JP2011140254A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブロック13におけるタイヤ周方向Sの両端部のうちの少なくとも一方には、ブロック13におけるタイヤ周方向Sの中央部の上面をタイヤ周方向Sの外側に向けて延長した仮想輪郭線Lからタイヤ径方向の外側に突出する隆起部14が形成され、ブロック13におけるタイヤ径方向の大きさをa、ブロック13におけるタイヤ周方向Sの大きさをb、隆起部14における前記仮想輪郭線Lからのタイヤ径方向の外側に向けた突出高さをc、隆起部14におけるタイヤ周方向Sの大きさをdとしたときに、c/aおよびd/bがそれぞれ、0.025以上0.25以下となっている。
【選択図】図1
Description
この種の空気入りタイヤにおいては、走行時に、ブロックが周期的に路面に対して当接・離反して振動させられることにより、一般にピッチノイズ若しくはパターンノイズと呼ばれる騒音を発生することが知られている。
そこで、このような騒音を低減するための手段として、従来から、例えば下記特許文献1に示されるように、サイプを形成してブロックの剛性を低下させたり、あるいは面取り部を形成して接地圧の急激な上昇を抑えたりすること等が提案されている。
このようにブロックに隆起部が形成されていることから、前記従来技術のようにブロックにサイプや面取り部を形成する場合と比べて、ブロックが欠損するのを抑えることができるとともに、使用状況が変化しても、ブロックのうち少なくとも隆起部は確実に大きく変形させることが可能になるため、使用状況の変化に係わらず安定して騒音を低減することができる。
また、前記隆起部が、ブロックにおけるタイヤ周方向の両端部のうちの少なくとも一方に形成されているので、デザイン性を阻害したり、ブロックの剛性が変化したりするのを確実に抑制することができる。
さらに、前記寸法c/前記寸法aおよび前記寸法d/前記寸法bがそれぞれ、0.025以上0.25以下となっているので、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
すなわち、前記寸法c/前記寸法aおよび前記寸法d/前記寸法bがそれぞれ、0.025未満の場合には、隆起部の体積が小さすぎて、隆起部が形成されていないブロックを有する空気入りタイヤと同様に、前述の作用効果を奏し得ず、0.25より大きい場合には、隆起部の体積が大きすぎてブロック全体の剛性が高くなり、蹴り出し時に路面上を引き摺られて異音が発生し易くなるおそれがある。
空気入りタイヤ1のトレッド部10には、タイヤ周方向Sに延びる周溝11、およびタイヤ幅方向Hに延びるラグ溝12が形成されている。周溝11はタイヤ幅方向Hに間隔をあけて複数(図示の例では4つ)形成されるとともに、ラグ溝12はタイヤ周方向Sに間隔をあけて複数形成されている。
複数の周溝11は、トレッド部10においてタイヤ幅方向Hの中央部(以下、タイヤ赤道部という)CLを回避した位置に、タイヤ赤道部CLを基準に線対称に配置されている。
これらの周溝11およびラグ溝12によりトレッド部10の外表面が複数のブロック13に区画されている。なお、これらのブロック13のうちの一部は、タイヤ赤道部CL上にタイヤ周方向Sに沿って複数配置され、タイヤ周方向Sで隣り合うブロック13同士の間にラグ溝12が位置している。
図示の例では、ブロック13の上面は、タイヤ周方向Sの両端部を除く全域が、タイヤ径方向に直交する方向に延びる平坦面になっている。隆起部14は、ブロック13におけるタイヤ周方向Sの両端部に形成されている。また各隆起部14は、ブロック13におけるタイヤ幅方向Hの全長にわたって延在している。
図示の例では、各隆起部14は、タイヤ幅方向Hに延びる四角柱状に形成されており、外側壁面14aおよび内側壁面14bの他に、タイヤ径方向の外側を向く上側壁面14cを備えている。また、外側壁面14aおよび内側壁面14bはそれぞれ、前記仮想輪郭線Lからほぼ垂直にタイヤ径方向の外側に向けて立ち上がっている。さらに、上側壁面14cと前記仮想輪郭線Lとは互いに平行になっている。また、外側壁面14aおよび内側壁面14bと、上側壁面14cと、は互いに稜線部を介して接続されている。
また、隆起部14が、ブロック13におけるタイヤ周方向Sの両端部に形成されているので、デザイン性を阻害したり、ブロック13の剛性が変化したりするのを確実に抑制することができる。
そして、前記寸法c/前記寸法aおよび前記寸法d/前記寸法bがそれぞれ、0.025以上0.25以下となっているので、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
