JP6123753B2 - ゴムパッキンの成形・加硫用電磁誘導加熱式金型装置 - Google Patents

ゴムパッキンの成形・加硫用電磁誘導加熱式金型装置 Download PDF

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Description

本発明は、ゴムパッキンの成形・加硫用金型装置、特にゴムパッキンの成形・加硫用電磁誘導加熱式金型装置に関する。
ゴムパッキンは、所定断面形状のゴム成形体を加熱して加硫させることで製造しており、成形装置と加硫装置とを別々に用意してそれぞれの工程を分けて行うことで製造するか、あるいは、成形と加硫とを同時あるいは連続して行うことで製造されている。成形と同時あるいはそれに引き続いて同じ金型装置を使って加硫を行うことが生産性の点からみて優れている。
ところで、成形と加硫とを同じ金型で行うゴムパッキン成形用金型装置は、金型とその背面に設けた熱板とから構成され、熱板からの熱によって金型を伝熱加熱して成形・加硫を行う。しかし、加硫温度(150〜210℃)で長時間使用すると、熱板の影響を受け、金型の中央部が中高に変形し、つまり中央部の摩耗がすすみ、金型内の温度分布が変わり、金型の昇温不良や製品の品質トラブルが発生する。さらに、金型背面の熱板平行度も狂いが生じ、成形圧力の伝達の不均一による金型変形が均一に行われなくなるなどの影響が生じ、熱板の研磨加工などによる修正が必要となる。
さらに、従来、熱板の加熱手段は、カートリッジタイプの電熱ヒータまたは蒸気が一般的だが、それらは金型加熱の熱効率が悪く、大きな電力量と時間を必要としている。更に、金型の予熱にも時間がかかり、ゴムパッキン成形の生産性を阻害している。
非特許文献1には、ゴムパッキン成形の一般的方法として用いる熱板加熱方式が開示されているが、成形・加硫に長時間使用した金型は、熱板の状態(平行度、摩耗)による影響を受けている。
図5は、非特許文献1に記載のゴムパッキン成形用金型装置の模式図であり、上型下型を一体化して略示する金型40の上下面には熱板42が配置されており、これに組み込まれたヒータ44(破線にて略示)によって金型40への加熱温度を確保している。各熱板42は、断熱材46を介して、上方からは固定盤50、下方から可動盤52により支持されており、成形に際しては、下方よりピストン54を介して所要の成形圧が付与される。
ゴムパッキン成形のように圧縮成形の場合には、投影面に対し厚み方向の寸法の小さい板状の金型が多いので、熱板42の影響を受けやすい。例えば金型40を伝熱加熱するため、加硫温度に加熱された熱板42で金型の上型及び下型の間を加圧した場合、金型の外周部が加圧力で固定されていると金型40の熱膨張は拘束されることから、熱応力が発生し、この熱応力の影響は金型内部へ向かい、厚み方向への膨張となり、中央部の湾曲が生じるようになる。
図5において、白抜き矢印は、矢印の方向で放熱の方向を示し、また、矢印の太さによって放熱量を示しており、これからも分かるように、金型40の側面からの放熱により外周部が冷却され低温となる。熱板42の熱源となるヒータ44の位置による影響もあり、この外周部との熱膨張の差が金型変形に関与する。そのようにして、金型が変形し金型と熱板との接触が不十分となると、熱の伝導率が変わり、金型内の温度分布が変わるという悪循環となり熱板の平行度も狂わすことになる。
さらに、ゴムパッキンの成形における型加硫では、金型からの伝熱によりゴムを加熱し加硫させる。しかし、ゴムは熱伝導率が低いため、昇温に時間がかかり、その結果として長い加硫時間が必要となる。
ところで、樹脂成型用金型の加熱手段として電磁誘導加熱を採用することは知られており、特許文献1には、樹脂成型用金型の加熱用として電磁誘導コイルをキャビティ内に一時的に配置する加熱方式が開示されている。
