JP2011132533A - アルカリ可溶性重合体、それを含む感光性樹脂組成物、及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の構造を有するアルカリ可溶性重合体又はこれを含有する感光性樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
この感光性樹脂組成物の現像メカニズムは、未露光部のナフトキノンジアジド化合物及びPBO前駆体がアルカリ性水溶液への溶解速度が小さいのに対し、露光することにより該感光性ジアゾキノン化合物がインデンカルボン酸化合物に化学変化して露光部のアルカリ性水溶液への溶解速度が大きくなることを利用したものである。この露光部と未露光部の間の現像液に対する溶解速度の差を利用し、未露光部からなるレリーフパターンの作製が可能となる。
同様に、アルカリ現像が可能なポリアミド酸、及びポリアミド酸エステルとナフトキノンジアジド化合物からなる感光性樹脂組成物が、以下の特許文献3、4に開示されている。
また、アルカリ現像が可能なフェノール性水酸基含有溶剤可溶性ポリイミド(以下、「可溶性PI」ともいう。)とナフトキノンジアジド化合物からなる感光性樹脂組成物が、以下の特許文献5に提案されている。
そして、エステル結合を含有したPBO前駆体ポリマーとナフトキノンジアジド化合物からなる感光性樹脂組成物が、以下の特許文献9に提案されている。
更に、近年、電子部品の層間絶縁膜や表面保護膜層などの樹脂硬化膜を形成する場合のプロセスとして、低温プロセスが望まれており、それに対応するためには、低温で脱水環化が出来、脱水環化後の膜の物性が高温で脱水環化したものと遜色のない性能が得られるポリイミド、ポリベンゾオキサゾールが求められてきた。その課題に対して、ポリマーに柔軟な脂肪族構造を導入することで、低温領域でのキュア温度でオキサゾール環化が進み、架橋剤を加えることで硬化膜の耐薬品性を向上させたPBO前駆体樹脂組成物が、以下の特許文献10に提案されている。
従来の半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜は、感光性ポリイミド前駆体組成物からなる表面保護膜及び層間絶縁膜と比較して、感光剤の吸収波長に伴う問題から感度が低いという問題や、環化を伴うPBO前駆体及びPI前駆体では、環化による硬化収縮が大きく、また環化前のガラス転移温度が低いため、現像後に得られたレリーフパターンを加熱処理(以下、この工程を「キュア」という。)する際にテーパー角が低くなるために、半導体装置の製造工程において、メタル配線等が露出して半導体パッケージの信頼性を低下させるという問題があった。
特許文献10に示された柔軟な脂肪族基を導入したPBO前駆体樹脂と熱架橋剤との観光性樹脂組成物では、柔軟な構造を導入したポリマーは、硬化膜のガラス転移温度と耐溶剤性が下がる。それを補う目的で、熱架橋剤を多量に添加する必要があった。そのため、
200℃付近の低温キュアでは架橋剤の硬化が不完全な場合、プレッシャークッカー試験(PCT試験)後に未硬化の架橋剤が相分離し、ブリードアウトするという課題があった。また、通常のPBO前駆体樹脂と同様に、感度の向上が求められている。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]下記一般式(1):
脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体と架橋基含有化合物とを反応させ、両末端が脂肪族カルボン酸又はその誘導体である架橋基含有構造を有する化合物を合成する工程、
前記両末端が脂肪族カルボン酸又はその誘導体である架橋基含有構造を有する化合物と多価アミノ化合物とを重縮合させる工程、
を順に含む、アルカリ可溶性重合体の製造方法。
[5]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のアルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、光酸発生剤(B)1〜50質量部を含む、感光性樹脂組成物。
[6]前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、有機ケイ素化合物(C)1〜40質量部をさらに含む、前記[5]に記載の感光性樹脂組成物。
[7]前記光酸発生剤(B)が、ナフトキノンジアジド化合物であり、前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、モノカルボン酸化合物(D)1〜40質量部をさらに含む、前記[5]又は[6]に記載の感光性樹脂組成物。
[8]前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、フェノール化合物(E)1〜100質量部をさらに含む、前記[5]〜[7]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[9]前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、熱により架橋反応を起こす化合物(F)0.5〜15質量部をさらに含む、前記[5]〜[8]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[12]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のアルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、光酸発生剤(B)0.5〜30質量部、及び酸の作用により架橋し得る化合物(H)0.5〜15質量部を含む感光性樹脂組成物。
[13]前記酸の作用により架橋し得る化合物(H)が、分子内にメチロール基又はアルコキシメチル基を有する化合物である、前記[12]に記載の感光性樹脂組成物。
[14]前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、増感剤となる化合物(I)1〜20質量部をさらに含む、前記[12]又は[13]に記載の感光性樹脂組成物。
[15]有機溶媒(J)をさらに含む、前記[5]〜[14]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物溶液。
(1)前記[5]〜[14]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物又は前記[15]に記載の感光性樹脂組成物溶液を塗布して得られた感光性樹脂層を基板上に形成する工程、
(2)露光する工程、
(3)現像する工程、
(4)得られたレリーフパターンを加熱処理する工程、
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
[17]半導体基板と、該半導体基板に設けられた半導体素子と、該半導体素子の上部に設けられた絶縁膜とを備え、該絶縁膜は、前記[16]に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンであることを特徴とする半導体装置。
[18]表示素子用基板と、該基板の表面を覆う絶縁膜と、該表示素子用基板の上部に設けられた表示素子とを備え、該絶縁膜は、前記[16]に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンであることを特徴とする発光装置。
本発明に係るアルカリ可溶性重合体、及びそれを含む感光性樹脂組成物を構成する各成分について、以下具体的に説明する。
アルカリ可溶性重合体(A)
本発明に係るアルカリ可溶性重合体は、多価カルボン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のカルボン酸化合物と多価アミノ化合物とから合成される構造;及び架橋基を有し、かつ前記多価カルボン酸又はその誘導体と反応し得る化合物に由来する架橋基含有構造;を有するアルカリ可溶性重合体であり、少なくとも多価カルボン酸に由来する構造の一部が脂肪族構造を有することを特徴とする。このアルカリ可溶性重合体(A)は、後述する感光性樹脂組成物のベースポリマーとなる。
ここで、多価カルボン酸及びその誘導体として、ジカルボン酸、トリカルボン酸、これらの酸クロリド化合物、酸無水物化合物、テトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、その構造の一部が脂肪族構造を有する。また、多価アミノ化合物として、少なくともアミノ基を2つ有する化合物、具体的には、ジアミノ安息香酸、ジアミノフェノール、ビス(アミノフェノール)等のジアミンが挙げられる。これら化合物は、置換されていてもよい。
架橋基として、その構造として特に制限はないが、150〜350℃の範囲で架橋反応を起こす基を表し、架橋反応は、現象によりパターンを形成した後の加熱処理工程において生じる。
多価カルボン酸又はその誘導体と反応し得る化合物としては、カルボン酸又はその誘導体と縮合反応が可能な化合物であり、具体的にはヒドロキシル化合物、チオール化合物、チオフェノール化合物、アミノ化合物、アミド化合物等が挙げられる。ここでいうヒドロキシル化合物とはフェノール化合物、又はアルコール化合物を表す。
脂肪族構造を分子内に有するジカルボン酸又はその誘導体とビス(アミノフェノール)から誘導され、フェノール基を有するポリアミド、特に好ましくはアミド結合のオルト位にフェノール基を有するPBO前駆体であるポリアミド、
脂肪族構造を分子内に有するテトラカルボン酸二無水物とビス(アミノフェノール)から誘導され、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性のポリイミド、
脂肪族構造を分子内に有するテトラカルボン酸二無水物とジアミンから誘導され、アミド結合のオルト位にカルボキシル基を有すポリイミド前駆体であるポリアミド酸、及び
そのカルボキシル基の一部を封止したポリアミド酸エステルから選ばれる構造と;
架橋基含有構造とを;有することを特徴とする。アルカリ可溶性重合体(A)が、架橋基含有構造を有することで、低温においても架橋基が反応し、硬化収縮の小さい樹脂となる。
上記架橋基含有構造は、加熱処理時の反応性の観点から、下記一般式(9):
