JP2005245612A - 上肢固定装具 - Google Patents

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栄二 井樋
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Abstract

【課題】 肩関節、上肢の障害、疾患に対して関節周辺組織を解剖学的に正常な位置に整復すると共に、その後固定により正常な肢位に保持し、簡易に個対応させることができる手段を備え、モデル採型による個対応用の装具製作を行う必要のない上肢固定装具を提供する。
【解決手段】 前腕から体幹にまで延び前腕を固定するための固定板1、前腕を固定板1に固定するための前腕固定手段3、固定板1を体幹に固定するための胴ベルト6、7、固定板1を支持するための保持ベルト10、11を備え、固定板1を成形可能な部材で形成する。
【選択図】 図1a

Description

本発明は、肩関節の亜脱臼、脱臼を主とし、その他肩腱板損傷、上腕骨頭部付近の障害等の肩関節周辺の障害治療、上腕・前腕部、肘関節部の骨折や各種障害に対して希望する治療肢位を固定することができる上肢固定装具に関する。
肩関節や上腕・前腕部骨折、肘関節の障害等は頻繁に見られるものであり、保存的にも観血的にも数週間の治療肢位での固定が強いられ、希望する治療肢位にそれぞれ固定されている。その際使用される固定手段としては、肘部を90度に屈曲し、腕袋又は前腕保持部に前腕部を挿入し、この腕袋又は前腕保持部の両端間に取り付けた吊りベルトにより前腕部を体幹に密着させ固定するいわゆる腕吊を使用した固定装具(例えば特許文献1参照)、上肢の各関節部にジョイントを有するヒンジなどを組み合わせた硬性装具(例えば特許文献2参照)、腕を乗せられる面を持ったバッグを腰の周りに固定する腕支え具(例えば特許文献3参照)、ブロック状の固定体にベルトを付加して肢位を固定する肩関節固定部用装具(例えば特許文献4参照)、針金を梯子状にしてクッション材で被覆し骨折等の疾患に副木として用いる梯子シーネ(例えば特許文献5参照)、基布に水硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を含浸、塗布させたキャスト材やそれを用いたスプリント材(例えば特許文献6参照)、などがある。前腕骨折部や肘部の障害などに関しては、一般的に腕吊を使用した固定方法であり、その他の障害に対しては、患者の障害程度に合わせて、医療従事者が適宜調整しながら固定方法を決定するのが一般的である。
上述の各固定装具は各障害の状態やその程度に適合したものが選定されるが、腕吊や前腕固定を行う装具では必要な任意の固定肢位が達成できず、その他の装具においては、各種対応が可能であるという汎用性を兼ね備えてはいるが、必要とされる角度を設定するまでの調整が非常に煩雑であるとともに、所定の肢位に固定するために多数のベルトや硬性の素材を使用しなければならないため拘束感が非常に強く、操作性も悪い。更に従来の装具は障害発生現場などで即座に障害部を所望の肢位に固定することができない。また、キャスト材、スプリント材などはそれ単体で供給されるため個々に対応した装具としての機能を持たせることが困難である。場合によっては、包帯や腕吊、ベルト、クッション等の材料を組み合わせて使用することは可能であるが、使用するものによっては固定材料の作製、組み合わせるものの接合、固定肢位を調整しながら、それらを設置する不便さがあり、時間もかかり、簡易に固定肢位を設定できるものではない。
実開平5-39520号公報(第2頁、図1、図2) 特開2001-137269号公報(第5〜6頁、図1、図2) 特開2000-93445号公報(第4頁、図3) 特開2001-299789号公報(第3〜4頁、図1、図3) 実開昭57-48912号公報(第1頁、第1図) 特開平6-133994号公報(第3頁、図1)
