JP6759663B2 - サイド補強型ランフラットタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サイド補強型ランフラットタイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、加硫状態を適正にして優れたランフラット走行性能を得ることを可能にしたサイド補強型ランフラットタイヤの製造方法に関する。
従来、空気入りタイヤを加硫する方法として、タイヤ内側に配置されたインターナル加熱手段(例えば、スチーム)と、タイヤ外側に配置されたエクスターナル加熱手段(例えば、ヒータ)とで未加硫タイヤを同時に加熱することが一般的に行われている(例えば、特許文献1を参照)。このような加硫方法においては、ブラダー内の温度がドレン滞留などの影響により上下方向で必ずしも一定にならず、例えば車両に取り付けたときの左右(タイヤ加硫時には上下)のタイヤサイド部で温度が異なる傾向があり、その結果、左右のタイヤサイド部で加硫度に差が生じる虞があった。
特に、タイヤサイド部にランフラット補強層を備えた空気入りタイヤでは、タイヤサイド部(ランフラット補強層)の加硫が適正に行われなければ充分なタイヤ性能(ランフラット走行性能)が得られないため、上述のような左右のタイヤサイド部の加硫度の差はタイヤ性能(ランフラット走行性能)に悪影響を及ぼす虞があった。そのため、左右のタイヤサイド部の加硫度の違いを打ち消して、左右のタイヤサイド部の加硫度を共に適正な範囲内に制御するための対策が求められている。
特開2005‐271534号公報
本発明の目的は、加硫状態を適正にして優れたランフラット走行性能を得ることを可能にしたサイド補強型ランフラットタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のサイド補強型ランフラットタイヤの製造方法は、左右のタイヤサイド部にそれぞれ断面三日月状のランフラット補強層を備えたサイド補強型ランフラットタイヤのグリーンタイヤを加硫装置によって加硫する加硫工程と、前記加硫装置から脱型されたタイヤを冷却して加硫反応を完結させる冷却工程とを含むサイド補強型ランフラットタイヤの製造方法において、前記加硫工程における各タイヤサイド部の外表面および内表面の温度を計測し、これら表面温度に基づいて各タイヤサイド部の厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を算出することで、これら温度および等価加硫度を脱型時までに掌握し、掌握した温度および等価加硫度に基づいて脱型後の各タイヤサイド部を面接触型の除熱装置で別々に冷却して、各タイヤサイド部の冷却後の等価加硫度が共に適正な範囲内に収まるように前記冷却工程における冷却を制御することを特徴とする。
本発明では、上述のように、加硫工程における各タイヤサイド部の厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を脱型時までに掌握したうえで、掌握した温度および等価加硫度に基づいて脱型後の各タイヤサイド部を別々に冷却することで、各タイヤサイド部の冷却後の等価加硫度を制御しているので、脱型した時点で各タイヤサイド部の温度や等価加硫度に差が生じていても、その差を相殺するように各タイヤサイド部を冷却することができる。その結果、冷却後のタイヤにおいては各タイヤサイド部の等価加硫度は適正になり、高品質で優れた性能のタイヤを得ることができる。特に、サイド補強型ランフラットタイヤのタイヤサイド部について加硫度の制御を行っているので、ランフラット補強層の加硫度を適正にして、製造後のタイヤのランフラット走行性能を高めることができる。また、この方法では、各タイヤサイド部の冷却に面接触型の除熱装置を用いているので、自然冷却等の方法で冷却する場合に比べて周囲の温度や風などの外乱要素の影響を排除して正確な温度制御(冷却)が可能になる。
本発明では、予め実生産に適用する加硫条件に基づいた温度計測試験を行って各タイヤサイド部の厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を計測する掌握方法にすることもできる。或いは、加硫と同時に各タイヤサイド部の外表面および内表面の温度を計測し、これら表面温度に基づいて各タイヤサイド部の厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を算出する掌握方法にすることもできる。
