JP2011137256A - 繊維製品処理用物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維製品を乾燥機で乾燥する際のシワおよび異臭の発生を抑制でき、かつ繊維製品に優れたアイロンすべり性を付与できる繊維製品処理用物品を提供する。
【解決手段】繊維製品処理剤組成物を不織布に担持させてなる、繊維製品を乾燥機で乾燥する際に使用される繊維製品処理用物品であって、前記繊維製品処理剤組成物が、(A)特定の脂肪族化合物と(B)エチレンオキシド付加型非イオン界面活性剤と(C)香料と(D)BHT、BHAおよび没食子酸プロピルから選ばれる少なくとも1種と(E)HEDP、アミノトリメチレンホスホン酸、フィチン酸、アミノカルボン酸類およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種とを含有し、該組成物中、(A)成分の含有量が60質量%以上95質量%以下、(B)成分の含有量が0.1質量%以上、(C)成分の含有量が0.01質量%以上、(B)〜(E)成分の合計が40質量%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維製品処理用物品に関する。
洗濯した衣類等の繊維製品を乾燥機で乾燥する際、不織布等の基材に繊維製品処理剤を担持させた繊維製品処理用物品を繊維製品と接触させる処理が行われている。このような処理を行うと、繊維製品処理用物品に担持された成分が繊維製品に付着し、所望の効果を奏するとされている。かかる用途において、繊維製品処理剤としては、従来、柔軟性や帯電防止性付与を目的として、カチオン界面活性剤を主基剤としたものが用いられている(たとえば特許文献1)。また最近では、洗濯により形成されたシワの除去を目的として、特定シリコーン化合物と高融点の化合物との組み合わせたものも提案されている(特許文献2)。
特開平7−082669号公報 特開2005−054306号公報
近年、ドラム式洗濯乾燥機及び洗濯乾燥機使用者が増加している。最近では、一度に多くの衣類を乾燥させるため、ドラム式洗濯乾燥機や洗濯乾燥機が大型化している。これに伴って乾燥工程が長時間化する傾向があるなか、乾燥中に、繊維製品に強固なシワが形成される、独特の異臭が発生するといった問題が指摘され始めている。そのため、繊維製品処理用物品には、長時間の乾燥を行った場合でも、シワの発生を充分に抑制でき、かつ異臭の発生も防止できることが求められる。さらに、完全に乾燥すると、発生したシワがさらに強固になることから、衣類等にアイロンがけを行う消費者もいる。そのため、乾燥後の繊維製品にアイロンすべり性を付与できることも望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、繊維製品を乾燥機で乾燥する際のシワおよび異臭の発生を抑制でき、かつ繊維製品に優れたアイロンすべり性を付与できる繊維製品処理用物品を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]繊維製品処理剤組成物を不織布に担持させてなる、繊維製品を乾燥機で乾燥する際に使用される繊維製品処理用物品であって、
前記繊維製品処理剤組成物が、(A)融点が50〜100℃であり、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種の脂肪族化合物と、(B)エチレンオキシド付加型非イオン界面活性剤と、(C)香料と、(D)2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒロドキシアニソールおよび没食子酸プロピルから選ばれる少なくとも1種の化合物と、(E)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、フィチン酸、アミノカルボン酸類およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含有し、
該繊維製品処理剤組成物中、前記(A)成分の含有量が60質量%以上95質量%以下であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%以上であり、前記(C)成分の含有量が0.01質量%以上であり、前記(B)〜(E)成分の合計が40質量%以下であることを特徴とする繊維製品処理用物品。
[2]前記不織布の坪量が45〜150g/mである[1]に記載の繊維製品処理用物品。
本発明によれば、繊維製品を乾燥機で乾燥する際のシワおよび異臭の発生を抑制でき、かつ繊維製品に優れたアイロンすべり性を付与できる繊維製品処理用物品を提供できる。
≪繊維製品処理用物品≫
本発明の繊維製品処理用物品は、以下に示す(A)〜(E)成分を含有する繊維製品処理剤組成物(以下、単に処理剤組成物ということがある。)を不織布に担持させたものである。
<(A)成分>
(A)成分は、融点が50〜100℃であり、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種の脂肪族化合物である。(A)成分および後述する(B)成分をそれぞれ所定の含有量で併用することで、本発明の効果、特にシワ抑制効果およびアイロンすべり性が向上する。これは、(B)成分が共存することで、(A)成分が、乾燥機での乾燥時、熱によって繊維製品処理用物品から均一に溶出し、繊維製品表面に均一にコーテイングされるためと考えられる。
(A)成分の融点は、50〜90℃が好ましく、55〜80℃がより好ましい。
ここで、本発明において、「脂肪族化合物」は、芳香族性を有さない化合物を意味する。脂肪族化合物は、飽和であっても不飽和であってもよい。また、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、環を含んでいてもよい。
