JP2011131025A - 歩行補助装置の腰部装具および歩行補助装置 - Google Patents

Abstract

【課題】歩行補助装置用の腰部装具として、歩行補助力の発生源である動力発生手段が発生する動力の反力の受け止めを、使用者に対する装着性を阻害することなく、十分に行えるようにすること。
【解決手段】メインフレーム２２の左右の先端部分２２Ｂ、２２Ｃと腹部ベルト３０の中間部分とを接続する左右のスタビライザ部材９０、９２を設ける。
【選択図】図１

Description

本発明は、歩行補助装置の腰部装具および歩行補助装置に関し、更に詳細には、動力発生装置が発生する動力を使用者の下肢に歩行補助力として付与する歩行補助装置の腰部装具およびその腰部装具を用いられた歩行補助装置に関する。

下肢部の筋力低下者の歩行補助や歩行リハビリテーション等のために、電動モータ等による動力発生装置を有し、動力発生装置が発生する動力を使用者の下肢に歩行補助力（歩行アシスト力）として付与する歩行補助装置が提案されている（例えば、特許文献１、２）。

この種の歩行補助装置は、使用者の腰部に装着されて使用者の腰背部から使用者の左右の腰側部に延在する略Ｃ字形の腰部フレーム（メインフレーム）と腰部フレームを使用者の腰部に取り付けるための腹部ベルトとからなる腰部装具を有しており、腰部フレームの左右先端部分に左右の動力発生装置が取り付けられて当該動力発生装置が発生する動力を使用者の下肢に歩行補助力として付与する。

特開２００６−３２０３５１号公報 特開２００８−１３４０８６号公報

腰部装具は、歩行補助力の発生源である動力発生手段を使用者の腰部に装着するためのものであり、使用者の腰部に装着された状態で、動力発生手段が発生する動力（トルク)の反力、特に、腰部フレームの前額軸周りの反力を適切に受け止めることと、使用者の身体に良好にフィットし、使用者に違和感を与えないこととを要求される。

このことに対して従来のものは十分ではない。特に、従来のものは、使用者の腰部に装着された状態での腰部フレームの前額軸周りの回転を阻止する能力が低いために、動力発生手段が発生する歩行補助力の反力によって腰部フレームが前額軸周りに回転し、反力の受け止めを十分に行えないと云う問題を残している。

本発明が解決しようとする課題は、歩行補助装置用の腰部装具として、歩行補助力の発生源である動力発生手段が発生する動力の反力の受け止めを、使用者に対する装着性を阻害することなく、十分に行えるようにすることである。

本発明による歩行補助装置の腰部装具は、動力発生装置が発生する動力を使用者の下肢に歩行補助力として付与する歩行補助装置の腰部装具であって、使用者の腰部に配置されて腰背部より左右の腰側部の外方へ延在する略Ｃ字形状をなし、左右の先端部分に前記動力発生装置を取り付けられるメインフレームと、前記メインフレームより内側にあって前記メインフレームに連結され、使用者の腹部に巻き付き装着される腹部ベルトと、前記メインフレームの左右の先端部分と前記腹部ベルトの中間部分とを接続する左右のスタビライザ部材とを有する。

本発明による歩行補助装置の腰部装具は、好ましくは、前記スタビライザ部材は、エラストマ材料により構成されて板状をなし、上下方向に比して左右方向に弾性変形し易いことを特徴としている。

本発明による歩行補助装置は、上述の発明による腰部装具を具備している。

本発明による歩行補助装置の腰部装具によれば、動力発生装置を支持しているメインフレームの左右端部が、メインフレームと左右のスタビライザ部材とにより両持ち支持された形態になり、動力発生装置の駆動時の反力の受け持ちが、メインフレームの動きを生じることなく確実に行われる。

本発明による歩行補助装置および腰部装具の一つの実施例を示す斜視図。 一つの実施例による歩行補助装置および腰部装具の要部（腹部ベルトを取り外した状態）を示す斜視図。 本発明による歩行補助装置および腰部装具の他の実施例を示す斜視図。