本発明では、面接触型の除熱装置が、可撓性を有してタイヤサイド部の表面に当接する表皮層と、表皮層の背面側に積層された熱媒体層と、弾性を有して熱媒体層の背面側に積層されたクッション層とからなる温調パッドであり、熱媒体層が表皮層に沿って渦巻状に配されて熱媒体が循環する熱媒体経路で構成されている仕様にすることもできる。このように除熱装置として上述の構造の温調パッドを用いることで、より効率的かつ計画的な冷却が可能になり、製造後のタイヤの性能(ランフラット走行性能)を高めるには有利になる。
このとき、熱媒体経路の入口および出口における熱媒体の温度差および熱媒体の流量に基づいて熱媒体の温度および/または流量を調整して冷却速度を制御する仕様にすることもできる。この仕様では、より計画的な冷却が可能になり、製造後のタイヤの性能(ランフラット走行性能)を高めるには有利になる。
等価加硫量とは周知のとおり加硫反応量を意味する。加硫温度が異なれば加硫速度が変化するため、加硫温度毎の加硫速度を求めてこれに時間を乗じ、時間積分することで算出される。加硫速度を示す加硫反応速度定数Kは、以下の式(1)によって算出される。
K=A・exp{−E/(R・T)}・・・(1)
(式中、Aはゴム特有の定数、Eは活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは加硫温度である。)
本発明の製造方法に用いられる加硫装置の一例を示す説明図である。 本発明の製造方法に用いられる温度センサの一例を示す説明図である。 本発明の製造方法に用いられる温度センサの一例を示す説明図である。 本発明の製造方法に用いられる温度センサの一例を示す説明図である。 本発明の製造方法に用いられる温度センサの一例を示す説明図である。 本発明の製造方法における温度および等価加硫度の変化を模式的に示す説明図である。 本発明の製造方法に用いられる除熱装置の一例を示す説明図である。 本発明の製造方法に用いられる除熱装置の一例を示す説明図である。 本発明の製造方法に用いられる除熱装置の熱媒体層の構造を模式的に示す説明図である。 本発明の製造方法に用いられる除熱装置の一例を示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明のサイド補強型ランフラットタイヤTの製造方法では、まず左右のタイヤサイド部TSにそれぞれ断面三日月状のランフラット補強層RFを備えたサイド補強型ランフラットタイヤTのグリーンタイヤを、両サイドが上下に位置する状態で加硫装置10によって加硫し(加硫工程)、次いで加硫装置10から取り出されたタイヤを除熱装置20で冷却して加硫反応を完結させる(冷却工程)。この際、加硫工程における各タイヤサイド部TSの厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を脱型時までに掌握し、この掌握した温度および等価加硫度に基づいて冷却工程での冷却速度等を制御する。
図1は、本発明に用いられる加硫装置10の一例を示すものである。この加硫装置10は、タイヤのサイドウォール部を成形するための下側サイドプレート11および上側サイドプレート12と、タイヤのビード部を成形するための下側ビードリング13および上側ビードリング14と、タイヤのトレッド部を成形するための複数のセクター15とを備え、これら下側サイドプレート11、上側サイドプレート12、下側ビードリング13、上側ビードリング14、およびセクター15からなるモールド16の内側でタイヤを加硫成型するようになっている。尚、モールド16の構造は特に限定されるものではなく、図示のセクショナルタイプのモールドの他、所謂二つ割りタイプのモールド等を使用することも可能である。
