JP2011136527A - 加硫機 - Google Patents

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Abstract

【課題】省エネルギー効果が高い加硫機の提供。
【解決手段】本発明の加硫機は、モールド、上側プラテン、下側プラテン、上側遮熱体及び下側遮熱体を有している、上記上側遮熱体12は、上記上側プラテンの上側に配置されている。上記下側遮熱体14は、上記下側プラテンの下側に配置されている。上記遮熱体12、14は、本体26と断熱部28とを有している。上記断熱部28は、上記本体26によって覆われている。上記断熱部28の物質が、上記本体26の物質とは異なる。好ましくは、上記断熱部28の熱伝導率λ1が、上記本体26の熱伝導率λ2よりも小さい。好ましくは、上記断熱部28がガスである。好ましくは、上記本体26は、凹部を有する基体31と蓋32とを備えている。好ましくは、上記凹部の開口が上記蓋32によって塞がれることにより空洞が形成され、この空洞が上記ガスで満たされている。
【選択図】図4

Description

本発明は、タイヤ用の加硫機に関する。
タイヤの製造工程は、加硫工程を含む。この加硫工程は、加硫機によってなされる。加硫機は、モールドを備えている。予備成形によって得られたローカバー(未加硫タイヤ)が、モールドに投入される。このローカバーが、モールド内において、加圧されつつ加熱される。加圧と加熱とにより、ゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。
モールドは、通常、水蒸気等の熱媒体によって加熱される。典型的な加硫機では、モールドの上側に上部プラテン板が取り付けられており、モールドの下側に下部プラテン板が取り付けられている。これらのプラテン板が水蒸気によって加熱され、プラテン板からの熱がモールドに伝達される。また、モールドの外側に配置されたジャケットにも、水蒸気が通される。このジャケットからの熱がモールドに伝達される。
モールドを加熱するために供給される熱エネルギーは、膨大である。熱エネルギーの損失が抑制され、省エネルギーが達成されるのが好ましい。特開平9−131732号公報は、モールドの上側及び下側に断熱材層を有し、且つ断熱室を有するタイヤ加硫機を開示する。
特開平9−131732号公報
本発明者は、従来とは異なる観点に基づき、省エネルギーを可能としうるタイヤ加硫機を発明するに至った。
本発明の目的は、省エネルギー効果が高い加硫機の提供にある。
本発明の加硫機は、モールド、上側プラテン、下側プラテン、上側遮熱体及び下側遮熱体を有している。上記上側遮熱体は、上記上側プラテンの上側に配置されている。上記下側遮熱体が、上記下側プラテンの下側に配置されている。上記遮熱体は、本体と断熱部とを有している。上記断熱部は、上記本体によって覆われている。上記断熱部の物質が、上記本体の物質とは異なる。
好ましくは、上記断熱部の熱伝導率λ1が、上記本体の熱伝導率λ2よりも小さい。
好ましくは、上記断熱部がガスである。
好ましくは、上記本体は、凹部を有する基体と蓋とを備えている。好ましくは、上記凹部の開口が上記蓋によって塞がれることにより空洞が形成され、この空洞が上記ガスで満たされている。
好ましくは、上記基体と上記蓋とが、接着剤により接着されている。好ましくは、この接着は、部分的な接着である。
好ましくは、上記ガスが空気である。
タイヤの製造において、省エネルギーが達成されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る加硫機の概略構成を示す図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る遮熱体の平面図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、図2のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る遮熱体の平面図である。 図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、図5のVII−VII線に沿った断面図である。 図8は、本発明の更に他の実施形態に係る遮熱体の平面図である。 図9は、図8のIX−IX線に沿った断面図である。 図10は、サンプル1の断面図である。 図11は、サンプル2及びサンプル3の断面図である。 図12は、サンプル4の断面図である。 図13は、テスト1における、サンプル1の表面温度分布を示すグラフである。 図14は、テスト1における、サンプル2の表面温度分布を示すグラフである。 図15は、テスト1における、サンプル3の表面温度分布を示すグラフである。 図16は、テスト1における、サンプル4の表面温度分布を示すグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る加硫機2の概略構成を示す図である。加硫機2は、タイヤ用の加硫機である。加硫機2は、空気入りタイヤ用の加硫機である。