特許文献2には、一般的な樹脂の成型用の電磁誘導加熱式金型装置が開示されており、それによれば、電磁誘導コイルを埋設した誘導コイル保持部には直接にキャビティ面を構成する磁性金属部が接合されている。加熱手段として電磁誘導加熱を用いるという考えでは特許文献1にその趣旨は同じであるが、特許文献2では、加熱手段が金型に直接に接して組み込まれている。
特許文献3は、ゴムの加硫に用いられる金型装置を開示するが、これは予め成形された生ゴムを加熱加硫するための加熱加硫用金型装置であり、生タイヤに接触するキャビティ面はアルミニウムなどの透磁率の小さい熱伝導性に優れたアルミニウム等から構成されている。
「金型成形におけるトラブルと対策」ゴム協会誌、第82巻第7号(2009) 「ゴム射出成型機における昇温検討」豊田合成技報、2001,Vo.43,No.1
特開平8−39571号公報 特開2012−214040号公報 特開2012−25126号公報
図1は、非特許文献2に開示されている、金型内充填材料温度と製品壁面部および中心部の加硫時間の関係のシミュレーション計算の結果を示すグラフである。
図1からは、製品表面部と製品中心部とにおいて、同時に加硫が起こるようにするためには、金型はある一定温度に加熱されなければならないことが分かる。図では加速時間として示されている。しかし、加熱温度が高すぎる場合には、加熱速度も速くなるので、成形が完了しないうちに局部的に加硫が過度に進行してしまい、機械的特性の低下は免れない。
すなわち、図1からは、高温のゴムを金型内に充填することができれば、ゴム昇温に要する時間が短縮でき、更に、加硫温度が高いほど加硫速度が大きいので、所要加硫時間は短くなることがわかる。しかし、加硫温度を高くするほど、金型に接触している表面部分はオーバーキュアになっても、内部はまだ加硫温度にもならず、アンダーキュアで中心部(金型表面から一番遠い部分)がポーラスになったままとなり、極端な場合には、金型内部でゴムが十分に流れ切らないことがある。得られるゴム成形製品の機械特性の低下は免れない。しかも、ゴム表面が早期加硫する、いわゆる焼けなどの不具合も懸念される。
以上のことより、加硫時間を短縮するための対策は、(1)加硫速度が大きく、最適加硫状態と過加硫時のときの物性の差が少ない平坦加硫系ゴムを使用する、(2)中心部の加硫が早いゴムを使用する、(3)ゴムをスコーチ(初期加硫)しない程度の温度に金型を予熱する、などが一般的に考えられる。
このように従来技術には、ゴムパッキンの製造において成形と加硫とを同じ金型で行う際に電磁誘導加熱を行うという開示はない。特許文献1,2に示す樹脂成形用の単なる加熱手段として誘導加熱方式を採用する場合でも、いかに生産効率を高めるかとの観点からの考察がされていないのが現状であった。
まして、成形・加硫という2段階の製造段階において加熱手段として電磁誘導加熱手段を用いた場合の生産性改善の構成は全く知られていなかった。
前述の特許文献3においても、加硫のための加熱手段として電磁誘導加熱方式を採用しているが、これは自動車用タイヤという非常に大型で断面厚さが部位により大きく異なるゴム製品を加硫する装置であるため、加圧蒸気を併用するとともに、タイヤと接触するモールド部分をアルミニウム、銅などの透磁率の小さい熱伝導率に優れた材料から構成している。
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、金型本体や金型装置の熱変形をなくし、省エネを図るとともに、高品質の製品を高い生産性でもって製造できるゴムパッキン成形用電磁用誘導加熱式金型装置を提供することを目的とすることである。
ここに、本発明によれば、金型の変形防止は金型本体を発熱体とすることでキャビティ面を均一にかつ速やかに加熱できることで解決することができ、一方、金型装置全体の変形防止は発熱体を構成する金型と誘導コイルユニットを絶縁体層で区画するとともに、該絶縁体層で誘導コイルユニットを断熱することで解決することができる。