図1の加硫装置10において、加硫時には、タイヤの内側にブラダー17が挿入される。ブラダー17は、その下端部が下側クランプリング18と下側ビードリング13との間に把持され、その上端部が上側クランプリング19と上側ビードリング14との間に把持されている。図1に示すような加硫状態において、ブラダー17はタイヤの径方向外側に拡張した状態にあるが、加硫後にタイヤTをモールド16内から取り出す際には上側クランプリング19が上方に移動し、それに伴ってブラダーがタイヤの内側から抜き取られるようになっている。尚、ブラダー17の構造についても特に限定されるものではない。
本発明では、このような加硫装置10によってサイド補強型ランフラットタイヤTを製造するが、サイド補強型ランフラットタイヤTの構造は、上述のように左右のタイヤサイド部TSにそれぞれ断面三日月状のランフラット補強層RFを備えていれば特に限定されない。
本発明では、上述のように加硫工程における各タイヤサイド部TSの厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を脱型時までに掌握する必要があるため、加硫装置10は温度測定手段30を備える。温度測定手段30は、加硫工程における各タイヤサイド部の少なくとも内表面および該表面の温度を測定することができればで、その構造は特に限定されない。例えば、図1の例では、下側サイドプレート11および上側サイドプレート12のそれぞれに感温部が成形面に配置された温度センサ31が設けられると共に、ブラダー17の本体にも温度センサ32が設けられている。
図1の例において、下側サイドプレート11および上側サイドプレート12に設けられる温度センサ31としては、例えば図2,3に示すような仕様のものを採用することができる。この仕様では、図2,3に示すように、下側サイドプレート11および上側サイドプレート12のそれぞれに、下側サイドプレート11および上側サイドプレート12を貫通してタイヤTに当接する成形面まで達する孔11A,12Aが形成されている。温度センサ31(シース熱電対)はこれら孔11A,12A内に配置される。この温度センサ31は、金属製の筒状のシース31aとこのシース31a内に保持された熱電対31bとを有している。熱電対31bは一対の電極から構成されて、これら電極の先端同士が接合されて、この接合点が感温部31cとなっている。熱電対31bにはリード線31dが接続されて、このリード線31dがシース31aを通して加硫装置10の外部に引き出される。熱電対31bを構成する一対の電極としては互いに異なる金属材料が用いられ、例えばJIS規格(JIS C 1620‐1995等)に記載される金属材料を用いることができる。電極の表面は、石英ガラス等の絶縁体で構成されたグラウト31eで被覆される。温度センサ31の周囲には、加硫装置10の材料(鉄、アルミ合金等)よりも熱伝導率の小さい材料(例えば石英ガラス等)で構成された遮熱材層31fが、温度センサ31に隣接し、かつ感温部31cを取り囲むように設けられている。この仕様では、加硫装置10本体の温度の影響を抑えながらタイヤTの成形面に近い位置での温度を測定することができるので、加硫工程における各タイヤサイド部TSの下側サイドプレート11または上側サイドプレート12側の表面温度を正確に測定することができる。そのため、加硫工程における各タイヤサイド部TSの厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を脱型時までに掌握するには有利である。
また、図1の例において、ブラダー17の本体に設けられる温度センサ32としては、例えば図4,5に示すような仕様のものを採用することができる。この仕様では、図4,5に示すように、ブラダー17の本体の内表面に、ブラダー17の内表面から突出した円柱形状を有する複数の突起32aがブラダー17の本体に対して一体的に成形され、各突起32aにその端部からブラダー17の本体の外表面に向かって延在していてブラダー17の本体の外表面に対しては非貫通の状態にある非貫通孔32bが形成されている。非貫通孔32bにはブラダー17の本体の内側から温度測定用プローブ32c(例えば熱電対、白金抵抗温度計、サーミスター等)が挿入されている。そして、締付部材32dを突起の外側から締め付けることにより温度測定用プローブ32cと突起とが互いに結合されている。尚、締付部材32dによる締め付け構造としては、例えば紐状部材による結紮(結びつけによる固定)や金属部材による加締めを採用することができる。