加硫機2は、ベース4、モールド6、ブラダー(図示されず)、上側プラテン8、下側プラテン10、上側遮熱体12、下側遮熱体14、上側支持部16、スライダ18及び軸20を有する。
モールド6は、上型22と、下型24とを有する。なおモールド6は限定されない。モールド6は、例えば割モールドであってもよい。
ベース4に、下側遮熱体14、下側プラテン10及び下型24が固定されている。上側支持部16に、上側遮熱体12、上側プラテン8及び上型22が固定されている。上側支持部16は、スライダ18に固定されている。スライダ18は、軸20の下端に固定されている。
軸20の上部は、シリンダ(図示されず)に連結されている。このシリンダにより、スライダ18が上下に移動する。このシリンダ18の移動により、上型22が上下に移動する。このシリンダ18の上下動により、モールド6が開閉する。
下側プラテン10は、モールド6の下側に配置されている。下側プラテン10は、下型24の下側に配置されている。
下側遮熱体14は、下側プラテン10の下側に配置されている。下側遮熱体14は、下側プラテン10に接している。
上側プラテン8は、モールド6の上側に配置されている。上側プラテン8は、上型22の上側に配置されている。
上側遮熱体12は、上側プラテン8の上側に配置されている。上側遮熱体12は、上側プラテン8に接している。
図示されないが、上側プラテン8の内部には、水蒸気を通すための流路が設けられている。この流路を、熱源である水蒸気が通る。熱エネルギーは、水蒸気から上側プラテン8に移動する。水蒸気からの熱で、上側プラテン8は加熱される。
図示されないが、下側プラテン10の内部には、水蒸気を通すための流路が設けられている。この流路を、熱源である水蒸気が通る。熱エネルギーは、水蒸気から下側プラテン10に移動する。水蒸気から供給される熱で、下側プラテン10は加熱される。
上側プラテン8の熱エネルギーは、モールド6に移動する。上側プラテン8の熱エネルギーは、上型22に移動する。加熱された上側プラテン8により、モールド6が加熱される。
下側プラテン10の熱エネルギーは、モールド6に移動する。下側プラテン10の熱エネルギーは、下型24に移動する。加熱された下側プラテン10により、モールド6が加熱される。
図示されないが、モールド6の外周は、ジャケットで覆われている。即ち、上型22の外周はジャケットで覆われており、下型24の外周はジャケットで覆われている。このジャケットにも水蒸気が通される。モールド6は、ジャケットからの熱エネルギーによっても加熱される。
このモールド6を用いて、タイヤが製造される。このタイヤの製造方法では、予備成形によってローカバー(未加硫タイヤ)が得られる。このローカバーが、モールド6が開いておりブラダーが収縮している状態で、モールド6に投入される。モールド6が閉じられ、ブラダーが膨張する。ローカバーはブラダーによってモールド6のキャビティ面に押しつけられ、加圧される。同時にローカバーは、加熱される。加圧と加熱とによりゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。上記キャビティ面に存在する凹凸模様(図示されず)により、タイヤにトレッドパターンが形成される。ローカバーが加圧及び加熱される工程は、加硫工程と称される。この加硫工程が、加硫機2によってなされる。
図2は、上側遮熱体12を上側から見た平面図であり、図3は図2のIII−III線に沿った断面図である。図4は図2のIV−IV線に沿った断面図である。
なお、下側遮熱体14は、上側遮熱体12と同じである。下側遮熱体14の説明は省略される。
上側遮熱体12は、本体26と、断熱部28とを有する。図2が示すように、断熱部28は、周方向の複数箇所に配置されている。断熱部28は、周方向において均等に分配されている。
本体26の材質は限定されない。好ましい本体26の材質として、フェノール樹脂、セラミック、ケイ酸カルシウム等が例示される。加硫工程において、遮熱体12、14は、圧縮される。遮熱体12、14は、この圧力に耐えうる必要がある。この加熱及び加圧に耐えうるとの観点、及び断熱性の観点から、本体26の材質は、フェノール樹脂が好ましく、ガラス繊維を基材としたフェノール樹脂がより好ましい。ガラス繊維を基材としたフェノール樹脂では、好ましくは、ガラス繊維が50質量%以上含まれ、フェノール樹脂が50質量%未満含まれる。より好ましくは、フェノール樹脂の割合は、30質量%以上40質量%以下である。このガラス繊維を基材としたフェノール樹脂は、耐熱性及び強度に優れる。