以下に、本発明による歩行補助装置および腰部装具の一つの実施例を、図１、図２を参照して説明する。以下の説明では、歩行補助装置の方向を各図に示す方向に基づいて説明する。歩行補助装置は、使用者に装着された状態で、その前後方向が使用者の矢状軸に一致し、その左右方向が使用者の前額軸に一致する。

歩行補助装置１０は腰部装具２０を有する。腰部装具２０は、使用者の腰部に配置されて腰背部より左右の腰側部の外方へ延在し、平面視で略Ｃ字形状をなすメインフレーム（腰部フレーム）２２を含む。メインフレーム２２は、プラスチック成形品で、例えば、ポリアミド樹脂やガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック等、高剛性（機械的強度）を有する材料により構成されている。

メインフレーム２２のうち、使用者の腰背部に対応する中間部分２２Ａ（図２参照）の内側には、背当てパッド２４が取り付けられている。メインフレーム２２の中間部分２２Ａには、図には示されていないが、制御装置、電池パック等が取り付けられている。

メインフレーム２２の左右の先端部分２２Ｂ、２２Ｃは、使用者の左右の腰側部外方に位置し、当該左右の先端部分２２Ｂ、２２Ｃの下側には、動力発生装置である左側電動モータユニット２６、右側電動モータユニット２８が、各々、ヒンジ（図示省略）によって使用者の矢状軸（前後方向の軸線）周りに所定角度だけ回動可能に吊り下げ支持されている。

メインフレーム２２の内側には使用者の腹部に巻き付けられる腹部ベルト３０が設けられている。腹部ベルト３０は、本実施例では、左側ベルト３６と、右側ベルト３８と、前側ベルト４０と、左横腹部ベルト４４と、右横腹部ベルト４６とにより構成されている。これらベルト３６、３８、４０、４４、４６は、各々、織布、皮革等、可撓性を有する材料により構成されている。

左側ベルト３６は、中間部分にベルト長さを調節するベルト長さ調節バックル（図示省略）を有し、両端をメインフレーム２２の中間部分２２Ａの左側部分の上下部位に止め金（図示省略）によって連結され、当該連結部分より前方へ延出して折り返され、横転Ｖ形をしている。同様に、右側ベルト３８は、中間部分にベルト長さを調節するベルト長さ調節バックル（図示省略）を有し、両端をメインフレーム２２の中間部分２２Ａの右側部分の上下部位に止め金（図示省略）によって連結され、当該連結部分より前方へ延出して折り返され、横転Ｖ形をしている。

左側ベルト３６の折り返し先端部には、左側ベルト３６のベルト幅と同等の横幅を有するフック形状部５２Ａと、ベルト通し開口５２Ｂとを含むプラスチック製あるいは金属製のフック部材５２が、ベルト通し開口５２Ｂに左側ベルト３６を通された形態で取り付けられている。同様に、右側ベルト３８の折り返し先端部には、右側ベルト３８のベルト幅と同等の横幅を有するフック形状部５４Ａと、ベルト通し開口５４Ｂとを含むプラスチック製あるいは金属製のフック部材５４が、ベルト通し開口５４Ｂに右側ベルト３８を通された形態で取り付けられている。

前側ベルト４０の両端部には、フック形状部５２Ａ、５４Ａに係脱可能に係合する矩形開口部５６Ａ、５８Ａと、ベルト長さ調節バックル部５６Ｂ、５８Ｂとを含む係合部材５６、５８が取り付けられている。換言すると、係合部材５６、５８のベルト長さ調節バックル部５６Ｂ、５８Ｂに前側ベルト４０の端部が取り付けられている。

前側ベルト４０は、係合部材５６、５８の矩形開口部５６Ａ、５８Ａをフック部材５２、５４のフック形状部５２Ａ、５４Ａに離脱可能に引っ掛けられることにより、両端を、各々、左側ベルト３６と右側ベルト３８とに係脱可能に連結される。

