JP2013223873A - 金型装置 - Google Patents

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英夫 森田
Shogo Kuniyama
章悟 國山
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Abstract

【課題】本発明は材料を精度良く切り出す金型装置を提供することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために、本発明の金型装置は、上型102と、前記上型に備えられる打抜き刃103と、下型104と、前記下型に設けられ、前記打抜き刃に対応する雌型105と、前記雌型に摺動可能にはめ込まれる可動部106と、を有する金型装置であって、前記可動部は、前記上型の下降量が所定の量を越えた場合、前記上型の下降と連動して下降する構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層材料を切り出す金型装置に関するものである。
図6は従来の積層材料を打抜く金型装置1の模式図である。金型装置1は、雌型2と、雌型2に向けて進退する雄型3とを備え、雄型3にはばね体4を介してくり抜き刃5が取り付けられている。この金型装置1によれば、雄型3を積層材料6に向けて押し込むと、まず、くり抜き刃5が積層材料6に当接して軟質材7からなる積層材料上層をくり抜き加工する。更に押し込むと、くり抜き刃5は硬質材8からなる積層材料下層に当接するので、くり抜き刃5を支持するばね体4が伸縮をはじめる。このため、くり抜き刃5は押込み運動を停止し、代わりに、雄型3が積層材料6に向かって進出し、当接する。そして、当接した雄型3を更に押し込んで、硬質材8からなる積層材料下層を打抜き加工する。
なお、この出願に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1が知られている。
実開平04−129518号公報
しかしながら、上記従来の金型装置1では、積層材料下層の硬質材8の硬度が十分高く無い、あるいはその厚みが十分でない場合、加工面にバリが生じる、あるいは加工精度が低くなると言う課題があった。これは、くり抜き刃5が軟質材7からなる積層材料上層をくり抜き加工する際に、くり抜き刃5の押圧により積層材料下層の硬質材8が雌型2に沈み込む様に撓みを生じ、この撓みに起因してくり抜き刃5が上層を精度良く加工することができない為である。
上記の課題を解決するために、本発明の金型装置は、上型と、前記上型に備えられる打抜き刃と、下型と、前記下型に設けられ、前記打抜き刃に対応する雌型と、前記雌型に摺動可能にはめ込まれる可動部と、を有する金型装置であって、前記可動部は、前記上型の下降量が所定の量を越えた場合、前記上型の下降と連動して下降する構成とした。
本発明の金型装置は、軟質材と硬質材とを貼り合わせてなる積層材料を精度良く打抜き加工できるという効果を得ることができる。
実施の形態1の金型装置の模式図 実施の形態1の金型装置が備える打抜き刃の模式図 実施の形態1の金型装置による加工工程の模式図 実施の形態1の金型装置が備える打抜き刃の断面図 ストレート部の幅と加工精度の関係を表す図 従来の金型装置の模式図
(実施の形態1)
以下、本実施の金型装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る金型装置の模式図である。
金型装置101は、上型102と、上型102に備えられる打抜き刃103と、下型104と、下型104に設けられ、打抜き刃103に対応する雌型105と、雌型105に摺動可能にはめ込まれる可動部106とを有し、可動部106は、上型102の下降量が所定の量を越えた場合、上型102の下降と連動して下降する構成とした。
この構成により、被加工材料の硬度や厚みに関わらず、精度良く打抜き加工することができる。この点についてより具体的に説明する。従来の金型装置1を用いて硬度が低い材料をくり抜き加工する場合、くり抜き刃5が被加工材料に押し当てられると、その押圧力により被加工材料が撓みを生じてしまう。このため、被加工材料が引きちぎられるように切り離されてしまうので、剪断面にバリやだれが大きく生じる、あるいは、剪断面が荒れることにより、加工精度が下がるという課題があった。これに対して本実施の形態の金型装置101は、上型102の下降量が所定の量を越えた場合、可動部106が上型102の下降と連動して下降する構成としている。従って、打抜き刃103が被加工材料に所定の量だけ押し込まれると、可動部106が被加工材料を戴置した状態で打抜き刃103と連動して下降するので、被加工材料は打抜き刃103から受ける押圧力によっても撓みが生じにくい。その結果、剪断面にバリやだれが生じにくく、同時に、荒れの少ない良好な剪断面を得ることができるので、加工精度を向上することができる。
