が劣化しないため、画像保存性に優れる染料であることを意味する。
また、上記のようにして、各評価用インクで形成した画像について算出した光学濃度残存率のうち、最大値と最小値の差が「各評価用インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値」である。例えば、評価用シアンインクで形成した画像の光学濃度残存率がA%で各評価用インクのうち最も高く、また、評価用イエローインクで形成した画像の光学濃度残存率がB%で各評価用インクのうち最も低かった場合の光学濃度残存率の差の値は(A−B)となる。各評価用インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が小さいほど、各染料の劣化挙動の差が小さく、画像保存性のバランスが崩れないことを意味し、最大値と最小値の差が0であることが最も好ましい。
(耐オゾン性試験)
本発明のインクセットを構成する各インクが含有する染料の性能を判断するための耐オゾン性試験は、各評価用インクを用いて、JEITA CP−3901の屋内耐オゾン性試験方法に準じて行う。この試験方法では、温度は23℃±2℃、相対湿度は50%±5%RH、オゾン濃度は1〜5ppmとする。積算オゾン濃度(ppm・hr)は設定オゾン濃度(ppm)×時間(hr)の式で求められ、上記の試験方法で規定された積算オゾン濃度(800ppm・hr又は1,000ppm・hr)に達するまでオゾン暴露を行う。本発明においては、適切な試験条件として、一般的な屋内の環境に近い温度23℃、湿度50%RHの条件で耐オゾン性試験を行うことが好ましい。
(耐キセノン光性試験)
本発明のインクセットを構成する各インクが含有する染料の性能を判断するための耐キセノン光性試験は、各評価用インクを用いて、JEITA CP−3901の屋内耐キセノン光性試験方法に準じて行う。この試験方法では、槽内空気温度は20±5℃、湿度は50±5%RH、ブラックパネルの温度は40℃以下、また、キセノン光源としてキセノンアーク式ランプを使用し、その照度は30〜100klxとする。積算放射照度(klx・hr)は設定キセノン光照度(klx)×時間(hr)の式で求められ、上記の試験方法で規定された積算放射照度(43,800klx・hr又は65,700klx・hr)に達するまでキセノン光照射を行う。本発明においては、適切な試験条件として、一般的な屋内の温度に近い、照度50klx、ブラックパネルの温度23℃の条件で耐キセノン光性試験を行うことが好ましい。本発明においては、特に適切な試験条件として、前記の照度及びブラックパネルの温度の条件を満足したうえでさらに、槽内空気温度23℃、湿度50%RHの条件とすることが好ましい。また、光源と試料(画像サンプル)との間には標準窓ガラスフィルタ(厚み2mmのソーダライムガラス)を設け、試料と標準窓ガラスフィルタは接触させずに、これらの間に5mm以上の隙間を設けて空気が通るようにして試験を行う。窓ガラス越し屋内光の分光分布により近い条件を再現するためには、標準窓ガラスフィルタに加えて、さらに紫外線遮断フィルタ及び赤外線遮断フィルタの少なくとも一方を用いることが好ましい。
(各試験に用いる記録媒体)
本発明においてインクセットの特性を規定するために利用する光学濃度残存率は、染料と記録媒体によって定まる値であるが、一般的なインクジェット用の記録媒体を用いれば、光学濃度残存率は染料の特性によってほぼ決まる値である。本発明のインクセットを構成する各インクに使用する染料の選択に当たっては、各評価用インクを用いて形成した画像について試験を行って算出した、上述の光学濃度残存率の値を利用する。光学濃度残存値の定義は、あるひとつの画像についての試験前後の光学濃度の比を百分率の単位で表した値であるので、いわゆる光沢紙を用いれば、記録媒体の種類により該値が大きく異なることはあまりないと言える。ただし、本発明においては、インクセットを構成する各インクに使用する染料の選択をより的確に行うために、上述の耐オゾン性試験及び耐キセノン光試験を行うのに当たっては、表面に光沢を有し、多孔質層が設けられた記録媒体を用いることが好ましい。かかる記録媒体は多孔質層により染料を吸着するものであり、該多孔質層が、アルミナ又はその水和物、シリカ及びカチオン性ポリマーの混合物、などのカチオン性成分を含むものであることが好ましい。また、記録媒体表面のpHが3.0以上8.0以下、さらには4.0以上6.0以下であることが好ましい。これらのような特性を有する市販の記録媒体としては、キヤノン写真用紙・光沢プロ〔プラチナグレード〕やキヤノン写真用紙・光沢ゴールド(いずれも商品名;キヤノン製)などが挙げられ、本発明においては特に好適に使用することができる。
(染料の選択)
上述の耐オゾン性試験及び耐キセノン光性試験の前後における画像の状態は光学濃度残存率の値により評価されるが、本発明における光学濃度残存率の値を満足することに対して支配的であるのは、染料の選択である。特に、光学濃度残存率を70%以上とする場合には、適切な染料を選択することが極めて重要である。
本発明においては、各インクに含有させる染料の選択にあたっては、一定の組成を有する評価用シアンインク、評価用マゼンタインク、及び、評価用イエローインクを用意し、各評価用インクを用いて行う。この評価用インクは、粘度、表面張力、pHなどのインクジェット特性を満たすように考慮したものであり、吐出方式に関わらずに安定な吐出が可能なインク組成である。
評価用インクの組成は以下の通りである。
・染料:所定量(%)
・グリセリン:7.0%
・エチレン尿素:7.0%
・1,5−ペンタンジオール:7.0%
・2−ピロリドン:5.0%
・アセチレノールE100(界面活性剤、川研ファインケミカル製):0.6%
・純水:インク組成の合計が100.0%となる残量(%)。
このような組成を有する評価用インクを用いて光学濃度残存率の評価を行うことで、水溶性有機溶剤や界面活性剤などの染料以外の成分が光学濃度残存率に与える影響を排除した条件のもとで、染料の選択を行うことができる。言い換えれば、選択した染料の組み合わせにより、高いレベルの耐オゾン性及び耐キセノン光性が達成されることと、オゾン及びキセノン光による劣化挙動のバランスがとれていることが担保される。したがって、本発明の利点は、耐オゾン性や耐キセノン光性以外の画像特性を、染料以外の成分により向上させる際のインク組成の自由度が高いことであるともいえる。一方、従来のインクセットでは、インクとしての評価を行っているため、染料以外の添加剤などにより画像保存性のレベルを高めていることが多く、このような場合には、インク組成の自由度は相対的に低くなってしまう。
