JP2011132148A - 抗菌剤およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、樹脂、セラミックス、金属、溶媒などへの分散性に優れた抗菌剤およびその製造方法を提供する。
【解決手段】無機粒子と重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることにより重合可能なエチレン性不飽和基を無機粒子に結合させ、 重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子と、抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する単量体とを共重合することにより抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する重合体を無機粒子に結合させ、 次いで、前記の抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する重合体が結合された無機粒子と抗菌性化合物とを反応させることにより無機粒子に結合された前記重合体を抗菌性重合体に変成することによって、抗菌剤を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌剤およびその製造方法に関する。さらに詳細に、本発明は、耐熱性に優れ、樹脂、セラミックス、金属、溶媒などへの分散性に優れた抗菌剤およびその製造方法に関する。
鮮魚や食肉などが直接に触れる部材に抗菌剤を混入或いは表面に塗工するなどして、上記部材の表面における細菌の増殖を抑制することが広く行われている。
このような抗菌剤として、例えば、特許文献1において、多孔性のシリカゲルに銀錯塩等の抗菌成分を担持させたものが開示されている。シリカゲルへの抗菌成分の担持法として、含浸法、沈殿法、イオン交換法、メカノケミカル法、蒸着法などが特許文献1に開示されている。
特許文献2には、カテキンやサポニンなどのポリフェノール化合物系抗菌成分を添加したケイ酸塩水溶液をゲル化反応させて該抗菌成分をシリカゲル中に含有させたものが記載されている。
また、特許文献3には、ビニルベンジルホスホニウム塩をモノマー成分として有する抗菌性ポリマーをシリカなどの無機質担体に担持させて使用することが記載されている。
しかし、無機粒子に抗菌成分を担持または含有させただけの抗菌剤では、抗菌成分が溶出して、抗菌性能が経時的に低下してくる。溶出した抗菌成分が食品を汚染して、食用に適さなくなるということがある。また、抗菌剤の樹脂マトリックス中での分散性が悪く、抗菌剤入りの樹脂成形品は強度等が不足するなどの問題があった。
特許文献4には、抗菌性金属成分と該抗菌性金属成分以外の無機酸化物とからなるコロイド微粒子の表面が高分子化合物で修飾された抗菌性無機酸化物コロイド粒子からなる抗菌剤が記載されている。この抗菌剤は分散性の改善を試みたものであるが、高分子化合物で表面を被覆してしまうので抗菌性能が十分でなくなる。
無機微粒子に抗菌成分としての重合体を結合させる方法が、特許文献5において提案されている。特許文献5で提案された方法は、無機粒子にトリクロロアセチル基を結合させ、このトリクロロアセチル基で発生するラジカルを用いて重合反応を開始させて、重合体を合成している。この重合反応では、モリブデン化合物などの特殊な触媒を必要とする。しかも、その触媒等に合わせて溶媒を選択しなければならない。
特開平5−155725号公報 特開平11−313876号公報 特開平5−156103号公報 特開2002−80303号公報 特開2009−51895号公報
本発明は、耐熱性に優れ、樹脂、セラミックス、金属、溶媒などへの分散性に優れ、抗菌成分が溶出しない抗菌剤およびそれを安価に製造するための方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、重合可能なエチレン性不飽和基を無機粒子に導入し、この重合可能なエチレン性不飽和基が導入された無機粒子と抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する単量体とを共重合することによって抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する重合体を無機粒子に結合させ、次いで、前記重合体が結合された無機粒子と抗菌性化合物とを反応させることによって無機粒子に結合された重合体を抗菌性重合体に変成すると、耐熱性に優れ、樹脂、セラミックス、金属、溶媒などへの分散性に優れ、抗菌成分が溶出しない抗菌剤が安価に得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて、さらに検討し完成したものである。
すなわち、本発明は以下のものである。
(1)抗菌性官能基を有する単量体由来の繰り返し単位と、重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子由来の繰り返し単位とを有する重合体からなる抗菌剤。