本発明の課題は、肩関節、上肢の障害、疾患に対して関節周辺組織を解剖学的に正常な位置に整復すると共に、その後固定により正常な肢位に保持し、簡易に個対応させることができる手段を備えた上肢固定装具を提供することにある。更に本発明の課題は、モデル採型による個対応用の装具製作を行わなくても、簡易に個対応の装具を作製できるようにすることにある。
上述の課題を解決するため、本発明によれば、前腕から体幹にまで延び前腕を固定するための固定板、前腕を固定板に固定するための前腕固定手段、固定板を体幹に固定するための胴ベルト、固定板を支持するための保持ベルトを備え、固定板を成形可能な部材で形成する。
本発明によれば、固定板に塑性変形する材料、硬化可能な材料を使用することができる。また固定板をカバー材で被覆してもよい。
また本発明によれば、固定板、前腕固定手段、胴ベルト、保持ベルトに加え、固定板を被覆するカバー材、前腕固定手段と固定板又は胴ベルトとの間に設けた肘ベルト等を備えるようにしてもよい。
本発明の上肢固定装具によれば、固定板が装着者の肩関節や上肢の障害の症状、身体的特性に応じて成形により形成されるから、機能的肢位の個対応装具を非常に簡易に作製することができ、緊急時にも即座に対応できる。また本発明の上肢固定装具は個対応となっているので固定性およびフィット性が高く、軽量、コンパクトで調整機能を有するから日常生活における拘束感が軽減され、更に安価に製作でき、価格は従来の半分以下となるから経済性に優れている。
固定板は、少なくとも装具作製前には可塑性を有しており、体幹形状、前腕形状、更に患部の固定したい形状に相応するように任意に変形させ、体幹や前腕に密着するように装着することにより固定肢位を保持する。装具作製後には可塑性が残っていても、或いは残っていなくてもよいが、肩関節や肘関節より生じる力に耐えるだけの剛性を有していることが好ましい。また、使用する材料によっては全体又は一部をカバー材で被覆してもよい。このカバー材はベルト類が係止できるように面ファスナーをベルトの走行に対応して縫製したり、その全体にループ状又はフック状の起毛を有する生地を利用することができる。固定板に使用できる材料としては、梯子シーネのような金属の芯材を用いた固定材、水硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を用いたシーネ又はスプリントタイプの固定材等があり、これらの固定材は発泡体、不織布、織物、編物等でできた緩衝材が組み合わされているものが好ましい。固定板の大きさは、使用されるケースによるが、長手方向が体幹周径方向に固定される場合は少なくとも前腕部の長さの約1/2に体幹周径の約1/4程度を加えた程度の長さ以上で、幅が前腕部幅程度であり、長方形状をしている。固定板の長手方向が前腕の長さ方向と異なる場合は、幅が前腕部幅よりも大きくなる。カバー材は、前腕の固定に利用、又は固定板の出し入れのために伸縮性があるものがよい。カバー材を使用することによって、見た目のよさ、ベルトの取り付けやすさがあり、汚れた場合には外して洗濯したり、破損した場合等には交換できるという利点がある。
前腕固定手段は、固定板に前腕を所定の姿勢で固定するためのもので、筒状又は平板状の被覆材(織物・編物等)、ベルト、腕吊に使われるような袋等が使用できる。これらは固定板又はカバー材に縫製、接着等により固定したり、面ファスナー等の手段で着脱可能に取り付けられる。又、カバー材に孔を設け、前腕を挿入して固定し得るようにしてもよい。