図2は打抜き刃103を模式的に表した図である。
打抜き刃103はエッジ110を有している。
この構成により、被加工材料へのくり抜き加工と打抜き加工を一度に行うことができると同時に、耐久性の高い打抜き刃103を得ることができる。この点について図3を用いて具体的に説明する。
図3は、本実施の形態に係る金型装置101を用いて、積層材料118を打抜き加工する工程を模式的に表したものである。ここで、積層材料118は軟質材119と硬質材120とを張り合わせて構成される。そして、軟質材119が上型102の方向を向くように、下型104の上に戴置される。
まず、打抜き刃103を積層材料118に下降させると、打抜き刃103に備えられたエッジ110が積層材料118に押し込まれる(図3(a))。これにより、積層材料118の軟質材119がくり抜き加工される。ここで、軟質材119がくり抜き加工される間は、可動部106は固定された状態を保つ。このため、軟質材119は打抜き刃103から受ける押圧力によっても撓みが生じにくい状態でくり抜き加工されるので、良好な剪断面を得ることができる。
更に打抜き刃103を下降させると、可動部106が打抜き刃103と連動して下降する(図3(b))。これにより、硬質材120は打抜き刃103から受ける押圧力により打抜き加工できる。従来、くり抜き刃のみを用いて軟質材119と硬質材120とから構成される積層材料118を一度に加工しようとすると、くり抜き刃が硬質材に押し込まれたときにチッピング(欠け)を生じる、または、くり抜き刃の耐久性(寿命)が低くなるという課題があった。あるいは、トムソン刃と下型104との間のクリアランスを調整するときに精度を非常に高くする必要があり、トムソン刃の加工精度や金型装置の組み立て精度への要求が非常に高くなるという課題があった。しかし、本実施の形態の金型装置101は、可動部106が打抜き刃103と連動して下降するため、軟質材119はくり抜き加工しつつも、硬質材120だけを打抜き加工することができる。従って、打抜き刃103のチッピングが起きにくい、あるいは、寿命の耐久性が高い(寿命が長い)金型装置101を得ることができる。
ここで、エッジ110の先端にストレート部111が設けられている。ストレート部111とは、ダイプレート(詳細は後述する)と略平行になるように設けられた面である。
この構成により、耐久性の高い打抜き刃103を得ることができる。この点についてより詳細に説明する。ストレート部111を設けない場合、打抜き刃103に設けられたエッジ110が硬質材に押し込まれると、エッジの先端にチッピング(欠け)を生じる、あるいは、打抜き刃103の耐久性が低くなる(寿命が短くなる)という問題が生じるが、所定の幅を持つストレート部111をエッジ110の先端に設けることで、このようなチッピングが起きにくい、あるいは、耐久性が高い(寿命が長い)打抜き刃103を得ることができる。
図4は、実施の形態1の金型装置101が備える打抜き刃103の断面図である。エッジ110は所定のテーパー角121を持つように形成される。また、ストレート部111は所定の幅122を持つように形成される。
図5はストレート部111の幅と加工誤差の関係を表している。
ストレート部の幅が0.03mmを越えると、急激に加工誤差が大きくなることが実験の結果明らかになった。これは、ストレート部が大きくなりすぎると、被加工材料への切断負荷が大きくなる。このため、加工中に被加工材料(特に軟質材119)が形状を保持できずに、切断面に凹凸を生じる為であると考えられる。従って、ストレート部の幅122を0.03mm以下にすることで良好な加工精度を得ることができる。
また、テーパー角121が小さくなりすぎると、打抜き刃の耐久性(寿命)が急激に低下することが実験の結果明らかになった。具体的には、テーパー角10°での寿命は数十から数百ショットであったのに対し、テーパー角45°では耐久性(寿命)は数十万ショット以上となり、大幅に向上した。従って、打抜き刃のテーパー角121は45°にすることが望ましい。
なお、ストレート部の幅とテーパー角との間の関係は、被加工材料の硬度や、所望する加工精度に応じて適宜調整することが望ましい。すなわち、被加工材料の硬度が高い場合には、テーパー角を大きくしつつストレート部の幅を大きくすることで打抜き刃の寿命を伸ばすことができる。また、高い加工精度を求める場合にはテーパー角を小さくしつつストレート部の幅を小さくすることで加工精度を向上できる。