(A)成分の融点は、油化学便覧(第四版、日本油化学会編)、化学大辞典(共立出版)、化学便覧(改訂5版基礎編、日本化学会編)、理化学辞典(第5版)、に記載されている化合物については、上記便覧、辞典等に記載の値を採用する。ただし化合物に不純物が含まれていたり、油化学便覧(第四版、日本油化学会編)に記載のとおり多形がある場合は融点に幅がある。この場合、本発明では油化学便覧(第四版、日本油化学会編)に記載の最も高い融点を採用し、油化学便覧にない場合は、化学大辞典(共立出版)に記載の最も高い融点を採用する。また、上記辞典、便覧等に融点が記載されていない化合物の場合は、分析化学便覧(社団法人 日本分析化学会編、改訂二版)または有機化学ハンドブック(社団法人 有機合成化学協会編 全訂改版 技報堂出版)、基準油脂分析試験法(社団法人 日本油化学協会)に記載の融点測定方法に準じる方法で測定した値を採用する。
(A)成分として用いられる脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコールは、それぞれ、所望の融点を有するものであればよく特に限定されない。
好ましい脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコールとしては、それぞれ以下に示すものが挙げられる。
(A)成分として用いられる脂肪酸としては、炭素数14〜36の脂肪酸が好ましく、炭素数14〜28の脂肪酸がより好ましく、炭素数16〜23の脂肪酸がさらに好ましい。
該脂肪酸は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることが特に好ましい。
該脂肪酸は、飽和、不飽和のいずれであってもよく、飽和であることが特に好ましい。
該脂肪酸の好ましい具体例として、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などの直鎖アルカン酸;12−メチルトリデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸などの分岐アルカン酸;が挙げられる。これらの中でも直鎖アルカン酸が好ましく、特に、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ベヘン酸が好ましい。
(A)成分として用いられる脂肪酸エステルとしては、(I)炭素数1〜46の脂肪酸と炭素数1〜37の1価アルコールとのエステル(以下、エステル(I)という。)、(II)炭素数2以上の脂肪酸と炭素数2〜6の多価アルコールとのモノまたはポリエステル(以下、エステル(II))という。)等が挙げられ、いずれかを単独で用いてもよく、併用してもよい。これらのなかでもエステル(I)が好ましい。
ここで、「アルコール」とは、鎖式または脂環式の炭化水素の水素原子をヒドロキシ基で置換したヒドロキシ化合物、「多価アルコール」とは、理化学辞典第五版(岩波書店)に記載のとおり、分子中に2個以上のヒドロキシ基をもつアルコールと定義される。
エステル(I)を構成する脂肪酸の炭素数は、1〜46が好ましく、14〜46がより好ましい。該脂肪酸は直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよく、直鎖状であることが特に好ましい。該脂肪酸は、飽和、不飽和のいずれであってもよく、飽和であることが特に好ましい。
エステル(I)を構成する1価アルコールは、飽和、不飽和のいずれであってもよく、飽和であることが好ましい。すなわちエステル(I)が脂肪酸アルキルエステルであることが好ましい。なお、ここでの「アルキル」は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものを包含する。
また、該1価アルコールは、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状であることが特に好ましい。直鎖状または分岐鎖状である場合、該1価アルコールの炭素数は1〜37が好ましく、1〜30がより好ましい。環状の1価アルコールとしてはコレステロールが特に好ましい。
エステル(I)の好ましい具体例として、ベヘン酸メチルエステル、ペンタコサン酸メチルエステル、ペンタコサン酸エチルエステル、セロチン酸メチルエステル、セロチン酸エチルエステル、パルミチン酸コレステリル、ミリスチン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、リノレン酸コレステリル、パルミチン酸ヘキサデシル、パルミチン酸ペンタデシル、パルミチン酸オクタデシル、パルミチン酸トリアコンチル、ステアリン酸オクタデシル、ステアリン酸ヘプタデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン酸ヘキサコシル、ステアリン酸トリアコンチル、メリシン酸ミリシル、ベヘン酸ドコシルなどが挙げられる。
エステル(II)を構成する脂肪酸の炭素数は、2〜22が好ましく、2〜18がより好ましく、12〜18がさらに好ましい。該脂肪酸は直鎖状または分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることが特に好ましい。該脂肪酸は、飽和、不飽和のいずれであってもよく、飽和であることが特に好ましい。
エステル(II)を構成する多価アルコールとしては、2〜6価のアルコールが好ましく、2〜4価のアルコールがより好ましい。
該多価アルコールは、飽和、不飽和のいずれであってもよく、飽和であることが好ましい。また、該多価アルコールは、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状であることが特に好ましい。
該多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。これらのなかでもグリセリンが好ましい。すなわちエステル(II)が脂肪酸グリセリドであることが好ましい。脂肪酸グリセリドは、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドのいずれであってもよく、トリグリセリドが特に好ましい。