(2)無機粒子と重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることにより重合可能なエチレン性不飽和基を無機粒子に結合させ、 重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子と抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する単量体とを共重合することにより抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する重合体を無機粒子に結合させ、 次いで、前記の抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する重合体が結合された無機粒子と抗菌性化合物とを反応させることにより無機粒子に結合された前記重合体を抗菌性重合体に変成することを含む、抗菌剤の製造方法。
(3)無機粒子と重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることにより重合可能なエチレン性不飽和基を無機粒子に結合させ、 重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子と抗菌性官能基を有する単量体とを共重合することにより抗菌性重合体を無機粒子に結合させることを含む、抗菌剤の製造方法。
本発明に係る抗菌剤の製造方法では、一般的な重合反応で用いられる安価な重合開始剤を用いることができ、さらに溶媒も一般的な重合反応で使用されているもので足りる。その結果として、抗菌性重合体が無機粒子に強固に結合されてなる抗菌剤を安価に得ることができる。この無機粒子に結合した抗菌性重合体は溶出し難いので、例えば、食品等に係る部材へ適用することができる。
本発明に係る抗菌剤は、耐熱性に優れているので、高温の溶融樹脂に添加しても抗菌性の劣化がなく、樹脂マトリックス中に均一に分散できるので、高い抗菌性能を有する樹脂成形品を得ることができる。
また、本発明に係る抗菌剤は、溶媒等への分散性に優れているので、抗菌性塗料などの用途に展開することができる。
本発明の抗菌剤は、抗菌性官能基を有する単量体由来の繰り返し単位と、重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子由来の繰り返し単位とを有する重合体からなるものである。
Figure 2011132148
抗菌性官能基を有する単量体由来の繰り返し単位は、例えば、式(a)で表される繰り返し単位である。式(a)中のAは抗菌性官能基を表す。抗菌性官能基については後で説明する。抗菌性官能基Aと重合体主鎖とを結合する部分は、式(a)において、単結合で表されているが、これに限定されない。例えば、後述する抗菌性官能基に結合可能な基を有する単量体または抗菌性官能基を有する単量体中の構造がほぼそのまま抗菌性官能基Aと重合体主鎖とを結合する部分の構造になったものでもよい。また、重合体主鎖の水素原子はメチル基などの基で置換されていてもよい。nは抗菌性官能基を有する単量体由来の繰り返し単位の数である。
Figure 2011132148
重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子由来の繰り返し単位は、例えば、式(b)で表される繰り返し単位である。式(b)中のSiO2と記された部分はシリカ粒子を表しているが、シリカ粒子以外の無機粒子であってもよい。無機粒子と重合体主鎖とを結合する部分は、式(b)において単結合で表されているが、これに限定されない。例えば、後述する重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物中の構造がほぼそのまま無機粒子と重合体主鎖とを結合する部分の構造になったものでもよい。また、重合体主鎖の水素原子はメチル基などの基で置換されていてもよい。mは重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子由来の繰り返し単位の数である。
抗菌性官能基を有する単量体由来の繰り返し単位と、重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子由来の繰り返し単位とは、ランダムに結合していてもよいし、ブロック状に結合していてもよい。
抗菌性官能基を有する単量体由来の繰り返し単位と、重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子由来の繰り返し単位との比率は、特に限定されないが、重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子由来の繰り返し単位に対して抗菌性官能基を有する単量体由来の繰り返し単位が好ましくは100〜250質量%、より好ましくは150〜250質量%であることが好ましい。
本発明に係る抗菌剤は以下に説明する製造方法によって好適に得ることができる。
本発明に係る抗菌剤の製造方法では、先ず無機粒子と重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることにより重合可能なエチレン性不飽和基を無機粒子に結合させる。