本体26は、凹部30を有する基体31と、蓋32とを有する(図4参照)。また本体26は、上側遮熱体12を固定するための小孔34と、スライダ18から延びる軸体(図示されず)が通されている中央孔36とを有する(図2及び図3参照)。小孔34及び中央孔36は、貫通孔である。
図4が示すように、凹部30の開口は、蓋32によって塞がれている。凹部30及び蓋32により、空洞k1が形成されている。本実施形態では、この空洞k1が、断熱部28である。空洞k1は、中空部である。
基体31の材質と蓋32の材質とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。蓋32の外れを抑制する観点から、基体31と蓋32とで、熱膨張係数を一致させるのが好ましい。この観点から、基体31の材質と蓋32の材質とは同じであるのが好ましい。
空洞k1は、ガスによって満たされている。即ち、本実施形態では、断熱部28がガスによって形成されている。本実施形態では、このガスが、空気である。
ガスの存在により、遮熱体12、14の断熱性が向上する。ガスによって形成された断熱部28は、放熱を抑制する。
好ましいガスとして、空気の他、例えば、窒素等の不活性ガスが例示される。
蓋32を固定するための手段は限定されない。蓋32は、接着剤により接着されていてもよい。他の固定手段として、嵌め込み及びネジ止めが例示される。
接着剤により接着された場合、断熱性が向上することが判明した。接着剤により、空洞k1の気密性が高くなる。この気密性により、ガスの移動(ガスの漏れ及び流入)が抑制される。高い気密性に起因して、断熱性が向上する。
接着剤の種類は限定されない。接着剤として、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、フェノール系接着剤等が例示される。加熱冷却サイクルの繰り返しに対する追従性、耐熱性及び接合強度の観点から、好ましい接着剤として、フェノール系接着剤が挙げられる。
気密性を高めるべく、基体31と蓋32との接触部のすべてを接着剤によって接着したところ、蓋32の割れが生じうることが判明した。即ち、全体的な接着は、部分的な接着に比較して、蓋32の割れが生じやすいことが判明した。加硫機2では、200℃程度までの加熱と、30℃程度までの冷却が繰り返される。全体的な接着の場合、この加熱及び冷却により、蓋32の割れが生じうることが判明した。
この割れのメカニズムは、次のように考えられる。高温から低温に移行する際に、本体26は、ガス(断熱部28)よりも冷えやすい傾向にある。この結果、ガス(断熱部28)が、本体26よりも高温であるという状態が生じうる。この場合、比較的高温であるガスに接している蓋32は、基体31よりも、高温になる。よって、基体31と蓋32との間に温度差が生じうる。同様に、低温から高温に移行する際にも、基体31と蓋32との間で温度差が生じうる。これらの温度差に起因して圧力差が生じ、蓋32が基体31の変形に追従しきれず、割れが生じると考えられる。
全体的な接着ではなく、部分的な接着とすることにより、蓋32の割れが抑制されることが判った。この部分的な接着では、基体31と蓋32との接触部に、接着されていない部分が存在する。この非接着部分は、ガスが出入りするための隙間を確保する。このガスの出入りにより、前述した基体31と蓋32との間の温度差が縮小し、蓋32の割れが抑制されたと考えられる。蓋32の割れにくさと気密性との両立の観点から、基体31と蓋32とが接着剤により接着され、且つ、基体31と蓋32との間に非接着部分が存在しており、この非接着部分が、上記ガスの出入りのための隙間を確保しているのが好ましい。ガスの出入りと気密性との両立の観点から、より好ましくは、基体31と蓋32との接触部に沿って、接着部分と非接着部分とが交互に配置されるのがよい。即ち、基体31と蓋32との接触部に沿って、ガスが通過できない接着部分と、ガスが通過できる非接着部分とが交互に配置されているのが好ましい。
断熱性の観点から、断熱部28(ガス等)の熱伝導率λ1が、上記本体26の熱伝導率λ2よりも小さいのが好ましい。温度によって上記熱伝導率λ1及び上記熱伝導率λ2は変動する。好ましくは、30℃以上200℃以下の全ての温度において、上記熱伝導率λ1が上記熱伝導率λ2よりも小さいのが好ましい。