エステル(II)の好ましい具体例として、1−モノラウリン、1−モノトリデカノイン、1−モノミリスチン、1−モノパルミチン、1−モノステアリン、2−モノラウリン、2−モノミリスチン、2−モノパルミチン、2−モノステアリン、1,3−ジラウリン、1,3−ジミリスチン、1,3−ジパルミチン、1,3−ジステアリン、1,2−ジパルミチン、1,2−ジステアリン、1−パルモトイル−2−ステアリン、1−ステアロイル−2−パルミチン、1−ステアロイル−2−オレイン、1−ステアロイル−3−オレイン、1−ステアロイル−3−エライジン、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリン、1−アセチル−2,3−ジパルミチン、1−アセチル−2,3−ジステアリン、1−ラウロイル−2,3−ジパルミチン、2−ステアロイル−1,3−ジミリスチン、1−ラウロイルー2,3−ジステアリン、2−オレオイル−1,3−ジラウリン、2−ステアロイン1,3−ジパルミチン、2−ミリストイル−1,3−ジステアリン、2−パルミトイル−1,3−ジステアリン、1−ステアロイル−2−ミリストイル−3−パルミチン、1−ステアロイル−2−ラウロイル−3−パルミチン、1−ステアロイル−2−パルミトイル−3−ミリスチン等の脂肪酸グリセリド;テトラステアリン酸ペンタエリスチリル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート等のペンタエリトリット脂肪酸エステル;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート等の脂肪酸グリコールエステル;などがあげられる。これらのなかでも、1−モノミリスチン、2−モノミリスチン、1,2−ジパルミチン、1,2−ジステアリン、トリパルミチン、トリステアリンが好ましい。
(A)成分として用いられる脂肪族アルコールとしては、炭素数8〜37の脂肪族アルコールが好ましい。該炭素数は17〜37がより好ましく、17〜33がさらに好ましく、18〜26が特に好ましい。
該脂肪族アルコールは、1価アルコールであってもよく、多価アルコールであってもよく、1価アルコールが好ましい。該脂肪族アルコールは飽和、不飽和のいずれであってもよく、飽和であることが好ましい。また、該脂肪族アルコールは、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状であることが特に好ましい。
脂肪族アルコールの好ましい具体例として、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール(慣用名:ステアリルアルコール)、1−イコサノール(慣用名:アラキニルアルコール)、1−ドコサノール(慣用名:ベヘニルアルコール)、1−テトラコサノール、1−ヘキサコサノール、1−オクタコサノール、1−テトラトリアコンタノールなどの1−アルカノール;2−イコサノールなどの2−アルカノール;シクロドデカノール、シクロトリデカノール、シクロイコサノールなどの環状アルコール;1,8−オクタンジオール、1,2−ドデカンジオールなどの多価アルコール;が挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、上記の中でも、1−アルカノールが好ましく、ステアリルアルコール、アラキニルアルコール、ベヘニルアルコールが特に好ましい。
(A)成分としては、上記のなかでも、脂肪酸および脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種が好ましく、中でも、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ステアリルアルコール、アラキニルアルコールおよびベヘニルアルコールから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
処理剤組成物中、(A)成分の含有量は、処理剤組成物の全量を基準として、60質量%以上95質量%以下であり、70質量%以上90質量%以下が好ましく、75質量%以上90質量%以下がより好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、シワ抑制効果、異臭防止効果、アイロンすべり性の付与効果のいずれも不充分となる。また、処理剤組成物が均一になりにくくなる。一方、(A)成分の含有量が上記範囲の上限を超えると、他の成分とのバランスが悪くなり、本発明の効果が充分に得られないおそれがある。また、当該処理剤組成物を不織布に塗布しにくくなる。
<(B)成分>
(B)成分はエチレンオキシド付加型非イオン界面活性剤である。(B)成分は、上述したように、(A)成分とともに本発明の効果、特にシワ抑制効果およびアイロンすべり性の向上に寄与する。また、エチレンオキシド付加型であることにより、繊維製品表面に付着して、繊維製品に適度な親水性を付与し、吸水性を向上させる効果も奏する。繊維製品の吸水性の向上は、着用時汗をかいたときの快適性保持の点で好ましい。
(B)成分として、例えば、脂肪族アルコール、脂肪族アミンまたは高級脂肪酸から誘導される非イオン性界面活性剤を用いることができる。具体的には、脂肪族アルコール、脂肪族アミンまたは高級脂肪酸のエチレンオキシド付加物が挙げられる。
(B)成分を誘導する脂肪族アルコール、脂肪族アミン、高級脂肪酸としては、それぞれ、炭素数8〜20の炭素鎖を有するものが好ましく、炭素数10〜18の炭素鎖を有するものがより好ましい。脂肪族アルコール、脂肪族アミンまたは高級脂肪酸がその炭素鎖に不飽和基を含む場合には、該炭素鎖の炭素数は16〜18が特に好ましい。該不飽和基の立体異性体構造は、シス体、トランス体のいずれであってもよく、両者の混合物であってもよい。
(B)成分としては、特に、脂肪族アルコールのエチレンオキシド付加物が好ましい。
