JP2011136348A - プレス打抜き成形型装置およびその成形型構成部品 - Google Patents

プレス打抜き成形型装置およびその成形型構成部品 Download PDF

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Abstract

【課題】硬度の異なる2種以上の材料から構成される成形型構成部品を備え、これら成形型構成部品が、被加工材をプレス加工により打抜き成形するプレス打抜き成形型装置において、成形型構成部品であるポンチとダイのクリアランスの調整が容易かつ迅速に行える構造を備えた打抜き成形型構造を提供する。
【解決手段】ダイ6が硬度の異なる2種以上の材料から構成される複合材料構造とされるものにおいて、ダイ6の切刃部25は、その刃先30aを備える刃先プレート25が高硬度材料により形成されるとともに、刃先プレート25の外周が低硬度材料からなる台金26により囲繞形成されてなる。これにより、ポンチ5とダイ6のクリアランスCの調整が容易かつ迅速に行える。
【選択図】図4

Description

本発明は、プレス打抜き成形型装置およびその成形型構成部品に関し、さらに詳細には、被加工材をプレス加工により打抜き成形するプレス打抜きにおいて、硬度の異なる2種以上の材料から構成される成形型構成部品の構造技術に関する。
プレス打抜き(加工)は、図12(a)に示すように、成形型構成部品である上下型つまり上型の主要構成部品であるポンチaおよび下型の主要構成部品であるダイbが上下に対向して配置されるとともに、これらポンチaおよびダイbが上下方向へ相対的に移動することにより(図示のプレス打抜き成形型装置においては、ポンチaが上下方向へ移動する構成)を用いて、被加工物Wを、これらポンチaの切刃部cおよびダイbの切刃部dにより規定される輪郭形状にせん断し成形する加工法である。
このプレス打抜きにおける加工メカニズムについて図13を参照して説明すると、以下のとおりである。
ダイbの上に位置決め載置された被加工材Wに対して、加圧力をもったポンチaが下降していき、被加工材Wの上面に当接する(図13(a))。
ポンチaがさらに下降して、被加工材Wがダイb上面とポンチa底面に密着するとともに、ポンチaは被加工材Wに対する食い込みを開始して、被加工材WにR状のダレeが形成される(図13(b))。
さらにポンチaが被加工材Wに食い込むと、被加工材Wに作用するせん断荷重が急激に増してせん断が生じ、せん断面(光沢面)fが形成されるとともに、被加工材Wのもつ最大せん断荷重に達すると、ポンチaとダイbの切刃部c、dの刃先から被加工材Wにクラックgが生じる(図13(c)の一点鎖線円内)。ポンチaの食い込みが増加すると、それに応じてせん断荷重は減少する。
ポンチaのさらなる下降により、上記クラックgが成長して被加工材Wの全板厚を貫通し、せん断が完了する。この時にざらざらな面である破断面hが形成される(図13(d)の一点鎖線円内)。
ところで、被加工材Wのせん断された切口面(e、f、h)は、ポンチaとダイbの隙間つまりクリアランスC(C1、C2)によって大きく異なり、このクリアランスCの大きさと被加工材Wのせん断された切口面との関係を示すと図14(a)〜(c)のようになる。
図14(a)は、クリアランスCが適正の場合を示しており、ポンチaとダイbの刃先から発生したクラックgの先が食い違うことなく、正しく出会い、破断面hおよびバリ(かえり)i共に少ない。
図14(b)は、クリアランスCが過小の場合を示しており、最初に発生したクラックgが途中で止まって、再びせん断が行われる。これによって起こるせん断を2次せん断と呼び、できたせん断面jを2次せん断面という。
図14(c)は、クリアランスCが過大の場合を示しており、ポンチaとダイbの刃先から発生したクラックg(図13(c)参照)が食い違い、引きちぎられるようになり、せん断切口面の直角度はきわめて悪く、ダレe、破断面h、バリiのいずれも大きい(図14(c))。
このように、クリアランスCは、被加工材Wのせん断された切口面に大きな影響を与えるとともに、製品精度や成形型の寿命などにも大きく関与することから、被加工材Wの材質や厚さ、あるいは加工条件などを考慮して適切な値に設定されねばならず、しかも、このクリアランスCは、ポンチaとダイbの全周にわたり(例えば、図13(a)において、紙面に対し左右横方向のクリアランスC1、C2および紙面に対し前後直交方向のクリアランス(図示せず))は、均一に設定されることが望まれる(C1=C2)。
この場合、ポンチaは、プレス打抜きにおける狙い寸法を決定するため、一旦装置に組み込まれて位置決めされると、その後は、製品寸法に影響が出るため固定されたまま位置変更されないことから、通常は、ダイbのポンチaに対する相対的位置(具体的には、ポンチaの打抜き方向に対して垂直な方向の相対的位置)を変更させることで、被加工材Wの打抜き面(切口面)のクリアランスCを全周にわたり均一な所定値となるように微調整している。
この微調整作業の具体的な手順は、熟練技術者が被加工材Wの打抜き面(切口面)を観察しながら全周のクリアランスCの偏りを分析し、このクリアランスCが全周にわたって所定値に均一化するようにダイbの位置をポンチaに対して相対的に微調整するというもので、この場合、ダイbは通常、ダイプレートkの装着凹部lに嵌合固定される構造(図12(a)参照)であることから、ダイbの位置調整に際しては、このダイbの側面外周部を切削や研削等により削ったり、スペーサを用いて、ダイプレートkの装着凹部lに位置決め嵌合させている。
なお、本出願人の知る限りにおいて、この種のプレス打抜き成形型装置における上下型(成形型)の位置調整を行う従来技術を開示した特許文献等は存在しない。
なし
ところで、従来のこの種のプレス打抜き成形型装置におけるダイbの基本構成は、図12(b)に示すように、硬度の異なる2種以上の材料(図示の場合は2種類)m、nからなり、切刃部dの刃先が単結晶ダイヤモンド(Single crystal Diamond)、多結晶ダイヤモンド(PCD:Polycrystalline Diamond)、立方晶窒化硼素(CBN:Cubic Boron Nitride)、炭化珪素およびセラミックス等の高硬度材料mで形成されるとともに、その他の台金部分が超硬合金等の低硬度材料nで形成されている。
なお、切刃部dの刃先を構成する高硬度材料mが焼結ダイヤモンドからなる場合、切刃部dは、この刃先を構成する焼結ダイヤモンドmに、図12(b)の二点鎖線で示すように、ダイbの台金部分を構成する低硬度材料nと同じまたは同種の低硬度材料(図示の場合は同じ低硬度材料n)が予め一体形成された複合材料プレートの形態で提供されて、台金部分を構成する低硬度材料nとの強固な接合性が確保されている。
このような構成が採用されるのは、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(CBN:Cubic Boron Nitride)、炭化珪素あるいはセラミックス等は、高価な材料であり、しかも、単結晶ダイヤモンドは大型の素材を製作するのが困難なために、ダイbに使用する場合、切刃部dの必要部位つまり刃先部位のみが、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素またはセラミックスがロウ付け等により接着され、他の部位が低硬度材料で形成されている。
また、上記高硬度材料mと低硬度材料nの熱膨張率が大きく異なる場合には、接合時の熱作用で不具合を生じることがあることから、この点も考慮して、高硬度材料mを必要最小部位にのみ使用する方が好適である。
このような構成はポンチaにおいても同様に採用されている。