上記の技術的意義から明らかであるように、本発明は、高いレベルの耐オゾン性及び耐キセノン光性が達成され、オゾン及びキセノン光による劣化挙動のバランスがとれているインクセットに使用するための染料の組み合わせの選択方法としての側面も有する。つまり、シアン染料を含有するシアンインク、マゼンタ染料を含有するマゼンタインク、及び、イエロー染料を含有するイエローインクで構成されるインクセットについて、以下の工程により各インクに使用する染料の組み合わせを選択する方法でもある。かかる方法は、記シアン染料を含有する評価用シアンインク、前記マゼンタ染料を含有する評価用マゼンタインク、及び、前記イエロー染料を含有する評価用イエローインクを用意する工程、評価用インクを用いて画像を形成する工程、前記工程で形成した画像について、所定の条件での、耐オゾン性試験の前後、及び、耐キセノン光性試験の前後、についての、画像の光学濃度残存率をそれぞれ算出する工程、前記工程で測定した光学濃度残存率により、所定の条件を満たすように、前記シアン染料、前記マゼンタ染料、及び、前記イエロー染料の組み合わせを選択する工程、有する。
本発明のインクセットを構成する各インクに含有させる染料としては、上記で説明した本発明のインクセットの特性を満足することができるものを選択する。具体的には、高いレベルの耐オゾン性及び耐キセノン光性が達成され、かつ、これらの特性のばらつきを各インク間でできる限り低減することができる染料を選択しさえすれば、公知又は本発明のために新規に合成したいずれのものも使用可能である。各インクに含有させる染料は、1種又は2種以上とすることができる。各インク中の染料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。なお、この染料の含有量の値は、1のインクに2種以上の染料を使用する場合には、その合計の含有量を指すものとする。
(染料の種類)
これまでに述べてきた通り、本発明のインクセットを構成する各インクには、上記で説明した本発明のインクセットの特性を満足することができる染料を選択して含有させる。つまり、オゾンガスやキセノン光に対して分解や変性を生じにくい、すなわち耐オゾン性や耐キセノン光性に優れた染料を用い、かつ、各染料の耐オゾン性や耐キセノン光性の特性が同等となるように、各インクに含有させる染料をそれぞれ選択することになる。さらに、本発明においては、シアン、マゼンタ、及びイエローの各色相のインクに適した色調と光学濃度を達成できる染料を用いることが好ましい。以下に、本発明のインクセットを構成する各インクに含有させることができる染料の具体例を挙げる。勿論、本発明は、上記で説明した本発明のインクセットの要件を満足することが重要であるので、下記に挙げた染料に限定されるものではないことは明らかである。
〔シアン染料〕
・下記一般式(1)で表される染料(国際公開2007/091631号パンフレットに記載のもの)
(一般式(1)中、A、B、C、及びDはそれぞれ独立に、芳香性を有する6員環を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。Eはアルキレン基を表す。Xは、スルホ置換アニリノ基、カルボキシル置換アニリノ基、又はホスホノ置換アニリノ基であり、該置換アニリノ基はさらに、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン、アルキルスルホニル基、及びアルキルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を1乃至4個有してもよい。Yは水酸基又はアミノ基を表す。l(エル)、m、及びnは、0≦l(エル)≦2.0、0≦m≦3.0、0.1≦n≦3.0であり、かつl(エル)+m+n=1.0乃至4.0を表す。)
本発明においては、耐オゾン性及び耐キセノン光性に優れた画像が得られるため、一般式(1)のAからDのうち少なくとも1つがピリジン環又はピラジン環であることが好ましい。また、一般式(1)において、Eは炭素数2乃至6のアルキレン基、Xはスルホ置換アニリノ基、Yはアミノ基であることが好ましい。さらに、l(エル)=0、m=0.5〜3.0、n=0.1〜1.0であることが好ましい。
一般式(1)で表される染料の好ましい具体例を遊離酸の形として示すと、下記の例示化合物C1〜C6が挙げられる。なお、下記の例示化合物1〜6において、含窒素芳香環の位置は各構造式に示されるものに限定されず、上記一般式(1)のA〜Dのいずれかの位置にあることを意味し、含窒素芳香環における窒素原子の位置も各構造式に示される位置に限定されない。また、各例示化合物1〜6における、l(エル)、m、及びnの値は、混合物における平均値を示す。
・下記一般式(2)で表される染料(特許第3851569号公報)
(一般式(2)中、X、X、X、及びXはそれぞれ独立に、−SO−Z、−SO−Z、−SONR、スルホン酸基、−CONR、又は−COである。ここで、Zはそれぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換の複素環基であり、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換の複素環基である。また、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、及びYはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、置換若しくは無置換のスルファモイル基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、又はスルホン酸基であり、a、a、a、及びaはそれぞれ、X、X、X、及びXの置換基の数を示し、それぞれ独立に1又は2の整数である。)
本発明においては、一般式(2)におけるX、X、X、及びXはそれぞれ独立に、−SO−Z、−SO−Z、−SONR、−CONR、又は−COであることが好ましい。また、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、及びYが水素原子であることが好ましい。このような置換基とすることで、耐オゾン性及び耐キセノン光性に優れた画像を得ることができる。