耐溶剤性の観点から、上記一般式(10)中、W3は、芳香族基であることが好ましい。さらに耐熱性の観点からは、上記一般式(10)中、W3は、ベンゼン環であることが好ましく、上記一般式(10)中、A1は単結合、及び下記:
架橋基含有構造に含まれる架橋基(例えば、式(9)でいう(CR1R2R3))は、加熱処理時の反応性の観点から、メチロール基、アルコキシメチル基、アルケニル基、エポキシ基、及びオキセタン基からなる群より選ばれる基を少なくとも1つを有する基からなることが好ましい。ここでアルケニル基というのは、(メタ)アクリレート基、アリル基、ビニル基等の不飽和二重結合基を表す。本明細書において、(メタ)アクリレート基とは、メタクリレート基又はアクリレート基を表す。
アルカリ可溶性重合体(A)は、下記一般式(1):
上記一般式(12)の好ましい構造については、上記一般式(10)中の好ましい構造と同様である。W4が、芳香族基である場合、CR1R2R3で表される基は、Bで表される基に対して、オルト位又はパラ位のいずれかに置換されることが好ましい。
更に、アルカリ可溶性重合体(A)は、感度の観点から、上記一般式(1)のZ1で表される上記一般式(2)及び上記一般式(12)中のBは、−O−であることが好ましく、R3は、下記一般式(13):
上記一般式(1)で表されるアルカリ可溶性重合体(A)は、Bが−NH−、−O−又は−S−であるが、Bは−NH−である場合よりも、−O−又は−S−である場合の方が好ましい。その理由は、エステル結合又はチオエステル結合を導入した場合は、アミド結合である場合と比較して、アミド基由来の水素結合が減少するため、アルカリ可溶性重合体同士の相互作用が低下し、エステル結合又はチオエステル結合に隣接するセグメントが互いに回転し易くなると考えられ、アルカリ可溶性重合体がキュア時に架橋構造を形成した場合、得られる硬化膜が良好な伸度を有するからである。
更にエステル結合又はチオエステル結合を導入した場合は、アミド結合である場合と比較して、アルカリ可溶性重合体の疎水性が向上するため、アルカリ水溶液に対する未露光部の溶解性が抑制され、露光部とのコントラストが向上すると考えられる。
上記一般式(1)で表されるアルカリ可溶性重合体(A)は、後述する製造方法を用いた場合の方が好ましい。
架橋基含有化合物は以下の合成方法によって得られる。すなわち、下記に記載される原料をアルカリ触媒の存在下にホルムアルデヒドと反応させることにより、メチロール化を行い、対応したハロゲン化合物、又はアルコールを反応させることで得られる。
これらの化合物の中で、機械物性の観点から好ましいものは、下記:
フェノール化合物、及びチオフェノール化合物の場合は、以下の方法でメチロール置換化合物を合成する。
塩基性触媒の存在下、水溶媒、又は水と有機溶媒との混合溶媒中において、上記の架橋基含有化合物の原料1molに対して、ホルムアルデヒド4〜40mol、好ましくは5〜10molを反応させ、その後、得られた反応生成物を中和することによって得ることができる。
上記製造方法において、ホルムアルデヒドとしては、市販の例えば35%ホルマリン水溶液をそのまま利用できるほか、水存在下において、ホルムアルデヒドと同様に作用するパラホルムアルデヒドやトリオキサンも用いることができるが、これらのうちでは、ホルマリンを用いることが好ましい。
ついで、上記製造方法で得られたメチロール置換化合物を用いて、以下の方法でアルコキシメチル置換化合物を合成する。
アミノ化合物の場合は、アミノ基にシリル化処理を行い、同様の方法でメチロール置換化合物、及びアルコキシメチル置換化合物を合成する。
Y2(COOH)2(OH)n6(COOR6)n7で表される化合物は、Y1(COOH)2(OH)n2(COOR5)n3で表される化合物と同一であってもよく、n4で表される値とn6で表される値は同一の範囲を示し、n5で表される値とn7で表される値についても同様である。
これらのX1(NH2)2(OH)2の構造を有するビスアミノフェノールの内、特に好ましいものは、X1が下記:
上記一般式(1)で表される構造中、上記のジヒドロキシジアミド単位の割合が高いほど現像液として使用するアルカリ性水溶液への溶解性が向上するので、[X1(NH2)2(OH)2]/[X1(NH2)2(OH)2+X3(NH2)2]の値は0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが最も好ましい。X3は、X1(NH2)2(OH)2で表される2価の有機基を表し、X1は上記一般式(1)におけるX1と同義である。
また、X3(NH2)2の構造の化合物としては、分子内に2組の互いにオルト位にあるアミド結合とフェノール性水酸基とを有するジアミン(以下、「分子内にPBO前駆体構造を有するジアミン」という。)を使用することもできる。例えば、上記のX1(NH2)2(OH)2の構造を有するビスアミノフェノールに2分子のニトロ安息香酸を反応させて還元することにより得られる、下記一般式(14):
X4は、X1で表される有機基の好ましいものとして前述した有機基からなる群より選ばれる少なくとも1つの有機基であることが好ましく、X1は上記一般式(1)におけるX1と同義である。
Y5は、Y1で表される有機基の好ましいものとして後述する有機基からなる群より選ばれる少なくとも1つの有機基であることが好ましく、Y1は上記一般式(1)におけるY1と同義である。
このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−2−ペンテン、1,4−ビス(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)ベンゼン、イミノ−ジ−p−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)ペンタン、5(または6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、o−トルイジンスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジ−(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、及び4,4’−ジアミノベンズアニリド等、並びにこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、及びフェニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基又は原子によって置換された化合物が挙げられる。
その他、Y1(COOH)2及びY2(COOH)2構造を有するジカルボン酸として、Y1、Y2それぞれ下記から選ばれた芳香族基又は脂環式基であるジカルボン酸をパターン性、機械特性、耐熱性、耐薬品性を向上する目的で一部添加しても良い。:
上述のPBO前駆体を含むアルカリ可溶性重合体を作成する上において、炭素数が1〜30の脂肪族構造を含むジカルボン酸の代わりに、一部、下記一般式(17)
X1(NH2)2(OH)n2(COOR4)n3を構成するジアミンの例としては、n2=0、及びn3=0又は1の場合、3,5−ジアミノ安息香酸、上記PBO前駆体に用いられる芳香族ジアミン、シリコンジアミン等が挙げられる。
n2=1又は2、及びn3=0又は1の場合、上記PBO前駆体に用いられるビスアミノフェノール、上記一般式(14)及び上記一般式(15)で表される「分子内にPBO前駆体構造を有するジアミン」等が挙げられる。
X6は、X1で表される有機基の好ましいものとして前述した有機基からなる。
光酸発生剤(B)とは、活性光線照射により酸を発生する化合物であり、このような化合物としては、例えば、ハロゲン含有化合物、オニウム塩、ナフトキノンジアジド構造を有する化合物(以下、「ナフトキノンジアジド化合物」ともいう。)等が挙げられる。
光酸発生剤(B)を用いることで、感光性樹脂組成物とすることができる。感光性樹脂組成物は、適切な組み合わせにより、ポジ型にもネガ型にもすることもできる。該感光性樹脂組成物は、架橋基含有構造を有するアルカリ可溶性重合体を含むため、良好なキュア形状を有し、かつ耐薬品性に優れるという効果を奏し、特にポジ型の感光性樹脂組成物にした場合は、露光後の経時においても良好なリソグラフィー性能を有する。ここで、良好なキュア形状とは、高テーパー角(50度以上)であることを意味する。
トリクロロメチル−s−トリアジン類の具体例としては、トリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)ビス(4,6−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β―スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β―スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
ジアリールヨードニウム塩類の具体例としては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
(1)スルホン化合物
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物及びこれらの化合物のα−ジアゾ化合物を挙げることができ、具体例として、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類等を挙げることができ、好ましい具体例として、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルp−トルエンスルホネート等を挙げることができる。
スルホンイミド化合物の具体例として、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等を挙げることができる。
2−[2−(4−メチルフェニルスルホニルオキシイミノ)]−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(チバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG121」)、[2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(チバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG103」)等を挙げることができる。