ゴムパッキンの製造という観点からは、省エネ及び高生産性は、電磁誘導加熱手段を用いることで、短時間の加熱で成形温度が確保でき、かつ短時間での加硫が可能となること、そして、金型本体が発熱体を構成するようにすることで、しかも、電磁誘導加熱を用いることから、金型全体が短時間で均一に加熱されるため、投入ゴムの成形時の流れが十分に確保でき、さらに短時間の加硫で済むため、品質劣化がすくない。
金型本体は、ゴムパッキンの場合、上下型の厚さはそれぞれ高々数10mm程度であり、通常は、そのほとんどが30mm以下である。また、電磁誘導加熱のときには電磁波の周波数を変えることによって、いわゆる加熱深さを変えることができる。そのため、本発明によれば、ゴムパッキン成形用金型のように平面状に展開する金型であっても、その全体の急速かつ均一加熱を効率的に行うことができる。
さらに本発明によれば、絶縁体層でもって金型本体を支持し、そして誘導加熱ヒータユニット、つまり誘導コイルユニットの遮熱保護を行うことができ、絶縁体を介在させてプレス圧力をプレス機から金型に伝えることで、電磁誘導発熱体を構成する金型と誘導加熱ヒータユニットとを完全に熱的にもまた機械的にも隔離でき、金型本体ばかりでなく成形装置全体の熱変形・機械的変形を大幅に防止できる。
本発明では、誘導コイルによる電磁誘導を金型本体に効率的に実現するためには、絶縁体は非磁性材または弱磁性体から構成する。
すなわち、本発明は、金型本体を構成するとともに、金型キャビティ面を構成する、ニッケル合金または鉄合金からなる磁気金属層と、該磁気金属層の前記金型キャビティ面の反対側に配置された非磁性材または弱磁性の絶縁体層であって、前記金型本体を支持する金型支持層と、該金型支持層内に埋設された電磁誘導コイルとから構成され、前記金型支持層を介して成形圧を金型本体に伝えることを特徴とする、ゴムパッキン成形・加硫用電磁誘導加熱式金型装置である。
本発明によれば、ゴムパッキンの製造の場合、磁気金属層である金型本体のみを直接に電磁誘導加熱することで、金型昇温時間・加硫時間の短縮や電力消費の低減が可能となり、トータル的な生産性向上と省エネを実現できる。更に、熱伝導の低い絶縁体層内に誘導コイルユニットを設置することで、金型や成形機の熱変形を低減し、安定成形による歩留まりの向上を達成できる。
図1は、金型内充填材料である中実ゴム製品の中心部の温度と表面部の温度との関係を示すグラフである。 図2は、本発明にかかるゴムパッキン成形・加硫用金型装置の模式的断面図である。 図3は、本発明にかかる金型装置の別の態様を示す模式的断面図である。 図4は、本発明にかかる金型装置を用いてステップ方式による加硫を行うときの加熱時間と加熱温度との関係を示すグラフである。 図5は、従来の成形・加硫用金型装置の模式的説明図である。
本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明にかかるゴムパッキン成形・加硫用電磁誘導加熱式金型装置(本明細書では単に成形・加硫装置ということもある)の構成例を示す模式的説明図である。
本発明にかかる成形・加硫装置1は、金型本体2を構成するとともに、金型キャビティ面3を構成する、ニッケル合金または鉄合金からなる磁気金属層4と、該磁気金属層4の前記金型キャビティ面3の反対側に配置された非磁性材または弱磁性の絶縁体層5であって、前記金型本体を支持する金型支持層6と、該金型支持層内に配置された電磁誘導コイル7とから成る。
すなわち、固定側と可動側のそれぞれに設けられた金型本体2,2は、それぞれ固定側と可動側に設けられた絶縁体層5,5とによって支持されている。これらの絶縁体層は一種の筐体を構成しており、その内側に、誘導コイルカバー8によって保護された誘導コイル7,7が配置されている。誘導コイル7,7は絶縁体層内に埋設されてもよいが、図示例では、誘導加熱コイルユニットとして筐体内に取り外し自在に設けられているので、保守点検は容易である。
