JP4977371B2 - インクセット、インクカートリッジ、インクジェットプリンター、インクジェット記録方法、記録物及び褪色改良方法 - Google Patents

インクセット、インクカートリッジ、インクジェットプリンター、インクジェット記録方法、記録物及び褪色改良方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクセット、特に、耐光性及び耐オゾン性に優れた画像を形成することができるインクセットに関するものである。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。
また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
このようなインクジェット記録用インクに用いられる色素に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。
しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす色素を捜し求めることは、極めて難しい。特に、良好なシアン色相を有し、光,湿度,熱に対して堅牢であること、中でも多孔質の白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に印字する際には、環境中のオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢であることが強く望まれている。
さらに近年、複数のカラーインク組成物を用いたインクジェット記録方法によってカラー画像を形成して記録物を得ることが行われている。一般に、カラー画像の形成は、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物の三色、さらに所望によりブラックインク組成物を加えた四色によって行われている。
また、これらの四色にライトシアンインク組成物及びライトマゼンタインク組成物を加えた六色又はそれらにさらにダークイエローインク組成物を加えた七色によってカラー画像形成を行なう場合もある。このような2種以上のインク組成物を組み合わせたものがインクセットである。
上述したカラー画像の形成に用いられるインク組成物には、各色ごとのインク組成物自身が良好な発色性を有していることに加え、複数色のインク組成物を組み合わせたときに良好な中間色を発色することができること、及び得られる記録物が保存中に変退色しないこと等が求められる。
さらに最近、カラーインクジェットプリンタによる“写真画質”印刷においては、ヘッド、インク組成物、記録方法、及びメディアのそれぞれの継続的な改良がなされ、得られる画質は“銀塩写真”と遜色ないレベルまで発展しつつある。
その一方で、インク組成物及びメディアの改良により、カラーインクジェットプリンタを用いて得られる記録物の画像の保存性の向上が図られており、特に画像の耐光性に関しては、実用上問題のないレベルまで改良される事が強く望まれている。(例えば、特許文献1及び2参照)。
更に、画像の劣化は、光の作用によって生じるだけでなく、環境中に存在する酸化性ガス、例えばオゾンによる酸化によっても生じ、画像の退色や変色が進行する。
したがって、記録物の画像の保存性をさらに向上させるためには、インク組成物によって形成された画像の耐光性を更に向上させるとともに、耐オゾン性もあわせて向上させることが強く望まれている。
そのためインクジェット記録物の耐オゾン性を向上させるための様々な検討が行われており、特にインク組成物に用いる着色剤(色材)の耐オゾン性能の向上が図られてきた(例えば、特許文献3及び4参照)。
また、インクセットにおいて、特定のインク組成物の耐光性・耐オゾン性が他のインク組成物の耐光性・耐オゾン性よりも著しく低い場合、その特定のインク組成物によって形成された色が他の色よりも早く退色及び変色等してしまい、画像全体の色調のバランスが悪くなるが、そうすると観察者は、単独のインク組成物によって形成された画像が退色することを認識できるようになるよりも短時間内に画像の画質劣化を認識できるようになる。
したがって、インクセットにおいては、インクセットを構成する各インク組成物各々の耐光性・耐オゾン性を向上させることと併せて、各インク組成物の耐オゾン性レベル、すなわち各インク組成物によって形成される画像の光・オゾンによる劣化速度、例えば退色速度もできるだけ同じであることが好ましい。言い換えれば、インクセットを構成する各インク組成物の耐光性・耐オゾン性が優れているとともに、各インク組成物間の耐オゾン性の差が小さいことが好ましい。
また、同系色について色濃度の異なる濃淡2種のインク組成物を含めてインクセットを構成することによって、様々な色濃度の画像を形成でき、粒状感のない画像を得ることができるようになった。このような色濃度の異なる2種のインク組成物を含むインクセットは主に写真画像の印刷に用いられるが、写真画像の形成においては、画像の粒状感を緩和又は解消するため、一般に色濃度の低いインク組成物が使用されるケースが多い。また、前述した耐光性・耐オゾン性の評価においても、評価試料となる光学濃度が1.0近傍のパターンは、色濃度の低いインク組成物によって形成される。したがって、記録物の写真画像の耐光性・耐オゾン性、及びインクセット全体としての耐光性・耐オゾン性向上のためには、色濃度の低いインク組成物の耐光性・耐オゾン性を改良することが重要である。
一方、色濃度の濃いインク組成物は、極彩色の画像やグラフィックアート的なパターンの印刷に用いられるため、これらのインク組成物の耐光性・耐オゾン性の改良も必要である。
さらに、ブラックインク組成物は、画像中において画像のコントラストを得るといった観点から重要な役割を果たすため、インクセットにブラックインク組成物を含めることも多い。
したがって、インクセットにブラックインク組成物を含める場合は、ブラックインク組成物が優れた耐光性・耐オゾン性を有するとともに、ブラックインク組成物の光・オゾンによる劣化速度がインクセットを構成する他のインク組成物の劣化速度と極端に違わないことが必要である。
特開2000−290559号公報 特開2001−288392号公報 国際公開WO02/060994号 特開2002−371214号公報
上述のとおり、インクセットにおいてはインクセットを構成する各インク組成物自身の耐光性・耐オゾン性が良好であるとともに、各インク組成物間の耐光性・耐オゾン性のバランスが良く、光・オゾンに晒された場合に特定色が他の色に比べて早く退色及び/又は変色しないようにすることが必要とされる。さらに、インクセットを構成する各インク組成物において耐光性・耐オゾン性を改良しようとすると、ブロンズ現象が発生する場合があり、かかるブロンズ現象を低減することも必要となる。ブロンズ現象とは、高Dutyで印刷を行った場合に、印刷された部分に見られる赤浮き現象をいい、特に色材(着色剤)として金属フタロシアニン系染料を用いたインク組成物を用いてベタ印刷(100% Dutyの塗りつぶし印刷)などを行った場合に発生しやすい傾向が見られる。ブロンズ現象は画像全体としての色バランスを崩し、画像品質を低下させる場合がある。
本発明は、上記課題を解決すべく完成されたものであり、耐光性・耐オゾン性が良好な画像を記録媒体上に記録することが可能なインクセット、そのインクセットを収容したインクカートリッジ、そのインクカートリッジが装填されていることを特徴とするインクジェットプリンター、そのインクセットを使用した記録方法、及びそのインクセットにより記録された記録物、インクカートリッジを用いて形成した着色画像材料の褪色改良方法に関するものである。
本発明者らは、良好な色相と溶解性を有し、かつ光堅牢性及びガス堅牢性(特に、オゾンガス)の高い染料を詳細に検討したところ、従来知られていない、特定の構造の各色染料を組み合わせることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
即ち、
〔1〕
少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物を備えたインクセットであって、前記イエロ−インク組成物がイエロ−染料として下記一般式(Y−1)、一般式(Y−2)、一般式(Y−3)、一般式(Y−4)又は一般式(Y−5)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするインクセット。
一般式(Y−):
Figure 0004977371

式中、 、R 、X 、X 、Y 、Y 、Z 、及びZ は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基を表す。また、上記R 、R 、X 、X 、Y 、Y 、Z 、及びZ は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基又はイオン性親水性基を置換基として有してもよい。Gは5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m は0〜3の整数を表す。
一般式(Y−2):
Figure 0004977371

式中、R 、R 、R 11 、R 12 、X 、X 、Z 、及びZ は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるR 、R 、R 、R 、X 、X 、Z 及びZ と同義であり、L は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO −、−SO−又はこれらの組み合わせを示し、該アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rのアルキル基又はアリール基は、上記一般式(Y−1)中のR 、R 、Y 及びY の置換基と同義の置換基を有していてもよい。G 、G はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m 21 、m 22 は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
一般式(Y−3):
Figure 0004977371

式中、R 、R 、X 、X 、Y 、及びY は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるR 、R 、X 、X 、Y 及びY と同義であり、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−2)におけるR 11 及びR 12 と同義である。L は上記一般式(Y−2)におけるL と同義である。G 、G はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m 31 、m 32 は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
一般式(Y−4):
Figure 0004977371

式中、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−2)におけるR 11 及びR 12 と同義であり、X 、X 、Y 及びY は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるX 、X 、Y 及びY と同義であり、Z 及びZ は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるZ 、及びZ と同義である。L は、上記一般式(Y−2)におけるL と同義である。G 、G はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m 41 、m 42 は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
一般式(Y−5):
Figure 0004977371

式中、R 、R 、Y 、Y 、Z 、及びZ は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるR 、R 、Y 、Y 、Z 及びZ と同義であり、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−2)におけるR 11 及びR 12 と同義である。L は、上記一般式(Y−2)におけるL と同義である。G 、G はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m 51 、m 52 は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
〔2〕
一般式(Y−1)、一般式(Y−2)、一般式(Y−3)、一般式(Y−4)、一般式(Y−5)中、G、G及びGで構成される含窒素ヘテロ環がS−トリアジン環であることを特徴とする上記〔1〕に記載のインクセット。
〔3〕
一般式(Y−1)で表される色素が、下記一般式(Y−6)で表される色素であることを特徴とする上記〔1〕に記載のインクセット。
一般式(Y−6):
Figure 0004977371

式中、R、R、Y、およびYは、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるR、R、Y及びYと同義であり、X、Xはそれぞれ独立にハメットのσp値0.20以上の電子吸引性基を示す。Z、Zはそれぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基を示し、Z、Zが有してもよい置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基又はイオン性親水性基である。Mは水素原子またはカチオンを示す。
〔4〕
上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項記載のイエロ−インク組成物に、着色剤として下記一般式(Y−7)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含むことを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(Y−7):
Figure 0004977371

上記一般式(Y−7)中、A、Aは、置換または無置換のアリール基、及びまたは、置換または無置換の5または6員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A−NH2の残基を表し、A及びAのアリール基及びヘテロ環が有してもよい置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基又は下記の基
Figure 0004977371

である。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、又はイミド基を示し、Gは5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。mは0〜3の整数を表す。但し、一般式(Y−7)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。A、Aが5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A−NH2の残基を表す場合は、ピラゾール環を除く。
〔5〕
上記請求項〔4〕記載において、一般式(Y−7)で表されるイエロ−インク組成物が、下記一般式(Y−8)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔4〕に記載のインクセット。
一般式(Y−8):
Figure 0004977371

一般式(Y−8)中、A、A、R、R及びMは、上記一般式(Y−7)中のA、A、R、R及びMと同義である。但し、一般式(Y−8)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。A、Aが5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A
−NH2の残基を表す場合は、ピラゾール環を除く。
〔6〕
上記〔5〕記載において、一般式(Y−8)で表されるイエロ−インク組成物が、下記一般式(Y−9)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔5〕に記載のインクセット。
一般式(Y−9):
Figure 0004977371

一般式(Y−9)中、R及びRは、それぞれ独立に、上記一般式(Y−8)におけるR及びRと同義である。R11及びR12は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、イミド基又は下記の基
Figure 0004977371

を示す。Mは、水素原子またはカチオンを示す。但し、一般式(Y−9)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
〔7〕
イエローインク組成物が、前記一般式(Y−1)〜(Y−6)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含む;または、前記一般式(Y−1)〜(Y−6)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種と更に前記一般式(Y−7)〜(Y−9)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含む;かつ前記着色剤の合計量が前記イエローインク組成物の総質量に対し1〜6質量%含まれていることを特徴とする上記〔4〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔8〕
イエローインク組成物において、前記一般式(Y−1)〜(Y−6)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の濃度(質量%)と前記一般式(Y−7)〜(Y−9)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の濃度(質量%)との比が、4:1〜10:1の範囲にあることを特徴とする上記〔4〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔9〕
マゼンタインク組成物が、着色剤として下記式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含むことを特徴とする上記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(M−1):
Figure 0004977371

前記一般式(M−1)中、Aは、5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1およびB2は、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=または−CR14=を表す。R11、R12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更にメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シアノ基、スルホ基及び下記の基
Figure 0004977371

から選択される置換基を有していてもよい。G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルおよびアリールチオ基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、またはイオン性親水性基を表す。各基は更にメチル基、エチル基、イソプロピル基及びスルホ基から選択される置換基により置換されていてもよい。また、R13とR11、あるいはR11とR12が結合して5〜6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
〔10〕
一般式(M−1)で表されるマゼンタインク組成物が、下記一般式(M−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔9〕に記載のインクセット。
一般式(M−2):
Figure 0004977371

一般式(M−2)中、A、B1、B2、R11およびR12は、前記一般式(M−1)中のAは、B1、B2、R11およびR12と同義である。
aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびeが共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上である。b、c、dは、各々独立に上記一般式(M−1)におけるR13及びR14と同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。但し、一般式(M−2)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
〔11〕
一般式(M−2)で表されるマゼンタインク組成物が、下記一般式(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔10〕に記載のインクセット。
一般式(M−3):
Figure 0004977371

一般式(M−3)中、Z11は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z12は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環基またはアシル基を表す。R11、R12、R13、R14、a、b、c、d及びeは、各々上記一般式(M−2)の場合と同義である。Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。上記Z11、Z12及びQの各基は、更にスルホ基により置換されていてもよい。但し、一般式(M−3)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
〔12〕
前記マゼンタインク組成物として、色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのマゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔9〕〜〔11〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔13〕
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記低い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対して0.5〜3.5質量%含まれていることを特徴とする上記〔12〕に記載のインクセット。
〔14〕
前記色濃度の異なる二種のマゼンタ組成物のうち、高い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記高い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対し3〜10質量%含まれていることを特徴とする上記〔12〕又は〔13〕に記載のインクセット。
〔15〕
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物において、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にあることを特徴とする上記〔12〕〜〔14〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔16〕
シアンインク組成物が、着色剤として下記式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含むことを特徴とする上記〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(C−1):
Figure 0004977371

前記一般式(C−1)中、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SONV、−CONV、−COZ、−CO−Z及びスルホ基のいずれかを表す。ここで、Zは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。V,Vは、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。Z、V及びVが有してもよい置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン原子;炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状鎖アルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、イオン性親水性基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、下記の基
Figure 0004977371

又は下記の基
Figure 0004977371

である。Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表す。a1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。ただし、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
〔17〕
一般式(C−1)で表されるシアンインク組成物が、下記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔16〕に記載のインクセット。
一般式(C−2):
Figure 0004977371

上記一般式(C−2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表し、Z、Z、Z及びZが有してもよい置換基は、それぞれ独立に、上記一般式(C−1)におけるZが有してもよい置換基と同じである。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。l、m、n、p、q1、q2、q3、q4は、それぞれ独立に、1または2の整数を表す。Mは、一般式(C−1)の場合と同義である。
〔18〕
一般式(C−2)で表されるシアンインク組成物が、下記一般式(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔17〕に記載のインクセット。
一般式(C−3):
Figure 0004977371

一般式(C−3)中、Z1、Z2、Z3、Z4、l、m、n、p及びMは、一般式(C−2)中のZ1、Z2、Z3、Z4、l、m、n、p及びMと同義である。
〔19〕
前記一般式(C−3)で表される化合物において、Mが銅原子であり、かつ前記Z1、Z2、Z3、及びZ4が、それぞれ独立にZ11(前記Z11は、−(CH23SO3を表し、ここでMはアルカリ金属原子を表す。)及び/又はZ12(前記Z12は、−(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3を表す。)であり、さらにl、m、n、及びpが0又は1であり、上記〔18〕に記載のインクセット。
〔20〕
前記MがLiである上記〔19〕に記載のインクセット。
〔21〕
前記シアンインク組成物中に、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記シアンインク組成物の総質量に対して1.0〜10質量%含有されていることを特徴とする上記〔16〕〜〔20〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔22〕
前記シアンインク組成物として、色濃度の異なる二種のシアンインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有し、更に、下記一般式(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有しすることを特徴とする上記〔16〕〜〔21〕のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(C−4):
Figure 0004977371

一般式(C−4)中、Q1〜Q4、P1〜P4、W1〜W4、R1〜R4は、それぞれ独立に、(=C(J1)−及びまたは−N=)、(=C(J2)−及びまたは−N=)、(=C(J3)−及びまたは−N=)、(=C(J4)−及びまたは−N=)を表す。J1〜J4はそれぞれ独立に、水素原子及びまたは置換基を表す。(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つはヘテロ環であり、該ヘテロ環は置換基を有さない。(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、芳香族環を表す場合、下記一般式(I)である。
一般式(I):
Figure 0004977371

一般式(I)中、*はフタロシアニン骨格との結合位置を表す。Gは−SO−Z1、−SO2−Z1、−SO2NZ3、−CONZ3、−CO21、−COZ1、またはスルホ基を表す。tは、1〜4の整数を表す。Zは、同一または異なっていても良く、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表し、Zが有してもよい置換基は、スルホ基である。Z、Zは、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表し、Z及びZが有してもよい置換基は、スルホ基である。
〔23〕
上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、A環、B環、C環、D環の任意の環が芳香族環である場合には、少なくとも1つの芳香族環が下記一般式(II)であることを特徴とする上記〔22〕に記載のインクセット。
一般式(II):
Figure 0004977371

一般式(II)中、*はフタロシアニン骨格との結合位置を表す。Gは上記一般式(I)と同義である。t1は、1または2である。
〔24〕
上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つのヘテロ環が含窒素ヘテロ環であることを特徴とする上記〔22〕又は〔23〕に記載のインクセット。
〔25〕
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)及び(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記低い色濃度を有するシアンインクの総質量に対して0.4〜3.0質量%含有されていることを特徴とする上記〔16〕〜〔24〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔26〕
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、着色剤として前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記高い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対して2.0〜10.0質量%含有されていることを特徴とする上記〔16〕〜〔25〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔27〕
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物において、低い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にあることを特徴とする上記〔16〕〜〔26〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔28〕
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種において、Z、Z、Z、及びZがそれぞれ独立して前記Z11又は前記Z12から選ばれた混合物であり、かつ前記一般式(C−3)で表されるシアン染料全体に含まれる前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=3/1を主成分となる染料混合物であることを特徴とする上記〔18〕〜〔27〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔29〕
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種において、Z、Z、Z、及びZがそれぞれ独立して前記Z11又は前記Z12から選ばれた混合物であり、かつ前記一般式(C−3)で表されるシアン染料全体に含まれる前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=2/2を主成分となる染料混合物であることを特徴とする上記〔18〕〜〔28〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔30〕
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔22〕〜〔29〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔31〕
更に、ブラックインク組成物を有する上記〔1〕〜〔30〕のいずれか一項に記載のインクセット。
〔32〕
ブラックインク組成物が、ブラック染料として下記の式(B−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔31〕に記載のインクセット。
一般式(B−1):
Figure 0004977371

上記一般式(B−1)中、
Aはイオン性親水性基で置換されたフェニル基又はナフチル基を表し、Bはナフチル基及びシアノ基の少なくとも一つを置換基として有する5〜6員ヘテロ環基を表す。
1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR43−または−CR44=を表す。V1、R43およびR44は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更にスルホ基で置換されていても良い。R41、R42は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更にスルホ基を置換基として有していても良い。但し、R41、R42が同時に水素原子であることはない。また、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
〔33〕
一般式(B−1)で表されるブラックインク組成物が、下記一般式(B−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔32〕に記載のインクセット。
一般式(B−2):
Figure 0004977371

上記一般式(B−2)中、
Xは、N原子または=CW−を表す。Wは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。A、V、T,T、R41及びR42は、上記一般式(B−1)中のA、V、T,T、R41及びR42と同義である。
Wは、上記一般式(B−1)中のV1 と同義である。
〔34〕
一般式(B−2)で表されるブラックインク組成物が、下記一般式(B−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔33〕に記載のインクセット。
一般式(B−3):
Figure 0004977371

上記一般式(B−3)中、
、W、X、T,T、R41及びR42は、上記一般式(B−2)中のV、W、X、T,T、R41及びR42と同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、イミド基、スルホ基、カルボキシル基、水酸基、ホスホノ基又は4級アンモニウムを表す。
〔35〕
一般式(B−3)で表されるブラックインク組成物が、下記一般式(B−4)で表される化合物及びその塩からなる群、及びまたは、下記一般式(B−5)で表される化合物及びその塩からなる群;から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記〔34〕に記載のインクセット。
一般式(B−4):
Figure 0004977371

上記一般式(B−4)中、
43は上記一般式(B−1)中のR43と同義である。R44は、上記一般式(B−1)中のR44と同義である。R45、R46は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。R41及びR42は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。
Wは、上記一般式(B−3)中のWと同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−3)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義である。
一般式(B−5):
Figure 0004977371

43は上記一般式(B−1)中のR43と同義である。R44は、上記一般式(B−1)中のR44と同義である。R45、R46は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。R41及びR42は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。
Wは、上記一般式(B−3)中のWと同義である。W11は、上記一般式(B−2)中のWと同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−3)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義である。
〔36〕
〔32〕記載の一般式(B−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と下記一般式(B−14)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするブラックインク組成物である、上記〔32〕〜〔35〕のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(B−14):
Figure 0004977371

一般式(B−14)において、A環,B環,C環は、それぞれ独立に置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す。A、A、A、A、A、A11、A12、A13、A14、A15、B、B、B、B、B、B、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C、C、C、C、C11、C12、C13、C14はそれぞれ独立に水素原子またはスルホ基を表す。但し、一般式(B−14)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。Q、Qは、水素原子を表す。L12は、−CO−又は下記の2価の連結基
Figure 0004977371

