JP2012144144A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トレッド部10に、タイヤ周方向Sに延びる周溝11、およびタイヤ幅方向Hに延びるラグ溝12が形成されて、これらの周溝11およびラグ溝12によりトレッド部10の外表面が複数の陸部16〜18に区画された空気入りタイヤ1であって、陸部16〜18におけるタイヤ周方向Sの両端部のうちの少なくとも一方には、陸部16〜18におけるタイヤ周方向Sの中央部の上面をタイヤ周方向Sの外側に向けて延長した仮想輪郭線Lからタイヤ径方向の外側に突出する隆起部14が形成され、複数の陸部16〜18のうち、最もタイヤ幅方向Hの外側に位置するショルダー陸部18に形成された隆起部14の突出高さcが、最もタイヤ幅方向Hの内側に位置するセンター陸部16に形成された隆起部14の突出高さcより高い。
【選択図】図1
Description
この種の空気入りタイヤにおいては、走行時に、陸部が周期的に路面に対して当接・離反して振動させられることにより、一般にピッチノイズ若しくはパターンノイズと呼ばれる騒音を発生することが知られている。
そこで、このような騒音を低減するための手段として、従来から、例えば下記特許文献1に示されるように、サイプを形成して陸部の剛性を低下させたり、あるいは面取り部を形成して接地圧の急激な上昇を抑えたりすること等が提案されている。
このように陸部に隆起部が形成されていることから、前記従来技術のように陸部にサイプや面取り部を形成する場合と比べて、陸部が欠損するのを抑えることができるとともに、使用状況が変化しても、陸部のうち少なくとも隆起部は確実に大きく変形させることが可能になるため、使用状況の変化に係わらず安定して騒音を低減することができる。
また、前記隆起部が、陸部におけるタイヤ周方向の両端部のうちの少なくとも一方に形成されているので、デザイン性を阻害したり、陸部の剛性が変化したりするのを確実に抑制することができる。
さらにまた、ショルダー陸部に形成された隆起部の突出高さが、センター陸部に形成された隆起部の突出高さより高くなっているので、走行時に、トレッド部を、そのタイヤ幅方向の全域にわたってほぼ同時かつ一様に路面を踏み込ませ易くすることが可能になり、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
空気入りタイヤ1のトレッド部10には、タイヤ周方向Sに延びる周溝11、およびタイヤ幅方向Hに延びるラグ溝12が形成されている。周溝11はタイヤ幅方向Hに間隔をあけて複数(図示の例では4つ)形成されるとともに、ラグ溝12はタイヤ周方向Sに間隔をあけて複数形成されている。
複数の周溝11は、トレッド部10においてタイヤ幅方向Hの中央部(以下、タイヤ赤道部という)CLを回避した位置に、タイヤ赤道部CLを基準に線対称に配置されている。
これらの周溝11およびラグ溝12によりトレッド部10の外表面が複数の陸部16〜18に区画されている。
図示の例では、陸部16〜18の上面は、タイヤ周方向Sの両端部を除く全域が、タイヤ径方向に直交する方向に延びる平坦面になっている。隆起部14は、陸部16〜18におけるタイヤ周方向Sの両端部に形成されている。また各隆起部14は、陸部16〜18におけるタイヤ幅方向Hの全長にわたって延在している。
図示の例では、各隆起部14は、タイヤ幅方向Hに延びる四角柱状に形成されており、外側壁面14aおよび内側壁面14bの他に、タイヤ径方向の外側を向く上側壁面14cを備えている。また、外側壁面14aおよび内側壁面14bはそれぞれ、前記仮想輪郭線Lからほぼ垂直にタイヤ径方向の外側に向けて立ち上がっている。さらに、上側壁面14cと前記仮想輪郭線Lとは互いに平行になっている。また、外側壁面14aおよび内側壁面14bと、上側壁面14cと、は互いに稜線部を介して接続されている。
図示の例では、複数の陸部16〜18のうち、ショルダー陸部18とセンター陸部16との間に位置する中間陸部17に形成された隆起部14の突出高さcは、センター陸部16に形成された隆起部14の突出高さcと同等になっている。また、センター陸部16のタイヤ幅方向Hの中央部は、タイヤ赤道部CL上に位置している。さらに、センター陸部16および中間陸部17は、トレッド部10の外表面において、タイヤ幅方向Hの全長に対してタイヤ赤道部CLを中心にした3分の2の幅領域に位置し、ショルダー陸部18は、前記幅領域よりタイヤ幅方向Hの外側に位置している。また、ショルダー陸部18に形成された隆起部14の突出高さcは、中間陸部17およびセンター陸部16に形成された各隆起部14の突出高さcより例えば約0.1mm以上1.0mm以下高くなっている。
また、隆起部14が、陸部16〜18におけるタイヤ周方向Sの両端部に形成されているので、デザイン性を阻害したり、陸部16〜18の剛性が変化したりするのを確実に抑制することができる。
さらにまた、ショルダー陸部18に形成された隆起部14の突出高さcが、センター陸部16に形成された隆起部14の突出高さcより高くなっているので、走行時に、トレッド部10を、そのタイヤ幅方向Hの全域にわたってほぼ同時かつ一様に路面を踏み込ませ易くすることが可能になり、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
また、隆起部14における前記仮想輪郭線Lからのタイヤ径方向の外側に向けた突出高さc、および隆起部14におけるタイヤ周方向Sの大きさdがそれぞれ、0.2mm以上2.0mm以下となっているので、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