胴ベルトは、固定板を体幹に密着させ保持するためのもので、非伸縮性又は難伸縮性のベルト材で形成され、固定板又はカバー材に取り付けられる。胴ベルトはその長さ方向が固定板の長手方向と同じ方向に設置される場合と、固定板の長手方向とほぼ垂直方向に設置される場合とがある。固定板の長手方向と同じ方向に設置される場合は、固定板の前腕部を固定する領域と体幹に固定する領域の境界付近にベルトを1本取り付け、固定板の前腕部を固定するのと反対側の端部又は端部までの間の位置にもう1本のベルトを取り付ける。この際胴ベルトは1本の長いベルトを用いて上記箇所を接合してもよい。また、固定板にカバー材が被せられている場合は、カバー材に取り付けてもよい。胴ベルトが固定板の長手方向とほぼ垂直方向に設置される場合は、固定板又はカバー材が体幹に固定される領域の何れかの部分に接合される。
上記の胴ベルトは、固定板又はカバー材に縫製、接着等により固定したり、面ファスナー、バックル等の手段で着脱可能に取り付けられる。また、胴ベルトを固定板又はカバー材に直接接合せず、固定板又はカバー材にベルトの通る孔を開け、そこを通すことにより固定してもよい。また、胴ベルトには体幹に装着したときに長さを変えられるように、コカン、面ファスナー等を使用した長さ調節部材が設けられる。
保持ベルトは、胴ベルト又は固定板に結合され、胴ベルト又は固定板の長手方向に対してほぼ垂直に延びており、その一部分にコカン、面ファスナー等を使った長さ調節部材が設けられる。また、左右の患部に兼用とする場合には、保持ベルトと胴ベルトとの交点をはと目等で連結し、相互に回転するようにすることで対応が可能となる。保持ベルトにも、装着時の長さを調節し得るように、コカン、面ファスナー等を使用した長さ調節部材が設けられる。
肘ベルトは、障害側の前腕部と胴ベルト又は固定板とを結ぶベルトで、縫製、面ファスナー等により胴ベルト又は固定板又はカバー材と前腕固定部材との間に橋渡しされるように接合される。
次に本発明の実施例を図面について説明する。
図1は本発明の第1の実施例で、図1aは成形前の装具の斜視図、図1b、図1c、図1d、図1eは固定板を成形した状態の斜視図で、図1b、図1eは肩関節の屈伸0度、内外転0度、内外旋0度、肘関節屈曲90度の固定肢位に対応し、主に肩関節前方脱臼、上腕骨近位端骨折等に用いられ、図1cは肩関節の屈伸0度、内外転0度、内外旋0度、肘関節屈曲60度の固定肢位に固定し、主に肩関節前方脱臼、上腕骨近位端骨折等に用いられ、図1dは肩関節の屈伸0度、内外転0度、内外旋0度、肘関節屈曲90度、回内90度の固定肢位に固定し、主に肩関節前方脱臼、上腕骨近位端骨折等に用いられる。
1は固定板で、金属製の梯子状シーネをウレタンフォーム材で挟んだもので、ポリエステルを使用した丸編みで構成された筒状のカバー材2で被覆され、力を加えることにより主として長手方向に、また場合によっては幅方向にも変形可能である。幅は前腕幅程度、長さは前腕長に胴周径の約1/2を加えた値である。3は前腕固定部で、カバー材2の前腕装着側の端部付近と、この端部から固定板1の約1/3の位置にそれぞれ設けた孔4、5を有し、前腕部を孔5からカバー材2と固定板1との間に通し、前方の孔4から出す形で固定する。6、7は胴ベルトで、一方の胴ベルト6はカバー材2の前腕装着側の端部から固定板の約1/3付近、即ち前腕固定部3の孔5付近に、他方の胴ベルト7は体幹装着側の端部に、それぞれ一端を縫製により接続され、他端にはそれぞれバックル8、9が取り付けられ、両バックル8、9は相互に係合可能であり、またベルトの長さは調節可能である。胴ベルトは例えばアクリル繊維を使用した平織りベルトから成っている。10、11は保持ベルトで、一端はそれぞれ胴ベルト6、7に垂直方向に装着時上方へ延びるように縫製により接続されている。各保持ベルト10、11の他端にはそれぞれバックル12、13が取り付けられ、両バックル12、13は相互に係合可能であり、またベルトの長さは調節可能である。保持ベルトは例えばアクリル繊維を使用した平織りベルトから成っている。