を表す。
〔37〕
上記〔1〕〜〔36〕のいずれか一項に記載されたインクセットを一体的に又は独立に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
〔38〕
上記〔37〕に記載のインクカートリッジが装填されていることを特徴とするインクジェットプリンター。
〔39〕
上記〔1〕〜〔36〕のいずれか一項に記載のインクセット又は上記〔37〕に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
〔40〕
支持体上に白色無機顔料を含有するインク受容層を有する受像材料上に、上記〔1〕〜〔36〕のいずれか一項に記載のインクセット又は上記〔37〕に記載のインクカートリッジを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
〔41〕
上記〔1〕〜〔36〕のいずれか一項に記載のインクセット又は上記〔37〕に記載のインクカートリッジを用いて記録されたことを特徴とする記録物。
〔42〕
上記〔1〕〜〔36〕のいずれか一項に記載のインクセット又は上記〔37〕に記載のインクカートリッジを用いて形成した着色画像材料の褪色改良方法。
本発明は、上記〔1〕〜〔42〕項に関するものであるが、その他の事項についても参考のために記載した。
<1>
少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物及びブラック組成物を備えたインクセットであって、前記イエロ−インク組成物がイエロ−染料として下記一般式(Y−I)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするインクセットである。
一般式(Y−I):
Figure 0004977371
式中、Gはヘテロ環基を表し、nは1〜3の整数を表す。nが1の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価の基を表す。nが2の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価または2価の置換基を表し、少なくとも1つは2価の置換基を表す。nが3の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価、2価または3価の置換基を表し、少なくとも二つが2価の置換基を表すかまたは少なくとも1つが3価の置換基を表す。
<2>
一般式(Y−I)で表されるイエロ−インク組成物が、下記一般式(Y−1)、一般式(Y−2)、一般式(Y−3)、一般式(Y−4)又は一般式(Y−5)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴であることを特徴とする上記<1>に記載のインクセットである。
一般式(Y−1):
Figure 0004977371
式中、R、R、X、X、Y、Y、Z、及びZは一価の基を示し、Gは5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。mは0〜3の整数を表す。
一般式(Y−2):
Figure 0004977371
式中、R、R、R11、R12、X、X、Z、及びZは一価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、G、Gはそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m21、m22は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
一般式(Y−3):
Figure 0004977371
式中、R、R、R11、R12、X、X、Y、及びYは一価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、G、Gはそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m31、m32は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
一般式(Y−4):
Figure 0004977371
式中、R11、R12、X、X、Y、Y、Z、及びZは一価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、G、Gはそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m41、m42は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
一般式(Y−5):
Figure 0004977371
式中、R、R、R11、R12、Y、Y、Z、及びZは一価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、G、Gはそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m51、m52は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
<3>
一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)中、G、G及びGで構成される含窒素ヘテロ環がS−トリアジン環であることを特徴とする上記<2>に記載のインクセットである。
<4>
一般式(Y−1)で表される色素が、下記一般式(Y−6)で表される色素であることを特徴とする上記<2>に記載のインクセットである。
一般式(Y−6):
Figure 0004977371
式中、R、R、Y、およびYは一価の基を示し、X、Xはそれぞれ独立にハメットのσp値0.20以上の電子吸引性基を示す。Z、Zはそれぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基を示す。Mは水素原子またはカチオンを示す。
<5>
上記<1>〜<4>記載のイエロ−インク組成物に、着色剤として下記一般式(Y−7)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含むことを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1に記載のインクセットである。
一般式(Y−7):
Figure 0004977371
上記一般式(Y−7)中、A、Aは、置換または無置換のアリール基、及びまたは、置換または無置換の5または6員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A−NH2の残基を表す。R及びRは一価の基を示し、Gは5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。mは0〜3の整数を表す。但し、一般式(Y−7)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。A、Aが5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A−NH2の残基を表す場合は、ピラゾール環を除く。
<6>
前記<5>において、一般式(Y−7)で表されるイエロ−インク組成物が、下記一般式(Y−8)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴であることを特徴とする上記<5>に記載のインクセットである。
一般式(Y−8):
Figure 0004977371
一般式(Y−8)中、A、A、R、R及びMは、上記一般式(Y−7)中のA、A、R、R及びMと同義である。但し、一般式(Y−8)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。A、Aが5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A−NH2の残基を表す場合は、ピラゾール環を除く。
<7>
前記<6>において、一般式(Y−8)で表されるイエロ−インク組成物が、下記一般式(Y−9)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴であることを特徴とする上記<6>に記載のインクセットである。
一般式(Y−9):
Figure 0004977371
一般式(Y−9)中、R、R、R11、およびR12は一価の基を示す。Mは、水素原子またはカチオンを示す。但し、一般式(Y−9)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<8>
イエローインク組成物が、前記一般式(Y−I)、(Y−1)〜(Y−6)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含む;または、前記一般式(Y−I)、(Y−1)〜(Y−6)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種と更に前記一般式(Y−7)〜(Y−9)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含む;かつ前記着色剤の合計量が前記イエローインク組成物の総質量に対し1〜6質量%含まれていることを特徴とする上記<1>〜<7>のいずれか1に記載のインクセットである。
<9>
イエローインク組成物において、前記一般式(Y−I)、(Y−1)〜(Y−6)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の濃度(質量%)と前記一般式(Y−7)〜(Y−9)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の濃度(質量%)との比が、4:1〜10:1の範囲にあることを特徴とする上記<5>〜<8>に記載のインクセットである。
<10>
マゼンタインク組成物が、着色剤として下記式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含むことを特徴とす上記<1>〜<9>のいずれか1に記載のインクセットである。
一般式(M−1):
Figure 0004977371
前記一般式(M−1)中、Aは、5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1およびB2は、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=または−CR14=を表す。R11、R12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルおよびアリールチオ基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、またはイオン性親水性基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R13とR11、あるいはR11とR12が結合して5〜6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<11>
一般式(M−1)で表されるマゼンタインク組成物が、下記一般式(M−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴であることを特徴とする上記<10>に記載のインクセットである。
一般式(M−2):
Figure 0004977371
一般式(M−2)中、Aは、B1、B2、R11およびR12は、前記一般式(M−1)中のAは、B1、B2、R11およびR12と同義である。
aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、a
およびe が共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。b、c、dは、各々独立にR、Rと同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。但し、一般式(M−2)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<12>
一般式(M−2)で表されるマゼンタインク組成物が、下記一般式(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴であることを特徴とする上記<11>に記載のインクセットである。
一般式(M−3):
Figure 0004977371
一般式(M−3)中、Z11は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z12は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環基またはアシル基を表す。R11、R12、R13、R14、a、b、c、d及びeは、各々上記一般式(M−2)の場合と同義である。Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。上記Z11、Z12及びQの各基は、更に置換基を有していてもよい。但し、一般式(M−3)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<13>
前記マゼンタインク組成物として、色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのマゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<10>〜<12>のいずれか1に記載のインクセットである。
<14>
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記低い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対して0.5〜3.5質量%含まれていることを特徴とする上記<13>に記載のインクセットである。
<15>
前記色濃度の異なる二種のマゼンタ組成物のうち、高い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記高い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対し3〜10質量%含まれていることを特徴とする上記<13>または<14>に記載のインクセットである。
<16>
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物において、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にあることを特徴とする上記<13>〜<15>のいずれか1に記載のインクセットである。
<17>
シアンインク組成物が、着色剤として下記式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含むことを特徴とする上記<1>〜<16>のいずれか1に記載のインクセットである。
一般式(C−1):
Figure 0004977371
前記一般式(C−1)中、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SONV、−CONV 、−COZ、−CO−Z及びスルホ基のいずれかを表す。ここで、Zは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。V,Vは、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基はさらに置換基を有していてもよい。 a1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。ただし、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
<18>
一般式(C−1)で表されるシアンインク組成物が、下記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<17>に記載のインクセットである。
一般式(C−2):
Figure 0004977371
上記一般式(C−2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。これらの基は、さらに置換基を有していてもよい。Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。l、m、n、p、q1、q2、q3、q4は、それぞれ独立に、1または2の整数を表す。Mは、一般式(C−1)の場合と同義である。
<19>
一般式(C−2)で表されるシアンインク組成物が、下記一般式(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<17>または<18>に記載のインクセットである。
一般式(C−3):
Figure 0004977371
一般式(C−3)中、Z1、Z2、Z3、Z4、l、m、n、p及びMは、一般式(C−2)中のZ1、Z2、Z3、Z4、l、m、n、p及びMと同義である。
<20>
前記一般式(C−3)で表される化合物において、Mが銅原子であり、かつ前記Z1、Z2、Z3、及びZ4が、それぞれ独立にZ11(前記Z11は、−(CH23SO3を表し、ここでMはアルカリ金属原子を表す。)及び/又はZ12(前記Z12は、−(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3を表す。)であり、さらにl、m、n、及びpが0又は1であり、上記<17>〜<19>のいずれか1に記載のインクセットである。
<21>
前記MがLiである上記<20>に記載のインクセットである。
<22>
前記シアンインク組成物中に、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記シアンインク組成物の総質量に対して1.0〜10質量%含有されていることを特徴とする上記<17>〜<21>のいずれか1に記載のインクセットである。
<23>
前記シアンインク組成物として、色濃度の異なる二種のシアンインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有し、更に、下記一般式(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有しすることを特徴とする上記<17>〜<22>のいずれか1に記載のインクセットである。
一般式(C−4):
Figure 0004977371
一般式(C−4)中、Q1〜Q4、P1〜P4、W1〜W4、R1〜R4は、それぞれ独立に、(=C(J1)−及びまたは−N=)、(=C(J2)−及びまたは−N=)、(=C(J3)−及びまたは−N=)、(=C(J4)−及びまたは−N=)を表す。J1〜J4はそれぞれ独立に、水素原子及びまたは置換基を表す。(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つはヘテロ環である。
<24>
上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、芳香族環を表す場合に、下記一般式(I)であることを特徴とする請求項23に記載のインクセットである。
一般式(I):
Figure 0004977371
一般式(I)中、*はフタロシアニン骨格との結合位置を表す。Gは−SO−Z1、−SO2−Z1、−SO2NZ3、−CONZ3、−CO21、−COZ1、またはスルホ基を表す。tは、1〜4の整数を表す。Zは、同一または異なっていても良く、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。Z、Zは、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。
<25>
上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、A環、B環、C環、D環の任意の環が芳香族環である場合には、少なくとも1つの芳香族環が下記一般式(II)であることを特徴とする上記<7>または<8>に記載のインクセットである。
一般式(II):
Figure 0004977371
一般式(II)中、*はフタロシアニン骨格との結合位置を表す。Gは上記一般式(I)と同義である。t1は、1または2である。
<26>
上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つのヘテロ環が含窒素ヘテロ環であることを特徴とする上記<23>〜<25>のいずれか1に記載のインクセットである。
<27>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)及び(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記低い色濃度を有するシアンインクの総質量に対して0.4〜3.0質量%含有されていることを特徴とする上記<17>〜<26>のいずれか1に記載のインクセットである。
<28>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、着色剤として前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記高い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対して2.0〜10.0質量%含有されていることを特徴とする上記<17>〜<27>のいずれか1に記載のインクセットである。
<29>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物において、低い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にあることを特徴とする上記<17>〜<28>のいずれか1に記載のインクセットである。
<30>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種において、Z、Z、Z、及びZがそれぞれ独立して前記Z11又は前記Z12から選ばれた混合物であり、かつ前記一般式(C−3)で表されるシアン染料全体に含まれる前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=3/1を主成分となる染料混合物であることを特徴とする上記<18>〜<29>のいずれか1に記載のインクセットである。
<31>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種において、Z、Z、Z、及びZがそれぞれ独立して前記Z11又は前記Z12から選ばれた混合物であり、かつ前記一般式(C−3)で表されるシアン染料全体に含まれる前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=2/2を主成分となる染料混合物であることを特徴とする上記<18>〜<30>のいずれか1に記載のインクセットである。
<32>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、下記一般式(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<23>〜<31>のいずれか1に記載のインクセットである。
<33>
更に、ブラックインク組成物を有する請求項1〜32のいずれか1に記載のインクセットである。
<34>
前記ブラックインク組成物が、ブラック染料として下記の式(B−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<1>〜<33>のいずれか1に記載のインクセットである。
一般式(B−1):
Figure 0004977371
上記一般式(B−1)中、
A、Bは、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す(Aは一価の基であり、Bは二価の基である)。
1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR43−または−CR44=を表す。
1、R43およびR44は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。R41、R42は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。但し、R41、R42が同時に水素原子であることはない。また、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
<35>
一般式(B−1)で表されるブラックインク組成物が、下記一般式(B−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<34>に記載のインクセットである。
一般式(B−2):
Figure 0004977371
上記一般式(B−2)中、
Xは、N原子または=CW−を表す。Wは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。A、V、T,T、R41及びR42は、上記一般式(B−1)中のA、V、T,T、R41及びR42と同義である。
Wは、上記一般式(B−1)中のV1 と同義である。
<36>
一般式(B−2)で表されるブラックインク組成物が、下記一般式(B−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<34>または<35>に記載のインクセットである。
一般式(B−3):
Figure 0004977371
上記一般式(B−3)中、V、W、X、T、T、R41及びR42は、上記一般式(B−2)中のV、W、X、T、T、R41及びR42と同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、一価の基を表す。
<37>
一般式(B−3)で表されるブラックインク組成物が、下記一般式(B−4)で表される化合物及びその塩からなる群、及びまたは、下記一般式(B−5)で表される化合物及びその塩からなる群;から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<34>〜<36>のいずれか1に記載のインクセットである。
一般式(B−4):
Figure 0004977371
上記一般式(B−4)中、
43は上記一般式(B−1)中のR43と同義である。R44は、上記一般式(B−1)中のR44と同義である。R45、R46は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。R41及びR42は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。
Wは、上記一般式(B−3)中のWと同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−3)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義である。
一般式(B−5):
Figure 0004977371
43は上記一般式(B−1)中のR43と同義である。R44は、上記一般式(B−1)中のR44と同義である。R45、R46は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。R41及びR42は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。
Wは、上記一般式(B−3)中のWと同義である。W11は、上記一般式(B−2)中のW11と同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−3)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義である。
<38>
<34>に記載の一般式(B−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と下記一般式(B−11)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする上記<1>〜<37>のいずれか1に記載のインクセットである。
一般式(B−11):
Figure 0004977371
一般式(B−11)においてG、Gは各々独立に、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロ環基を表し、Kは任意の置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。但し、一般式(B−11)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<39>
一般式(B−11)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種が、下記一般式(B−12)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<38>に記載のインクセットである。一般式(B−12):
Figure 0004977371
一般式(B−12)においてG、G,G及びGは、各々独立に置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す。Lは2価の連結基を表す。但し、一般式(B−11)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<40>
一般式(B−12)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種が、下記一般式(B−13)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<38>〜<39>のいずれか1に記載のインクセットである。
一般式(B−13):
Figure 0004977371
一般式(B−13)においてE、E,E及びEは、各々独立に置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す。L11は2価の連結基を表す。但し、一般式(B−11)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<41>
一般式(B−13)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種が、下記一般式(B−14)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする上記<38>〜<40>のいずれか1に記載のインクセットである。
一般式(B−14):
Figure 0004977371
一般式(B−14)において、A環,B環,C環は、それぞれ独立に置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す。A、A、A、A、A、A11、A12、A13、A14、A15、B、B、B、B、B、B、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C、C、C、C、C11、C12、C13、C14はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。但し、一般式(B−14)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。Q、Qは、それぞれ独立に水素原子、または、置換基を表す。L12は2価の連結基を表す。
<42>
<1>〜<41>のいずれか1に記載されたインクセットを一体的に又は独立に収容したことを特徴とするインクカートリッジである。
<43>
<42>に記載のインクカートリッジが装填されていることを特徴とするインクジェットプリンターである。
<44>
<1>〜<41>のいずれか1に記載のインクセット又は<42>に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法である。
<45>
支持体上に白色無機顔料を含有するインク受容層を有する受像材料上に、<1>〜<41>のいずれか1に記載のインクセット又は<42>に記載のインクカートリッジを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法である。
<46>
<1>〜<41>のいずれか1に記載のインクセット又は<42>に記載のインクカートリッジを用いて記録されたことを特徴とする記録物である。
<47>
<1>〜<41>のいずれか1に記載のインクセット又は<42>に記載のインクカートリッジを用いて形成した着色画像材料の褪色改良方法である。
本発明のインクセットは、イエロ−インク組成物の着色剤として前記一般式(Y−I)及び(Y−1)〜(Y−6)で表される化合物及びその塩(以下、あわせて式(Y−I)及び(Y−1)〜(Y−6)の染料ともいう。)を用い、更に、場合によりイエロ−インク組成物の着色剤として前記一般式(Y−7)〜(Y−9)で表される化合物及びその塩(以下、あわせて式(Y−7)〜(Y−9)の染料ともいう。)を更に用いることにより、このインクセットを用いて印刷された記録物の画像の耐光性・耐オゾン性を優れたものにできる。
さらに、本発明のインクセットにおいては、マゼンタインク組成物として濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物を含む場合、少なくともそれらのインク組成物の一つ、特に淡マゼンタインク組成物に前記一般式(M−1)〜(M−3)の染料を用いることによって、インクセットを用いて印刷される画像の耐光性・耐オゾン性を優れたものにすることができる。
さらに、本発明のインクセットにおいては、シアンインク組成物に用いる染料として前記一般式(C−1)〜(C−3)で表される化合物及びその塩(以下、あわせて式(C−1)〜(C−3)の染料ともいう。)を用いることによって、インクセットを用いて印刷された画像の耐光性・耐オゾン性を優れたものにすることができる。
さらに、シアンインク組成物として濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物を含む場合、少なくともそれらのインク組成物の一つ、特に淡シアンインク組成物の着色剤として前記一般式(C−1)〜(C−3)及びまたは前記一般式(C−4)の染料を用いることによって、インクセットを用いて印刷される画像の耐光性・耐オゾン性を優れたものにすることができる。
本発明のインクセットにはさらにブラックインク組成物を含めることができ、ブラックインク組成物の着色剤として前記一般式(B−1)〜(B−5)で表される化合物及びその塩(以下、あわせて式(B−1)〜(B−5)の染料ともいう。)、特に、前記式(B−4)〜(B−5)で表される化合物及びその塩とそれにさらに加えて前記一般式(B−11)〜(B−14)で表される化合物及びその塩(以下、あわせて式(B−11)〜(B−14)の染料ともいう。)を用いることにより、コントラストが優れ、かつ耐光性・耐オゾン性が優れた画像を得ることができる。
本発明者らは、複数色の各種インク組成物を組み合わせてインクセットを構成し、それを用いて形成された画像の耐光性・耐オゾン性を向上するための検討を行った。その結果、それぞれが上記の特定構造を有する染料を用いたイエロ−インク組成物を含むインクセットを用いて画像を記録した場合、記録物の画像が耐光性・耐オゾン性に優れ、かつイエロ−の光・オゾンによる劣化速度の差が小さいために、ある程度光及びオゾンによる画像の劣化が進行しても、観察者が画像全体の劣化を感じにくいインクセットを得ることができることを見いだした。
さらに本発明者らは、マゼンタ及びシアン組成物において上述した特定構造を有する染料を着色剤として用いた場合に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各カラーが耐光性・耐オゾン性に優れ、かつ各カラー間の光・オゾンによる劣化速度の差を小さくすることができ、ある程度オゾンによる画像の劣化が進行しても観察者が画像全体の劣化を感じにくいインクセットを得ることができることを見いだした。
さらに本発明者らは、上記インクセットにブラックインク組成物を含める場合、ブラックインク組成物に用いるブラック染料として上記特定構造を有する染料を用いた場合に、インクセットを構成する各インク組成物の耐光性・耐オゾン性が良好であり、かつ各インク組成物間の光・オゾン劣化速度に大きな差が生じないため、ある程度オゾンによる画像の劣化が進行しても観察者が画像全体の劣化を感じにくいインクセットを得ることができることを見いだした。
さらに、本発明者らは、シアン及び/又はマゼンタインク組成物について、色濃度の異なる2種のインク組成物(以下、高い色濃度を有するマゼンタ及びシアンインク組成物をそれぞれ「濃マゼンタインク組成物」及び「濃シアンインク組成物」といい、低い色濃度を有するマゼンタ及びシアンインク組成物をそれぞれ「淡マゼンタインク組成物」及び「淡シアンインク組成物」という。)を含むインクセットにおいては、淡マゼンタインク組成物及び/又は淡シアンインク組成物の着色剤として上記の特定の構造を有する染料を用いる場合、特に好ましい耐光性・耐オゾン性を有するインクセットにできることを見いだした。
さらに、本発明者らは、本発明のインクセットはインクジェット記録方法に用いるインクセットとして好ましいことを見いだした。
本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
本発明の第一の態様に係るインクセットは、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物を含む。
本発明のイエロー組成物は、着色剤として前記一般式(Y−I)及び(Y−1)〜(Y−6)の染料からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、更に、場合によりイエロ−組成物の着色剤として前記一般式(Y−7)〜(Y−9)で表される染料からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むものである。
本発明の第ニの態様に係るインクセットは、上記第一の態様のインクセットにおいて、所望によりマゼンタインク組成物として色濃度の異なる少なくとも二種のマゼンタインク組成物、すなわち少なくとも濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物の二種を備えたインクセットであり、さらに少なくとも一種のマゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)〜(M−3)の染料の少なくとも一種を含むものである。特に淡マゼンタインク組成物が、着色剤として前記の式(M−1)〜(M−3)の染料の少なくとも一種を含有していることが好ましい。
本発明の第三の態様に係るインクセットは、上記第一の態様又は上記第二の態様のインクセットにおいて、所望によりシアンインク組成物として色濃度の異なる少なくとも二種のシアンインク組成物、すなわち少なくとも濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物の二種を備えたインクセットであり、さらに少なくとも一種のシアンインク組成物が前記一般式(C−1)〜(C−3)及びまたは前記一般式(C−4)の染料の少なくとも一種を含むものである。特に淡シアンインク組成物が、着色剤として前記の式(C−1)〜(C−3)及びまたは前記一般式(C−4)の染料の少なくとも一種を含有していることが好ましい。
本発明の第四の実施態様に係るインクセットは、上記第一、第二、又は第三の態様の各インクセットにおいて、さらにブラックインク組成物を有するものである。ブラックインク組成物に用いるブラック染料としては前記一般式(B−1)〜(B−5)の染料からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。特に、前記式(B−4)〜(B−5)で表される化合物及びその塩と、それにさらに加えて、前記一般式(B−11)〜(B−14)で表される化合物及びその塩(以下、あわせて式(B−11)〜(B−14)の染料ともいう。)を用いることにより、コントラストが優れ、かつ耐光性・耐オゾン性が優れた画像を得ることができ、更に好ましい。
本発明のインクセットはいずれも、インク組成物を用いる記録方法に用いられ、インク組成物を用いた記録方法としては、例えば、インクジェット記録方法、ペン等の筆記具による記録方法、その他各種の印字及び印刷方法があげられる。本発明のインクセットは、特にインクジェット記録方法に用いるインクセットとして好ましい。
本発明のインクセットに含まれる各インク組成物について説明する。まず、各インク組成物中に含有される着色剤について、以下に各色のインク組成物ごとに説明する。本発明のインクセットにおいては各色のインク組成物において、特定の化学構造を有する染料を着色剤として用いることによって、インクセット全体としての耐光性・耐オゾン性を優れたものにすることができる。
本発明のインクセットを構成するイエロ−インク組成物に用いられる着色剤について説明する。
〔アゾ色素〕
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年 L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明の一般式(I)及び(1)〜(6)で表される化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
本発明におけるアゾ色素は前記一般式(Y−I)及び(Y−1)〜(Y−6)で表されるアゾ色素である。
以下、一般式(I)について詳細に説明する。
Figure 0004977371
式中、Gはヘテロ環基を表し、nは1〜3の整数を表す。
nが1の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価の基を表し、括弧内で示されるモノアゾ色素を表す。
nが2の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価または2価の置換基を表す。但し、少なくとも1つは2価の置換基を表し、括弧内で示される色素のビス型アゾ色素を表す。
nが3の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価、2価または3価の置換基を表す。但し、少なくとも二つが2価の置換基を表すか、または、少なくとも1つが3価の置換基を表し、括弧内で示される色素のトリス型アゾ色素を表す。
以下に、前記一般式(I)について更に詳しく説明する。
一般式(I)中、Gの好ましい置換基例は、5〜8員ヘテロ環基が好ましく、その中でも5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環基が好ましく、それらは更に縮環していてもよい。更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。
前記Gで表されるヘテロ環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリン、スルホランなどが挙げられる
前記ヘテロ環基が、更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下に挙げたような置換基を更に有してもよい。
炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基(以上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性及びインクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素を有するものが特に好ましい。例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec-ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基)が挙げられる。
一般式(Y−I)中、Q、R、X、Y及びZの好ましい置換基例を詳細に説明する。
Q、R、X、Y及びZが一価の基を示す場合、一価の基としては、水素原子、または一価の置換基を表す。一価の置換基を更に詳しく説明する。この一価の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、またはイミド基を挙げることができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
中でも特に好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基であり、特に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはヘテロ環基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、またはアルキルスルホニル基が最も好ましい。
以下に、前記Q、R、X、Y及びZを更に詳しく説明する。
Q、R、X、Y及びZで表されるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。中でも塩素原子、または臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキル基は、置換もしくは無置換のアルキル基が含まれる。置換又は無置換のアルキル基は、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。中でも、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、およびハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい) またはカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。前記アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチルまたは4−スルホブチルを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるシクロアルキル基は、置換もしくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換基又は無置換のシクロアルキル基は、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記シクロアルキル基の例にはシクロヘキシル、シクロペンチル、または4−n−ドデシルシクロヘキシルを挙げることができる。
Q、R、X、Y及びZで表されるアラルキル基は、置換もしくは無置換のアラルキル基が含まれる。置換もしくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アラルキルの例にはベンジルおよび2−フェネチルを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルケニル基は、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。好ましくは炭素数2−30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテンー1−イル、2−シクロヘキセンー1−イルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキニル基は、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基であり、例えば、エチニル、またはプロパルギルを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリール基は、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、またはo−ヘキサデカノイルアミノフェニルである。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。
Q、R、X、Y及びZで表されるヘテロ環基は、5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、それらは更に縮環していてもよい。更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ヘテロ環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルコキシ基は、置換もしくは無置換のアルコキシ基が含まれる。置換もしくは無置換のアルコキシ基としては、炭素原子数が1〜30のアルコキシ基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシおよび3−カルボキシプロポキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリールオキシ基は、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるシリルオキシ基は、炭素数3から20のシリルオキシ基が好ましく、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるで表されるヘテロ環オキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ヘテロ環オキシ基の例には、例えば、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアシルオキシ基は、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アシルオキシ基の例には、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるカルバモイルオキシ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記カルバモイルオキシ基の例には、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルコキシカルボニルオキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例には、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるで表されるアリールオキシカルボニルオキシ基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアミノ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アミノ基の例には、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、ヒドロキシエチルアミノ、カルボキシエチルアミノ、スルフォエチルアミノ、3,5−ジカルボキシアニリノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアシルアミノ基は、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アシルアミノ基の例には、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアミノカルボニルアミノ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アミノカルボニルアミノ基の例には、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリールオキシカルボニルアミノ基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるスルファモイルアミノ基は、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記スルファモイルアミノ基の例には、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキル及びアリールスルホニルアミノ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基の例には、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキルチオ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキルチオ基の例には、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリールチオ基は炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールチオ基の例には、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるヘテロ環チオ基は、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ヘテロ環チオ基の例には、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるスルファモイル基は、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記スルファモイル基の例には、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)などを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキル及びアリールスルフィニル基は、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキル及びアリールスルフィニル基の例には、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキル及びアリールスルホニル基は、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキル及びアリールスルホニル基の例には、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアシル基は、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アシル基の例には、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリールオキシカルボニル基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルコキシカルボニル基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニル基の例には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるカルバモイル基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記カルバモイル基の例には、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるホスフィノ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィノ基の例には、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるホスフィニル基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニル基の例には、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるホスフィニルオキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニルオキシ基の例には、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるホスフィニルアミノ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニルアミノ基の例には、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるシリル基は、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記シリル基の例には、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアゾ基は、例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるイミド基は、例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミドなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZが二価の基を示す場合、二価の基としては、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、二価のヘテロ環基(例、6ークロロー1、3、5ートリアジンー2、4ージイル基、ピリミジンー2、4ージイル基、ピリミジンー4、6ージイル基、キノキサリンー2、3ージイル基、ピリダジンー3,6−ジイル)、−O−、−CO−、−NR’−(R’は水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−NHCHCHNH−、−NHCONH−等)であることが好ましい。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rのアルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよい。