以下、各構成について説明する。
本発明に係る金型装置101は、汎用プレス装置(図示せず)に取り付けられる。
金型装置101は、上下方向に昇降可能な上型102と下型104とを有する。
上型102は、プレス装置の上型ベースプレート(図示せず)に取り付けられている。また、上型102はバッキングプレート107とパンチプレート108と、プッシュピン109からなる。
バッキングプレート107はプレス装置(図示せず)と接続され、プレス装置の駆動を伝達する。
パンチプレート108はバッキングプレート107に取り付けられ、打抜き刃103を有する。
プッシュピン109はパンチプレート108に取り付けられ、所定の長さだけパンチプレート108から下方に突出している。
下型104は、プレス装置の下型ベースプレート(図示せず)に取り付けられている。この下型104は、ダイプレート112と、バッキングプレート107と、ダイホルダー113と、ノックアウトピン114と、可動部106と、止めねじ116と、ばね体117からなる。
ダイプレート112には製品が打抜かれるべき形状の貫通孔と、複数の略円形の貫通孔とが設けられる。また、ダイプレート112上には板材などの被加工材料を戴置することができる。
バッキングプレート107はダイプレート112の下方に取り付けられ、所定の中空構造を持つ。
ダイホルダー113はバッキングプレート107の下方に取り付けられ、ねじ溝を切った貫通孔を複数有する。
可動部106は、ダイプレート112に設けられた貫通孔とバッキングプレート107の中空構造内に跨って、摺動可能に組み込まれる。
ノックアウトピン114は略円柱形状であり、ダイプレート112に設けられた貫通孔とバッキングプレート107の中空構造内に摺動可能に設けられる。ここで、ノックアウトピン114の下端部にはつば部115が設けられる。つば部115はバッキングプレート107の中空構造内に配され、その径はダイプレート112に設けられた(略円形の)貫通孔の径よりも大きくなるように形成される。また、ノックアウトピン114の上端とプッシュピン109の下端との間は、所定の間隔を空けて対向する様に設けられる。ここで、この所定の間隔とは、打抜き刃103のエッジ110が積層材料に当接するまで上型を下降させたときに、ノックアウトピン114上端とプッシュピン109下端の間の間隔が軟質材の厚みと略同一になるように調整するものである。また、ノックアウトピン114の下端は可動部106に当接し、ノックアウトピン114が下降すると可動部106が連動して下降するように設けられる。
止めねじ116はダイホルダー113に設けられた貫通孔の内部に、ねじ込み/ねじ戻し可能に組み込まれる。
ばね体117は止めねじ116とノックアウトピン114の間に組み込まれ、ノックアウトピン114と可動部106を所定の高さに保持する。
続いて、本実施の形態における金型装置101を用いて、軟質材と硬質材とを貼り合わせた積層材料を打抜き加工する工程について説明する。
まず、打抜き刃103のエッジ110が積層材料に当接するまで上型102を下降させたときに、ノックアウトピン114上端とプッシュピン109下端の間の間隔が軟質材の厚みと略同一になるように、プッシュピン109の長さを調整する。
次に、止めねじ116をねじ込む、又はねじ戻すことにより、可動部106を支持する力を所定の大きさまで調整する。この所定の大きさとは、くり抜かれる軟質材の硬度に応じて適宜調整する。
次に、積層材料の軟質材側が上方向、すなわち上型102の方を向くようにしてダイプレート112上に戴置する。
次に、プレス装置(図示せず)を駆動して上型102を下型104に向けて下降させる。これにより、まず、打抜き刃103のエッジ110が軟質材に当接し、軟質材にエッジ110が押し込まれる。その結果、軟質材はエッジ110からの押圧によりくり抜き加工される。
また、打抜き刃103のエッジ110が積層材料に当接するまで上型を下降させたときに、ノックアウトピン114上端とプッシュピン109下端の間の間隔が軟質材の厚みと略同一になるように設定しているので、エッジによる軟質材のくり抜き加工が完了した時点、すなわち、エッジを軟質材の厚みの分だけ押し込んだ時点で、ノックアウトピン114上端とプッシュピン109下端は接触している状態になる。
次に、プレス装置(図示せず)を駆動して上型102を下型104に向けてさらに下降させる。これにより、打抜き刃103の下降に連動して可動部106も下降する。これは、ノックアウトピン114上端とプッシュピン109下端が接触した状態から更に上型102を下降させるので、上型102が下降した分だけノックアウトピン114も押し下げられ、ノックアウトピン114の下に配される可動部106も同時に押し下げられるからである。その結果、積層材料118の硬質材120は、打抜き刃103から受ける押圧により打抜き加工される。