例えば図2(a)に示されるような、内側壁面14bを、タイヤ径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、タイヤ周方向Sに沿った陸部16〜18の外側に向けて延在させ外側壁面14aに接続させて、上側壁面14cを有しない隆起部14を採用してもよいし、あるいは、外側壁面14aをタイヤ径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、タイヤ周方向Sに沿った陸部16〜18の内側に向けて延在させ内側壁面14bに接続させて、上側壁面14cを有しない隆起部14を採用してもよいし、さらには、内側壁面14bを、タイヤ径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、タイヤ周方向Sに沿った陸部16〜18の外側に向けて延在させるとともに、外側壁面14aをタイヤ径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、タイヤ周方向Sに沿った陸部16〜18の内側に向けて延在させ、かつ外側壁面14aと内側壁面14bとを接続させて上側壁面14cを有しない隆起部14を採用してもよい。
さらに、前述した外側壁面14a、内側壁面14bおよび上側壁面14cの全てを直線状に延在させたが、少なくとも1つは例えば湾曲させる等してもよい。
また前記実施形態では、外側壁面14aおよび内側壁面14bと、上側壁面14cと、が互いに稜線部を介して接続された構成を示したが、少なくとも一方は曲面部を介して接続してもよい。
さらにまた、前記実施形態では、隆起部14を陸部16〜18におけるタイヤ周方向Sの両端部に形成したが、いずれか一方にのみ形成してもよい。
この場合、陸部16〜18のうち少なくとも隆起部14の外表面がゴム層15で覆われているので、走行時に、陸部16〜18のうち局所的に大きく変形する隆起部14が摩耗するのを抑制することが可能になり、前述の作用効果を長期にわたって奏功させることができる。
なお、ゴム層15の厚さは例えば0.2mm以上2.0mm以下となっている。また、ゴム層15により隆起部14の外表面を全域にわたって覆ってもよいが、隆起部14の外表面のうちの少なくとも一部を覆ってもよい。
この場合、陸部16〜18のうち、タイヤ周方向Sの両端部が他の部分と比べて摩耗し難くなるため、陸部16〜18のタイヤ周方向Sの両端部に隆起部14を生成しながら陸部16〜18を摩耗させることが可能になり、陸部16〜18の摩耗に伴い隆起部14が消滅してしまうのを防ぐことができる。
また、図4に示されるようなタイヤは、未加硫状態のトレッド部10の外表面に、未加硫状態の帯状のゴム層15を巻き付けてグリーンタイヤを成形した後に、このグリーンタイヤにトレッド部10の外表面側から加硫金型面を押し付けた状態で該グリーンタイヤを加硫することにより、トレッド部10の外表面に陸部16〜18を区画しながら、ゴム層15と陸部16〜18の外表面とを加硫接着することによって形成することができる。
この試験に際し、実施例1、2および比較例の空気入りタイヤをそれぞれ車両に装着し、車両のエンジンをオフにしかつギヤをニュートラルにして速度80km/hで惰性走行したときに発せられる騒音を、精密マイクロフォンにより車外で計測した。
その結果、実施例1では72.8dB、実施例2では72.9dBである一方、比較例では73.1dBであり、実施例1、2では、比較例よりも騒音を低減できることが確認された。
10 トレッド部
11 周溝
12 ラグ溝
14 隆起部
14a 外側壁面
14b 内側壁面
15 ゴム層
16 センター陸部
17 中間陸部
18 ショルダー陸部
c 突出高さ
H タイヤ幅方向
L 仮想輪郭線
S タイヤ周方向
Claims (1)
- トレッド部に、タイヤ周方向に延びる周溝、およびタイヤ幅方向に延びるラグ溝が形成されて、これらの周溝およびラグ溝によりトレッド部の外表面が複数の陸部に区画された空気入りタイヤであって、
前記陸部におけるタイヤ周方向の両端部のうちの少なくとも一方には、該陸部におけるタイヤ周方向の中央部の上面をタイヤ周方向の外側に向けて延長した仮想輪郭線からタイヤ径方向の外側に突出する隆起部が形成され、
前記複数の陸部のうち、最もタイヤ幅方向の外側に位置するショルダー陸部に形成された前記隆起部の突出高さが、最もタイヤ幅方向の内側に位置するセンター陸部に形成された前記隆起部の突出高さより高いことを特徴とする空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011003990A JP2012144144A (ja) | 2011-01-12 | 2011-01-12 | 空気入りタイヤ |
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JP2011003990A JP2012144144A (ja) | 2011-01-12 | 2011-01-12 | 空気入りタイヤ |
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JP2012144144A true JP2012144144A (ja) | 2012-08-02 |
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Family Applications (1)
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JP2011003990A Pending JP2012144144A (ja) | 2011-01-12 | 2011-01-12 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2012144144A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2016213134B2 (en) * | 2015-01-29 | 2019-05-30 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Pneumatic tire |
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2011
- 2011-01-12 JP JP2011003990A patent/JP2012144144A/ja active Pending
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