置換基の例としては、上記Gで説明したの置換基と同義である。
上記R’のアルキル基およびアリール基は、上記Gの置換基例と同義である
さらに好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、二価のヘテロ環基、−S−、−SO−、―SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−SCHCHS−、−SCHCHCHS−等)であることがさらに好ましい。
二価の連結基の総炭素数は0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがより好ましく、0乃至10であることが最も好ましい。
Q、R、X、Y及びZが三価の基を示す場合、三価の基としては、3価の炭化水素基、三価のヘテロ環基、>N−、又はこれと2価の基の組み合わせ(例えば>NCHCHNH−、>NCONH−等)であることが好ましい。
三価の連結基の総炭素数は0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがより好ましく、0乃至10であることが最も好ましい。
一般式(Y−I)中、nの好ましい例は、1または2であり、特に2が好ましい。
一般式(Y−I)中、Xの好ましい置換基例は電子吸引性基である。特に、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基であり、より好ましくは、σp値が0.30以上の電子吸引性基であることが好ましい。上限としては1.0以下の電子吸引性基である。
σp値が0.20以上の電子吸引性基であるXの具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。
Xの好ましいものとしては、炭素数2〜12のアシル基、炭素数2〜12のアシルオキシ基、炭素数1〜12のカルバモイル基、炭素数2〜12のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルキルスルフイニル基、炭素数6〜18のアリールスルフイニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数0〜12のスルファモイル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルオキシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数7〜18のハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp0.20以上の他の電子吸引性基で置換された炭素数7〜18のアリール基、及び窒素原子、酸素原子、またはイオウ原子を有する5〜8員環で炭素数1〜18のヘテロ環基を挙げることができる。
更に好ましくは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基である。
Xとして特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基であり、最も好ましいものは、シアノ基、または炭素数1〜12のアルキルスルホニル基である。
一般式(Y−I)中、Zの好ましい置換基例は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を示す。
Zが表す詳細な置換基例は、前述のGで表されるヘテロ環基の例で説明した対応する置換基例と同義であり、好ましい例も同じである。
Zが表す特に好ましい置換基は置換アリール基、または置換基へテロ環基であり、その中でも特に置換基アリール基が好ましい。
一般式(Y−I)中、Qの好ましい置換基例は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、または置換もしくは無置換のアリールスルホニル基が好ましく、特に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアシル基が好ましく、その中でも特に水素原子が好ましい。
一般式(Y−I)中、Rは置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
一般式(Y−1)中、Yは水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、水素原子、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基及びまたは分岐のアルキル基が好ましく、特に水素原子、または1〜8のアルキル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−I)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−I)で表される色素として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)
〜(ト)を含むものである。
(イ)Gは、5〜8員含窒素ヘテロ環が好ましく、特にS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環が好ましく、その中でもS-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環が好ましく、S−トリアジン環が最も好ましい。
(ロ)Rは置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ハ)Xとして特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基であり、その中でも、シアノ基、または炭素数1〜12のアルキルスルホニル基が好ましく、最も好ましいものは、シアノ基である。
(ニ)Yは水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、水素原子、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に水素原子、または1〜8のアルキル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ホ)Zは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、特に好ましい置換基は置換アリール基、または置換基へテロ環基であり、その中でも特に置換基アリール基が好ましい。
(ヘ)Qは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、または置換もしくは無置換のアリールスルホニル基が好ましく、特に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアシル基が好ましく、その中でも特に水素原子が好ましい。
(ト)nは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2であり、特に2が最も好ましい。
上記一般式(Y−I)で表されるアゾ色素のうち、好ましくは下記一般式(Y−1)〜(Y−5)で表される色素である。
以下、一般式(Y−1)について詳細に説明する。
一般式(Y−1)
Figure 0004977371
、R、X、X、Y、Y、Z、及びZは一価の基を示す。
一価の基としては、水素原子、または一価の置換基を表す。一価の置換基の例としては、上記一般式(I)中、R、X、Y及びZの一価の置換基例と同義であり好ましい例も同じである。mは0〜3の整数を表す。
以下に、前記R、R、X、X、Y、Y、Z、及びZを更に詳しく説明する。
、Rの置換基例は、それぞれ独立に上記一般式(Y−I)中のRの例と同義であり、好ましい例も同じである。
、Yの置換基例は、それぞれ独立に上記一般式(Y−I)中のYの例と同義であり、好ましい例も同じである。
、Zの置換基例は、それぞれ独立に上記一般式(Y−I)中のZの例と同義であり、好ましい例も同じである。
以下に、前記G及びmを更に詳しく説明する。
Gは5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を表す。
Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例は、S-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環であり、その中でもS-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環がより好ましく、S-トリアジン環が最も好ましい。
は、0〜3の整数を表し、Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例の構造に、−OM基が置換可能な場合は、0〜2が好ましく、その中でも0または1が好ましく、特にm=1が最も好ましい。
以下に、前記Mを更に詳しく説明する。
Mは水素原子またはカチオンを示す。
Mで表されるカチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、好ましくはLi、Na、K、NH、またはNRである。但し、R はアルキル基およびアリール基であり上述したR、Yで表されるアルキル基およびアリール基の例と同じである。その中でも好ましいMのカチオン例はLi、Na、K、またはNHであり、Li、Na、またはKが特に好ましい。
本発明の一般式(Y−1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−1)で表される色素として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ヘ)を含むものである。
(イ)R、Rは同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ロ)X、Xは同一または異なっていてもよく、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基が好ましく、更に0.30以上の電子吸引性基が好ましく、上限としては1.0以下の電子吸引性基である。その中でも、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基が好ましく、最も好ましいものは、シアノ基、または炭素数1〜12のアルキルスルホニル基である。
(ハ)Y、Yは同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、その中でも水素原子が最も好ましい。
(ニ)Z、Zは、同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12アルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、特に置換アリール基が最も好ましい。
(ホ)Gは5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を表し、5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例は、S-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環であり、その中でもS-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環がより好ましく、S-トリアジン環が最も好ましい。
(ヘ)mは、0〜3の整数を表し、Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例の構造に、−OM基が置換可能な場合は、0〜2が好ましく、その中でも0または1が好ましく、特にm=1が最も好ましい。
(ト)Mは水素原子又はカチオンが好ましく、特に好ましくは水素原子、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、更に好ましくはLi、Na、K、またはNHである。
以下、一般式(Y−2)について詳細に説明する。
一般式(Y−2)
Figure 0004977371
、R、R11、R12、X、X、Z、及びZは一価の基を示す。
一価の基としては、水素原子、または一価の置換基を表す。
は、2価の連結基を表す。
、Gは、はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示す。
21、m22は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、G、Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例の構造に、−OM基が置換可能な場合は、0〜2が好ましく、その中でも0または1が好ましく、特にm=1、m=1が最も好ましい。
Mは水素原子またはカチオンを示す。
以下に、前記一般式(Y−2)について更に詳しく説明する。
一般式(Y−2)中、R及びRの好ましい置換基例は、上記一般式(Y−1)で説明したR、R、Y、及びYの置換基例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−2)中、X及びXの好ましい置換基例は、上記一般式(Y−1)で説明したX及びXの置換基例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−2)中、Z及びZの好ましい置換基例は、上記一般式(Y−1)で説明したZ及びZの置換基例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−2)中、G及びGの好ましい例は、上記一般式(Y−1)で説明したGの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−2)中、m21,m22は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、G、Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例の構造に、−OM基が置換可能な場合は、0〜2が好ましく、その中でも0または1が好ましく、特にm=1、m=1が最も好ましい。
一般式(Y−2)中、Mの好ましい例は、上記一般式(Y−1)で説明したMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−2)中、R11及びR12の好ましい置換基例は、上記一般式(Y−1)で説明したR、R、Y、及びYの置換基例と同義であり、好ましい例は、-OM基(Mは水素原子またはカチオン)、置換もしくは無置換のアミノ基;炭素数1から12のアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の炭素数6から18のアリールチオ基等が挙げられる。
一般式(Y−2)中、Lで表される二価の連結基はアルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、二価のヘテロ環基(例、6ークロロー1、3、5ートリアジンー2、4ージイル基、ピリミジンー2、4ージイル基、ピリミジンー4、6ージイル基、キノキサリンー2、3ージイル基、ピリダジンー3,6−ジイル)、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−NHCHCHNH−、−NHCONH−等)であることが好ましい。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rのアルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよい。
置換基の例としては、上記一般式(Y−1)中のR、R、Y及びYの置換基と同義である。
上記Rのアルキル基およびアリール基は、上記一般式(Y−1)中のR、R、Y及びYの置換基例と同義である。
さらに好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、−S−、−SO−、―SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−SCHCHS−、−SCHCHCHS−等)であることがさらに好ましい。
二価の連結基の総炭素数は0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがより好ましく、0乃至10であることが最も好ましい。
本発明の一般式(Y−2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−2)で表される色素として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(チ)を含むものである。
(イ)R、Rは同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ロ)X、Xは同一または異なっていてもよく、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基が好ましく、更に0.30以上の電子吸引性基が好ましく、上限としては1.0以下の電子吸引性基である。その中でも、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基が好ましく、最も好ましいものは、シアノ基、または炭素数1〜12のアルキルスルホニル基である。
(ハ)Z、Zは、同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12アルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、特に置換アリール基が最も好ましい。
(ニ)G、Gは同一または異なっていてもよく、5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を表し、5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例は、S−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環であり、その中でもS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環がより好ましく、S−トリアジン環が最も好ましい。
(ホ)m21、m22は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、G、Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例の構造に、−OM基が置換可能な場合は、0〜2が好ましく、その中でも0または1が好ましく、特にm=1、m=1が最も好ましい。
(ヘ)Mは水素原子又はカチオンが好ましく、特に好ましくは水素原子、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、更に好ましくはLi、Na、K、又はNHである。
(ト)R11、R12は同一または異なっていてもよく、−OM基(Mは水素原子またはカチオン)、置換もしくは無置換のアミノ基(炭素数1から12のアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基等)、置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基、または置換もしくは無置換の炭素数6から18のアリールチオ基が好ましく、その中でも無置換のアミノ基、炭素数1から12のアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基、または置換もしくは無置換の炭素数6から18のアリールチオ基が好ましく、特に無置換のアミノ基、炭素数1から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基が好ましい。
(チ)Lは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、−S−、−SO−、―SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−SCHCHS−、−SCHCHCHS−等)であることが好ましく、さらに炭素数10以下のアルキレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、−S−、−SO−、―SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−SCHCHS−、−SCHCHCHS−等)であることが好ましく、特に炭素数10以下のアルキレン基、−SCHCHS−、−SCHCHCHS−であることが好ましい。
以下、一般式(Y−3)について詳細に説明する。
一般式(Y−3)
Figure 0004977371
、R、R11、R12、X、X、Y、及びYは一価の基を示す。
一価の基としては、水素原子、または一価の置換基を表す。
は、2価の連結基を表す。
、Gは、はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示す。
31、m32は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
Mは水素原子またはカチオンを示す。
以下に、前記一般式(Y−3)について更に詳しく説明する。
一般式(Y−3)中、R、R、Y、及びYの好ましい置換基例は、上記一般式(Y−1)で説明したR、R、Y、及びYの置換基例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−3)中、X及びXの好ましい置換基例は、上記一般式(Y−1)で説明したX及びXの置換基例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−3)中、G及びGの好ましい例は、上記一般式(Y−1)で説明したGの例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−3)中、m31及びm32の好ましい例はは、上記一般式(Y−2)で説明したm21,m22の例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−3)中、Mの好ましい例は、上記一般式(Y−1)で説明したMの例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−3)中、R11及びR12の好ましい置換基例は、上記一般式(Y−2)で説明したR11、R12の置換基例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−3)中、Lで表される二価の連結基は、上記一般式(Y−2)で説明したLの例と同義であり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(Y−3)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−3)で表される色素として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(チ)を含むものである。
(イ)R、Rは同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ロ)X、Xは同一または異なっていてもよく、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基が好ましく、更に0.30以上の電子吸引性基が好ましく、上限としては1.0以下の電子吸引性基である。その中でも、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基が好ましく、最も好ましいものは、シアノ基、または炭素数1〜12のアルキルスルホニル基である。
(ハ)Y、Yは同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、その中でも水素原子が最も好ましい。
(ニ)G、Gは同一または異なっていてもよく、5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を表し、5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例は、S-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環であり、その中でもS-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環がより好ましく、S-トリアジン環が最も好ましい。
(ホ)m31,m32は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、G、Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例の構造に、−OM基が置換可能な場合は、0〜2が好ましく、その中でも0または1が好ましく、特にm=1、m=1が最も好ましい。
(ヘ)Mは水素原子又はカチオンが好ましく、特に好ましくは水素原子、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、更に好ましくはLi、Na、K、又はNHである。
(ト)R11、R12は同一または異なっていてもよく、−OM基(Mは水素原子またはカチオン)、置換もしくは無置換のアミノ基(炭素数1から12のアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基等)、置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基、または置換もしくは無置換の炭素数6から18のアリールチオ基が好ましく、その中でも無置換のアミノ基、炭素数1から12のアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基、または置換もしくは無置換の炭素数6から18のアリールチオ基が好ましく、特に無置換のアミノ基、炭素数1から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基が好ましい。
(チ)Lは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、−S−、−SO−、―SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−SCHCHS−、−SCHCHCHS−等)であることが好ましく、さらに炭素数10以下のアルキレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、−S−、−SO−、―SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−SCHCHS−、−SCHCHCHS−等)であることが好ましく、特に炭素数10以下のアルキレン基、−SCHCHS−、−SCHCHCHS−であることが好ましい。
以下、一般式(Y−4)について詳細に説明する。
一般式(Y−4)
Figure 0004977371
11、R12、X、X、Y、Y、Z及びZは一価の基を示す。
一価の基としては、水素原子、または一価の置換基を表す。
は、2価の連結基を表す。
、Gは、はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示す。
41,m42は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
Mは水素原子またはカチオンを示す。
以下に、前記一般式(Y−4)について更に詳しく説明する。
一般式(Y−4)中、Y、及びYの好ましい置換基例は、上記一般式(Y−1)で説明したR、R、Y、及びYの置換基例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−4)中、X及びXの好ましい置換基例は、上記一般式(Y−1)で説明したX及びXの置換基例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−4)中、G及びGの好ましい例は、上記一般式(Y−1)で説明したGの例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−4)中、m41及びm42の好ましい例はは、上記一般式(Y−2)で説明したm21,m22の例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−4)中、Mの好ましい例は、上記一般式(Y−1)で説明したMの例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−4)中、R11及びR12の好ましい置換基例は、上記一般式(Y−2)で説明したR11、R12の置換基例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−4)中、Lで表される二価の連結基の例は、上記一般式(Y−2)で説明したLの例と同じであり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(Y−4)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−4)で表される色素として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(チ)を含むものである。
(イ)Y、Yは同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、その中でも水素原子が最も好ましい
(ロ)X、Xは同一または異なっていてもよく、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基が好ましく、更に0.30以上の電子吸引性基が好ましく、上限としては1.0以下の電子吸引性基である。その中でも、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基が好ましく、最も好ましいものは、シアノ基、または炭素数1〜12のアルキルスルホニル基である。
(ハ)Z、Zは、同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12アルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、特に置換アリール基が最も好ましい。
(ニ)G、Gは同一または異なっていてもよく、5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を表し、5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例は、S-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環であり、その中でもS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環がより好ましく、S−トリアジン環が最も好ましい。
(ホ)m41,m42は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、G、Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例の構造に、−OM基が置換可能な場合は、0〜2が好ましく、その中でも0または1が好ましく、特にm=1、m=1が最も好ましい。
(ヘ)Mは水素原子又はカチオンが好ましく、特に好ましくは水素原子、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、更に好ましくはLi、Na、K、又はNHである。
(ト)R11、R12は同一または異なっていてもよく、−OM基(Mは水素原子またはカチオン)、置換もしくは無置換のアミノ基(炭素数1から12のアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基等)、置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基、または置換もしくは無置換の炭素数6から18のアリールチオ基が好ましく、その中でも無置換のアミノ基、炭素数1から12のアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基、または置換もしくは無置換の炭素数6から18のアリールチオ基が好ましく、特に無置換のアミノ基、炭素数1から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基が好ましい。
(チ)Lは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、−S−、−SO−、―SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−SCHCHS−、−SCHCHCHS−等)であることが好ましく、さらに炭素数10以下のアルキレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、−S−、−SO−、―SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−SCHCHS−、−SCHCHCHS−等)であることが好ましく、特に炭素数10以下のアルキレン基、−SCHCHS−、−SCHCHCHS−であることが好ましい。
以下、一般式(Y−5)について詳細に説明する。
一般式(Y−5)
Figure 0004977371
、R、R11、R12、Y、Y、Z、及びZは一価の基を示す。
一価の基としては、水素原子、または一価の置換基を表す。
は、2価の連結基を表す。
、Gは、はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示す。
m51,m52は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
Mは水素原子またはカチオンを示す。
以下に、前記一般式(Y−5)について更に詳しく説明する。
一般式(Y−5)中、R、R、Y及びYの好ましい置換基例は、上記一般式(Y−1)で説明したR、R、Y、及びYの置換基例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−5)中、Z及びZの好ましい置換基例は、上記一般式(Y−1)で説明したZ及びZの置換基例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−5)中、G及びGの好ましい例は、上記一般式(Y−1)で説明したGの例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−5)中、m51及びm52の好ましい例はは、上記一般式(Y−2)で説明したm21,m22の例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−5)中、Mの好ましい例は、上記一般式(Y−1)で説明したMの例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−5)中、R11及びR12の好ましい置換基例は、上記一般式(Y−2)で説明したR11及びR12の置換基例と同じであり、好ましい例も同じである。
一般式(Y−5)中、Lで表される二価の連結基の例は、上記一般式(Y−2)で説明したLの例と同じであり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(Y−5)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−5)で表される色素として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(チ)を含むものである。
(イ)R、Rは同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ロ)Y、Yは同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、その中でも水素原子が最も好ましい。
(ハ)Z、Zは、同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12アルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、特に置換アリール基が最も好ましい。
(ニ)G、Gは同一または異なっていてもよく、5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を表し、5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例は、S-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環であり、その中でもS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環がより好ましく、S−トリアジン環が最も好ましい。
(ホ)m41,m42は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、G、Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例の構造に、−OM基が置換可能な場合は、0〜2が好ましく、その中でも0または1が好ましく、特にm=1、m=1が最も好ましい。
(ヘ)Mは水素原子又はカチオンが好ましく、特に好ましくは水素原子、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、更に好ましくはLi、Na、K、又はNHである。
(ト)R11、R12は同一または異なっていてもよく、−OM基(Mは水素原子またはカチオン)、置換もしくは無置換のアミノ基;炭素数1から12のアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の炭素数6から18のアリールチオ基が好ましく、その中でも無置換のアミノ基、炭素数1から12のアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基、または置換もしくは無置換の炭素数6から18のアリールチオ基が好ましく、特に無置換のアミノ基、炭素数1から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から18のアリールアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数1から12のアルキルチオ基が好ましい。
(チ)Lは、2価の連結基で且つハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基が好ましく、更に0.30以上の電子吸引性基が好ましく、上限としては1.0以下の電子吸引性基である。その中でも、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基:{−SO−(CH)n−OS−;n=1〜10の整数}、炭素数6〜18のアリールスルホニル基:{−SO−Ar−OS−;Arは置換または無置換のアリール基が好ましく、最も好ましいものは、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基アルキルスルホニル基:{−SO−(CH)n−OS−;n=1〜5の整数}である。
上記一般式(Y−1)で表されるアゾ色素のうち、好ましくは一般式(Y−6)で表される色素である。
一般式(Y−6)
Figure 0004977371
以下、一般式(Y−6)について詳細に説明する。
、R、Y、およびYは一価の基を示し、X、Xはそれぞれ独立にハメットのσp値0.20以上の電子吸引性基を示す。Z、Zはそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を示す。Mは水素原子またはカチオンを示す。
以下に、R、R、X、X、Y、Y、Z、ZおよびMについて詳細に説明する。
、R、Y、およびYの置換基の例は、上記一般式(Y−1)中で説明したR、R、Y、およびYの置換基例と同じであり好ましい例も同じである。
及びXの置換基の例は、上記一般式(Y−1)中で説明したX及びXの置換基例と同じであり好ましい例も同じである。
及びZの置換基の例は、上記一般式(Y−1)中で説明したZ及びZの置換基例と同じであり好ましい例も同じである。
Mの例は、上記一般式(Y−1)中で説明したMの例と同じであり好ましい例も同じである。
本発明の一般式(Y−6)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−6)で表される色素として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)R、Rは同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ロ)X、Xは同一または異なっていてもよく、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基が好ましく、更に0.30以上の電子吸引性基が好ましく、上限としては1.0以下の電子吸引性基である。その中でも、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基が好ましく、最も好ましいものは、シアノ基、または炭素数1〜12のアルキルスルホニル基である。
(ハ)Y、Yは同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、その中でも水素原子が最も好ましい。
(ニ)Z、Zは、同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12アルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、特に置換アリール基が最も好ましい。
(ホ)Mは水素原子又はカチオンが好ましく、特に好ましくは水素原子、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、更に好ましくはLi、Na、K、またはNHである。
本発明において、一般式(Y−I)、(Y−1)、(Y−2)、(Y−3)、(Y−4)、(Y−5)および(Y−6)で表される化合物が親水性を必要とする場合は、分子内に2個以上のイオン性親水性基を有することが好ましく、2〜10個のイオン性親水性基を有することがさらに好ましく、3〜6個のイオン性親水性基を有することが特に好ましい。
但し、媒体として水を使用しない場合はイオン性親水性基を有していなくてよい。
イオン性親水性基としては、イオン性解離基である限りいかなるものであってもよい。具体的にはスルホ基、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよい)又は4級アンモニウムを挙げることが出来る。
好ましくはスルホ基、カルボキシル基、または水酸基(それらの塩を含む)である。
イオン性親水性基が塩の場合、好ましいカウンターカチオンはアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム、及び有機のカチオン(例えばピリジニウム、テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム)を挙げることができ、その中でもアルカリ金属が好ましく、特にスルホ基の場合はリチウム塩、カルボキシ基の場合はナトリウム塩及びまたはカリウム塩が好ましい。
本発明の一般式(Y−6)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、上記一般式(Y−6)で表される化合物のうち、下記一般式(Y−6−I)で表される化合物が好ましい。
一般式(Y−6−I):
Figure 0004977371
一般式(Y−6−I)中、R、R、Y、Y、W11、W12、W13、W14、W15、W21、W22、W23、W24及びW25は一価の基を示すし、X、Xはそれぞれ独立にハメットのσp値0.20以上の電子吸引性基を示す。Mは水素原子またはカチオンを示す。但し、W11、W12、W13、W14、W15、W21、W22、W23、W24、W25の少なくとも一つは、イオン性親水性基であるかまたはイオン性親水性基を置換基として有する基である。
本発明において、上記一般式(Y−6−I)について詳細に説明する。
本発明においては、上記一般式(Y−6−I)において、W11、W12、W13、W14、W15、W21、W22、W23、W24及びW25は、上記一般式(Y−6)において、Y、Y、Z、Zで説明した一価の基の例と同義である。
好ましいW11、W12、W13、W14、W15、W21、W22、W23、W24及びW25は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよい)又は4級アンモニウムであり、その中でも水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい) (それらの塩を含む)が好ましく、更に水素原子、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)が好ましく、特にW11、W12、W13、W14及びW15のうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)且つW21、W22、W23、W24及びW25のうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)が好ましい。
本発明においては、上記一般式(Y−6−I)において、X1,X2はは前記一般式(Y−6)中のX、Xと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(Y−6−I)において、Y,Yはは前記一般式(Y−6)中のY、Yと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(Y−6−I)において、R、Rは前記一般式(Y−6)中のR、Rと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(Y−6−I)において、Mは前記一般式(Y−6)中のMと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(Y−6−I)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ヘ)を含むものである。
(イ)R、Rは同一または異なっていてもよく、総炭素原子数C1〜C8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ロ)X、Xは同一または異なっていてもよく、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基が好ましく、最も好ましいものは、シアノ基である。
(ハ)Y、Yは同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、更に水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、その中でも水素原子、メチル基が最も好ましい。
(ニ)W11、W12、W13、W14、W15、W21、W22、W23、W24及びW25は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい) (それらの塩を含む)が好ましく、更に水素原子、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)が好ましく、特にW11、W12、W13、W14及びW15のうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)且つW21、W22、W23、W24及びW25のうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)が好ましい。
(ホ)Mは水素原子又はカチオンが好ましく、特に好ましくは水素原子、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、更に好ましくはLi、Na、K、またはNHである。
(ヘ)本発明において、一般式(Y−3−I)で表される化合物は、分子内に2個以上のイオン性親水性基を有することが好ましく、2〜16個のイオン性親水性基を有することがさらに好ましく、3〜5個のイオン性親水性基を有することが特に好ましい。
イオン性親水性基としては、イオン性解離基である限りいかなるものであってもよい。具体的にはスルホ基、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよい)又は4級アンモニウムを挙げることが出来る。好ましくはスルホ基、カルボキシル基、または水酸基(それらの塩を含む)である。
イオン性親水性基が塩の場合、好ましいカウンターカチオンはアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム、及び有機のカチオン(例えばピリジニウム、テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム)を挙げることができ、その中でもアルカリ金属が好ましく、特にスルホ基の場合はリチウム塩、カルボキシ基の場合はナトリウム塩及びまたはカリウム塩が好ましい。
本発明の一般式(Y−6−I)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明のイエロ−インク組成物に、着色剤として下記一般式(Y−7)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含むことが可能である。
一般式(Y−7):
Figure 0004977371
上記一般式(Y−7)中、A、Aは、置換または無置換のアリール基、及びまたは、置換または無置換の5または6員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A−NH2の残基を表す。R及びRは一価の基を示し、Gは5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m1は0〜3の整数を表す。但し、一般式(Y−7)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。A、Aが5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A−NH2の残基を表す場合は、ピラゾール環を除く。
本発明において、上記一般式(Y−7)において、好ましいA、Aについて詳細に説明する。
およびAで表されるアリール基としては置換もしくは無置換のアリール基が含まれる。置換もしくは無置換のアリール基としては、炭素数6から30のアリール基が好ましい。
アリール基の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基(塩の形でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩の形でもよい)、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
およびAで表されるアリール基としては置換フェニル基(置換基はカルボキシル基又はスルホ基が好ましい)がより好ましい。
およびAで表されるヘテロ環基のヘテロ環としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。
また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。例えば、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。
中では芳香族ヘテロ環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられ、より好ましくはイミダゾール、ベンズオキサゾール、チアジアゾールが挙げられ、特にチアジアゾール(好ましくは1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール)が好ましく、その中でも1,3,4−チアジアゾールが最も好ましい。
それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、前述したアリール基の置換基と同じである。
本発明において、上記一般式(Y−7)において、好ましいGについて詳細に説明する。
一般式(Y−7)中、Gの好ましい置換基例は、5〜8員ヘテロ環基が好ましく、その中でも5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環基が好ましく、それらは更に縮環していてもよい。更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。
前記Gで表されるヘテロ環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリン、スルホランなどが挙げられる。
更にGは、5〜8員含窒素ヘテロ環が好ましく、特にS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環が好ましく、その中でもS-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環が好ましく、特にS−トリアジン環が最も好ましい。
前記ヘテロ環基が、更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下に挙げたような置換基を更に有してもよい。
炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基(以上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性及びインクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素を有するものが特に好ましい。例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec-ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基)が挙げられる。
本発明において、上記一般式(Y−7)において、好ましいR、Rについて詳細に説明する。
及びRは一価の基を示す、一価の基としては、水素原子、または一価の置換基を表す。一価の置換基を更に詳しく説明する。この一価の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、またはイミド基を挙げることができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
中でも特に好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基であり、特に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはヘテロ環基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、またはアルキルスルホニル基が最も好ましい。
、Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
本発明において、上記一般式(Y−7)において、好ましいMについて詳細に説明する。
Mは水素原子またはカチオンを示す。Mで表されるカチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、好ましくはLi、Na、K、NH、またはNRである。但し、R はアルキル基およびアリール基であり上述したR、Yで表されるアルキル基およびアリール基の例と同じである。その中でも好ましいMのカチオン例はLi、Na、K、またはNHであり、Li、Na、またはKが特に好ましい。
本発明において、上記一般式(Y−7)において、好ましいmについて詳細に説明する。
は、0〜3の整数を表し、Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例の構造に、−OM基が置換可能な場合は、0〜2が好ましく、その中でも0または1が好ましく、特にm=1が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−7)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)一般式(Y−7)中、A、Aは、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。その中でも5員又は6員環含窒素へテロ環が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられ、より好ましくはイミダゾール、ベンズオキサゾール、チアジアゾールが挙げられ、特にチアジアゾール(好ましくは1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール)が好ましく、その中でも1,3,4−チアジアゾールが最も好ましい。
(ロ)一般式(Y−7)中、Gの好ましい置換基例は、5〜8員ヘテロ環基が好ましく、その中でも5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環基が好ましく、それらは更に縮環していてもよい。更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。更にヘテロ環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリン、スルホランなどが挙げられる。更にGは、5〜8員含窒素ヘテロ環が好ましく、特にS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環が好ましく、その中でもS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環が好ましく、特にS−トリアジン環が最も好ましい。
(ハ)一般式(Y−7)中、R及びRは一価の基を示す、一価の基としては、水素原子、または一価の置換基を表す。中でも特に好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基であり、特に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはヘテロ環基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、またはアルキルスルホニル基が最も好ましい。更に好ましくは、R1、R2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ニ)一般式(Y−7)中、Mは水素原子またはカチオンを示す。Mで表されるカチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、好ましくはLi、Na、K、NH、またはNRである。但し、Rはアルキル基およびアリール基であり上述したR、Yで表されるアルキル基およびアリール基の例と同じである。その中でも好ましいMのカチオン例はLi、Na、K、またはNHであり、Li、Na、またはKが特に好ましい。
(ホ)上記一般式(Y−7)中、mは、0〜3の整数を表し、Gの表す5〜8員含窒素ヘテロ環の好ましい例の構造に、−OM基が置換可能な場合は、0〜2が好ましく、その中でも0または1が好ましく、特にm=1が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−7)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、上記一般式(Y−7)で表される化合物のうち、下記一般式(Y−8)で表される化合物が好ましい。
一般式(Y−8):
Figure 0004977371
一般式(Y−8)中、A、A、R、R及びMは、上記一般式(Y−7)中のA、A、R、R及びMと同義である。但し、一般式(Y−8)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
本発明において、上記一般式(Y−8)について詳細に説明する。
本発明においては、上記一般式(Y−8)において、A、Aは、前記一般式(Y−7)中のA、Aと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(Y−8)において、R、Rは、前記一般式(Y−7)中のR、Rと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(Y−8)において、Mは、前記一般式(Y−7)中のMと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(Y−8)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ニ)を含むものである。
(イ)一般式(Y−8)中、A、Aは、5員又は6員環含窒素へテロ環が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられ、より好ましくはイミダゾール、ベンズオキサゾール、チアジアゾールが挙げられ、特にチアジアゾール(好ましくは1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール)が好ましく、その中でも1,3,4−チアジアゾールが最も好ましい。
(ロ)一般式(Y−8)中、Gは、5〜8員含窒素ヘテロ環が好ましく、特にS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環が好ましく、その中でもS−トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環が好ましく、特にS−トリアジン環が最も好ましい。
(ハ)一般式(Y−8)中、R及びRはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ニ)一般式(Y−8)中、Mは水素原子またはカチオンを示す。Mで表されるカチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、好ましくはLi、Na、K、NH、またはNRである。但し、R はアルキル基およびアリール基であり上述したR、Yで表されるアルキル基およびアリール基の例と同じである。その中でも好ましいMのカチオン例はLi、Na、K、またはNHであり、Li、Na、またはKが特に好ましい。
本発明の一般式(Y−8)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、上記一般式(Y−8)で表される化合物のうち、下記一般式(Y−9)で表される化合物が好ましい。
一般式(Y−9):
Figure 0004977371
一般式(Y−7)中、R、R、R11、およびR12は一価の基を示す。Mは、水素原子またはカチオンを示す。但し、一般式(Y−9)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
本発明においては、上記一般式(Y−9)において、好ましいR11、R12はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、またはイミド基を挙げることができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
特に好ましい、R11、R12はそれぞれ独立に置換アルキル基、置換アリール基、置換へテロ環基、置換アルキルチオ基、置換アリールチオ基、置換へテロ環チオ基が好ましく、その中でも置換アリール基、置換アリールチオ基が好ましく、特に置換アリール基が好ましい。
本発明においては、上記一般式(Y−9)において、R、Rは前記一般式(Y−8)中のR、Rと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(Y−9)において、Mは前記一般式(Y−8)中のMと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(Y−9)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ヘ)を含むものである。
(イ)R、Rは同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ロ)R11、R12は同一または異なっていてもよく、置換アルキル基、置換アリール基、置換へテロ環基、置換アルキルチオ基、置換アリールチオ基、置換へテロ環チオ基が好ましく、その中でも置換アリール基、置換アリールチオ基が好ましく、特に置換アリール基が好ましい。
(ハ)Mは水素原子又はカチオンが好ましく、特に好ましくは水素原子、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、更に好ましくはLi、Na、K、またはNHである。
(ニ)本発明において、一般式(Y−4)で表される化合物は、分子内に2個以上のイオン性親水性基を有することが好ましく、2〜16個のイオン性親水性基を有することがさらに好ましく、3〜5個のイオン性親水性基を有することが特に好ましい。
前記一般式(Y−I)、(Y−1)、(Y−2)、(Y−3)、(Y−4)、(Y−5)、(Y−6)、(Y−6−I)、(Y−7)、(Y−8)および(Y−9)で表される水溶性色素の場合は、色再現性の観点から、HO中で380〜490nmの最大吸収波長(λmax)を有することが好ましく、400〜480nmのλmaxを有することがさらに好ましく、420〜460nmにλmaxを有することが特に好ましい。
本発明のインクセットに含まれるイエローインク組成物に用いられる着色剤は、前記一般式(Y−6−I)で表される化合物(式(Y−6−I)の染料)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。、更に、場合によって前記一般式(Y−7)〜(Y−9)で表される化合物(式(Y−7)〜(Y−9)の染料)からなる群から選ばれる少なくとも一種を更に含むことも好ましい。その中でも、前記一般式(Y−6−I)で表される化合物(式(Y−6−I)の染料)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが最も好ましい。
イエローインク組成物の着色剤として式(Y−6−I)の染料からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることにより;他色のインク組成物の耐光性・耐オゾン性とをバランスのとれたものにでき、それによりインクセット全体の耐光性・耐オゾン性を良好なものにすることができる。
さらにまた、本発明においては、イエローインク組成物の色調などを調整するために耐光性・耐オゾン性を大きく損ねない範囲で、上記一般式(Y−9)の染料からなる群から選ばれる少なくとも一種の染料、並びに、さらにその他のイエロー系染料を併用することもできる。
この併用されるイエロー系染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,59,68,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,142,144,161,163、C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227、C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42、C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,40および下記の一般式(Y−10)、一般式(Y−11)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
一般式(Y−10);
Figure 0004977371
一般式(Y−11);
Figure 0004977371
(前記一般式(Y−10)及び(Y−11)中、K、K、K11、及びK21、は独立して、CH3、OCH3を表し、Z及びZ'は、独立して、下記一般式(Y−7)のいずれかの構造を有するものであり、互いに同一であっても異なっていても良い。
Figure 0004977371
ここで、Mは、H、Li、Na、K、アンモニウム、又は有機アミン類を表し、nは1又は2の整数である。)
本発明においてイエローインク組成物中に含まれる着色剤の濃度は、着色剤として用いられる化合物(染料)のカラーバリューにしたがって適宜決定することができるが、上記一般式(Y−1)〜(Y−6−I)及び場合により一般式(Y−7)〜(Y−9)の染料からなる群から選ばれる少なくとも一種をイエローインク組成物中に含める場合、一般的には、上記一般式(Y−1)〜(Y−6−I)及び式場合により一般式(Y−7)〜(Y−9)の染料からなる群から選ばれた着色剤の合計量が、イエローインク組成物中に、イエローインク組成物の総質量に対して1.0〜6.0質量%含有されることが好ましい。イエローインク組成物中に含まれる前記着色剤の合計量の濃度を1.0質量%以上にすることによって良好な発色性を得ることができ、また前記着色剤の合計量の濃度を6.0質量%以下にすることによって、インクジェット記録方法に用いるためのインク組成物として必要とされるノズルからの吐出性等の特性を良好なものにし、インクノズルの目詰まりを防止することができる。
上述のようにイエローインク組成物の着色剤として上記一般式(Y−1)〜(Y−6−I)の染料からなる群から選ばれる少なくとも一種とともに一般式(Y−7)〜(Y−9)の染料を用いる場合、イエローインク組成物中における上記一般式(Y−1)〜(Y−6−I)及び式(Y− )の染料からなる群から選ばれる染料の合計濃度(質量%)と一般式(Y−7)〜(Y−9)の染料の濃度(質量%)との比が、4:1〜10:1であることが好ましい。
上記一般式(Y−I)、(Y−1)〜(Y−6−I)及び式(Y−7)〜(Y−9)の染料は耐光性・耐オゾン性に非常に優れるため、従来用いていたような耐光性・耐オゾン性に劣る他色のカラーインクと組み合わせたインクセットにおいては、光・オゾン曝露試験を行った後において、各色の退色程度の違いにより画像のカラーバランスが崩れて画質の劣化が認められやすくなるという現象が起こる場合があった。
これに対し、本発明のシアンインク及びマゼンタインク、さらに所望によりブラックインクと組み合わせたインクセットにすることにより、各色の耐光性・耐オゾン性を飛躍的に向上できることから、光・オゾン曝露試験後においても画像のカラーバランスが崩れることなく、長期的に画像の良好な画質を維持することができるようになる。
さらにイエローインクにおいて、上述した範囲で上記一般式(Y−I)、(Y−1)〜(Y−6)及び式(Y−6−I)の染料と場合により上記一般式(Y−7)〜(Y−9)及びまたは上記説明した本発明で使用可能なイエロー系染料(例えば、C.I.ダイレクトイエロー58)を併用することにより、さらに好ましいカラーバランスに調節することが可能になり、いっそう長期にわたって印刷物の画質を良好に保つことができる。
次に本発明のインクセットを構成するマゼンタインク組成物に用いられる着色剤について説明する。
本発明のインクセットにおいて、マゼンタインク組成物に用いられる着色剤は特定構造の着色剤に限定されるものではないが、他色のインク組成物の耐光性・耐オゾン性とマゼンタインク組成物の耐光性・耐オゾン性との間の差が小さいことが好ましい。
本発明においてマゼンタインク組成物に着色剤として用いられるマゼンタ系染料は、下記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物である。 一般式(M−1):
Figure 0004977371
前記一般式(M−1)中、Aは、5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1およびB2は、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=または−CR14=を表す。R11,R12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルおよびアリールチオ基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基またはイオン性親水性基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R13とR11、あるいはR11とR12が結合して5〜6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
本発明においては、上記一般式(M−1)において、好ましいAとしては、該5員ヘテロ環のヘテロ原子の例には、N、O、およびSを挙げることができる。好しくは含窒素5員ヘテロ環であり、ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環または他のヘテロ環が縮合していてもよい。Aの好ましいヘテロ環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、またはベンゾイソチアゾール環を挙げることができる。各ヘテロ環基は更に置換基を有していてもよい。なかでも、下記一般式(a)から(i)で表されるヘテロ環が好ましい。
Figure 0004977371
上記一般式(a)から(i)において、Rm〜Rm20は一般式(M−1)におけるR13またはR14と同義である。
上記一般式(M−1)中、BおよびBは、各々、-CR13=もしくは-CR14=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子、他方が-CR13=もしくは-CR14=を表すが、BおよびBが、-CR13=または-CR14=を表す場合が、より優れた性能を発揮できる点で好ましい。
上記一般式(M−1)中、R11,R12は、各々独立に、水素原子、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基、置換または無置換のアシル基、置換または無置換のアルキルスルホニル基、置換または無置換のアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、その中でも置換アリール基、置換ヘテロ環基が特に好ましい。但し、R11、R12が同時に水素原子であることはない。
上記一般式(M−1)中、Gは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキル基またはアリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、アルキルおよびアリールチオ基、ヘテロ環チオ基またはイオン性親水性基が好ましい。各基は更に置換されていてもよい。
更に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基またはアリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基が好ましい。
その中でも、水素原子、アリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基が特に好ましく、置換基を有するアリール基で置換されたアミノ基が最も好ましい。
上記一般式(M−1)中、R13、R14は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基が好ましい。各基は更に置換されていてもよい。
更に詳しくは、水素原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシル基が好ましく、その中でもR13が水素原子、R14がアルキル基が好ましく、特にR13が水素原子、R14がメチル基が最も好ましい。
前記一般式(M−1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、上記一般式(M−1)で表される化合物のうち、下記一般式(M−2)で表される化合物が好ましい。
一般式(M−2):
Figure 0004977371
一般式(M−2)中、Aは、B1、B2、R11およびR12は、前記一般式(M−1)中のAは、B1、B2、R11およびR12と同義である。
aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびe が共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。
b、c、dは、各々独立にR、Rと同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。但し、一般式(M−2)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
本発明においては、上記一般式(M−2)において、Aは、前記一般式(M−1)中のAと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(M−2)において、B、Bは、前記一般式(M−1)中のB、Bと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(M−2)において、R11、R12は、前記一般式(M−1)中のR11、R12と同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(M−2)において、aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびeが共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。
更に好ましくは、aおよびeは各々独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましく、その中でもエチル基、イソプロピル基が好ましく、特にa=b=エチル基またはイソプルピル基が最も好ましい。
b、c、dは、各々独立に前記一般式(M−1)中のR13、R14と同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。但し、一般式(M−2)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
更に好ましくは、cは、水素原子、アルキル基が好ましく、その中でも水素原子、メチル基が特に好ましい。
b、dは、水素原子、イオン性親水性基が好ましく、その中でも水素原子、スルホ基、カルボキシ基が好ましく、特にbとdの組み合わせが水素原子とスルホ基であるのが最も好ましい。
前記一般式(M−2)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、上記一般式(M−2)で表される化合物のうち、下記一般式(M−3)で表される化合物が好ましい。
一般式(M−3):
Figure 0004977371
一般式(M−3)中、Z11は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z12は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環基またはアシル基を表す。R11、R12、R13、R14、a、b、c、d及びeは、各々上記一般式(M−2)の場合と同義である。Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。上記Z11、Z12及びQの各基は、更に置換基を有していてもよい。但し、一般式(M−3)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
本発明においては、上記一般式(M−3)において、Aは、前記一般式(M−1)中のAと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(M−3)において、R13、R14は、前記一般式(M−1)中のR13、R14と同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(M−3)において、R11、R12は、前記一般式(M−1)中のR11、R12と同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(M−3)において、a、b、c、dおよびeは、前記一般式(M−2)中のa、b、c、dおよびeと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明においては、上記一般式(M−3)において、Z11の上記電子吸引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上、好ましくは0.30以上の電子吸引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1.0以下である。
σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、セレノシアネート基およびσp値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基が挙げられる。
11として好ましくはシアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、またはハロゲン原子であり、シアノ基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基がより好ましく、シアノ基が最も好ましい。
12としては水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、またはアシル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。各置換基はさらに置換されていてもよい。
更に詳しくは、Z12としてのアルキル基には、置換基を有するアルキル基および無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基は、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。
置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピルおよび4−スルホブチルが含まれ、その中でもメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチルが好ましく、特にイソプロピル、t−ブチルが好ましく、特にt−ブチルが最も好ましい。
12としてのシクロアルキル基には、置換基を有するシクロアルキル基および無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が5〜12のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。シクロアルキル基の例には、シクロヘキシル基が含まれる。
Z12としてのアラルキル基としては、置換基を有するアラルキル基および無置換のアラルキル基が含まれる。アラルキル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が7〜12のアラルキル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アラルキル基の例には、ベンジル基、および2−フェネチル基が含まれる。
12としてのアリール基には、置換基を有するアリール基および無置換のアリール基が含まれる。アリール基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が6〜12のアリール基が好ましい。置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、水酸基、エステル基およびイオン性親水性基が含まれる。アリール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニルおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
12としてのヘテロ環基には、置換基を有する複素環基および無置換の複素環基が含まれる。複素環基としては、5員または6員環の複素環基が好ましい。置換基の例には、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、水酸基、エステル基およびイオン性親水性基が含まれる。複素環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基および2−フリル基が含まれる。
12としてのアシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜12のアシル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
本発明においては、上記一般式(M−3)において、Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。これら各置換基はさらに置換されていてもよい。これらの置換基の詳細は上記R13、R14の場合と同じである。
Q、は、電子吸引性基で置換された、アリール基またはヘテロ環基が好ましい。Q、の置換基となる電子吸引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上、好ましくは0.30以上の電子吸引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1.0以下である。
σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記一般式(M−3)中のZ11と同義である。
更に詳しくは、Q電子吸引性基で置換されたヘテロ環基が好ましく、その中でもスルホ基、置換または無置換のカルバモイル基、置換または無置換のスルファモイル基で置換されたベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましく、特にスルホ基、置換スルファモイル基で置換されたベンゾチアゾール環が最も好ましい。
前記一般式(M−3)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種
々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(M−1)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ニ)を含むものである。
(イ)Aの好ましいヘテロ環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、またはベンゾイソチアゾール環が好ましく、更にピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環が好ましく、その中でもピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環が好ましく、ピラゾール環が最も好ましい。
(ロ)B1およびB2は、各々、-CR13=もしくは-CR14=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子、他方が-CR13=もしくは-CR14=を表すが、BおよびBが、-CR13=または-CR14=を表す場合が好ましく、更にR13が水素原子(Bが無置換炭素原子)、R14が水素原子またはアルキル基(Bが無置換またはアルキル基で置換された炭素原子)が好ましく、特にR13が水素原子(Bが無置換炭素原子)、R14がメチル基(Bがメチル基で置換された炭素原子)が最も好ましい。
(ハ)R11、R12は、各々独立に、水素原子、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基、置換または無置換のアシル基、置換または無置換のアルキルスルホニル基、置換または無置換のアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、その中でも置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、特にスルホ基で置換されたアリール基、及び、スルホ基で置換されたヘテロ環基が最も好ましい。
(ニ)Gは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキル基またはアリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、アルキルおよびアリールチオ基、ヘテロ環チオ基またはイオン性親水性基が好ましく、更に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基またはアリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基が好ましく、その中でも水素原子、アリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基が特に好ましく、置換を有するアリール基で置換されたアミノ基が最も好ましい。
一般式(M−1)中、一般式(M−2)の場合が特に好ましい。
本発明の一般式(M−2)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ニ)を含むものである。
(イ)Aのヘテロ環の例には、上記一般式(M−1)中のAと同義であり、好ましい例も同じである。
(ロ)B1およびB2は、上記一般式(M−1)中のBおよびBと同義であり、好ましい例も同じである。
(ハ)R11、R12は、上記一般式(M−1)中のR11、R12と同義であり、好ましい例も同じである。
(ニ)aおよびeは、アルキル基またはハロゲン原子が好ましく、aおよびeが共にアルキル基の時は無置換アルキル基であって、aおよびeの炭素数の合計が3以上(好ましくは5以下)であり、a、b、c、dは、各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、イオン性親水性基(好ましくは各々水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、イオン性親水性基)の場合が好ましい。更に好ましくは、aおよびeは各々独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましく、その中でもエチル基、イソプロピル基が好ましく、特にa=b=エチル基またはイソプルピル基が最も好ましい。更に、cは、水素原子、アルキル基が好ましく、その中でも水素原子、メチル基が特に好ましい。b、dは、水素原子、イオン性親水性基が好ましく、その中でも水素原子、スルホ基、カルボキシ基が好ましく、特にbとdの組み合わせが水素原子とスルホ基であるのが最も好ましい。
一般式(M−2)中、一般式(M−3)の場合が特に好ましい。
本発明の一般式(M−3)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ヘ)を含むものである。
(イ)Z11は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上、好ましくは0.30以上の電子吸引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1.0以下である。Z11として更に好ましくはシアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、またはハロゲン原子であり、シアノ基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基がより好ましく、その中でもシアノ基が最も好ましい。
(ロ)Z12としては水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、またはアシル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。各置換基はさらに置換されていてもよい。更に詳しくは、Z12としてのアルキル基には、置換基を有するアルキル基および無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基は、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。その中でもメチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピルおよび4−スルホブチルが好ましく、特にイソプロピル、t−ブチルが好ましく、t−ブチルが最も好ましい。
(ハ)Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。これら各置換基はさらに置換されていてもよい。更にQ、は、電子吸引性基で置換された、アリール基またはヘテロ環基が好ましい。Q、の置換基となる電子吸引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上、好ましくは0.30以上の電子吸引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1.0以下である。更に詳しくは、Q電子吸引性基で置換されたヘテロ環基が好ましく、その中でもスルホ基、置換または無置換のカルバモイル基、置換または無置換のスルファモイル基で置換されたベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましく、特にスルホ基、置換スルファモイル基で置換されたベンゾチアゾール環が最も好ましい。
(ニ)a、b、c、d及びeは、上記一般式(M−2)中のa、b、c、d及びeと同義であり、好ましい例も同じである。
(ホ)R13およびR14は、上記一般式(M−2)中のR13およびR14と同義であり、好ましい例も同じである。
(ヘ)R11、R12は、上記一般式(M−2)中のR11、R12と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(M−1)、(M−2)及び(M−3)で表される化合物(アゾ色素)はその分子内にイオン性親水性基を少なくとも1つ(好ましくは3つ以上6つ以下)有する。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。特に少なくとも1つはスルホ基である事が最も好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩の中でも、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、リチウムイオンが最も好ましい。特に、溶解性向上及びインクジェット印刷におけるブロンズ抑制の観点から、イオン性親水性基がスルホ基で、且つその対イオンがリチウムイオンの組み合わせが最も好ましい。
上記アゾ色素はその分子内にイオン性親水性基を3つ以上6つ以下有することが好ましく、スルホ基を3つ以上6つ以下有することがより好ましく、スルホ基を3つ以上5つ以下有することが更に好ましい。
本発明のマゼンタインク組成物は、前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩の少なくとも一種を着色剤として含む。
本発明のインクセットには、マゼンタインク組成物として濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物を含めることができる。濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物の両者をインクセットに含める場合、両者の少なくとも一つが前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の染料を着色剤として含むことが好ましく、淡マゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の染料を着色剤として含むことがさらに好ましい。淡マゼンタインク組成物の耐光性・耐オゾン性を向上することによって、記録物全体の画像の耐光性・耐オゾン性が向上できる。最も好ましいのは、濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物の両者が前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の染料を着色剤として含むことである。
本発明のインクセットにおいては、マゼンタインク組成物中における染料の濃度は、用いられる一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の染料のカラーバリューに基づいて適宜定めることができる。インクセットに一つのマゼンタインク組成物のみを含める場合、一般的にはマゼンタインク組成物中に一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の染料が合計量で2.0〜10質量%含有されることが好ましい。染料濃度を2.0質量%以上とすることにより、インクとして充分な発色性を確保でき、さらに染料濃度を10質量%以下にすることによってインクジェット記録方法に用いるインク組成物として、ノズルからの吐出性を確保することやノズル目詰まりを防止すること等が容易となる。
また、インクセットに濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物を含める場合、淡マゼンタインク組成物中における染料濃度は、着色剤として用いられる一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の染料のカラーバリューにしたがって適宜選択することができるが、一般的には淡マゼンタインク組成物中に一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の染料が合計量で0.5〜3.5質量%含有されていることが好ましく、1.0〜3.0質量%含有されていることがさらに好ましい。染料濃度を0.5質量%以上にすることによって淡マゼンタインク組成物として必要な発色性を確保することができ、かつ染料濃度を3.5質量%以下にすることによって淡マゼンタインク組成物を用いて記録された記録物の画像における粒状感を低減又は防止することができる。
インクセットに濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物を含める場合、淡マゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の含有量(質量%)と濃マゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の含有量(質量%)との比を1:2〜1:8にすることが好ましい。着色剤の含有量をこのような比率で構成することにより、これらのインク組成物を用いて記録された画像の粒状感を低下させることができる。さらに上記着色剤比率とし、かつ着色剤の濃度を上述した範囲に入るインク組成物にすることにより、濃マゼンタインク組成物と淡マゼンタインク組成物との間に良好なカラーバランスを実現でき、しかもインクジェットノズルが目詰まりすることを防止できる。
本発明のインクセットにおいては、マゼンタインク組成物、濃マゼンタインク組成物、又は淡マゼンタインク組成物中における上記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる着色剤の含有量は、一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)における各置換基の種類、溶媒成分の種類等により決められるが、そのインク組成物中に含まれる一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物及びその塩から選ばれる少なくとも一種の染料を含め、そのインク組成物中に含まれる全着色剤の合計量が、そのインク組成物の総質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲であることがさらに好ましい。インク組成物中の着色剤の量を0.1質量%以上とすることで、記録媒体上での発色性又は画像濃度を確保でき、10質量%以下とすることで、インク組成物の粘度調整が容易となり吐出信頼性や耐目詰まり性等の特性が容易に確保できる。
そのほか、前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる染料と併用されるマゼンタ系染料としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド2,4,9,23,26,31,39,62,63,72,75,76,79,80,81,83,84,89,92,95,111,173,184,207,211,212,214,218,221,223,224,225,226,227,232,233,240,241,242,243,247、C.I.ダイレクトバイオレット7,9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101、C.I.アシッドレッド35,42,52,57,62,80,82,111,114,118,119,127,128,131,143,151,154,158,249,254,257,261,263,266,289,299,301,305,336,337,361,396,397、C.I.アシッドバイオレット5,34,43,47,48,90,103,126、C.I.リアクティブレッド3,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55、C.I.リアクティブバイオレット1,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33,34、C.I.ベーシックレッド12,13,14,15,18,22,23,24,25,27,29,35,36,38,39,45,46、C.I.ベーシックバイオレット1,2,3,7,10,15,16,20,21,25,27,28,35,37,39,40,48等を例示できるほか、更に、カップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)として、フェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラジンのようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有する、ヘテリルもしくはアリールアゾ染料(以下に一般式(M−11)で表される化合物);例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;アントラピリドン染料(以下に一般式(M−12)(例えばUS2004/0239739A1明細書記載のTable 1中のNo.20の化合物や、国際公開第04/104108号パンフレット記載の化合物(13)など)が例示できる。
上記式(M−11)で表される化合物とは、下記一般式(M−11)で表される化合物である。
一般式(M−11):
Figure 0004977371
[前記式(M−11)中、Yは、C1〜C4のアルキル基、アルコキシ基、又はOH、SO3H、COOMで置換されたフェニル基、又はナフチル基を表す。さらにBは、H又は次式を表す。
Figure 0004977371
(式中、R1はH、OH、又はCOOHで置換されたC1〜C4のアルキル基を表し、R2は、OH、OCH3、OC25、SO3M、COOMで置換されたC1〜C4のアルキル基を表し、Mは、H、Li、Na、K、アンモニウム、又は有機アミン類を表す。)]
上記式(M−12)で表される化合物とは、下記一般式(M−12)で表される化合物である。
一般式(M−12):
Figure 0004977371
[前記式(M−12)中、Zは含窒素5〜6員ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R、R、Rはそれぞれ独立に置換基を表し、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。mは0〜3の整数を表し、mは0〜4の整数を表し、mは0〜2の整数を表すが、m、m及びmが同時に0を表すことはない。mが2以上のときは複数のR1は互いに同じでも異なっていてもよい。mが2以上のときは複数のRは互いに同じでも異なっていてもよく、mが2以上のときは複数のRは互いに同じでも異なっていてもよい。nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の場合は、R、R、Rを介して染料母核が2量体、3量体、4量体を形成してもよい。
以下に、本発明のインクセットを構成するシアンインク組成物に用いられる着色剤について説明する。
本発明のインクセットにおいて、シアンインク組成物に用いられる着色剤は特定構造の着色剤に限定されるものではないが、他色のインク組成物の耐光性・耐オゾン性とシアンインク組成物の耐光性・耐オゾン性との間の差が小さいことが好ましい。
本発明においてシアンインク組成物に着色剤として用いられるシアン系染料は、下記一般式(C−1)で表されるフタロシアニン化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物である。
一般式(C−1):
Figure 0004977371
前記一般式(C−1)中、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SONV、−CONV、−COZ、−CO−Z及びスルホ基のいずれかを表す。ここで、Zは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。V,Vは、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基はさらに置換基を有していてもよい。
1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。ただし、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
本発明においては、上記一般式(C−1)において、a1、a2、a3及びa4が0又は1であり、かつa1、a2、a3及びa4のうち2つ以上が1であり、さらにb1、b2、b3及びb4はそれぞれa1、a2、a3及びa4との和が4となる整数であることが好ましい。
上述のとおり、前記一般式(C−1)中、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SONV、−CONV、−COZ、−CO−Z及びスルホ基のいずれかを表す。
Zは、同一または異なっていても良く、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、特に置換アルキル基が最も好ましい。
,Vは、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。好ましくは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が最も好ましい。
Z、V及びVはさらに置換基を有することができるが、ここでZ、V及びVが有することのできる置換基としては、それぞれ独立にハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子);炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状鎖アルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルケニル基(これらの基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−メタンスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル);アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル);ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル);アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ);アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル);アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド);アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ);アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ;ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド);スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ);アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ);アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ);アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ);スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカン);カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル);スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル);スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル);アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル);ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ);アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ);アシルオキシ基(例えば、アセトキシ);カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ);シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ);アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ);イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミ);ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ);スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル);ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル);アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル);アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル);イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、及び4級アンモニウム基);シアノ基;ヒドロキシ基;ニトロ基;アミノ基等が挙げられる。