該脂肪族アルコールは、1価アルコールであってもよく、多価アルコールであってもよく、1価アルコールが好ましい。該脂肪族アルコールは飽和、不飽和のいずれであってもよく、飽和であることが好ましい。また、該脂肪族アルコールは、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状であることが特に好ましい。該脂肪族アルコールは、一級または二級アルコールが好ましい。
また、使用される脂肪族アルコールの炭素鎖長に分布があってもよい。すなわち、炭素数の異なる複数の脂肪族アルコールの混合物であってもよい。
該脂肪族アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ブチルオクタノール、イソトリデシルアルコール、イソヘキサデシルアルコール、2−ブチルデカノール、2−ヘキシルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルデカノール、2−ヘキシルドデカノール、2−オクタデカノール、2−ドデシルヘキサデカノールなどの天然系もしくは合成系の脂肪族アルコールを使用することができる。
一方、脂肪族アルコールに付加するエチレンオキシド(EO)の平均付加モル数は5〜100が好ましく、5〜80モルがより好ましく、7〜60モルがさらに好ましい。この範囲であると、前述した(A)成分を衣類等の繊維製品に均一に付着させる効果が高い。
(B)成分の好ましい具体例として、たとえばラウリルアルコールの平均EO20モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO20モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO40モル付加物、一級イソへキサデシルアルコールの平均EO60モル付加物、牛脂アルキルアミンの平均EO60モル付加物、ラウリン酸の平均EO30モル付加物などが挙げられる。これらの化合物は、公知の方法により製造したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。市販品の具体例としては、日本エマルジョン(株)のエマレックスシリーズ、三洋化成工業(株)のエマルミンシリーズ、ライオン化学(株)のレオコールシリーズ、レオックスシリーズ、ライオン・アクゾ(株)のエソミンシリーズ、(株)日本触媒のソフタノールシリーズ、BASF社のLutensolシリーズなどが挙げられる。上記化合物には、原料であるアルコールやアミン、ポリエチレングリコールなどが未反応分として非イオン性界面活性剤中に10質量%以下で含まれてもよい。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
処理剤組成物中、(B)成分の含有量は、処理剤組成物の全量を基準として、0.1質量%以上であり、1質量%以上がより好ましい。0.1質量%以上であると上記効果が充分に得られる。上限は、(B)〜(E)成分の合計が40質量%以下となる範囲内であれば特に限定されず、他の成分とのバランスを考慮して適宜設定すればよい。(A)成分との混和性、処理剤組成物の均一性を考慮すると、39質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましく、15質量%以下が最も好ましい。
<(C)成分>
(C)成分は香料である。所定量の(C)成分を、(D)〜(E)成分と併用することで、乾燥により発生する繊維製品の異臭を効果的に抑制できる。乾燥機で衣類等の繊維製品を乾燥する際に発生する異臭の原因として、繊維製品に残存した皮脂等の汚れや、洗濯時に使用した洗剤や仕上げ剤等の基剤が加熱により変化することが考えられる。本発明では、(D)〜(E)成分が相乗的に作用してそれらの成分の酸化反応の進行を効率よく抑制して異臭の発生を抑制するとともに、(C)成分が、発生した異臭をマスキングし、高い異臭抑制効果を発揮していると考えられる。
(C)成分としては、特に制限はなく、従来、仕上げ剤等の繊維製品処理剤に用いられている公知の香料組成物を使用できる。香料組成物は、少なくとも1種の香料成分を含むものであり、該香料成分としては、たとえば脂肪族または芳香族のエーテル類、脂肪族またはテルペン類のオキサイド類、アセタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸や芳香族カルボン酸などの酸類、アマイド類、ニトリル、アミン、キノリン類、ピロールやインドールなどの含窒素化合物等の、合成及び/又は天然系の香料成分が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
このような香料成分の具体例としては、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」Vol.IandII,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)などに記載される香料成分が挙げられる。
香料組成物は、香料成分以外に、溶剤(香料用溶剤)を含有してもよい。
香料用溶剤としては、香料成分とともに通常用いる溶剤が利用でき、たとえばアセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコール、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト−5(1,2−ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
処理剤組成物中、(C)成分の含有量は、処理剤組成物の全量を基準として、0.01質量%以上であり、0.5質量%以上が好ましい。0.01質量%以上であると上記効果が充分に得られる。上限は、(B)〜(E)成分の合計が40質量%以下となる範囲内であれば特に限定されず、他の成分とのバランスを考慮して適宜設定すればよい。(C)成分が多いと、繊維製品に局所的に付着し、残存汚れ臭などと混ざり合い、不快と感じる消費者もいることから、3質量%未満が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