しかしながら、このようにダイbの切刃部dの刃先部位つまりダイbの先端全面が高硬度材料で形成される構成では、上述したクリアランスCを均一化するためにダイbの外周部を削る際に、上記切刃部dの刃先部位を形成する高硬度材料も削る必要があるところ、この削り作業はその高硬度材料の硬さゆえに困難でかつ時間を要し、ダイbの位置を微調整作業を困難にしていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、硬度の異なる2種以上の材料から構成される成形型構成部品を備えるプレス打抜き成形型装置において、成形型構成部品であるポンチとダイのクリアランスの調整が容易かつ迅速に行える構造を備えたプレス打抜き成形型装置を提供することにある。
本発明のもう一つ他の目的とするところは、上記打抜き成形型構造において、接合部位の破壊分離を有効に防止するとともに、破壊分離した場合でも安全な構造を備える成形型構成部品を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明のプレス打抜き成形型装置は、ポンチおよびダイを被加工物の打抜き方向へ相対的に移動させて、被加工物を所定の輪郭形状に打抜きせん断加工するプレス打抜き成形型装置であって、上記ポンチおよびダイは、硬度の異なる2種以上の材料から構成される複合材料構造とされ、その先端部を構成する切刃部の少なくとも刃先部位が高硬度材料からなるとともに、この切刃部以外の部位が上記高硬度材料よりも硬度の低い低硬度材料からなり、上記ダイの切刃部において、上記刃先部位が上記高硬度材料により形成されるとともに、この刃先部位の外周が上記低硬度材料により囲繞形成されてなることを特徴とする。
ここに、「高硬度材料」および「低硬度材料」とは、硬度の異なる2種以上の材料から構成される複合材料構造における相対的な硬度の高低を示す意味で使用される用語であり、比較する材料の硬度について、相対的に高い硬度の材料を高硬度材料といい、相対的に低い硬度の材料を低硬度材料という(以下、明細書および特許請求の範囲において同様とする。)。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記ポンチは、上記ダイの刃先を有する打抜き成形穴に対応した断面輪郭形状を有して、この打抜き成形穴に挿通可能な上記切刃部と、この切刃部を保持する本体シャンク部とが一体接合されてなり、上記切刃部は、上記高硬度材料からなり、上記ダイの打抜き成形穴の刃先と協働する刃先と、上記低硬度材料からなり、上記本体シャンク部に接合される接合部とを備え、これら切刃部の接合部と上記本体シャンク部との接合部位は、少なくとも上記ポンチの切刃部の打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなる。
(2)上記切刃部の接合部と上記本体シャンク部の接合部位は、本体シャンク部における軸方向所定位置に設定されている。
(3)上記高硬度材料は、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素およびセラミックスのいずれか1つであり、上記低硬度材料は、超硬合金、セラミックスおよび上記高硬度材料よりも硬度の低い金属材料のいずれか1つである。
また、本発明の第1の成形型構成部品は、上記プレス打抜き成形型装置におけるポンチを構成するものであって、上記ダイの刃先を有する打抜き成形穴に対応した断面輪郭形状を有して、この打抜き成形穴に挿通可能な切刃部と、この切刃部を保持する本体シャンク部とが一体接合されてなり、上記切刃部は、上記高硬度材料からなり、上記ダイの打抜き成形穴の刃先と協働する刃先と、上記低硬度材料からなり、上記本体シャンク部に接合される接合部とを備え、これら切刃部の接合部と上記本体シャンク部との接合部位は、少なくとも上記ポンチの切刃部の打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記切刃部の接合部と上記本体シャンク部の接合部位は、本体シャンク部における軸方向所定位置に設定されている。
(2)上記高硬度材料は、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素およびセラミックスのいずれか1つであり、上記低硬度材料は、超硬合金、セラミックスおよび上記高硬度材料よりも硬度の低い金属材料のいずれか1つである。
さらに、本発明の第2の成形型構成部品は、上記プレス打抜き成形型装置におけるダイを構成するものであって、硬度の異なる2種以上の材料から構成される複合材料構造とされ、その先端部を構成する切刃部の少なくとも刃先部位が高硬度材料からなるとともに、この切刃部以外の部位が上記高硬度材料よりも硬度の低い低硬度材料からなり、上記切刃部において、上記刃先部位が上記高硬度材料により形成されるとともに、この刃先部位の外周が上記低硬度材料により囲繞形成されてなることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記低硬度材料からなる台金に、打抜き加工面を形成する上記切刃部が一体的に接合されてなり、上記切刃部は、上記高硬度材料からなり、上記ポンチの刃先と協働する刃先を有する打抜き成形穴が開設されてなる刃先プレートと、上記低硬度材料からなり、上記台金に接合される接合部とを備え、上記台金は、上記切刃部の外周部位が嵌合固定される切刃保持用凹部を備え、この台金の切刃保持用凹部に、上記切刃部の外周部位が嵌合固定されることにより、上記切刃部の刃先部位の外周が上記低硬度材料により囲繞形成されてなる。
(2)上記切刃部は、その外周輪郭形状が矩形とされるとともに、上記台金の切刃保持用凹部は、上記切刃部の矩形外周面の対向する2面を挟持状に位置決め嵌合保持する一対の保持枠を備え、上記台金の切刃保持用凹部に、上記切刃部の外周部位が嵌合固定されることにより、上記刃先部位の外周が上記低硬度材料により囲繞形成されてなる。
(3)上記切刃部は、その外周輪郭形状が矩形とされるとともに、上記台金の切刃保持用凹部は、上記切刃部の矩形外周面全周を位置決め嵌合保持する矩形環状の保持枠を備え、上記台金の切刃保持用凹部に、上記切刃部の外周部位が嵌合固定されることにより、上記刃先部位の外周が上記低硬度材料により囲繞形成されてなる。
(4)上記切刃部は、その外周輪郭形状が矩形とされるとともに、上記台金の切刃保持用凹部は、上記切刃部の矩形外周面の対向する2面をそれぞれ挟持状に位置決め保持する一対の保持枠を2組備え、上記台金の切刃保持用凹部に、上記切刃部の外周部位が嵌合固定されることにより、上記刃先部位の外周が上記低硬度材料により囲繞形成されてなる。
(5)上記台金に上記切刃部が一体的に接合されてなり、上記打抜き成形穴を通過する分割線に沿って少なくとも二つに分割されてなるダイ構成部材が一体的に組合せ接合されてなる分割構造を備える。
(6)上記高硬度材料は、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素およびセラミックスのいずれか1つであり、上記低硬度材料は、超硬合金、プラズマ焼結超硬合金、セラミックスおよび上記高硬度材料よりも硬度の低い金属材料のいずれか1つである。
(1)本発明のプレス打抜き成形型装置によれば、特にダイが硬度の異なる2種以上の材料から構成される複合材料構造とされるものにおいて、上記ダイの切刃部は、その刃先部位が高硬度材料により形成されるとともに、この刃先部位の外周が上記低硬度材料により囲繞形成されてなるから、ポンチとダイのクリアランスの調整が容易かつ迅速に行える構造を備えた打抜き成形型装置を提供することができる。