このようにして配置された金型本体と絶縁体層とは、可動側と固定側それぞれにおいて取付板10,10を介して固定側プラテン11、可動側プラテン12にそれぞれ支持され、可動側では図示しないピストンによって押圧され、成形・加硫が行われる。
ここに、本発明にかかるゴムパッキン成形・加硫用電磁誘導加熱式金型装置によれば、 金型キャビティ面を構成する金型本体と、前記金型キャビティ面の反対側に配置されて前記金型本体を支持する金型支持体と、該金型支持層内に配置された電磁誘導コイルとから構成することで、前記金型支持体を介して成形圧を金型本体に伝えることができ、そのため、金型装置全体の構成が簡単になり、操作が容易となる。特に、ゴムパッキンのような形状の製品の成形には、製品全体への均一かつ急速加熱が行えるという点から有利である。
図示態様では、固定側プラテン11と可動側プラテン12との間には、上下の絶縁体層5、5を介して金型2,2が支持されているが、絶縁体層5,5はその反対側においてプラテン11,12によってそれぞれ支持されていることから、金型成形に要する圧力は、プラテン11,12から絶縁体層5,5を介して金型2,2にそれぞれ伝えられるため、金型装置の構造が簡単になる。各絶縁体層5,5の内側には、電磁誘導コイル7,7が取外し自在に収容されており、それらに挟まれるように設けられている金型本体を速やかに加硫温度に加熱する作用を発揮する。
図示例にあって、ゴムパッキンは円形断面のリング状をしているが、断面形状は矩形であっても、また全体が平板状であってもよい。ゴムパッキン成形・加硫用金型の共通する形状的特徴として、平面方向に対して厚みが非常に小さいことが挙げられるが、電磁誘導加熱の特徴として境界面としての金型表面、特にキャビティ面が全体的に均一にかつ急速に伝熱拡散加熱されるため、成型品であるゴムパッキンの全体が急速かつ均一に加熱され、加硫の温度管理も精密かつ正確に行うことができる。この点、厚みの大きい、あるいは局所的に厚みの変化が見られる一般に成型品と比較して、本発明が対象とするゴムパッキンでは電磁誘導加熱の特徴を十分に生かすことができる。
特に、本願発明の場合には、好ましくは、上記絶縁体層が誘導加熱ユニットを収容する筐体を構成するボックス状部材から構成されているため、安定した加熱、遮熱が可能となる。
金型本体を構成する材料は、磁気金属、つまり磁性金属であって、金型キャビティ面を構成できれば特に制限はないが、好ましくは、ニッケル合金、鉄合金から選択される。ニッケル合金としては、パーマロイ、Ni基超耐熱合金等が例示され、鉄合金としては、一般構造用圧延鋼、機械構造用炭素鋼、構造用合金鋼、炭素工具鋼、軸受け鋼、ステンレス鋼等が例示される。
絶縁体層は、非磁性材または弱磁性の絶縁体から構成され、かかる絶縁体としては、ファインセラミック材のようなセラミック材、フッ素樹脂(PTTE樹脂)、フェノール樹脂あるいはエポキシ樹脂のようなスーパープラスチックエンジニアリング材、ガラス材より選択され、かかる絶縁体層は、金型本体とは、機械的もしくは冶金的に接合されている。この絶縁体層には、高温時の圧縮に対する剛性が高いことが求められ、セラミックス製が好ましい。具体的には、酸化物系、炭化物系、窒化物系の各種セラッミックス材料が例示される。
本発明にかかるゴムパッキン成形加硫装置は、これらの2種以上の複合層から成り、磁気金属層表面に製品が成形される。
なお、磁気金属層と絶縁体層との冶金的接合方法には、爆発圧着や拡散接合、ロー付け等を用いればよい。
本発明によれば、電磁誘導加熱用ヒータを金型内の絶縁体層内に設置し、誘導加熱ユニットとして独立構造を持つように構成してもよく、そのような態様では、金型基材層、つまり金型本体のみを交換することで異なる品種型への転用も容易に可能となる。その場合には、金型基材層と絶縁体層との結合は、離脱可能なようにボルト締結等適宜機械的手段で行えばよい。