ジアゾメタン化合物の具体例としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケトン−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができ、具体例として、フェノール類の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物を挙げることができる。
また、ネガ型感光性樹脂組成物とする場合は、感度の観点から、特に上記(4)オキシムエステル化合物が好ましい。
上記ナフトキノンジアジド化合物は、典型的には、1,2−ベンゾキノンジアジド構造又は1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許第2,772,972号明細書、同第2,797,213号明細書、同第3,669,658号明細書等により公知の物質である。ナフトキノンジアジド化合物は、典型的には、以下の説明する特定構造を有するポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び該ポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、「NQD化合物」ともいう。)である。
下記一般式(18)で表されるポリヒドロキシ化合物のNQD化物
具体的な化合物としては、特開2001−092138号公報の[化23]〜[化28]に記載される化合物が挙げられる。
その中でも以下のポリヒドロキシ化合物のNQD化物が、感度が高く、ポジ型感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい:
具体的な化合物としては、特開2003−131368号公報の(化22)〜(化28)に記載される化合物が挙げられる。
その中でも、以下のポリヒドロキシ化合物のNQD化物が、感度が高く、ポジ型感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい。
下記一般式(20)で表されるポリヒドロキシ化合物のNQD化物
その中でも、以下のポリヒドロキシ化合物のNQD化物が、感度が高く、ポジ型感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい。
その中でも、以下のポリヒドロキシ化合物のNQD化物が、感度が高く、ポジ型感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい。
NQD化合物におけるナフトキノンジアジドスルホニル基としては、5−ナフトキノンジアジドスルホニル基又は4−ナフトキノンジアジドスルホニル基のいずれも好ましい。
4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は、水銀灯のi線領域に吸収を持っており、i線露光に適している。5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は、水銀灯のg線領域まで吸収が伸びており、g線露光に適している。本発明においては、露光に用いる波長によって4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物又は5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物のいずれかを選択することが好ましい。また、同一分子中に4−ナフトキノンジアジドスルホニル基及び5−ナフトキノンジアジドスルホニル基の両者を有するナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を使用することもできるし、4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物とを混合して使用することもできる。
本発明に係る感光性樹脂組成物には、より良好な基板への密着性を発現させるという観点から、有機ケイ素化合物(C)を更に配合することが好ましい。
有機ケイ素化合物(C)とは、1官能以上のアルコキシシリル基、及びシラノール基を含有した化合物であり、シリコンウエハーとの接着性を高めるための接着助剤となる。該有機ケイ素化合物の炭素数は、溶剤への溶解性の観点から、4〜30であることが好ましく、4〜18であることがより好ましい。
上記一般式(22)で表される有機ケイ素化合物(C)は、耐熱性の観点から、下記一般式(24):
これら化合物の具体例としては、フェニルシラントリオール、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(p-トリル)シラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジフェニルシランジオール、ジメトキシジ-p-トリルシラン、トリフェニルシラノール等が挙げられる。
本発明に係る感光性樹脂組成物には、より高感度なリソグラフィー性能を発現させるという観点から、モノカルボン酸化合物(D)を更に配合することが好ましい。
モノカルボン酸化合物(D)とは、その分子中にカルボン酸を1個のみ有する化合物であり、炭素原子数が6〜30である化合物である。更に、分岐構造、環構造又は不飽和二重結合を有し、炭素原子数が6〜30である化合物であることが好ましい。具体的には、2−ノネン酸、イソノナン酸、2−デセン酸、10−ウンデセン酸、3−シクロヘキセン−1−カルボン酸、m−アニス酸、m−トルイル酸、m−トリル酢酸、o−アニス酸、o−トルイル酸、o−トリル酢酸、p−アニス酸、p−トルイル酸、p−トリル酢酸、3−フェニル乳酸、4−ヒドロキシフェニル乳酸、4−ヒドロキシマンデル酸、3,4−ジヒドロキシマンデル酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸、2−メトキシ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸、マンデル酸、アトロラクチン酸、アセチルマンデル酸、α−メトキシフェニル酢酸等が挙げられる。
上記モノカルボン酸化合物(D)の配合量は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し、1〜40質量部であり、5〜10質量部が好ましい。モノカルボン酸化合物(D)の配合量が1質量部以上であれば露光部の現像残渣が少なくなり、感光性樹脂組成物を用いて形成される膜とシリコン基板との密着性が良好であり、一方、上記配合量が40質量部以下であれば、硬化時の膜減りが少なく、硬化後の膜の引っ張り伸び率が良好である。
本発明に係る感光性樹脂組成物には、より高感度なリソグラフィー性能を発現させるという観点から、フェノール化合物(E)を更に配合することが好ましい。
フェノール化合物(E)とは、フェノール性基を少なくとも1つ有する化合物と該化合物を重合させた重合体が挙げられる。
フェノール性基を少なくとも1つ有する化合物とは、炭素原子数6〜40の化合物であり、具体的には、前記感光性ジアゾキノン化合物に使用している上記規定炭素原子数以内のバラスト剤、パラクミルフェノール、ビスフェノール類、レゾルシノール類、MtrisPC、MtetraPC等の直鎖状フェノール化合物(本州化学工業社製:商品名)、TrisP−HAP、TrisP−PHBA、TrisP−PA等の非直鎖状フェノール化合物(本州化学工業社製:商品名)、ジフェニルメタンのフェニル基の水素原子2〜5個を水酸基に置換した化合物、2,2−ジフェニルプロパンのフェニル基の水素原子1〜5個を水酸基に置換した化合物等が挙げられる。なお、バラスト剤とは、フェノール性水素原子の一部がナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化されたフェノール化合物である前述の感光性ジアゾキノン化合物に原料として使用されているフェノール化合物をいう。
フェノール樹脂及びその誘導体としては、具体的にはノボラック型樹脂が挙げられる。ノボラック型樹脂としては、レジストの技術分野で広く用いられているものを使用することができる。このノボラック型樹脂は、例えば、フェノール類と、アルデヒド類又はケトン類とを酸性触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
分子量は、重量平均分子量で、通常、1000〜20000、好ましくは1000〜15000、より好ましくは1000〜10000の範囲である。上記樹脂の重量平均分子量は、合成条件を調整することにより、所望の範囲に制御することができる。また、分子量分布が狭い方が、光感度が高くなるため、合成により得られた樹脂を適当な溶解度を持つ有機溶剤で固−液抽出したり、樹脂を良溶剤に溶解させて貧溶剤中に滴下したり、又は貧溶剤を滴下して固−液若しくは液−液抽出したりして分子量分布を制御してもよい。このフェノール樹脂の具体例としては、EP4000B(旭有機材工業:商品名)、EP4020G(旭有機材工業:商品名)、EP4050G(旭有機材工業:商品名)、EP4080G(旭有機材工業:商品名)等が挙げられる。
本発明に係る感光性樹脂組成物には、より良好なリソグラフィー性能を発揮させるという観点から、熱により架橋反応を起こす化合物(F)を配合してもよい。
熱により架橋反応を起こす化合物(F)とは、熱によりアルカリ可溶性重合体(A)と架橋反応を起こす化合物が用いられる。ここで、架橋反応を起こす温度としては、150〜350℃が好ましい。架橋反応は、現像によりパターン形成をした後の加熱処理の際に生じる。
ここでアルケニル化合物というのは、(メタ)アクリレート基、アリル基、ビニル基等の不飽和二重結合基を含有した化合物を表す。
オキセタン化合物は4員環状エーテル構造を持つ化合物であり、カチオン開環重合反応、あるいはカルボン酸、チオール、フェノールとの付加反応が可能なものである。オキセタン化合物の具体例としては、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4′−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタンー3−イル)メトキシ]ベンゼン、OXT121(東亞合成:商品名)、OXT221(東亞合成:商品名)等が挙げられるが、これらに限定されない。