すなわち、ポンチとダイのクリアランスの微調整は、前述したように、ダイの側面外周部を削ったり、スペーサを用いることにより、ダイのポンチに対する相対的位置を変更(移動調整)させて行うところ、高硬度材料からなるダイの刃先部位の外周が低硬度材料により囲繞形成されてなるから、ダイの刃先部位に十分な硬度が確保されつつも、クリアランスの微調整時に削られるダイの側面外周部全体は、切削ないしは研削加工が容易な低硬度材料で形成されており、微調整作業を容易かつ迅速に行える。
(2)また、上記ダイの切刃部において、上記刃先部位が高硬度材料として単結晶ダイヤモンドまたは多結晶ダイヤモンド等のダイヤモンドが使用される場合、このダイヤモンドからなる刃先部位の外周が上記低硬度材料により囲繞形成される構成とされていることにより、高価な材料であるダイヤモンドの使用量が従来に比較して少なくて済み、材料コストさらには製品コストの低減化が図れる。この効果は、上記刃先部位がダイヤモンド以外の高硬度材料においても同様である。
(4)また、低硬度材料からなる台金に、打抜き加工面を形成する切刃部が一体的に接合されてなる接合構造において、上記切刃部は、高硬度材料からなり、上記ポンチの刃先と協働する刃先を有する打抜き成形穴が開設されてなる刃先プレートと、上記低硬度材料からなり、上記台金に接合される接合部とを備えるとともに、上記台金が上記切刃部の外周部位が嵌合固定される切刃保持用凹部を備え、この台金の切刃保持用凹部に、上記切刃部の外周部位が嵌合固定される構造とされることにより、台金と切刃部の接合構造が従来のような一面接合ではなく、複数面接合となり、両者のより強固な接合強度を得ることができる。
(5)上記ポンチは、上記ダイの打抜き成形穴に対応した断面輪郭形状を有して、この打抜き成形穴に挿通可能な上記切刃部と、この切刃部を保持する本体シャンク部とが一体接合されてなり、これら切刃部の接合部と本体シャンク部との接合部位が、少なくとも上記ポンチの切刃部の打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなることにより、上記接合部位の破壊分離が有効に防止されるとともに、たとえ破壊分離した場合でもポンチの切刃部の落下が有効に防止される。
すなわち、上記ポンチの切刃部と本体シャンク部との接合部位が、少なくともポンチの切刃部の打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなることにより、例えば、上記接合部位が本体シャンク部における軸方向所定位置に設定されていることにより、上記接合部位のロー付け等の接着手段による接合固定効果を大きくすることができ、これによりこの接合部位の破壊分離を有効に防止することができる。また、上記接合部位の断面輪郭形状寸法が、少なくともポンチの切刃部の打抜き断面輪郭形状よりも大きく設定されているので、たとえ上記接合部位が破壊分離しても、この接合部位がストリッパのガイド穴に落下掛止するので、ポンチの切刃部の上成形型からの落下が有効に防止されて、不測の事故発生を未然に防止することができる。
本発明の実施形態1であるプレス打抜き成形型装置の概略構成を示す正面断面図で、打抜き工程開始時の状態を示している。 同じく同プレス打抜き成形型装置の概略構成を示す正面断面図で、打抜き工程完了時の状態を示している。 同プレス打抜き成形型装置の成形型構成部品であるポンチと可動ストリッパのガイド穴との関係を示す図1におけるA−A線に沿った断面図である。 同プレス打抜き成形型装置の成形型構成部品であるダイを示す斜視図である。 同じく同ダイを示す平面図である。 同ダイの製造工程を説明するための工程説明図である。 同プレス打抜き成形型装置における成形型のクリアランスを微調整する方法を説明するための概略正面断面図である。 本発明の実施形態2であるプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品であるダイを示す斜視図である。 同じく同ダイを示す平面図である。 本発明の実施形態3であるプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品であるダイを示す斜視図である。 同じく同ダイを示す平面図である。 従来のプレス打抜き成形型装置を示し、図12(a)は同プレス打抜き成形型装置の図1に対応する正面断面図、図12(a)は同じく同プレス打抜き成形型装置の成形型構成部品であるダイを示す斜視図である。 プレス打抜きにおける加工メカニズムを説明するための工程図である。 プレス打抜きにおける成形型のクリアランスの大きさと、この成型形によりせん断された被加工材の切口面との関係を示すための同切口面の拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
実施形態1
本発明に係るプレス打抜き成形型装置を図1〜図7に示し、この装置は、具体的には、長尺な帯状体の被加工材Wを成形型の加工ステージ上で順送りしながらプレス打抜き加工により所定形状に成形するプレス機の加工部を構成するもので、ポンチ(またはパンチ)5を主要部として備える上型1と、ダイ6を主要部として備える下型2とからなる成形型構造を備えている。
上型1は、第1の成形型構成部品として上記ポンチ5を備えてなり、このポンチ5は、プレス機の昇降動作するスライド(図示省略)に固定されたダイセットのポンチホルダ(図示省略)に装着されている。具体的には、ポンチ5は、ポンチプレート7を介して上記ポンチホルダに固定されている。8はポンチにかかる荷重を受け止めて負担するバッキングプレートを示している。また、上型1には、弾発スプリング9、9によるクッション付きの可動ストリッパ10が設けられており、この可動ストリッパ10は、ポンチ5から打抜き製品や切り屑を引き離すとともに、打抜き時に被加工材Wを押えたり、ポンチ5の切刃部15をガイドする機能を兼備する。
ポンチ5は、硬度の異なる2種以上の材料から構成される複合材料構造とされ、基本的には、ポンチ5の先端部を構成する切刃部15の少なくとも刃先15a部位が高硬度材料からなるとともに、この切刃部15以外の部位が上記高硬度材料よりも硬度の低い低硬度材料からなる。
また、これら2種の材料、つまり刃先15a部位を構成する上記高硬度材料とその他の部位を構成する上記低硬度材料について、これら両材料の熱膨張率が大きく異なる場合や、これら両材料の接合面積が大きい場合には、両材料部位の接合後の冷却工程に生じる収縮量の差異により、その接合部位が破壊する場合もある。このような2種の材料の接合部位の現象を防ぐためには、具体的には図示しないが、これら両材料の中間位置に両材料の中間値の熱膨張率を有する銅などの金属材料からなる板材を挿入介在させて、上記高硬度材料部位と低硬度材料部位を接合するのが好適である。
上記高硬度材料としては、単結晶ダイヤモンド(Single crystal Diamond)、多結晶ダイヤモンド(PCD:Polycrystalline Diamond)、立方晶窒化硼素(CBN:Cubic Boron Nitride)、炭化珪素およびセラミックス等が好適に使用され、また上記低硬度材料としては、超硬合金(Cemented Carbide)またはセラミックス等が好適に使用されている。
このような複合材料構造がポンチ5の材料構成として採用されるのは、近年、被加工材Wの硬質化が進んでいることに対応したものである。すなわち、被加工材Wの硬質化と、これを考慮した成形型のメンテナンス工数削減の必要性から、その成形型構成部品であるポンチ5およびダイ6の高硬度化も進んでおり、この結果、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンドあるいは立方晶窒化硼素等が、超硬合金、プラズマ焼結超硬合金あるいはセラミックス等以上の高硬度材料として実用化されている。