例えば図2(a)に示されるような、内側壁面14bを、タイヤ径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、タイヤ周方向Sに沿ったブロック13の外側に向けて延在させ外側壁面14aに接続させて、上側壁面14cを有しない隆起部14を採用してもよいし、あるいは、外側壁面14aをタイヤ径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、タイヤ周方向Sに沿ったブロック13の内側に向けて延在させ内側壁面14bに接続させて、上側壁面14cを有しない隆起部14を採用してもよいし、さらには、内側壁面14bを、タイヤ径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、タイヤ周方向Sに沿ったブロック13の外側に向けて延在させるとともに、外側壁面14aをタイヤ径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、タイヤ周方向Sに沿ったブロック13の内側に向けて延在させ、かつ外側壁面14aと内側壁面14bとを接続させて上側壁面14cを有しない隆起部14を採用してもよい。
また前記実施形態では、外側壁面14aおよび内側壁面14bと、上側壁面14cと、が互いに稜線部を介して接続された構成を示したが、少なくとも一方は曲面部を介して接続してもよい。
なお、隆起部14の上端部に面取り部を形成してもよい。
さらにまた、前記実施形態では、隆起部14をブロック13におけるタイヤ周方向Sの両端部に形成したが、いずれか一方にのみ形成してもよい。
この場合、ブロック13のうち少なくとも隆起部14の外表面がゴム層15で覆われているので、走行時に、ブロック13のうち局所的に大きく変形する隆起部14が摩耗するのを抑制することが可能になり、前述の作用効果を長期にわたって奏功させることができる。
なお、ゴム層15の厚さは例えば0.2mm以上2.0mm以下となっている。また、ゴム層15により隆起部14の外表面を全域にわたって覆ってもよいが、隆起部14の外表面のうちの少なくとも一部を覆ってもよい。
この場合、ブロック13のうち、タイヤ周方向Sの両端部が他の部分と比べて摩耗し難くなるため、ブロック13のタイヤ周方向Sの両端部に隆起部14を生成しながらブロック13を摩耗させることが可能になり、ブロック13の摩耗に伴い隆起部14が消滅してしまうのを防ぐことができる。
また、図4に示されるようなタイヤは、未加硫状態のトレッド部10の外表面に、未加硫状態の帯状のゴム層15を巻き付けてグリーンタイヤを成形した後に、このグリーンタイヤにトレッド部10の外表面側から加硫金型面を押し付けた状態で該グリーンタイヤを加硫することにより、トレッド部10の外表面にブロック13を区画しながら、ゴム層15とブロック13の外表面とを加硫接着することによって形成することができる。
この試験に際し、実施例1〜3および比較例1、2の空気入りタイヤをそれぞれ車両に装着し、車両のエンジンをオフにしかつギヤをニュートラルにして速度80km/hで惰性走行したときに発せられる騒音を、精密マイクロフォンにより車外で計測した。
その結果、実施例1では72.8dB、実施例2では73.9dB、実施例3では73.5dBである一方、比較例1では74.6dB、比較例2では76.2dBであり、実施例1〜3では、比較例1、2よりも騒音を低減できることが確認された。
その結果、表1および図6に示されるように、前記寸法c/前記寸法aおよび前記寸法d/前記寸法bがそれぞれ、0.025以上0.25以下となっている空気入りタイヤは、隆起部14が形成されていないブロックを有する空気入りタイヤと比べて、騒音を低減できることが確認され、前記寸法c/前記寸法aおよび前記寸法d/前記寸法bのうちの少なくとも一方が、0.025未満の場合、あるいは0.25を超えた場合には、隆起部14が形成されていないブロックを有する空気入りタイヤと同等かそれよりも大きな騒音が発生することが確認された。
10 トレッド部
11 周溝
12 ラグ溝
13 ブロック
14 隆起部
14a 外側壁面
14b 内側壁面
15 ゴム層
H タイヤ幅方向
L 仮想輪郭線
S タイヤ周方向
Claims (3)
- トレッド部に、タイヤ周方向に延びる周溝、およびタイヤ幅方向に延びるラグ溝が形成されて、これらの周溝およびラグ溝によりトレッド部の外表面が複数のブロックに区画された空気入りタイヤであって、
前記ブロックにおけるタイヤ周方向の両端部のうちの少なくとも一方には、該ブロックにおけるタイヤ周方向の中央部の上面をタイヤ周方向の外側に向けて延長した仮想輪郭線からタイヤ径方向の外側に突出する隆起部が形成され、
前記ブロックにおけるタイヤ径方向の大きさをa、前記ブロックにおけるタイヤ周方向の大きさをb、前記隆起部における前記仮想輪郭線からのタイヤ径方向の外側に向けた突出高さをc、前記隆起部におけるタイヤ周方向の大きさをdとしたときに、c/aおよびd/bがそれぞれ、0.025以上0.25以下となっていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1記載の空気入りタイヤであって、
前記隆起部は、少なくともタイヤ周方向に沿った前記ブロックの外側を向く外側壁面、およびタイヤ周方向に沿った前記ブロックの内側を向く内側壁面を有する複数の直線状の壁面により画成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1または2に記載の空気入りタイヤであって、
前記ブロックのうち少なくとも隆起部の外表面は、該ブロックを形成するゴム材質よりも引き裂き強度が大きいゴム層で覆われていることを特徴とする空気入りタイヤ。
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