メラミン化合物の具体例としては、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、トリメトキシメチルメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられ、保存安定性の観点から、トリメトキシメチルメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
好ましいものの具体例としては、新中村化学工業社製NK−エステルシリーズ M−20G、M−40G、M−90G、M−230G、CB−1、SA、S、AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G、AM−90G、A−SA、LA、1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、BG、HD、NPG、9PG、701、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE―1300、A−200、A−400、A−600、A−HD、A−NPG、APG−200、APG−400、APG−700、A−BPE−4、701A、TMPT、A−TMPT、A−TMM−3、A−TMM−3L、A−TMMT及び1−(アクリロイルオキシ)−3−(メタクリロイルオキシ)−2−プロパノール、1,3−ビス(アクリロイルオキシ)−2−プロパノール等が挙げられるが、これらに限定されない。(メタ)アクリレート化合物とは、炭素原子数9以上であることが好ましく、溶剤への溶解性の観点から、30以下が好ましい。
下記一般式(7):
下記一般式(8):
上記熱により架橋反応を起こす化合物(F)は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
上記熱により架橋反応を起こす化合物(F)の配合量は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し、1〜50質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましく、4〜20質量部がさらに好ましい。該化合物の配合量が1質量部以上であると硬化時にキュア形状が良くなり、また50質量部以下であると硬化後の膜の引っ張り伸び率も良好であり、良好な密着性とリソグラフィー性能を示す。
本発明に係る感光性樹脂組成物には、現像して得られたレリーフパターンを加熱処理(以下、この工程を「キュア」という。)した後に基板とのより良好な密着性を発現させるという観点から、熱により酸を発生する化合物(G)を更に配合することが好ましい。
熱により酸を発生する化合物(G)は、上記熱により架橋反応を起こす化合物(F)の反応を促進させる化合物であり、酸が発生する温度としては、150〜350℃が好ましい。
ネガ型感光性樹脂組成物とする場合には、酸の作用により架橋し得る化合物(H)を配合することが必要となる。
酸の作用により架橋し得る化合物(H)とは、N位がメチロール基又はアルコキシメチル基で置換されたメラミン樹脂及びその単量体、並びに尿素樹脂及びその単量体から選ばれることが好ましい。これらの例として、アルコキシメチル化メラミン樹脂、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、アルコキシメチル化グリコールウリル樹脂、アルコキシメチル化尿素樹脂、及びこれらの単量体を挙げることができる。これらの内、アルコキシメチル化メラミン樹脂、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、アルコキシメチル化グリコールウリル樹脂、アルコキシメチル化尿素樹脂、及びこれらの単量体は、対応する公知のメチロール化メラミン樹脂、メチロール化ベンゾグアナミン樹脂、メチロール化尿素樹脂、及びその単量体のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。
上記酸の作用により架橋し得る化合物の配合量(H)は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し、1〜50質量部である。この添加量が1質量部以上であると架橋が十分に進行し、パターニング性が良好となり、またこの添加量が50質量部以下であると、キュア後の機械物性が保たれる。
ネガ型感光性樹脂組成物とする場合には、光感度向上のために増感剤となる化合物(I)を添加することが好ましい。
増感剤となる化合物(I)の具体例としては、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、2−(4’−ジメチルアミノシンナミリデン)インダノン、2−(4’−ジメチルアミノベンジリデン)インダノン、2−(p−4’−ジメチルアミノビフェニル)ベンゾチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンジリデン)アセトン、1,3−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、ベンズトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−シクロヘキシル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−(tert−ブチル)−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−p)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレン等が挙げられる。これらの内、ベンズトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−シクロヘキシル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、及び1−(tert−ブチル)−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、3−位及び/又は7−位に置換基を持つクマリン類、フラボン類、ジベンザルアセトン類、ジベンザルシクロヘキサン類、カルコン類、キサントン類、チオキサントン類、ポルフィリン類、フタロシアニン類、アクリジン類、及び9−位に置換基を有するアントラセン類からなる群から選ばれる1つ以上の増感剤を添加することが好ましい。上記増感剤となる化合物(I)は、単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
その他、ネガ型感光性樹脂組成物には、ポジ型感光性樹脂組成物で説明したモノカルボン酸化合物(D)、フェノール化合物(E)、熱により架橋反応を起こす化合物(F)、及び熱により酸を発生する化合物(G)を、必要に応じて添加してもよい。
本発明においては、前記した各種成分を有機溶媒(J)に溶解してワニス状にし、感光性樹脂組成物の溶液として使用することが好ましい。このような有機溶媒(J)としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン(以下、「GBL」ともいう。)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」ともいう。)、ジメチルイミダゾリノン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、「DMDG」ともいう。)、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を単独又は混合して使用できる。これらの溶媒のうち、非アミド系溶媒がフォトレジストなどへの影響が少ない点から好ましい。具体的な好ましい例としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフルフリルアルコールなどを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、アルカリ溶解性促進剤としてのヒドロキシル基含有化合物や染料、香料、塗布膜の面内均一性を向上させるための界面活性剤、また、シリコン基板や銅基板との接着性を高めるための接着助剤、保存時の組成物溶液の粘度や光感度の安定性を向上させるために重合禁止剤等を添加することも可能である。
これらのヒドロキシル基含有化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。染料を配合する場合の配合量は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましい。添加量が10質量部以下であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
具体的には、リナロール、イソフィトール、ジヒドロリナロール、酢酸リナリール、リナロールオキシド、ゲラニルリナロール、ラバンジュロール、テトラヒドロラバンジュロール、酢酸ラバンジュロール、ネロール、酢酸ネロール、ゲラニオール、シトラール、酢酸ゲラニル、ゲラニルアセトン、ゲラニウム酸、シトラルジメチルアセタル、シトロネロール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、ジメチルオクタナール、シトロネリル酸、酢酸シトロネリル、タゲトン、アルテミシアケトン、プレゴール、イソプレゴール、メントール、酢酸メントール、イソメントール、ネオメントール、メンタノール、メンタントリオール、メンタンテトラオール、カルボメントール、メントキシ酢酸、ペリリルアルコール、ペリラアルデヒド、カルベオール、ピペリトール、テルペン−4−オール、テルピネオール、テルピネノール、ジヒドロテルピネオール、ソブレロール、チモール、ボルネオール、酢酸ボルニル、イソボルネオール、酢酸イソボルニル、シネオール、ピノール、ピノカルベオール、ミルテノール、ミルテナール、ベルベノール、ピノカンフェオール、カンファースルホン酸、ネロリドール、テルピネン、イオノン、ピネン、カンフェン、カンホレンアルデヒド、カンホロン酸、イソカンホロン酸、ショウノウ酸、アビエチン酸、グリシルレチン酸等が挙げられる。これらのテルペン化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