ちなみに、高硬度材料の典型例としては、上記のごとく単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素、およびセラミックスの3つの材料があるところ、単結晶ダイヤモンドや非導電性セラミックスについては、非導電材料であるためワイヤーカット放電や、型彫放電では溝等の加工が困難であるのに対して、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素あるいは導電性セラミックスについては、導電材料を混入して製作することにより導電性を付与し、ワイヤーカット放電や、型彫放電による溝等の加工が可能であるという特徴があり、実際のポンチ5の製作に際しては、これら材料の特徴を生かして最適な材料が選択採用される。
図示の実施形態のポンチ5は、切刃部15と本体シャンク部16とが一体接合されてなる構造を備える。
切刃部15は、上記ダイ6の打抜き成形穴30に対応した断面輪郭形状を有して、この打抜き成形穴30に挿通可能な形状寸法とされ、具体的には、切刃部15は、チップ状の刃先15aと、この刃先15aを上記本体シャンク部16に接合する接合部15bとを備えてなる。図示の実施形態の切刃部15の刃先15aの断面輪郭形状は、図3に示すダイ6の打抜き成形穴30に対応した略正方形とされている。
刃先15aは、後述するダイ6の打抜き成形穴30の切刃25aと協働して、被加工材Wをせん断加工する部位で、上記高硬度材料から形成されている。刃先15aの構成材料としては、上述した単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素およびセラミックスのいずれか1つが好適に使用され、図示のものにおいては、ワイヤーカット放電等による加工が比較的容易な多結晶ダイヤモンド、より具体的には焼結ダイヤモンドが用いられている。
接合部15bは、本体シャンク部16との接合固定性を確保する目的から、後述する本体シャンク部16の構成材料と同様な低硬度材料から形成されている。この接合部15bを構成する低硬度材料としては、上述した超硬合金、セラミックスおよび高硬度材料よりも硬度の低い金属材料のいずれか1つが好適に使用され、図示のものにおいては、後述する本体シャンク部16の構成材料と同じ超硬合金が用いられている。
実際は、これら刃先15aと接合部15bからなる切刃部15は、焼結形成時に一体ものとして製作された後、この一体ものの切刃部15が上記本体シャンク部16に一体的に接合され、最後に、この接合一体化されたポンチ5の原型が取付け対象となる成形型装置に応じて所定の形状寸法に切削形成される。
また、上記切刃部15の接合部15bと上記本体シャンク部16との接合構造は、本発明の特徴点の一つであり、これら両部15b、16の接合部位17つまり接合部15bの接合端が、図1および図2に示すように、少なくとも上記切刃15aの打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなる。この点についてはさらに後で詳述する。
本体シャンク部16は、上記切刃部15を保持する切刃保持部として機能するとともに、上記成形型装置のポンチプレート7に装着固定される装着部として機能するものである。本体シャンク部16は、これら両機能を担保する目的から、図1および図2に示すように、切刃部15よりも太く、換言すれば、上記切刃部15の断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状を有する。また、この本体シャンク部16から上記切刃部15に続く部位は、切刃部15に向けて徐々に細くなるように、緩やかに連続した円曲線を描く側面輪郭形状を有している。
本体シャンク部16は上記低硬度材料からなり、好適には、上述した超硬合金、セラミックスおよび高硬度材料よりも硬度の低い金属材料のいずれか1つが構成材料として使用され、図示の実施形態においては、上述したように、切刃部15の接合部15bの構成材料と同じ超硬合金が用いられている。
また、上述したように、切刃部15の接合部15bと本体シャンク部16との接合部位17は、少なくとも上記ポンチ5の切刃部15の打抜き断面輪郭形状つまり刃先15aの断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなる。
図示の実施形態においては、上記切刃部15の接合部15bと本体シャンク部16の接合部位17は、図1および図2に示すように、本体シャンク部16における軸方向所定位置に設定されている。つまり、上記切刃部15の接合部15bが本体シャンク部16の先端部分(図1および図2において下端部分)の一部を構成している。これにより、切刃部15の接合部15bと本体シャンク部16の接合部17と、可動ストリッパ10のガイド穴10aとの断面輪郭形状の大きさは、図3に示すような関係となり、つまり、切刃部15と本体シャンク部6の接合部位17が、少なくとも上記切刃部15の打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有することとなる。
このような構成とされることにより、ポンチ5における切刃部15と本体シャンク部6の接合部位17に、ロウ付けや強力接着剤のような接着手段による十分な接合固定力を確保できるとともに、この接合部位17のロウ付けや強力接着剤等が外れたり破壊されて、切刃部15が本体シャンク部16から分離落下しても、可動ストリッパ10のガイド穴10aに引っ掛かって、落下することがない。
すなわち、従来のこの種の成形型装置においても、図12(a)に示すように、ポンチaの切刃部cが、高硬度材料の刃先oと低硬度材料の接合部pで構成される複合材料構造であるところ、接合部pは必要最小限の接合機能を有する範囲で小さく設定されている。したがって、従来のポンチaにおける切刃部cと本体シャンク部qの接合部位rは、図示のごとく切刃部cの打抜き断面輪郭形状と同一またはほぼ同一の断面輪郭形状寸法とされている。
これら切刃部cと本体シャンク部qの接合部位rは、ロウ付けや強力接着剤による接着などの適宜の接着手段により接合固定されるところ、上記のように切刃部cの打抜き断面輪郭形状と同一またはほぼ同一の断面輪郭形状寸法で規定される接合断面積では、上記接着手段による接合固定力が不十分となる場合もあり、これがため、打抜き加工中にこの接合部位rのロウ付けや強力接着剤等が外れたり破壊されて、その接着固定状態が解除され、この結果、上記切刃部cが可動ストリッパsのガイド穴tを通過して落下してしまい、成形型装置が故障したり、作業者に怪我を負わせたりするという危険があった。
これに対して、本発明のように、ポンチ5における切刃部15と本体シャンク部6の接合部位17が、図3に示すように、少なくとも上記切刃部15の打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなることにより、ロウ付けや強力接着剤による接着などによる接合固定面として大きな面積を確保することができ、これら接着手段による十分な接合固定力を確保できるとともに、万が一、打抜き加工中に何らかの原因により、この接合部位17のロウ付けや強力接着剤等が外れたり破壊されて、その接着固定状態が解除されても、本体シャンク部16から分離落下する切刃部15は可動ストリッパ10のガイド穴10aに引っ掛かって保持されるため、落下することがなく、成形型装置の故障や作業者に怪我を負わせるといった危険が有効防止され得る。
本実施形態においては、上記接合固定力および落下危険防止のほか、実施現場における実際の製造上の便宜等をも考慮して、上述のごとく、上記切刃部15の接合部15bと本体シャンク部16との接合部位17が本体シャンク部16における軸方向所定位置に設定されている。
下型2は、第2の成形型構成部品として上記ダイ6を備えてなり、このダイ6は、プレス機のベッドに固定的に設けられたボルスタ(図示省略)に固定されたダイセットのダイホルダ(図示省略)に装着されている。具体的には、ダイ6は、ダイプレート20を介して上記ダイホルダに固定されている。
