JP2011132492A - トリアリールメタン系染料 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系染料、
(3)前記アルキルベンゼンのアルキル基の炭素鎖が炭素数8以上である上記(2)に記載のトリアリールメタン系染料、
(4)前記一般式(I)におけるXがアルコキシフェニル基である上記(1)に記載のトリアリールメタン系染料、
(5)前記アルコキシフェニル基におけるアルコキシ基の数が1〜3であり、かつそのアルコキシ基の炭素数が6以上である上記(4)に記載のトリアリールメタン系染料、
(6)前記一般式(I)におけるYがパーフルオロアルキル基である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のトリアリールメタン系染料、
(7)前記一般式(I)におけるR5が水素原子であり、R1、R2、R3、R4、及びR6が各々独立に炭素数1〜20のアルキル基である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のトリアリールメタン系染料、及び
(8)R1、R2、R3、R4、及びR6がすべて同一である上記(7)に記載のトリアリールメタン系染料である。
本実施形態のトリアリールメタン系染料は、下記一般式(I)で表されることを特徴とする。
より具体的には、前記アルキル基は直鎖または分岐若しくは環状のアルキル基でもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコサニル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、直鎖または分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、分岐したウンデシル基、分岐したドデシル基、分岐したトリデシル基、分岐したテトラデシル基、分岐したペンタデシル基、分岐したヘキサデシル基、分岐したヘプタデシル基、分岐したオクタデシル基、直鎖または分岐のノナデシル基、直鎖または分岐のエイコサニル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、シス−ミルタニル基、イソピノカンフェニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−(1−アダマンチル)エチル基、3,5−ジメチルアダマンチル基、キヌクリジニル基、シクロペンチルエチル基、ビシクロオクチル基が好ましく挙げられる。
また、例えば置換基としてアルキル基を有するアリール基としては、ベンジル基、4−メトキシフェニルエチル基、3−メトキシフェニルエチル基、2−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−エトキシベンジル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、2−(トリフルオロメチル)ベンジル基、3−(トリフルオロメチル)ベンジル基、4−フルオロベンジル基、3−ヨードベンジル基、4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル基、3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル基及び4−(トリフルオロメチルスルファニル)ベンジル基などが挙げられる。
また、前記のようにR1、R2、R3、R4及びR6は各々異なっていても同一であってもよいが、色素構造の観点からはすべて同一であることが好ましい。
Xにおけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、アンスラキノニル基、ピレニル基、及び複素環基が挙げられ、これらはアルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、置換カルバモイル基、置換スルファモイル基、置換アミノ基、置換オキシカルボニル基、置換オキシスルホニル基、アルキルチオ基、アリールスルホニル基、及びフェニル基等の置換基を有していてもよい。
これらのうち、Xがアルキルベンゼンであることが好ましく、特に、置換基として炭素数8以上のアルキル基を有するフェニル基が現像溶解性の観点から好ましい。また該アルキル基の炭素数の上限としては、本発明の効果を奏する範囲で特に制限はないが、ガラス転移点が下がりすぎず、十分な耐熱性を有するとの観点から、また、取り扱いが容易との観点から、炭素数20以下が好ましく、さらには炭素数15以下が好ましい。
なお、ここで現像溶解性とは、例えば、本発明の染料をカラーフィルタ用着色組成物として用いる場合に、露光・現像プロセスにおける未露光部分の現像溶解性をいう。
上記範囲のうち、特に、フェニル基に置換するアルコキシ基の数が1の場合には、該アルコキシ基の炭素数は10以上であることが、またフェニル基に置換するアルコキシ基の数が2の場合には、該アルコキシ基の炭素数はいずれも10以上であることが、現像溶解性の観点から好ましい。さらに、フェニル基に置換するアルコキシ基の数が3の場合には、該アルコキシ基の炭素数は、いずれも6〜12であることが、溶解性と、樹脂組成物とした場合の相分離抑制の観点から好ましい。
対アニオンが、下記式で示される色素は、例えば対アニオンがCl-で示される色素に、対応するスルホニルイミド酸を加え、塩交換を行うことにより合成することができる。