Z,V,Vが表す置換もしくは無置換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例については一般式Iが有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z,V,Vが表す置換もしくは無置換のシクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例については一般式(C−1)が有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z,V,Vが表す置換もしくは無置換のアルケニル基としては、炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例については一般式Iが有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z,V,Vが表す置換もしくは無置換のアルキニル基としては、炭素原子数が2〜30のアルキニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例については一般式(C−1)が有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z,V,Vが表す置換もしくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例については一般式(C−1)が有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z,V,Vが表す置換もしくは無置換のアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。置換基の例については一般式Iが有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子求引性基が特に好ましい。
Z,V,Vが表すヘテロ環基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。以下にZ,V,Vで表されるヘテロ環基を、置換位置を省略してヘテロ環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中でも芳香族ヘテロ環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。それらは置換基を有していても良く、置換基の例については一般式Iが有していても良い置換基を挙げることができるが、好ましい置換基は前記アリール基の置換基と、更に好ましい置換基は、前記アリール基の更に好ましい置換基とそれぞれ同じである。
本発明のフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。最も好ましいイオン性親水性基はスルホ基のリチウム塩である。
イオン性親水性基の数としては、本発明のフタロシアニン染料1分子中少なくとも2個以上有するものが好ましく、特にスルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個以上有するものが特に好ましい。
Mとして好ましい物は、水素原子、金属原子としては、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、GeO等が挙げられる。 また、水酸化物としては、Si(OH)2Cr(OH)2、Sn(OH)2等が挙げられる。さらに、ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl2、VCl、VCl2、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。 なかでも特に、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
また、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L-M−Pc)または3量体を形成してもよく、その時のMはそれぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
Lで表される2価の連結基は、オキシ基−O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニル基−SO−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH−、およびこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
本発明のフタロシアニン染料の化学構造としては、スルフィニル基(−SO−Z);スルホニル基(−SO−Z);スルファモイル基(−SONV);カルバモイル基(−CONV);アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基(−COZ);アシル基(−CO−Z);スルホ基のような電子求引性基を、本発明のフタロシアニンの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.2以上となるように導入することが特に好ましい。その中でも、スルフィニル基(−SO−Z);スルホニル基(−SO−Z);スルファモイル基(−SONV)が好ましく、更にスルホニル基(−SO2−Z);スルファモイル基(−SONV)が好ましく、スルホニル基(−SO−Z)が最も好ましい。
ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
前記一般式(C−1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明において上記一般式(C−1)で表されるシアンインク組成物に着色剤として用いられるシアン系染料は、好ましくは下記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物である。
一般式(C−2):
Figure 0004977371
上記一般式(C−2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。これらの基は、さらに置換基を有していてもよい。
1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
l、m、n、p、q1、q2、q3、q4は、それぞれ独立に、1または2の整数を表す。
Mは、一般式(C−1)の場合と同義である。
本発明においては、上記一般式(C−2)中、l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1または2の整数であり、その中でもl、m、n、及びpのうち2つ以上が1であるのが好ましく、l=m=n=p=1が最も好ましい。
上記一般式(C−2)中、q1、q2、q3、及びq4は、それぞれ独立に、1または2の整数であり、その中でもq1、q2、q3、及びq4のうち2つ以上が2であるのが好ましく、q1=q2=q3=q4=2が最も好ましい。
上記一般式(C−2)中、Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表し、好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、特に置換アルキル基が最も好ましい。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
上記一般式(C−2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。その中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基が好ましく、更に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、イオン性親水性基が好ましく、特に水素原子が最も好ましい。
上記一般式(C−2)中、Mは上記一般式中(C−1)中のMと同義であり好ましい例も同じである。
前記一般式(C−2)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明において上記一般式(C−2)で表されるシアンインク組成物に着色剤として用いられるシアン系染料は、好ましくは下記一般式(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物である。
一般式(C−3):
Figure 0004977371
一般式(C−3)中、Z1、Z2、Z3、Z4、l、m、n、p及びMは、一般式(C−2)中のZ1、Z2、Z3、Z4、l、m、n、p及びMと同義である。
本発明においては、上記一般式(C−3)中、l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1または2の整数であり、その中でもl、m、n、及びpのうち2つ以上が1であるのが好ましく、l=m=n=p=1が最も好ましい。
上記一般式(C−3)中、Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表し、好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、特に置換アルキル基が最も好ましい。
更に詳しくは、Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、Z11(前記Z11は、−(CH23SO3を表し、ここでMはアルカリ金属原子を表す。)及び/又はZ12(前記Z12は、−(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3を表す。)であり、特に前記一般式(C−3)で表されるシアン染料全体に含まれる前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=4/0、3/1、2/2、1/3なる染料混合物が好ましく、その中でもZ11/Z12=3/1を主成分となる染料混合物、およびまたはZ11/Z12=2/2を主成分となる染料混合物が最も好ましい。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
前記Z11で表される−(CH23SO3中、Mはアルカリ金属原子が好ましく、その中でもリチウム、ナトリウム、カリウムイオンが好ましく、特にリチウムイオンが最も好ましい。
上記一般式(C−3)中、Mは上記一般式中(C−2)中のMと同義であり好ましい例も同じである。
前記一般式(C−3)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明において、シアンインク組成物中に含まれるシアン系染料の含有量は、式(C−1)におけるX1〜X4及びY1〜Y4の種類、及びインク組成物を製造するために用いる溶媒成分の種類等により決められるが、本発明においては、式(C−1)で表されるシアン系染料(式(C−1)の染料)の合計量が、シアンインク組成物中に、シアンインク組成物の総質量に対して1〜10質量%含まれることが好ましく、2〜6質量%含まれることがさらに好ましい。
シアンインク組成物中に含まれる式(C−1)の染料の合計量を1質量%以上にすることで、印刷したときの記録媒体上におけるインクの発色性を良好にでき、かつ必要とされる画像濃度を確保できる。また、シアンインク組成物中に含まれる式(C−1)の染料の合計量を10質量%以下にすることで、インクジェット記録方法に用いた場合にシアンインク組成物の吐出性を良好にでき、しかもインクジェットノズルが目詰まりしにくい等の効果が得られる。
本発明のインクセットにおいては、シアンインク組成物として色濃度の高いシアンインク組成物(濃シアンインク組成物)及び色濃度の低いシアンインク組成物(淡シアンインク組成物)をインクセットに含めることができる。
濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物を本発明のインクセットに含める場合、濃シアンインク組成物又は淡シアンインク組成物の少なくとも一つが前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)の染料の少なくとも一種を着色剤として含むことが好ましい。
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種において、Z、Z、Z、及びZがそれぞれ独立してZ11(前記Z11は、−(CH23SO3を表し、ここでMはアルカリ金属原子を表す。)及び/又はZ12(前記Z12は、−(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3を表す。)から選ばれた混合物であることが好ましく、特に前記一般式(C−3)で表されるシアン染料全体に含まれる前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=4/0、3/1、2/2、1/3なる染料混合物が好ましく、その中でもZ11/Z12=2/2を主成分となる染料混合物が最も好ましい。
一方、前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、下記一般式(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物を少なくとも一種用いることも好ましい。
一般式(C−4):
Figure 0004977371
一般式(C−4)中、Q1〜Q4、P1〜P4、W1〜W4、R1〜R4は、それぞれ独立に、(=C(J1)−及びまたは−N=)、(=C(J2)−及びまたは−N=)、(=C(J3)−及びまたは−N=)、(=C(J4)−及びまたは−N=)を表す。J1〜J4はそれぞれ独立に、水素原子及びまたは置換基を表す。(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つはヘテロ環である。
更に詳しくは、上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つのヘテロ環が含窒素ヘテロ環であるであることが好ましく、その中でもヘテロ環がピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環が好ましく、更にヘテロ環がピリジン環、ピラジン環が好ましく、特にピリジン環が最も好ましい。
更に好ましくは、上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、芳香族環を表す場合に、下記一般式(I)であることが好ましい。
一般式(I):
Figure 0004977371
一般式(I)中、*はフタロシアニン骨格との結合位置を表す。Gは−SO−Z1、−SO2−Z1、−SO2NZ3、−CONZ3、−CO21、−COZ1、またはスルホ基を表す。tは、1〜4の整数を表す。
は、同一または異なっていても良く、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
上記一般式(I)中好ましいZは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が挙げられ、その中でも置換のアルキル基、置換のアリール基が好ましく、特に置換のアルキル基が最も好ましい。
、Zは、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
上記一般式(I)中好ましいZ、Zは、それぞれ独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が挙げられ、その中でも水素原子、置換のアルキル基、置換のアリール基が好ましく、特にZ、Zの一方が水素原子を表し、他方が置換のアルキル基、置換のアリール基を表す場合が最も好ましい。
上記一般式(I)中、好ましいGは−SO−Z1、−SO2−Z1、−SO2NZ3 、−CONZ3、−CO21、−COZ1が挙げられ、その中でも−SO−Z1、−SO2−Z1、−SO2NZ3が好ましく、特に−SO2−Z1が最も好ましい。
上記一般式(I)中好ましいtは、1〜3の整数を表し、その中でも1〜2の整数が好ましく、特にt=1が最も好ましい。
更に詳しくは、上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、A環、B環、C環、D環の任意の環が芳香族環である場合には、少なくとも1つの芳香族環が下記一般式(II)であることが好ましい。
一般式(II):
Figure 0004977371
一般式(II)中、*はフタロシアニン骨格との結合位置を表す。
上記一般式(II)中Gは、上記一般式(I)と同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(II)中1は、1または2であり、特にt=1が好ましい。
濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物の両者が前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)、(C−4)の染料の少なくとも一種を着色剤として含むことが特に好ましい。
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種において、Z、Z、Z、及びZがそれぞれ独立して前記Z11又は前記Z12から選ばれた混合物であり、かつ前記一般式(C−3)で表されるシアン染料全体に含まれる前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=3/1を主成分となる染料混合物であることを特徴とする請求項1〜10に記載のインクセット。
上記のとおり、インクセットに濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物を含める場合、淡シアンインク組成物中の着色剤の濃度は、着色剤として用いられる染料の種類に応じて、淡シアンインク組成物を濃シアンインク組成物と組み合わせたときに好ましいカラーバランスを有するよう適宜決定することができる。
一般には、淡シアンインク組成物中に、淡シアンインク組成物の総質量に対し、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)の染料が合計量で0.4〜3.0質量%含まれることが好ましい。淡シアンインク組成物中の着色剤の濃度を0.4質量%以上にすることにより、発色性を優れたものにすることができ、かつ着色剤の濃度を3.0質量%以下にすることによって、その淡シアンインク組成物を用いて記録された画像の粒状感を低下させることができる。
一方、濃シアンインク組成物中には、濃シアンインク組成物の総質量に対し、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)の染料が合計量で2.0〜10.0質量%含まれることが好ましい。
さらに、淡シアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と濃シアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8であることが好ましい。
このような条件を満足させることによって、淡シアンインク組成物と濃シアンインク組成物との間に良好なカラーバランスが実現され、しかも、インクジェットノズルが目詰まりすることを防止することができる。
上述したとおり、本発明のインクセットにおけるシアンインク組成物、又は濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物においては、インクの色調の調整等のため、耐光性・耐オゾン性を大きく損ねない範囲で、例えば下記一般式(C−5)で表される染料または染料混合物に代表させる、他のシアン系染料を併用することができる。
一般式(C−5)
Figure 0004977371
R1、R2はそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基を表す。一価の置換基は更に置換基を有していてもよい。aは0〜5の整数を表す。bは0〜5の整数を表す。cは0〜5の整数を表す。
更に、本発明に用いる他のシアン系染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブルー1,10,15,22,25,55,67,68,71,76,77,78,80,84,86,87,90,98,106,108,109,151,156,158,159,160,168,189,192,193,194,199,200,201,202,203,207,211,213,214,218,225,229,236,237,244,248,249,251,252,264,270,280,288,289,291、C.I.アシッドブルー9,25,40,41,62,72,76,78,80,82,92,106,112,113,120,127:1,129,138,143,175,181,205,207,220,221,230,232,247,258,260,264,271,277,278,279,280,288,290,326、C.I.リアクティブブルー2,3,5,8,10,13,14,15,17,18,19,21,25,26,27,28,29,38、C.I.ベーシックブルー1,3,5,7,9,22,26,41,45,46,47,54,57,60,62,65,66,69,71等を挙げることができるが、これらに限定されない。
次に本発明のインクセットを構成するブラックインク組成物に用いる着色剤について説明する。
本発明のインクセットにおいて、ブラックインク組成物に用いられる着色剤は特定構造の着色剤に限定されるものではないが、他色のインク組成物の耐光性・耐オゾン性とブラックインク組成物の耐光性・耐オゾン性との間の差が小さいことが好ましい。
本発明のインクセットは所望によりブラックインク組成物を含んで構成することができる。
本発明のインクセットにブラックインク組成物を含めることにより、良好なコントラストを有する画像を記録媒体上に形成することができる。
本発明においてブラックインク組成物に着色剤として用いられるブラック系染料は、下記一般式(B−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物である。
一般式(B−1):
Figure 0004977371
上記一般式(B−1)中、
A、Bは、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す(Aは一価の基であり、Bは二価の基である)。
1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR43−または−CR44=を表す。
1 、R43およびR44は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。R41、R42は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。但し、R41、R42が同時に水素原子であることはない。また、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
本発明の上記一般式(B−1)について詳細に説明する。
本発明の上記一般式(B−1)において、好ましいAは、置換されていてもよい一価の芳香族基または置換されていてもよい一価のヘテロ環基が挙げられ、更に詳しくは置換されたフェニル基、置換されたナフチル基、置換または無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でもイオン性親水性基で置換されたのフェニル基、ナフチル基、置換基を有する5〜6員の含窒素へテロ環が好ましく、特にスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(
それらの塩を含む)で置換されたフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に2つ以上のスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)で置換されたフェニル基、ナフチル基が好ましく、2または3個のスルホ基(それらの塩を含む)で置換されたナフチル基が最も好ましい。
上記一般式(B−1)中、Bは、置換されていてもよい二価の芳香族基または置換されていてもよい二価のヘテロ環基が挙げられ、更に詳しくは置換基を有する5〜6員ヘテロ環基が好ましく、その中でも置換基を有する5員ヘテロ環基が好ましい。5〜6員ヘテロ環とはヘテロ原子を含む5〜6員環を意味する。ヘテロ環のヘテロ原子としてはN、SおよびO原子を挙げることができる。
Bが表すヘテロ環は、脂肪族基、芳香族環または他のヘテロ環が縮合していても良く、更に縮環上に置換基を有していても良い。また、Bが表すヘテロ環は、飽和へテロ環、不飽和ヘテロ環の両方を意味するが、好ましくは不飽和へテロ環が好ましい。含窒素へテロ環の場合は、N原子が4級化されていても良い。また、互変異性ととなりうるヘテロ環については、互変異性体の1つのみを記載している場合でも、他の互変異性体も合わせて含まれる。
特に好ましいBが表すヘテロ環は、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環が挙げられる。
上記一般式(B−1)中、T1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR43−または−CR44=を意味するが、好ましくはT1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表す場合がより優れた性能を発揮できる点で好ましい。
上記一般式(B−1)中、R41、R42は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良いが、その中でも水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、特に水素原子、置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロ環基が好ましく、水素原子、置換基を有するアリール基が最も好ましい。但し、R41、R42が同時に水素原子であることはない。また、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
上記一般式(B−1)中、好ましいV1は、、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、ヘテロ環チオ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
更に好ましいV1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基を表し、その中でも水素原子、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基が好ましく、特に置換基を有するアミノ基が好ましく、イオン性親水性基を置換基として有するアリール基で置換したアミノ基(置換アニリノ基等)が最も好ましい。
本発明の一般式(B−1)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)Aは、置換されたフェニル基、置換されたナフチル基、置換または無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でもイオン性親水性基で置換されたのフェニル基、ナフチル基、置換基を有する5〜6員の含窒素へテロ環が好ましく、特にスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)で置換されたフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に2つ以上のスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)で置換されたフェニル基、ナフチル基が好ましく、2または3個のスルホ基(それらの塩を含む)で置換されたナフチル基が最も好ましい。
(ロ)Bは、置換基を有する5〜6員ヘテロ環基が好ましく、その中でも置換基を有する5員ヘテロ環基が好ましい。特に好ましいヘテロ環は、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環が挙げられる。
(ハ)T1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR43−または−CR44=を意味するが、好ましくはT1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表す場合がより優れた性能を発揮できる点で好ましい。
(ニ)R41、R42は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、特に水素原子、置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロ環基が好ましく、水素原子、置換基を有するアリール基が最も好ましい。但し、R41、R42が同時に水素原子であることはない。また、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
(ホ)V1は、、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基を表し、その中でも水素原子、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基が好ましく、特に置換基を有するアミノ基が好ましく、イオン性親水性基を置換基として有するアリール基で置換したアミノ基(置換アニリノ基等)が最も好ましい。
本発明の一般式(B−1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、上記一般式(B−1)で表される化合物のうち、下記一般式(B−2)で表される化合物が好ましい。
一般式(B−2):
Figure 0004977371
上記一般式(B−2)中、 Xは、N原子または=CW−を表す。Wは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。A、V、T、T、R41及びR42は、上記一般式(B−1)中のA、V、T、T、R41及びR42と同義である。Wは、上記一般式(B−1)中のV1と同義である。
本発明の上記一般式(B−2)について詳細に説明する。
本発明の上記一般式(B−2)において、好ましいWは、置換フェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のヘテロ環基(例えばピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリジン環またはピリダジン環)であり、特に好ましくは、置換フェニル基(特にパラ位置換のフェニル基)、置換または無置換のβ−ナフチル基、ピリジン環またはチアゾール環である。
本発明の上記一般式(B−2)においてXは、N原子または=CW−を表し、Wは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。その中でも、σp値が0.30以上の電子吸引性基であるのが好ましく、0.45以上の電子吸引性基が更に好ましく、0.60以上の電子吸引性基が特に好ましいが、1.0を超えないことが望ましい。更に詳しくは、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
本発明の上記一般式(B−2)においてAは、前記一般式(B−1)中のAと同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−2)において、T1およびT2は前記一般式(B−1)中のT1およびT2と同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−2)において、R41、R42は前記一般式(B−1)中のR41、R42と同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−2)において、Vは前記一般式(B−1)中のVと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(B−2)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜( )を含むものである。
(イ)好ましいWは、置換フェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のヘテロ環基(例えばピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリジン環またはピリダジン環)であり、特に好ましくは、置換フェニル基(特にパラ位置換のフェニル基)、置換または無置換のβ−ナフチル基、ピリジン環またはチアゾール環である。
(ロ)Xは、N原子または=CW−を表し、W1は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。更に詳しくは、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
(ハ)Aは、置換されたフェニル基、置換されたナフチル基、置換または無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でもイオン性親水性基で置換されたのフェニル基、ナフチル基、置換基を有する5〜6員の含窒素へテロ環が好ましく、特にスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)で置換されたフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に2つ以上のスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)で置換されたフェニル基、ナフチル基が好ましく、2または3個のスルホ基(それらの塩を含む)で置換されたナフチル基が最も好ましい。
(ニ)T1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR43−または−CR44=を意味するが、好ましくはT1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表す場合がより優れた性能を発揮できる点で好ましい。
(ホ)R41、R42は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、特に水素原子、置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロ環基が好ましく、水素原子、置換基を有するアリール基が最も好ましい。但し、R41、R42が同時に水素原子であることはない。また、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
(ヘ)V1は、、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基を表し、その中でも水素原子、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基が好ましく、特に置換基を有するアミノ基が好ましく、イオン性親水性基を置換基として有するアリール基で置換したアミノ基(置換アニリノ基等)が最も好ましい。
本発明の一般式(B−2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、上記一般式(B−2)で表される化合物のうち、下記一般式(B−3)で表される化合物が好ましい。
一般式(B−3):
Figure 0004977371
上記一般式(B−3)中、V、W、X、T,T、R41及びR42は、上記一般式(B−2)中のV、W、X、T,T、R41及びR42と同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−1)中のV1と同義である。
本発明の上記一般式(B−3)について詳細に説明する。
本発明の上記一般式(B−3)において、X、X、X、X、X、X及びXが表す一価の基としては、水素原子、または一価の置換基を表す。一価の置換基を更に詳しく説明する。この一価の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリルアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、またはイミド基を挙げることができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
好ましいX、X、X、X、X、X及びXは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよい)又は4級アンモニウムであり、その中でも水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい) (それらの塩を含む)が好ましく、更に水素原子、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)が好ましく、特にX、X、X、X、X、X及びXのうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩を含む)またはカルボキシル基(それらの塩を含む)であることが好ましい。
上記一般式(B−3)においてWは、前記一般式(B−2)中のWと同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−3)においてXは、前記一般式(B−2)中のXと同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−3)において、T1およびT2は前記一般式(B−2)中のT1およびT2と同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−3)において、R41、R42は前記一般式(B−2)中のR41、R42と同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−3)において、V1は前記一般式(B−2)中のVと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(B−3)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(へ)を含むものである。
(イ)X、X、X、X、X、X及びXは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよい)又は4級アンモニウムであり、その中でも水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい) (それらの塩を含む)が好ましく、更に水素原子、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)が好ましく、特にX、X、X、X、X、X及びXのうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩を含む)またはカルボキシル基(それらの塩を含む)であることが好ましい。
(ロ)好ましいWは、置換フェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のヘテロ環基(例えばピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリジン環またはピリダジン環)であり、特に好ましくは、置換フェニル基(特にパラ位置換のフェニル基)、置換または無置換のβ−ナフチル基、ピリジン環またはチアゾール環である。
(ハ)Xは、N原子または=CW1−を表し、W1は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。更に詳しくは、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
(ニ)T1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR43−または−CR44=を意味するが、好ましくはT1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表す場合がより優れた性能を発揮できる点で好ましい。
(ホ)R41、R42は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、特に水素原子、置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロ環基が好ましく、水素原子、置換基を有するアリール基が最も好ましい。但し、R41、R42が同時に水素原子であることはない。また、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
(ヘ)V1は、、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基を表し、その中でも水素原子、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基が好ましく、特に置換基を有するアミノ基が好ましく、イオン性親水性基を置換基として有するアリール基で置換したアミノ基(置換アニリノ基等)が最も好ましい。
本発明の一般式(B−3)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、上記一般式(B−3)で表される化合物のうち、下記一般式(B−4)及びまたは(B−5)で表される化合物が好ましい。
一般式(B−4):
Figure 0004977371
上記一般式(B−4)中、R43は上記一般式(B−1)中のR43と同義である。R44は、上記一般式(B−1)中のR44と同義である。R45、R46は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。R41及びR42は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。
Wは、上記一般式(B−3)中のWと同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−3)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義である。
一般式(B−5):
Figure 0004977371
上記一般式(B−5)中、R43は、上記一般式(B−1)中のR43と同義である。R44は、上記一般式(B−1)中のR44と同義である。R45、R46は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。R41及びR42は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。 Wは、上記一般式(B−3)中のWと同義である。W11は、上記一般式(B−2)中のWと同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−3)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義である。
本発明の上記一般式(B−4)について詳細に説明する。
本発明の上記一般式(B−4)において、X、X、X、X、X、X及びXは、前記一般式(B−3)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−4)においてWは、前記一般式(B−3)中のWと同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−4)において、R41、R42は前記一般式(B−3)中のR41、R42と同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−4)においてR43、R44は、前記一般式(B−1)中のR43、R44と同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−4)において、R45、R46は前記一般式(B−3)中のR41、R42と同義であり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(B−4)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)X、X、X、X、X、X及びXは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよい)又は4級アンモニウムであり、その中でも水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい) (それらの塩を含む)が好ましく、更に水素原子、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)が好ましく、特にX、X、X、X、X、X及びXのうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩を含む)またはカルボキシル基(それらの塩を含む)であることが好ましい。
(ロ)好ましいWは、置換フェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のヘテロ環基(例えばピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリジン環またはピリダジン環)であり、特に好ましくは、置換フェニル基(特にパラ位置換のフェニル基)、置換または無置換のβ−ナフチル基、ピリジン環またはチアゾール環である。
(ハ)R41、R42は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、特に水素原子、置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロ環基が好ましく、水素原子、置換基を有するアリール基が最も好ましい。但し、R41、R42が同時に水素原子であることはない。また、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
(ニ)R43およびR44の好ましい例は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
更に好ましいR43は、水素原子、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基を表し、その中でもシアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基が好ましく、特にシアノ基が最も好ましい。
更に好ましいR44は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基を表し、その中でも水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基が好ましく、特に、メチル基が最も好ましい。
(ホ)R45、R46は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、特に水素原子、置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロ環基が好ましく、水素原子、置換基を有するアリール基が最も好ましい。但し、R45、R46が同時に水素原子であることはない。また、R45とR46が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
本発明の一般式(B−4)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の上記一般式(B−5)について詳細に説明する。
本発明の上記一般式(B−4)において、X、X、X、X、X、X及びXは、前記一般式(B−3)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−5)においてWは、前記一般式(B−3)中のWと同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−5)においてW11は、前記一般式(B−2)中のWと同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−5)において、R41、R42は前記一般式(B−3)中のR41、R42と同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−5)においてR43、R44は、前記一般式(B−1)中のR43、R44と同義であり、好ましい例も同じである。
上記一般式(B−5)において、R45、R46は前記一般式(B−3)中のR41、R42と同義であり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(B−5)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ヘ)を含むものである。
(イ)X、X、X、X、X、X及びXは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよい)又は4級アンモニウムであり、その中でも水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい) (それらの塩を含む)が好ましく、更に水素原子、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)が好ましく、特にX、X、X、X、X、X及びXのうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩を含む)またはカルボキシル基(それらの塩を含む)であることが好ましい。
(ロ)好ましいWは、置換フェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のヘテロ環基(例えばピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリジン環またはピリダジン環)であり、特に好ましくは、置換フェニル基(特にパラ位置換のフェニル基)、置換または無置換のβ−ナフチル基、ピリジン環またはチアゾール環である。
(ハ)好ましいW11は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。その中でも、σp値が0.30以上の電子吸引性基であるのが好ましく、0.45以上の電子吸引性基が更に好ましく、0.60以上の電子吸引性基が特に好ましいが、1.0を超えないことが望ましい。更に詳しくは、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
(ニ)R41、R42は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、特に水素原子、置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロ環基が好ましく、水素原子、置換基を有するアリール基が最も好ましい。但し、R41、R42が同時に水素原子であることはない。また、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
(ホ)R43およびR44の好ましい例は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
更に好ましいR43は、水素原子、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基を表し、その中でもシアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基が好ましく、特にシアノ基が最も好ましい。
更に好ましいR44は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基を表し、その中でも水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基が好ましく、特に、メチル基が最も好ましい。
(ヘ)R45、R46は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、特に水素原子、置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロ環基が好ましく、水素原子、置換基を有するアリール基が最も好ましい。但し、R45、R46が同時に水素原子であることはない。また、R45とR46が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
本発明の一般式(B−5)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、上記一般式(B−4)及びまたは(B−5)で表される化合物のうち、特に下記一般式(B−4−I)及びまたは(B−5−I)で表される化合物がより優れた性能を発揮できる点で好ましい。
一般式(B−4−I):
Figure 0004977371
上記一般式(B−4−I)中、R11、R12はイオン性親水性基を表す。特に好ましくはスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)であり、その中でもスルホ基が好ましい。m、nは、1〜3の整数を表す。特に好ましくは1〜2の整数を表し、m=1およびまたはn=1が最も好ましい。Wは、上記一般式(B−4)中のWと同義であり好ましい例も同じである。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−4)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義であり好ましい例も同じである。
一般式(B−5−I):
Figure 0004977371
上記一般式(B−4−I)中、R11、R12はイオン性親水性基を表す。特に好ましくはスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)であり、その中でもスルホ基が好ましい。m、nは、1〜3の整数を表す。特に好ましくは1〜2の整数を表し、m=1およびまたはn=1が最も好ましい。Wは、上記一般式(B−5)中のWと同義であり好ましい例も同じである。W11は、上記一般式(B−5)中のW11と同義であり好ましい例も同じである。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−5)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義であり好ましい例も同じである。
さらにまた、本発明においては、ブラックインク組成物の色調などを調整するために耐光性・耐オゾン性を大きく損ねない範囲で、式(B−11)の染料からなる群から選ばれる少なくとも一種の染料、、さらにその他のイエロー系染料を併用することもできる。
この併用されるイエロー系染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,59,68,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,142,144,161,163、C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227、C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42、C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,および40等を挙げることができるが、これらに限定されない。
一般式(B−11);
Figure 0004977371
一般式(B−11)においてG、Gは各々独立に、置換されていてもよいアリ−ル基または置換されていてもよいヘテロ基を表し、Kは任意の置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。但し、一般式(B−11)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
アリール基の例としてはベンゼン環やナフタレン環をあげることができ、ヘテロ環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環または他のヘテロ環が縮合していてもよい。置換基としてはアリールアゾ基またはヘテロ環アゾ基であってもよい。