このように、本発明によれば、絶縁体層に熱伝導率の低い材料を選定することで、加熱される磁気金属層への熱影響を受けにくくなる。
図3は、本発明の更なる態様を示すもので、図2に示す金型本体と、金型支持層と、それに設けられる電磁誘導コイルとからなる金型装置を一つのユニットとして扱い、そのユニットを複数個、一枚のボックス板14のそれぞれ所定位置、例示すれば、碁盤目状、千鳥状、もしくは同心円状、に設置したものである。図示例は、そのように配置される一つのユニットの構造例を模式的に示す。図2と同一部材は同一符号で示す。
上下のボックス板14を接続する部材16は、ガイドピンである。
本発明によれば、絶縁体層を用いることで、さらに取付板およびボックス板としてアルミニウム合金、チタン合金を使用すれば、金型装置全体の重量を低減できるとともに、同時に絶縁体による遮熱効果により、成形プレス温度の低温化を図ることができ、プレス精度維持が継続的に図られる。
ここに、電磁誘導加熱方式による加熱自体は、すでに述べた特許文献1,2にも記載されているように、特に制限はないが、望ましくは、ヒータユニットとして、用いることで、脱着自在にすれば、保守点検が容易になるとともに、前述の絶縁体層による断熱保護もより効果的に発揮することができる。
電磁誘導加熱方式による加熱の特徴として、急速加熱、さらには加熱深さの調整が周波数を選択することで容易に行うことができ、しかも、加熱開始および加熱停止を瞬時に切り換えることができるため、ゴムパッキンの成形加硫、特に後述するようなステップ加硫には、特にその効果が発揮できる。
次に、本発明にかかる電磁誘導加熱方式による金型装置は、以下に説明するようなステップ方式による成形・加硫を行うのに特に適する。本明細書では「ステップ加硫方式によるゴムパッキンの成形・加硫」という。
すなわち、本発明は、別の面からいえば、金型本体(以下、単に「金型」ということもある)を電磁誘導加熱方式により初期加熱する段階、金型充填材料であるゴムを金型内に投入し、同時に金型を電磁誘導加熱により予め決められた成形温度に加熱して成形する段階、この段階で投入ゴムは初期の加硫が開始され、次いで、成形が終了したときに同じく電磁誘導加熱により更に温度を上げる段階、予め決められた温度に到達してから、その温度を維持して型内にあって加硫を完了させる段階、および成形・加硫製品を金型から取り出す段階からなるゴムパッキンの成形・加硫方法である。
金型の初期加熱および成形段階での加熱を電磁誘導方式で行うことで、速やかな加熱が可能となり、しかも、加硫を完了させるための加熱時間を予想外にも大幅に低減できるのであって、ゴムパッキンの生産効率の大幅な改善がもたらされる。
本発明にかかる成形・加硫装置を使用したステップ加硫方式によるゴムパッキンの成形・加硫は、図4に概略示す温度・時間の関係で行われるが、さらにこれについて具体的に説明すると、次の通りである。
(i)一段目加熱
金型を初期加熱する段階であり、予め金型を電磁誘導加熱により高速昇温させる。図4において、「加熱時間」として示される段階である。金型加熱に要する時間を大幅に短縮することができ、作業効率そして省エネを実現できる。
(ii)一段目型加硫
上記所定温度に加熱された金型にゴムを投入し成形・加硫させる。図4に示すグラフ上の前記「加熱時間」に続く短いフラットな段階である。この段階で成形がほぼ完了し加硫が開始する。
金型にゴムを投入し成形する段階(スコーチタイム)では、焼けなどの不具合が発生しない加硫条件(温度と時間)を設定する。具体的には、好ましくはゴム製品の中心部と表面部とが同時に、つまり時間差なく成形・加硫が行われる温度と時間を設定する。
後述する実施例では一段目加熱の加熱温度を160℃、一段目型加硫の加硫時間を10秒とした。
(iii)二段目加熱
さらに加硫を完了させるために、電磁誘導加熱により高速に金型温度を高める。図4に示すグラフの上で、「加硫時間」とある段階のうちの、前記のフラットの段階に続く昇温段階である。