ダイ6は、ポンチ5と同様、硬度の異なる2種以上の材料から構成される複合材料構造とされ、基本的には、ダイ6の先端部の打抜き加工面を形成する切刃部25の少なくとも刃先30a部位が高硬度材料からなるとともに、この切刃部25以外の部位が上記高硬度材料よりも硬度の低い低硬度材料からなる。
また、上述したポンチ5の場合と同様に、これら2種の材料、つまり刃先30a部位を構成する上記高硬度材料とその他の部位を構成する上記低硬度材料について、これら両材料の熱膨張率が大きく異なる場合や、これら両材料の接合面積が大きい場合には、具体的には図示しないが、これら両材料の中間位置に両材料の中間値の熱膨張率を有する銅などの金属材料からなる板材を挿入介在させて、上記高硬度材料部位と低硬度材料部位を接合するのが好適である。
これらダイ6の構成材料も上述したポンチ5の場合と同様で、上記高硬度材料としては、単結晶ダイヤモンド(Single crystal Diamond)、多結晶ダイヤモンド(PCD:Polycrystalline Diamond)、立方晶窒化硼素(CBN:Cubic Boron Nitride)、炭化珪素またはセラミックス等が好適に使用され、また上記低硬度材料としては、超硬合金(Cemented Carbide)、セラミックスまたは上記高硬度材料よりも硬度の低い金属材料等が好適に使用されている。
図示の実施形態のダイ6は、切刃部25と台金26とが一体接合されてなる構造を備える。
切刃部25は、上述したように、ポンチ5の切刃部15に対応した断面輪郭形状を有する打抜き成形穴30を有して、この成形穴30に上記ポンチ5が打抜き方向(図示の場合は上下垂直方向)に挿通可能とされている。具体的には、上記切刃部25は、薄板状の刃先プレート25aと、この刃先プレート25aを上記台金26に接合する接合部25bとを備え、これら刃先プレート25aと接合部25bに上記成形穴30が上記打抜き方向へ貫設されてなるとともに、上記刃先プレート25aにおける成形穴30の内径縁30aが上記ポンチ5の刃先15aと協働する刃先とされている。
刃先プレート25aの構成材料としては、上述した単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素およびセラミックスのいずれか1つが好適に使用され、図示のものにおいては、ワイヤーカット放電等による加工が比較的容易な多結晶ダイヤモンド、より具体的には焼結ダイヤモンドが用いられている。
接合部25bは、台金26との接合固定性を確保する目的から、後述する台金26の構成材料と同様な低硬度材料から形成されている。この接合部25bを構成する低硬度材料としては、上述した超硬合金、セラミックスまたは上記高硬度材料よりも硬度の低い金属材料のいずれか1つが好適に使用され、図示のものにおいては、後述する台金26の構成材料と同じ超硬合金が用いられている。
実際は、これら刃先プレート25aと接合部15bからなる切刃部25は、焼結形成時に一体ものとして製作された後、この一体ものの切刃部25が上記台金26に一体的に接合され、最後に、この接合一体化されたダイ6の原型が取付け対象となる成形型装置に応じて所定の形状寸法に切削形成される。
すなわち、図示の実施形態においては、刃先プレート25aが上述のごとく焼結ダイヤモンドからなることから、台金26の構成材料と同様な低硬度材料からなる接合部25bが、焼結形成時に一体成形されて、切刃部25が複合材料プレートの形態とされ、これにより、後述する台金26との強固な接合固定性が確保されている。
また、上記切刃部25と上記台金26との接合構造は、本発明の特徴点の一つであり、図3に示すように、上記切刃部25において、刃先30a部位が上記高硬度材料により形成されるとともに、この刃先30a部位の外周が上記低硬度材料により囲繞形成されてなる。この点についてはさらに後で詳述する。
台金26は、上記切刃部25を保持する切刃保持部として機能するとともに、図1および図2に示すように、上記成形型装置のダイプレート20に装着固定される装着部として機能するものであり、ダイプレート20の装着凹部20aの内径形状に対応した略立方体形状に形成され、この装着凹部20aに密嵌状に嵌合固定される構造とされている(図4参照)。
台金26は上記低硬度材料からなり、好適には、上述した超硬合金、セラミックスおよび上記高硬度材料よりも硬度の低い金属材料のいずれか1つが構成材料として使用され、図示の実施形態においては、上述したように、切刃部25の接合部25bの構成材料と同じ超硬合金が用いられている。
台金26には切刃保持用凹部31が設けられており、この切刃保持用凹部31に、上記切刃部25の側部外周部位が嵌合されるとともに、ロウ付けや強力接着剤による接着等により固定されることで(図示の実施形態においてはロウ付けによる)、切刃部25と台金26が一体接合される構造とされている。
そして、この切刃部25と台金26の一体接合状態において、高硬度材料からなる刃先30a部位の側部外周が低硬度材料により囲繞形成されてなる。図示の実施形態においては、図5に示すように、平面に見て、上記切刃部25の刃先プレート25aの側部外周が低硬度材料からなる台金26により囲繞形成されてなる。このような構成とされることにより、後述するポンチ5とダイ6のクリアランスC(C1、C2)の調整の容易性と迅速性が確保され得る。
具体的には、図3に示すように、切刃部25は、その外周輪郭形状が矩形、より具体的には略正方形の外周輪郭形状を有する平板部材として形成されている。一方、台金26の切刃保持用凹部31は、この切刃部25の矩形外周面の対向する2面を挟持状に位置決めして嵌合保持する一対の保持枠32、32を備えて構成されている。そして、これら一対の保持枠32、32間に、上記切刃部25の対向する二辺の外周部位が嵌合配置されるとともに、両者の接合面部位がロウ付けにより固定されることにより、上記切刃部25の刃先プレート25aの側部外周が低硬度材料からなる台金26により囲繞形成されている。
なお、上記切刃保持用凹部31を構成する一対の保持枠32、32は、(1)精密成形型を構成するダイ6の仕上精度を確保する目的から、上記切刃部25を高精度に位置決め配置する位置決め機能、(2)切刃部25との接合面積を増加させることにより、ロウ付け等による十分な固定力を確保する機能、および(3)ポンチ5とダイ6のクリアランスC(C1、C2)の調整の容易性と迅速性を確保する機能を兼備する。
また、図示の実施形態のダイ6は、図4および図5に示すように、打抜き成形穴30を通過する分割線(分割平面)35に沿って少なくとも二つに分割されてなるダイ構成部材106、106(図示の場合は2分割構造)が一体的に組合せ接合されてなる分割構造を備える。このような分割構造とすることにより、上記台金26の打抜き成形穴30の刃先30aおよび内径面30bならびに保持枠32、32の嵌合支持面32a、32aについて、研削盤等による精密仕上加工が可能となり、精密成形型として仕上精度を確保することが可能となる。
このような分割構造のダイ6の製作方法は以下のとおりである(図6参照)。
A.ダイ構成部材106の製作:
(i)図6(a)に示すように予め矩形の外周輪郭形状に切断形成された複合材料プレート40(図示の場合は、刃先プレート25aを構成する多結晶ダイヤモンドと接合部25bを構成する超硬合金からなる。)から、切刃部25を構成する切刃部構成部材125(図示の場合は、切刃部25の2分割された外周輪郭形状を有する。)が切断形成される(図6(b)参照)。
または、上記複合材料プレート40が、上記切刃部構成部材125のほぼ輪郭形状寸法(外形状)となるまで切削形成される。