各温度測定用プローブ32cにはリード線32eが接続されており、そのリード線32eが不図示の測定用デバイスに接続される。このとき、リード線32eは、気密性を適切に確保しながら、加硫装置10において下側クランプリング18を貫通したり、中心機構を通したりしてブラダー17の外部に引き出される。この仕様では、温度測定用プローブ32cによってタイヤTの内面を損傷することなく、温度測定用プローブ32cをタイヤTの内面に近接した位置に配置することができるので、加硫工程における各タイヤサイド部TSのブラダー17側の表面温度を正確に測定することができる。そのため、加硫工程における各タイヤサイド部TSの厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を脱型時までに掌握するには有利である。
このような温度測定手段30を用いて、加硫工程における各タイヤサイド部TSの厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を脱型時までに掌握するには、例えば、加硫と同時に各タイヤサイド部の外表面(下側サイドプレート11または上側サイドプレート12側の表面)および内表面(ブラダー17側の表面)の温度を計測し、これら表面温度に基づいて各タイヤサイド部の厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を算出ことができる。或いは、予め実生産に適用する加硫条件に基づいた温度計測試験を行って、各タイヤサイド部の厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を計測こともできる。
このような加硫装置10を用いた加硫工程について、殊に窒素ガスをスチームと併用してブラダーに用いるガス加硫では、上下に温度勾配が生じて加硫されたタイヤの左右の温度不均衡が生じることが知られている。このような左右のタイヤサイド部TSの温度差によって、加硫度に差が生じるため、本発明では、上述の温度測定手段30等を用いて加硫工程における各タイヤサイド部TSの厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を脱型時までに掌握し、この掌握した温度および等価加硫度に基づいて脱型後の各タイヤサイド部TSを後述の除熱装置20で別々に冷却して、各タイヤサイド部TSの冷却後の等価加硫度が共に適正な範囲内に収まるように制御する。
このように加硫工程における各タイヤサイド部TSの厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を脱型時までに掌握したうえで、掌握した温度および等価加硫度に基づいて脱型後の各タイヤサイド部TSを別々に冷却して、各タイヤサイド部の冷却後の等価加硫度を制御することで、各タイヤサイド部TSの温度や等価加硫度は図6に模式的に示すように変化する。即ち、上側サイドプレート12に当接する側のタイヤサイド部TSの温度(図6の実線)は、モールド16内の温度分布の差により、脱型時までに下側サイドプレート11に当接する側のタイヤサイド部TSの温度(図6の破線)よりも高くなっている。その結果、上側サイドプレート12に当接する側のタイヤサイド部TSの等価加硫度(図6の一点鎖線)は、脱型時までに下側サイドプレート11に当接する側のタイヤサイド部TSの等価加硫度(図6の二点鎖線)よりも高くなっている(加硫が進行している)。そのため、脱型後の冷却工程では、上側サイドプレート12に当接する側のタイヤサイド部TSの方が冷却速度が速く設定されて急激に冷却され、下側サイドプレート11に当接する側のタイヤサイド部TSの方が冷却速度が遅く設定されて緩やかに冷却され、両方のタイヤサイド部TSの最終的な等価加硫度が同じになるように制御されている。従って、脱型した時点で各タイヤサイド部TSの温度や等価加硫度に差が生じていても、その差を相殺するように各タイヤサイド部TSが冷却されるので、冷却後のタイヤにおいては各タイヤサイド部TSの等価加硫度は適正になり、高品質で優れた性能のタイヤを得ることができる。特に、サイド補強型ランフラットタイヤTのタイヤサイド部TSでは、ランフラット補強層RFの加硫度が適正になり、製造後のタイヤのランフラット走行性能を高めることができる。