なお、ばね体117には、軟質材119をくり抜き加工する際にエッジ110から受ける押圧では殆ど変位しない程度に弾性を持つ弾性体等を用いることで、上述のような作用が発現することは言うまでもない。すなわち、本実施の形態においてはばね体として説明したが、これに限定されない。
次に、プレス装置(図示せず)を駆動して上型102を下型104から上昇させる。これにより、可動部106も元の位置まで上昇し、打抜かれた積層材料もダイプレート112上の元の位置まで戻る。
以上で一連の打抜き動作は完了し、この後は適当な搬送手段(図示せず)を用いて積層材料をダイプレート112上で搬送し、次の切り出し動作へと移行すればよい。
以上のように、本実施の形態では、軟質材と硬質材とを貼り合わせた積層材料を一度の押込みで精密に切り出すことができる。
なお、ノックアウトピン114上端とプッシュピン109下端の間の間隔を調整する方法は、例えば、プッシュピン109をねじ状に形成し、これをパンチプレート108にねじ込む、又はねじ戻すことで調整してもいいし、プッシュピン109に長さを調整するための別の部材を設けることで調整してもよい。あるいは、プッシュピン109自体を伸縮自在な構造とすることで調整しても良い。つまり、ノックアウトピン114上端とプッシュピン109下端の間の間隔が調整できればよく、ここに挙げた方法に限定されない。
なお、上型102の下降に伴う可動部106の下降を電気的な方法で制御しても構わない。この場合、より精密に可動部106の下降を制御することができるので、加工精度を向上することができる。
本発明の金型装置は、軟質材と硬質材とを貼り合わせてなる積層材料を精度良く打抜き加工できるという効果を奏し、種々の材料加工に有用である。
1 金型装置
2 雌型
3 雄型
4 ばね体
5 くり抜き刃
6 積層材料
7 軟質材
8 硬質材
101 金型装置
102 上型
103 打抜き刃
104 下型
105 雌型
106 可動部
107 バッキングプレート
108 パンチプレート
109 プッシュピン
110 エッジ
111 ストレート部
112 ダイプレート
113 ダイホルダー
114 ノックアウトピン
115 つば部
116 止めねじ
117 ばね体
118 積層材料
119 軟質材
120 硬質材
121 テーパー角
122 ストレート部の幅

Claims (7)

  1. 上型と、前記上型に備えられる打抜き刃と、下型と、前記下型に設けられ、前記打抜き刃に対応する雌型と、前記雌型に摺動可能にはめ込まれる可動部と、を有する金型装置であって、前記可動部は、前記上型の下降量が所定の量を越えた場合、前記上型の下降と連動して下降する金型装置。
  2. 前記打抜き刃はエッジと、前記エッジの先端に備えられるストレート部とを有する請求項1に記載の金型装置。
  3. 前記金型装置は、軟質材と硬質材とを貼り合わせた積層材料を所定の形状に切り出すものであって、前記所定の量は、前記軟質材の厚みと略同一である請求項1に記載の金型装置。
  4. 前記エッジのテーパー角を45°とした請求項2に記載の金型装置。
  5. 前記ストレート部の幅を0.03mm以下とした請求項2に記載の金型装置。
  6. 上型と、前記上型に備えられる打抜き刃と、下型と、前記下型に設けられ、前記打抜き刃に対応する雌型と、前記雌型に摺動可能にはめ込まれる可動部と、を備え、前記打抜き刃はエッジと、前記エッジの先端に備えられるストレート部とを有し、前記可動部は、前記上型の下降量が所定の量を越えた時点より、前記上型の下降と連動して下降する金型装置を用いて、軟質材と硬質材とを貼り合わせた積層材料を所定の形状に切り出す加工方法であって、前記エッジを所定の深さまで押込み、前記軟質材を前記所定の形状にくり抜き加工する工程と、前記上型と前記可動部とを連動させ、前記硬質材を前記所定の形状に打抜く工程と、を有する積層材料の打抜き加工方法。
  7. 前記所定の量は、前記軟質材の厚みと略同一である請求項6に記載の積層材料の打抜き加工方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015136712A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 株式会社三井ハイテック 鉄心片の打ち抜き方法
CN105458066A (zh) * 2014-08-14 2016-04-06 无锡成博科技发展有限公司 一种型材整形模具

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