これにより、左側ベルト３６、右側ベルト３８、前側ベルト４０は、メインフレーム２２の中間部分２２Ａと共働して使用者の腹部を取り囲むベルト長さ調節自在の閉ループをなし、メインフレーム２２を使用者の腰部に装着する。

左横腹部ベルト４４は、左側ベルト３６の内側にあって、一端をメインフレーム２２の中間部分２２Ａの左側部分の上下部位に止め金（図示省略）によって左側ベルト３６と共締め状態で連結される。同様に、右横腹部ベルト４６は、右側ベルト３８の内側にあって、一端をメインフレーム２２の中間部分２２Ａの右側部分の上下部位に止め金（図示省略）によって右側ベルト３６と共締め状態で連結される。

左横腹部ベルト４４、左横腹部ベルト４６は、左側ベルト３６、右側ベルト３８より幅広で、左横腹部ベルト４４、左横腹部ベルト４６は、使用者の横腹部に対するフィット性を損ねることなく、使用者の横腹部の形状に倣った湾曲形状を保ち、適度の剛性を有するよう、外郭縁部に、弾性変形可能なプラスチックスワイヤ４４Ｂ、４６Ｂを縫い込まれていてよい。左横腹部ベルト４４、左横腹部ベルト４６は、通気性を高くするために、少なくとも一部をメッシュ生地により構成されていてもよい。

メインフレーム２２の左右の先端部２２Ｂ、２２Ｃの内側部分には、止め金９４、９６によって左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２の一端部が各々連結されている。左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２は、各々、止め金９４、９６による連結部を中心としてメインフレーム２２に対して略上下方向に回動可能になっている。

左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２は、止め金９４、９４によるメインフレーム２２との連結部より前方に延出しており、その先端部９０Ａ、９２Ａに左側ベルト３６、右側ベルト３８が通るスロット形状のベルト通し貫通孔９０Ｂ、９２Ｂを形成されている。貫通孔９０Ｂには左側ベルト３６の折り返し端近傍部が、貫通孔９０Ｂには右側ベルト３８が折り返し端近傍部が、各々通されている。

左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２の先端部９０Ａ、９２Ａは、各々、当該先端部９０Ａ、９２Ａより内側にある左横腹部ベルト４４、左横腹部ベルト４６の先端部分に、スポンジ等のクッション部材５５、５７を介して連結されている。

これにより、左側スタビライザ部材９０は、左横腹部ベルト４４の先端部および左側ベルト３６の折り返し端近傍部、つまり、腹部ベルト３０の左側の中間部分と、メインフレーム２２の左側の先端部分２２Ｂとを接続する。同様に、右側スタビライザ部材９２は、右横腹部ベルト４６の先端部および右側ベルト３８の折り返し端近傍部、つまり、腹部ベルト３０の右側の中間部分と、メインフレーム２２の右側の先端部分２２Ｂとを接続する。

左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２は、加硫ゴム等のエラストマ材料により板状に形成され、少なくとも自立できる強度を有し、メインフレーム２２の左右の先端部分２２Ｂ、２２Ｃと腹部ベルト３０の中間部分とを接続する方向（前後方向）と、上下方向には比較的高い剛性（耐曲げ強度）を示し、左右方向（板厚方向）には比較的低い剛性（耐曲げ強度）を示す。つまり、左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２は、上下方向に比して左右方向に弾性変形し易い。この左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２の剛性の違いは、左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２の板厚、板状形状（断面形状）によって、仕様に適合した最適値に設定することができる。

この構成により、左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２は、腹部ベルト３０が使用者の腹部に締め付けられることにより、各々、左右方向の内側に弾性変形し、各々の先端部９０Ａ、９２Ａが使用者の左右の上前腸骨棘の上部に位置する。