<(D)成分>
(D)成分は、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、ブチルヒロドキシアニソール(BHA)および没食子酸プロピルから選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらの化合物は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。(D)成分としては、特に、BHTが好ましい。
処理剤組成物中、(D)成分の含有量は、本発明の効果を考慮すると、処理剤組成物の全量を基準として、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.002質量%以上がさらに好ましい。上限は、(B)〜(E)成分の合計が40質量%以下となる範囲内であれば特に限定されず、他の成分とのバランスを考慮して適宜設定すればよい。異臭防止効果をより発揮できるために、処理剤組成物の均一性を考慮すると、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
<(E)成分>
(E)成分は、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリメチレンホスホン酸、フィチン酸、アミノカルボン酸類およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
アミノカルボン酸類としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸等が挙げられる。
HEDP、アミノトリメチレンホスホン酸、フィチン酸またはアミノカルボン酸類の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
(E)成分としては、HEDP、EDTAおよびその塩が好ましく、HEDPが特に好ましい。
これらの化合物は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
処理剤組成物中、(E)成分の含有量は、本発明の効果を考慮すると、処理剤組成物の全量を基準として、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.002質量%以上がさらに好ましい。上限は、(B)〜(E)成分の合計が40質量%以下となる範囲内であれば特に限定されず、他の成分とのバランスを考慮して適宜設定すればよい。異臭防止効果をより発揮できるために、処理剤組成物の均一性を考慮すると、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
本発明においては、不織布に担持させる前の処理剤組成物中の前記(A)〜(E)成分の合計の含有量が、処理剤組成物の全量を基準として、61質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、80%質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。
また、処理剤組成物中、(A)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の比率(C/A)が、質量比で、0.0005〜0.6であることが好ましく、0.0005〜0.5がより好ましく、0.0005〜0.03がさらに好ましく、0.001〜0.03が特に好ましく、0.006〜0.03が最も好ましい。C/Aが上記範囲内であることで、異臭抑制効果がさらに向上する。
また、処理剤組成物中、(A)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の比率(B/A)が、質量比で、0.001〜0.6であることが好ましく、0.01〜0.5がより好ましい。B/Aが上記範囲内であることで、シワ抑制効果およびアイロンすべり性がさらに向上する。
また、処理剤組成物中、(E)成分の含有量に対する(D)成分の含有量の比率(D/E)が、質量比で、0.001〜100であることが好ましく、0.01〜100がより好ましく、0.02〜50が特に好ましい。D/Eが上記範囲内であることで、異臭抑制効果がさらに向上する。
前記処理剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)〜(E)成分以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、たとえば、融点が50℃未満である、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種の脂肪族化合物(以下、(A’)成分という。)、前記(B)成分に該当しない非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、前記(D)成分に該当しない酸化防止剤、前記(E)成分に該当しないキレート剤、抗菌剤、殺菌剤、シリコーン化合物、染料、水、溶剤等が挙げられる。
(A’)成分としては、たとえばラウリン酸、カプリン酸、トリラウリン、ミリスチン酸テトラデシル、パルミチン酸プロピル、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等が挙げられる。