一般式(2)で表される構造の好ましい具体例を遊離酸の形として示すと、下記の例示化合物C7が挙げられる。
〔マゼンタ染料〕
・下記一般式(3)で表される染料(国際公開第2008/062662号パンフレットに記載のもの)
(一般式(3)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロヘキシル基、モノアルキルアミノアルキル基、又はジアルキルアミノアルキル基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。Xは連結基を表す。)
一般式(3)で表される染料の好ましい具体例を遊離酸の形として示すと、下記の例示化合物M1が挙げられる。
・下記一般式(4)で表される染料(特開2006−143989号公報に記載のもの)
(一般式(4)中、Xは、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は複素環基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホン酸基、又は複素環チオ基を表し、これらの各基はさらに置換されていてもよい。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表し、これらの各基はさらに置換されていてもよい。また、R及びR、又は、R及びRが結合して5乃至6員環を形成していてもよい。a及びeはそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。ただし、a及びeが共にアルキル基である場合は、該アルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であり、それらはさらに置換されていてもよい。b、c、及びdはそれぞれ独立に、R及びRとして挙げた基の群から選ばれる基を表し、a及びb、又は、e及びdが、互いに縮環していてもよい。Qは、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は複素環基を表し、これらの各基はさらに置換されていてもよい。ただし、一般式(4)中に少なくともひとつのイオン性基が存在する。)
一般式(4)で表される染料の好ましい具体例を遊離酸の形として示すと、下記の例示化合物M2及びM3が挙げられる。
〔イエロー染料〕
・下記一般式(5)で表される染料(国際公開2006/082669号パンフレットに記載のもの)
(一般式(5)中、R、R、Y、及びYはそれぞれ独立に一価の基であり、X及びXはそれぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基であり、Z及びZはそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。)
なお、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基としては、具体的には、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。
一般式(5)で表される染料の好ましい具体例を遊離酸の形として示すと、下記の例示化合物Y1〜Y10が挙げられる。
・一般式(6)で表される染料(国際公開2008/053776号パンフレットに記載のもの)
(一般式(6)中、Rは、水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、又はスルホン酸基を表す。nは1又は2の整数、mは1乃至3の整数、xは2乃至4の整数、yは1乃至3の整数を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。)
一般式(6)で表される染料の好ましい具体例を遊離酸の形として示すと、下記の例示化合物Y11〜Y17が挙げられる。
イエローインクは、シアン及びマゼンタの各インクと比較して形成した画像の明度が高い。また、イエローインクで形成した画像の退色が進んで明度が高くなると、シアン及びマゼンタの各インクで形成した画像との明度差がより大きくなり、画像が劣化した印象を受けやすい。このため、本発明においては、イエローインクで形成した画像の光学濃度残存率が、シアンインク及びマゼンタインクで形成した画像の光学濃度残存率よりも高くなるように、染料を選択し、各インクに含有させることが特に好ましい。
(水性媒体)
本発明においては、インクセットを構成する各インクに含有させる染料の組み合わせを決定するために上述の評価用インクを利用して耐オゾン性及び耐キセノン光性の試験を行う。これらの試験により選択した染料を使用すれば、インクセットを構成する各インクに使用する水性媒体の構成は、染料ごとの特性や吐出方式などに合わせて適宜決定することができる。つまり、実際のインクセットを構成する各インクの組成は、上述の評価用インクの組成と同じとする必要はなく、また、シアン、マゼンタ、イエローの各インクをそれぞれ同様の組成としても、又は異なる組成としてもよい。
本発明のインクセットを構成する各インクには、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下、さらには15.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、インクジェット用のインクに一般的に用いることができるものであれば、特に制限はなく、従来公知のいずれのものも用いることができ、また、1種類又は2種類以上の水溶性有機溶剤を組み合わせてインクに含有させることができる。具体的には、1価又は多価のアルコール類、アルキレン基の炭素数が1〜4程度のアルキレングリコール類、平均分子量200〜2,000程度のポリエチレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類などを用いることができる。
〔貧溶媒・良溶媒〕