(ii)図6(c)に示すように、台金26を構成する低硬度材料(図示の場合は、超硬合金)からなる台金構成部材126(図示の場合は、台金26の2分割された外形状を有する。)が切削形成する。
この場合、台金構成部材126の一対の保持枠部132、132(図示の場合は、保持枠32の2分割された外形状を有する。)の接合面132a、132a等、高い仕上精度が要求される部位については、研削盤等により精密仕上加工が施される。
(iii)上記(i)で製作した切刃部構成部材125が、(ii)で製作した台金構成部材126の一対の保持枠部132、132(図示の場合は、保持枠32の2分割された外形状を有する。)間に位置決めして嵌合配置されるとともに、両者の接合面部位がロウ付けにより一体固定されることにより、ダイ6を構成するダイ構成部材106(図示の場合は、ダイ6の2分割された外形状を有する。)が完成する。
この場合、ダイ構成部材106の打抜き成形穴30の内径面30bとなる部位等の高い仕上精度が要求される部位については、研削盤等により精密仕上加工が施される。このようなダイ構成部材106を2つ製作する(図6(d)参照)。
B.ダイ構成部材106、36の一体接合:
上記(iii)で製作した2つのダイ構成部材106、106を、その分割平面35、35同士を当接させて、ロウ付けや強力接着剤による接着等により固定することで(図示の実施形態においてはロウ付けによる)、上記切刃部25の刃先プレート25aの側部外周が低硬度材料からなる台金26により囲繞形成されてなるダイ6が完成する(図6(e)、図3参照)。
以上のように構成されたポンチ5およびダイ6は、図1および2に示すように、プレス打抜き成形型装置の上型1および下型2の成形型構成部品としてそれぞれ装着されて、プレス機の加工部を構成する。
ところで、図14を参照して前述したように、加工対象である被加工材Wのせん断された切口面(e、f、h)は、ポンチ5とダイ6の隙間つまりクリアランスC(C1、C2)の適正如何によって大きな影響を受け、またクリアランスCは製品精度や成形型1、2の寿命などにも大きく関与する。
したがって、上記クリアランスCは、ポンチ5およびダイ6の装着時において、被加工材Wの材質や厚さ、あるいは加工条件などを考慮して適切な値に、かつ、ポンチ5とダイ6の全周にわたり(例えば、図13(a)において、紙面に対し左右横方向のクリアランスC1、C2および紙面に対し前後直交方向のクリアランス(図示せず))均一に設定することにより(C1=C2)、被加工材Wのせん断された切口面(e、f、h)が図14(a)に示される状態が確保できるようにしている。
この場合、ポンチ5は、プレス打抜きにおける狙い寸法を決定するため、一旦成形型装置に組み込まれて位置決めされると、その後は、製品寸法に影響が出るため固定されたまま位置変更されないことから、クリアランスCは、ダイ6のポンチ5に対する相対的位置(ポンチ5の打抜き方向(図示の実施形態においては垂直上下方向)に対して垂直な方向(図示の実施形態においては水平方向)の相対的位置)を変更させることで、全周にわたり均一な所定値となるように微調整する。
具体的には、このクリアランスCの微調整は、図1および図2に示すように、ダイ6が装着されるダイプレート20の装着凹部20aに対して、ダイ6の嵌合固定位置を微調整することで行われる。
すなわち、例えば、図7において、ポンチ5とダイ6の左右横方向のクリアランスC1、C2を微調整する場合、向かって左側のクリアランスC1が右側のクリアランスC2よりも大きいとすると、下記の計算式からダイ6の移動調整量βを算出し、この移動調整量βと同一幅寸法だけダイ6の右側部位6bを切除するとともに、移動調整量βと同一幅寸法のスペーサSをダイ6の左側面6aとダイプレート20の装着凹部20aの内側面との間に介装させた状態で、ダイ6を上記装着凹部20a内に嵌合配置することで、ポンチ5とダイ6の左右横方向のクリアランスCを均一な所定値に設定する。
β=C1−(C1+C2)/2
なお、これに関連して、切刃部25の刃先プレート25aの側部外周を囲繞する低硬度材料からなる台金26の囲繞幅αは、上記ダイ6の移動調整量βを考慮して、α≧βとなるように設定される。
以上の微調整を、ポンチ5とダイ6の全周にわたって行うことで、ポンチ5およびダイ6の全周にわたり均一なクリアランスC(所定値)が設定され、被加工材Wのせん断された切口面(e、f、h)が図14(a)に示される状態が確保される。なお、図示の実施形態においては、ダイ6および上記装着凹部20aの平面外周輪郭形状が矩形であることから、上記微調整は、図13(a)、図1および図2において、紙面に対し左右横方向のクリアランスC1、C2に加えて、紙面に対し前後直交方向のクリアランス(図示せず))を均一に設定することになる。
しかして、以上のように構成されたプレス打抜き成形型装置において、成形型の加工ステージ上で順送りされる被加工材Wを、上記ポンチ5およびダイ6の被加工物Wの打抜き方向への相対的移動により(図示の実施形態においてはポンチ5が垂直上下方向へ移動することにより)、図13に示す加工メカニズムをもって所定の輪郭形状に打抜きせん断加工する。打抜かれた被加工物Wからの抜きかす4は、ダイ6の打抜き成形穴30から成形スクラップ排出穴50を介して成形型装置外部へ排出される。
以上のように構成された本実施形態のプレス打抜き成形型装置によれば、特にダイ6が硬度の異なる2種以上の材料から構成される複合材料構造とされるものにおいて、上記ダイ6の切刃部25は、その刃先30aを備える刃先プレート25aが高硬度材料により形成されるとともに、この刃先プレート25aの外周が低硬度材料からなる台金26により囲繞形成されてなるから、ポンチ5とダイ6のクリアランスCの調整が容易かつ迅速に行える。
すなわち、ポンチ5とダイ6のクリアランスCの微調整は、上述したように、ダイ6の側面外周部を削ったり、スペーサSを用いることにより、ダイ6のポンチ5に対する相対的位置を変更(移動調整)させて行うところ、高硬度材料からなるダイ6の刃先プレート25aの外周が低硬度材料からなる台金26により囲繞形成されてなるから、ダイ6の刃先30a部位に十分な硬度が確保されつつも、クリアランスCの微調整時に削られるダイ6の側面外周部全体は、切削ないしは研削加工が容易な低硬度材料で形成されており、微調整作業を容易かつ迅速に行える。
また、上記ダイ6の切刃部25において、上記刃先30aを備える刃先プレート25aが高硬度材料として多結晶ダイヤモンド等のダイヤモンドが使用される場合、このダイヤモンドからなる刃先プレート25aの外周が低硬度材料からなる台金26により囲繞形成される構成とされていることにより、高価な材料であるダイヤモンドの使用量が従来に比較して少なくて済み、材料コストさらには製品コストの低減化が図れる。
さらに、低硬度材料からなる台金26に、打抜き加工面を形成する切刃部25が一体的に接合されてなる接合構造において、この切刃部25が、高硬度材料からなり、上記ポンチ5の刃先15aと協働する刃先30aを有する打抜き成形穴30が開設されてなる刃先プレート25aと、低硬度材料からなり、上記台金26に接合される接合部25bとを備えるとともに、上記台金26が上記切刃部25の外周部位が嵌合固定される切刃保持用凹部31を備え、この切刃保持用凹部31に、上記切刃部25の外周部位が嵌合固定される構造とされることにより、台金26と切刃部25の接合構造が従来のような一面接合ではなく、複数面接合となり、両者のより強固な接合強度を得ることができる。
また、上記ポンチ5は、上記ダイ6の打抜き成形穴30に対応した断面輪郭形状を有して、この打抜き成形穴30に挿通可能な切刃部15と、この切刃部15を保持する本体シャンク部16とが一体接合されてなり、これら切刃部15の接合部15bと本体シャンク部16との接合部位17が、少なくとも上記ポンチ5の切刃部15の打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなることにより、上記接合部位17の破壊分離が有効に防止されるとともに、たとえ破壊分離した場合でもポンチ5の切刃部15の落下が有効に防止される。