左側電動モータユニット２６、右側電動モータユニット２８は、使用者の左右の股関節部の外側に対応する部位に位置し、各々、電動モータと、電動モータの出力部材の回動角度を検出する角度センサ等（図示省略）を内蔵している。左側電動モータユニット２６、右側電動モータユニット２８には、電動モータの出力部材とトルク伝達関係で連結される左右のスイングアーム（大腿部フレーム）６０、６２の基端部６０Ａ、６２Ａが着脱可能に連結されている。

左右のスイングアーム６０、６２は、アルミニウム等の軽金属、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック等、高剛性の材料により構成され、使用者の股関節部の外側から使用者の大腿部前側に位置するように捩られた形状をし、大腿部前側に位置する先端部６０Ｂ、６２Ｂを有する。

左右のスイングアーム６０、６２の先端部６０Ｂ、６２Ｂには、各々、連結部６４、６６によって左右の大腿前部パッド６８、７０が取り付けられている。

左右の大腿前部パッド６８、７０には、幅広のフック形状部７２、７４が一体成形されている。左右の大腿前部パッド６８、７０には、左右の大腿部ベルト７６、７８の一端部が各々連結されている。大腿部ベルト７６、７８は、織布、皮革等、可撓性を有する材料により構成されている。大腿部ベルト７６、７８の先端部には、フック形状部７２、７４に係脱可能に係合する矩形開口部８０Ａ、８２Ａと、ベルト長さ調節バックル部８０Ｂ、８２Ｂとを含む係合部材８０、８２が取り付けられている。換言すると、係合部材８０、８２のベルト長さ調節バックル部８０Ｂ、８２Ｂに大腿部ベルト７６、７８の先端部がベルト長さ調節可能に取り付けられている。

大腿部ベルト７６、７８は、各々、係合部材８０、８２の矩形開口部８０Ａ、８２Ａをフック形状部７２、７４に離脱可能に引っ掛けることにより、先端部を大腿前部パッド６８、７０に係脱可能に連結される。

これにより、大腿部ベルト７６、７８は、大腿前部パッド６８、７０と共働して使用者の大腿部を取り囲む長さ調節自在の閉ループをなし、スイングアーム６０、６２の先端部６０Ｂ、６２Ｂを使用者の大腿部に装着する。

上述のようにして、歩行補助装置１０は、腹部ベルト３０によってメインフレーム２２を使用者の腰部に装着され、大腿部ベルト７６、７８によって大腿前部パッド６８、７０と共に左右のスイングアーム６０、６２の先端部６０Ｂ、６２Ｂを使用者の左右の大腿部に装着される。この状態で、使用者が歩行すると、歩行による大腿部の前後の振り運動によって左右のスイングアーム６０、６２が基端部６０Ａ、６２Ａを中心として前後に回動する。

このスイングアーム６０、６２の回動が電動モータユニット２６、２８の角度センサによって検出されることにより、使用者の歩行に応じて電動モータユニット２６、２８の電動モータが駆動され、左右のスイングアーム６０、６２が使用者の歩行に応じて回動駆動される。これにより、電動モータが発生する動力が使用者の下肢に歩行補助力として付与される。

上述の構成による腰部装具２０によれば、前側ベルト４０の両端部の係合部材５６、５８の矩形開口部５６Ａ、５８Ａを、左側ベルト３６、右側ベルト３８のフック部材５２、５４のフック形状部５２Ａ、５４Ａに引っ掛け、使用者の腰腹回りの大きさに応じてベルト長さを調節することにより、腹部ベルト３０が使用者の腰腹回りに締め付けられ、腰部装具２０が使用者の腰部に装着される。

この装着状態では、左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２の先端部９０Ａ、９２Ａが、各々、左右方向内側に弾性変形して使用者の左右の上前腸骨棘の上部に位置するから、メインフレーム２２は、中間部分２２Ａと左右の先端部分２２Ｂ、２２Ｃを、背当てパッド２４が使用者の腰背部に当接する部位と、左右の上前腸骨棘の上部部位の３点より支持されることになる。