さらに本発明のブラックインク組成物に用いる化合物(B−11)としては、下記一般式(B−12)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(B−12):
Figure 0004977371
一般式(B−12)においてG、G,G及びGは、各々独立に置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す。Lは2価の連結基を表す。但し、一般式(B−12)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
さらに本発明のブラックインク組成物に用いる化合物(B−12)としては、下記一般式(B−13)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(B−13):
Figure 0004977371
一般式(B−13)においてE、E,E及びEは、各々独立に置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す。L11は2価の連結基を表す。但し、一般式(B−13)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
さらに本発明のブラックインク組成物に用いる化合物(B−13)としては、下記一般式(B−14)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(B−14):
Figure 0004977371
一般式(B−14)において、A環,B環,C環は、それぞれ独立に置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す。A、A、A、A、A、A11、A12、A13、A14、A15、B、B、B、B、B、B、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C、C、C、C、C11、C12、C13、C14はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。但し、一般式(B−14)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。Q、Qは、それぞれ独立に水素原子、または、置換基を表す。L12は2価の連結基を表す。
本発明の上記一般式(B−14)について詳細に説明する。
本発明の上記一般式(B−14)において、A、A、A、A、A、A11、A12、A13、A14、A15、B、B、B、B、B、B、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C、C、C、C、C11、C12、C13、C14は、それぞれ独立に水素原子、置換基を表す。置換基の好ましい例としてはイオン性親水性基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアシルアミノ基、置換または無置換のスルホニルアミノ基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基、置換または無置換のアルキルスルホニル基、置換または無置換のアリールスルホニル基、置換または無置換のスルファモイル基、置換または無置換のカルバモイル基が挙げられ、この中でもイオン性親水性基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアシルアミノ基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアルキルスルホニル基、置換または無置換のアリールスルホニル基、置換または無置換のスルファモイル基が好ましく、更にイオン性親水性基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアシルアミノ基、置換または無置換のアルキル基が好ましく、特にイオン性親水性基が最も好ましい。
本発明のブラックインク組成物は、上記一般式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B−4−I)、(B−5)、(B−5−I)の染料から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み;または、上記一般式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B−4−I)、(B−5)、(B−5−I)の染料から選ばれる少なくとも一種と更に上記一般式(B−11)〜(B−14)の染料から選ばれる少なくとも一種を併用した着色剤として含み;、その着色剤の合計量がブラックインク組成物の総質量に対して0.5〜12質量%含まれることが好ましく、1.0〜9.0質量%含まれることがさらに好ましい。
ブラックインク組成物中に含まれる上記の染料の合計量が0.5質量%以上の場合、そのインク組成物を用いて記録媒体に画像等を記録したときに、充分良好な発色や高い画像濃度を得ることができる。
また、ブラックインク組成物中に含まれる上記の染料の合計量を12質量%以下にすることにより、そのインク組成物の粘度を好ましい値に調節することができ、またインクジェットヘッドからのインク組成物の吐出量を安定化することができ、さらにインクジェットヘッドの目詰まりを防止することができる。
以上本発明の各インク組成物に用いる着色剤及びそのインク組成物中における着色剤の含有量について説明したが、以下、各インク組成物に含まれる他の成分について説明する。
本発明における各インク組成物は、上述した着色剤(染料)を適当な溶媒に溶解して得ることができる。上記各インク組成物において着色剤を溶解するための溶媒としては、水、又は水と水溶性有機溶剤との混合液を主溶媒として用いることが好ましい。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等を用いることができる。また、長期保存の観点から、紫外線照射や過酸化水素添加などの各種化学滅菌処理を施した水を用いることが好ましい。本発明のインクセットを構成する各インク組成物における水の含有量は、インク組成物の40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがさらに好ましい。
本発明における各インク組成物は、上述のとおり、溶媒として水とともに水溶性有機溶剤を用いることができる。この水溶性有機溶剤としては、染料を溶解する能力を有するものが好ましく、かつ蒸気圧が純水よりも小さいものが好ましい。
本発明において用いる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、チオジグリコール等が好ましいが、これらに限定されるものではない。水とともに水溶性有機溶剤をインク組成物の溶媒として用いることによって、インクヘッドからのインク組成物の吐出安定性を向上させること、及び他の特性をほとんど変化させずにインク組成物の粘度を下げる等の調節を容易に行うことができる。
また、糖類から選ばれる少なくとも一種の保湿剤を、本発明の各インク組成物に含有させることができる。インク組成物に保湿剤を含有させることにより、インクジェット記録方法にインク組成物を用いた場合、インクからの水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。本発明に用いる糖類としては、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が好ましい。なお、上述した水溶性有機溶剤も保湿剤として働く場合がある。
上記水溶性有機溶剤及び/又は保湿剤は合計で、インク組成物中に5〜50質量%、さらに好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは5〜20質量%含有させることができる。これらの含有量を5質量%以上にすることによって良好なインクの保湿性が得られ、かつ50質量%以下にすることによって、インク組成物の粘度をインクジェット記録方法に用いるための好ましい粘度に調整することができる。
本発明のインクセットは、各色インク組成物中に必要に応じてベタイン化合物を含有することが好ましく、その中でも、特に油溶性基を有するベタイン型界面活性剤であることが好ましい。ベタイン化合物の中でも、後記の一般式で表される化合物を本発明では好ましく用いられる。
本発明で好ましく使用されるベタイン化合物は、界面活性能を有するベタイン型界面活性剤であることが好ましい。
ここで言うベタイン化合物とは、分子中にカチオン性の部位とアニオン性の部位を両方とも有する化合物を表す。
カチオン性の部位としてはアミン性の窒素原子、ヘテロ芳香族環の窒素原子、炭素との結合を4つ有するホウ素原子、リン原子などを挙げることができる。この中で好ましくはアミン性の窒素原子またはヘテロ芳香族環の窒素原子である。中でも特に第4級の窒素原子であることが好ましい。
アニオン性の部位としては、水酸基、チオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシル基、イミド基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。この中でも特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。分子全体としての荷電は、カチオン、アニオン、中性のいずれでもよいが、好ましくは中性である。
ベタイン化合物としては、下記一般式(W−1)で表される化合物で表される化合物が好ましく用いられる。
一般式(W−1)
(R)−N−[L−(COOM)
式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Lは2価の連結基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、プロトン化された有機アミンもしくは含窒素へテロ環基、4級アンモニウムイオン基を表し、式中のN原子からなるアンモニウムイオンの対イオンとなる場合は、カチオンとして存在しない基を表す。qは1以上の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表す。pは0以上4以下の整数を表し、p+rは3もしくは4である。p+rが4である場合はN原子はプロトン化されたアンモニウム原子(=N=)となる。qが2以上の時はCOOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時はL−(COOM)は同じでも異なっていてもよい。pが2以上の時はRは同じでも異なっていてもよい。
本発明に使用するベタイン化合物としては、一般式(W−1)で表される化合物の中でも、特に下記一般式(W−2)または(W−3)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0004977371
一般式(W−2)
式中、R〜Rはアルキル基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数1ないし20の基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基など)、アリール基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数6ないし20の基である。例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クミル基、ドデシルフェニル基など)、ヘテロ環基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数2ないし20の基である。例えばピリジル基、キノリル基など)。を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。この中で特に好ましくはアルキル基である。Lは2価の連結基を表す。この例としては、アルキレン基、アリーレン基を基本的な構成単位として含む2価の連結基が好ましい。連結主鎖部に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含有してもよい。R〜RもしくはLには種々の置換基が置換可能である。例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、R〜RもしくはLを介して、ベタイン構造が複数含まれていてもよい。
本発明で使用するベタイン化合物においては、R〜RもしくはL中の少なくとも1つに、炭素数8以上の基を含有する。中でも特に、R〜Rに長鎖アルキル基が含有されるものが好ましい。
一般式(W−3)
(R)−N−[L−(COOM
式中、R、L、q、r、pは一般式(W−1)におけると同義ある。Mはアルカリ金属イオンまたは水素原子である。但し、p+rは3である。pが2以上の時はRは同じでも異なっていてもよい。qが2以上の時はCOOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時はL−(COOMは同じでも異なっていてもよい。
一般式(W−1)及び一般式(W−3)について以下に説明する。
式中、Rはアルキル基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数1ないし20の基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基など)、アリール基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数6ないし20の基である。例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クミル基、ドデシルフェニル基など)、ヘテロ環基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数2ないし20の基である。例えばピリジル基、キノリル基など)を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。この中で特に好ましくはアルキル基である。
Lは2価以上の連結基を表す。この例としては、アルキレン基、アリーレン基等を基本的な構成単位として含む2価以上の連結基が好ましい。連結主鎖部に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含有してもよい。前記一般式(Y-2)におけるLと同様なものが適用される。
RもしくはLには種々の置換基が置換可能である。例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、RもしくはLを介して、ベタイン構造が複数含まれていてもよい。
Mは水素原子、アルカリ金属カチオン(たとえばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン)、アンモニウムイオン、アミン性の有機カチオン(1ないし3級アミンの場合、プロトン化されたものを表す。たとえばプロトン化されたメチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ピラジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン等。4級アンモニウム塩の場合、たとえばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、メチルピリジニウムイオン、ベンジルピリジニウムイオン等。)を表す。中でも特にアルカリ金属イオンもしくは水素原子が好ましい。
qは1以上(好ましくは5以下、より好ましくは2以下)の整数を表し、rは1以上4以下(好ましくは1または2)の整数を表す。pは0以上4以下(好ましくは1または2)の整数を表し、p+rは3もしくは4である。p+rが4の場合、N原子は4級アンモニウムカチオンとなり、Mのうちの1つが解離状態のアニオンとなる。qが2以上の時はCOOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時はL−(COOM)は同じでも異なっていてもよい。pが2以上の時はRは同じでも異なっていてもよい。
前記ベタイン化合物の具体例は特開2005−298744号公報の段落番号0033〜0043に記載の化合物また特願2004−237050(2004年8月17日出願)に記載の具体例化合物が挙げられる。
ベタイン化合物の好ましい添加量は発明の効果を奏する範囲であればいずれでもよいが、好ましくはインク組成物中の0.001〜50質量%、さらに好ましくは0.01〜20質量%である。また、ベタイン化合物を2種以上併用することができるが、好ましくは、一般式W−1、W−2またはW−3で表される化合物の併用であり、特に一般式W−1、W−2またはW−3において、Rが炭素数14であるアルキル基である化合物を含むことが好ましい。また、これを用いる場合、C14のアルキル基を有する化合物が、純度(例えばLC-Massで測定可能)90%以上のものが好ましく、特に好ましくは95%以上であり、最も好ましくは98%以上である。
また、2種以上を併用する場合、最大使用量の化合物は最小使用量の化合物に対して、質量比で1〜10000倍の質量比で使用することができる。
特に本発明においては、ベタイン化合物(特にベタイン界面活性剤)などからインク中に混入する無機イオンの合計質量をインク総質量に対して2質量%以下に抑えることが好ましい。
ここでいう無機イオンとは、染料のカウンターイオンの無機イオン、ベタイン界面活性剤に含まれる不純物である無機塩由来の無機イオン、ベタイン化合物のイオン当量からはずれたイオン成分のカウンターイオンとなる無機イオン、pH調節に使用する無機塩類から導入される無機イオン、キレート剤、防腐剤などのインク添加剤から導入される無機イオンの総和を表す。ただし、本発明においては、アンモニウムイオンを揮発性の化合物として取り扱い、この無機イオンから除外する。
無機イオン総量としては、インクの2質量%以下であることが本発明の要件であるが、好ましくは1質量%以下、特に好ましくは、0.5質量%以下である。例えば、NaCl、NaSO由来のCl−,SO42−は、20wt%aq換算濃度、100ppm、好ましくは、30ppm、さらに好ましくは10ppmである(例えば、イオンクロマト分析で定量可能)。
無機イオンのインク中の含有量を極力低減させるためには、種々の手法を用いることができ、例えば、特開2004−285269号公報、段落番号32、33に記載の方法を用いることができる。
第一に、インクに使用する素材(例えば、ベタイン化合物)に含有される無機イオンを素材合成時に除去する方法を挙げることができる。水溶性インク素材の場合、特に水溶性を向上させる目的でイオン解離性基を数多く導入する場合が多い。このとき、素材合成時に多量の無機物を含んだり、カウンターイオンとして必然的に無機イオンが含まれてきたりする。前者のイオンを除くためには、イオン選択性透過膜を用いた電気分解透析法による脱塩精製法や、イオン交換樹脂による方法、ゲル濾過法による脱塩精製などを行うことができる。
また、合成時に積極的にイオン交換する方法も使用することができる。たとえば、過剰のアンモニアや有機アミン類を添加して金属イオンと交換する方法や、アニオンの場合ならば有機カルボン酸と交換する方法を挙げることができる。また、合成時における脱塩法として有機溶媒により積極的に塩を析出させ濾過により除去する方法も利用できる。
第二に、この脱塩精製を、インク原材料の状態、すなわち各種素材を水などの溶媒に溶解した濃厚な水溶液(インク原液)で行うことも好ましい。場合によっては、完成インクでの脱塩精製も可能である。
本発明のインクセットに使用するインクは、染料を水ならびに水溶性有機溶媒に溶解もしくは分散してなるインクである。中でも水溶性染料による水溶液タイプのインクであることが好ましい。またインクセット中、ベタイン化合物を有するインクは何色のものであってもよく、特に色を有さないインクをベタイン化合物のために用意してもよい。
本発明のベタイン化合物を使用した場合、インクにおいて気泡が発生する場合がある。この気泡は、インクジェット記録において印字欠陥を生じさせることがあるため、インクに泡を消す作用を有する化合物(=消泡剤)を添加することにより、この問題を解決することができる。
消泡剤としては、プルロニック系消泡剤(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型消泡剤)、やシリコーン型消泡剤など、種々のものを使用することができる。
次に、本発明のインクセットにおいて、シアン及び/又はマゼンタインク組成物中に、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物又はその塩から選ばれる少なくとも一種を含有させることも好ましい。2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を添加することによって、シアンインク組成物のブロンズ現象の発生を防止することができ、またマゼンタインク組成物の耐湿性を向上させることができる。上記ブロンズ現象とは、一般に、シアン系染料を含有したインク組成物を用いてインクジェット専用記録媒体(特に光沢系記録媒体)等にベタ印刷などの高Duty印刷を行った部分に赤浮きがみられる現象として知られている。ブロンズ現象が発生した場合、画像全体のカラーバランスが不均一になり画質が低下するため、良好な画像が得られなくなる。
本発明で用いられる上記の2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物のうち、特に好ましいものとしては、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物のアルカリ金属塩があげられる。さらに前記アルカリ金属塩の中でも特にリチウム塩を用いることが好ましい。リチウム塩を用いた場合、上記ブロンズ現象の発生を防止できるだけでなく、インクジェットノズルの目詰まりが発生しにくくなるという効果が得られる。
上記2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物又はその塩としては、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−メトキシ−2−ナフトエ酸、3−エトキシ−2−ナフトエ酸、3−プロポキシ−2−ナフトエ酸、6−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−エトキシ−2−ナフトエ酸、及び6−プロポキシ−2−ナフトエ酸等、並びにそれらの塩、特にリチウム塩を例示できる。特に好ましいものは、2−ナフトエ酸及びそのリチウム塩である。
2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物の塩をインク組成物中に添加する場合、塩の形態でインク中に添加する方法、又は相当する2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びそれと塩を形成しうる塩基とを別々にインク組成物中に添加する方法のいずれの方法を用いることもできる。さらに本発明においては2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることができ、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物とその塩の両者を併用することもできる。
本発明のシアンインク組成物及び/又はマゼンタインク組成物に上記2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びその塩からなる群(以下、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等という)から選ばれる少なくとも一種を添加する場合、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等がこれらのインク組成物中に合計量で0.1〜10質量%含まれることが好ましく、0.5〜5質量%含まれることがさらに好ましい。インク組成物中に含まれる2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の量は、それ自身の種類、インク組成物中に含まれる染料の種類、インク組成物に用いられる溶媒の種類等によって、適宜好ましい量を定めることができる。
2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等をシアンインク組成物中に添加する場合、インク組成物中に含まれるシアン染料の量(質量%)と2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の量(質量%)の比が1:0.1〜1:10であることが好ましく、1:0.3〜1:6であることがさらに好ましい。シアンインク組成物中のシアン染料の含有量を1とした場合、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族カルボン酸等の含有量を0.1よりも多くすることで、ブロンズ現象の発生を低減することができ、さらに2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の含有量を10よりも少なくすることで、インクジェットノズルの目詰まりを防止することができる。
一方、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等をマゼンタインク組成物中に添加する場合は、インク組成物中に含まれるマゼンタ染料の量(質量%)と2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の量(質量%)の比が1:0.5〜1:10であることが好ましく、1:1〜1:6であることがさらに好ましい。マゼンタインク組成物中のマゼンタ染料の含有量を1とした場合、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の含有量を0.5よりも多くすることで、高湿度環境下における画像の滲みによる画質の劣化を低減することができ、さらに2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の含有量を10よりも少なくすることで、インクジェットノズルの目詰まりを防止することができる。
本発明のインクセットを構成するインク組成物に添加するその他の好ましい添加剤について以下に説明する。
本発明のインクセットを構成するインク組成物には、ノニオン系界面活性剤を含有させることが好ましい。ノニオン系界面活性剤を添加することによって、インク組成物の記録媒体への浸透性が優れたものになり、印刷時にインク組成物が記録媒体上に速やかに定着されうる。さらに記録媒体上にインク組成物によって記録された1つのドットができるだけ真円に近いことが好ましいが、ノニオン系界面活性剤をインク組成物中に含有させることにより、1ドットによって形成される像の真円度を高めることができ、得られる画像の画質を向上できるという効果が得られる。
本発明に用いるノニオン界面活性剤としては、例えばアセチレングリコール系界面活性剤が好ましいが、これに限定されるものではない。本発明のインク組成物に用いるアセチレングリコール系界面活性剤としては、特に以下の一般式(W−1):
Figure 0004977371
(式(W−1)中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して、C1〜C6の直鎖、環式又は分枝アルキル鎖を表し、さらにA1O及びA2Oはそれぞれ独立してC2〜C3のオキシアルキレン鎖、例えばオキシエチレン若しくはオキシプロピレン、又はC2〜C3のアルキレンオキサイドが重合又は共重合して得られるポリオキシアルキレン鎖、例えばポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、若しくはポリオキシエチレンプロピレン鎖を表す。また式中、n及びmはA1O又はA2O単位、すなわちオキシアルキレンの繰り返し数を表し、0<n<30、0<m<30、及び0<n+m<50を満たす数である。)で表される化合物を用いることが好ましい。このアセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、サーフィノール465(商標)、サーフィノール104(商標)(以上商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)、オルフィンPD001(商標)、オルフィンE1010(商標)(以上商品名、日信化学工業株式会社製)を例示することができ、これらから選ばれる少なくとも一種を本発明のインクセットを構成するインク組成物に添加することが好ましい。
本発明においては、インク組成物中にノニオン系界面活性剤が、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜2質量%含まれるように、インク組成物にノニオン系界面活性剤を添加するのがよい。インク組成物中にノニオン系界面活性剤を0.1質量%以上含有させることによって、記録媒体に対する各インク組成物の浸透性を高くすることができる。またインク組成物中のノニオン系界面活性剤の含有量を5質量%以下にすることにより、記録媒体上にインク組成物によって形成された画像がにじみにくいという効果が得られる。
さらに、ノニオン系界面活性剤に加えて、浸透促進剤として、グリコールエーテル類をインク組成物に添加することにより、記録媒体に対するインク組成物の浸透性が向上するとともに、カラー印刷を行った場合に隣り合うカラーインクどうしの境界において、インクのブリード(ブリーディング)が減少し、非常に鮮明な画像を得ることができる。したがって、本発明のインクセットを構成するインク組成物には浸透促進剤を添加することが好ましい。
浸透促進剤として本発明に用いる上記グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が好ましいが、これらに限定されるものではない。これらのグリコールエーテル類は、インク組成物中に3〜30質量%、さらに好ましくは5〜15質量%含まれることが好ましい。グリコールエーテル類の添加量を3質量%以上にすることにより、カラー印刷時の隣り合うインク間のブリード(ブリーディング)を有効に防止でき、さらにこの添加量を30質量%以下にすることにより、画像のにじみが発生することを防止しやすくなり、かつインクの保存安定性を高めることができる。
さらに、本発明におけるインク組成物には、トリエタノールアミンやアルカリ金属水酸化物等のpH調整剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤、溶解助剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤等から選ばれる材料を所望により添加することができる。これらの成分は、各種別に一種又は二種以上を混合して用いることができる。また、添加する必要がなければ添加しなくてもよい。当業者は本発明の効果を損なわない範囲で、選択された好ましい添加剤を好ましい量で用いることができる。なお、上記溶解助剤とは、インク組成物から不溶物が析出する場合に、その不溶物を溶解し、インク組成物を均一な溶液に保つための添加剤である。
上記溶解助剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンなどのピロリドン類、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネート等のアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類などを挙げることができるがこれらに限定されない。また、上記酸化防止剤の例としては、L−アスコルビン酸及びその塩類等が例示できるが、これらに限定されない。
上記防腐剤又は防カビ剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及び1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(AVECIA社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、及びプロキセルTN(以上商品名)等を例示できるが、これらに限定されない。
上記pH調整剤しては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類及びそれらの変性物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの金属水酸化物、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウム等)等のアンモニウム塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩類などが例示できるがこれらに限定されない。
本発明のインクセットを構成するインク組成物は、上述した成分から適宜選ばれた成分を含んで調製されるが、得られるインク組成物の粘度が20℃において10mPa・s未満であることが好ましい。さらに、本発明においてはインク組成物の表面張力を20℃において45mN/m以下にすることが好ましく、25〜45mN/mの範囲にすることが特に好ましい。粘度及び表面張力をこのように調整することによって、インクジェット記録方法に用いるために好ましい特性を有するインク組成物を得ることができる。この粘度及び表面張力の調整は、インク組成物に含有させる溶剤及び各種添加剤の添加量、並びにそれらの種類等を適宜調節及び選択することによって行うことができる。
なお、本発明のインクセットを構成するインク組成物は、そのpHが20℃において7.0〜10.5であることが好ましく、7.5〜10.0であることがさらに好ましい。20℃におけるインク組成物のpHを7.0以上にすることによってインクジェットヘッドの共析メッキが剥離することを防止することができ、かつインクジェットヘッドからのインク組成物の吐出特性を安定化することができる。また、インク組成物のpHを20℃において10.5以下にすることによって、インク組成物が接触する各種の部材、例えばインクカートリッジやインクジェットヘッドを構成する部材が劣化されることを防ぐことができる。
本発明におけるインク組成物の調製方法としては、例えば、インク組成物に含有される各種成分を充分に混合してできるだけ均一に溶解した後、孔径0. 8μm のメンブランフィルターで加圧濾過し、さらに得られた溶液を真空ポンプを用いて脱気処理して調製する方法が例示できるが、これに限定されない。
次に、上述したインク組成物を用いた本発明のインクセットは、これらを一体的に若しくは独立に収容したインクカートリッジとして用いることができ、取り扱いが便利である点等からも好ましい。インクセットを含んで構成されるインクカートリッジは当技術分野において公知であり、公知の方法を適宜用いてインクカートリッジにすることができる。
本発明のインクセット又はインクカートリッジは一般の筆記具用、記録計用、ペンプロッター用等に使用することができるが、インクジェット記録方法に用いることが特に好ましい。本発明のインクセット又はインクカートリッジを用いることができるインクジェット記録方法は、インク組成物を細いノズルから液滴として吐出させ、その液滴を記録媒体に付着させるいかなる記録方法も含む。本発明のインク組成物を用いることができるインクジェット記録方法の具体例を以下に説明する。
第一の方法は静電吸引方式とよばれる方法である。静電吸引方式は、ノズルとノズルの前方に配置された加速電極との間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に噴射させ、そのインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えることによって、インク滴を記録媒体上に向けて飛ばしてインクを記録媒体上に定着させて画像を記録する方法、又は、インク滴を偏向させずに、印刷情報信号に従ってインク滴をノズルから記録媒体上にむけて噴射させることにより画像を記録媒体上に定着させて記録する方法である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの静電吸引方式による記録方法に用いることが好ましい。
第二の方法は、小型ポンプによってインク液に圧力を加えるとともに、インクジェットノズルを水晶振動子等によって機械的に振動させることによって、強制的にノズルからインク滴を噴射させる方法である。ノズルから噴射されたインク滴は、噴射されると同時に帯電され、このインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えてインク滴を記録媒体に向かって飛ばすことにより、記録媒体上に画像を記録する方法である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの記録方法に用いることが好ましい。
第三の方法は、インク液に圧電素子によって圧力と印刷情報信号を同時に加え、ノズルからインク滴を記録媒体に向けて噴射させ、記録媒体上に画像を記録する方法である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの記録方法に用いることが好ましい。
第四の方法は、印刷信号情報に従って微小電極を用いてインク液を加熱して発泡させ、この泡を膨張させることによってインク液をノズルから記録媒体に向けて噴射させて記録媒体上に画像を記録する方法である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの記録方法に用いることが好ましい。
本発明のインクセット又はインクカートリッジは、上述した4つの方法を含むインクジェット記録方式による画像記録方法を用いて記録媒体上に画像を記録する場合に用いるインク組成物として特に好ましい。本発明のインクセットを用いて記録された記録物は優れた画質を有し、さらに耐オゾン性に優れている。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
代表例として色素(YELLOW−1)の合成法を詳細に記述する。
Figure 0004977371
(1)化合物bの合成:
炭酸水素ナトリウム25.5gおよびイオン交換水 150mLを40℃に加温し、塩化シアヌル(東京化成品)25.0gを10分毎に5分割して添加して1時間攪拌した。その溶液をヒドラジン52.8mLとイオン交換水47mLの混液(8℃)に内温が10℃を超えないように滴下した。内温を50℃まで昇温し、30分攪拌した。析出した結晶を濾過し、23.4gの化合物b(ヒドラジン誘導体:m.p.>300℃)を得た。収率は94.7%であった。
(2)化合物cの合成:
化合物b(ヒドラジン誘導体)35.0gをエチレングリコール420mLに懸濁し、内温50℃で攪拌した。濃塩酸59mL、続いてピバロイルアセトニトリル(東京化成品)60.1gを添加し、50℃で10時間攪拌した。濃塩酸95mL、メタノール145mLを追添し、更に8時間攪拌した。室温まで冷却後、析出した結晶を濾別し、化合物c(5−アミノピラゾール誘導体:m.p.=233〜235℃)を81.6gを得た。収率は94.2%であった。H-NMR(DMSO-d6),δ値TMS基準:1.2〜1.3(18H,s))
(3)化合物eの合成:
化合物d(東京化成品)90.57gを、HO 500mlに懸濁しておき、130mlの濃塩酸を注入後内温が5℃以下になるまで冷却した。次に亜硝酸ナトリウム36.23gと70mlの水溶液を内温4〜6℃の範囲で滴下し、更に内温5℃以下で30分間撹拌した。次に、159gの亜硫酸ナトリウムと636mlのHOを内温20℃以下を保ちながら注入し、更に内温25℃で250mlの濃塩酸を注入し、引き続き内温90℃で1時間撹拌後、内温を室温が冷却後ろ過、200mlの水で洗浄し風乾後80.0gの化合物eを得た。
(4)化合物fの合成:
化合物e 23.3gと209mlのエタノール懸濁液にトリエチルアミン28mlを室温で滴下後12.2gのエトキシメチレンマロノニトリル(ALDRICH品)を分割添加し、3時間還流し室温まで冷却後ろ過、400mlのイソプロピルアルコールで洗浄し乾燥後23.57gの化合物fを得た。
(5)YELLOW−1の合成:
内温4℃以下で硫酸32.4mLに酢酸145.56mLを注入し、引き続き内温7℃以下で撹拌しながら40%ニトロシル硫酸15.9mL(ALDRICH品)を滴下した。
化合物f 32.4gを分割添加し、内温10℃で撹拌しながら同温度で60分間撹拌した後、尿素1.83gを反応混合物の中に添加した18.8gの化合物Cを470mlのメタノールに懸濁した溶液へ、内温<0℃でジアゾニウム塩を滴下し、そのまま同温度で30分間撹拌した後、反応液の内温を室温まで昇温した後、ろ過、メタノール洗浄及びHO洗浄して、粗結晶を得た。引き続き粗結晶をメタノール400mlに懸濁して、一時間還流下で撹拌後、室温まで冷却し、ろ過、メタノール洗浄、水洗浄メタノール洗浄後、75℃で一晩乾燥した後DYE−11の遊離酸型結晶34.4gを得た。得られた結晶を10wt%aq(at25℃:pH≒8.3:KOHaq調製)とした後、内温50℃でIPAを添加して晶析後、冷却、ろ過、IPA洗浄して、乾燥後35gのYELLOW−1を得た。λmax=436.4nm(HO)、ε:3.53×10(dm.cm/mol)
[合成例2]
以下に本発明の色素の合成例を示す。前記色素(YELLOW−1)の合成法を適用することで他の色素が同様に合成できる。合成した色素のHO中でのλmax及びε値を表−Aに示した。
Figure 0004977371
〔各インク組成物の調製〕
以下の表1及び表2に示した組成に基づき、各成分を常温において30分間攪拌した後、得られた溶液を目開き1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより各インク組成物を得た。なお表1中において、各成分の数値はインク組成物の質量を100%とした場合の各成分の質量%を示し、さらに水の量を示す「残り」は、水以外の成分とあわせて合計100%になる量を示す。
また、表1及び表2中、Yはイエローインク組成物、LMはライトマゼンタインク組成物(淡マゼンタインク組成物)、Mマゼンタインク組成物、LCはライトシアンインク組成物(淡シアンインク組成物)、Cはシアンインク組成物、Kはブラックインク組成物を表す。
表1及び表2中、イエロー染料としては、上記式(Y−6−I)で表される化合物の例として下記一般式(YELLOW−1)、(YELLOW−2)及び(YELLOW−3)を用い、上記式(Y−9)表される化合物の例として下記一般式(YELLOW−4)を用いた。
(YELLOW−1):
Figure 0004977371
(YELLOW−2):
Figure 0004977371
(YELLOW−3):
Figure 0004977371
(YELLOW−4):
Figure 0004977371
イエロー染料の比較例としては(YELLOW−5);C.I.ダイレクトイエロ−132、(YELLOW−6);C.I.ダイレクトイエロ−86、(YELLOW−7);C.I.ダイレクトイエロ−58を用いた。
表1及び表2中、マゼンタ染料としては、上記式(M−3)で表される化合物の例として下記一般式(MAGENTA−1)、(MAGENTA−2)及び(MAGENTA−3)を用いた。
(MAGENTA−1):
Figure 0004977371
(MAGENTA−2):
Figure 0004977371
(MAGENTA−2):
Figure 0004977371
その他、前記(MAGENTA−1),(MAGENTA−2),(MAGENTA−3)で表される染料以外のマゼンタ染料の例としては、下記一般式(MAGENTA−4)、(MAGENTA−5)を用いた。
一般式(MAGENTA−4):
Figure 0004977371
一般式(MAGENTA−5):
Figure 0004977371
表1及び表2中、シアン染料としては、上記式(C−3)で表される化合物の例として下記一般式(CYAN−1)、(CYAN−2)及び(CYAN−3)で表される化合物を用いた。
更にマゼンタ染料と併用する添加剤(ベタイン)として上記一般式(W−2)の例として下記一般式(ベタイン−1)を用いた。
(ベタイン−1)
Figure 0004977371
上記記載の添加剤(ベタイン−1)は、公知な化合物であり、種々の製造方法を単独または組み合わせて合成及び精製することができる。
Figure 0004977371
上述したように、本発明で用いる添加剤(ベタイン−1)は、3級アミン(N,N−ジメチル−n−テトラデシルアミン;花王株式会社製)とクロロ酢酸ナトリウム( 製)をアルコール系溶媒で加熱撹拌することで、粗ベタイン−1に誘導した。溶媒を留去した後、特開2004−285269号公報に記載の方法を組み合わせて、目的とする高純度品に精製して用いた。
本発明に用いた、ベタイン−1(精製後)の純度分析結果は以下のとおりである。
HPLC面積%≒98%(CHCN/HO=95/5v/v;1ml/min.;detect 200nm)
m.p.=205〜206℃
pH≒8.33(20wt%aq.;at25℃)
H-NMR(DMSO-d6):δ値TMS基準:0.86(3H,t);1.23(22H,m);1.60(2H,m);3.07(6H,s);3.44(2H,m);3.49(2H,s)
イオンクロマト分析(Cl):20w%aq換算濃度でN.D.
イオンクロマト分析(SO 2−):20w%aq換算濃度でN.D.
(CYAN−1):
Figure 0004977371
(CYAN−2):
Figure 0004977371
(CYAN−3):
Figure 0004977371
その他、前記(CYAN−1),(CYAN−2),(CYAN−3)で表される染料以外のシアン染料の例としては、下記一般式(CYAN−4)、及び(CYAN−5);C.I.ダイレクトブルー199を用いた。
(CYAN−4):
Figure 0004977371
表2中、ブラック染料としては、上記式(B−1)で表される化合物の例として下記一般式(BLACK−1)、(BLACK−2)で表される化合物を用いた。また、色相の調整の観点で補色用染料として上記一般式(B−14)で表される化合物の例として下記一般式(BLACK−3)、(BLACK−4)で表される化合物を併用した。
(BLACK−1):
Figure 0004977371
(BLACK−2):
Figure 0004977371
(BLACK−3):
Figure 0004977371
(BLACK−4):
Figure 0004977371
その他、前記(BLACK−1),(BLACK−2),(BLACK−3)及び(BLACK−4)で表される染料以外のブラック染料の例としては、下記一般式(BLACK−5)を用いた。
一般式(BLACK−5):
Figure 0004977371
Figure 0004977371
Figure 0004977371
次に調製した各インク組成物を用いて表3に示す組み合わせで、実施例1〜7及び比較例1〜3の各インクセットを作成した。なお、表3に示した組み合わせのインクセットはライトインク組成物、すなわち淡マゼンタ(Light Magenta)インク組成物及び淡シアン(Light Cyan)インク組成物を含まない。
Figure 0004977371
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式
会社製)を使用し、さらに表3に示したインクセットを用いて、インクジェット専用記録媒体{写真用紙<光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)}にイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラック(ただし、インクセットがブラックインク組成物を含む場合のみブラックを含む。)からなり、それぞれの色のOD値が0.7〜1.8になるように階段状に濃度が変化した各色単色画像パターンならびにグリーン、レッド、グレーの画像パターンを印字させ、画像堅牢性(耐光性・耐オゾンガス性)ならびに画像品質(ブロンズ光沢)の評価を行った。
〔耐オゾン性試験方法〕
オゾンガス濃度が5ppm(25℃; 60%RH)に設定された条件下で記録物を7日間、オゾンガスに曝露した。オゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。曝露開始から一定期間経過ごとに、反射濃度計(X−Rite310TR)を使用して各印刷物に記録されている各色のOD値を測定した。尚、前記反射濃度は、0.7、1.0及び1.8の3点で測定した。
得られた結果から次式:ROD(%)=(D/D0)×100を用いて光学濃度残存率(ROD)を求めた。
(式中、Dは曝露試験後のOD値、D0は曝露試験前のOD値を表す。)
さらに、上記試験の結果に基づき、下記の判定基準を用いて、記録物に記録された各色の耐オゾン性をA〜Dにランク付けた。
[判定基準]
評価A:試験開始から7日後のRODが、何れの濃度でも85%以上である。
評価B:試験開始から7日後のRODが、何れか1点の濃度が85%未満になる。
評価C:試験開始から7日後のRODが、何れか2点の濃度が85%未満になる。
評価D:試験開始から7日後のRODが、全ての濃度で85%未満になる。
本試験においては、オゾンに長時間曝露してもRODの低下が少ない記録物が優れる。得られた結果を表4に示した。
また、各色の耐オゾン性試験の結果から、以下の判定基準を用い、それぞれのインクセットとしての耐オゾン性のランク付けを行った。
[判定基準]
評価A:耐オゾン性試験結果が、3色(ブラックを含む場合は4色)について全てAである。
評価B:耐オゾン性試験結果が、3色(ブラックを含む場合は4色)のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
評価C:耐オゾン性試験結果が、3色(ブラックを含む場合は4色)のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
評価D:耐オゾン性試験結果が、3色(ブラックを含む場合は4色)のうち1色以上についてDである。
本評価において評価Aが最も優れ、次に評価Bが優れる。得られた結果を表4に「インクセットの耐オゾン性」として示した。
さらに、オゾンに曝露したことによって生じた、印刷物の各色間のROD変化の差(バランス)について、インクセットごとに以下の判定基準を用いて各記録物を評価した。
[判定基準]
評価A:試験開始から7日後でも、各色のRODのなかの最大値と最小値との差(以下、この評価法の説明において単に「RODの差」という。)が15ポイント(15%)未満である。
評価B:試験開始から5〜7日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
評価C:試験開始から3〜5日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
評価D:試験開始から3日以内に、RODの差が15ポイントになる。
本評価においてはRODの差の小さなものが記録物として優れる。表4に「色バランス」として得られた評価結果を示した。
〔耐光性試験方法〕
ウェザーメーター(アトラス社製)を使用し、画像にキセノン光(10万ルックス)を14日照射した。照射開始から一定期間経過ごとに、反射濃度計(X−Rite310TR)を使用して各印刷物に記録されている各色のOD値を測定した。尚、前記反射濃度は、0.7、1.0及び1.8の3点で測定した。
得られた結果から次式:ROD(%)=(D/D0)×100を用いて、光学濃度残存率(ROD)を求めた。
(式中、Dは曝露試験後のOD値、D0は曝露試験前のOD値を表す。)
さらに、上記試験の結果に基づき、下記の判定基準を用いて、記録物に記録された各色の耐光性をA〜Dにランク付けた。
[判定基準]
評価A:試験開始から14日後のRODが、何れの濃度でも85%以上である。
評価B:試験開始から14日後のRODが、何れか1点の濃度が85%未満になる。
評価C:試験開始から14日後のRODが、何れか2点の濃度が85%未満になる。
評価D:試験開始から14日後のRODが、全ての濃度で85%未満になる。
本試験においては、光に長時間曝露してもRODの低下が少ない記録物が優れる。得られた結果を表4に示した。
また、各色の耐光性試験の結果から、以下の判定基準を用い、それぞれのインクセットとしての耐光性のランク付けを行った。
[判定基準]
評価A:耐光性試験結果が、3色(ブラックを含む場合は4色)について全てAである。評価B:耐光性試験結果が、3色(ブラックを含む場合は4色)のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
評価C:耐光性試験結果が、3色(ブラックを含む場合は4色)のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
評価D:耐光性試験結果が、3色(ブラックを含む場合は4色)のうち1色以上についてDである。
本評価において評価Aが最も優れ、次に評価Bが優れる。得られた結果を表4に「インクセットの耐光性」として示した。
さらに、光に曝露したことによって生じた、印刷物の各色間のROD変化の差(バランス)について、インクセットごとに以下の判定基準を用いて各記録物を評価した。
[判定基準]
評価A:試験開始から14日後でも、各色のRODのなかの最大値と最小値との差(以下、この評価法の説明において単に「RODの差」という。)が15ポイント(15%)未満である。
評価B:試験開始から10〜14日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
評価C:試験開始から7〜10日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
評価D:試験開始から7日以内に、RODの差が15ポイントになる。
本評価においてはRODの差の小さなものが記録物として優れる。表4に「色バランス」として得られた評価結果を示した。
さらに以下のブロンズ評価及び耐湿性評価を行った。
〔ブロンズ評価〕
実施例1〜7のインクセットについて、インクジェット専用記録媒体(写真用紙<光沢>)に、1平方インチ当たり1.5〜2.2mgの打ち込み量になるようにCyan及びBlue(Cyan+Magenta)のベタ印字を行い、得られた印刷物を、光沢度計(PG−1M、日本電色工業株式会社製)を用いて測定し(測定角度60度)、光沢度を求めた。印字は、20℃40%RHと35℃60%RHの2つの環境下で行った。得られた光沢度と以下の式に基づいて計算した上昇値をブロンズ現象発生の程度を判定する基準とし、以下の判定基準に基づいて判定を行った。
上昇値=光沢度(印刷物)−光沢度(記録媒体)
[判定基準]
評価A:15未満
評価B:15以上35未満
評価C:35以上55未満
評価D:55以上
得られた結果を、表4に「ブロンズ耐性」として示した。
Figure 0004977371
〔濃色及び淡色混合系インクによる記録物の作成〕
表1及び表2に示した組成を有するインク組成物を用いて、以下の表5に示すインク組成物の組み合わせに基づき、実施例8〜16及び比較例4のインクセットを作成した。この各インクセット、及びインクジェットプリンタPM930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、インクジェット専用記録媒体{写真用紙<光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)}に、イエロー、マゼンタ、シアン、ライトシアン、ライトマゼンタ、及びブラック(ただし、インクセットがブラックインク組成物を含む場合のみブラックを含む。)からなり、それぞれの色のOD値が0.7〜1.8になるように階段状に濃度が変化した各色単色画像パターンならびにグリーン、レッド、グレーの画像パターンを印字させ、画像堅牢性(耐光性・耐オゾンガス性)ならびに画像品質(ブロンズ光沢)の評価を行った。
Figure 0004977371
〔耐オゾン性試験〕
実施例8〜16及び比較例4の各インクセットを用いて印刷された上記の記録物について、上述した耐オゾン試験方法に準拠して耐オゾン性試験を行い、さらに上述した判定基準に基づいて評価を行った。得られた結果を表6に示した。
〔耐光性試験〕
実施例8〜16及び比較例4の各インクセットを用いて印刷された上記の記録物について、上述した耐光性試験方法に準拠して耐光性試験を行い、さらに上述した判定基準に基づいて評価を行った。得られた結果を表6に示した。
〔ブロンズ評価〕
実施例8〜16について、上述したブロンズ評価方法に準拠してブロンズ評価を行い、さらに上述した判定基準に基づいて評価を行った。得られた結果を表6に示した。
Figure 0004977371