本発明においては、インクセットを構成する各インクに、染料の溶解性が特定の関係となる水溶性有機溶剤を含有させることが好ましい。このような関係を満たす水溶性有機溶剤を本発明においては貧溶媒や良溶媒と呼ぶが、その具体例の詳細は後述する。本発明では、耐オゾン性及び耐キセノン光性を高いレベルで両立することができる染料を各インクに使用する。このような特性を満足する染料は、従来の染料と比較して、その分子量が大きくなる傾向にある。分子量が大きい染料は、分子に占める発色団の割合が低く、十分な発色性を得るためにはインク中の染料の含有量を多くする必要があるが、含有量の増加は間欠吐出安定性や耐固着性を満足することに対しては不利である。具体的には、インクジェット記録方法により画像を形成する際、一定時間インクを吐出しない状態が続くと、記録ヘッドの吐出口からインク中の水分などが蒸発することにより、正常なインクの吐出が行われないことがある。間欠吐出安定性が低い場合、及び、耐固着性が低い場合のいずれについても、インクが正常に吐出されないという現象が生じるが、これらの現象が生じる原因はそれぞれに異なり、したがって、その解決手段も異なる。
先ず、間欠吐出安定性が低下する原因と、その解決手段について説明する。インクの間欠吐出安定性が低下する原因としては、記録ヘッドの走査の過程における吐出が行われない、ごく短い期間であっても、インク中の水分などが吐出口から蒸発し、それによって以下のような状態となることが挙げられる。インク中の水分などが吐出口から蒸発するにつれ、吐出口近傍ではインク中の染料の濃度が相対的に高くなり、一方、ノズル内部の吐出口から離れた部分ではインク中の染料の濃度が相対的に低くなる。すると、吐出口近傍とノズル内部との間に染料の濃度分布が生じる。この時点で、吐出口近傍においては、水分などの蒸発により水溶性有機溶剤の濃度が相対的に高くなるため、染料の溶解性が低下し、染料の析出や固化が起こることで吐出口が塞がれ、その結果としてインクが正常に吐出されなくなる。このようにして、間欠吐出安定性が低下する。
間欠吐出安定性の低下という課題は耐オゾン性や耐光性に優れる染料を使用した場合に特に顕著となる。これに対し、貧溶媒(染料の溶解性が低い水溶性有機溶剤)を使用することで、以下のようなメカニズムにより、間欠吐出安定性の低下を抑制することができる。上述の通り、水分などが蒸発することで、吐出口近傍における、染料や水溶性有機溶剤の濃度がそれぞれ高くなる。ここで、インクが水溶性有機溶剤の中でも貧溶媒を含有する場合、貧溶媒の濃度が高くなっている吐出口近傍においては、染料は溶解性を保とうとして、吐出口から離れたノズル内部へと素早く拡散していくと考えられる。つまり、貧溶媒を使用することで、染料の溶解性が低下するのに先立って、染料をノズル内部へと拡散させることができる。この結果、吐出口近傍においては、析出や固化が起こるほどまでに染料濃度が高くなることが抑制され、インクの不吐出が生じなくなり、間欠吐出安定性が向上する。
次に、耐固着性が低下する原因と、その解決手段について説明する。インクの耐固着性が低下する原因としては、長時間インクを吐出しない状態が続いた場合に、インク中の水分などが吐出口から蒸発し、それによって以下のような状態となることが挙げられる。インク中の水分などが吐出口から蒸発すると、染料の析出や固化が起こることで吐出口が塞がれ、その結果としてインクが正常に吐出されなくなる。このようにして、耐固着性が低下する。上記の間欠吐出安定性とは異なり、耐固着性の低下は、インクが吐出されない状態が長期にわたって続くため、吐出口近傍だけでなく、ノズル内部やその奥においても染料の析出や固化が起こっていることが原因となって生じる。
耐固着性の低下という課題は耐オゾン性や耐光性に優れる染料を使用した場合に特に顕著となる。これに対し、良溶媒(染料の溶解性が高い水溶性有機溶剤)を使用することで、耐固着性の低下を抑制することができる。つまり、良溶媒を使用することで、染料の析出や固化が抑制され、インクの不吐出が生じなくなり、耐固着性が向上する。なお、耐固着性の抑制に関しては、上述の貧溶媒を使用してもプラスの効果は得られない。
ある水溶性有機溶剤が、併用される染料に対して良溶媒及び貧溶媒のどちらに当たるかは、染料の溶解性によって決定される。つまり、良溶媒や貧溶媒とは、水溶性有機溶剤と染料との関係性を、溶解性の観点で表す指標である。本発明においては、染料の溶解度が5質量%以下であるものを当該染料に対して貧溶媒として作用する水溶性有機溶剤、5質量%を超えるものを当該染料に対して良溶媒として作用する水溶性有機溶剤、と定義する。
より具体的には、ある水溶性有機溶剤が、判定対象の染料に対して良溶媒及び貧溶媒のどちらに当たるかは、以下のようにして判断することができる。容量が20cc程度であるサンプル瓶に判定対象の水溶性有機溶剤と、十分な量の染料を入れ、液体を一晩撹拌する。この液体を12,000rpmで10分間遠心分離し、溶解していない染料を沈殿させる。遠心分離後の上澄みの液体は染料の飽和溶液となっているので、この液体の吸光度を測定し、濃度が既知の染料水溶液の吸光度との比から、染料の溶解度を求めることができる。このようにして求めた溶解度が5質量%以下である水溶性有機溶剤が貧溶媒であり、5質量%を超える水溶性有機溶剤が良溶媒であると判断することができる。なお、常温で固体の水溶性有機化合物は、その20質量%水溶液に対して、上記と同様に染料の溶解度が5質量%以下であるか否かを確認することで、当該水溶性有機化合物が染料に対して貧溶媒となるか、又は、良溶媒となるか、を判断することができる。
インク中の貧溶媒が少なすぎると、間欠吐出安定性の低下を抑制する効果が十分に得られない場合があり、多すぎると、耐固着性がかえって低下する場合もある。したがって、インク中の貧溶媒の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上15.0質量%以下、さらには3.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の良溶媒が少なすぎると、耐固着性の低下を抑制する効果が十分に得られない場合があり、多すぎると、インクの粘度が高く、吐出安定性が十分に得られない場合がある。したがって、インク中の良溶媒の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上35.0質量%以下、さらには15.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましい。さらに、間欠吐出安定性と耐固着性を高いレベルで両立することができるため、インク中の、貧溶媒の含有量が、良溶媒の含有量に対する質量比率で、0.1倍以上0.9倍以下であることが好ましい。なお、インク中に複数の染料が含まれる場合には、含有量が最も多い染料について水溶性有機溶剤が良溶媒及び貧溶媒のどちらに当たるかを判定し、上述の貧溶媒や良溶媒の含有量の範囲、これらの質量比率の範囲を満たすようにすることが好ましい。