本発明で用いられる除熱装置20は、タイヤサイド部TS全体を冷却するためにタイヤサイド部TS全体に当接する面接触型であり、各タイヤサイド部TSを別々に精密な制御の下で冷却することができるものであれば特に限定されない。例えば図7,8に例示するような温調パッド20を用いることができる。図7,8に例示する温調パッド20は、表皮層21と熱媒体層22とクッション層23とが積層されて構成され、タイヤサイド部TSに沿った環状を成す。タイヤサイド部TSに当接する側(図7の下側)を表面側、その逆側(図7の上側)を背面側とすると、表皮層21の背面側に熱媒体層22が積層され、熱媒体層22の背面側にクッション層23が積層されている。尚、図7の例では、クッション層23の背面側に温調パッド20の土台となる基部24が積層されている。
表皮層21は、タイヤサイド部TSの表面と当接する層であり、この層を介してタイヤサイド部TSと後述の熱媒体層22との間で熱交換が行われる。表皮層21は、熱交換時にタイヤサイド部TSの表面に密着できるよう、例えばシリコンゴムシート、フッ素樹脂フィルム等の可撓性を有する材料で構成される。更に、表皮層21を構成する材料は、加硫直後の高温のタイヤと接触しても劣化しないように耐熱性に優れることが好ましい。その一方で、タイヤサイド部TSと後述の熱媒体層22との間の熱交換を阻害しないように高熱伝導性であることが好ましい。これに加えて、熱交換作業後にタイヤを容易に剥離可能であることが好ましい。これらの点から、前述の材料の中でもカーボンブラックで補強された布引のシリコンゴムシートが特に好ましい。表皮層21の厚さは特に限定されないが、例えば1mm〜5mmにすることができる。
熱媒体層22は、冷却工程時に熱媒体(冷媒)が循環する層であり、具体的には、熱媒体層22を構成する熱媒体経路22A内を熱媒体(冷媒)が循環するようになっている。熱媒体経路22Aは、表皮層2に沿うように設けられ、図9に示すように渦巻状に配されている。この熱媒体経路22Aとしては、例えば銅、真鍮、ステンレス等の金属製細チューブを好適に用いることができる。また耐熱性(加硫直後のタイヤ温度で劣化しない特性)を有する材質であればポリマー系チューブを用いることもできる。熱媒体経路22A(金属製細チューブ、ポリマー系チューブ)の径は特に限定されないが、例えば1mm〜5mmにすることができる。熱媒体経路22A(金属製細チューブ、ポリマー系チューブ)の断面形状としては、円形、長円形、長方形、正方形等を採用することができるが、伝熱面積を広く取れることから長円形または長方形が特に好ましい。熱媒体層22は、前述のように熱媒体経路22Aが渦巻状に配置されているので、例えば図10に示すように、熱媒体経路3Aの周回部ごとに巻軸方向に変位可能であり、それによりタイヤサイド部TSの形状に応じた表皮層2の変形に追従して変形可能になっている。熱媒体(冷媒)は、熱媒体経路22A内を循環可能な材料であれば特に限定されないが、熱媒用オイルの中でも沸点が脱型後のタイヤ温度よりも高いものを用いることが好ましい。
クッション層23は、前述の表皮層21および熱媒体層22を裏打ちする層である。表皮層21および熱媒体層22の変形に追従して変形可能になるように弾性を有する材料で構成される。例えば、エアバッグ、フォーム質のクッション材、コイルスプリングを縦横に並べた構成体等を用いることができる。
この除熱装置20(温調パッド20)では、上述のように熱媒体層3(熱媒体経路3A)内で熱媒体(冷媒)を循環させて、表皮層2を介してタイヤサイド部TSと熱媒体層3との間で熱交換を行っているので、ドライ状態で効率的かつ計画的な冷却が可能になる。即ち、熱媒体が特定の経路内を循環しているため、例えば冷却水をタイヤサイドに直接接触させる場合に比べて、熱交換の制御を容易に行うことが可能になる。このとき、表皮層2は上述のように可撓性を有するのでタイヤサイド形状に沿って変形可能であり、熱媒体層3(熱媒体経路3A)は上述の渦巻状の配置により熱媒体経路3Aの周回部ごとに巻軸方向に変位可能であり、上述のように表皮層2の変形に追従して変形可能であり、クッション層4は上述のように弾性を有することで表皮層2および熱媒体層3の変形に追従して変形可能であるので、熱交換時には表皮層2が図8に示すようにタイヤサイド部TSの表面に密着する。これによりタイヤサイド部TSの全面に亘って均等に冷却することができる。また、熱媒体は熱媒体経路3A内を循環しており閉鎖系を構築しているので、熱媒体が外部に漏れること(蒸気の発生や、熱媒体自体の飛散)を防止することができる。