後述の実施例では、昇温時間は20秒であった。
(iv)二段目型加硫
ゴム製品の特性を満足させるための加硫条件を設定する。
後述の実施例では、このときの加硫温度を200℃、加硫時間を2分とした。図4における前述の二段目加熱に続く、グラフ上でフラットな段階である。
本発明にかかるステップ成形・加硫方式によるゴムパッキンの成形・加硫では、一段目、二段目と加熱と加硫とを分けて行うため、特に二段目の昇温時間および加硫時間を、それぞれ、予想よりも顕著に短くすることが可能となった。
このような加硫条件で成形・加硫されたゴムパッキン製品は、シール性能を満足した。
従来の伝熱加熱では、昇温時間が長くなり、焼けや機械特性不足が発生する。しかし、電磁誘導加熱を用いることで、加硫温度を2段階に制御するができ(ステップ加硫)、加硫時間の短縮が実現できる。
次に、実施例によって本発明の作用をさらに具体的に説明する。
実施例
本例では、図2に示す構造を備えたゴムパッキン成形・加硫用金型装置を用い、図4にしたがって、下記条件での電磁誘導加熱によるステップ加硫方式によるゴムパッキンの成形・加硫を行った。
(i)一段目加熱
初期金型加熱温度を160℃とした。
(ii)一段目型加硫
昇温後、ゴムを金型内に投入し成形を行い、同時に加硫時間を10秒 に設定した。
(iii)二段目加熱
その後、加硫温度を200℃に昇温させる。昇温時間は約20秒であった。
(iii)二段目型加硫
昇温後、加硫時間を2分に設定した。
以上の加硫条件による加硫時間の合計は2分30秒であった。図5に示す装置を使用する従来技術にあっては、加硫時間は8分であったから、本発明によれば、5分30秒という大幅な短縮が図られることが分かる。本発明にかかる成形加硫装置を使用することにより生産性の大幅な改善が実現できる。
このような加硫条件で成形されたゴム製品は、(i)圧縮永久ひずみ、(ii)硬度、(iii)引張強度、(iv)伸び、などのシール性能の改善に必要な機械的特性を満足することから、そのシール性能は満足するものであった。
一方、このようなステップ加硫を図5に示す装置を使って電熱加熱方式で行うと、次の不具合が生じる。
(1)160℃から200℃への昇温時間が長くかかり、加硫時間短縮ができない。
(2)高温での加硫時間が長くなり、焼けや機械的特性不足が発生する。
本発明では、加硫温度を2段階に制御し、その加熱を誘導加熱で行うために、加硫時間の短縮を図っても、機械特性の低下は何ら生じない。
1 ゴムパッキン成形・加硫用電磁誘導加熱式金型装置
2 金型本体
3 金型キャビティ面
4 磁気金属層
5 絶縁体層
6 金型支持層
7 誘導コイル
10 取付板
11 固定側プラテン
12 可動側プラテン

Claims (3)

  1. 金型キャビティ面を構成する金型本体と、前記金型キャビティ面の反対側に配置されて前記金型本体を支持する金型支持体と、該金型支持内に配置された電磁誘導コイルとから構成され、前記金型本体をニッケル合金または鉄合金からなる磁気金属層から構成し、前記金型支持体を非磁性材または弱磁性の絶縁体層から構成し、前記金型本体を直接加熱するとともに、前記絶縁体層から構成される前記金型支持体を介して成形圧を前記金型本体に伝えプレス成形することを特徴とする、ゴムパッキン成形・加硫用電磁誘導加熱式金型装置。
  2. 前記磁気金属層が、一般構造用圧延鋼、機械構造用炭素鋼、構造用合金鋼、炭素工具鋼、軸受け鋼、ステンレス鋼から選ばれる1種である、請求項1記載のゴムパッキン成形・加硫用電磁誘導加熱式金型装置。
  3. 前記絶縁体層が、スーパエンジニアンリングプラスチック材、セラミック材、およびガラス材から選ばれた1種から構成される、請求項1または2記載のゴムパッキン成形・加硫用電磁誘導加熱式金型装置。
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