溶剤としては、水溶性溶剤が好ましい。水溶性溶剤としては、たとえばエタノール、イソプロパノールなどの、炭素数2〜3の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの、炭素数2〜6のグリコール;グリセリンなどの炭素数3〜8の多価アルコール;ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの、炭素数3〜8の多価アルコール誘導体;などが挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の繊維製品処理剤製品は、前記処理剤組成物を不織布に担持させたものである。
ここで、「不織布」の定義はJIS−L−0222による定義に準じる。すなわち、「繊維シート、ウェブ又はバットで、繊維が一方向またはランダムに配向しており、交流、及び/又は融着、及び/又は接着によって繊維間が結合されたもの。ただし、紙、織物、編物、タフト及び縮絨(しゅくじゅう)フェルトを除く。」を意味する。
不織布への前記処理剤組成物の担持量は、(A)〜(E)成分の合計量として、10〜500g/mが好ましく、50〜300g/mがより好ましい。該範囲内であると、各成分が効率よく衣類に付着し、シワ抑制、アイロンすべり性向上等の効果に優れる。
担持量を上記範囲内とする観点から、不織布の坪量は、45〜150g/mであることが好ましく、50〜120g/mであることがより好ましい。坪量が小さすぎると、処理剤組成物の担持量が多くなりやすく、この場合、繊維製品処理用物品が、しなり持ちにくいものとなるおそれがある。一方、坪量が大きすぎると、処理剤組成物を均一に担持できず、乾燥時、繊維製品処理用物品から各成分が溶出しにくく、所望の効果を充分に得られないおそれがある。また、坪量が大きすぎると、乾燥時に、繊維製品処理用物品から乖離する不織布の繊維が多くなり、乾燥機のフィルターの目詰まりといった不具合が生じやすくなる。
なお、坪量とは、不織布の単位面積当たりの、該不織布の質量を意味する。不織布の坪量は、JIS L 1906:2000「一般長繊維不織布試験方法」に準じて測定できる。また、不織布として市販品を用いる場合、各メーカーにより「坪量」、「目付け」または「米坪」として表される値を坪量として採用する。これらの値の単位はいずれもg/mである。
不織布の厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜3mmが好ましく、0.1〜2mmがより好ましい。
不織布はシート形状が最適である。
前記不織布の原料としては、特に制限はなく、従来不織布に用いられている原料のなかから目的に応じて適宜選択することができる。例えば、親水性繊維、疎水性繊維などが挙げられ、これらは適宜混合して用いることができる。
前記親水性繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも、レーヨン繊維及びコットン繊維のうち、少なくとも1つを含むことが好ましい。
前記レーヨン繊維としては、例えば、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンなどの、再生繊維が挙げられる。前記レーヨン繊維の太さとしては、特に制限はないが、1〜4デニールが好ましい。前記レーヨン繊維の長さとしては、特に制限はないが、30〜50mmが好ましい。
前記コットン繊維としては、例えば、米綿、エジプト綿、アップランド綿、インド綿、などの天然繊維が挙げられる。前記コットン繊維の太さとしては、特に制限はないが、1〜4デニールが好ましい。前記コットン繊維の長さとしては、特に制限はないが、10〜40mmが好ましい。
前記疎水性繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの合成繊維が挙げられる。
繊維の形態は、上記した原料からなる単一繊維でもよく、2種以上からなる複合繊維でもよい。前記複合繊維としては、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン、ポリエステル及びポリエチレン、ポリエステル及びポリプロピレンなどが挙げられる。前記組合せにおいては、いずれの繊維を芯材又は鞘材として選択してもよい。
前記不織布の製法としては、特に制限はなく、乾式法、湿式法など、公知の製法のなかから、目的に応じて適宜選択することができる。前記不織布の具体的な製法としては、例えば、スパンボンド法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、スパンレース法などが挙げられる。
前記スパンボンド法は、通常、ポリプロピレンなどの溶解温度の低い樹脂のチップを加熱・溶融し、ノズルから長繊維を押し出し、ベルトコンベアの上で前記長繊維を何本も重ね合わせてウェブを形成し、熱ロールで前記ウェブを熱溶着する方法である。
前記ケミカルボンド法は、通常、比較的長めの短繊維を空気流で開繊・撹拌し、ベルトコンベア上に設けられた針により、繊維を一定量・一定方向に送り出してウェブを形成し、前記ウェブにバインダー(接着樹脂)をスプレーで塗布し、加熱・乾燥させて繊維交点を接着結合させる方法である。
前記サーマルボンド法は、通常、比較的長めの短繊維を空気流で開繊・撹拌し、ベルトコンベア上に設けられた針により、繊維を一定量・一定方向に送り出してウェブを形成し、熱ロール又は高熱のエアーにより前記ウェブ中の低融点繊維を溶着し、繊維同士を結合させる方法である。
前記スパンレース法は、通常、比較的長めの短繊維を空気流で開繊・撹拌し、ベルトコンベア上に設けられた針により、繊維を一定量・一定方向に送り出してウェブを形成し、前記ウェブを積層し、積層されたウェブに対し、バーブと呼ばれる微小な突起を有する特殊針を高速で往復させ、繊維同士を交絡させる方法である。
本発明の繊維製品処理用物品は、前記処理剤組成物を不織布に担持させることにより製造できる。
処理剤組成物を不織布に担持させる方法としては、たとえば以下の方法(1)〜(6)等が挙げられる。ただし担持方法はこれらに限定されず、(A)〜(E)成分を不織布に担持し得る方法であればどのような方法であってもよい。