このような除熱装置20(温調パッド20)を用いた冷却方法では、熱媒体供給源から熱媒体経路22Aに熱媒体を供給し、この熱媒体を熱媒体経路22A内で循環させて、必要に応じて適宜熱媒体を回収し、表皮層21を介してタイヤサイド部TSと熱媒体層22(熱媒体経路22A)との間で熱交換を行うことになる。この際に、予め設定された熱交換計画に基づいて、予め設定された温度の熱媒体を、予め設定された流量で、予め設定された時間だけ循環させて熱交換工程を行うことができる。或いは、予め熱交換計画を設定する一方で、熱媒体の流量と熱媒体経路22Aの入口および出口における熱媒体の温度とを随時測定するようにして、熱媒体経路22Aの入口および出口における熱媒体の温度差と熱媒体の流量に基づいて熱交換量を算出し、この算出された熱交換量と予め設定された熱交換計画との差異に基づいて熱媒体の温度や流量を調整して熱交換量を制御する仕様にすることもできる。この仕様では、より計画的かつ均質な熱交換を行うことが可能になる。
10 加硫装置
11 下側サイドプレート
12 上側サイドプレート
13 下側ビードリング
14 上側ビードリング
15 セクター
16 モールド
17 ブラダー
18 下側クランプリング
19 上側クランプリング
20 除熱装置(温調パッド)
21 表皮層
22 熱媒体層
22A 熱媒体経路
23 クッション層
30,31,32 温度測定手段(温度センサ)
T サイド補強型ランフラットタイヤ
TS タイヤサイド部
RF ランフラット補強層

Claims (5)

  1. 左右のタイヤサイド部にそれぞれ断面三日月状のランフラット補強層を備えたサイド補強型ランフラットタイヤのグリーンタイヤを加硫装置によって加硫する加硫工程と、前記加硫装置から脱型されたタイヤを冷却して加硫反応を完結させる冷却工程とを含むサイド補強型ランフラットタイヤの製造方法において、
    前記加硫工程における各タイヤサイド部の外表面および内表面の温度を計測し、これら表面温度に基づいて各タイヤサイド部の厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を算出することで、これら温度および等価加硫度を脱型時までに掌握し、掌握した温度および等価加硫度に基づいて脱型後の各タイヤサイド部を面接触型の除熱装置で別々に冷却して、各タイヤサイド部の冷却後の等価加硫度が共に適正な範囲内に収まるように前記冷却工程における冷却を制御することを特徴とするサイド補強型ランフラットタイヤの製造方法。
  2. 予め実生産に適用する加硫条件に基づいた温度計測試験を行って各タイヤサイド部の厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を計測することを特徴とする請求項1に記載のサイド補強型ランフラットタイヤの製造方法。
  3. 加硫と同時に各タイヤサイド部の外表面および内表面の温度を計測し、これら表面温度に基づいて各タイヤサイド部の厚さ方向の各位置での温度および等価加硫度を算出することを特徴とする請求項1に記載のサイド補強型ランフラットタイヤの製造方法。
  4. 前記面接触型の除熱装置が、可撓性を有してタイヤサイド部の表面に当接する表皮層と、該表皮層の背面側に積層された熱媒体層と、弾性を有して前記熱媒体層の背面側に積層されたクッション層とからなる温調パッドであり、前記熱媒体層が前記表皮層に沿って渦巻状に配されて熱媒体が循環する熱媒体経路で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサイド補強型ランフラットタイヤの製造方法。
  5. 前記熱媒体経路の入口および出口における前記熱媒体の温度差および前記熱媒体の流量に基づいて前記熱媒体の温度および/または流量を調整して冷却速度を制御することを特徴とする請求項4に記載のサイド補強型ランフラットタイヤの製造方法。
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