本発明においては、下記のような貧溶媒、良溶媒を少なくとも含むインクとすることが好ましい。貧溶媒としては、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルカンジオールが挙げられる。また、良溶媒としては、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリメチロールプロパン、グリセリン、尿素、エチレン尿素などが挙げられる。勿論、ある水溶性有機溶剤が、貧溶媒となるか又は良溶媒となるか、は染料の種類や構造によっても異なるため、上記の水溶性有機溶剤の具体例に限られるものではない。
(その他の添加剤)
本発明のインクセットを構成する各インクには、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体類、糖類及びその誘導体類などの常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。さらに、本発明のインクセットを構成する各インクには必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性ポリマーなど、種々の添加剤を含有させてもよい。本発明においては、アセチレングリコール系の界面活性剤を用いることが好ましく、中でも、水性媒体への溶解性に優れるため、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が特に好適である。
(インクの物性)
本発明のインクセットを構成する各インクの25℃における表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクは、その表面張力を上記した範囲内とすることで、インクジェット方式に適用した際に吐出口近傍の濡れによる吐出ヨレ(インクの着弾点のズレ)などの発生を有効に抑制することが可能となる。インクの表面張力の調整は、インク中における界面活性剤などの含有量を適宜決定することで行うことができる。また、本発明のインクセットを構成する各インクは、インクジェット記録装置に適用する際に良好な吐出特性が得られるよう、所望のpHに調整することが好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えてなり、前記インク収容部に、上記で説明した本発明のインクセットを構成するシアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクから選ばれる少なくとも1種が収容されてなるものである。本発明においては、1種のインクを収容するインクカートリッジを、本発明のインクセットを構成する3種のインクに対応するように3つ組み合わせても、また、1のインクカートリッジで、上記3種のインクを収容するものとしてもよい。
インクカートリッジの構造としては、インク収容部が、液体のインクを収容するインク収容室、及び負圧によりその内部にインクを保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室で構成されるものが挙げられる。または、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容量の全量を負圧発生部材により保持する構成のインク収容部であるインクカートリッジであってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドにより上記で説明した本発明のインクセットを構成する各インクを吐出して、記録媒体に画像を形成する画像形成工程を有する。そして、画像形成工程に、上記で説明した本発明のインクセットを構成するシアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクを用いることを特徴とする。また、本発明のインクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えてなる装置である。そして、前記インク収容部に収容されたインクが、上記で説明した本発明のインクセットを構成するシアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクであることを特徴とする。本発明のインクセットを用いること以外、インクジェット記録方法や記録装置の工程及び構成は、公知のものとすればよい。
上述の耐オゾン性試験及び耐キセノン光性試験では、各インクに含有させる染料の選択をより的確に行うことができるため、一定の特性を有する記録媒体を用いることが好ましい。このようにして選択した染料をそれぞれに含有する各インクを用いれば、どのような記録媒体に対して画像を形成しても、耐オゾン性及び耐キセノン光性のバランスが大幅に崩れることはあまりない。したがって、本発明のインクセットを構成する各インクを用いて画像を形成する記録媒体としては一般的なインクジェット用に使用可能ないずれのものも用いることができる。このような記録媒体としては、例えば、光沢紙、コート紙、光沢フィルムなどの支持体上に多孔質層を有するインクジェット用の記録媒体や、表面の少なくとも一部に繊維が露出した、いわゆるコピー用紙などの普通紙が挙げられる。本発明においては、形成した画像が高品位なものとなるため、染料を多孔質層に吸着させるタイプの記録媒体(光沢記録媒体など)を用いることが好ましい。