本発明に用いられる無機粒子は、無機材料からなる粒子である。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、フェライト、マグネシア、シリカチタニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、活性炭、カーボンブラック、カーボンナノファイバ、カーボンナノチューブ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸バリウム、珪藻土、ベントナイト、パーライトなどが挙げられる。これらのうち、シリカが好ましい。
無機粒子の大きさは、特に制限されないが、樹脂等への配合、塗料への分散を考慮すると、平均粒径が、好ましくは1nm〜2000μm、より好ましくは3nm〜1000μmである。無機粒子の形状は、不定形であってもよいし、球状、板状、棒状などであってもよいが、分散性等を考慮すると球状が好ましい。また無機粒子は、芯に空洞を有する粒子であってもよいし、多孔質の粒子であってもよい。
後述する重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物との反応率を高めるために無機粒子を処理して、無機粒子に在る水酸基等の量を増やすことができる。また、水酸基以外の官能基、例えばカルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、ウレイド基、スルフィド基、メルカプト基、ケチミノ基、イソシアネート基などを無機粒子に結合させることもできる。無機粒子に在る水酸基の量を増やしたり、水酸基以外の官能基を結合させたりするために、例えば、プラズマ放電処理、シランカップリング剤処理などの方法が採られる。
本発明に用いられる重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物は、重合可能なエチレン性不飽和基を無機粒子に結合させることができる化合物であれば、特に制限されない。例えば、重合可能なエチレン性不飽和基を有するアルコキシメタル化合物等が挙げられる。該アルコキシメタル化合物としては、アルコキシシラン化合物(シランカップリング剤)、アルコキシチタン化合物(チタンカップリング剤)、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤等が挙げられる。これらのうちシランカップリング剤が好ましい。重合可能なエチレン性不飽和基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン類;スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、スチリルメチルジメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のスチリルシラン類;アリルトリメトキシシラン、ジアリルジメトキシシラン等のアリルシラン類;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリロキシシラン類;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリロキシシラン類などが挙げられる。
重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物と無機粒子との反応は、通常、不活性雰囲気下で行う。例えば、反応器内を窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスで置き替えて反応させる。不活性ガスは、水分が除去されたものが好ましい。反応温度は、通常、100〜250℃、好ましくは150〜180℃である。
重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物と無機粒子との反応は、多量の溶媒に無機粒子を分散させた状態において行ってもよいが、溶媒を少量用いるかまたは全く用いないで無機粒子表面だけが重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物等で濡らされた状態にて行う方法(乾式反応法)が、重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子の回収、未反応の重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物の除去が容易であるので好ましい。
乾式反応法としては、例えば、無機粒子に、重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物が含まれる液を滴下または噴霧し、反応させる方法が挙げられる。該化合物が含まれる液の滴下または噴霧によって、無機粒子の表面に液膜が形成されると考えられる。乾式反応では、その液膜内において反応が進むと考えられる。
重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物が含まれる液の滴下量または噴霧量は、無機粒子の表面に液膜が形成されるのに必要十分な量であれば、特に制限されない。なお、液膜は無機粒子の全表面に形成されていてもよいし、無機粒子表面の一部に形成されていてもよい。無機粒子が多孔質のものである場合は、細孔内壁面にも液膜が形成されていてもよい。ただ、滴下または噴霧する量が増えてくると液膜の厚さが厚くなり、さらに滴下または噴霧する量が増えてくると液膜どうしがつながって無機粒子が凝集しはじめるので好ましくない。滴下または噴霧は、無機粒子の凝集状態に応じて、複数回に分けて行ってもよい。