次にこの固定装具の成形方法について説明する。先ず図1bに示す装具の成形順序について説明する。すべてのベルトのバックルを外した状態で、前腕保持部3を患側に向け、前腕固定部3のカバー材2が腹側に来るようにして腹側へ力を加え、前腕固定部3を除いた固定板の領域を体幹周形状に変形させる。次いで前腕固定部3の領域を前方へ折り曲げ、所望の肢位になるような位置まで変形させる。この結果装着者の体幹に密着して固定できる上肢固定装具が完成する。この装具の装着状態を図2a、図2bに示す。装着は次のように行う。保持ベルト10、11の両バックル12、13を係合させて両保持ベルトをやや長めの状態で連結し、固定板1を前腕固定部3が患部側に来るような位置にして首にかける。湾曲された部分を体幹前部に合わせ、前腕固定部3の孔5から前腕をカバー材2と固定板1との間に通し、孔4から指先が出るような位置に置く。胴ベルト6、7を後ろに回し、バックル8、9を係合させ、適度の締付力が作用するようにベルトの長さを調整する。最後に保持ベルト10、11の長さを調節し、固定板1が落ちない程度に締める。もし上肢の固定肢位が症状に対し不適当であれば、固定板1の前述の成形に修整を加えることによって、最適の固定板形状を得ることができる。
図1cに示す固定装具は、図1bの装具と同様のものであるが、肘関節の屈曲角度を変更したものである。そのために固定板1の前腕固定部に相当する領域の先端が図1bに示すものより下方を向くように形成される。この装具は、体面より前面に前腕が出る量が軽減され、体の回転時に前腕部がものにぶつかることなどを防ぐことができるという利点がある。この装具の装着状態を図2cに示す。装着方法は図2a、図2bに示したものと同様に行う。
図1dに示す固定装具は、図1bの装具と同様のものであるが、肘関節の回内角度を変更したものである。そのために固定板1の前腕固定部に相当する領域を若干内側に捻るように形成される。この装具は、固定板が水平状態になり前腕部を固定板の上に乗せるような形になるので、前腕部を前腕保持袋などによる過大な固定をせずとも保持できる点で有利である。この装具の装着状態を図2dに示す。装着方法は図2a、図2bに示したものと同様に行う。
図1eに示す固定装具は、図1bの装具と同様のものであるが、更に肘ベルトを付加したものである。即ち胴ベルト6の背面側に一端が接続された肘ベルト14が前腕固定部3の方に延び、その他端には面ファスナー141が設けられており、前腕固定部3に設けられた面ファスナーと係合する。この肘ベルトは胴ベルト6と前腕固定部3とを結び、前腕固定部3の前方への移動を阻止する機能を有する。
図3は本発明の第2の実施例で、図3aは成形前の装具の斜視図、図3b、図3cは成形後の斜視図で、図3bは肩関節の屈伸0度、内外転0度、内外旋0度、肘関節屈曲90度の固定肢位に対応し、主に肩関節前方脱臼、上腕骨近位端骨折等に用いられ、図3cは図3bの装具に外転角度を持たせたもので、図3bと同様の症状に適用される。図3dは図3bに示す装具の装着状態の斜視図である。各図において図1と同等部分には同符号を付してある。
固定板1及び前腕固定部3の構成は図1のものと同じである。図1と異なる点は、前腕固定部3と反対側の胴ベルト7の固定板1に対する取付位置が、固定板の端部ではなく、この端部から固定板の約1/3の内側位置であることである。従って両胴ベルト6、7はそれぞれ固定板1をほぼ3分割する位置にある。
次にこの固定装具の成形方法について説明する。図3bに示す装具は、固定板1のほぼ3分割の位置で折り曲げ、三角形状に形成し、その一辺31に前腕固定部3が存在し、それに隣接する辺32が体幹に接する部分となる。この辺32は体幹の周囲に相応する湾曲面となっている。この装具を装着した状態を図3dに示す。この装具は、図1の装具と同様に、辺31に前腕を固定し、辺32を体幹に接触せしめ、胴ベルト6、7を体幹周囲に回して締め付け、保持ベルト10、11を首に回すことによって固定される。