また、本発明のインクセットを構成する各インクには、さらに別のインクを組み合わせてインクジェット記録方法に使用してもよい。このようなインクとしては、例えば、ブラックインク、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクなどのインク(濃インク)が挙げられる。インクセットにさらにブラックインクを併用することで、ブラック画像に要求される高い光学濃度を達成することができ、また、コントラストに優れた画像を得ることができる。レッドインク、グリーンインク、ブルーインクを併用することで、二次色画像の発色性を向上することができ、さらに、表現可能な色再現範囲を拡張できる。また、淡シアンインク、淡マゼンタインク、及び淡イエローインクなどの、本発明のインクセットを構成する各インクとそれぞれ同じ色相を有し、染料の含有量が相対的に低いインク(淡インク)を組み合わせて使用することもできる。淡インクを併用することで、画像の粒状性を低減することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、特に指定のない限り、「%」とあるものは、質量基準である。
[画像保存性の評価]
<インクの調製>
表1〜3に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌して溶解した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。なお、表1〜3中の染料について括弧内に示してあるのは対イオンの種類である。また、以下の各インクの調製に使用した市販の製品の具体的な成分は以下に示す通りである。プロキセルXL−2はアーチケミカルズ製の防黴剤である。オルフィンE1010、サーフィノール:104PG50、STG、MD20はそれぞれエアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ製、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤である。
(シアンインク)
例示化合物1〜3及び6はそれぞれ上記で示した構造を有する化合物であり、国際公開2007/091631号パンフレットに記載された実施例1、2、3及び6で合成された各化合物を用いた。なお、一般式(I)の化合物は全て混合物であり、異性体などの混合物のことを「化合物」として記載する。すなわち、化合物とは、化合物の位置異性体、含窒素複素芳香環の窒素原子の位置異性体、一般式(I)のA、B、C、及びDのベンゾ環/含窒素複素芳香環の比率の異性体、並びにベンゾ環の置換又は無置換のスルファモイル基のα/β位置異性体などを含む。例示化合物7も上記で示した構造を有する化合物であり、特開2005−75778号公報に記載された化合物102を用いた。化合物1としては、国際公開第2007/120964号パンフレットに記載された下記の構造式で表される化合物(Formula IV)を用いた。調製したシアンインクのうち、C−7は特開2008−081693号公報の実施例C−11のインク、C−9は特開2005−162823号公報の実施例1のシアンインク、C−11は特開2007−138124号公報の表1のC−01のインクに当たる。
(マゼンタインク)
例示化合物1は上記で示した構造を有する化合物であり、国際公開2008/066062号パンフレットに記載された化合物番号1の化合物を用いた。例示化合物2及び3もそれぞれ上記で示した構造を有する化合物であり、特開2006−143989号公報に記載されたd−5及びd−6の化合物をそれぞれ用いた。マゼンタ染料1としては、特開2008−081693号公報の実施例に記載された下記の構造式で表されるMagenta染料1(式中のMはNH又はNaを表し、NH:Na=1:1〔モル比〕である)を用いた。マゼンタ染料2としては、国際公開2007/120964号パンフレットのTABLEIIに記載されたM1の化合物を用いた。なお、マゼンタ染料2は、特開2005−162823号公報に記載された実施例のM−1と同じ構造を有する染料である。化合物2としては、特開2008−081693号公報に記載された下記の構造式で表される化合物(b−3)を用いた。調製したマゼンタインクのうち、M−5は特開2008−081693号公報の実施例M−13、M−7は特開2005−162823号公報の実施例1のマゼンタインク、M−9は特開2007−138124号公報の表1のM−01のインクに当たる。
(イエローインク)
例示化合物Y3、Y5及びY7はそれぞれ上記で示した構造を有する化合物であり、国際公開2006/082669号パンフレットに記載されたDYE−9、DYE−11及びDYE−13を用いた。例示化合物Y12も上記で示した構造を有する化合物であり、国際公開2008/053776号パンフレットに記載された実施例1の式(7)で表されるアゾ化合物を用いた。イエロー染料1としては、特開2008−081693号公報に記載された実施例のYellow染料2を用いた。イエロー染料2としては、特開2005−162823号公報に記載された実施例のY−1の染料を用いた。イエロー染料3としては、下記の構造で表されるY−1189(Ilford Imaging製)を用いた。調製したイエローインクのうち、Y−6は特開2008−081693号公報の実施例Y−12、Y−10は特開2005−162823号公報の実施例1のイエローインク、Y−12は特開2007−138124号公報の表1のY−01のインクに当たる。
<記録物の作製と光学濃度残存率の算出>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、得られたインクカートリッジをそれぞれ、インクジェット記録装置(PIXUS9900i;キヤノン製)を改造したものに搭載した。記録媒体(キヤノン写真用紙・光沢プロ〔プラチナグレード〕;キヤノン製)に、シアン、マゼンタ、及びイエローの各インクの単色で記録デューティを0〜100%の間で5%刻みとして段階的に変化させたベタ画像を形成した。このようにして得られた記録物は、光学濃度が1.0±10%である画像領域を含む。そして、光学濃度が1.0±10%である画像領域の光学濃度を、分光光度計(Spectrolino;Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で測定した。この光学濃度を「試験前の光学濃度」とした。さらに、下記の各試験を行った後に、試験前の光学濃度を測定した画像領域と同じ領域について、上記と同じ装置及び条件で光学濃度を測定した。この光学濃度を「試験後の光学濃度」とした。試験前及び試験後の各光学濃度から、下記式に基づいて光学濃度残存率の値を算出した。
<評価>
(耐オゾン性試験1:積算オゾン濃度800ppm・hr)