これにより、メインフレーム２２が使用者の身体（腰部）に確実に固定され、歩行中に腹部ベルト３０を含めてメインフレーム２２がずれ動くことが確実に回避される。

電動モータユニット２６、２８の電動モータが駆動されると、これら電動モータの回転中心軸線周りの反力をメインフレーム２２が受け持つことになり、メインフレーム２２が同回転中心軸線周りに回転しょうとする。このことに対して、電動モータユニット２６、２８を吊り下げ支持しているメインフレーム２２の左右の端部２２Ｂ、２２Ｃが、メインフレーム２２と左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２とにより両持ち支持されているから、上述したメインフレーム２２の３点支持と相まって、前記電動モータの駆動時の反力の受け持ちが、メインフレーム２２の動きを生じることなく確実に行われる。

この効果は、左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２が、メインフレーム２２の左右の先端部分２２Ｂ、２２Ｃと腹部ベルト３０の中間部分とを接続する方向（前後方向）と、上下方向には、左右方向（板厚方向）に比して高い剛性（耐曲げ強度）を示す設定により、左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２によるメインフレーム２２の支持剛性が高くなり、顕著なものになる。

また、メインフレーム２２の左右の端部２２Ｂ、２２Ｃが両持ちされていることにより、片持ちの場合に比してメインフレーム２２自体の必要剛性が低減するから、メインフレーム２２を構成する材料を、炭素繊維強化プラスチックよりポリアミド樹脂等、射出成形可能な樹脂に置換することが可能になり、材料コストの低減、生産性の向上を図ることができる。

また、本実施例による腰部装具２０によれば、腹部ベルト３０の締結は、前側ベルト４０の両端部の係合部材５６、５８の矩形開口部５６Ａ、５８Ａを、左側ベルト３６、右側ベルト３８のフック部材５２、５４のフック形状部５２Ａ、５４Ａに引っ掛けることにより行われるので、腹部ベルト３０の締結を簡単に行うことができる。

特に、左側ベルト３６、右側ベルト３８のフック部材５２、５４は、各ベルト３６、３８の折り返し先端部にあり、当該部分の近傍を、左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２より支持されていることにより、垂れ下がることがなく、メインフレーム２２に対する配置位置が安定（動かない）しているから、前側ベルト４０の両端部の係合部材５６、５８の矩形開口部５６Ａ、５８Ａを、左側ベルト３６、右側ベルト３８のフック部材５２、５４のフック形状部５２Ａ、５４Ａに引っ掛ける作業、外す操作を、片手で、簡単に行うことができる。

特に、本実施例では、左側ベルト３６、右側ベルト３８の各々にフック部材５２、５４があり、前側ベルト４０の両端部に係合部材５６、５８があるので、片手が不自由な使用者の場合、左右いずれかの不自由な手の側の引っ掛けを予め行っておき、腰部装具２０の装着時に、自由が利く手の側の引っ掛けを行うことにより、左右いずれかの片手が不自由な使用者も腰部装具２０の装着を行うことができる。

また、本実施例による腰部装具２０によれば、メインフレーム２２の左右の端部２２Ｂ、２２Ｃの近傍部分と腹部ベルト３０との間に空隙ができ、左右の端部２２Ｂ、２２Ｃ近傍部分を手にて握ることができるので、使用者の背方より介護者や療法士等が当該部分を手にて握って腰部装具２０の装着の手伝いやリハビリ治療等を簡便に行えるようになる。

本発明による腰部装具を適用された歩行補助装置の他の実施例を、図３を参照して説明する。なお、図３において、図１、図２に対応する部分は、図１、図２に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。