重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物と無機粒子とを反応させた後、未反応の重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物を除去することが好ましい。除去方法は特に限定されないが、乾式反応法で反応を行った場合は蒸発による方法が最も簡便で好ましい。蒸発は、減圧下で行うことが好ましい。無機粒子を溶媒に分散させて反応を行った場合は、粒子と溶媒とを遠心力や重力等によって固液分離し、次いで分離した粒子を蒸発乾燥させることが好ましい。未反応の重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物が多量に残留していると遊離の抗菌性重合体が生成しやすい。遊離の抗菌性重合体が多量にあると、抗菌剤を樹脂等に添加した後で、樹脂成形体から抗菌成分が溶出しやすくなる。
以上の工程で、重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子が得られる。
次に重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子と単量体とを共重合させる。
本発明の第一態様の製法に用いられる単量体は、抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する単量体である。該単量体はラジカル重合可能なものであれば特に限定されない。
抗菌性化合物に結合可能な官能基としては、ハロゲン基、スルホン酸基、スルホン酸ナトリウム塩基、カルボキシル基、水酸基、イソシアネート基、アミノ基などが挙げられる。これらのうち、ハロゲン基が好ましく、クロロ基が特に好ましい。抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する単量体は、芳香環を含むものが好ましく、特にベンジル基を含むものが好ましい。抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する単量体の好ましい例としては、ビニルベンジルクロライド、トリエチル−3−ビニルベンジルクロライド、トリエチル−4−ビニルベンジルクロライド、トリブチル−3−ビニルベンジルクロライド、トリブチル−4−ビニルベンジルクロライド、トリフェニル−3−ビニルベンジルクロライド、トリフェニル−4−ビニルベンジルクロライド、トリオクチル−3−ビニルベンジルクロライド、トリオクチル−4−ビニルベンジルクロライド、トリエチル−3−ビニルベンジルブロマイド、トリエチル−4−ビニルベンジルブロマイド、トリエチル−3−ビニルベンジルテトラフロロボレート、トリエチル−4−ビニルベンジルテトラフロロボレート、p−スチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのうち、ビニルベンジルクロライドまたはp−スチレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する単量体以外に、他の単量体を共重合させてもよい。共重合させることができる単量体は特に制限されない。例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。
この共重合反応においては、重合開始剤が用いられる。該重合開始剤は、通常のラジカル重合反応の開始剤として用いられているものであれば特に限定されない。
例えば、ベンゾイルパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパ−オキシヘキサハイドロテレフタレ−ト、t−ブチルパーオキシ−2−メチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルブタノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2,2−ジメチル−アセテート、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、1,1’,3,3’−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;などを挙げることができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を使用することもできる。
重合開始剤の使用量は、特に制限はないが、単量体100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
また、該共重合反応においては、重合体の分子量を調整するために、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、テトラエチルチウラムジスルフィド、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;α−メチルスチレンダイマー、テルピリン等が挙げられる。