図3cに示す装具は、固定板1をほぼ台形状に折り曲げ、前腕固定部3を設けた辺31に隣接して短い辺33を有し、この辺の長さが上肢の外転角度を与えるようになっている。胴ベルト、保持ベルトについては図に示していないが、図3bと同様の構成である。
図3に示す装具は、簡易に固定肢位を設定でき、固定板の体幹への接触面積が小さく邪魔にならず、しかも全体が折り曲げた形であるため固定板全体の強度を高めることができる。
図4は本発明の第3の実施例の、図4aは成形前の装具の斜視図、図4bは成形後の斜視図、図4c、図4d、図4eは一部の成形を変えて形成した装具の装着状態の正面図で、図4bは肩関節の外転90度、内外旋0度、肘関節屈曲90度の固定肢位に対応し、主に腱板断裂等に用いられ、図4cは肩関節の外転60度、内外旋0度、肘関節屈曲90度の固定肢位に対応し、主に腱板断裂に用いられ、図4dは肩関節の外転60度、内外旋0度、肘関節屈曲0度の固定肢位に対応し、主に腱板断裂に用いられ、図4eは肩関節の外転115度、内外旋0度、肘関節屈曲0度の固定肢位に対応し、主に腱板断裂に用いられる。図1と同等部分には同符号を付してある。
41は固定板で、水硬化性の樹脂を基材に含浸させたものを芯材とした前腕よりもやや幅広のスプリントを用い、前腕固定部は袋状のものとせず、前腕の固定姿勢に種々の可能性を持たせるため固定板41の上に固定するようになっており、そのため固定板1の裏側に、両端付近に面ファスナーを備えた前腕固定ベルト42、43の一端を取り付け、各前腕固定ベルト42、43の他端に設けられた面ファスナー44、45に係合し得るものとして固定板41の裏側に面ファスナー46を備えている。また胴ベルトとして体幹を十分周回し得る長さの1本のベルト47が、固定板の中央付近に固定板の長手方向と直角になるように面ファスナー48により固定板41上の面ファスナー49に接合され、その両端は係合し得るように面ファスナー410、411を備えている。保持ベルト412、413は固定板41を挟んで両側に、胴ベルト47に、装着時上方へ延びるように、縫製により接続されている。各保持ベルト412、413の端部にはそれぞれバックル414、415が取り付けられ、接続と長さ調整ができるようになっている。なお、固定板41を形成するスプリントはそれ自体被覆材に相当するものを備えているが、特に必要があれば更にカバー材で被覆することもできる。
次にこの固定装具の成形方法について説明する。先ず図4bの装具は、密封容器に封入されたスプリント材を容器から取り出し、水に浸した後余分の水分を振り落とし、図4bに示すような三角形に類似した形状に変形させ、樹脂の硬化反応が多少進行してきたらその形状を保持したまま体幹と上肢との間に設置し、固定肢位になるように調整して硬化させ、スプリントを得る。その辺416は前腕固定部を形成し、その裏側の面ファスナー46に前腕固定ベルト42、43の一端の面ファスナー44、45が取り付けられる。胴ベルト47は面ファスナー48により辺416の内側の面ファスナー49に取り付けられる。辺418は辺416を下から支える形となり、装具の強度を強める働きをしている。この装具の装着は、辺417を脇腹に沿わせて胴ベルト47で固定し、前腕を前腕固定部の辺416上に沿って延ばして配置し、前腕固定ベルト42、43をその上に回して面ファスナー44、45と面ファスナー46とを係合して前腕を固定する。保持ベルト412、413は相互に連結して前側の胴ベルトから健側の肩の上を通り後側の胴ベルトに戻るように位置させ、固定板41の支持を補強する。なお場合によっては患側の肩の上を通すようにしてもよい。
図4cに示す装具は前腕固定部の領域の辺416を短くし、前腕部を固定板に対しほぼ直角に置いた状態で前腕固定ベルト419で保持するようになっており、コンパクトな形状で、装着していても日常活動の妨げにならない、図4dに示す装具は、図4bの装具より辺416と辺417とのなす角度を小さく定めたもの、図4eに示す装具は図4bの装具の辺416と辺417とのなす角度を鋭角より鈍角に大きくしたもので、共に上肢全体を伸展状態で保持することで固定板との密着度が高まり上肢の固定性が上がるなどの利点がある。保持ベルトの装着については図4bと同様である。