上記良好な溶解性の対象となる有機溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等の酢酸エステル類;エチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、オクタン、デカン等の炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらの溶剤の中で、特にアセトン、酢酸エチル、メタノールなどへの溶解性に優れることが望ましい。
(トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩の合成)
東京化成工業(株)製トリフルオロメタンスルホンアミド3.00g(20.1mmol)を塩化メチレン30mL中に溶解し、内温を5℃以下に冷却した。内温が10℃を越えないように和光純薬工業(株)製トリエチルアミン5.10g(50.4mmol)を滴下し、滴下終了後10℃以下で和光純薬工業(株)製p−トルエンスルホニルクロライド3.84g(20.1mmol)を添加した。5℃以下で1時間攪拌した後、室温下で5時間さらに攪拌し、該反応液に水100mLを加え抽出した。分液した有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで脱水し、有機層をエバポレーターで減圧濃縮して、下記構造式(13)で示される(トシル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩を8.07g(収率99%)得た。
上記(トシル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩(構造式13)について、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS(ESI)(m/z):102(+)、302(−)
・元素分析値:CHN実測値(41.28%、5.92%、7.14%);理論値(41.57%、5.73%、6.93%)
下記構造式(12)で示される東京化成工業(株)製Basic Blue 7(CI−42595)5g(9.73mmol)をメタノール30mLに溶解し、上記のように製造した下記構造式(13)で示される(トシル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩を攪拌しながら、3.93g(9.73mmol)を加え、さらに室温で1時間攪拌した。エバポレーターで溶液中のメタノールを濃縮し、水100mLを加え沈殿物を濾取し、水で洗浄した。該ケーキを減圧乾燥して、前記例示化合物(1)で表される染料A、6.30g(収率83%)を得た。
・MS(ESI)(m/z):478(+)、302(−)
・元素分析値:CHN実測値(62.82%、5.93%、7.31%);理論値(63.06%、6.07%、7.17%)
以下の方法により、染料の溶解性、耐熱性及び耐光性の評価を行なった。評価した結果を第1表に示す。
−溶解性−
上記で得られた染料Aを、アセトン、酢酸エチル及びメタノールに各々3質量%となるように加えて溶解(室温)させたときの溶解の程度から、下記判断基準にしたがって目視により評価した。
〔評価基準〕
○:完全に溶解した。
△:少しの溶け残りが認められた。
×:不溶分が多く認められた。
〔塗液の調製及び塗膜の作製〕
・ポリビニルピロリドン(重量平均分子量55000、アルドリッチ社製):8質量部
・2−メトキシエタノール:32質量部
・染料A:1質量部
以上を混合、攪拌して不揮発分22質量%の透明樹脂組成物(塗液)とした。この塗液をスピンコート法によりガラス基板上に塗布し、80℃で乾燥させ評価用の塗膜を作製した。
前記耐熱性評価と同様にして作製したガラス基板上の塗膜に対して、キセノンランプ(アトラス社製Ci4000ウェザメータ、内側フィルターとしてCIRA、外側フィルターとしてソーダライムを用いた条件:波長300nm以下をカット)を用い、420nmの波長での照度を1.2mW/m2で5時間照射(21kJ/m2相当)した後、前記耐熱性評価と同様にしてΔEab値を測定した。
実施例1において、(トシル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩に代えて、下記構造式(14)で示される(p−ドデシルベンゼンスルホニル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩2.50g(4.47mmol)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、前記例示化合物(8)で表される染料B、2.93g(収率70%)を得た。
・MS(ESI)(m/z):478(+)、456(−)
・元素分析値:CHN実測値(66.98%、7.63%、6.21%);理論値(66.78%、 7.44%、5.99%)
実施例1において、(トシル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩に代えて、下記構造式(15)で示される(3,4−(ビス(ドデシルオキシ)ベンゼンスルホニル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩2.00g(2.63mmol)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、前記例示化合物(9)で表される染料C、2.06g(収率69%)を得た。