重合時に使用する溶媒は単量体を溶解可能なものであれば特に限定されない。例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、2−ブテンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロへキサン、シクロヘキセンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジメチルホルムアルデヒド、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
また、溶媒中における無機粒子の分散性を向上させるために、界面活性剤、分散剤などを用いることができる。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが挙げられる。また分散剤としては、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、セルロース類などの水溶性高分子が挙げられる。
該共重合反応においては、溶媒などの液体を全く使用しないか若しくは僅かな量だけを使用して重合する方法を採用することができる。例えば、重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子に、単量体が含まれる液を滴下または噴霧し、重合反応させる方法が挙げられる。単量体が含まれる液の滴下または噴霧によって、無機粒子の表面に液膜が形成されると考えられる。この共重合反応は、その液膜内において進むと考えられる。
単量体が含まれる液の滴下量または噴霧量は、無機粒子の表面に液膜が形成されるのに必要十分な量であれば、特に制限されない。なお、液膜は無機粒子の全表面に形成されていてもよいし、無機粒子表面の一部に形成されていてもよい。無機粒子が多孔質のものである場合は、細孔内壁面にも液膜が形成されていてもよい。ただ、滴下または噴霧する量が増えてくると液膜の厚さが厚くなり、さらに滴下または噴霧する量が増えてくると液膜どうしがつながって無機粒子が凝集しはじめるので好ましくない。滴下または噴霧は、無機粒子の凝集状態に応じて、複数回に分けて行ってもよい。
本発明の第一態様の製法では、この共重合によって、抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する重合体が無機粒子に結合される。
共重合後、未反応の単量体、無機粒子に結合されなかった遊離の重合体は、除去することが好ましい。除去方法は特に制限されないが、次のようにして除去することが好ましい。先ず遊離重合体を溶解可能な溶媒を添加して遊離重合体を溶解する。該液を遠心力や重力などによって固液分離して上澄み液を捨てる。これによって、遊離重合体を取り除くことができる。溶解−固液分離−上澄み除去は必要に応じて繰り返すことができる。次に、減圧乾燥などによって、未反応単量体や溶媒を除去することができる。
本発明の第一態様の製法では、さらに、前記重合体が結合された無機粒子と抗菌性化合物とを反応させて、重合体に抗菌性官能基を導入する。
抗菌性化合物は、抗菌性官能基になり得る構造を有する化合物である。抗菌性官能基としては、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基、カチオン性一級アンモニウム基、カチオン性二級アンモニウム基、カチオン性三級アンモニウム基、カチオン性四級アンモニウム基、カチオン性一級ホスホニウム基、カチオン性二級ホスホニウム基、カチオン性三級ホスホニウム基、カチオン性四級ホスホニウム基、カチオン性一級スルホニウム基、カチオン性二級スルホニウム基、カチオン性三級スルホニウム基、カチオン性四級スルホニウム基、ビグアニジン基、抗菌性ペプチド、フェノールラジカル、ポリフェノールラジカル、および/または抗生物質が挙げられる。これらのうち、耐熱性等の観点から、上記各種のホスホニウム基が好ましい。
ホスホニウム基になり得る構造を有する化合物の好ましい例としては、トリブチルホスフィンまたはその塩、トリヘプチルホスフィンまたはその塩などのトリアルキルホスフィンまたはその塩が挙げられる。トリアルキルホスフィンを構成する3つのアルキル基のうち、少なくとも一つは炭素数8以上のものであることが抗菌性能の観点から好ましい。
前記重合体が結合された無機粒子と抗菌性化合物との反応は、抗菌性化合物を溶解可能な溶媒中で行うことが好ましい。反応温度は、特に制限されず、好ましくは80〜150℃である。温度の上限は溶媒還流温度であることが特に好ましい。
重合体が結合された無機粒子に反応させる抗菌性化合物の量は、重合体中の抗菌性化合物に結合可能な官能基100モルに対して、好ましくは100〜300モル、より好ましくは150〜200モルである。
以上の反応によって、無機粒子に結合された重合体が抗菌性重合体に変成される。
該反応完了後、未反応の抗菌性化合物を除去することが好ましい。除去方法は特に制限されない。例えば、抗菌性化合物を溶解可能な溶媒を添加して未反応の抗菌性化合物を溶解する。該液を遠心力または重力によって固液分離して上澄み液を捨てる。これによって、未反応の抗菌性化合物を取り除くことができる。溶解−固液分離−上澄み除去は必要に応じて繰り返すことができる。次に、減圧乾燥などによって、溶媒を除去することができる。