図5は本発明の第4の実施例で、図5aは成形前の装具の斜視図、図5bは成形後の斜視図、図5cは装着状態の正面図で、図5bは肩関節屈伸0度、内外転0度、内旋、肘関節屈曲90度の固定肢位に対応し、主に前腕・上腕骨折等に用いられる。
固定板1及び前腕固定部3の構成は図1のものと同じである。図1と異なる点は、前腕固定部3と反対側において、固定板の端部から少し内側位置に、固定板の長手方向と直角方向に延びる胴ベルト51が取り付けられ、前腕固定部3の中央付近に、固定板1の長手方向と直角方向に延びる保持ベルト54が取り付けられていることである。胴ベルト51、保持ベルト54の両端には結合手段、例えば面ファスナー52、53、55、56が設けられている。
次にこの固定装具の成形方法について説明する。図5bに示す装具は、固定板1の前腕固定部3と反対側からほぼ1/3の位置で折り曲げ、L字形状に形成し、その一辺57に前腕固定部3が存在し、それに隣接する辺58が上腕に接する部分となる。この装具を装着した状態を図5cに示す。この装具は、辺57に前腕を固定し、辺58に上腕を固定せしめ、保持ベルト54を肩に回し、その面ファスナー55、56を互いに係合し、胴ベルト51を体幹周囲に回して面ファスナー52、53を互いに係合して締め付けることによって固定される。
図5に示す装具は、上腕骨、前腕骨の骨折に対して通常の腕吊りに比べ外気との接触が多く、蒸れ等が発生しにくい。また、キャストなどでの過大な固定を必要としない。なお、図5の実施例では、胴ベルト、保持ベルトは固定板の両側に延びるように形成したが、片側にのみ延び、固定板の位置で係合するようにしてもよい。
図6は本発明の第5の実施例で、図6aは成形前の装具の斜視図、図6bは成形後の斜視図、図6cは装着状態の正面図で、図6bは肩関節屈伸0度、内外転0度、内旋、肘関節屈曲90度の固定肢位に対応し、主に前腕・上腕骨折等に用いられる。
固定板1及び胴ベルト51の構成は図5のものと同じである。図5と異なる点は、前腕固定部3がナイロンとウレタン繊維を用いた強伸縮ジャージからなる基布を固定板1に長手方向の両辺にあたるカバー材2と接合することにより形成され、この基布とカバー材2との間に前腕を通すようにしたこと、又、保持ベルト59、510が固定板1の長手方向の両端部に設置されて固定板1の長手方向に延び、その各一端に面ファスナー511、512が設けられていることである。
図6bに示す装具の固定板1は図5の装具のそれと同様に作製される。この装具を装着した状態を図6cに示す。この装具は、辺57に前腕を固定し、辺58に上腕を沿わせ、辺58から延びる保持ベルト59を上腕部端から肩・頸部の背面を通り反対側の肩に回し、体幹前面で固定板の辺57から延びる保持ベルト510と面ファスナー511、512の相互係合により連結し、胴ベルト51を体幹周囲に回して面ファスナー52、53を互いに係合して締め付けることによって固定する。
図6に示す装具は、上腕骨、前腕骨の骨折に対して通常の腕吊りに比べ外気との接触が多く、蒸れ等が発生しにくい。また、キャストなどでの過大な固定を必要としない。又、保持ベルトが固定板の長手方向に走行しているため固定感が高い。なお、図6の実施例では、胴ベルト、保持ベルトは固定板の両側に延びるように形成したが、片側にのみ延び、固定板の位置で係合するようにしてもよい。
上述の各実施例において、バックル、面ファスナーといった結合手段は、それらに限定することなく、任意のものを使用することができる。