方法(1):(A)成分をエタノール等の溶媒に溶解し、そこに(B)〜(E)成分を溶解または分散させて混合液を調製し、該混合液を不織布に含浸させる方法。
方法(2):方法(1)と同様にして調製した混合液を、(A)成分の融点以上に加温したイオン交換水に滴下攪拌して希釈液を調製し、該希釈液を不織布に含浸させる方法。
方法(3):(A)成分を融点以上に加熱溶解し、そこに(B)〜(E)成分を溶解または分散させて混合液を調製し、該混合液を不織布に含浸させる方法。
方法(4):(A)〜(E)成分を一緒に加熱溶解させて混合液を調製し、該混合液を不織布に含浸させる方法。
方法(5):(A)成分、(B)成分、(D)成分および(E)成分の混合液を調製し、該混合液を不織布に含浸させた後、該不織布に(C)成分を噴霧する方法。
方法(6):(A)成分および(B)成分の混合液を調製し、該混合液を不織布に含浸させた後、該不織布に(C)成分、(D)成分および(E)成分を噴霧する方法。
方法(1)〜(2)において、混合液を調製する際、(A)成分の融点以上に加熱してもよい。
方法(3)〜(4)において、混合液を調製する際、エタノール等の溶媒を添加してもよい。
方法(5)〜(6)において、混合液は、方法(1)〜(2)と同様、(A)成分を融点以上に加熱溶解し、そこに他の成分((B)、(D)、(E)成分、または(B)成分のみ)を添加、混合することにより調製してもよく、方法(3)〜(4)と同様、それら全ての成分を一緒に加熱溶解させることにより調製してもよい。
方法(1)〜(6)において、混合液または希釈液を不織布に含浸させる方法としては、塗布、浸漬、噴霧、滴下等が挙げられる。
本発明の繊維製品処理用物品は、繊維製品を乾燥機で乾燥する際に使用される。
本発明の繊維製品処理用物品による繊維製品の処理は、たとえば、乾燥機内に、洗濯、すすぎ、および脱水を行った後の繊維製品とともに、繊維製品処理用物品を投入し、乾燥を行うことにより実施できる。また、洗濯開始時に、繊維製品と一緒に投入し、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥まで行うことにより実施できる。
乾燥機としては、従来、衣類等の乾燥に用いられているものが利用でき、たとえば電気衣類乾燥機、ガス衣類乾燥機、ドラム式洗濯乾燥機、洗濯乾燥機、タンブル乾燥機、回転式乾燥機などが挙げられる。
繊維製品としては、特に制限されるものではなく、たとえば衣類、カーテン、ソファーカバー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツ、毛布等が挙げられる。
乾燥時間は、特に制限はされないが、好ましくは30分〜360分、より好ましくは60分〜300分である。乾燥時間が短いと湿った状態となり、繊維製品に生乾き臭が生じるおそれがある。乾燥時間が長すぎると繊維製品が傷む可能性がある。
本発明について、実施例を示してさらに具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の各実施例および比較例にて使用した原料を以下に示す。
<使用原料>
[(A)成分]
a1:ミリスチン酸(純正化学(株)製、特級試薬、C14、融点53.9℃)。
a2:パルミチン酸(純正化学(株)製、一級試薬、C16、融点63.1℃)。
a3:ベヘン酸(純正化学(株)製、試薬、C22、融点79.9℃)。
a4:パルミチン酸ヘキサデシル(関東化学(株)製、試薬、融点51.0℃)。
a5:トリステアリン(東京化成工業(株)製、試薬、融点73.1℃)。
a6:ステアリルアルコール(純正化学(株)製、特級試薬、C18、融点58.0℃)。
[(A’)成分]
a’1:ラウリン酸(純正化学(株)製、特級試薬、C12、融点44.2℃)。
[(B)成分]
b1:一級イソデシルアルコールのEO付加物(EO平均付加モル数60、以下に示す手順で合成した合成品)。
b2:二級C12−14アルコールのEO付加物(EO平均付加モル数50、(株)日本触媒製「ソフタノール500」)。
(b1の合成手順)
イソトリデシルアルコール(BASF社製「ルテンゾールTO3」)115gと、触媒として40%KOH1.25gとを耐圧製反応容器に仕込み、常法により容器内を窒素置換した。触媒中を100℃、2.4〜2.7kPa以下で30分脱水してから温度を140℃まで昇温した。撹拌しながら0.25MPa以下でエチレンオキシド867.8gを付加反応させ、付加反応終了後、圧力が平衡になるまで熟成した。次に、温度60℃以下まで冷却し、精製水249gを添加後、80%酢酸を0.37gを添加し、30分間分散させた。
[(C)成分]
c1:表1に示す組成の香料組成物1。
c2:表1に示す組成の香料組成物2。
表1中の各成分の配合量の単位は質量%である。
[(D)成分]
d1:BHT(2.6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)(シェルケミカルズ製「アイオノール」)。
d2:BHA(ブチルヒドロキシアニソール)(日揮ユニバーサル(株)製)。
[(E)成分]
e1:HEDP(1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸)(ライオン(株)製「フェリオックス115」)。
e2:EDTA(エチレンジアミン四酢酸)(ライオン(株)製「ディゾルビンZ」)。
Figure 2011137256
<実施例1〜29、比較例1〜7>
以下の手順で実施例1〜29、比較例1〜7の繊維製品処理用物品を製造した。
まず、HOTTING BATH(ADVANTEC社製)に水道水をいれ(A)成分の融点+5〜10℃に設定しておいた。
次に、表3〜6に示す組成のうち、(A)成分を300mLビーカーに入れ、HOTTING BATH内にて加熱溶融した。そこに(B)成分を添加し加熱溶解し、最後に(C)、(D)、(E)成分を添加し加熱溶解混合して処理剤組成物を調製した。表3〜6中、各成分の配合量の単位は「質量%」である。