すなわち、上記ポンチ5の切刃部15と本体シャンク部16との接合部位17が、少なくともポンチ5の切刃部15の打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなることにより、具体的には、上記接合部位17が本体シャンク部16における軸方向所定位置に設定されていることにより、この接合部位17のロー付け等の接着手段による接合固定効果を大きくすることができ、これにより、この接合部位17の破壊分離を有効に防止することができる。
また、上記接合部位17の断面輪郭形状寸法が、少なくともポンチ5の切刃15aの打抜き断面輪郭形状よりも大きく設定されているので、たとえ上記接合部位17が破壊分離しても、この接合部位17が可動ストリッパ10のガイド穴10aに落下掛止するので、ポンチ5の切刃部15の上型1からの落下が有効に防止されて、不測の事故発生を未然に防止することができる。
実施形態2
本実施形態は図8および図9に示されており、実施形態1における第2の成形型構成部品であるダイ6の構成、具体的には、台金26の切刃保持用凹部31の具体的構成が改変されたものである。
すなわち、本実施形態のダイ6において、切刃部25は実施形態1と同一構成を備えるとともに、この切刃部25を嵌合保持する台金26の切刃保持用凹部31が、切刃部25の矩形外周面全周を抱持状に位置決め嵌合保持する構成とされている。
具体的には、上記切刃保持用凹部31は、図9に示すように、切刃部25の矩形外周面全周を位置決め嵌合保持する矩形環状の保持枠232を備えて構成され、この保持枠232内に、上記切刃部25の外周部位つまり側部外周面が全周にわたって嵌合配置されるとともに、両者132、25の接合面部位がロウ付けにより固定されている。
換言すれば、台金26の切刃保持用凹部31に、切刃部25の外周部位が全周にわたって嵌合固定されることにより、切刃部25の刃先30a部位の外周が上記低硬度材料からなる台金26により囲繞形成されている。
なお、本実施形態における矩形環状の保持枠232は、実施形態1の一対の保持枠32、32が備える(1)〜(3)の機能を同様に兼備する。
また、本実施形態のダイ6も、図示されるように、実施形態1のダイ6と同様、打抜き成形穴30を通過する分割線(分割平面)135に沿って少なくとも二つに分割されてなるダイ構成部材206、206(図示の場合は2分割構造)が一体的に組合せ接合されてなる分割構造を備え、これにより、台金26の打抜き成形穴30の刃先30aおよび内径面30bならびに保持枠232の嵌合支持面232aについて、研削盤等による精密仕上加工が可能となり、精密成形型として仕上精度を確保することが可能となる。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態3
本実施形態は図10および図11に示されており、実施形態2と同様、実施形態1における第2の成形型構成部品であるダイ6の構成、具体的には、台金26の切刃保持用凹部31の具体的構成が改変されたものである。
すなわち、本実施形態のダイ6において、切刃部25は実施形態1と同一構成を備えるとともに、この切刃部25を嵌合保持する台金26の切刃保持用凹部31が、図11に示すように、切刃部25の矩形外周面の対向する2面をそれぞれ挟持状に位置決めして嵌合保持する一対の保持枠332、332を2組備えて構成されている。
そして、これら2組の一対の保持枠332、332および332、332間に、上記切刃部25の外周部位が嵌合配置されるとともに、両者332、332、…、25の接合面部位がロウ付けにより固定されることにより、切刃部25の刃先30a部位の外周、つまり刃先プレート25aの側部外周が低硬度材料からなる台金26により囲繞形成されている。
なお、本実施形態における2組の一対の矩形環状の保持枠332、332、…は、実施形態1の一対の保持枠32、32が備える(1)〜(3)の機能を同様に兼備する。
また、本実施形態のダイ6も、図示されるように、実施形態1のダイ6と同様、打抜き成形穴30を通過する分割線(分割平面)235に沿って少なくとも二つに分割されてなるダイ構成部材306、306(図示の場合は2分割構造)が一体的に組合せ接合されてなる分割構造を備え、これにより、台金26の打抜き成形穴30の刃先30aおよび内径面30bならびに保持枠332、332、…の嵌合支持面332a、332a、…について、研削盤等による精密仕上加工が可能となり、精密成形型として仕上精度を確保することが可能となる。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1〜3はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲において種々の設計変更が可能である。
一例として、上述した第2の成形型構成部品であるダイ6の具体的構成、特に、台金26と切刃部25の嵌合固定構造は、切刃部25の刃先30a部位の外周が低硬度材料により囲繞形成されてなる構成を備える限り、実施形態1〜3に限定されることなく、他の嵌合固定構造に改変可能である。
また、実施形態1〜3のダイ6はいずれも2分割構造とされているが、分割数は目的に応じて適宜増加可能である。
さらに、ダイ6は高精度化のためには実施形態1〜3のように分割構造とされることが望ましいが、比較的高い精度が要求されない場合など、目的に応じて単体構造とされても良い。
また、第1の成形型構成部品であるポンチ5の構成も、図示のものに限定されず、同様の構成、特に接合部位17の構成を備える限り、目的に応じて種々の変更が可能である。
さらに、本発明は、プレス打抜き成形型装置に限定されることなく、他の技術分野のさまざまな用途に適用可能であり、その一例として、工作機械の切削工具への適用例を以下に述べる。
すなわち、微細で精密な凹凸形状の加工において、被加工材(ワーク)のコーナのR部の寸法を可及的に最小化するために、微細で高硬度の切削工具が好適に使用される。この種の切削工具の一般的な基本構成は、刃先が微細で高硬度の材料で構成される一方、工作機械に把持される大径のシャンク部分が低硬度材料で製作されるところ、これら高硬度材料と低硬度材料の接合部も、より強固な接合面積と強度を得るために、本発明の第1の成形型構成部品であるポンチ5と同様に、大径のシャンク部分で行うのが効果的である。
W 被加工材
5 ポンチ
6 ダイ
7 ポンチプレート
8 バッキングプレート
10 可動ストリッパ
10a 可動ストリッパのガイド穴
15 ポンチの切刃部
15a ポンチの刃先
15b ポンチの接合部
16 ポンチの本体シャンク部
17 切刃部の接合部と本体シャンク部の接合部位
20 ダイプレート
20a ダイプレートの装着凹部
25 ダイの切刃部
25a ダイの切刃部の刃先プレート
25b ダイの切刃部の接合部
26 ダイの台金
30 ダイの打抜き成形穴
30a ダイの刃先
31 切刃保持用凹部
32 保持枠
32a 嵌合支持面
35 分割線(分割平面)
106 ダイ構成部材
125 切刃部構成部材
126 台金構成部材
135 分割線(分割平面)
206 ダイ構成部材
232 保持枠
232a 嵌合支持面
235 分割線(分割平面)
306 ダイ構成部材
332 保持枠
332a 嵌合支持面
C、C1、C2 クリアランス
S スペーサ

Claims (14)

  1. ポンチおよびダイを被加工物の打抜き方向へ相対的に移動させて、被加工物を所定の輪郭形状に打抜きせん断加工するプレス打抜き成形型装置であって、