熱伝導率の測定方法として、公知の方法が用いられうる。この測定方法として、レーザーフラッシュ法、定常熱流法、平板熱流計法及び熱線法が用いられうる。多くの物質について、熱伝導率の値は公知である。
図5は、第2実施形態に係る上側遮熱体40を上側から見た平面図である。図6は図5のVI−VI線に沿った断面図である。図7は図5のVII−VII線に沿った断面図である。
なお、第2実施形態に係る下側遮熱体は、上側遮熱体40と同じである。この下側遮熱体の説明は省略される。
上側遮熱体40は、本体42と、断熱部44とを有する。図5が示すように、断熱部44は、周方向の複数箇所に配置されている。断熱部44は、周方向において不均等に分配されている。本体42は、複数の欠け部46、複数の小孔48及び中央孔50を有する。これらの欠け部46、小孔48及び中央孔50は、上側遮熱体40を固定するために設けられている。欠け部46、小孔48及び中央孔50が設けられている領域を避けつつ、多くの断熱部44が設けられている。
本体42は、凹部52を有する基体54と、蓋56とを備えている(図7参照)。
図7が示すように、凹部52の開口は、蓋56によって塞がれている。凹部52及び蓋56により、空洞k1が形成されている。本実施形態では、この空洞k1が、断熱部44である。空洞k1は、中空部である。
空洞k1は、ガスによって満たされている。即ち、本実施形態では、断熱部44がガスによって形成されている。本実施形態では、このガスが、空気である。この上側遮熱体40は、断熱性に優れる。
図8は、第3実施形態に係る上側遮熱体60を上側から見た平面図である。図9は図8のIX−IX線に沿った断面図である。
なお、第3実施形態に係る下側遮熱体は、上側遮熱体60と同じである。この下側遮熱体の説明は省略される。
上側遮熱体60は、本体62と、断熱部64とを有する。図8が示すように、断熱部64は、周方向の全体に亘って配置されている。単一の断熱部64が、周方向の全体に延在している。断熱部64は、環状である。
本体62は、凹部66を有する基体68と、蓋70とを備えている(図8参照)。
図8が示すように、凹部66の開口は、蓋70によって塞がれている。凹部66及び蓋70により、空洞k1が形成されている。本実施形態では、この空洞k1が、断熱部64である。空洞k1は、中空部である。単一の蓋70が、周方向の全体に延在している。蓋70は、環状である。
空洞k1は、ガスによって満たされている。即ち、本実施形態では、断熱部64がガスによって形成されている。本実施形態では、このガスが、空気である。環状の断熱部64によって、断熱部64の設置範囲が広くされている。この上側遮熱体60は、断熱性に優れる。
以上に説明されたように、断熱部の位置及び範囲に関して、多くのバリエーションが可能である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
本発明の効果を確認するため、5種類のサンプルを作製し、テストを行った。これらのサンプルの仕様は、上記実施形態と相違しているが、本発明の効果を確認するには十分である。
[サンプル1]
サンプル1として、直径が300mmである円盤sp1を作製した。図10は、この円盤sp1の断面図である。円盤sp1は、厚みが一定の円盤である。円盤sp1の厚みは、10mmとされた。円盤sp1は、単一の材質によって形成された。円盤sp1の材質は、ガラス繊維を基材としたフェノール樹脂とされた。
[サンプル2]
サンプル2の断面図が、図11に示される。上記サンプル1の中央部を取り除き、中央部に円形の凹部78を有する基体80を得た。凹部78の周縁部には段差79が設けられた。別途、この凹部78の開口の形状に対応した円盤状の蓋82を作製した。蓋82を凹部78の開口に嵌め込み、サンプル2を得た。基体80の材質はガラス繊維を基材としたフェノール樹脂とされ、蓋82の材質はガラス繊維を基材としたフェノール樹脂とされた。このサンプル2では、断熱部84が空気である。蓋82は嵌め込みのみによって装着されているため、内部空気(断熱部84)の気密性は低い。加熱及び冷却に起因して、断熱部84である内部空気の一部は、外気と入れ替わりうる。
[サンプル3]
基体80と蓋82との接触部が接着剤により接着された他は、上記サンプル2と同様にして、サンプル3を得た。接着剤による接着は、基体80と蓋82との接触部のうちの一部とされた。基体80と蓋82との接触部に沿って、ガスが通過できない接着部分と、ガスが通過できる非接着部分とが交互に配置された。接着剤として、東亜合成社製の商品名「アロンアルファ」が用いられた。
[サンプル4]