一方、本発明の第二態様の製法に用いられる単量体は、抗菌性官能基を有する単量体である。抗菌性官能基は、抗菌性化合物の説明で挙げたものと同じものである。これらのうち、上記各種のホスホニウム基が好ましい。
ホスホニウム基を有する単量体としては、ビニルベンジルホスホニウムクロライド、トリエチル−3−ビニルベンジルホスホニウムクロライド、トリエチル−4−ビニルベンジルホスホニウムクロライド、トリブチル−3−ビニルベンジルホスホニウムクロライド、トリブチル−4−ビニルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニル−3−ビニルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニル−4−ビニルベンジルホスホニウムクロライド、トリオクチル−3−ビニルベンジルホスホニウムクロライドとトリオクチル−4−ビニルベンジルホスホニウムクロライド、トリエチル−3−ビニルベンジルホスホニウムブロマイド、トリエチル−4−ビニルベンジルホスホニウムブロマイド、トリエチル−3−ビニルベンジルホスホニウムテトラフロロボレート、トリエチル−4−ビニルベンジルホスホニウムテトラフロロボレート、p−スチレンスルホン酸ホスホニウムなどが挙げられる。これらのうち、ビニルベンジルホスホニウムクロライドが好ましい。
抗菌性官能基を有する単量体以外に、他の単量体を共重合させてもよい。共重合させることができる単量体は特に制限されない。例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。
第二態様の製法における共重合は、第一態様の製法における共重合と同様の条件によって行うことができる。
本発明の第二態様の製法では、この共重合によって、抗菌性官能基を有する重合体、すなわち抗菌性重合体が、無機粒子に結合される。なお、未反応単量体および無機粒子に結合されなかった抗菌性重合体等は、第一態様の製法と同様に除去することができる。
本発明の抗菌剤に含有される抗菌性重合体の数平均分子量は、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましく、5000以上がさらに好ましい。数平均分子量が小さいと、抗菌性能が低下傾向になり、また抗菌性重合体が溶出しやすくなる。なお、分子量は、無機粒子を溶解可能な物質(例えば、強酸や強アルカリ)で抗菌剤を処理し、抗菌性重合体を単離し、該重合体をGPCで分析することによって求めることができる。なお、第二態様の製法に比べ第一態様の製法は、分子量の大きい抗菌性重合体を無機粒子に結合させることができる。
本発明の抗菌剤は、無機粒子に結合された抗菌性重合体の量が、無機粒子に対して50質量%以上であることが好ましく、100〜250質量%であることがより好ましく、150〜200質量%であることが特に好ましい。結合された重合体の量が少ないと抗菌性能が低下傾向になる。
抗菌剤中の無機粒子と抗菌性重合体との質量比は、次のような方法で求めることができる。先ず、無機粒子を溶解可能な物質(例えば、強酸や強アルカリ)で抗菌剤を処理し、抗菌性重合体だけを取り出し、この処理前後の質量変化から、無機粒子と抗菌性重合体との質量比を求めることができる。また、抗菌性重合体を溶解可能な溶媒で抗菌剤を抽出し、抽出される抗菌性重合体が無くなるまで、抽出を繰り返す。この処理前後の質量変化から、遊離の抗菌性重合体と抗菌性重合体が結合された無機粒子との質量比を求めることができる。さらに、上記の測定結果から無機粒子に結合された抗菌性重合体と無機粒子との質量比を求めることができる。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
物性等は以下の方法により測定する。
(溶出性試験)
フィルム成形体を純水に入れ、24時間煮沸する。煮沸後の水をIPC発光分光分析装置を用いて溶出物の有無を分析する。
(抗菌性試験)
JIS Z2801に基づき、フィルム密着法で行う。フィルム成形体に黄色ブドウ球菌を接種し、温度35℃、相対湿度90%以上の環境で4時間培養する。培養後、フィルム成形体から菌を洗い出し、洗い出した液1mlを寒天平板培養法に従って40〜48時間培養して、生菌数を測定する。
(分散性試験)
抗菌剤0.1gを50mlのジメチルスルホキシド(DMSO)に加え、超音波を30分間照射して分散させる。室温下で静置し、沈降状態を観察する。未処理のシリカナノ粒子の沈降状態と比較する。
実施例1
シリカナノ粒子(Aerosil 200;デグサ社製)25質量部および1,4−ジオキサン257.5質量部を三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素で置換した。シリカナノ粒子を撹拌しながら、ビニルトリメトキシシラン20質量部を滴下した。滴下終了後、p−ビニルベンジルクロライド60質量部、およびベンゾイルパーオキサイド1.1質量部を添加し、撹拌させながら、窒素雰囲気下、90℃で6時間重合反応させた。
反応生成物に容量比1/1のメタノール−水混合液89.65質量部を添加し、次いで28%アンモニア水3質量部を添加し、室温下で1時間攪拌した。次いで1時間還流を行った。