    前記ポンチおよびダイは、硬度の異なる2種以上の材料から構成される複合材料構造とされ、その先端部を構成する切刃部の少なくとも刃先部位が高硬度材料からなるとともに、この切刃部以外の部位が前記高硬度材料よりも硬度の低い低硬度材料からなり、
    前記ダイの切刃部において、前記刃先部位が前記高硬度材料により形成されるとともに、この刃先部位の外周が前記低硬度材料により囲繞形成されてなる
    ことを特徴とするプレス打抜き成形型装置。
  2. 前記ポンチは、前記ダイの刃先を有する打抜き成形穴に対応した断面輪郭形状を有して、この打抜き成形穴に挿通可能な前記切刃部と、この切刃部を保持する本体シャンク部とが一体接合されてなり、
    前記切刃部は、前記高硬度材料からなり、前記ダイの打抜き成形穴の刃先と協働する刃先と、前記低硬度材料からなり、前記本体シャンク部に接合される接合部とを備え、
    これら切刃部の接合部と前記本体シャンク部との接合部位は、少なくとも前記ポンチの切刃部の打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス打抜き成形型装置。
  3. 前記切刃部の接合部と前記本体シャンク部の接合部位は、本体シャンク部における軸方向所定位置に設定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のプレス打抜き成形型装置。
  4. 前記高硬度材料は、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素およびセラミックスのいずれか1つであり、
    前記低硬度材料は、超硬合金、セラミックスおよび前記高硬度材料よりも硬度の低い金属材料のいずれか1つである
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のプレス打抜き成形型装置。
  5. ポンチおよびダイを被加工物の打抜き方向へ相対的に移動させて、被加工物を所定の輪郭形状に打抜きせん断加工するプレス打抜き成形型装置において、前記ポンチを構成する成形型構成部品であって、
    前記ダイの刃先を有する打抜き成形穴に対応した断面輪郭形状を有して、この打抜き成形穴に挿通可能な切刃部と、この切刃部を保持する本体シャンク部とが一体接合されてなり、
    前記切刃部は、前記高硬度材料からなり、前記ダイの打抜き成形穴の刃先と協働する刃先と、前記低硬度材料からなり、前記本体シャンク部に接合される接合部とを備え、
    これら切刃部の接合部と前記本体シャンク部との接合部位は、少なくとも前記ポンチの切刃部の打抜き断面輪郭形状よりも大きな断面輪郭形状寸法を有してなる
    ことを特徴とするプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品。
  6. 前記切刃部の接合部と前記本体シャンク部の接合部位は、本体シャンク部における軸方向所定位置に設定されている
    ことを特徴とする請求項5に記載のプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品。
  7. 前記高硬度材料は、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素およびセラミックスのいずれか1つであり、
    前記低硬度材料は、超硬合金、セラミックスおよび前記高硬度材料よりも硬度の低い金属材料のいずれか1つである
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品。
  8. ポンチおよびダイを被加工物の打抜き方向へ相対的に移動させて、被加工物を所定の輪郭形状に打抜きせん断加工するプレス打抜き成形型装置において、前記ダイを構成する成形型構成部品であって、
    硬度の異なる2種以上の材料から構成される複合材料構造とされ、その先端部を構成する切刃部の少なくとも刃先部位が高硬度材料からなるとともに、この切刃部以外の部位が前記高硬度材料よりも硬度の低い低硬度材料からなり、
    前記切刃部において、前記刃先部位が前記高硬度材料により形成されるとともに、この刃先部位の外周が前記低硬度材料により囲繞形成されてなる
    ことを特徴とするプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品。
  9. 前記低硬度材料からなる台金に、打抜き加工面を形成する前記切刃部が一体的に接合されてなり、
    前記切刃部は、前記高硬度材料からなり、前記ポンチの刃先と協働する刃先を有する打抜き成形穴が開設されてなる刃先形成部と、前記低硬度材料からなり、前記台金に接合される接合部とを備え、
    前記台金は、前記切刃部の外周部位が嵌合固定される切刃保持用凹部を備え、
    この台金の切刃保持用凹部に、前記切刃部の外周部位が嵌合固定されることにより、前記切刃部の刃先部位の外周が前記低硬度材料により囲繞形成されてなる
    ことを特徴とする請求項8に記載のプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品。
  10. 前記切刃部は、その外周輪郭形状が矩形とされるとともに、前記台金の切刃保持用凹部は、前記切刃部の矩形外周面の対向する2面を挟持状に位置決め嵌合保持する一対の保持枠を備え、
    前記台金の切刃保持用凹部に、前記切刃部の外周部位が嵌合固定されることにより、前記刃先部位の外周が前記低硬度材料により囲繞形成されてなる
    ことを特徴とする請求項9に記載のプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品。
  11. 前記切刃部は、その外周輪郭形状が矩形とされるとともに、前記台金の切刃保持用凹部は、前記切刃部の矩形外周面全周を位置決め嵌合保持する矩形環状の保持枠を備え、
    前記台金の切刃保持用凹部に、前記切刃部の外周部位が嵌合固定されることにより、前記刃先部位の外周が前記低硬度材料により囲繞形成されてなる
    ことを特徴とする請求項9に記載のプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品。
  12. 前記切刃部は、その外周輪郭形状が矩形とされるとともに、前記台金の切刃保持用凹部は、前記切刃部の矩形外周面の対向する2面をそれぞれ挟持状に位置決め保持する一対の保持枠を2組備え、
    前記台金の切刃保持用凹部に、前記切刃部の外周部位が嵌合固定されることにより、前記刃先部位の外周が前記低硬度材料により囲繞形成されてなる
    ことを特徴とする請求項9に記載のプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品。
  13. 前記台金に前記切刃部が一体的に接合されてなり、前記打抜き成形穴を通過する分割線に沿って少なくとも二つに分割されてなるダイ構成部材が一体的に組合せ接合されてなる分割構造を備える
    ことを特徴とする請求項9に記載のプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品。
  14. 前記高硬度材料は、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化珪素およびセラミックスのいずれか1つであり、
    前記低硬度材料は、超硬合金、セラミックスおよび前記高硬度材料よりも硬度の低い金属材料のいずれか1つである
    ことを特徴とする請求項8から13のいずれか一つに記載のプレス打抜き成形型装置の成形型構成部品。
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