サンプル4の断面図が、図12に示される。上記段差79を有さない他は、上記サンプル2の基体80と同様にして、サンプル4を得た。サンプル4の凹部86は下方に解放されている。凹部86は、外気、即ち空気で満たされている。
[テスト1:断熱性テスト]
上記サンプル1、2、3及び4を、単一のプラテンの上に載置した。サンプル4は、図12に示されるように、凹部86の開口を下向きにして、プラテンの上に載置された。このプラテンの直径(外径)が約1000mmであったため、このプラテンの上に4つのサンプルを同時に置くことができた。4つのサンプルは、プラテンの周方向において、均等に配置された。即ち4つのサンプルは、周方向の90°おきに配置された。従って、4つのサンプルの加熱条件は、同一である。
4つのサンプルが載置されたプラテンの温度が178℃とされ、このときの上記各サンプルの上面における表面温度の分布が測定された。表面温度分布の測定には、赤外線サーモグラフィ装置が用いられた。
図13は、サンプル1の表面温度分布を示すグラフである。図14は、サンプル2の表面温度分布を示すグラフである。図15は、サンプル3の表面温度分布を示すグラフである。図16は、サンプル4の表面温度分布を示すグラフである。これらのグラフは、サンプルの中心を通る直線における温度分布を示す。グラフの左端及びグラフの右端が、サンプルの外縁の温度を示す。グラフの左右方向の中心が、サンプルの中心の温度を示す。表面温度が低いほど、断熱性が高い。
これらの温度分布から理解されるように、断熱性が高い順は、サンプル3(接着有り:蓋有り)、サンプル2(接着無し:蓋有り)、サンプル4(凹部有り:蓋無し)、サンプル1(凹部無し)であった。断熱部が空気とされたサンプル2及びサンプル3は、他のサンプルと比較して断熱性に優れることが判った。
なお、サンプル4がサンプル1よりも断熱性に優れる理由は、凹部内の空気層が断熱に寄与しているためであると考えられる。
また、サンプル2とサンプル3とを比較すると、サンプル2のほうが断熱性に優れることが判った。接着剤による接着に起因して気密性が高まった結果、内部空気の移動(出入り)が制約され、断熱性が向上したと考えられる。
[テスト2:冷熱サイクルテスト]
上記サンプル1から4に加えて、次のサンプル5を作製し、テストを行った。
[サンプル5]
接着剤による接着が、基体80と蓋82との接触部の全体とされ、空洞部(断熱部)の気密性がより一層高められた他は上記サンプル3と同様にして、サンプル5を得た。
サンプル1、2、3、4及び5を単一のプラテンの上に載置し、プラテンの温度を30℃から200℃にまで上げ、次いで200℃から30℃に冷却した。この加熱及び冷却を繰り返したところ、サンプル5の蓋に割れが生じた。この時点で、他のサンプルには割れが生じなかった。サンプル5の割れの原因は、前述の通りであると考えられる。
これらの評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上に説明された方法は、タイヤの製造に用いられる加硫機に適用されうる。
2・・・加硫機
4・・・ベース
6・・・モールド
8・・・上側プラテン
10・・・下側プラテン
12、40、60・・・上側遮熱体
14・・・下側遮熱体
16・・・上側支持部
18・・・スライダ
20・・・軸
22・・・上型
24・・・下型
26、42、62・・・本体
28、44、64・・・断熱部
30、52・・・凹部
31、54・・・基体
32、56、70・・・蓋
k1・・・空洞

Claims (7)

  1. モールド、上側プラテン、下側プラテン、上側遮熱体及び下側遮熱体を有し、
    上記上側遮熱体が、上記上側プラテンの上側に配置されており、
    上記下側遮熱体が、上記下側プラテンの下側に配置されており、
    上記遮熱体が、本体と断熱部とを有し、
    上記断熱部が、上記本体によって覆われており、
    上記断熱部の物質が、上記本体の物質とは異なる加硫機。
  2. 上記断熱部の熱伝導率λ1が、上記本体の熱伝導率λ2よりも小さい請求項1に記載の加硫機。
  3. 上記断熱部がガスである請求項1又は2に記載の加硫機。
  4. 上記本体が、凹部を有する基体と蓋とを備え、
    上記凹部の開口が上記蓋によって塞がれることにより空洞が形成され、この空洞が上記ガスで満たされている請求項3に記載の加硫機。
  5. 上記基体と上記蓋とが、接着剤により接着されている請求項4に記載の加硫機。
  6. 上記接着が、部分的な接着である請求項5に記載の加硫機。
  7. 上記ガスが空気である請求項3から6のいずれかに記載の加硫機。
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