上記の記録物を作製した後、室温で1日放置した。その後、この記録物をオゾン試験装置(OMS−H:スガ試験機製)に投入した。そして、温度を23℃、湿度を50%RH、オゾン濃度を5ppmとして160時間オゾンに暴露することで、積算オゾン濃度が800ppm・hrとなるまでオゾンを暴露した。そして、上記のように試験後の光学濃度の値を測定し、光学濃度残存率の値を算出した。結果を表4に示した。
(耐キセノン光性試験1:積算放射照度43,800klx・hr)
上記の記録物を作製した後、室温で1日放置した。その後、この記録物をキセノン光試験装置(低温サイクルキセノンウェザーメーターXL−75C:スガ試験機製)に投入した。そして、照度を50klx、槽内空気温度を23℃、湿度を50%RH、ブラックパネルの温度を23℃として、積算放射照度が43,800klx・hrとなるまでキセノン光を照射した。そして、上記のように試験後の光学濃度の値を測定し、光学濃度残存率の値を算出した。結果を表4に示した。
(インクセットの評価:耐オゾン性試験1及び耐キセノン光性試験1)
上記で得られた各インクを表5に示すように組み合わせてインクセットとした。なお、比較例2のインクセットは特開2008−081693号公報の実施例3のインクセットに当たる。そして、インクセットを構成する各インクを用いて作製した記録物に対して、耐オゾン性試験1及び耐キセノン光性試験1を行った前後の光学濃度残存率によりインクセットの評価を行った。評価基準は下記の通りである。結果を表5に示した。
〔光学濃度残存率〕
インクセットを構成するシアン、マゼンタ、及びイエローの各インクのうち、光学濃度残存率の最小値を用いて、各インクセットを以下の基準に基づいて評価した。なお、最小値により評価を行うことで、インクセットを構成する各インクについての光学濃度残存率が70%以上又は80%以上であることを満足するか否かを判断することができる。
A:光学濃度残存率の最小値が80%以上
B:光学濃度残存率の最小値が70%以上80%未満
C:光学濃度残存率の最小値が70%未満。
〔光学濃度残存率の差の最大値〕
インクセットを構成するシアン、マゼンタ、及びイエローの各インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値を求め、以下の基準に基づいて評価を行った。
A:光学濃度残存率の差の最大値が10以下
B:光学濃度残存率の差の最大値が10より高く15以下
C:光学濃度残存率の差の最大値が15より高い。
(耐オゾン性試験2:積算オゾン濃度1,000ppm・hr)
暴露時間を200時間に変更すること以外は上記の耐オゾン性試験1と同様にして積算オゾン濃度が1,000ppm・hrとなるまでオゾンを暴露した。そして、上記のように試験後の光学濃度の値を測定し、光学濃度残存率の値を算出した。結果を表7に示した。
(耐キセノン光性試験2:積算放射照度65,700klx・hr)
積算放射照度が65,700klx・hrとなるまでキセノン光を照射すること以外は上記の耐キセノン光性試験1と同様にして記録物にキセノン光を照射した。そして、上記のように試験後の光学濃度の値を測定し、光学濃度残存率の値を算出した。結果を表6に示した。
(インクセットの評価:耐オゾン性試験2及び耐キセノン光性試験2)
上記のインクセットの評価:耐オゾン性試験1及び耐キセノン光性試験1と同様の方法及び評価基準により、耐オゾン性試験2及び耐キセノン光性試験2を行った前後の光学濃度残存率によりインクセットの評価を行った。結果を表7に示した。
また、実施例の各インクセットについて、表1〜3に示す染料種及び含有量は変更せず、その他の成分を上述の評価用インクの組成に変更して、上記と同様の評価を行ったところ、表5及び表7と同等の評価結果となった。このことは、実際のインクセットを構成する各インクの組成による評価結果は、上述の評価用インクの組成による評価結果と同等であったことを意味する。上記では、染料の特性や吐出方式などに合わせた組成のインクで構成されるインクセットとして記載したが、評価用インクにより染料の組み合わせを選択したインクセットや、染料の組み合わせの選択方法としての本発明が有効であることが示されたと言える。
なお、記録媒体をキヤノン写真用紙・光沢ゴールド(キヤノン製)に変更して上記と同様の評価を行ったが、評価結果は上記の記録媒体(キヤノン写真用紙・光沢プロ〔プラチナグレード〕;キヤノン製)の場合と同等であった。
[インク信頼性の評価]
<貧溶媒・良溶媒の判定>
インクの信頼性を評価するのにあたって、インクに含まれる染料と水溶性有機溶剤がどのような関係となっているかを判定した。容量が20ccのサンプル瓶に判定対象の水溶性有機溶剤(固体の水溶性有機化合物はその20%水溶液)と、十分な量の染料を入れ、液体を一晩撹拌した。この液体を12,000rpmで10分間遠心分離し、溶解していない染料を沈殿させた後、上澄みの液体の吸光度を測定した。そして、予め測定しておいた所定濃度の染料水溶液についての吸光度との比から、判定対象の水溶性有機溶剤(又は20%水溶液)に対する染料の溶解度を求めた。得られた溶解度から、5%以下であるものを貧溶媒、5%を超えるものを良溶媒と判定した。表8に、染料の種類と判定結果(良溶媒を○、貧溶媒を×)を示す。
<インクの調製>
表9の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌して溶解した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。なお、表9中の染料について括弧内に示してあるのは対イオンの種類である。また、以下の各インクの調製に使用したアセチレノールE100は川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤である。表9の下段には、インク中の良溶媒、貧溶媒の含有量(単位:%)、貧溶媒の良溶媒に対する質量比率(単位:倍)の値をそれぞれ示す。
<評価>
(間欠吐出安定性)