香料を配合する場合の配合量は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し、0.1〜70質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。添加量が70質量部以下であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
界面活性剤を配合する場合の配合量は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。添加量が10質量部以内であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
複素環構造化合物の具体的な化合物としては、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、1,3−ジメチル−5−ピラゾロン、3,5−ジメチルピラゾール、5,5−ジメチルヒダントイン、3−メチル−5−ピラゾロン、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、2−メチルイミダゾール、1,10−フェナントロリン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンズオキサゾール、メチルチオベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、メチルチオベンズイミダゾール、ベンズイミダゾール、フェニルメルカプトチアゾリン、メルカプトフェニルテトラゾール、及びメルカプトメチルテトラゾール等が挙げられる。また、ベンゾトリアゾール類の例としては、以下の:
これらの複素環含有化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
複素環含有化合物を配合する場合の配合量は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。複素環含有化合物の配合量が0.1質量部以上であると熱硬化後の膜の銅基板に対する接着性が良好になり、また30質量部以下であると組成物の安定性が良好である。
重合禁止剤を配合する場合の配合量は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対し、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.05〜1質量部であることがより好ましい。添加量が5質量部以内であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
次に、本発明の硬化レリーフパターンの製造方法について、以下具体的に説明する。
本発明に係る感光性樹脂組成物を用いて、以下の方法により、硬化レリーフパターンを製造することができる。
以下の工程:
(1)前記した感光性樹脂組成物又は感光性樹脂組成物の溶液を塗布して得られた感光性樹脂層を基板上に形成する工程、
(2)露光する工程、
(3)現像する工程、
(4)得られたレリーフパターンを加熱処理する工程、
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
感光性樹脂組成物又はその溶液を、例えばシリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等の基板に、スピナーを用いた回転塗布、又はダイコーター若しくはロールコーター等のコータ−により塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃、好ましくは100〜140℃の熱をかけて乾燥して有機溶媒を除去する(以下、「ソフトベーク」又は「プリベーク」ともいう。)。
続いて、感光性樹脂層を、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線による露光を行うか又は光線、電子線若しくはイオン線を直接照射して露光する。活性光線としては、g線、h線、i線、KrFレーザーを用いることもできる。
ネガ型感光性組成物の場合には、露光後に再度、80〜140℃で30秒〜600秒間加熱する。これをポストイクスポージャーベーク(以下、PEBともいう)という。この工程により、露光により発生した酸を触媒にして、露光部の熱により酸を発生する化合物(G)の作用により酸の作用により架橋し得る化合物(H)が熱架橋反応を起こし、アルカリ水溶液に対して不溶化する。
次に、ポジ型感光性組成物の場合は該露光部を、ネガ型感光性組成物の場合は該未露光部を現像液で溶解除去し、引き続きリンス液によるリンスを行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としてはスプレー、パドル、ディップ、超音波等の方式が可能である。リンス液は蒸留水、脱イオン水等が使用できる。
感光性樹脂組成物により形成された膜を現像するために用いられる現像液は、アルカリ可溶性重合体(A)を溶解除去するものであり、アルカリ化合物を溶解したアルカリ性水溶液であることが必要である。現像液中に溶解されるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物又は有機アルカリ化合物のいずれであってもよい。
また、該有機アルカリ化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、上記アルカリ性水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
最後に、得られたレリーフパターンをキュアして、ポリベンズオキサゾール構造を有する樹脂からなる耐熱性硬化レリーフパターンを形成する。加熱装置としては、オーブン炉、ホットプレート、縦型炉、ベルトコンベアー炉、圧力オーブン等を使用することができ、加熱方法としては、熱風、赤外線、電磁誘導による加熱等が推奨される。温度は150〜450℃が好ましく、150〜350℃がさらに好ましい。加熱時間は15分〜8時間が好ましく、1時間〜4時間がさらに好ましい。雰囲気は窒素、アルゴン等不活性ガス中が好ましい。
半導体装置用途の例としては、半導体素子上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなるパッシベーション膜、パッシベーション膜上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなるバッファーコート膜等の保護膜、半導体素子上に形成された回路上に上述のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなる層間絶縁膜等の絶縁膜、α線遮断膜、平坦化膜、突起(樹脂ポスト)、隔壁等を挙げることができる。特に、耐熱性の低いMRAM(磁気抵抗メモリ:Mabnet Resistive Randaom Access Memory)や TSV(Throgh Silion Via)技術に用いる層間絶縁膜、Fan−Out技術に用いる層間絶縁膜用途が、本発明の低温領域のキュアで必要な物性を得られる点で好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、表示体装置の液晶配向膜等の用途、発光素子の用途にも有用である。
<光酸発生剤(B)ナフトキノンジアジド化合物の合成>
〔参考例1〕
容量1Lのセパラブルフラスコに、ポリヒドロキシ化合物として4,4’−(1−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール(本州化学工業社製、商品名:Tris−PA)化合物30g(0.0707mol)を用い、これに、このOH基の83.3モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォン酸クロライド47.49g(0.177mol)をアセトン300gに撹拌溶解したものを添加した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次にアセトン18gにトリエチルアミン17.9gを溶解したものを滴下ロートに仕込んだ後、これを30分かけてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後更に30分間撹拌を続け、その後塩酸を滴下し、更に30分間撹拌して反応を終了させた。その後濾過し、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。ここで得られた濾液を純水1640gと塩酸30gを混合撹拌した3Lビーカーに撹拌しながら滴下し、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、光酸発生剤(B)(Q−1)を得た。
〔参考例2〕
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した500mL3つ口フラスコに、二炭酸ジ−t−ブチル131.0g(0.6mol)、GBL780gを入れ、室温下で3−アミノプロピルトリエトキシシラン132.8g(0.6mol)をゆっくり室温下で滴下した。滴下するに従い、反応液は約40℃まで発熱した。また、反応に伴い、炭酸ガスの発生が確認された。滴下終了後、室温で2時間攪拌した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で反応液を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物C−1が単一ピークとして純度98%で検出された。この様にして、有機ケイ素化合物(C)C−1溶液を得た。得られた反応溶液はGBLに対して、C−1が20重量%となるよう調整した。C−1の構造を以下に示す:
(実施例1)
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた、容量500mLの三口フラスコ内に、以下の構造:
滴下後、1時間攪拌した反応溶液を、滴下ロートを用いて、別途、テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量2Lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン(以下、「6FAP」ともいう。)58.57g(0.16mol)、ピリジン18.9g(0.24mol)、GBL395g及びDMAc131.8gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させ、その反応容器をメタノールにドライアイスを加えた容器に浸して−15℃に冷却した反応溶液に、滴下した。反応系中は−15〜0℃に保って45分を要して反応容器に滴下した。滴下終了後、反応容器を氷浴に浸し、0〜10℃に保って1時間攪拌した。さらにピリジン9.49g(0.12mol)を加えた。
このようにして合成されたアルカリ可溶性重合体のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で14200の単一のシャープな曲線であり、単一組成物であった。GPCの分析条件を以下に記す。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン 40℃
流速 :1.0mL/分
検出器:日本分光社製 商標名 RI−930
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をスクシン酸ジクロリド(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP2とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は18,000であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をグルタル酸ジクロリド(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP3とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は11,200であった。
実施例1で使用した6FAP(0.16mol)を2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピリデン(0.16mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP4とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は20,200であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をスベリン酸ジクロリド(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP5とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は21,300であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をセバシン酸ジクロリド(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP6とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は26,200であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をドデカン二酸ジクロリド(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP7とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は26,600であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をジメチルマロン酸ジクロリド(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP8とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は17,000であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をヘキサフルオログルタル酸ジクロリド(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP9とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は9,400であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をグルタル酸ジクロリド(0.18mol)に、6FAPを2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピリデン(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP10とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は14,300であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をスベリン酸ジクロリド(0.18mol)に、6FAPを2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピリデン(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP11とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は29,300であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をセバシン酸ジクロリド(0.18mol)に、6FAPを2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピリデン(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP12とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は23,200であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をドデカン二酸ジクロリド(0.18mol)に、6FAPを2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピリデン(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP13とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は21,000であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリド(0.18mol)をジメチルマロン酸ジクロリド(0.18mol)に、6FAPを2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピリデン(0.18mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP14とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は26,600であった。
実施例3で使用したグルタル酸ジクロリドの50mol%を4,4'−ジフェニルエー
テルジカルボン酸ジクロリドに置き換えた以外は実施例3と同様の条件にて合成を行った
。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP15とする)の標準ポリスチレン換
算により求めた重量平均分子量は30,000であった。
実施例8で使用したジメチルマロン酸ジクロリド(0.18mol)の50mol%を4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリドに置き換えた以外は実施例8と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP16とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は32,800であった。
実施例6で使用したセバシン酸ジクロリドの40mol%を4,4'−ジフェニルエー
テルジカルボン酸ジクロリドに置き換えた以外は実施例6と同様の条件にて合成を行った
。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP17とする)の標準ポリスチレン換
算により求めた重量平均分子量は32,000であった。
実施例7で使用したドデカン二酸ジクロリドの40mol%を4,4'−ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸ジクロリドに置き換えた以外は実施例7と同様の条件にて合成を行っ
た。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP18とする)の標準ポリスチレン
換算により求めた重量平均分子量は29,000であった。
実施例8で使用したジメチルマロン酸ジクロリドの50mol%を4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリドに、6FAPを2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピリデン(0.18mol)に置き換えた以外は実施例8と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP19とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は27,600であった。
実施例1で使用したアジピン酸ジクロリドの50mol%をビス(クロロカルボニル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンを47.5g(0.18mol)に置き換えた以外は実施例3と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP15とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は18,000であった。