・MS(ESI)(m/z):478(+)、656(−)
・元素分析値:CHN実測値(67.78%、8.41%、4.74%);理論値(67.69%、8.25%、4.93%)
実施例1において、(トシル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩に代えて、下記構造式(16)で示される2,3,4−(トリス(ドデシルオキシ)ベンゼンスルホニル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩2.19g(2.32mmol)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、前記例示化合物(10)で表される染料D、1.89g(収率62%)を得た。
・MS(ESI)(m/z):478(+)、840(−)
・元素分析値:CHN実測値(69.27%、9.13%、4.02%);理論値(69.16%、8.93%、4.24%)
実施例1において、(トシル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩に代えて、下記構造式(17)で示される2,3,4―(トリス(オクチルオキシ)ベンゼンスルホニル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩3.25g(4.19mmol)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、前記例示化合物(11)で表される染料E、3.22g(収率67%)を得た。
・MS(ESI)(m/z):478(+)、672(−)
・元素分析値:CHN実測値(66.91%、8.29 %、4.57%);理論値( 66.75%、8.14%、4.87%)
実施例1において、染料Aの代わりに、東京化成工業(株)製Basic Blue 7(CI−42595、前記構造式(12))を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を第1表に示す。
実施例1において、染料Aの代わりに下記構造式(18)で示される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下記構造式(18)で示される化合物は実施例1における染料の合成において、(トシル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩の代わりに、和光純薬工業(株)製p−トルエンスルホン酸を等モル用いた以外は、実施例1と同様にして合成し5.81g、収率92%で得た。
・MS(ESI)(m/z):478(+)、171(−)
・元素分析値:CHN実測値(73.71%、7.45%、6.23%);理論値(73.93%、7.29%、6.47%)評価結果を第1表に示す。
実施例1において、染料Aの代わりに下記構造式(19)で示される化合物)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下記構造式(19)で示される化合物は実施例1における染料の合成において、(トシル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩の代わりに、アルドリッチ製ビストリフルオロメタンスルホニルイミドを等モル用いた以外は、実施例1と同様にして合成し7.31g、収率99%で得た。
・MS(ESI)(m/z):478(+)、280(−)
・元素分析値:CHN実測値(55.61%、5.42%、7.16%);理論値(55.40%、5.31%、7.38%)評価結果を第1表に示す。
実施例1において、染料Aの代わりに下記構造式(20)で示される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下記構造式(20)で示される化合物は実施例1における染料の合成において、(トシル)トリフルオロメタンスルホニルイミド酸トリエチルアミン塩の代わりに東京化成工業(株)製1−ナフタレンスルホン酸ナトリウムを等モル用いた以外は、実施例1と同様にして合成し6.00g、収率90%で得た。
・MS(ESI)(m/z):478(+)、207(−)
・元素分析値:CHN実測値(76.07%、6.67%、6.35%);理論値(75.29%、6.91%、6.13%)評価結果を第1表に示す。
Claims (8)
- 前記一般式(I)におけるXがアルキルベンゼンである請求項1に記載のトリアリールメタン系染料。
- 前記アルキルベンゼンのアルキル基の炭素鎖が炭素数8以上である請求項2に記載のトリアリールメタン系染料。
- 前記一般式(I)におけるXがアルコキシフェニル基である請求項1に記載のトリアリールメタン系染料。
- 前記アルコキシフェニル基におけるアルコキシ基の数が1〜3であり、かつそのアルコキシ基の炭素数が6以上である請求項4に記載のトリアリールメタン系染料。
- 前記一般式(I)におけるYがパーフルオロアルキル基である請求項1〜5のいずれかに記載のトリアリールメタン系染料。
- 前記一般式(I)におけるR5が水素原子であり、R1、R2、R3、R4、及びR6が各々独立に炭素数1〜20のアルキル基である請求項1〜6のいずれかに記載のトリアリールメタン系染料。
- R1、R2、R3、R4、及びR6がすべて同一である請求項7に記載のトリアリールメタン系染料。
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