本実施例では、前述の実施例の前側ベルト４０がなく、左側ベルト３６、右側ベルト３８は、各々、一端を止め金９８によって左横腹部ベルト４４、右横腹部ベルト４６の中間部上部に略上下方向に回動可能に連結され、前側でクロスして左右反対側の左横腹部ベルト４４、右横腹部ベルト４６の先端部下部に引っ掛け式バックル１００、１０２によって解放可能に連結されている。左側ベルト３６の先端部は引っ掛け式バックル１００によって右側ベルト３８の先端部下部に解放可能に連結され、右側ベルト３８の先端部は引っ掛け式バックル１０２によって左側ベルト３６の先端部下部に解放可能に連結されている。

引っ掛け式バックル１００、１０２は、前述の実施例のフック部材５２、５４と係合部材５６，５８との組み合わせと同等のものであり、ベルト長さ調節部を含んでいる。

本実施例と前述の実施例との相違点は、腹部ベルト３０がクロス式になっていることと、左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２のベル通し孔９０Ｂ、９２Ｂに左側ベルト３６、右側ベルト３８が通されているだけで、左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２が左横腹部ベルト４４、右横腹部ベルト４６に直接には連結されてないことである。

この実施例でも、腹部ベルト３０が使用者の腰腹回りに締め付けられ、腰部装具２０が使用者の腰部に装着された状態では、左側スタビライザ部材９０、右側スタビライザ部材９２の先端部９０Ａ、９２Ａが、各々、使用者の左右の上前腸骨棘の上部に位置し、メインフレーム２２は、中間部分２２Ａと左右の先端部分２２Ｂ、２２Ｃを、背当てパッド２４が使用者の腰背部に当接する部位と、左右の上前腸骨棘の上部部位の３点より支持されている。従って、この実施例でも、前述の実施例と同等の効果が得られる。

なお、何れの実施例においても、各部のバックルは、引っ掛け式のものに限られることはなく、多くのベルト用バックルとして用いられる爪係合によるクリップ式のバックルであってもよい。クリップ式のバックルでも、バックルの片側部材の配置位置がぐら付かない設定により、バックル締結・解放を片手で簡便におこなうことができる。また、各部のベルトの締結は、バックル以外に、面ファスナにより行われる構造であってもよい。また、腹部ベルト３０の構成は、上述した二つの実施例のものに限られることなく、メインフレーム２２を腰部に装着すべく、使用者の腹部を取り囲み締結するものであればよい。また、腰部装具２０は、大腿部だけでなく、下腿部にも歩行補助力を付与する型式の歩行補助装置にも適用可能である。

１０ 歩行補助装置
２０ 腰部装具
２２ メインフレーム
２４ 背当てパッド
２６ 左側電動モータユニット
２８ 右側電動モータユニット
３０ 腹部ベルト
３６ 左側ベルト
３８ 右側ベルト
４０ 前側ベルト
４４ 左横腹部ベルト
４６ 右横腹部ベルト
５２、５４ フック部材
５６、５８ 係合部材
６０、６２ スイングアーム
６８、７０ 大腿前部パッド
７６、７８ 大腿部ベルト
８４、８６ 補助ベルト部
９０ 左側スタビライザ部材
９２ 右側スタビライザ部材
１００、１０２ 引っ掛け式バックル

Claims (3)

1. 動力発生装置が発生する動力を使用者の下肢に歩行補助力として付与する歩行補助装置の腰部装具であって、
   使用者の腰部に配置されて腰背部より左右の腰側部の外方へ延在する略Ｃ字形状をなし、左右の先端部分に前記動力発生装置を取り付けられるメインフレームと、
   前記メインフレームより内側にあって前記メインフレームに連結され、使用者の腹部に巻き付き装着される腹部ベルトと、
   前記メインフレームの左右の先端部分と前記腹部ベルトの中間部分とを接続する左右のスタビライザ部材と、
   を有する歩行補助装置の腰部装具。
2. 前記スタビライザ部材は、エラストマ材料により構成されて板状をなし、上下方向に比して左右方向に弾性変形し易いことを特徴とする請求項１に記載の歩行補助装置の腰部装具。
3. 請求項１または２に記載の腰部装具を具備した歩行補助装置。

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