実施例17で使用したTMOM−BPを以下の構造:
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた、容量500mLの三口フラスコ内の、TMOM−BP(本州化学:商品名)25.4g(0.07mol)、ピリジン11.0g(0.14mol)及びGBL152gを0℃で混合攪拌した溶液に、別途GBL118g中に無水トリメリット酸クロリドを29.5g(0.14mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は50分、反応液温は最大で18℃であった。
滴下後、1時間攪拌した反応溶液を、テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量2Lのセパラブルフラスコ中に、入れ、更にアジピン酸ジクロリド11.0g(0.06mol)、NMP93gを加え、続いて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル38.0g(0.19mol)、をNMP176gに溶解させたものを加え、室温(25℃)で1時間攪拌し、更にシリコン浴温度50℃で4時間反応させた。
その後エチルアルコール30mLを加えて、1時間攪拌し、更にDMAc250mLとTHF400mLを加えた後、沈殿を吸引濾過により除去して得られた上記反応液にエタノールを加えていき、生成した沈殿を濾別した後、真空乾燥してポリイミド前駆体構造と架橋基含有構造を有するアルカリ可溶性重合体(P22)を得た。このようにして合成されたアルカリ可溶性重合体のGPCによる重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で16000の単一のシャープな曲線であった。
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた、容量2Lのセパラブルフラスコ中で、6FAP73.2g(0.20mol)、ピリジン21.1g(0.27mol)、GBL439g、及びDMAc146gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。これに、別途GBL88g中に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(東京化成工業社製)6.6g(0.04mol)を溶解させたものを滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は25分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、湯浴により反応液を50℃に加温し18時間撹拌した後、反応液のIRスペクトルの測定を行い1385cm-1及び1772cm-1のイミド基の特性吸収が現れたことを確認した。
上記反応液にエタノールを加えて重合体を析出させた後これを回収し、GBL671gに溶解させた。次いで、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリストA21)62.1g、陰イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリスト15)59.6gでイオン交換した。この溶液を12Lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗及び脱水の後に真空乾燥を施し、アルカリ可溶性重合体(P23)としてPBO前駆体を得た。このようにして合成されたアルカリ可溶性重合体のGPCによる重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で14,000の単一のシャープな曲線であった。
比較例1で使用した4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド53.1g(0.18mol)をアジピン酸ジクロリド(0.18mol)に置き換えた以外は、比較例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP24とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は10,300であった。
比較例1で使用した4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド53.1g(0.18mol)をジメチルマロン酸ジクロリド(0.18mol)に置き換えた以外は、比較例1と同様の条件にて合成を行った。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP25とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は18,400であった。
比較例1で使用した4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリドの60mol%をセバシン酸ジクロリドに置き換えた以外は比較例1と同様の条件にて合成を行った
。得られたアルカリ可溶性重合体(以下、ポリマーP26とする)の標準ポリスチレン換
算により求めた重量平均分子量は22,000であった。
(1)硬化時残膜率の測定
上記実施例1〜22、及び比較例1〜4で得られたアルカリ可溶性重合体(A)(P−1〜P−26)をNMPに溶解させて、樹脂固形分が35質量%となる濃度のアルカリ可溶性重合体(A)の溶液を作製した。各アルカリ可溶性重合体溶液は0.2μmのフィルターで濾過して調製した。
上記のアルカリ可溶性重合体溶液を6インチ・シリコンウエハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)により塗布し、125℃で180秒間乾燥した後、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱した。
硬化時残膜率(%)は、(キュア後の硬化の膜厚)/(スピンコート後のレリーフパターンの膜厚)×100により求めた。結果を以下の表1に示す。
上記実施例1〜22、及び比較例1〜4で得られたアルカリ可溶性重合体(A)(P−1〜P−26)をNMPに溶解させて樹脂固形分が、35質量%となる濃度のアルカリ可溶性重合体の溶液を作製した。各アルカリ可溶性重合体溶液は0.2μmのフィルターで濾過して調製した。
上記のアルカリ可溶性重合体溶液を6インチ・シリコンウエハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)により塗布し、125℃で180秒間乾燥した後、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱し、膜厚10.0μmの硬化膜を得た。
この硬化膜を、3mm幅にカットし、希フッ酸水溶液に一晩浸してフィルム片を剥離し、乾燥させたものを、TMA装置(島津製作所製 TMA−50)を用いて、窒素流量50ml/min、昇温速度10℃/minの条件によりガラス転移温度を測定した。結果を以下の表1に示す。
上記(2)硬化膜のガラス転移温度(Tg)の測定で作製したアルカリ可溶性重合体(A)溶液を、6インチ・シリコンウエハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)により塗布し、125℃で180秒間乾燥した後、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱し、膜厚10.0μmの耐熱性硬化膜を得た。
この硬化膜を、3mm幅にカットし、希フッ酸水溶液に一晩浸してフィルム片を剥離し、乾燥させたものを、長さ50mmになるようにカットし、TENSILON(オリエンテック社製 UTM−II−20)を用いて、試験速度40mm/min、初期加重0.5fsで、硬化膜の弾性率及び伸度を測定した。結果を以下の表1に示す。
上記(2)硬化膜のガラス転移温度(Tg)の測定で作製したアルカリ可溶性重合体(A)溶液を、精密天秤で精評した6インチ・シリコンウエハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)により塗布し、125℃で180秒間乾燥した後、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱し、膜厚10.0μmの耐熱性硬化膜を得た。窒素パージしたドライボックス内で硬化膜付きのシリコンウエハーの重量を測定し、予め測定していたシリコンウエハーの重量を差し引くことで、乾燥した硬化膜の重量が測定できる。
硬化膜付きのシリコンウエハーを湿度50%室温で5時間放置し、吸湿した状態で精密天秤で硬化膜付きのシリコンウエハーの重量を測定し、予め測定していたシリコンウエハーの重量を差し引くことで、吸湿した硬化膜の重量が測定できる。吸湿した硬化膜の重量から乾燥した硬化膜の重量を差し引くことで吸湿した水分の量を算出し、これを乾燥した硬化膜の重量で割ることで、吸湿率を求めた。
この場合、実施例1は、架橋基含有構造を含有しない以外はほぼ同一の構造を有する比較例2と比較することで、同様に、実施例8は比較例3と、実施例17は比較例4と比較することで、上記効果が発現していることがわかる。
[実施例23〜30、比較例5〜12]
実施例23〜30、及び比較例5〜12のポジ型感光性樹脂組成物として、上記実施例1〜22、及び比較例1〜4で得られたアルカリ可溶性重合体(A)(P1、P6、P,8、P17、P23、P24、P25、P26)100質量部に対して、以下の表2に示す組成でGBLとNMPを50%ずつ混合させた溶媒に溶解させて、樹脂固形分が35質量%となる濃度のアルカリ可溶性重合体溶液を作製した。熱架橋剤MX−270は下記化合物である。
(1)パターニング特性評価
・プリベーク膜の作製、及び膜厚測定
上記実施例23〜30、及び比較例5〜12のポジ型感光性樹脂組成物をスピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)で6インチ・シリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレート上125℃で180秒間プリベークして評価用膜を得た。各組成物の初期膜厚は、200℃で1時間キュアした時の硬化後樹脂膜厚で7μm、となるように調整した。膜厚は膜厚測定装置(大日本スクリーン製造社製ラムダエース)にて測定した。