別途、表2に示す不織布1)〜6)をそれぞれ10×10cmに裁断した。なお、各不織布の坪量は、JIS L 1906 「一般長繊維不織布試験方法」に準じた方法 により測定した値である。
裁断した不織布に、ステンレス製スパチュラの直線部分(幅20mm)で前記処理剤組成物を1g塗布した。即ち、前記処理剤組成物を、(A)〜(E)成分の合計の担持量が、不織布1m当たり、100g×各処理剤組成物の(A)〜(E)成分の合計量(質量%)/100となるように塗布した。塗布後、25℃で1日放置した。
得られた繊維製品処理用物品について、以下の評価を行った。その結果を表3〜6に併記する。
[1.衣類の前処理]
衣類として、半そでポロシャツ(綿100%、(株)ユニクロ製)1枚、長袖Yシャツ(綿100%、(株)ユニクロ製)1枚を用意した。
これらの衣類を、全自動洗濯機((株)東芝製「AW−F80HVP」)で、50℃のお湯で洗濯10分、ためすすぎ2回、脱水4分を繰り返し3回行い、ハンガーにてつり干しを行い自然乾燥した。
[2.洗浄処理]
前処理した衣類(半そでポロシャツ1枚および長袖Yシャツ1枚)、および一日着用した肌シャツ(綿100%、B.V.D.丸首半そでTシャツ、富士紡ホールディングス(株)製)1枚を、ドラム式洗濯乾燥機(パナソニック電工(株)(旧松下電器産業(株))製「NA1100」)に入れ、市販洗剤(ライオン(株)製「トップ」)で洗濯15分、すすぎ2回、脱水6分を行った。
[3.乾燥処理]
脱水終了直後に、繊維製品処理物品3枚を、上記ドラム式洗濯乾燥機に入れ、衣類と一緒に3時間乾燥処理を行った。
ブランクとして、繊維製品処理物品は入れずに上記同様に乾燥処理を行った。
[4.評価]
(4−1.シワ抑制性)
乾燥処理後のポロシャツ背中部分のシワの状態について目視判定を行った。次の基準で評価し、評価者10名の平均を算出し3.5点以上を良好とした。
5点:全くシワがない、4点:ほとんどシワがない、3点:ややシワがある、2点:かなりシワがある、1点:非常にシワがある。
(4−2.アイロンすべり性)
乾燥処理後の長袖Yシャツ背中部分にアイロン(パナソニック電工(株)(旧松下電器産業(株))製「スチームアイロンNI−SF31」、温度:高(綿))をかけて評価を行った。
ブランクと比較して次の基準で評価し、評価者10名の平均を算出し、3点以上を良好とした。
5点:ブランクより非常にすべりやすい、4点:ブランクよりかなりすべりやすい、3点:ブランクよりややすべりやすい、2点:ブランクと同等、1点:ブランクよりすべりにくい。
(4−3.異臭防止性)
乾燥処理後のドラム式洗濯乾燥機を開けた直後のニオイについて以下の基準で評価した。評価者10名の平均点を算出し、3.5点以上を良好とした。
5点:全く異臭がしない、4点:ほとんど異臭がしない、3点:やや異臭がする、2点:かなり異臭がする、1点:非常に異臭がする。
(4−4.吸水性)
乾燥処理後のポロシャツ背中面5箇所に、2mLポリスポイトでイオン交換水を1滴、スポイトの先を衣類表面に近づけ滴下し、以下の基準で点数化した。10箇所の平均点を算出し3点以上を良好とした。なお、ブランクは3点であった。
5点:1秒以内でしみこむ、4点:1秒〜2秒以内でしみこむ、3点:2秒〜3秒以内でしみこむ、2点:3秒〜4秒以内でしみこむ、1点:4秒以上しみこまない。
Figure 2011137256
Figure 2011137256
Figure 2011137256
Figure 2011137256
Figure 2011137256
上記結果に示すとおり、実施例1〜29の繊維製品処理用物品を用いて乾燥処理を行った衣類は、異臭およびシワの発生が抑制され、アイロンすべり性も良好であった。また、吸水性も良好であった。
一方、(A)成分の代わりにラウリン酸を配合した比較例1の繊維製品処理用物品を用いた場合、異臭およびシワが発生し、アイロンすべり性もブランクとほぼ同等であった。(A)成分の配合量が50質量%の比較例2や、(B)成分の配合量が40質量%の比較例7を用いた場合も、比較例1と同様の傾向であった。(D)成分、(E)成分、(C)成分のいずれかを配合していない比較例3〜5の繊維製品処理用物品を用いた場合、異臭の発生が抑制できなかった。また、(B)成分を配合していない比較例6の繊維製品処理用物品を用いた場合、異臭の発生を充分に抑制できず、アイロンすべり性も悪く、さらに吸水性も悪かった。

Claims (2)

  1. 繊維製品処理剤組成物を不織布に担持させてなる、繊維製品を乾燥機で乾燥する際に使用される繊維製品処理用物品であって、
    前記繊維製品処理剤組成物が、(A)融点が50〜100℃であり、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪族アルコールから選ばれる少なくとも1種の脂肪族化合物と、(B)エチレンオキシド付加型非イオン界面活性剤と、(C)香料と、(D)2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒロドキシアニソールおよび没食子酸プロピルから選ばれる少なくとも1種の化合物と、(E)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、フィチン酸、アミノカルボン酸類およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含有し、
    該繊維製品処理剤組成物中、前記(A)成分の含有量が60質量%以上95質量%以下であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%以上であり、前記(C)成分の含有量が0.01質量%以上であり、前記(B)〜(E)成分の合計が40質量%以下であることを特徴とする繊維製品処理用物品。
  2. 前記不織布の坪量が45〜150g/mである請求項1に記載の繊維製品処理用物品。
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