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、得られたインクカートリッジをそれぞれ、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録装置(PIXUSiP8600;キヤノン製)を改造したものに搭載した。なお、この際に使用した記録ヘッドの吐出体積は約2pLである。この記録装置を、温度30℃、相対湿度10%の環境で、5時間吐出を行わないで放置し、安定させた後、同じ環境下でインクを吐出させた。その後吐出を5秒間休止させ、記録ヘッドの回復動作などを行わないまま、再度インクを吐出させ、記録媒体(HR−101;キヤノン製)に縦罫線を記録した。得られた記録物を目視で確認して、間欠吐出安定性の評価を行った。間欠吐出安定性の評価基準は以下の通りである。結果を表10に示した。本発明においては、下記の評価基準でA及びBが十分な性能を有するレベルであり、Aが優れているレベル、Cが許容できないレベルである。
A:縦罫線に乱れはなかった。
B:縦罫線に若干の乱れがあった。
C:縦罫線に不吐出や乱れがあり、正常に記録できなかった。
(耐固着性)
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、得られたインクカートリッジをそれぞれ、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録装置(PIXUSiP8600;キヤノン製)に搭載した。予め回復(クリーニング)動作を行った後、PIXUSiP8600のノズルチェックパターンを記録した。その後、キャリッジが動作している途中で電源ケーブルを引き抜くことにより、記録ヘッドにキャッピングが行われていない状態として、この状態のまま、インクジェット記録装置を温度30℃、湿度10%RHの環境で14日間放置した。その後、このインクジェット記録装置を温度25℃の環境に6時間放置して常温に戻した後、回復動作をしながら記録を行って、耐固着性の評価を行った。耐固着性の評価基準は以下の通りである。結果を表10に示した。本発明においては、下記の評価基準でA及びBが十分な性能を有するレベルであり、Aが優れているレベル、Cが許容できないレベルである。
A:回復動作を1回乃至2回行うことで、正常に記録できた。
B:回復動作を3回乃至10回行うことで、正常に記録できた。
C:10回以下の回復動作では正常に記録できなかった。

Claims (10)

  1. シアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクで構成されるインクセットであって、
    前記シアンインクが含有するシアン染料、前記マゼンタインクが含有するマゼンタ染料、及び、前記イエローインクが含有するイエロー染料、の組み合わせが、
    積算オゾン濃度を800ppm・hrとした耐オゾン性試験の前後、及び、積算放射照度を43,800klx・hrとした耐キセノン光性試験の前後についての、前記シアン染料を含有する評価用シアンインク、前記マゼンタ染料を含有する評価用マゼンタインク、及び、前記イエロー染料を含有する評価用イエローインクで形成した画像の光学濃度残存率が、各評価用インクについて70%以上であり、かつ、各評価用インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が15以下である
    ことを満たすように選択されてなることを特徴とするインクセット。
  2. 前記耐オゾン性試験の前後、及び、前記耐キセノン光性試験の前後についての、各評価用インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が10以下である請求項1に記載のインクセット。
  3. 積算オゾン濃度を1,000ppm・hrとした耐オゾン性試験の前後についての、各評価用インクで形成した画像の光学濃度残存率が70%以上であり、かつ、各評価用インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が15以下である請求項1に記載のインクセット。
  4. 積算放射照度を65,700klx・hrとした耐キセノン光性試験の前後についての、各評価用インクで形成した画像の光学濃度残存率が70%以上であり、かつ、各評価用インクで形成した画像間の光学濃度残存率の差の最大値が15以下である請求項1又は3に記載のインクセット。
  5. 前記インクセットを構成する、前記シアンインク、前記マゼンタインク、及び、前記イエローインクがそれぞれ、染料に対する貧溶媒を含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 前記インクセットを構成する、前記シアンインク、前記マゼンタインク、及び、前記イエローインクがそれぞれ、染料に対する良溶媒を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクセット。
  7. 前記インクセットを構成する、前記シアンインク、前記マゼンタインク、及び、前記イエローインクがそれぞれ、染料に対する貧溶媒及び良溶媒を含有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクセット。
  8. インクを収容するインク収容部を有するインクカートリッジであって、前記インク収容部に収容されたインクが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクセットを構成するシアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするインクカートリッジ。
  9. インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に画像を形成する画像形成工程を有するインクジェット記録方法であって、前記画像形成工程に、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクセットを構成するシアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、前記インク収容部に収容されたインクが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクセットを構成するシアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするインクジェット記録装置。
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