・露光
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi線(365nm)の露光波長を有するステッパー(ニコン社製NSR2005i8A)を用いて露光量を段階的に変化させて露光した。
・現像
これをアルカリ現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が初期膜厚の85%となるように現像時間を調整して現像し、純水にてリンスを行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。
[感度(mJ/cm2)]
上記条件で作製した塗膜において、露光部の3.5μm正方形レリーフパターンが完全に溶解除去しうる最小露光量を感度として評価した。結果を以下の表3に示す。
テーパー角の評価は、上記(1)パターニング特性評価で得られたポジ型のレリーフパターンを形成したサンプルを昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱して得られた硬化膜の50μmラインの断面を、日立製作所(株)製 S−2400形日立走査電子顕微鏡を用いて観察した。この断面において、図1に示すように、ラインのパターン側面と基板のなす角度をテーパー角(θ)として求めた。このテーパー角が50°超であれば、半導体装置の表面保護膜、及び層間絶縁膜として好ましいと判断できる。結果を以下の表3に示す。
上記(1)パターニング特性評価で得られたポジ型のレリーフパターンを形成したサンプルを昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間半加熱した。
得られた硬化膜を80℃に加熱されたレジスト剥離液TOK105(東京応化工業社製)が満たされたバスに5分間浸し、純水で洗浄後し、パターンの状態を観測した。結果を以下の表3に示す。
上記実施例23〜30、及び比較例5〜12で得られたポジ型感光性樹脂組成物を6インチ・シリコンウエハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)により塗布し、125℃で180秒間乾燥した後、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱し、膜厚10.0μmの硬化膜を得た。
この硬化膜を、3mm幅にカットし、希フッ酸水溶液に一晩浸してフィルム片を剥離し、乾燥させたものを、TMA装置(島津製作所製 TMA−50)を用いて、窒素流量50ml/min、昇温速度10℃/minの条件によりガラス転移温度を測定した。結果を以下の表4に示す。
上記実施例23〜30、及び比較例5〜12で得られたポジ型感光性樹脂組成物を、6インチ・シリコンウエハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)により塗布し、125℃で180秒間乾燥した後、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱し、膜厚10.0μmの耐熱性硬化膜を得た。
この硬化膜を、3mm幅にカットし、希フッ酸水溶液に一晩浸してフィルム片を剥離し、乾燥させたものを、長さ50mmになるようにカットし、TENSILON(オリエンテック社製 UTM−II−20)を用いて、試験速度40mm/min、初期加重0.5fsで、硬化膜の伸度を測定した。結果を以下の表4に示す。
上記実施例23〜30、及び比較例5〜12で得られたポジ型感光性樹脂組成物を、精密天秤で精評した6インチ・シリコンウエハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)により塗布し、125℃で180秒間乾燥した後、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱し、膜厚10.0μmの耐熱性硬化膜を得た。窒素パージしたドライボックス内で硬化膜付きのシリコンウエハーの重量を測定し、予め測定していたシリコンウエハーの重量を差し引くことで、乾燥した硬化膜の重量が測定できる。
硬化膜付きのシリコンウエハーを湿度50%室温で5時間放置し、吸湿した状態で精密天秤で硬化膜付きのシリコンウエハーの重量を測定し、予め測定していたシリコンウエハーの重量を差し引くことで、吸湿した硬化膜の重量が測定できる。吸湿した硬化膜の重量から乾燥した硬化膜の重量を差し引くことで吸湿した水分の量を算出し、これを乾燥した硬化膜の重量で割ることで、吸湿率を求めた。結果を以下の表4に示す。
上記実施例23〜30、及び比較例5〜12で得られたポジ型感光性樹脂組成物を、精密天秤で精評した6インチ・シリコンウエハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)により塗布し、125℃で180秒間乾燥した後、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱し、膜厚10.0μmの耐熱性硬化膜を得た。これをプレッシャークッカー(131℃、3.0気圧)で100時間処理を行った後、目視で硬化膜に表面異常が起こっていないかを確認した。観察の結果を表4に示す。
上記条件で調整したポジ型感光性樹脂組成物を室温で3日間放置したサンプルを調製後のサンプルとし、その後更に室温で4週間放置したサンプルを4週間後のサンプルとし、温調機付粘度計(東機産業社製TV−22を用いて、23℃における粘度測定を行った。
室温4週間粘度変化率は、[(4週間後のサンプルの粘度)−(調整後のサンプルの粘度)]/(調整後のサンプルの粘度)×100により求めた。結果を表4に示す。
b 表面保護膜のパターン側面
θ テーパー角
Claims (18)
- 下記一般式(1):
- 前記、一般式(1)におけるY1及びY2の少なくとも一方が、下記一般式(3):
- 上記一般式(1)中、m2の繰り返し単位数を有する部分が、下記一般式(5):
- 以下の工程:
脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体と架橋基含有化合物とを反応させ、両末端が脂肪族カルボン酸又はその誘導体である架橋基含有構造を有する化合物を合成する工程、
前記両末端が脂肪族カルボン酸又はその誘導体である架橋基含有構造を有する化合物と多価アミノ化合物とを重縮合させる工程、
を順に含む、アルカリ可溶性重合体の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、光酸発生剤(B)1〜50質量部を含む、感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、有機ケイ素化合物(C)1〜40質量部をさらに含む、請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光酸発生剤(B)が、ナフトキノンジアジド化合物であり、前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、モノカルボン酸化合物(D)1〜40質量部をさらに含む、請求項5又は6に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、フェノール化合物(E)1〜100質量部をさらに含む、請求項5〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、熱により架橋反応を起こす化合物(F)0.5〜15質量部をさらに含む、請求項5〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記熱により架橋反応を起こす化合物(F)が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン化合物、アルケニル化合物、下記一般式(6):
- 前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、熱により酸を発生する化合物(G)0.1〜30質量部をさらに含む、請求項5〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、光酸発生剤(B)0.5〜30質量部、及び酸の作用により架橋し得る化合物(H)0.5〜15質量部を含む感光性樹脂組成物。
- 前記酸の作用により架橋し得る化合物(H)が、分子内にメチロール基又はアルコキシメチル基を有する化合物である、請求項12に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、増感剤となる化合物(I)1〜20質量部をさらに含む、請求項12又は13に記載の感光性樹脂組成物。
- 有機溶媒(J)をさらに含む、請求項5〜14のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物溶液。
- 以下の工程:
(1)請求項5〜14のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物又は請求項15に記載の感光性樹脂組成物溶液を塗布して得られた感光性樹脂層を基板上に形成する工程、
(2)露光する工程、
(3)現像する工程、
(4)得られたレリーフパターンを加熱処理する工程、
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。 - 半導体基板と、該半導体基板に設けられた半導体素子と、該半導体素子の上部に設けられた絶縁膜とを備え、該絶縁膜は、請求項16に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンであることを特徴とする半導体装置。
- 表示素子用基板と、該基板の表面を覆う絶縁膜と、該表示素子用基板の上部に設けられた表示素子とを備え、該絶縁膜は、請求項16に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンであることを特徴とする発光装置。
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