Claims (42)

  1. 少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物を備えたインクセットであって、前記イエロ−インク組成物がイエロ−染料として下記一般式(Y−1)、一般式(Y−2)、一般式(Y−3)、一般式(Y−4)又は一般式(Y−5)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするインクセット。
    一般式(Y−):
    Figure 0004977371

    式中、 、R 、X 、X 、Y 、Y 、Z 、及びZ は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基を表す。また、上記R 、R 、X 、X 、Y 、Y 、Z 、及びZ は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基又はイオン性親水性基を置換基として有してもよい。Gは5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m は0〜3の整数を表す。
    一般式(Y−2):
    Figure 0004977371

    式中、R 、R 、R 11 、R 12 、X 、X 、Z 、及びZ は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるR 、R 、R 、R 、X 、X 、Z 及びZ と同義であり、L は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO −、−SO−又はこれらの組み合わせを示し、該アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rのアルキル基又はアリール基は、上記一般式(Y−1)中のR 、R 、Y 及びY の置換基と同義の置換基を有していてもよい。G 、G はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m 21 、m 22 は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
    一般式(Y−3):
    Figure 0004977371

    式中、R 、R 、X 、X 、Y 、及びY は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるR 、R 、X 、X 、Y 及びY と同義であり、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−2)におけるR 11 及びR 12 と同義である。L は上記一般式(Y−2)におけるL と同義である。G 、G はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m 31 、m 32 は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
    一般式(Y−4):
    Figure 0004977371