本発明の実施例1の成形前の斜視図である。 本発明の実施例1の成形後の一例の斜視図である。 本発明の実施例1の成形後の異なる例の斜視図である。 本発明の実施例1の成形後の異なる例の斜視図である。 本発明の実施例1の成形後の異なる例の斜視図である。 a、bは図1bに示す実施例の装着状態のそれぞれ正面図、背面図、cは図1cに示す実施例の装着状態の正面図、dは図1dに示す実施例の装着状態の正面図である。 本発明の実施例2の、aは成形前の斜視図、bは成形後の一例の斜視図、cはbに示す装具の装着状態の正面図、dは成形後の異なる例の斜視図である。 本発明の実施例3の成形前の斜視図である。 本発明の実施例3の成形後の一例の斜視図である。 本発明の実施例3の成形後の異なる例の装着状態の正面図である。 本発明の実施例3の成形後の異なる例の装着状態の正面図である。 本発明の実施例3の成形後の異なる例の装着状態の正面図である。 本発明の実施例4の、aは成形前の斜視図、bは成形後の一例の斜視図、cはbに示す装具の装着状態の正面図である。 本発明の実施例5の、aは成形前の斜視図、bは成形後の一例の斜視図、cはbに示す装具の装着状態の正面図である。
符号の説明
1 固定板
2 カバー材
3 前腕固定部
4 孔
5 孔
6、7 胴ベルト
8、9 バックル
10、11 保持ベルト
12、13 バックル
14 肘ベルト
141 面ファスナー
31、32、33 固定板の辺
41 固定板
42、43 前腕固定部
44、45、46 面ファスナー
47 胴ベルト
48、49、410、411 面ファスナー
412、413 保持ベルト
414、415 バックル
416、417、418 固定板の辺
51 胴ベルト
52、53 面ファスナー
54 保持ベルト
55、56 面ファスナー
57、58 固定板の辺
59、510 保持ベルト
511、512 面ファスナー

Claims (8)

  1. 前腕から体幹にまで延び前腕を固定するための固定板、前腕を固定板に固定するための前腕固定手段、固定板を体幹に固定するための胴ベルト、固定板を支持するための保持ベルトを備え、固定板を成形可能な部材で形成することを特徴とする上肢固定装具。
  2. 固定板に塑性変形する材料を使用することを特徴とする請求項1記載の上肢固定装具。
  3. 固定板の塑性変形する材料として金属を使用することを特徴とする請求項2記載の上肢固定装具。
  4. 固定板に硬化可能な材料を使用することを特徴とする請求項1記載の上肢固定装具。
  5. 固定板の硬化可能な材料として水硬化性樹脂を使用することを特徴とする請求項4記載の上肢固定装具。
  6. 固定板の硬化可能な材料として熱可塑性樹脂を使用することを特徴とする請求項4記載の上肢固定装具。
  7. 固定板がカバー材により被覆されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の上肢固定装具。
  8. 前腕から体幹にまで延び前腕を固定するための固定板、前腕を固定板に固定するための前腕固定手段、固定板を体幹に固定するための胴ベルト、固定板を支持するための保持ベルト、前腕固定手段と胴ベルト又は固定板との間に設けた肘ベルトを備え、固定板を成形可能な部材で形成することを特徴とする上肢固定装具。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008055126A (ja) * 2006-09-01 2008-03-13 Yoshiyuki Nakajima ウエストマッサージ器
JP2015195870A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 アルケア株式会社 肩装具
JPWO2015166561A1 (ja) * 2014-04-30 2017-04-20 紳一 中光 肩鎖関節脱臼または鎖骨遠位端骨折の治療用肩装具

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