室温に冷却後、メタノールを添加して濃度調整を行い、次いでろ過した。ウェットケーキにメタノールによる洗浄およびろ過を3回繰り返した。得られたケーキを110℃で減圧乾燥させた。ポリビニルベンジルクロライドが結合されたシリカナノ粒子58.8質量部を得た。
ポリビニルベンジルクロライドが結合されたシリカナノ粒子50質量部、トルエン433.5質量部およびトリオクチルホスフィン51質量部を四口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。前記シリカナノ粒子を撹拌しながら、窒素雰囲気下、24時間還流しして反応させた。
室温まで冷却後、メタノールを添加して濃度調整を行い、次いでろ過した。ウェットケーキにメタノールによる洗浄およびろ過を3回繰り返した。得られたケーキを110℃で減圧乾燥させた。ポリビニルベンジル(トリオクチルホスフィン)クロライド(以下、単に「抗菌性重合体A」と表記する。)が結合されたシリカナノ粒子からなる白色粉末状の抗菌剤78質量部を得た。
なお、シリカナノ粒子に共重合されたことの確認は、13C−NMR、熱分解GC−MS、赤外吸光分析によって行う。
得られた抗菌剤は、シリカナノ粒子に結合された抗菌性重合体Aがシリカナノ粒子に対して210質量%であり、遊離抗菌性重合体がシリカナノ粒子に対して100質量%であった。
結合された抗菌性重合体の量および遊離の抗菌性重合体の量は、以下の方法で求める。抗菌剤をトルエンに分散させ、遠心分離を行い、上澄み液を除去する。上澄み液に遊離抗菌性重合体が抽出されなくなるまで、トルエンによる抽出を繰り返す。抽出完了後、減圧乾燥して質量を求める。該質量と、上記反応に使用したシリカナノ粒子の質量、抽出された抗菌性重合体の質量とから計算される。
実施例2
ビニルトリメトキシシラン20質量部を、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン21質量部に替えた以外は、実施例1と同じ手法によって、抗菌剤を得た。
得られた抗菌剤は、シリカナノ粒子に結合された抗菌性重合体Bがシリカナノ粒子に対して190質量%であり、遊離抗菌性重合体Bがシリカナノ粒子に対して98質量%であった。
実施例1および2で得られた抗菌剤1質量%をポリスチレンに添加し十分に混合しフィルム状にそれぞれ成形した。
比較のために、未処理のシリカナノ粒子1質量%をポリスチレンに添加し十分に混合しフィルム状に成形したものと、抗菌性重合体としてビニルベンジルホスホニウム塩の重合体1質量%をポリスチレンに添加し十分に混合しフィルム状に成形したものを用意した。
実施例1および2で得られた抗菌剤を添加したフィルム成形体は、抗菌性試験において、生菌数がいずれも10CFU/ml以下であった。
これに対して、未処理のシリカナノ粒子を添加したフィルム成形体は、抗菌性試験において、生菌数が約2×105CFU/mlであった。
また、実施例1および2で得られた抗菌剤を添加したフィルム成形体は、上記溶出性試験において、溶出物が検出されない。一方、抗菌性重合体を添加したフィルム成形体からは、抗菌性重合体が溶出していることが確認された。
実施例1および2で得られた抗菌剤は、前記分散性試験において、未処理のシリカナノ粒子に比べ、溶媒中での分散性が優れている。

Claims (7)

  1. 抗菌性官能基を有する単量体由来の繰り返し単位と、重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子由来の繰り返し単位とを有する重合体からなる抗菌剤。
  2. 無機粒子がシリカ粒子である請求項1に記載の抗菌剤。
  3. 抗菌性官能基がホスホニウム基である請求項1または2に記載の抗菌剤。
  4. 無機粒子と重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることにより重合可能なエチレン性不飽和基を無機粒子に結合させ、
    重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子と抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する単量体とを共重合することにより抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する重合体を無機粒子に結合させ、
    次いで、前記の抗菌性化合物に結合可能な官能基を有する重合体が結合された無機粒子と抗菌性化合物とを反応させることにより無機粒子に結合された前記重合体を抗菌性重合体に変成することを含む、抗菌剤の製造方法。
  5. 無機粒子と重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることにより重合可能なエチレン性不飽和基を無機粒子に結合させ、
    重合可能なエチレン性不飽和基が結合された無機粒子と抗菌性官能基を有する単量体とを共重合することにより抗菌性重合体を無機粒子に結合させることを含む、抗菌剤の製造方法。
  6. 無機粒子がシリカ粒子である請求項4または5に記載の抗菌剤の製造方法。
  7. 抗菌性官能基がホスホニウム基である請求項4〜6のいずれか1項に記載の抗菌剤の製造方法。
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