    式中、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−2)におけるR 11 及びR 12 と同義であり、X 、X 、Y 及びY は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるX 、X 、Y 及びY と同義であり、Z 及びZ は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるZ 、及びZ と同義である。L は、上記一般式(Y−2)におけるL と同義である。G 、G はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m 41 、m 42 は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
    一般式(Y−5):
    Figure 0004977371

    式中、R 、R 、Y 、Y 、Z 、及びZ は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるR 、R 、Y 、Y 、Z 及びZ と同義であり、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、上記一般式(Y−2)におけるR 11 及びR 12 と同義である。L は、上記一般式(Y−2)におけるL と同義である。G 、G はそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m 51 、m 52 は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
  2. 一般式(Y−1)、一般式(Y−2)、一般式(Y−3)、一般式(Y−4)、一般式(Y−5)中、G、G及びGで構成される含窒素ヘテロ環がS−トリアジン環であることを特徴とする請求項に記載のインクセット。
  3. 一般式(Y−1)で表される色素が、下記一般式(Y−6)で表される色素であることを特徴とする請求項に記載のインクセット。
    一般式(Y−6):
    Figure 0004977371

    式中、R、R、Y、およびYは、それぞれ独立に、上記一般式(Y−1)におけるR、R、Y及びYと同義であり、X、Xはそれぞれ独立にハメットのσp値0.20以上の電子吸引性基を示す。Z、Zはそれぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基を示し、Z、Zが有してもよい置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基又はイオン性親水性基である。Mは水素原子またはカチオンを示す。
  4. 前記請求項1〜のいずれか一項記載のイエロ−インク組成物に、着色剤として下記一般式(Y−7)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のインクセット。
    一般式(Y−7):
    Figure 0004977371

    上記一般式(Y−7)中、A、Aは、置換または無置換のアリール基、及びまたは、置換または無置換の5または6員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A−NH2の残基を表し、A及びAのアリール基及びヘテロ環が有してもよい置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基又は下記の基
    Figure 0004977371

    である。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、又はイミド基を示し、Gは5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。mは0〜3の整数を表す。但し、一般式(Y−7)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。A、Aが5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A−NH2の残基を表す場合は、ピラゾール環を除く。
  5. 前記請求項記載において、一般式(Y−7)で表されるイエロ−インク組成物が、下記一般式(Y−8)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項に記載のインクセット。
    一般式(Y−8):
    Figure 0004977371

    一般式(Y−8)中、A、A、R、R及びMは、上記一般式(Y−7)中のA、A、R、R及びMと同義である。但し、一般式(Y−8)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。A、Aが5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2、A
    −NH2の残基を表す場合は、ピラゾール環を除く。
  6. 前記請求項記載において、一般式(Y−8)で表されるイエロ−インク組成物が、下記一般式(Y−9)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項に記載のインクセット。
    一般式(Y−9):
    Figure 0004977371

    一般式(Y−9)中、R及びRは、それぞれ独立に、上記一般式(Y−8)におけるR及びRと同義である。R11及びR12は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、イミド基又は下記の基
    Figure 0004977371

    を示す。Mは、水素原子またはカチオンを示す。但し、一般式(Y−9)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
  7. イエローインク組成物が、前記一般式(Y−1)〜(Y−6)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含む;または、前記一般式(Y−1)〜(Y−6)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種と更に前記一般式(Y−7)〜(Y−9)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含む;かつ前記着色剤の合計量が前記イエローインク組成物の総質量に対し1〜6質量%含まれていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のインクセット。
  8. イエローインク組成物において、前記一般式(Y−1)〜(Y−6)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の濃度(質量%)と前記一般式(Y−7)〜(Y−9)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物の濃度(質量%)との比が、4:1〜10:1の範囲にあることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載のインクセット。
  9. マゼンタインク組成物が、着色剤として下記式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のインクセット。
    一般式(M−1):
    Figure 0004977371

    前記一般式(M−1)中、Aは、5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1およびB2は、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=または−CR14=を表す。R11、R12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更にメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シアノ基、スルホ基及び下記の基
    Figure 0004977371

    から選択される置換基を有していてもよい。G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基またはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルおよびアリールチオ基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、またはイオン性親水性基を表す。各基は更にメチル基、エチル基、イソプロピル基及びスルホ基から選択される置換基により置換されていてもよい。また、R13とR11、あるいはR11とR12が結合して5〜6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
  10. 一般式(M−1)で表されるマゼンタインク組成物が、下記一般式(M−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項に記載のインクセット。
    一般式(M−2):
    Figure 0004977371

    一般式(M−2)中、A、B1、B2、R11およびR12は、前記一般式(M−1)中のAは、B1、B2、R11およびR12と同義である。
    aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびeが共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上である。b、c、dは、各々独立に上記一般式(M−1)におけるR13及びR14と同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。但し、一般式(M−2)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
  11. 一般式(M−2)で表されるマゼンタインク組成物が、下記一般式(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項10に記載のインクセット。
    一般式(M−3):
    Figure 0004977371

    一般式(M−3)中、Z11は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z12は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環基またはアシル基を表す。R11、R12、R13、R14、a、b、c、d及びeは、各々上記一般式(M−2)の場合と同義である。Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。上記Z11、Z12及びQの各基は、更にスルホ基により置換されていてもよい。但し、一般式(M−3)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
  12. 前記マゼンタインク組成物として、色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのマゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載のインクセット。
  13. 前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記低い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対して0.5〜3.5質量%含まれていることを特徴とする請求項12に記載のインクセット。
  14. 前記色濃度の異なる二種のマゼンタ組成物のうち、高い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記高い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対し3〜10質量%含まれていることを特徴とする請求項12又は13に記載のインクセット。
  15. 前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物において、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にあることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載のインクセット。
  16. シアンインク組成物が、着色剤として下記式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のインクセット。
    一般式(C−1):
    Figure 0004977371

    前記一般式(C−1)中、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SONV、−CONV、−COZ、−CO−Z及びスルホ基のいずれかを表す。ここで、Zは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。V,Vは、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。Z、V及びVが有してもよい置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン原子;炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状鎖アルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、イオン性親水性基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、下記の基
    Figure 0004977371

    又は下記の基
    Figure 0004977371

    である。Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表す。a1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。ただし、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
  17. 一般式(C−1)で表されるシアンインク組成物が、下記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項16に記載のインクセット。
    一般式(C−2):
    Figure 0004977371

    上記一般式(C−2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表し、Z、Z、Z及びZが有してもよい置換基は、それぞれ独立に、上記一般式(C−1)におけるZが有してもよい置換基と同じである。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。l、m、n、p、q1、q2、q3、q4は、それぞれ独立に、1または2の整数を表す。Mは、一般式(C−1)の場合と同義である。
  18. 一般式(C−2)で表されるシアンインク組成物が、下記一般式(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項17に記載のインクセット。
    一般式(C−3):
    Figure 0004977371

    一般式(C−3)中、Z1、Z2、Z3、Z4、l、m、n、p及びMは、一般式(C−2)中のZ1、Z2、Z3、Z4、l、m、n、p及びMと同義である。
  19. 前記一般式(C−3)で表される化合物において、Mが銅原子であり、かつ前記Z1、Z2、Z3、及びZ4が、それぞれ独立にZ11(前記Z11は、−(CH23SO3を表し、ここでMはアルカリ金属原子を表す。)及び/又はZ12(前記Z12は、−(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3を表す。)であり、さらにl、m、n、及びpが0又は1であり、請求項18に記載のインクセット。
  20. 前記MがLiである請求項19に記載のインクセット。
  21. 前記シアンインク組成物中に、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記シアンインク組成物の総質量に対して1.0〜10質量%含有されていることを特徴とする請求項16〜20のいずれか一項に記載のインクセット。
  22. 前記シアンインク組成物として、色濃度の異なる二種のシアンインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有し、更に、下記一般式(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有しすることを特徴とする請求項16〜21のいずれか一項に記載のインクセット。
    一般式(C−4):
    Figure 0004977371

    一般式(C−4)中、Q1〜Q4、P1〜P4、W1〜W4、R1〜R4は、それぞれ独立に、(=C(J1)−及びまたは−N=)、(=C(J2)−及びまたは−N=)、(=C(J3)−及びまたは−N=)、(=C(J4)−及びまたは−N=)を表す。J1〜J4はそれぞれ独立に、水素原子及びまたは置換基を表す。(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つはヘテロ環であり、該ヘテロ環は置換基を有さない。(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、芳香族環を表す場合、下記一般式(I)である。
    一般式(I):
    Figure 0004977371

    一般式(I)中、*はフタロシアニン骨格との結合位置を表す。Gは−SO−Z1、−SO2−Z1、−SO2NZ3、−CONZ3、−CO21、−COZ1、またはスルホ基を表す。tは、1〜4の整数を表す。Zは、同一または異なっていても良く、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表し、Zが有してもよい置換基は、スルホ基である。Z、Zは、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表し、Z及びZが有してもよい置換基は、スルホ基である。
  23. 上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、A環、B環、C環、D環の任意の環が芳香族環である場合には、少なくとも1つの芳香族環が下記一般式(II)であることを特徴とする請求項22に記載のインクセット。
    一般式(II):
    Figure 0004977371

    一般式(II)中、*はフタロシアニン骨格との結合位置を表す。Gは上記一般式(I)と同義である。t1は、1または2である。
  24. 上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つのヘテロ環が含窒素ヘテロ環であることを特徴とする請求項22又は23に記載のインクセット。
  25. 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)及び(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記低い色濃度を有するシアンインクの総質量に対して0.4〜3.0質量%含有されていることを特徴とする請求項16〜24のいずれか一項に記載のインクセット。
  26. 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、着色剤として前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ前記着色剤の合計量が前記高い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対して2.0〜10.0質量%含有されていることを特徴とする請求項16〜25のいずれか一項に記載のインクセット。
  27. 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物において、低い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にあることを特徴とする請求項16〜26のいずれか一項に記載のインクセット。
  28. 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種において、Z、Z、Z、及びZがそれぞれ独立して前記Z11又は前記Z12から選ばれた混合物であり、かつ前記一般式(C−3)で表されるシアン染料全体に含まれる前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=3/1を主成分となる染料混合物であることを特徴とする請求項18〜27のいずれか一項に記載のインクセット。
  29. 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種において、Z、Z、Z、及びZがそれぞれ独立して前記Z11又は前記Z12から選ばれた混合物であり、かつ前記一般式(C−3)で表されるシアン染料全体に含まれる前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=2/2を主成分となる染料混合物であることを特徴とする請求項18〜28のいずれか一項に記載のインクセット。
  30. 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項22〜29のいずれか一項に記載のインクセット。
  31. 更に、ブラックインク組成物を有する請求項1〜30のいずれか一項に記載のインクセット。
  32. ブラックインク組成物が、ブラック染料として下記の式(B−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項31に記載のインクセット。
    一般式(B−1):
    Figure 0004977371

    上記一般式(B−1)中、
    Aはイオン性親水性基で置換されたフェニル基又はナフチル基を表し、Bはナフチル基及びシアノ基の少なくとも一つを置換基として有する5〜6員ヘテロ環基を表す。
    1およびT2は、各々=CR43−および−CR44=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR43−または−CR44=を表す。V1、R43およびR44は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更にスルホ基で置換されていても良い。R41、R42は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更にスルホ基を置換基として有していても良い。但し、R41、R42が同時に水素原子であることはない。また、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
  33. 一般式(B−1)で表されるブラックインク組成物が、下記一般式(B−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項32に記載のインクセット。
    一般式(B−2):
    Figure 0004977371

    上記一般式(B−2)中、
    Xは、N原子または=CW−を表す。Wは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。A、V、T,T、R41及びR42は、上記一般式(B−1)中のA、V、T,T、R41及びR42と同義である。
    Wは、上記一般式(B−1)中のV1 と同義である。
  34. 一般式(B−2)で表されるブラックインク組成物が、下記一般式(B−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項33に記載のインクセット。
    一般式(B−3):
    Figure 0004977371

    上記一般式(B−3)中、
    、W、X、T,T、R41及びR42は、上記一般式(B−2)中のV、W、X、T,T、R41及びR42と同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、イミド基、スルホ基、カルボキシル基、水酸基、ホスホノ基又は4級アンモニウムを表す。
  35. 一般式(B−3)で表されるブラックインク組成物が、下記一般式(B−4)で表される化合物及びその塩からなる群、及びまたは、下記一般式(B−5)で表される化合物及びその塩からなる群;から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項34に記載のインクセット。
    一般式(B−4):
    Figure 0004977371

    上記一般式(B−4)中、
    43は上記一般式(B−1)中のR43と同義である。R44は、上記一般式(B−1)中のR44と同義である。R45、R46は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。R41及びR42は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。
    Wは、上記一般式(B−3)中のWと同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−3)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義である。
    一般式(B−5):
    Figure 0004977371

    43は上記一般式(B−1)中のR43と同義である。R44は、上記一般式(B−1)中のR44と同義である。R45、R46は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。R41及びR42は、上記一般式(B−3)中のR41及びR42と同義である。
    Wは、上記一般式(B−3)中のWと同義である。W11は、上記一般式(B−2)中のWと同義である。X、X、X、X、X、X及びXは、上記一般式(B−3)中のX、X、X、X、X、X及びXと同義である。
  36. 請求項32記載の一般式(B−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と下記一般式(B−14)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするブラックインク組成物である、請求項32〜35のいずれか一項に記載のインクセット。
    一般式(B−14):
    Figure 0004977371

    一般式(B−14)において、A環,B環,C環は、それぞれ独立に置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す。A、A、A、A、A、A11、A12、A13、A14、A15、B、B、B、B、B、B、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C、C、C、C、C11、C12、C13、C14はそれぞれ独立に水素原子またはスルホ基を表す。但し、一般式(B−14)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。Q、Qは、水素原子を表す。L12は、−CO−又は下記の2価の連結基
    Figure 0004977371

    を表す。
  37. 請求項1〜36のいずれか一項に記載されたインクセットを一体的に又は独立に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  38. 請求項37に記載のインクカートリッジが装填されていることを特徴とするインクジェットプリンター。
  39. 請求項1〜36のいずれか一項に記載のインクセット又は請求項37に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
  40. 支持体上に白色無機顔料を含有するインク受容層を有する受像材料上に、請求項1〜36のいずれか一項に記載のインクセット又は請求項37に記載のインクカートリッジを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  41. 請求項1〜36のいずれか一項に記載のインクセット又は請求項37に記載のインクカートリッジを用いて記録されたことを特徴とする記録物。
  42. 請求項1〜36のいずれか一項に記載のインクセット又は請求項37に記載のインクカートリッジを用いて形成した着色画像材料の褪色改良方法。
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